説明

テーブルゲームシステム

【課題】 不正行為を防止できるテーブルゲームシステムを提供する。
【解決手段】 テーブルゲームシステムは、所定数のコード要素がカード引出方向に配列されて付されたカードと、カードのコード要素を読み取るカード読取機能を有するカードシュータ装置200を備える。カードシュータ装置200は、カードガイド部214とブラックライト型センサ2161と対象物検出センサ2162と計測有効判定センサ2163とを含む。ブラックライト型センサ2161は、カードのコード要素を検出して検出信号を出力する。制御部208は、この検出信号に基づいてカードの数を特定し、カードの数に基づいてカードゲームの勝敗を判定する。表示部210、212は、判定された勝敗結果を出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本発明は、プレイングカード(トランプカード、以下、単にカードという)を読み取るカード読取装置に関し、特に、カードシュータが使われるカードゲームで好適に使用される装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カジノなどでのカードゲームで使用するのに適したカード読取装置が提案されている。例えば、特許文献1は、カードシュータに備えられるカード読取装置を開示している。同文献の装置では、カードシュータにCCDイメージセンサおよび関連する光学系部品が内蔵されている。また、カードシュータの出口には、カード読取窓が設けられている。そして、カードがシュータ出口を通過するときに、読取窓を通してカードが読み取られる。
【特許文献1】特表平10−508236号公報(第12ページ、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上記従来技術のように、CCDイメージセンサ等の構成がカードシュータに内蔵されている場合、専用のカードシュータが使用されなければならない。そのため、カジノ等にカード読取装置を導入しようとすると、既存の多数のカードシュータが無駄になってしまう。
【0004】
また、CCDイメージセンサおよび関連する光学系の構成により、読取精度が制限される。読取精度は、できるだけ向上することが望まれる。この点は、読取エラーの発生によるゲーム進行への影響を減らす上でも重要である。
【0005】
さらに、従来装置では、読取能力を確保するためには、カードシュータからカードが引き出されるときのカードの速度が比較的低い必要があり、例えば、最高速度が1m/s程度である。これに対して、カード速度がより大きくても、カードを正確に読みとれることが望まれる。この点も、カジノ等のゲーム進行にとっては重要なことである。
【0006】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、既存のカードシュータを活用でき、かつ、読取精度が高く、読取時のカード速度の限界値も高いカード読取装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のカード読取装置は、ゲームテーブル上に設置され、カードシュータが搭載されるプラットホームと、前記プラットホームに設けられ、前記カードシュータから1枚ずつ引き出されるカードをゲームテーブル上に向けて案内するカードガイド部と、前記カードガイド部に設けられ、カードの数を表す紫外線反応コードをカードから読みとるブラックライト型センサと、を備える。
【0008】
本発明によれば、ゲームテーブルとカードシュータの間にプラットホームが備えられ、プラットホームにカード読取機能が備えられるので、既存のカードシュータを利用しつつ、カードの読取が可能である。さらに、ブラックライト型センサを使っているので、読取精度が高く、読取時のカード速度の限界値も、例えば、3.6m/s程度と大きく設定できる。そして、カードの読取結果は、不正行為の防止に好適に役立てられる。
【0009】
好ましくは、前記カードガイド部がカードガイド面を有し、カードガイド面の縁部にカードガイドレールが設けられており、カードガイド面とカードガイドレールの間にカード通路隙間が形成されており、前記ブラックライト型センサが前記カード通路隙間内で前記カードガイド面からカードを読み取るように設けられている。これにより、カード読取部分での外光の影響を低減でき、読取精度を向上できる。
【0010】
好ましくは、カード読取装置は、前記ブラックライト型センサにより順次読みとられるカードの数に基づいてカードゲームの勝敗を判定する勝敗判定手段と、前記勝敗判定手段により判定された勝敗結果を出力する出力手段と、を備える。これにより、ゲームの進行を支援できると共に、不正行為を防止できる。
【0011】
好ましくは、本発明のカード読取装置は、各ゲームで1枚目に引き出されるカードを無効にする1枚目カード無効モードを設定する無効モード設定手段を備える。これにより、1枚目を無効にする規則が採用されているときにも、カード読取装置が、カードゲームに即したゲーム結果判定処理を行うことができ、カードゲームを円滑に進行させることができる。
【0012】
好ましくは、本発明のカード読取装置は、前記カードガイド部の案内方向に沿って配列され、カードの有無を検知する第1および第2のカード検知センサと、前記第1および第2のカード検知センサの検出信号に基づいて、カードが前記カードガイド部に沿って正常に通過したか否かを判定する計測有効無効判定手段と、を備える。
【0013】
好ましくは、前記計測有効無効判定手段は、前記第1のカード検知センサおよび前記第2のカード検知センサが順番にカードを検知し、次に、前記第1のカード検知センサおよび前記第2のカード検知センサが順番にカードを検知しなくなったとき、カードの読取を有効にする。
【0014】
好ましくは、前記計測有効無効判定手段は、前記第1のカード検知センサおよび第2のカード検知センサの順番でカードを検知し、次に、前記第2のカード検知センサおよび前記第1のカード検知センサが順番にカードを検知しなくなったとき、カードの読取を無効にする。これにより、カードが逆戻りした場合に好適に対処できる。
【0015】
好ましくは、本発明のカード読取装置は、前記第2のカード検知センサの感度が、ゲーム用のカードを検知し、カットカードを検知しないように設定されている。これにより、カード読取装置が、カットカードが使用される場合に好適に対処できる。
【0016】
また、本発明のカード読取装置において、前記ブラックライト型センサは、所定数のコード要素が前記紫外線反応コードとしてカード引出方向に配列されたカードからコード要素を検出して検出信号を出力するように構成されている。そして、カード読取装置は数特定手段を備え、数特定手段は、前記ブラックライト型センサの検出信号に基づき、コード要素の数と関連づけられたカードの数を特定する。前記コード要素は、典型的には紫外線反応インクで印刷されたマークである。
【0017】
本発明において、コード要素の数は、少なくともカードの数と関連づけられている。コード要素の数は、カードの数に加えて種類(スペード、ハート等)とも関連づけられていてよい。コード要素の数は、さらに他の情報とも関連づけられてよい。
【0018】
また、紫外線反応コードは、コード要素の複数の列を有してよい。複数の列のコード要素数の組合せで、カードが特定されてよい。この場合、複数列の所定数のコード要素からカードが特定される。したがって、この場合もまた、所定数のコード要素が読み取られている。そして、数特定部は、コード要素の数に関連づけられたカードの数を特定している。
【0019】
本発明によれば、ブラックライト型センサが設けられており、そして、ブラックライト型センサによりコード要素が検出され、コード要素の数からカードが特定されるので、カードを精度よく検出できる。
【0020】
ここで、従来技術と対比することで本発明の利点をより詳細に説明する。
【0021】
従来技術は可視光カメラを使用している。可視光カメラを使用する場合、カードに従来既存の絵柄が使用されなければならない。本発明のようなコード要素は下記の理由で使えない。すなわち、カメラを使用する場合、可視光の被写体しか読みとれないから、コード要素も可視光インクで印刷されるべきである。しかし、カード上に従来既存の絵柄と別にコード要素を追加することは許されない。したがって、可視光カメラを使用する場合、本発明の類のコード要素は使えない。一方、本発明は、ブラックライト型センサを使っている。したがって、コード要素は紫外線に反応すればよい。すなわち、コード要素は通常時に可視光の被写体でなくてもよい。このように本発明では、ブラックライト型センサを設けたことで、カードの従来の絵柄以外の読取対象としてコード要素を利用できる。
【0022】
さらに、従来は可視光カメラを使用しており、上記のように従来のカード絵柄を使わざるを得ない。そのために、読取の精度が低く、読取時のカード速度の限界値も低かった。一方、本発明では、ブラックライト型センサがコード要素を検出する。そして、コード要素の数からカードが特定される。コード要素は例えばマークである。絵柄の画像処理ではなく、マークの数がカウントされればよい。このようなカウントは、高い精度で行うことができる。そして、カード速度を増大しても、マーク数のカウントは高精度で行える。
【0023】
さらに、本発明は、バーコードリーダとも異なっている。バーコードリーダでは、線の太さが読取り対象になる。これに対して、本発明では、線の太さは検出されず、単にマークが検出され、カウントされ、マークの数からカードが特定される。これにより、バーコードリーダと比べても、読取が正確であり、かつ、読取時のカード速度の限界値が増大する。
【0024】
このように、本発明は、(1)ブラックライト型センサを設けたことで、読取対象が、従来の絵柄以外のコード要素になり、(2)従来の絵柄の画像処理と異なり、コード要素が検出されて、コード要素の数からカードが特定される。これらの要因によって、従来と比べて読取の精度を向上でき、読取時のカード速度の限界値も高くできる。
【0025】
さらなる利点として、本発明によれば、コード要素がすべてのカードに好適に付与されており、これにより、コード要素が検出されなかったとき、カードが異常であることが分かる。このことは不正防止に好適に役立つ。
【0026】
また、さらなる利点として、本発明は、ブラックライト型センサを用いたことにより、従来の可視光カメラを備える構成と比べて、装置を小型化できる。
【0027】
本発明の別の態様は、カードの数を読み取るカード読取機能を有するカードシュータ装置である。このカードシュータ装置は、カードシュータから1枚ずつ引き出されるカードの数を表す紫外線反応コードをカードから読みとるブラックライト型センサを備える。この態様では、カードシュータとカード読取装置が別体でもよく一体でもよい。この態様でも、少なくとも、読取精度を向上できる利点が得られ、また、読取時のカード速度の限界値を高くできるという利点が得られる。
【0028】
このカードシュータ装置は、ハウジングと、前記ハウジングに設けられたカードシュータ部と、前記ハウジングに設けられ前記カードシュータ部から1枚ずつ引き出されるカードをゲームテーブル上に向けて案内するカードガイド部と、を備えてよい。前記ブラックライト型センサは前記ハウジングに備えられてよい。ハウジングは、ブラックライト型センサの読取データを処理する処理部と、処理部の処理結果を表示する表示部とを備えてよい。
【発明の効果】
【0029】
上述のように、本発明によれば、既存のカードシュータを活用でき、かつ、読取精度が高く、読取時のカード速度の限界値も高いカード読取装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0031】
図1は、本実施の形態のカード読取装置10を示している。カード読取装置10は、プラットホーム12を備えており、プラットホーム12には制御ボックス14が接続されており、制御ボックス14にはモニタ16および勝敗表示ボックス18が接続されている。制御ボックス14は、装置全体を制御するコンピュータ装置である。
【0032】
図2を参照すると、プラットホーム12はゲームテーブル20上に設置され、かつ、カードシュータ22(カードシュー)がプラットホーム12の上に搭載される。
【0033】
カードシュータ22は既存の一般的なタイプのシュータでよい。カードシュータ22は、カード収容部24とその下の前足部26および後足部27で構成されている。カード収容部24の床28および前壁30は図示のように傾斜している。カード収容部24内では、カードの束が、ローラー付きのカード押し部材32によって前方に押され、前壁30に押しつけられている。前壁30は、図3に示すように、下方にU字型の開口34を有する。ディーラーは、カードをスライドさせて、開口34から取り出す。
【0034】
なお、前壁30には、開口34を塞ぐように黒い布36(他の図では省略されている)が掛けられている。また、図示されないが、カード収容部24の上部にはカバーが取り付けられる。カードシュータ22は全体としては黒色で、樹脂製である。
【0035】
次に、プラットホーム12の構成を説明する。プラットホーム12は、カードシュータ22と同様に黒色の樹脂製である。プラットホーム12は、全体としては、薄い箱形の形状を有する。プラットホーム12は、下側にテーブル搭載面40を有し、上側にシュータ設置面42を有し、両面は平坦である。
【0036】
シュータ設置面42には、シュータ位置決めブロック44、46が備えられている。シュータ位置決めブロック44、46にカードシュータ22の前足部26および後足部27が接触するようにカードシュータ22がシュータ設置面42に置かれ、これによりカードシュータ22がプラットホーム12に対して位置決めされる。
【0037】
また、シュータ設置面42の前端には、シュータ押さえブロック48が取り付けられている。シュータ押さえブロック48がカードシュータ22の前端部を上から押さえ、これによりカードシュータ22がプラットホーム12に保持される。
【0038】
プラットホーム12は、前方にカードガイド部50を有する。カードガイド部50は、下記のように、カードシュータ22から1枚ずつ引き出されるカードをゲームテーブル20上に案内する。
【0039】
図2および図3に示すように、カードガイド部50は、傾斜面であるカードガイド面52を有する。カードガイド面52の一端は、カードシュータ22のカード出口の開口34に続いている。カードガイド面52は、カード出口から前方かつ下方に延び、他端がゲームテーブル20に続いている。カードガイド面52はカード読取の計測面となる。
【0040】
カードガイド面52の両側の縁部には、カードガイドレール54が取り付けられている。図2に示すように、カードガイドレール54とカードガイド面52の間には、カード通路隙間56が形成されている。カード通路隙間56の大きさは、カードの厚さより少し大きく設定されている。カードは、カードシュータ22から引き出された後、カードガイド面52を通り、このとき、カードの両端部がカード通路隙間56を通過する。
【0041】
また、図示のように、カードガイド面50の傾斜は途中で変わっている。カードガイドレール54は、傾斜が変わる前の領域に設けられており、また、カードガイドレール54の長さは、カードの短辺よりも少し長い。
【0042】
また、2本のカードガイドレール54の各々に、センサカバー58がねじで取り付けられている。図4に示すように、センサカバー58を取り外すと、4つのセンサが露出する。4つのセンサとは、2つのブラックライト型センサ60と、対象物検出センサ62と、計測有効判定センサ64とであり、これらセンサはカードガイド部50のカードガイド面52に設けられている。図では、ブラックライト型センサ60および計測有効判定センサ64は、カードガイドレール54を貫通するセンサクリーニング穴66、67から見えている。
【0043】
図4に示すように、ブラックライト型センサ60(以下、UVセンサ60)は、カードガイド面52上で、カードの流れ方向の比較的上流側に位置している。また、図2および図5に示されるように、UVセンサ60は、プラットホーム12の内側空間内に配置され、天井(カードガイド面52の裏側)にステイを用いて固定されており、カードガイド面52の開口から露出している。
【0044】
UVセンサ60は、紫外線を発するLED(紫外LED)と検知器を備えている。紫外線(ブラックライト)がカードに照射され、カード上のコードが検知器で検知される。カードには、紫外線が当たると発色する紫外線発光インクでもって、カードの数(ランク、A、2〜10、J、Q、K)のコードが印刷されている。
【0045】
上記のUVセンサ60は、ケーブルを介して制御ボックス14に接続されている。制御ボックス14では、UVセンサ60の検知器の出力信号から、カードの数を判定する。
【0046】
ここで、カードの数のコードとしては、例えば、カードの縁に複数の四角形のマークが配列されている。マークの数により、カードの数が表される。UVセンサ60は、マークを検知すると、オン信号を出力する。したがって、両縁のUVセンサ60が、マークの数のオン信号を出力する。制御ボックス14では、2つのUVセンサ60から入力されるオン信号をカウントする。これにより、2つのUVセンサ60で検知された2つのマーク数が求められる。そして、制御ボックス14は、マークの数からカードの数を特定する。
【0047】
なお、マークの数とカードの数は、同じでもよいが、同じでなくてもよい。マークの数とカードの数が一対一で対応すればよい。制御ボックス14では、検出されたマークの数が、予め登録されたマークの数と比較され、これによりカードの数が特定されてもよい。
【0048】
また、バカラゲームでは、「J」、「Q」、「K」は、「10」と同じに扱われる。そこで、「J」、「Q」、「K」にも「10」と同じコードが付けられてもよい。また、カードの数に加えて、スート(スペード、ハート、ダイヤ、クラブ)を表すコードがカードに付けられ、これが読み取られてもよい。このように、本発明の範囲内で、ゲームに必要なカードの数が表されれば、コードの形態は限定されない。
【0049】
上記のように、本実施の形態では、カード読取装置10が、カードからマークを検出して信号を出力するUVセンサ60を備えている。上記UVセンサ60は、マークが通過中にオン信号を出力する。カードには所定数のマークが設けられており、マークは縁部に設けられ、これにより、UVセンサ60を通過するようにカード引出方向に配列されている。そして、マークの数はカードの数と関連づけられており、制御ボックス14は、UVセンサ60の検出信号からカードを特定する。
【0050】
また、上述の如く、本実施の形態のカード読取装置10では、図4及び図5に示されるように2つのUVセンサ60が設けられている。そこで、図13の例に示されるように、両側のUVセンサ60に対応してカードの両縁にマークが配列されており、これらマークが両側のUVセンサ60により読み取られる。マークは図示のように絵柄の無い領域に好適に設けられている。ただし、実際のマークは通常時は見えない。
【0051】
上述したように、本実施の形態ではカードの各縁に所定数のマークが好適に配列される。マーク数とカードの関連については、単にマーク数の合計が、カードの数と関連づけられてもよい。また、2つの列のマーク数の組合せが、カードの数と関連づけられてもよい。後者の形態では、少ないマークでより多くのカードを識別することが可能である。なお図13は例示であり、マーク列数は2本に限定されず、列数は1でもよく、3以上でもよい。そして、両縁に2本ずつのマーク列が好適に設けられる。この場合、UVセンサの配置も適当に調整される。
【0052】
また、制御ボックス14の構成について説明を加えると、カード読取装置10は、制御ボックス14に、カウンタと、メモリ(記憶手段)と、数特定部とを備える。カウンタが、UVセンサ60からの検出信号をカウントし、マーク数を求める。そして、メモリは、マーク数とカードを関連づける情報を記憶している。関連づける情報は典型的にはテーブルである。数特定部は、メモリの情報を参照し、マークの数からカードの数を特定する。
【0053】
本実施の形態の場合、カウンタは、2つのUVセンサ60に対応して2つのマーク数を求めることができる。上述のように、本実施の形態では、複数列のマーク数の組合せがカードと関連づけられてよい。この場合は、メモリが、マーク数の組合せをカードと関連づける情報を記憶する。そして、数特定部が、マーク数の組合せに対応するカードを特定する。
【0054】
次に、対象物検出センサ62および計測有効判定センサ64は、カードの有無を検知するファイバ式のセンサである。対象物検出センサ62は、カードガイド面52上で、カードの流れ方向に沿った最上流側に位置しており、計測有効判定センサ64は、対象物検出センサ62より下流側に位置している。そして、図6に示すように、対象物検出センサ62と計測有効判定センサ64は、UVセンサ60の読取ポイントを挟んで上流側と下流側に設けられている。対象物検出センサ62および計測有効判定センサ64はそれぞれ本発明の第1のカード検知センサおよび第2のカード検知センサに相当する。
【0055】
また、対象物検出センサ62および計測有効判定センサ64は、UVセンサ60と同様、プラットホーム12の内部空間に配置され、天井に固定されており、カードガイド面52の開口から露出している。
【0056】
対象物検出センサ62および計測有効判定センサ64は、図2に示すように、センサアンプ68を介して、ケーブルで制御ボックス14に接続されている。センサアンプ68は、2ch型であり、対象物検出センサ62および計測有効判定センサ64を独立してコントロールできる。制御ボックス14は、後述するように、対象物検出センサ62および計測有効判定センサ64の検出信号に基づいて、UVセンサ60の読取の開始と終了を制御し、また、カードが正常にカードガイド面52を通過したか否かを判定する。
【0057】
また、図2に示すように、プラットホーム12の側面には、さらに、ブザー70、ランプ付き押しボタン72、リセットスイッチ74、エラーランプ76(赤色)、モニタ切換スイッチ78および正常ランプ80(緑色)が備えられている。ランプ付き押しボタン72は、ボタンが押されるたびにランプが点灯または消灯する。リセットスイッチ74は、鍵穴に差し込まれたキーを回すタイプのスイッチであり、モニタ切換えスイッチ78はレバータイプのスイッチである。また、プラットホーム12の上面には、標準/特別モード切換スイッチ82が備えられている。このスイッチ82も、鍵穴に差し込まれたキーを回すタイプのスイッチである。また、図7に示すように、プラットホーム12の背面には、電源スイッチ84とケーブルコネクタ86が備えられている。上記の各種スイッチ、ランプ、ブザー等は、ケーブルを介して制御ボックス14に接続され、制御ボックス14の各種処理に使用される。
【0058】
以上に、プラットホーム12の構成を説明した。図1に示したように、カード読取装置10には、さらに、モニタ16および勝敗表示ボックス18が備えられている。
【0059】
モニタ16は、制御ボックス14に制御され、カードの読取とゲームに関する情報を表示する。勝敗表示ボックス18には、3つのランプ、すなわち、プレーヤー勝利ランプ90(赤)、引分けランプ92(黄)およびバンカー勝利ランプ94(緑)が備えられている。これらランプは、制御ボックス14に制御され、ゲームの勝敗を示すために点灯される。この説明に示されるように、本実施の形態のカード読取装置10は、バカラゲームに適用される。
【0060】
また、モニタ16および勝敗表示ボックス18は、ゲームテーブル20上の適当な場所に設置される。これに対して、制御ボックス14は、ゲームテーブル20の下側等の適当な場所に配置される。
【0061】
図8は、制御ボックス14に関連する各種構成の機能ブロック図である。制御ボックス14は前述したようにコンピュータ装置である。制御ボックス14は、プラットホーム12のUVセンサ60、対象物検出センサ62および計測有効判定センサ64に接続されている。さらに、制御ボックス14は、プラットホーム12の各種スイッチ、ランプ類と接続され、これらを制御する。さらに、制御ボックス14は、モニタ16および勝敗表示ボックス18の3つのランプと接続され、これらの表示を制御する。
【0062】
制御ボックス14のコンピュータは、ゲームの勝敗を自動的に判定する処理機能を有している。この機能は、勝敗判定用のプログラムをコンピュータに組み込むことにより実現されており、このプログラムがコンピュータのプロセッサで実行される。
【0063】
判定処理としては、コンピュータは、UVセンサ60を使って、カードシュータ22からゲームテーブル20に順次取り出されるカードの数を取得する。取得されたカードの数は、順次、メモリに記憶される。このとき、各カードがどのプレーヤーに配られたかの情報も記憶される。すなわち、カードの数が、配布先のプレーヤーと関連づけて記憶される。
【0064】
この点について、本実施の形態のカード読取装置10は前述のようにバカラゲームで使用される。バカラでは、プレーヤーとバンカーとの2人が存在する(ここでは、両者をプレーヤーという)。そして、次のカードがどちらのプレーヤーに配られるかが、それまでに配られたカードの枚数と各カードの数から一義的に決定される。コンピュータは、メモリに記憶されているカードの数を参照して、UVセンサ60が読み取ったカードがどちらのプレーヤーに配られるかを判定する。そして、各プレーヤーに関連づけて、配られたカードの数がメモリに記憶される。
【0065】
さらに、コンピュータにより、メモリから、両プレーヤーに配られたカードの数が読み出され、両者が比較されて、勝敗が判定される。カードの数が合計され、両者の合計が比較され、どちらが勝ちかが判定される。引き分けも判定される。
【0066】
このように、バカラに関しては、カード読取装置10から順次取り出されるカードの数だけから、勝敗を自動的に判定できる。カードがどちらのプレーヤーに配られたかが、他のセンサ等、例えばテーブルに別途埋め込まれるセンサを用いて検出されなくてもよい。
【0067】
制御ボックス14は、勝敗結果をモニタ16および勝敗表示ボックス18に出力させる。モニタ16には、読み取られた数、勝敗結果等が表示される。また、勝敗表示ボックス18では、プレーヤー勝利ランプ90、引分けランプ92およびバンカー勝利ランプ94のいずれかが、勝敗結果に応じて点灯される。
【0068】
次に、対象物検出センサ62および計測有効判定センサ64の機能を説明する。既に説明したように、対象物検出センサ62および計測有効判定センサ64は、カードの有無を検知し、検出信号を制御ボックス14に出力する。本実施の形態では、カードが存在するときに信号がオンになり、カードが無くなると信号がオフになる。
【0069】
まず、対象物検出センサ62の検出信号は、UVセンサ60の読取開始と終了の制御に用いられる。すなわち、対象物検出センサ62がカードを検知すると(オフからオン)、制御ボックス14はUVセンサ60に読取開始を指示し、UVセンサ60ではLEDが点灯され、検知器がコードを読み取る。対象物検出センサ62がカードを検知しなくなると(オンからオフ)、制御ボックス14はUVセンサ60に読取終了を指示し、UVセンサ60ではLEDが消灯される。
【0070】
対象物検出センサ62および計測有効判定センサ64は、さらに、カードが正常にカードガイド面52を通過したか否かを判定するために用いられる。
【0071】
図9の1段目は、計測正常時(カードが正常に通過したとき)のセンサ出力を示している。この場合、対象物検出センサ62および計測有効判定センサ64の順番で信号がオンになり、続いて、対象物検出センサ62および計測有効判定センサ64の順番で信号がオフになる。UVセンサ60の読取結果(計測結果)は有効である(読取が成立する)。
【0072】
ただし、カードの通過は正常であるが、UVセンサ60が読み取ったマーク数が異常な場合、制御ボックス14は、カード自体が異常であると判定する。例えば、カードの両縁にマークがないときは、カードが異常である。マークの数が登録されていて、検出されたマークの数と比較されてもよい。
【0073】
図9の2段目は、カードがカードガイド上に少し出て、逆戻りしたときのセンサ出力を示している。対象物検出センサ62がオンになり、それから、対象物検出センサ62がオフになる。カードが計測有効判定センサ64まで達していないので、計測有効判定センサ64はオンにならない。この場合、UVセンサ60の読取結果は、無効にされる。
【0074】
図9の3段目は、カードが計測有効判定センサ64まで達した後で逆戻りしたときのセンサ出力を示している。対象物検出センサ62および計測有効判定センサ64の順番で信号がオンになり、それから、計測有効判定センサ64および対象物検出センサ62の順番で信号がオフになる。この場合も、UVセンサ60の読取結果は、無効にされる。
【0075】
図9の4段目は、カットカードが取り出されたときのセンサ出力を示している。ここで、カットカードとは、カジノなどで使用されるカードであり、カードの束の中に挿入される。カットカードから後のカードはゲームに使われない。このカットカードが無視されないと、読取エラーが発生してしまう。そこで、カットカードを無視するために、本実施の形態は、下記のように構成されている。
【0076】
カットカードには青色が付けられている。対象物検出センサ62の感度は、青色の物体も、白色およびマーク色(紫外線反応インクが発色したときの色)も検知するように調整されている。これに対して、計測有効判定センサ64の感度は、青色の物体が検出されず、白色およびマーク色の物体が検知されるように調整されている。これは、計測有効判定センサ64の感度を落とすことで実現される。
【0077】
このような感度設定を行ったので、図9の4段目に示されるように、カットカードが通過するとき、対象物検出センサ62がオンし、続いて、オフする。計測有効判定センサ64は反応しない。したがって、図9の2段目と同じセンサ出力が得られ、したがって、UVセンサ60の読取は無効にされる。このようにして、カットカードの通過を好適に無視することができる。
【0078】
なお、上記例では、カットカードが青色であったが、本発明はこれに限定されない。カットカードのみが検出されないようにセンサ感度を調整可能で有れば、別の色が付けられてよい。
【0079】
図10は、上述のセンサ出力波形の例を示している。計測有効時は、上述のように対象物検出センサ62および計測有効判定センサ64が正常にオンオフする。そして、計測期間(対象物検出センサ62のオン期間)にUVセンサ60がオンオフし、UVセンサ60のオンオフ信号からカードの数が求められる。
【0080】
次のパターンでは、カードが逆戻りしたので、計測有効判定センサ64がオンする前に対象物検出センサ62がオフしている。そのため、計測期間のUVセンサ60の読取結果は無効にされる。
【0081】
次のパターンでは、カットカードが通過したので、上のパターンと同様、対象物検出センサ62のみがオンオフする。UVセンサ60はオン信号を出さない。この場合も、読取結果は無効にされる。
【0082】
次のパターンでは、コードが印刷されていないカードが通過したために、対象物検出センサ62および計測有効判定センサ64が正常にオンオフしたが、計測期間にUVセンサ60がオフのままである。この場合は、制御ボックス14は、異常カードが通ったと判定する。
【0083】
以上にセンサ類の機能を詳細に説明した。次に、本実施の形態のカード読取装置10の動作を説明する。
【0084】
図11は、1回のゲームが行われるときのカード読取装置10の動作を示している。図11の動作の前提として、電源スイッチ84がオンになっている。また、モニタ切換スイッチ78のレバーは、「ゲーム前」の側に倒されており、モニタ16には「ゲーム前」と表示されている。さらに、リセットスイッチ74の鍵は、通常の位置である左側に回されている。また、標準/特別モード設定スイッチ82は、標準側に回されている。
【0085】
この状態で、1枚目のカードが読み取られる(S10)。対象物検出センサ62および計測有効判定センサ64の出力に基づき、読取(計測)が有効であったか否かが判定される(S12)。S12がNO(無効)の場合、S10に戻る。例えば、カードが逆戻りしたり、カットカードが通過したときは、S12からS10に戻る。
【0086】
S12がYES(有効)の場合、カードのコードが正常か否かが判定される(S14)。例えば、コードがない場合、S14がNOになる。この場合、エラーランプ76が点灯され、ブザー70から警報音が発せられる(S16)。警報音は、例えば大きい音量の連続音である。警報音は、リセットスイッチ74が操作されると、停止する。リセットスイッチ74は、左側から右側に回され、左側に戻される。
【0087】
S14がYES(正常)の場合、正常ランプ80が点灯され、ブザー70から正常を示す音が発せられる(S18)。例えば、短く小さな音が出力される。
【0088】
次に、ゲーム処理が行われる(S20)。ここでは、前述したように、読み取られたカードの数が、プレーヤーかバンカーのために記憶される。そして、既に記憶されたカードの数が比較され、ゲームが終了したか否かが判定され、また、ゲームの勝敗が判定される。ゲームが終了していなければ(S22、NO)、S10に戻り、次のカードが読み取られる。ゲームが終了していれば(S22,YES)、モニタ切換スイッチ78の操作が待たれる(S24)。
【0089】
そして、モニタ切換スイッチ78のレバーが「ゲーム後」の側に倒されると(S24、YES)、モニタ16の表示が「ゲーム後」に切り換えられ、勝敗が表示される(S26)。また、勝敗表示ボックス18でも勝敗結果に応じたランプが点灯される(S28)。
【0090】
モニタ切換スイッチ78のレバーが「ゲーム前」に倒されると(S30、YES)、モニタ16の表示が「ゲーム前」に変更され、処理が終了する。そして、次の回のゲームに進み、図11の処理が再度行われる。
【0091】
図12は、特別モードが設定されているときのカード読取装置10の動作を示している。特別モードは、標準/特別モード切換スイッチ82が「特別」側に回されたとき、制御ボックス14にて設定される。特別モードは、各ゲームで1枚目に引き出されるカードが無効にされる1枚目カード無効モードである。
【0092】
図12は、図11との相違点として、S10の手前で、まず、カードが1枚目であるか否かが判定される(S40)。ここでは、例えば、対象物検出センサ62および計測有効判定センサ64がこの順でオンになり、かつ、この順でオフになり、カードが通過したときに、このカードが1枚目か否かが判断される。カードが1枚目であれば、S10に進まず、S40に戻る。カードが1枚目でなければ、S10に進む。したがって、2枚目以降のカードが読み取られる。
【0093】
カードが1枚目か否かは、例えば、フラグを使って判断される。すなわち、S40の処理で、フラグが立っていないときは、カードが1枚目であると判断され、かつ、フラグが立てられる。そして、フラグが立っていれば、カードが1枚目でないと判定される。ゲームが終了すると、フラグはリセットされる。
【0094】
その他、プラットホーム12のランプ付き押しボタン72は、ボタンが押されるたびにランプが点灯または消灯する。ボタン72が消灯しているときは、上述のように、カード読取装置10がカードを読み取る。これに対して、ボタン72が点灯しているときは、カード読取装置10がカードを読み取らない。ボタン72は、例えば、カード読取装置10の読取を一時的に抑制するときに使用される。
【0095】
以上に本発明の好適な実施の形態を説明した。本実施の形態によれば、ゲームテーブル20とカードシュータ22の間にプラットホーム12が備えられ、プラットホーム12にカード読取機能が備えられるので、既存のカードシュータ22を利用しつつ、カードの読取が可能である。さらに、ブラックライト型センサ60を使っているので、読取精度が高く、読取時のカード速度の限界値も、例えば、3.6m/s程度と大きく設定できる。このようにして、既存のカードシュータを活用でき、かつ、読取精度が高く、読取時のカード速度の限界値も高いカード読取装置を提供できる。そして、カードの読取結果は、不正行為の防止に好適に役立てられる。
【0096】
また、本実施の形態では、カードガイド50がカードガイド面52を有し、カードガイド面52の縁部にカードガイドレール54が設けられており、カードガイド面52とカードガイドレール54の間にカード通路隙間56が形成されており、そして、ブラックライト型センサ60がカード通路隙間56内でカードガイド面52からカードを読み取るように設けられている。これにより、カード読取部分での外光の影響を低減でき、読取精度を向上できる。
【0097】
また、本実施の形態では、制御ボックス14のコンピュータが、勝敗判定手段として機能し、ブラックライト型センサにより順次読みとられるカードの数に基づいてカードゲームの勝敗を自動判定し、判定された勝敗結果をモニタ16および勝敗表示ボックス18から出力するので、ゲームの進行を支援できると共に、不正行為を防止できる。
【0098】
また、本実施の形態では、制御ボックス14のコンピュータが、無効モード設定手段として機能しており、上述のように1枚目カード無効モードが設定可能であり、これにより、1枚目を無効にする規則が採用されているときにも、カード読取装置10が、カードゲームに即したゲーム結果判定処理を行うことができ、カードゲームを円滑に進行させることができる。
【0099】
また、本実施の形態では、第1および第2のカード検知センサ(対象物検出センサ62および計測有効判定センサ64)が、カードガイド部50の案内方向に沿って配列されており、制御ボックス14のコンピュータが、計測有効無効判定手段として機能しており、これにより、制御ボックス14のコンピュータが、カードがカードガイド部50に沿って正常に通過したか否かを判定できる。
【0100】
また、本実施の形態では、制御ボックス14のコンピュータが、第1のカード検知センサおよび第2のカード検知センサが順番にカードを検知し、次に、第1のカード検知センサおよび第2のカード検知センサが順番にカードを検知しなくなったとき、カードが正常に通過したと好適に判定する。
【0101】
また、本実施の形態では、制御ボックス14のコンピュータが、第1のカード検知センサおよび第2のカード検知センサの順番でカードを検知し、次に、第2のカード検知センサおよび第1のカード検知センサが順番にカードを検知しなくなったとき、カードの読取を無効にしており、これにより、カードが逆戻りした場合に好適に対処できる。
【0102】
また、本実施の形態では、第2のカード検知センサの感度が、ゲーム用のカードを検知し、カットカードを検知しないように低く設定されており、これにより、カットカードが使用される場合に好適に対処できる。
【0103】
また、上述した本実施の形態のカード読取装置10において、ブラックライト型センサ(UVセンサ)は、所定数のコード要素が紫外線反応コードとしてカード引出方向に配列されたカードからコード要素を検出して検出信号を出力している。そして、カード読取装置10は数特定手段を備え、数特定手段は、ブラックライト型センサの検出信号に基づき、コード要素の数と関連づけられたカードを特定する。コード要素は、上記の実施の形態では紫外線反応インクで印刷されたマークである。また、数特定手段は制御ボックスのコンピュータである。
【0104】
また、上述の例のように、紫外線反応コードは、コード要素の複数の列を有してよい。複数の列のコード要素数の組合せで、カードが特定されてよい。この場合、複数列の所定数のコード要素からカードが特定される。したがって、この場合もまた、所定数のコード要素が読み取られている。そして、数特定部は、コード要素の数に関連づけられたカードの数を特定している。
【0105】
本実施の形態において、上述のようにコード要素の数は少なくともカードの数と関連づけられる。コード要素の数は、カードの数に加えて種類(スペード、ハート等)とも関連づけられていてよい。コード要素の数は、さらに他の情報とも関連づけられてよい。
【0106】
本実施の形態によれば、ブラックライト型センサが設けられており、そして、ブラックライト型センサによりコード要素が検出され、コード要素の数からカードが特定されるので、カードを精度よく検出できる。
【0107】
ここで、従来技術と対比することで本実施の形態の利点をより詳細に説明する。
【0108】
従来技術は可視光カメラを使用している。可視光カメラを使用する場合、カードに従来既存の絵柄が使用されなければならない。本実施の形態のようなコード要素は下記の理由で使えない。すなわち、カメラを使用する場合、可視光の被写体しか読みとれないから、コード要素も可視光インクで印刷されるべきである。しかし、カード上に従来既存の絵柄と別にコード要素を追加することは外観上許されない。したがって、可視光カメラを使用する場合、本実施の形態の類のコード要素は使えない。一方、本実施の形態は、ブラックライト型センサを使っている。したがって、コード要素は紫外線に反応すればよい。すなわち、コード要素は通常時に可視光の被写体でなくてもよい。このように本実施の形態では、ブラックライト型センサを設けたことで、カードの従来の絵柄以外の読取対象としてコード要素を利用できる。
【0109】
さらに、従来は可視光カメラを使用しており、上記のように従来のカード絵柄を使わざるを得ない。そのために、読取の精度が低く、読取時のカード速度の限界値も低かった。一方、本実施の形態では、ブラックライト型センサがコード要素を検出する。そして、コード要素の数からカードが特定される。コード要素は例えばマークである。絵柄の画像処理ではなく、マークの数がカウントされればよい。このようなカウントは、高い精度で行うことができる。そして、カード速度を増大しても、マーク数のカウントは高精度で行える。
【0110】
さらに、本実施の形態は、バーコードリーダとも異なっている。バーコードリーダでは、線の太さが読取り対象になる。これに対して、本実施の形態では、線の太さは検出されず、単にマークが検出され、マークの数からカードが特定される。これにより、バーコードリーダと比べても、読取が正確であり、かつ、読取時のカード速度の限界値が増大する。
【0111】
このように、本実施の形態は、(1)ブラックライト型センサを設けたことで、読取対象が、従来の絵柄以外のコード要素になり、(2)従来の絵柄の画像処理と異なり、コード要素が検出されて、コード要素の数からカードが特定される。これらの要因によって、従来と比べて読取の精度を向上でき、読取時のカード速度の限界値も高くできる。
【0112】
さらなる利点として、本実施の形態によれば、コード要素がすべてのカードに好適に付与されており、これにより、コード要素が検出されなかったとき、カードが異常であることが分かる。このことは不正防止に好適に役立つ。
【0113】
また、さらなる利点として、本実施の形態は、ブラックライト型センサを用いたことにより、従来の可視光カメラを備える構成と比べて、装置を小型化できる。
【0114】
また、本実施の形態のカード読取装置10では、プラットホーム12、制御ボックス14、モニタ16および勝敗表示ボックス18が分かれていた。変形例としては、これらの一部または全部が一体化されてもよい。例えば、制御ボックス14がプラットホーム12に内蔵されてもよい。
【0115】
また、本実施の形態のカード読取装置10は、不正行為防止等のためのカードの検査に使うことができ、この点では、カード検査装置と呼ぶことができ、また、シュー(シュータ)と共に使用されるので、シュー型検査装置と呼ぶこともできる。そして、上記の実施の形態におけるコードの読取は、検査のための計測ともいうことができ、したがって、UVセンサ60はコード読取センサといってもよく、計測センサといってもよい。
【0116】
別の変形例では、本実施の形態のカード読取装置10が、カードシュータに一体化される。この場合、既存のカードシュータを利用できるという利点は得られなくなる。しかし、読取精度を向上できるという利点は得られ、また、読取時のカード速度の限界値を高められるという利点は得られる。
【0117】
図14は、一体化構成を示している。カードシュータ装置200は、ハウジング202を備える。ハウジング202は、上述の実施の形態におけるシュータのハウジングとプラットホームのハウジングを合体した構成に相当する。ハウジング202には、カードシュータ部204が設けられる。カードシュータ部204は、上述のカードシュータの各種構成を備えている。
【0118】
ハウジング202には、さらに、カード読取部206、制御部208、第1表示部210および第2表示部212が備えられている。カード読取部206は、カードガイド部214およびセンサ部216で構成されている。
【0119】
カードガイド部214は、上述の実施の形態におけるカードガイド部と同様の機能を有する。上述の実施の形態では、カードガイド部がプラットホームに備えられていた。この構成では、カードガイド部214がハウジング202に備えられている。カードガイド部214は、カードシュータ部204のカード出口部分の構成に連結され、出口部分の構成に一体化されていてよい。
【0120】
センサ部216は、上述の実施の形態のセンサ類で構成されている。すなわち、センサ部216は、ブラックライト型センサ2161、対象物検出センサ2162、計測有効判定センサ2163および関連する構成を有している。上述の実施の形態ではセンサがプラットホームに内蔵されていた。この構成では、センサ部216がハウジング202に内蔵されている。そして、センサ部216は、カードガイド部206の場所に位置している。
【0121】
制御部208は、上述の実施の形態の制御ボックスに相当する制御装置である。上述の実施の形態では、制御ボックスがプラットホームと別に配置されていた。この構成では、制御部208がハウジング202に内蔵されている。
【0122】
第1表示部210は、上述の実施の形態のモニタである。第2表示部212は、上述の実施の形態における勝敗表示ボックスの3つのランプに相当する。上述の実施の形態では、モニタおよびランプは、プラットホームから離れて、テーブル上に配置されていた。この構成では、第1表示部210のモニタがハウジング202の側面に設けられている。また、第2表示部212は、ハウジング202の上面の後端部に設けられている。
【0123】
カードシュータ装置200では、上述の実施の形態と同様にして、カードが読み取られ、読取データが処理されて、処理結果が表示される。
【0124】
以上に本発明の好適な実施の形態を説明した。しかし、本発明は上述の実施の形態に限定されず、当業者が本発明の範囲内で上述の実施の形態を変形可能なことはもちろんである。
【産業上の利用可能性】
【0125】
本発明は、カードのコードの読取精度を向上でき、そして、不正行為の防止に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0126】
【図1】本実施の形態のカード読取装置の全体構成を示す図である。
【図2】プラットホームをゲームテーブルおよびカードシュータと共に示す図である。
【図3】プラットホームおよびカードシュータの平面図である。
【図4】センサカバーを取り外した状態の平面図である。
【図5】プラットホームの断面図である。
【図6】センサ配置を示す図である。
【図7】プラットホームの背面を示す図である。
【図8】制御ボックスを含む制御構成を示すブロック図である。
【図9】状況に応じたセンサ出力を示す図である。
【図10】センサ類の出力波形の例を示す図である。
【図11】ノーマルモード設定時のカード読取装置の動作を示すフローチャートである。
【図12】特別モード設定時のカード読取装置の動作を示すフローチャートである。
【図13】カードの例を示す図である。
【図14】カード読取装置とカードシュータが一体化された構成を示す図である。
【符号の説明】
【0127】
10 カード読取装置
12 プラットホーム
14 制御ボックス
16 モニタ
18 勝敗表示ボックス
20 ゲームテーブル
22 カードシュータ
40 テーブル搭載面
42 シュータ設置面
50 カードガイド部
52 カードガイド面
54 カードガイドレール
56 カード通路隙間
60 ブラックライト型センサ
62 対象物検出センサ
64 計測有効判定センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カードの数を表す紫外線反応コードとして所定数のコード要素が付されたカードと、
ゲームテーブル上に設置され、前記カードのコード要素を読み取るカード読取機能を有するカードシュータ装置と、
を備えたテーブルゲームシステムにおいて、
前記カードシュータ装置は、
カード収容部から1枚ずつ引き出されるカードをゲームテーブル上に向けて案内するカードガイド部と、
前記カードガイド部に案内されて引き出される前記カードの数を表す紫外線反応コードをカードから読み取るブラックライト型センサと、
前記カードガイド部の案内方向に沿って配列され、カードの有無を検知する第1および第2のカード検知センサと、
前記第1および第2のカード検知センサの検出信号に基づいて、カードが前記カードガイド部に沿って正常に通過したか否かを判定する計測有効無効判定手段と、
を含み、
前記ブラックライト型センサは、所定数のコード要素が前記紫外線反応コードとしてカード引出方向に配列され前記コード要素を検出して検出信号を出力するように構成されており、
さらに、前記カードシュータ装置は、
前記ブラックライト型センサの検出信号に基づき、前記紫外線反応コードと関連づけられたカードの数を特定する数特定手段と、
前記ブラックライト型センサにより順次読み取られるカードの数に基づいてカードゲームの勝敗を判定する勝敗判定手段と、
前記勝敗判定手段により判定された勝敗結果を出力する出力手段と、
を備えた、テーブルゲームシステム。
【請求項2】
前記出力手段は、前記勝敗判定手段による勝敗結果を表示する複数のランプを含む、請求項1に記載のテーブルゲームシステム。
【請求項3】
前記出力手段は、前記シュータ装置のハウジングの側面に設けたモニタを含む、請求項1に記載のテーブルゲームシステム。
【請求項4】
前記カードガイド部がカードガイド面を有し、カードガイド面の縁部にカードガイドレールが設けられており、
前記カードシュータ装置は、前記ガイドレール上には前記ブラックライトセンサを覆うセンサーカバーをさらに備え、前記センサーカバーが前記ブラックライト型センサを外光から守る機能を備えた、請求項1〜3のいずれかに記載のテーブルゲームシステム。
【請求項5】
前記紫外線反応コードは、複数の列のコード要素の組み合わせである、請求項1〜4のいずれかに記載のテーブルゲームシステム。
【請求項6】
前記紫外線反応コードは、カードの数およびスートに関連づけられている、請求項1〜5のいずれかに記載のテーブルゲームシステム。
【請求項7】
前記紫外線反応コードは、カードの数、種類および他の情報に関連づけられている、請求項1〜6のいずれかに記載のテーブルゲームシステム。
【請求項8】
前記カードのコード要素は、カードの絵柄のない領域に設けられている、請求項1〜7のいずれかに記載のテーブルゲームシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2008−188471(P2008−188471A)
【公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−125066(P2008−125066)
【出願日】平成20年5月12日(2008.5.12)
【分割の表示】特願2005−61255(P2005−61255)の分割
【原出願日】平成17年3月4日(2005.3.4)
【出願人】(000103301)エンゼル商事株式会社 (13)