説明

テープカセット及び印字ラベル作成システム

【課題】多少浮いた状態でテープカセットがカセットホルダに装着された場合に、印字ラベル作成装置側からテープカセットの被検出部を検出するに際し、正規の検出結果を得られなかったときにはテープカセットが浮いていることを検出する。
【解決手段】略箱形のカセットケース31と、フィルムテープスプール41と、特定のカセット面31Baに設けられ、搬送されたフィルムテープ59を外部に排出するテープ排出口49とを有し、印字ラベル作成装置1のカセット装着部8に対しカセット底面31A側から挿入されて装着可能なテープカセット30であって、特定のカセット面31Baの下端部から予め定められた距離Hの範囲内に、フィルムテープ59のテープ属性を表す属性情報を印字ラベル作成装置1側へ付与可能なカセット検出部80を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印字ラベル作成装置に装着して用いられるテープカセット、及び、これを用いた印字ラベル作成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
装着したテープカセットから供給された被印字テープに所望の印字を行い印字ラベルを作成する印字ラベル作成装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。テープカセット(リボンカセット)が印字ラベル作成装置(記録装置)のカセットホルダ(本体の裏面)に装着されると、テープカセットの筐体内部の印字用テープスプールに巻回された被印字テープ(印字用テープ)が繰り出されて筐体内部を搬送され、筐体に設けられた排出口から筐体外部へ排出される。このように排出される被印字テープに対し、適宜のタイミングで印字ラベル作成装置の印字手段(サーマルヘッド)が所望の印字を行うことで、印字ラベルが作成される。
【0003】
また、テープカセットの上記筐体のカセット底面には、被印字テープのテープ属性を表す被検出部が設けられている。この被検出部に対し印字ラベル作成装置のカセットホルダに設けた検出手段(検出スイッチ)が検出動作を行うことで、上記テープ属性を表す属性情報が印字ラベル作成装置によって取得される。これにより、印字ラベル作成装置側において、各テープカセットの被印字テープの属性に対応した適正な態様の印字を確実に実行することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平4−133756号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
テープカセットをカセットホルダに装着する際、テープカセットは上記カセットホルダに対し底面側から挿入されて装着される。その際、操作者の不注意等により、筐体のカセット底面がカセットホルダの底面に突き当たるまで十分に挿入されず、多少浮いた状態となる場合があり得る。上記従来技術では、筐体のカセット底面に被検出部が設けられ、これに対向するカセットホルダの検出手段が上方へ向かって検出を行う構成であるため、上記浮いた状態であってもその状態を検出できず、そのまま印字されてしまうことがあった。その場合、まれに被印字テープに対する印字位置がずれてしまったり、被印字テープの走行に不具合を生じる恐れがあった。
【0006】
本発明の目的は、多少浮いた状態でテープカセットがカセットホルダに装着された場合に、印字ラベル作成装置側からテープカセットの被検出部を検出するに際し、正規の検出結果を得られなかったときには、テープカセットが浮いていることを検出できるテープカセット、及び、これを用いた印字ラベル作成システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本願第1発明は、上下方向端部にカセット上面及びカセット底面をそれぞれ備えると共に、前記上下方向に直交する水平方向端部にカセット側面を備える、略箱形の筐体と、前記筐体の内部に設けられ、前記上下方向に沿った回転軸心を備え、被印字テープを繰り出し可能に巻回した被印字テープロールと、前記カセット側面のうちの特定のカセット面に設けられ、前記被印字テープロールから繰り出されテープ面方向が前記上下方向に沿いつつ搬送された前記被印字テープを前記筐体の外部に排出する排出口と、を有し、前記被印字テープを用いて印字ラベルを作成する印字ラベル作成装置のカセットホルダに対し前記カセット底面側から挿入されて装着可能なテープカセットであって、前記特定のカセット面のうち前記上下方向の下端部から予め定められた所定距離範囲内に、前記被印字テープのテープ属性を表す属性情報を前記印字ラベル作成装置側へ付与可能な被検出部を前記排出口と同一の前記特定のカセット面に設けたことを特徴とする。
【0008】
本願第1発明のテープカセットは、筐体と、被印字テープロールと、排出口とを備えている。このテープカセットが印字ラベル作成装置のカセットホルダに装着されると、筐体内部の上記被印字テープロールから被印字テープが繰り出されて筐体内部を搬送され、筐体の特定のカセット面に設けられた上記排出口から筐体外部へ排出される。このように排出される被印字テープに対し適宜のタイミングで印字ラベル作成装置が所望の印字を行うことで、印字ラベルが作成される。
【0009】
ここで、近年、印字ラベルの用途やユーザのニーズは多種多様にわたっており、テープカセットに備えられる上記被印字テープのテープ属性(幅や種類等)も多種多様に用意される場合が多い。本願第1発明においては、被印字テープの上記テープ属性を表す被検出部が設けられ、この被検出部に対し印字ラベル作成装置が検出動作を行うことで、上記テープ属性を表す属性情報が印字ラベル作成装置によって取得される。これにより、印字ラベル作成装置側において、各テープカセットの被印字テープの属性に対応した適正な態様の印字を確実に実行することができる。
【0010】
ここで、テープカセットの筐体は、上記特定のカセット面を含む側面と、上面と、底面とを備えており、装着時には上記カセットホルダに対し、筐体の上下方向に沿いつつ底面側から挿入されて装着される。その際、操作者の不注意等により、筐体のカセット底面がカセットホルダの所定の面に突き当たるまで十分に挿入されず、多少浮いた状態となる場合があり得る。このような場合に、仮に筐体のカセット底面(又は側面から水平に突出して設けられた底板)に被検出部が設けられこれに対向するカセットホルダ側から上下方向に検出が行われる構成であると、上記浮いた状態であってもテープカセットの重量によって検出装置の検出スイッチがオンにとなってしまい、浮いた状態を検出できない可能性がある。これに対して本願第1発明では、上記のように筐体のカセット側面(特定のカセット面)に被検出部が設けられることでこれに対向する印字ラベル作成装置のカセットホルダ側から検出が行われる。これにより、上記のように多少浮いた状態でテープカセットがカセットホルダに装着された場合に、印字ラベル作成装置側からテープカセットの被検出部を検出するに際し、正規の検出結果を得られなかったときには、テープカセットが浮いていることを検出できる。特に、本願第1発明においては、特定のカセット面のうち底面側となる下端部を基準として、当該下端部から(予め定められた)所定距離範囲内に被検出部を設けている。これにより、幅広の被印字テープを備え筐体の上下方向寸法が大きいテープカセットであっても、幅狭の被印字テープを備え筐体の上下方向寸法が小さいテープカセットであっても、上記特定のカセット面における下端部から被検出部までの距離は、互いに同等となる。したがって、テープカセットの上記の上下方向寸法のバリエーションに関係なく、印字ラベル作成装置側と被検出部との相対位置関係が常に一定となるので、高精度な検出を確実に行うことができるとともに、テープカセットが浮いた状態を確実に検出できる。
【0011】
また、例えば上記底板に被検出部を設ける構成では、通常、印字ラベル作成装置におけるカセットホルダの開口面積の制約により当該底板の面積が比較的小さくなることから、被検出部の大きさが小さく制限され、表すことのできる属性情報の量が制限される。すなわち、多種類のテープカセットには対応できない場合があり得る。これに対し、本願第1発明においては、上記のように筐体のカセット側面(特定のカセット面)に被検出部を設けることから、被検出部の大きさを比較的大きくとれ、表すことのできる属性情報の量も多くすることができるので、上記の弊害を解消することができる。
【0012】
さらに、通常、テープカセットは、カセットホルダから取り外された状態においては、使用開始前(新品状態)であっても使用開始後であっても、テープカセットの排出口からは若干の被印字テープが筐体外部に露出した状態となっている。そして、本願第1発明では、筐体のうち、排出口が設けられる側面と同じ上記特定のカセット面に被検出部が設けられている。したがって、操作者は、上記排出口から露出した被印字テープと、上記被検出部とを、同時に目視により視認することができる。これにより、被検出部の表す属性情報の内容と、実際の被印字テープの属性とを、それぞれ目視により容易に確認することができ、二重に安心感を得ることができる。また、被検出部の表す属性情報の内容と実際の被印字テープの属性との整合性を確認することもできる。すなわち、テープカセットの製造時に誤って(被検出部を備えた)筐体とその内部に収納された被印字テープとのミスマッチが生じていないかどうかを、操作者が確認することもできる。
【0013】
第2発明は、上記第1発明において、前記特定のカセット面のうち前記上下方向の上端部から前記水平方向に突出して設けられ、操作者による取り扱い時に指をかけるための指かけ部を有することを特徴とする。
【0014】
筐体の特定のカセット面において、指かけ部は上端部に設けられる一方、被検出部は底面に近い端部側の所定距離範囲に設けられる。このように位置が異なることにより、操作者が指かけ部を用いてテープカセットのカセットホルダへの着脱を行う際に、印字ラベル作成装置に設けた検出手段側に指が触れることがなく、当該検出手段の汚れや損傷や機能障害の発生を防止することができる。又、操作者がテープカセットを着脱する際に被検出部に指が触れることが無く、同様に被検出部の汚れや損傷を防止できる。
【0015】
第3発明は、上記第2発明において、前記被検出部は、前記特定のカセット面における前記指かけ部よりも前記水平方向の一方側に設けられており、前記排出口は、前記特定のカセット面における前記指かけ部よりも前記水平方向の他方側に設けられていることを特徴とする。
【0016】
これにより、指かけ部と被検出部との位置関係が、上述のように上下方向に異なるのみならず、水平方向にも大きく離れることとなる。この結果、印字ラベル作成装置に設けた検出手段の汚れや損傷や機能障害の発生を、さらに確実に防止することができる。又、操作者がテープカセットを着脱する際に被検出部に指が触れることが無く、同様に被検出部の汚れや損傷を防止できる。
【0017】
上記目的を達成するために、第4発明は、被印字テープを用いて印字ラベルを作成する印字ラベル作成装置と、被印字テープを供給するテープカセットと、を有する印字ラベル作成システムであって、前記テープカセットは、上下方向端部にカセット上面及びカセット底面をそれぞれ備えると共に、前記上下方向に直交する水平方向端部にカセット側面を備える、略箱形の筐体と、前記筐体の内部に設けられ、前記上下方向に沿った回転軸心を備え、被印字テープを繰り出し可能に巻回した被印字テープロールと、前記カセット側面のうちの1つの特定のカセット面に設けられ、前記被印字テープロールから繰り出されテープ面方向が前記上下方向に沿いつつ搬送された前記被印字テープを前記筐体の外部に排出する排出口と、前記特定のカセット面のうち前記上下方向の下端部から予め定められた所定距離範囲内に設けられ、前記被印字テープのテープ属性を表す属性情報を前記印字ラベル作成装置側へ付与可能な被検出部と、を有しており、前記印字ラベル作成装置は、前記テープカセットの前記筐体の前記カセット底面に対向するホルダ底面、及び、前記特定のカセット面に対向する特定のホルダ面を含み前記カセット側面にそれぞれ対向するホルダ側面、を備え、挿入される前記テープカセットを前記カセット底面側から前記上下方向に沿って受け入れて装着可能な、凹部状のカセットホルダと、前記カセットホルダに装着された前記テープカセットの前記筐体の前記排出口から供給される前記被印字テープを搬送する搬送手段と、前記搬送手段により搬送される前記被印字テープに所望の印字を行う印字手段と、前記カセットホルダの前記特定のホルダ面に設けられ、当該特定のホルダ面に対向する前記特定のカセット面の前記被検出部に対し前記水平方向に検出動作を行うことで当該被検出部の前記属性情報を取得する検出手段と、を有することを特徴とする。
【0018】
本願第4発明の印字ラベル作成システムに備えられるテープカセットは、筐体と、被印字テープロールと、排出口とを備えている。このテープカセットが印字ラベル作成装置のカセットホルダに装着されると、搬送手段の搬送駆動力が伝達されることで筐体内部の上記被印字テープロールから被印字テープが繰り出されて筐体内部を搬送され、筐体の特定のカセット面に設けられた上記排出口から筐体外部へ排出される。このように排出される被印字テープに対し適宜のタイミングで印字ラベル作成装置の印字手段が所望の印字を行うことで、印字ラベルが作成される。
【0019】
ここで、近年、印字ラベルの用途やユーザのニーズは多種多様にわたっており、テープカセットに備えられる上記被印字テープのテープ属性(幅や種類等)も多種多様に用意される場合が多い。本願第4発明においては、各テープカセットにおいて被印字テープの上記テープ属性を表す被検出部が設けられ、この被検出部に対し印字ラベル作成装置の検出手段が検出動作を行うことで、上記テープ属性を表す属性情報が印字ラベル作成装置によって取得される。これにより、印字ラベル作成装置側において、各テープカセットの被印字テープの属性に対応した適正な態様の印字を確実に実行することができる。
【0020】
ここで、テープカセットの筐体は、上記特定のカセット面を含む側面と、上面と、底面とを備えており、装着時には上記カセットホルダに対し、筐体の上下方向に沿いつつ底面側から挿入されて装着される。その際、操作者の不注意等により、筐体のカセット底面がカセットホルダの所定の面に突き当たるまで十分に挿入されず、多少浮いた状態となる場合があり得る。このような場合に、仮に筐体のカセット底面(又は側面から水平に突出して設けられた底板)に被検出部が設けられこれに対向するカセットホルダ側のホルダ底面側の検出手段から上下方向に検出が行われる構成であると、上記浮いた状態によって検出を正確に行えない可能性がある。これに対して本願第4発明では、上記のように筐体のカセット側面(特定のカセット面)に被検出部が設けられこれに対向するカセットホルダ側のホルダ側面(特定のホルダ面)の検出手段から水平方向に検出が行われる。これにより、上記のように多少浮いた状態でテープカセットがカセットホルダに装着された場合に、印字ラベル作成装置側からテープカセットの被検出部を検出するに際し、正規の検出結果を得られなかったときには、テープカセットが浮いていることを検出できる。特に、本願第4発明においては、特定のカセット面のうち底面側となる下端部を基準として、当該下端部から(予め定められた)所定距離範囲内に被検出部を設けている。これにより、幅広の被印字テープを備え筐体の上下方向寸法が大きいテープカセットであっても、幅狭の被印字テープを備え筐体の上下方向寸法が小さいテープカセットであっても、上記特定のカセット面における下端部から被検出部までの距離は、互いに同等となる。したがって、テープカセットの上記の上下方向寸法のバリエーションに関係なく、印字ラベル作成装置の検出手段と被検出部との相対位置関係が常に一定となるので、高精度な検出を確実に行うことができる。
【0021】
また、例えば上記底板に被検出部を設ける構成では、通常、印字ラベル作成装置におけるカセットホルダの開口面積の制約により当該底板の面積が比較的小さくなることから、被検出部の大きさが小さく制限され、表すことのできる属性情報の量が制限される。すなわち、多種類のテープカセットには対応できない場合があり得る。これに対し、本願第4発明においては、上記のように筐体のカセット側面(特定のカセット面)に被検出部を設けることから、被検出部の大きさを比較的大きくとれ、表すことのできる属性情報の量も多くすることができるので、上記の弊害を解消することができる。
【0022】
さらに、通常、テープカセットは、カセットホルダから取り外された状態においては、使用開始前(新品状態)であっても使用開始後であっても、テープカセットの排出口からは若干の被印字テープが筐体外部に露出した状態となっている。そして、本願第4発明では、筐体のうち、排出口が設けられる側面と同じ上記特定のカセット面に被検出部が設けられている。したがって、操作者は、上記排出口から露出した被印字テープと、上記被検出部とを、同時に目視により視認することができる。これにより、被検出部の表す属性情報の内容と、実際の被印字テープの属性とを、それぞれ目視により容易に確認することができ、二重に安心感を得ることができる。また、被検出部の表す属性情報の内容と実際の被印字テープの属性との整合性を確認することもできる。すなわち、テープカセットの製造時に誤って(被検出部を備えた)筐体とその内部に収納された被印字テープとのミスマッチが生じていないかどうかを、操作者が確認することもできる。
【0023】
第5発明は、上記第4発明において、前記テープカセットは、前記特定のカセット面のうち前記上下方向の上端部から前記水平方向に突出して設けられ、操作者による取り扱い時に指をかけるための指かけ部を有し、前記印字ラベル作成装置の前記カセットホルダは、前記特定のホルダ面の上部に設けられ、前記指かけ部の突出形状を許容しつつ収納する収納凹部を有することを特徴とする。
【0024】
筐体の特定のカセット面において、指かけ部は上端部に設けられる一方、被検出部は底面に近い端部側の所定距離範囲に設けられる。このように位置が異なることにより、操作者が指かけ部を用いてテープカセットのカセットホルダへの着脱を行う際に、印字ラベル作成装置の検出手段側に指が触れることがなく、当該検出手段の汚れや損傷や機能障害の発生を防止することができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、多少浮いた状態でテープカセットがカセットホルダに装着された場合であっても、印字ラベル作成装置側から被検出部に対し精度よく検出を行うことができる。又、操作者がテープカセットを着脱する際に被検出部に指が触れることが無く、被検出部の汚れや損傷を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の第1実施形態に係わる印字ラベル作成装置の斜視図である。
【図2】カセットカバーが開いた状態にある印字ラベル作成装置の斜視図である。
【図3】本発明の第1実施形態のテープカセット及び当該テープカセットが装着されるカセット装着部を表す斜視図である。
【図4】テープカセットが装着されたカセット装着部の平面図である。
【図5】テープ幅が比較的大きい場合のカセットケースの一例を表す、左方側から見た側面図、及び、カセット装着部に装着された状態を前方側から見た概念図である。
【図6】テープ幅が比較的小さい場合のカセットケースの一例を表す、左方側から見た側面図、及び、カセット装着部に装着された状態を前方側から見た概念図である。
【図7】複数の検出スイッチが設けられたカセット装着部のホルダ側面の部分拡大図である。
【図8】図7のI−I断面による横断面図である。
【図9】検出スイッチのオン、オフの組合せパターンにより認識できるテープ属性情報の一例を示すテーブルである。
【図10】印字ラベル作成装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図11】本発明の第2実施形態における、カセットカバーが開いた状態にあるテープ印字装置の斜視図である。
【図12】テープカセットおよびカセット装着部を説明するための斜視図である。
【図13】複数の検出スイッチが設けられたカセット保持片の部分拡大図である。
【図14】図13のV−V線における矢視方向断面図である。
【図15】テープカセットとカセット保持片とが対向配置された状態を説明するための側面断面図である。
【図16】テープカセットとカセット保持片とが対向配置された状態を説明するための側面断面図である。
【図17】テープカセットとカセット保持片とが対向配置された状態を説明するための側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
【0028】
まず、本発明の第1実施形態を図1〜図10により説明する。なお、以下の説明において、図1の左下側を前側とし、図1の右上側を後側とし、図1の右下側を右側とし、図1の左上側を左側として説明する(各図中の矢印表示参照)。
【0029】
<印字ラベル作成装置の概略構成>
まず、本実施形態に係る印字ラベル作成装置の概略構成について説明する。図1及び図2に示すように、印字ラベル作成装置1は、平面視長方形状の本体カバー2を備えている。本体カバー2の前側には、文字、記号及び数字等の文字キーや、種々の機能キー等を含むキーボード3が配設されている。キーボード3の後側には、入力した文字や記号を表示可能な液晶ディスプレイ5が設けられる。液晶ディスプレイ5の後側には、例えばテープカセット30の交換時に開閉される蓋状のカセットカバー6が設けられている。カセットカバー6に対応する本体カバー2の内部には、テープカセット30を着脱自在に装着可能な凹部状のカセット装着部8(カセットホルダ)が設けられている。カセット装着部8には、テープカセット30からテープを引き出して搬送する搬送機構や、テープの表面に文字等を印字する印字機構等が設けられているが、詳細は後述する。なお、上記テープカセット30と、印字ラベル作成装置1とが、各請求項記載の印字ラベル作成システムを構成している。
【0030】
本体カバー2の左側面後方には、印字済みのテープを外部に排出するための排出スリット9が設けられている。カセットカバー6の左側面には、カセットカバー6を閉じた状態で排出スリット9を外部に露出させる排出窓11が形成されている。カセットカバー6の前面略中央には、その下面から下方に突出する鉤状の係止ロック4が設けられている。本体カバー2には、係止ロック4に対応する位置にロック孔7が設けられており、カセットカバー6が閉じられると係止ロック4がロック孔7に嵌め込まれて係止されることで、カセットカバー6の自然開放が防止される。
【0031】
<内部構造>
次に、本体カバー2の内部構造について、カセット装着部8を中心に説明する。図3及び図4に示すように、カセット装着部8の前側には、発熱体(図示せず)を備えるサーマルヘッド10(印字手段、図4参照)を搭載したヘッドホルダ74が固設されている。カセット装着部8の外側(図3では右上側)には、例えばステッピングモータであるテープ送りモータ23が配設されている。テープ送りモータ23の駆動軸の下端には図示しない駆動ギヤが固定されている。この駆動ギヤは、所定のギヤ機構(図示せず)を介し、リボン巻取スプール44の回転駆動を行うリボン巻取軸95と、テープカセット30に備えられたテープ駆動ローラ46の回転駆動を行うテープ駆動軸100と、に作動連結されている。
【0032】
テープカセット30がカセット装着部8に装着された状態でテープ送りモータ23が回転駆動されると、上記駆動ギヤ等を介して、リボン巻取軸95が回転駆動される。リボン巻取軸95は、リボン巻取軸95が嵌挿されたリボン巻取スプール44を回転駆動させる。さらに、上記駆動ギヤの回転はテープ駆動軸100(搬送手段)に伝達される。これにより、テープ駆動軸100が嵌挿されたテープカセット30のテープ駆動ローラ46が回転駆動する。
【0033】
また、カセット装着部8には、2つの位置決めピン103(位置決めピン103の1つは図示省略)が設けられている。各位置決めピン103は、カセット装着部8に装着されたテープカセット30の底面に形成された2つのピン孔(図示せず)にそれぞれ対応する位置に設けられている。各位置決めピン103は、カセット装着部8に装着されたテープカセット30を、カセット装着部8内の適正な位置に位置決めする。
【0034】
ヘッドホルダ74の前側には、アーム状のプラテンホルダ12が軸支部12aを中心に揺動可能に軸支されている。プラテンホルダ12の先端側には、サーマルヘッド10に相対して接離可能に設けられたプラテンローラ15と、テープ駆動軸100が嵌挿されるテープ駆動ローラ46に相対して接離可能に設けられた可動搬送ローラ14と、が共に回転可能に軸支されている。
【0035】
プラテンホルダ12には、カセットカバー6の開閉に連動して左右方向に移動する図示しないリリースレバーが連結されている。カセットカバー6が開放されると、リリースレバーが右方向に移動して、プラテンホルダ12が待機位置に向けて移動する。待機位置では、プラテンホルダ12がカセット装着部8から離間する方向に移動して、テープカセット30をカセット装着部8に着脱することができる。なお、プラテンホルダ12は、図示しない巻きバネにより常に待機位置に弾性付勢されている。
【0036】
一方、カセットカバー6が閉鎖されると、リリースレバーが左方向に移動して、プラテンホルダ12が印字位置に向けて移動する。印字位置では、プラテンホルダ12がカセット装着部8に近接する方向に移動する。そして、カセット装着部8にテープカセット30が装着されていれば、プラテンローラ15がフィルムテープ59(被印字テープ)とインクリボン60とを介して上記サーマルヘッド10を押圧するとともに、可動搬送ローラ14が両面粘着テープ58とフィルムテープ59とを介してテープ駆動ローラ46を押圧する。これにより、印字位置では、カセット装着部8に装着されたテープカセット30を使用して所望の印字を行うことが可能となる。
【0037】
テープカセット30のテープ排出口49(後述)から排出スリット9までの間には、両面粘着テープ58と印字済みのフィルムテープ59とが貼り合わされた印字済テープ50が搬送される搬送経路が設けられている。この搬送経路には、印字済テープ50を所定位置で切断して印字ラベルとする図示しないカット機構が設けられている。カット機構は、固定刃と、固定刃に対向して前後方向に移動可能に支持された移動刃とで構成されている。なお、移動刃は、カッターモータ24(後述の図10参照)によって前後方向に移動される。
【0038】
<テープカセットの概略構造>
ここで、本実施形態に係るテープカセット30の構造について説明する。図3及び図4に示すように、本実施形態のテープカセット30は、上下方向端部にカセット上面31C及びカセット底面31Aをそれぞれ備えると共に、上下方向に直交する水平方向端部にカセット側面31Bを備える、略箱形であるカセットケース31(筐体)を有している。カセット側面31Bのうち特定のカセット面31Baには、テープ面方向が上下方向に沿うように搬送された上記両面粘着テープ58及びフィルムテープ59をカセットケース31外へ排出するためのテープ排出口49が設けられている。また、このテープ排出口49が設けられた特定のカセット面31Baには、上記両面粘着テープ58及びフィルムテープ59のテープ属性(テープ幅やテープの種類)を表すテープ属性情報を印字ラベル作成装置1側へ付与可能なカセット検出部80(被検出部)が設けられている(詳細は後述)。
【0039】
また、図3及び図4に示すように、(上記特定のカセット面31Baを含む)カセット側面31Bのうち上下方向の上端部からは、操作者による取り扱い時に指をかけるための例えば矩形突起状の指かけ部300が水平方向に突出して設けられている。すなわち、指かけ部300は、テープカセット30の左・右にそれぞれ設けられている。このとき、カセット検出部80は、特定のカセット面31Baにおける指かけ部300よりも水平方向一方側(後方側)に設けられており、テープ排出口49は、特定のカセット面31Baにおける指かけ部300よりも水平方向他方側(前方側)に設けられている。
【0040】
なおこのとき、この指かけ部300に対応して、(上記特定のカセット面31Baに対向する特定のホルダ面8Baを含む)カセット装着部8のホルダ側面8Bの上部には、上記指かけ部300の突出形状を許容しつつ収納するための収納凹部301(段付き形状を含む)が設けられている。この収納凹部301は、上記指かけ部300の配置に対応して、カセット装着部8の左右にそれぞれ設けられている。
【0041】
そして、カセットケース31内の後部左側には、両面粘着テープ58の剥離紙を外側に向けて巻回した粘着テープスプール40が、支持孔65を介して回転可能に配置されている。カセットケース31内の後部右側には、フィルムテープ59を巻回して支持するフィルムテープスプール41(被印字テープロール)が、支持孔66を介して回転可能に配置されている。このとき、フィルムテープスプール41は、上下方向に沿った回転軸心k(図4参照)まわりに回転可能となっている。カセットケース31内の前部右側には、インクリボン60を巻回したリボンスプール42が回転可能に配置されている。カセットケース31内における粘着テープスプール40とリボンスプール42との間には、リボンスプール42からインクリボン60を引き出すとともに、文字等の印字にて使用されたインクリボン60を巻き取るリボン巻取スプール44が、支持孔67を介して回転可能に配置されている。なお、リボン巻取スプール44の下部には、リボン巻取スプール44が逆転することで巻き取ったインクリボン60が緩んでしまうのを防止するためのクラッチバネ(図示せず)が取り付けられている。
【0042】
テープカセット30の前面右側には、テープカセット30の前方にやや延びるとともに中央に向かって直角に折り返されたアーム部34が設けられている。アーム部34内には、フィルムテープスプール41から引き出されたフィルムテープ59と、リボンスプール42から引き出されたインクリボン60とが共に案内されている。そして、アーム部34の内面とテープカセット30の前面とに囲まれる隙間が、印字ラベル作成装置1の上記サーマルヘッド10が嵌るためのヘッド装着部39となっている。さらに、アーム部34の先端には、フィルムテープ59とインクリボン60とを重合した状態でヘッド装着部39に供給する開口34aが設けられている。
【0043】
また、アーム部34の開口34aからテープ排出口49までのフィルムテープ59及びインクリボン60の搬送方向において、ヘッド装着部39の下流側には支持孔が設けられ、この支持孔の内側に上記テープ駆動ローラ46が回動可能に軸支されている。テープ駆動ローラ46は、対向する上記可動搬送ローラ14との協働により、フィルムテープスプール41からフィルムテープ59を引き出すとともに、粘着テープスプール40から両面粘着テープ58を引き出し、フィルムテープ59の印字面にガイドして接着させる。テープ駆動ローラ46の上流側には、上下一対の規制部材36が設けられている。規制部材36は、サーマルヘッド10の下流側にて文字が印字されたフィルムテープ59を幅方向に規制してテープ排出口49に向かって案内するとともに、フィルムテープ59と両面粘着テープ58との間に位置ズレを生じることなく適正に接着させる。規制部材36の近傍には、ヘッド装着部39を経由して搬送された使用済みのインクリボン60をフィルムテープ59から離間させ、リボン巻取スプール44に向かって案内するための案内壁38が立設されている。案内壁38とリボン巻取スプール44との間には、案内壁38に沿って案内される使用済みのインクリボン60と、粘着テープスプール40に巻回して支持された両面粘着テープ58とが互いに接触するのを防止するための分離壁48が立設されている。
【0044】
なお、カセットケース31は、前述したように、全体としては平面視で丸みを帯びた角部を有する略直方体状をなしている。但し、印字済テープ50のテープ幅が大きくなると(例えば、18mm、24mm、36mmなど)、それに応じてカセットケース31の高さ(幅)も大きくなる。印字済テープ50のテープ幅が比較的大きい場合のカセットケース31の例を図5(a)及び図5(b)に示し、印字済テープ50のテープ幅が比較的小さい場合のカセットケース31の例を図6(a)及び図6(b)に示す。
【0045】
<検出スイッチ>
一方、印字ラベル作成装置1のカセット装着部8は、カセットケース31の平面形状と略対応して上記カセット底面31Aに対向するホルダ底面8Aと、カセットケース31の外周面形状と略対応して上記カセット側面31Bに対向する上記ホルダ側面8Bと、を有している。ホルダ底面8Aは、カセット装着部8に上記カセット底面31A側から挿入されて装着されたテープカセット30を下方から支持する。そして、ホルダ側面8Bのうち、排出スリット9が位置する側の特定のホルダ面8Baには、その下側位置からカセット装着部8に向けて略水平に突出する検出スイッチ20a,20b,20c(検出手段)が設けられている。
【0046】
各検出スイッチ20a〜cは、カセット装着部8に対するテープカセット30の着脱方向(図3では上下方向)と略直交する方向に、カセット装着部8内に存在するテープカセット30のカセットケース31(筐体)の上記特定のカセット面31Baと対向するように突出する。そして、各検出スイッチ20a〜cは、上記特定のカセット面31Baに設けられた上記カセット検出部80に対し、水平方向に検出動作を行う(詳細は後述)ことで、上記カセット検出部80の表す上記テープ属性情報を取得する。また、各検出スイッチ20a〜cは、テープカセット30がカセット装着部8の適正位置に装着された状態のカセット底面31Aより、言い換えればホルダ底面8Aより、所定の高さ位置(後述する高さHの範囲内)となるように、設けられている。
【0047】
次に、図7及び図8を参照して、各検出スイッチ20a〜cの詳細な構造について説明する。この例では、特定のホルダ面8Baに、検出スイッチ20a,20b,20cが、三角形の頂点をなすように設けられ、全体で検出スイッチ20を構成している(なお、3つではなく4つ以上設けてもよいし、2つのみ設けてもよい)。各検出スイッチ20a〜cは、特定のホルダ面8Baの左側内部に設置された略円筒状の本体部22と、本体部22の一端側(右端側)から軸線方向に進退可能な棒状のスイッチ端子21と、を備えている。各検出スイッチ20a〜cの本体部22は、その他端側(左端側)がスイッチ支持板13に取り付けられ、特定のホルダ面8Baの内側に設置されている。
【0048】
また、各本体部22の一端側(右端側)は、特定のホルダ面8Baに形成された複数の貫通孔12cを介して、スイッチ端子21が進退可能となっている。各スイッチ端子21は、常には本体部22の内部に設けられたバネ部材(図示せず)によって、本体部22から伸出した状態に保持される。つまり、スイッチ端子21は、押圧されていないときは本体部22から伸出した状態(オフ状態)とされ、押圧されているときに本体部22内に退入した状態(オン状態)となる。カセット装着部8にテープカセット30が装着されている場合、各検出スイッチ20a〜cはテープカセット30のカセットケース31の特定のカセット面31Baと対向して、後述するように各検出スイッチ20a〜cの一部がオン状態となる。
【0049】
<カセット検出部>
次に、上記図7、図8、図3、図5、図6を参照して、カセット検出部80の詳細な構造を、上記検出スイッチ20a〜cとの関係と併せて説明する。
【0050】
図3、図5(a)、図6(a)に示すように、カセット検出部80は、上記特定のカセット面31Baのうちこの例では上記検出スイッチ20a〜cに対応した3箇所にそれぞれ設けられた、非押圧部81又は正常押圧部82により構成される。非押圧部81は、スイッチ端子21を挿脱可能なスイッチ孔であり、正常押圧部82は、スイッチ端子21を挿脱不可能な面部(メクラ面)である。なお、図3、図5、図6に示すテープカセット30の例では、上記検出スイッチ20a〜cに対応した3箇所に、2つの非押圧部81a,81bと1つの正常押圧部82とが設けられた例を示している。
【0051】
このとき、カセット検出部80をそれぞれ構成する非押圧部81a,81b及び正常押圧部82は、図5及び図6に示すように、上記特定のカセット面31Baのうち、カセット底面31Aより所定の高さH位置までの距離範囲内に設けられる。
【0052】
そして、カセット検出部80は、テープカセット30の種類に応じたパターンにより各検出部(非押圧部81a,81b又は正常押圧部82)が設けられる。ただし、本実施形態のカセット検出部80では、各検出スイッチ20a〜cの対応する位置が全て非押圧部81a,81bとなるパターン、又は、各検出スイッチ20a〜cの対応する位置が全て正常押圧部82となるパターンは採用されない。つまり、本実施形態のカセット検出部80は、非押圧部81a,81b及び正常押圧部82をそれぞれ少なくとも一つ有するパターンで構成される。
【0053】
図3、図5、及び図6に示すテープカセット30の例では、上述したように、2つの非押圧部81a,81b及び1つの正常押圧部82を有している。この例では、2つの検出スイッチ20a,20bが非押圧部81a及び非押圧部81bにそれぞれ対応しており、1つの検出スイッチ20cが1つの正常押圧部82に対応している。そして、テープカセット30がテープ装着部8に装着されると、図5(b)及び図6(b)に示すように、検出スイッチ20a,20a,20cが、カセット検出部80の非押圧部81a、非押圧部81b、正常押圧部82にそれぞれ対向する。
【0054】
このとき、非押圧部81に対向する検出スイッチ(この例では非押圧部81a,81bにそれぞれ対向する検出スイッチ20a,20b)は、スイッチ端子21が非押圧部81a,81bに挿入されることでオフ状態に維持される。一方、正常押圧部82に対向する検出スイッチ(この例では検出スイッチ20c)は、スイッチ端子21が正常押圧部82によって押圧され、オン状態とされる。このオフ状態とオン状態とを含む検出結果(オン・オフの組み合わせパターン)に基づき、印字ラベル作成装置1では、カセット装着部8に装着されたテープカセット30に関する上記テープ属性情報を認識することができる。
【0055】
図9に、上記のようにして認識されるテープ属性情報の一例を示す。この例では、スイッチ20aがオン状態、スイッチ20bがオン状態、スイッチ20cがオフ状態の時には、テープカセット30内の両面粘着テープ58とフィルムテープ59とのテープ幅が24mmであることを識別することができる。同様に、スイッチ20aがオン状態、スイッチ20bがオフ状態、スイッチ20cがオン状態の時にはテープカセット30内のテープ幅が18mmであることを識別し、スイッチ20aがオン状態、スイッチ20bがオフ状態、スイッチ20cがオフ状態の時にはテープカセット30内のテープ幅が12mmであることを識別し、スイッチ20aがオフ状態、スイッチ20bがオン状態、スイッチ20cがオン状態の時にはテープカセット30内のテープ幅が9mmであることを識別し、スイッチ20aがオフ状態、スイッチ20bがオフ状態、スイッチ20cがオン状態の時にはテープカセット30内のテープ幅が6mmであることを識別し、スイッチ20aがオフ状態、スイッチ20bがオン状態、スイッチ20cがオフ状態の時にはテープカセット30内のテープ幅が4mmであることを識別することができる。そして、スイッチ20a,20b,20cのすべてがオン状態である場合及びオフ状態である場合は、テープカセット30が正常に装着されていない(浮いた状態である)ことを識別することができる。
【0056】
<ラベル作成装置の電気的構成>
次に、印字ラベル作成装置1の電気的構成について図10を用いて説明する。図10に示すように、印字ラベル作成装置1は、制御基板上に形成される制御回路部70を備えている。制御回路部70は、各機器を制御するCPU71と、CPU71にデータバス69を介して接続されたCG−ROM72と、ROM74と、RAM75と、入出力インタフェース77と、等から構成されている。
【0057】
CG−ROM72には、アルファベット文字や記号等のキャラクタを印字するための多数のキャラクタの各々に関して、印字用ドットパターンデータが、書体(ゴシック系書体、明朝体書体等)毎に分類され、各書体毎に6種類(例えば、16、24、32、48、64、96のドットサイズ)の印字文字サイズ分、コードデータに対応させて記憶されている。
【0058】
ROM74には、上記キーボード3から入力された文字や数字等のキャラクタのコードデータに対応させて液晶駆動回路(LCDC)25を制御する表示駆動制御プログラムと、上記サーマルヘッド10や上記テープ送りモータ23を駆動する印字駆動制御プログラムと、各印字ドットの形成エネルギー量に対応する印加パルス数を決定するパルス数決定プログラムと、上記カッターモータ24を駆動して印字済テープ50を所定の切断位置で切断する切断駆動制御プログラムと、その他の印字ラベル作成装置1の制御上必要な各種のプログラムと、等が各々記憶されている。つまり、CPU71は、これら各種プログラムに基づいて各種演算を行う。
【0059】
RAM75には、テキストメモリ、印字バッファ、カウンタ、総印字ドット数カウンタ、パラメータ記憶エリア等が設けられている。テキストメモリには、キーボード3から入力された文書データが格納されている。印字バッファには、複数の文字や記号等の印字用ドットパターンや各ドットの形成エネルギー量である印加パルス数等がドットパターンデータとして格納されている。つまり、サーマルヘッド10はこの印字バッファに記憶されているドットパターンデータに従ってドット印字を行う。カウンタには、サーマルヘッド10により印字される1ライン分の印字ドット数のカウント値が記憶されている。総印字ドット数カウンタには、サーマルヘッド10により印字される起動時からの総印字ドット数が記憶されている。パラメータ記憶エリアには、各種演算データが記憶されている。
【0060】
入出力インタフェース77には、上記検出スイッチ20a〜cと、上記キーボード3と、上記液晶ディスプレイ(LCD)5に表示データを出力するためのビデオRAM(図示せず)を有する上記液晶駆動回路(LCDC)25と、上記テープ送りモータ23を駆動するための駆動回路26と、上記サーマルヘッド10を駆動するための駆動回路27と、上記カッターモータ24を駆動するための駆動回路28と、等が各々接続されている。
【0061】
<ラベル作成装置の動作>
上記構成の印字ラベル作成装置1において、キーボード3を用いて文字等が入力されると、そのテキスト(文書データ)が上記テキストメモリに記憶される。そして、各種プログラムに基づいて、キーボード3で入力された文字等に対応するドットパターンが上記液晶ディスプレイ5上に表示される。そして、サーマルヘッド10が駆動回路27を介して駆動され、印字バッファに記憶されたドットパターンデータの印字を行う。また、テープ送りモータ23は、サーマルヘッド10による印字動作に同期してテープの送り制御を行う。このとき、サーマルヘッド10では、駆動回路27によって発熱体(図示せず)に設けられた各発熱素子が1ライン分の印字ドットに対応して選択的に発熱駆動される。これにより、キーボード3で入力された文字等がフィルムテープ59の印字面に印字される。そして、印字後のフィルムテープ59と両面粘着テープ58とがテープ駆動ローラ46及び可動搬送ローラ14によって貼り合わされて印字済テープ50となる。印字済テープ50は、カット機構の切断位置まで搬送されて、移動刃と固定刃とが互いに協動することで切断され、印字ラベルが生成される。
【0062】
上記のようにしてテープ装着部8にテープカセット30が装着されて印字ラベルが作成される際、本実施形態においては、テープカセット30のカセットケース31に、フィルムテープ59や両面粘着テープ58の属性に対応した上記テープ属性情報を表すカセット検出部80が設けられている。そして、このカセット検出部80に対し印字ラベル作成装置1の検出スイッチ20a〜cが検出動作を行うことで、上記テープ属性情報が印字ラベル作成装置1によって取得される。これにより、印字ラベル作成装置1側において、各テープカセット30のフィルムテープ59の属性に対応した適正な態様の印字を確実に実行することができる。
【0063】
このとき、上記装着においては、テープカセット30のカセットケース31は、上記カセット装着部8に対し、カセット底面31A側から挿入されて装着される。その際、操作者の不注意等により、カセットケース31のカセット底面31Aがカセット装着部8のホルダ底面8Aに突き当たるまで十分に挿入されず、多少浮いた状態となる場合があり得る。このような場合に、仮にカセットケース31のカセット底面31A(又はカセット側面31Bから水平に突出して設けられた底板)にカセット検出部80が設けられこれに対向するカセット装着部8側から上下方向に検出が行われる構成であると、上記浮いた状態であってもテープカセット30の重量によっていずれかの検出スイッチ20a〜cがオン状態となってしまい、浮いた状態を検出できない可能性がある。本実施形態では、上記のようにカセットケース31の特定のカセット面31Baにカセット検出部80が設けられ、これに対向するカセット装着部8の特定のホルダ面8Baに設けた検出スイッチ20a〜cから水平方向に検出が行われる。これにより、上記のように多少浮いた状態でテープカセット30がカセット装着部8に装着された場合に、印字ラベル作成装置1側からカセット検出部80を検出するに際し、もし正規の検出結果を得られなかったときにはテープカセット30が浮いている状態であることとなる(上記図9参照)ので、操作者にその旨を認識させることができる。
【0064】
特に、本実施形態においては、特定のカセット面31Baのうち、カセット底面31A側となる下端部を基準として、当該下端部から予め定められた高さHの距離範囲内に、カセット検出部80を設けている。これにより、図5に示すようにテープ幅が比較的広いフィルムテープ59を備えカセットケース31の上下方向寸法が大きいテープカセット30であっても、図6に示すようにテープ幅が比較的狭いフィルムテープ59を備えカセットケース31の上下方向寸法が小さいテープカセット30であっても、上記特定のカセット面31Baにおける下端部からカセット検出部80までの距離は、互いに同等となる。したがって、テープカセット30の上記の上下方向寸法のバリエーションに関係なく、印字ラベル作成装置1側の検出スイッチ20a〜cとカセット検出部80との相対位置関係が常に一定となるので、高精度な検出を確実に行うことができる。
【0065】
また、例えば上記底板にカセット検出部80を設ける構成では、通常、印字ラベル作成装置1におけるカセット装着部8の開口面積の制約により当該底板の面積が比較的小さくなることから、カセット検出部80の大きさが小さく制限され、表すことのできる上記テープ属性情報の量が制限される。すなわち、多種類のテープカセット30には対応できない場合があり得る。これに対し、本実施形態においては、上記のようにカセットケース31の側面31Bの特定のカセット面31Baにカセット検出部80を設けることから、カセット検出部80の大きさを比較的大きくとれ、表すことのできるテープ属性情報の量も多くすることができるので、上記の弊害を解消することができる。
【0066】
さらに、通常、テープカセット30は、カセット装着部8から取り外された状態においては、使用開始前(新品状態)であっても使用開始後であっても、テープカセット30のテープ排出口49からは若干のフィルムテープ59がテープカセット30外部に露出した状態となっている。そして、本実施形態では、テープカセット30のうち、テープ排出口49が設けられる側面と同じ上記特定のカセット面31Baにカセット検出部80が設けられている。したがって、操作者は、上記テープ排出口49から露出したフィルムテープ59と、上記カセット検出部80とを、同時に目視により視認することができる。これにより、カセット検出部80の表すテープ属性情報の内容と、実際のフィルムテープ59の属性とを、それぞれ目視により容易に確認することができ、二重に安心感を得ることができる。また、カセット検出部80の表すテープ属性情報の内容と実際のフィルムテープ59の属性との整合性を確認することもできる。すなわち、テープカセット30の製造時に誤って(カセット検出部80を備えた)テープカセット30とその内部に収納されたフィルムテープ59とのミスマッチが生じていないかどうかを、操作者が確認することもできる。
【0067】
また、本実施形態では特に、カセットケース31のカセット側面31Bに指かけ部300が設けられる。その際、特定のカセット面31Baにおいて、指かけ部300が上端部に設けられる一方、カセット検出部80はカセット底面31Aに近い端部側の高さHの所定距離範囲内に設けられる。このように位置が異なることにより、操作者が収納凹部301に指を入れて指かけ部300を用いてテープカセット30のカセット装着部8への着脱を行う際に、印字ラベル作成装置1に設けたカセット検出部80側に指が触れることがなく、当該カセット検出部80の汚れや損傷や機能障害の発生を防止することができる。特に、カセット検出部80は指かけ部300より後方側に位置している。これにより、指かけ部300とカセット検出部80との位置関係が、上述のように上下方向に異なるのみならず、水平方向にも大きく離れることとなる。この結果、印字ラベル作成装置1に設けたカセット検出部80の汚れや損傷や機能障害の発生を、さらに確実に防止することができる。また、操作者がテープカセット30を着脱する際にカセット検出部80に指が触れることがなく、上記同様、カセット検出部80の汚れや損傷を防止できる。
【0068】
本発明の第2実施形態を図11〜図17により説明する。なお、本実施形態では、上記第1実施形態と同等の部分には同じ符号を付して説明を一部省略又は簡略化し、以下では異なる点を中心に説明する。
【0069】
本実施形態においては、その特徴として、カセット装着部8の左側部分に、カセット保持片200が設けられる。そして、そのカセット保持片200に、上述した検出スイッチ20a〜cが設けられる。なお、カセット保持片200が、本実施形態における、各請求項記載の特定のホルダ面に相当している。そして、テープ印字装置1において、上記第1実施形態と同様、検出スイッチ20a〜cの検出結果に応じて、カセット装着部8に装着されるテープカセット30に関する上記属性情報が認識される。
【0070】
図11〜図14に示すように、カセット保持片200は、カセット装着部8の左側において立設された板状部材である。詳細には、カセット保持片200は、その立設方向(図13では上下方向)を長手とする略長方形状の本体部201を備えている。本体部201の上端縁部は、屈曲部206において右上方向(図14では右上方向)に傾斜した係止爪部205となっている。係止爪部205は、テープカセット30が適正に装着された場合に、後述するカセットケース31の特定のカセット面31Baの上端縁に接触可能な高さ位置に設けられる。
【0071】
カセット保持片200には、カセット装着部8に向けて水平方向に突出する3つの検出スイッチ20a〜cが設けられている。言い換えると、各検出スイッチ20a〜cは、カセット対向面202から垂直に立設されて、カセット装着部8内に存在するテープカセット30の前面(より詳細には、後述する特定のカセット面31Ba)と対向するように突出する。具体的には、各検出スイッチ20の本体部22は、カセット対向面202とは反対側の面に設置されている。そして、各本体部22の一端側では、本体部201を厚み方向(図14では左右方向)に貫通する複数の貫通孔203を介して、スイッチ端子21がカセット対向面202側で進退可能に連通して設置されている。
【0072】
本実施形態では、カセット保持片200のカセット対向面202に、3つの検出スイッチ20a〜20cが、略均等間隔で交互に異なる2つの高さ位置に配設されている(図13参照)。
【0073】
カセット保持片200の下端側は、カセット装着部8のホルダ底面8Aに挿入配置されている。ホルダ底面8Aの内部では、本体部201を前後方向(図13では左右方向)に貫通固定された細軸状の軸部208によって、カセット保持片200が回動可能に軸支される。カセット保持片200の下端縁部には、伸縮自在な弾性バネ210の一端側が接続されている。弾性バネ210の他端側は、ホルダ底面8Aの内部に固定された基部209に接続されている。
【0074】
そのため、カセット保持片200は、常には弾性バネ210の付勢力によって軸部208を中心として反時計回り方向に回動して、図15に示す解除位置に保持される。図15に示す解除位置では、カセット保持片200がカセット装着部8から離間する方向に移動して、カセット装着部8のホルダ底面8Aから左上方向に傾斜した状態に保持される。これにより、カセット保持片200による干渉を受けることなく、テープカセット30をカセット装着部8に着脱することができる。
【0075】
一方、カセット保持片200は、外部からの応力によって弾性バネ210が伸張すると、軸部208を中心として時計回り方向に回動して、図14に示す係止位置に移動する。図14に示す係止位置では、カセット保持片200がカセット装着部8に近接する方向に移動して、カセット装着部8のホルダ底面8Aから略垂直に立設した状態となる。
【0076】
ところで、カセットカバー6の下面には、下方に突出する略直方体状の保持爪押圧部250が設けられている(図16等参照)。詳細には、保持爪押圧部250は、カセットカバー6を閉鎖するときに、カセット保持片200の係止爪部205の上面に保持爪押圧部250の下端部が接触する位置に設けられている。なお、保持爪押圧部250の下端側は、下方に向けてその厚みが漸減するような傾斜面250aが形成されている。
【0077】
なお、この第2実施形態に係るテープカセット30は、第1の実施形態に係るテープカセット30と同じ構成を有し、カセットケース31の特定のカセット面31Baに上記同様のカセット検出部80が設けられている。
【0078】
ここで、さらに図16および図17を参照して、カセット検出部80と、検出スイッチ20a〜cとの関係を説明する。まず、テープカセット30が装着された状態でカセットカバー6を閉鎖させると、開放位置に保持されるカセット保持片200の係止爪部205の上面に、保持爪押圧部250の下端部(詳細には、傾斜面250a)が押圧される。このとき、傾斜面250aに沿って係止爪部205が摺動する作用によって、カセット保持片200を時計回り方向に回動させる応力が生じる。
【0079】
図16に示すように、テープカセット30が適正に装着されている場合(つまり、テープカセット30がカセット装着部8に装着され、且つ、カセットケース31がカセット装着部8の適正位置に配置されている場合)、保持爪押圧部250の押圧によってカセット保持片200が時計回り方向に回動して係止位置に向けて移動する。
【0080】
さらに、カセット保持片200が係止位置に移動すると、検出スイッチ20a〜cが特定のカセット面31Baのうちでカセット検出部80の各検出部(非押圧部81または正常押圧部82)に対向して、オフ状態またはオン状態とされる。具体的には、図16に示す例では、検出スイッチ20aが非押圧部81aに挿入されてオフ状態となり、検出スイッチ20bが正常押圧部82aに押圧されてオン状態となる。図示しないが、検出スイッチ20cは非押圧部81bに挿入されてオフ状態となる。その結果、テープ印字装置1では、検出スイッチ20b、20eがオン状態となった検出結果に基づいて、テープカセット30に関する情報が取得される。
【0081】
なお、カセット保持片200が係止位置まで移動すると、先述したように、カセットカバー6の係止ロック4がロック孔7に嵌め込まれて係止されて、カセットカバー6の自然開放が防止される。また、プラテンホルダ12が印字位置に移動して、テープ印字装置1は印字可能な状態となる。
【0082】
一方、図17に示すように、カセット装着部8にテープカセット30が装着されていない場合、または、テープカセット30が不正な位置に装着されている場合(つまり、カセットケース31がカセット装着部8の適正位置に配置されていない場合)には、テープカセット30が適正に装着されていない。この状態で保持爪押圧部250の押圧によってカセット保持片200が時計回り方向に回動すると、すべての検出スイッチ20a〜cについて、スイッチ端子21が特定のカセット面31Baに接触しないのでオフ状態に維持される。この結果、この検出結果に基づいて、テープカセット30に関する上記属性情報が取得される。
【0083】
なお、この状態では、保持爪押圧部250を下方に移動させることができないことから、カセットカバー6を係止ロック4がロック孔7に嵌め込まれる位置まで閉鎖することができない。カセットカバー6を閉鎖できないとプラテンホルダ12を印字位置に移動させることができないため、テープ印字装置1は印字可能な状態とはならない。つまり、テープ印字装置1では、テープカセット30が適正に装着されない限り、物理的に印字を開始することができないようになっている。
【0084】
ところで、カセット検出部80は、カセットケース31において、サーマルヘッド10に相対するヘッド装着部39が設けられた長辺側の側面(つまり、前面)とは異なる短辺側の両側面のうち、ヘッド装着部39に近いほうの特定のカセット面31Baに設けられている。また、複数の検出スイッチ20は、特定のカセット面31Baに対して接離可能なカセット保持片200に設けられている。そのため、印字品質への影響が大きいサーマルヘッド10に比較的近い部位を基準として、設置スペースに余裕がある特定のカセット面31Baを有効利用しつつ、テープカセット30が適正に装着されたか否かを検出できる。
【0085】
以上説明した上記第2実施形態においても、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0086】
すなわち、上記第2実施形態では、上記のようにカセットケース31の特定のカセット面31Baにカセット検出部80が設けられ、これに対向するカセット装着部8のカセット保持片200に設けた検出スイッチ20から水平方向に検出が行われる。これにより、上記のように多少浮いた状態でテープカセット30がカセット装着部8に装着された場合に、印字ラベル作成装置1側からカセット検出部80を検出するに際し、もし正規の検出結果を得られなかったときにはテープカセット30が浮いている状態であることとなる(上記図9参照)ので、操作者にその旨を認識させることができる。
【0087】
なお、以上においては、テープ属性を検出する検出手段として機械的な検出を行う上記検出スイッチ20を用いたが、これに限られない。すなわち、テープカセット30のカセット側面31Bの特定のカセット面31Baに設けた適宜の光学的被検出部(又は磁気的被検出部)に対し、テープ装着部8の特定のホルダ面に設けた適宜の光学検出手段(又は磁気検出手段)によって、水平方向に検出を行うようにしてもよい。これらの場合も上記と同様の効果を得る。
【0088】
なお、以上において、図10の図中に示す矢印は信号の流れの一例を示すものであり、信号の流れ方向を限定するものではない。
【0089】
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
【0090】
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【符号の説明】
【0091】
1 印字ラベル作成装置
8 カセット装着部(カセットホルダ)
8Ba 特定のホルダ面
10 サーマルヘッド(印字手段)
15 プラテンローラ(搬送手段)
20 検出スイッチ(検出手段)
30 テープカセット
31 カセットケース(筐体)
31A カセット底面
31B カセット側面
31Ba 特定のカセット面
41 フィルムテープスプール(被印字テープロール)
49 テープ排出口(排出口)
80 カセット検出部(被検出部)
200 カセット保持片(特定のホルダ面)
300 指かけ部
301 収納凹部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下方向端部にカセット上面及びカセット底面をそれぞれ備えると共に、前記上下方向に直交する水平方向端部にカセット側面を備える、略箱形の筐体と、
前記筐体の内部に設けられ、前記上下方向に沿った回転軸心を備え、被印字テープを繰り出し可能に巻回した被印字テープロールと、
前記カセット側面のうちの特定のカセット面に設けられ、前記被印字テープロールから繰り出されテープ面方向が前記上下方向に沿いつつ搬送された前記被印字テープを前記筐体の外部に排出する排出口と、
を有し、
前記被印字テープを用いて印字ラベルを作成する印字ラベル作成装置のカセットホルダに対し前記カセット底面側から挿入されて装着可能なテープカセットであって、
前記特定のカセット面のうち前記上下方向の下端部から予め定められた所定距離範囲内に、前記被印字テープのテープ属性を表す属性情報を前記印字ラベル作成装置側へ付与可能な被検出部を前記排出口と同一の前記特定のカセット面に設けた
ことを特徴とするテープカセット。
【請求項2】
請求項1記載のテープカセットにおいて、
前記特定のカセット面のうち前記上下方向の上端部から前記水平方向に突出して設けられ、操作者による取り扱い時に指をかけるための指かけ部を有する
ことを特徴とするテープカセット。
【請求項3】
請求項2記載のテープカセットにおいて、
前記被検出部は、前記特定のカセット面における前記指かけ部よりも前記水平方向の一方側に設けられており、
前記排出口は、前記特定のカセット面における前記指かけ部よりも前記水平方向の他方側に設けられている
ことを特徴とするテープカセット。
【請求項4】
被印字テープを用いて印字ラベルを作成する印字ラベル作成装置と、
被印字テープを供給するテープカセットと、
を有する印字ラベル作成システムであって、
前記テープカセットは、
上下方向端部にカセット上面及びカセット底面をそれぞれ備えると共に、前記上下方向に直交する水平方向端部にカセット側面を備える、略箱形の筐体と、
前記筐体の内部に設けられ、前記上下方向に沿った回転軸心を備え、被印字テープを繰り出し可能に巻回した被印字テープロールと、
前記カセット側面のうちの1つの特定のカセット面に設けられ、前記被印字テープロールから繰り出されテープ面方向が前記上下方向に沿いつつ搬送された前記被印字テープを前記筐体の外部に排出する排出口と、
前記特定のカセット面のうち前記上下方向の下端部から予め定められた所定距離範囲内に設けられ、前記被印字テープのテープ属性を表す属性情報を前記印字ラベル作成装置側へ付与可能な被検出部と、
を有しており、
前記印字ラベル作成装置は、
前記テープカセットの前記筐体の前記カセット底面に対向するホルダ底面、及び、前記特定のカセット面に対向する特定のホルダ面を含み前記カセット側面にそれぞれ対向するホルダ側面、を備え、挿入される前記テープカセットを前記カセット底面側から前記上下方向に沿って受け入れて装着可能な、凹部状のカセットホルダと、
前記カセットホルダに装着された前記テープカセットの前記筐体の前記排出口から供給される前記被印字テープを搬送する搬送手段と、
前記搬送手段により搬送される前記被印字テープに所望の印字を行う印字手段と、
前記カセットホルダの前記特定のホルダ面に設けられ、当該特定のホルダ面に対向する前記特定のカセット面の前記被検出部に対し前記水平方向に検出動作を行うことで当該被検出部の前記属性情報を取得する検出手段と、
を有することを特徴とする印字ラベル作成システム。
【請求項5】
請求項4記載の印字ラベル作成システムにおいて、
前記テープカセットは、
前記特定のカセット面のうち前記上下方向の上端部から前記水平方向に突出して設けられ、操作者による取り扱い時に指をかけるための指かけ部を有し、
前記印字ラベル作成装置の前記カセットホルダは、
前記特定のホルダ面の上部に設けられ、前記指かけ部の突出形状を許容しつつ収納する収納凹部を有する
ことを特徴とする印字ラベル作成システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2013−59918(P2013−59918A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−199946(P2011−199946)
【出願日】平成23年9月13日(2011.9.13)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】