説明

デジタルカメラ、及びこのデジタルカメラをリサイクルしたリサイクルデジタルカメラ、並びにデジタルカメラのリサイクル方法、及びデジタルカメラのリサイクルシステム

【課題】 ユーザーが、容易に画像データを読み出せない。
【解決手段】 デジタルカメラ1のカメラ本体10のカメラハウジング15は遮光性を有していないので、カバー100を外したカメラ本体10のみの状態では撮影できない。また、カバー100は接着接合されているので、カバーを壊して取り外すと再度取りつけることが出来ない。つまり、再度撮影可能な状態には復帰できない。このように、ユーザーが画像を取り出してリサイクルすることが略不可能な構成となっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルカメラ、及びこのデジタルカメラをリサイクルしたリサイクルデジタルカメラ、並びにこのデジタルカメラのリサイクル方法、及びデジタルカメラのリサイクルシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、デジタルフォトサービスとしては、ユーザーが撮影した画像の画像データを記憶させたメモリーカード等を写真店などに持ち込んだり、通信回線を利用してプリントを注文する方法等がある。
【0003】
しかし、近年の環境問題に対する関心の高まり等から、デジタルカメラをリサイクル及びリユースすることが提案されている。また、不特定多数のユーザーに貸し出して回収する、所謂レンタルタイプ、あるいは販売して回収する、所謂リサイクルタイプのデジタルカメラ、及び、このようなデジタルカメラのリサイクルシステムが提案されている。しかしながら、通常、カメラハウジング、レンズ、液晶ディスプレイなどが傷付いた場合、それらを交換しないと再度レンタルあるいは販売することができない。(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
デジタルカメラでなくフィルムカメラが対象であるが、防水パックの中にカメラ本体が収容された構成とし、回収されたフィルムカメラの防水パックを交換することで、外観上は略新品にできる構成が提案されている。しかしながらフィルムカメラは、リサイクル時にフィルムを交換する必要があり、リサイクルが容易ではない。(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
更に、特許文献1、及び特許文献2ともに、ユーザーが分解して画像データを取り出したり、あるいはフィルムを交換したのち、組み立てることが可能である。よって、レンタル、あるいはリサイクルのシステムの構築に支障をきたすことが考えられる。
【特許文献1】特開2002−281227号公報
【特許文献2】特開10−3113号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記問題を解決すべく成されたもので、ユーザーが、容易に画像データを読み出せないことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために本発明のデジタルカメラは、外部の画像データ取出手段によってのみ、内蔵された画像記憶部から撮影された画像データを取り出し可能なデジタルカメラであって、前記画像データ取出手段は当該デジタルカメラ専用であり、最外装には当該デジタルカメラの機能の少なくとも一部を備え、前記最外装が取り外されると前記機能の一部が機能しなくなるとともに、取り付け不能となることを特徴としている。
【0008】
デジタルカメラは、外部の画像データ取出手段によってのみ、撮影された画像の画像データを画像記憶部から取り出し可能である。また、最外装には当該デジタルカメラの機能の少なくとも一部を備え、最外装が取り外されると機能の一部が機能しなくなる。そして、一旦取り外された最外装は、再び取り付け不能となる。
【0009】
よって、例えば、内蔵された画像記憶部から画像データを取り出そうと、ユーザーが最外装を取り外すと、機能の一部が機能しなくなる。更に、一旦取り外された最外装は、再び取り付け不能であるので、再び撮影可能な状態には復帰しない。つまり、ユーザーが、画像データを取り出してリサイクルすることが略不可能な構成となっている。
【0010】
なお、上記、及び下記の、「取り付け不能となる」とは、ユーザーが再び取り付けことができない、あるいは非常に困難であるが、当該デジタルカメラの製造業者、あるいは専門の業者等においては、取り付けが可能な構成を指す。例えば、最外装が接着接合された構成、あるいは最外装の取り外しには鍵や特殊工具などが必要な構成などがある。このような構成とするとユーザーは最外装を壊して取り外す必要があるので、再度取り付けることが不可能となる。
【0011】
また、上記、及び下記の、「外部の画像データ取出手段によってのみ、内蔵された画像記憶部から撮影された画像データを取り出し可能」とは、例えば、メモリーカードなどの記憶媒体を用いて画像データを取り出すことができない構成を指す。
【0012】
更に、上記、及び下記の、「画像データ取出手段は当該デジタルカメラ専用」とは、ユーザーが容易に入手できない画像データ取出手段を指す。換言すると、ユーザーは画像データの読み出しはできないが、当該デジタルカメラの製造業者、あるいは専門の業者等においては、読み出しが可能な画像データ取出手段を指す。例えば、一般的な規格と異なる専用の接続コネクタで接続して画像を読み出す構成、あるいは画像の読出しにはパスワードや認証が必要な構成などがある。
【0013】
また、本発明のデジタルカメラは、外部の画像データ取出手段によってのみ、内蔵された画像記憶部から撮影された画像データを取り出し可能なデジタルカメラであって、前記画像データ取出手段は当該デジタルカメラ専用であり、最外装は当該デジタルカメラの機能の少なくとも一部を備え、前記最外装が取り外されると前記機能の一部が機能しなくなるとともに、取り外された前記最外装を再び取り付けても、前記機能の少なくとも一部は復帰しないことを特徴としている。
【0014】
デジタルカメラは、外部の画像データ取出手段によってのみ、撮影された画像の画像データを画像記憶部から取り出し可能である。また、最外装には当該デジタルカメラの機能の少なくとも一部を備え、最外装が取り外されると機能の一部が機能しなくなる。そして、一旦取り外された最外装を、再び取り付けても、機能の一部は復帰しない。
【0015】
よって、例えば、内蔵された画像記憶部から画像データを取り出そうと、ユーザーが最外装を取り外すと、機能の一部が機能しなくなる。更に、一旦取り外された最外装を、再び取り付けても機能の一部が復帰しないので、再び撮影可能な状態には復帰しない。つまり、ユーザーが、画像データを取り出してリサイクルすることが略不可能な構成となっている。
【0016】
更に好適には、前記最外装に少なくとも1枚以上のレンズを設け、当該デジタルカメラの機能の一部として機能させても良い。
【0017】
このように最外装に少なくとも1枚以上のレンズを固定させると、最外装を取り外すとレンズが足りなくなる。よって、正常な撮影画像が得られない。
【0018】
そして、一旦取り外された最外装は、再び当該デジタルカメラには、取り付け不能となっているので、再び撮影可能な状態には復帰しない。
【0019】
あるいは、レンズは高精度な光軸調整などを行う必要であるので、一旦取り外された最外装を単純に再び取り付けても、正常な撮影画像が得られない。つまり、再び撮影可能な状態には復帰しない。
【0020】
更に好適には、前記最外装に当該デジタルカメラを操作する操作部の少なくとも一部を設け、当該デジタルカメラの機能の一部として機能させても良い。
【0021】
このように最外装に当該デジタルカメラを操作する操作部の少なくとも一部を設けると、最外装を取り外すと一部の操作ができなくなる。
【0022】
そして、一旦取り外された最外装は、再び取り付け不能となっているので、再び撮影可能な状態には復帰しない。
【0023】
あるいは、一旦取り外された最外装を再び取り付けても、一部の操作は復帰しないので、やはり再び撮影可能な状態には復帰しない。
【0024】
なお、一部の操作が復帰しない構成は、例えば、最外装を取り外すと操作部の接続部が外れ、最外装を取り付けても接続部が接続されない構成などがある。
【0025】
更に好適には、前記最外装に撮像に必要なデータを記憶した撮像情報記憶部を設け、当該デジタルカメラの機能の一部として機能させても良い。
【0026】
このように最外装に撮像に必要なデータを記憶した撮像情報記憶部を設けると、最外装を取り外すと、撮像に必要なデータが無いので、正常な撮影画像が得られない。
【0027】
そして、一旦取り外された最外装は、再び取り付け不能となっているので、再び撮影可能な状態には復帰しない。
【0028】
あるいは、一旦取り外された最外装を再び取り付けても、撮像情報記憶部は復帰しない、つまり、撮像に必要なデータが無い状態のままであるので、やはり、再び撮影可能な状態には復帰しない。
【0029】
なお、記憶部が復帰しない構成は、例えば、最外装を取り外すと撮像情報記憶部の接続部が外れ、最外装を取り付けても接続部が接続されない構成などがある。
【0030】
また、撮像に必要なデータとは、例えば、撮影時に参照する調整データ、例えば、オートフォーカス用データ、CCDのシェーディング補正用データなどがある。
【0031】
更に好適には、前記最外装に当該デジタルカメラの動作を許可する許可手段を設け、当該デジタルカメラの機能の一部として機能しても良い。
【0032】
このように、最外装に当該デジタルカメラの動作を許可する許可手段を設けると、最外装を取り外すと、動作が許可されないので撮影できない。
【0033】
そして、一旦取り外された最外装は、再び取り付け不能となっているので、再び撮影可能な状態には復帰しない。
【0034】
あるいは、一旦取り外された最外装を再び取り付けても許可手段が復帰しない、つまり、動作が許可されていない状態のままであるので、やはり、再び撮影可能な状態には復帰しない。
【0035】
なお、許可手段が復帰しない構成は、例えば、最外装を取り外すと許可手段の接続部が外れ、最外装を取り付けても接続部が接続されない構成などがある。
【0036】
更に好適には、当該デジタルカメラは、機能の少なくとも一部を破損する破損手段を有し、前記最外装に、前記破損手段による破壊動作を停止状態にさせ、該最外装が取り外されると停止状態を解除する停止手段を設け、当該デジタルカメラの機能の一部として機能させても良い。
【0037】
このように、当該デジタルカメラは、機能の少なくとも一部を破損する破損手段を有し、最外装にこの破損手段の動作を停止させる停止手段を設けているので、最外装を取り外すと、破損手段によって機能の一部が破損するので撮影できなくなる。
【0038】
また、一旦取り外された最外装を再び取り付けても破損した機能は復帰しないので、再び撮影可能な状態には復帰しない。
【0039】
なお、破損とは、例えば、撮像に必要なデータの消失やヒューズ切れなどがある。
【0040】
更に好適には、当該デジタルカメラは、カメラ本体と、前記カメラ本体の外側に設けられたカバーと、を有し、前記最外装は、前記カバーであっても良い。
【0041】
このように、当該デジタルカメラは、カメラ本体と、カメラ本体の外側に設けられた最外装となるカバーとを有しているので、例えば、当該デジタルカメラをリサイクルする際に、カバーを交換するだけで、外観上は新品と略同等となる。
【0042】
更に好適には、当該デジタルカメラは、カメラ本体と、前記カメラ本体の外側に設けられたカバーと、を有し、前記カメラ本体は、遮光性を有しておらず、前記最外装である前記カバーに遮光機能を持たせることで、当該デジタルカメラの機能の一部として機能させても良い。
【0043】
このように最外装であるカバーに遮光機能を持たせているので、例えば、内蔵された画像記憶部から画像データを取り出そうとして、ユーザーがカバーを取り外すと、遮光性がなくなるので、撮影出来なくなる。更に、一旦取り外された最外装は、再び取り付け不能となっているので、再びデジタルカメラとして利用することができない。つまり、ユーザーが、画像データを取り出してリサイクルすることが略不可能な構成となっている。
【0044】
更に好適には、前記カメラ本体には、外部の前記画像データ取出手段が接続可能な接続部が設けられ、前記接続部は、前記カバーで覆われて露出していないこととしても良い。
【0045】
このように、外部の画像データ取出手段が接続可能な接続部がカメラ本体に設けられ、この接続部はカバーで覆われて露出していないので、ユーザーが画像データを読み出すことが更に困難になっている。
【0046】
また、本発明のリサイクルデジタルカメラは、撮影済みのデジタルカメラの前記画像記憶部から撮影された画像の画像データを前記画像取出手段で取り出し、かつ、該画像記憶部の画像データを消去したことを特徴としている。
【0047】
このように、撮影済みのデジタルカメラを廃棄せずにリサイクルしてリサイクルデジタルカメラとし、環境に対して考慮している。
【0048】
更に好適には、前記最外装を取り外し、別の最外装を取り付けても良い。
【0049】
このように、最外装を交換しているので、外観上は新品と略同等のリサイクルデジタルカメラとなる。
【0050】
なお、カメラ本体と、カメラ本体を覆う最外装となるカバーと、を有する構成の場合、カバーを交換するだけで外観上は新品と略同等となるので、容易に低コストでリサイクルされたリサイクルデジタルカメラとなる
また、本発明のデジタルカメラのリサイクル方法は、前記画像記憶部から撮影された画像の画像データを、前記画像取出手段で取り出す画像読出工程と、前記画像記憶部の画像データを消去する画像消去工程と、前記画像取出手段で取り出された画像データ、及び該画像データに基づいてプリントしたプリント画像のいずれか一方、又は両方をユーザーに渡す画像提供工程と、を有することを特徴としている。
【0051】
このように、デジタルカメラを廃棄せずにリサイクルするので、環境に対して考慮されている。なお、画像消去工程と画像提供工程との作業の順番が逆であっても良い。
【0052】
更に好適には、当該デジタルカメラの前記最外装を取り外す最外装取外工程と、当該デジタルカメラに別の最外装を取り付ける最外装取付工程と、を有していても良い。
【0053】
このように、最外装を交換しているので、外観上は新品と略同等となる。なお、最外装取外工程は、当該デジタルカメラの構成によって、画像読出工程,画像消去工程,画像提供工程のいずれの前後でも可能である。また、最外装取付工程も、最外装取外工程の後であれば、いずれでも可能である。
【0054】
なお、カメラ本体と、カメラ本体を覆う最外装となるカバーと、を有する構成の場合、カバーを交換するだけで外観上は新品と略同等となるので、容易に低コストでリサイクルできる。
【0055】
また、本発明のデジタルカメラのリサイクルシステムは、撮影済みの当該デジタルカメラの前記画像記憶部から撮影された画像の画像データを前記画像取出手段で取り出し、画像データ、及び前記画像データに基づいてプリントしたプリント画像のいずれか一方、又は両方をユーザーに渡すとともに、前記画像記憶部の画像データを消去し、検査・部品交換・清掃等のリサイクル作業が行われた後、レンタル、又は販売されることを特徴としている。
【0056】
ユーザーが容易に画像データを読み出せないデジタルカメラを使用することで、リサイクルシステムの構築に支障をきたさない。
【発明の効果】
【0057】
以上説明したように本発明によれば、ユーザーが、容易に画像データを読み出せないという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0058】
本発明の第一の実施形態のデジタルカメラについて説明する。
【0059】
図2に示すデジタルカメラ1は、不特定多数のユーザーに貸し出して回収する、所謂レンタルタイプのデジタルカメラ、あるいは販売して回収する、所謂リサイクルタイプのデジタルカメラである。
【0060】
図1に示すように、デジタルカメラ1は、カメラ本体10とカメラ本体10を格納する箱形状のカバー100(第一カバー104,第二カバー102)とで構成されている。
【0061】
カメラ本体10は、箱形状のカメラハウジング15を備えている。カメラハウジング15の正面には、露光に際して被写体が適正な露光光量が得られない低照度の場合に発光されるストロボ16、複数の撮影レンズ12(図3参照)を内蔵したレンズユニット11が設けられている。
【0062】
カメラハウジング15の上面には、撮影指示ボタンとして、撮影を実行する際に撮影者によって押圧操作されるシャッターボタン14(所謂レリーズボタン)が設けられている。
【0063】
図2(B)にも示すように、カメラハウジング15の背面には、撮影によって得られた被写体像、各種メニュー、画像処理に関するパラメータ、メッセージ等を表示するための液晶ディスプレイ26、液晶ディスプレイ26に表示されたメニュー画面から所望のメニュー項目又はパラメータを選択したり、撮影倍率のアップ/ダウンを指示するためのカーソルボタン22、各種操作を行う操作ボタン24が設けられている。
【0064】
更に、カメラ本体10には、撮影によって得られた画像データを記憶する記憶部20(図12参照)が内蔵されている。
【0065】
また、図11(A)に示すように、カメラハウジング15の側面には、接続端子150が設けられている。そして、図11(B)に示すように、この接続端子150に外部装置62の接続端子152を接続し、記憶部20(図12参照)に記憶された画像データを外部装置62に読み出すともに、記憶部20に記憶された画像データを消去することができる。
【0066】
なお、この接続端子150,152は、通常の規格品でなく、このデジタルカメラ1専用となっている。つまり、カメラ本体10の接続端子150に接続して画像データを取り出すには、専用の接続端子152が必要である。よって、一般のユーザーは、カメラ本体10の接続端子150に接続して画像データを取り出すことができない構成となっている。
【0067】
なお、画像データの消去は、カーソルボタン22,操作ボタン24(図2(B)参照)の操作によって、ユーザーでも可能である。
【0068】
さて、前述したように、カメラ本体10全体はカメラハウジング15で覆われており、このカメラハウジング15をカバー100が覆っている。
【0069】
図1に示すように、カバー100には、レンズユニット11用のレンズ窓113、カーソルボタン22及び操作ボタン24用の操作窓108、液晶ディスプレイ26用の液晶窓106、シャッターボタン141用のシャッター窓121、ストロボ16用のストロボ窓110が設けられている。
【0070】
また、それぞれの窓枠部分のカメラハウジング15、又はカバー100には、ゴムやスポンジ等からなり、遮光性を有する弾性部材120が配設されている。
【0071】
更に、図2にも示すように、操作窓108には、透明な弾性部材からなる操作カバー109が嵌めこまれている。また、シャッター窓121の上部にも、シャッター窓121から突出したシャッターボタン14を覆う透明な弾性部材からなる操作カバー109を備えている(図3も参照)。よって、カメラ本体10をカバー100で覆っても、操作カバー109,122を介してシャッターボタン14,カーソルボタン22,操作ボタン24に対して各種操作が行える。
【0072】
また、液晶窓106とストロボ窓110には、透明な樹脂等からなる透明カバー107,111が嵌めこまれている。よって、カメラ本体10をカバー100で覆っても、液晶ディスプレイ26の表示を、透明カバー107を通して見ることができるし、ストロボ光も透明カバー111を通して露光できる。
【0073】
更に、図3にも示すように、レンズ窓113には、コップ形状の透明な樹脂等からなるレンズユニットカバー112が取りつけられ、レンズ窓113から突出したレンズユニット11を覆っている。よって、カバー100で覆っても撮影ができるし、レンズユニット11の伸縮も可能である。なお、レンズユニット11の伸縮に連動してレンズユニットカバー112も伸縮する構成としても良い。
【0074】
また、図1に示すように、カバー100は、第一カバー104と第二カバー102とからなる2ピース構造となっている。そして、第一カバー104と第二カバー102とは、接着接合される。なお、第一カバー104と第二カバー102とは、蝶番(ちょうつがい)などで連結されていても良い。
【0075】
さて、カメラハウジング15は、透明、又は半透明をしており、遮光性を有していない。よって、カメラ本体10のみでは撮影できない。しかし、カバー100は遮光性を有している。また、各窓枠部分には遮光性を有する弾性部材120が配設されているので、カメラハウジング15とカバー100との隙間も遮光されている。(図3参照)。よって、デジタルカメラ1は、カメラ本体10にカバー100を取り付けた状態で、初めて撮影可能な遮光性を有する構成となっている。
【0076】
つぎに、デジタルカメラ1の電気系の構成を説明する。
【0077】
図12に示すように、デジタルカメラ1は、複数の撮影レンズ12を備えるレンズユニット11、レンズユニット11(撮影レンズ12)を通り抜ける光の量を調整する絞り30、撮影レンズ12の光軸後方に配設されたCCD32等を含んで構成されている。
【0078】
CCD32の出力端には、相関2重サンプリング回路(CDS)34,ゲインコントローラ(GC)35,およびA/Dコンバータ36を順に介し、図示しないホワイトバランス調整回路,ガンマ補正回路,YC信号作成回路,および所定の圧縮形式(本実施形態ではJPEG(Joint Photographic Experts Group)形式)でデジタル画像データに対して圧縮処理を施すと共に、圧縮処理されたデジタル画像データに対して伸張処理を施す圧縮・伸張部などから構成されるデジタル信号処理部38が接続されている。
【0079】
デジタルカメラ1の全体的な動作を司る中央演算処理装置(CPU)40には、露光に際して適正な露光光量が得られない低照度の場合に発光されるストロボ16(図1参照)、カーソルボタン22,操作ボタン24,シャッターボタン14(図1参照)などを備える操作部16、デジタル信号処理部38、撮影レンズ12を合焦位置などに移動させる駆動部42、絞り30を被写体輝度(撮影EV)で設定された絞り値に基づいて駆動させる駆動部44、タイミング信号を生成するタイミングジェネレータ(TG)46が接続されている。
【0080】
CPU40は、CCD32による撮像によって得られた画像のコントラストが最大となるように、撮影レンズ12の駆動部42を駆動制御することによって合焦制御を行う。デジタルカメラ1は、合焦制御として、読み取られた画像のコントラストが最大となるように撮影レンズ12の位置を設定する、いわゆるTTL(Through The Lens)測光方式を採用している。そして、デジタルカメラ1では、オートフォーカス・フレームによって示される撮影位置に被写体が位置した状態において、シャッターボタン14(図1参照)が半押されることにより、自動的に合焦制御が行われる。
【0081】
TG46にはCCD32を駆動するCCD駆動部48が接続されており、そしてCCD駆動部48すなわちCCD32,CDS34,GC35,及びA/Dコンバータ36はTG46から加えられるタイミング信号によって同期して駆動される。また、撮影レンズ12または絞り30は、CPU40の制御信号に基づいて駆動される駆動部42または44を介し、移動または駆動する。
【0082】
GC35はCCD32におけるR(赤),G(緑),B(青)毎の感度調整を行う。また、デジタル信号処理部38にはメモリ39が接続されており、このメモリ39はA/Dコンバータ36から出力された各々12ビットのR、G、B信号(以下、単に「デジタル画像データ」という。)を一旦格納する。
【0083】
そして、CPU40はメモリ39に格納されたデジタル画像データを読出し、読出されたデジタル画像データをデジタル信号処理部38において光源種に応じたデジタルゲインをかけることでホワイトバランス調整を行なうと共に、ガンマ処理及びシャープネス処理を行なって8ビットのデジタル画像データを生成し、更にYC信号処理して輝度信号Yとクロマ信号Cr、Cb(以下、「YC信号」という。)を生成し、YC信号を再びメモリ39に格納する。
【0084】
デジタル信号処理部38には、CCD32による撮像によって得られた被写体像や各種情報を表示する液晶ディスプレイ26と、主としてCCD32による撮像によって得られたデジタル画像データを記録する記憶部20が接続されている。なお、図2(B)にも示すように、液晶ディスプレイ26は、CCD22による連続的な撮像によって得られた動画像(スルー画像)を表示してファインダとして使用することができる。
【0085】
また、記憶部20は、カメラ本体10に内蔵され、取り外し不可能となっている。更に、操作部16に配置されたシャッターボタン14が撮影者によって押圧操作された場合には、メモリ39に格納されたYC信号が、圧縮・伸張部によって所定の圧縮形式で圧縮した後に記憶部20に記憶される。つまり、撮影された画像データが記憶部20に記憶される。
【0086】
デジタルカメラ1は、デジタル信号処理部38、CPU40、記憶部20、外部接続部54、EEPROM56等が、バスBUSを介して相互に接続されて構成されている。
【0087】
外部接続部54には、前述した接続端子150(図11(B)参照)が接続されており、外部接続部54は接続端子150に接続された外部装置62との通信を司る。
【0088】
そして、デジタルカメラ1は、接続端子150を介して接続された外部装置62に対して、記憶部20に記憶されている画像データを送信することができるように構成されている。
【0089】
また、EEPROM56には、撮像時に参照される各種の調整データが記録されている。なお、撮像時に参照される各種の調整データとは、オートフォーカス用データ、CCD32のシェーディング補正用データなどを指す。また、このような調整データを参照せずに撮影すると、正常な撮影画像を得ることができない。
【0090】
つぎに、本実施形態のデジタルカメラ1のリサイクル方法、及びリサイクルシステムについて説明する。
【0091】
前述したように、デジタルカメラ1は、不特定多数のユーザーに貸し出して回収する、所謂レンタルタイプ、あるいは販売して回収する、所謂リサイクルタイプのデジタルカメラある。なお、下記では、販売して回収するリサイクルタイプのデジタルカメラとして説明する。
【0092】
図10に示すように、デジタルカメラ1を販売業者Aが販売する。購入したユーザーBが撮影し、撮影済みのデジタルカメラ1となると、回収業者Cに持ち込む。なお、販売業者Aと回収業者Cとは、同一であっても良いし、別であって良い。
【0093】
回収業者Cは、カバー100を第一カバー104と第二カバー102とに分解して外す。そして、図11に示すように、外部装置62の接続端子152を、カメラ本体10の接続端子150に接続し、画像データを記憶部20(図12参照)から読み出すとともに、記憶部20の画像データを消去する。読み出された画像データは、メモリーカードなどの記憶媒体に記憶させたり、メールで送信したりしてユーザーBに渡す。あるいは、プリントしてプリント画像として渡す。
【0094】
ユーザーBに画像データ,プリント画像を渡したのち、回収業者Cはカバー100とカメラ本体10とを再生工場Dに送る。再生工場Dでは、カメラ本体10の動作確認・検査・部品交換・充電などのリサイクル作業D1を行う。また、カバー100も再使用可能な部品は再使用し、再使用できない部品は原料として利用するリサイクル作業D2を行う。
【0095】
そして、カメラ本体10へカバー100を取り付ける作業や検査等の組立作業D3を行ったのち、最終検査作業D4を行い、リサイクルされたデジタルカメラ1を出荷し、再度、販売店Aで販売する。
【0096】
つぎに、本実施形態の作用について説明する。
【0097】
前述したように、デジタルカメラ1は、専用の接続端子152(図11)でないと画像を読み出すことができない、換言すると、ユーザーは画像データを取り出すことはできない。
【0098】
しかも、カメラ本体10に設けられた接続端子150はカバー100で覆われており、外部に露出していない。また、カバー100は第一カバー104と第二カバー102とが接着接合されており、ユーザーはカバー100を壊さないと取り外せない。
【0099】
仮にカバー100を壊して取り外しても、カメラ本体10のカメラハウジング15は遮光性を有していないので、カバー100を外したカメラ本体10のみの状態では撮影できない。
【0100】
また、カバー100を壊して取り外すので、再度取りつけることも出来ない。つまり、カバー100を壊して取り外すと、再度撮影可能な状態には復帰できない。
【0101】
このように、ユーザーが画像を取り出すことが略不可能となっており、また、仮にカバー100を壊して画像データを取り出そうとしても、再び撮影可能な状態には復帰しない構成となっている。
【0102】
よって、ユーザーは撮影済みのデジタルカメラ1を、必ず回収業者Cに持っていくことになる。したがって、図10に示す、リサイクルシステムの構築に支障をきたさない。
【0103】
更に、デジタルカメラ1は、カメラ本体10をカバー100が覆う構成である。よって、傷や汚れはカバー100にはつくが、カメラ本体10のカメラハウジング15、液晶ディスプレイ26、レンズユニット11などには傷や汚れがつかない。したがって、安価なカバー100を交換するだけで外観上は新品と略同等なる。また、リサイクル作業も容易である。
【0104】
なお、バッテリーは、ユーザーで充電可能な構成としても良いし、回収業者Cや再生工場Dでのみで可能な構成としても良い。
【0105】
尚、本実施形態では、カメラ本体10のハウジング15は、全体が透明、又は半透明となっていたが、一部分のみが透明、又は半透明となっていても良い。但し、ユーザーが容易に遮光可能な構成、例えば、小さなシールを貼ることで遮光可能な構成は望ましくない。
【0106】
また、本実施形態では、接続端子150、152を通常の規格品でなく、このデジタルカメラ1専用とし、ユーザーが画像データを取り出すことができない構成としたが、これに限定されない。例えば、画像データの読出しにはパスワードや認証が必要な構成とし、ユーザーが画像データを取り出すことができない構成としても良い。
【0107】
また、本実施形態では、カバー100は、第一カバー104と第二カバー102とは、接着接合されていたが、これに限定されない。例えば、カバー100は、専用の鍵がないと第一カバー104と第二カバー102とに分解できない構成としても良い。このような構成も、ユーザーは専用の鍵が無いので、カバー100を壊さないと分解できない。
【0108】
つぎに、本発明の第二の実施形態のデジタルカメラについて説明する。なお、第一の実施形態と同一の部材には同一の符号を付し、重複した説明は省略する。
【0109】
図4と図5とに示すように、デジタルカメラ2のカバー200の第一カバー204には、レンズユニットカバー112(図1参照)の代わりに、少なくとも1枚以上の撮影レンズ12を備える鏡胴212を備えている。
【0110】
なお、カメラハウジング198は遮光性を有していても、有していなくても良いが、遮光性を有していない場合は、第一の実施形態のようにカバー200を取り付けることで、遮光性を有する構成とする。
【0111】
また、同様に、第一カバー204と第二カバー102とは、接着接合される。なお、本実施形態の場合は接着接合でなく、ビスやボルトなどで接合しても良い。なお、使用するビスやボルトなどは、特殊工具でないと廻せない特殊なビスやボルト、例えば、先端が三つに分かれている特殊ビス(ベンツビス)等を使用すると、上述した鍵と略同様の効果が得られるので、望ましい。
【0112】
つぎに、本実施形態のデジタルカメラ2のリサイクル方法、及びリサイクルシステムは、第一実施形態と略同様であるが、カバー200が接着接合でなく、特殊ビス等で接合されている場合は、回収業者Cでのカバー200の分解作業が行い易いし、再生工場Dでのカバー200の再使用も行い易い。
【0113】
つぎに、本実施形態の作用について説明する。
【0114】
第一の実施形態と同様に、カバー200は第一カバー204と第二カバー102とが接着接合されており、ユーザーはカバー200を壊さないと取り外せないし、カバー200を壊して取り外しても、第一カバー204は撮影レンズ12を備えているので、カメラ本体199のみでは撮影レンズ12が足りない。よって、正常な撮影画像を得られない。
【0115】
また、第一カバー204と第二カバー102とが特殊ビスで接合されている場合でも、ユーザーは特殊工具の入手が困難であるので、ユーザーはカバー200を壊さないと取り外せない。
【0116】
仮にカバー200を壊したり、特殊工具を入手してりして、ユーザーがカバー200を分解し取り外しても、前述したように、デジタルカメラ2は、専用の接続端子152(図11参照)がないと画像を読み出すことができないので、ユーザーは画像データを取り出すことはできない。
【0117】
更に、第一カバー204は撮影レンズ12を備えているので、再度カメラ本体199にカバー200を取り付ける際には、光軸調整が必要である。光軸調整は専用の治具を用いてミクロンオーダーで調整する必要があるので、ユーザーが行うことは不可能である。よって、取り外したカバー200を単純にカメラ本体199に再度取り付けても光軸が合ってないので正常な撮影画像を得られない。つまり、カバー200を取り外すと、再度撮影可能な状態には復帰できない。
【0118】
つぎに、本発明の第三の実施形態のデジタルカメラについて説明する。なお、第一、及び第二の実施形態と同一の部材には同一の符号を付し、重複した説明は省略する。
【0119】
図6に示すように、デジタルカメラ3のカバー300は、第一カバー104とシャッターボタン144が固定された第二カバー302とからなる。更に、第二カバー302は、第二Aカバー304とシャッターボタン114が固定された上面の第二Bカバー303から構成されている。また、シャッターボタン114にはフレキシブル基板148が取り付けられている。
【0120】
なお、カメラハウジング188は遮光性を有していても、有していなくても良いが、遮光性を有していない場合は、第一の実施形態のようにカバー300を取り付けることで、遮光性を有する構成とする。
【0121】
カメラ本体189のカメラハウジング188の上面には、シャッターボタン114に取り付けられたフレキシブル基板148が通るスリット146が形成されている。スリット146の周囲にも弾性部材120が設けられている。また、第一カバー104と第二カバー302とは接着接合される。なお、本実施形態の場合も接着接合でなく、ビスやボルトなどで接合されていても良いが、その場合は、特殊工具でないと廻せない特殊なビスやボルト、例えば、先端が三つに分かれている特殊ビス(ベンツビス)等を使用するほうが望ましい。
【0122】
つぎに、第二Bカバー303に固定されたシャッターボタン144に取り付けられているフレキシブル基板148とカメラ本体189との接続方法の一例を示す。
【0123】
図7(A)に示すように、カメラ本体189のカメラハウジング188の後面が開いた状態で、スリット146からフレキシブル基板148を通し、カメラ本体189内部のコネクタ160に接続する。コネクタ160はフレキシブル基板148を挟みこんで固定する。そして、カメラハウジング188の後面を閉じて、第一カバー104(図6参照)と第二Aカバー304とを接合する。なお、コネクタ160にフレキシブル基板148を挟みこんで固定しても、上方に引っ張るとコネクタ160からフレキシブル基板148が抜け出る。しかし、再度、コネクタ160にフレキシブル基板148を挿し込んで接続することはできない。
【0124】
本実施形態のデジタルカメラ3のリサイクル方法、及びリサイクルシステムについては、第二の実施形態と略同様である。
【0125】
つぎに、本実施形態の作用について説明する。
【0126】
第一の実施形態と同様に、カバー300は第一カバー104と第二カバー302とが接着接合されており、ユーザーはカバー300を壊さないと取り外せない。また、カバー300が特殊ビスで接合されている場合でも、ユーザーは特殊工具の入手が困難であるので、ユーザーはカバー300を壊さないと取り外せない。
【0127】
仮に、カバー300を壊したり、特殊工具を入手してカバー300をユーザーが分解し取り外しても、前述したように、デジタルカメラ3は、専用の接続端子152がないと画像を読み出すことができないので、ユーザーは画像データを取り出すことはできない。
【0128】
更に、前述したように、カバー300にシャッターボタン144が取り付けられているのでカバー300を取り外すと、フレキシブル基板148が引っ張られコネクタ160から抜け出る。つまり、カバー300を取り外すとシャッター機能が失われるので、カメラ本体189のみでは撮影できない。
【0129】
また、コネクタ160はカメラ本体189内部にあるので、フレキシブル基板148を再びコネクタ160に接続できない。よって、取り外したカバー300を単純にカメラ本体189に再度取り付けてもシャッター機能は復帰しない。つまり、カバー300を取り外すと、再度撮影可能な状態には復帰できない。
【0130】
なお、本実施形態では、シャッターボタン114をカバー300に固定していたが、これに限定されない。操作部16の、カーソルボタン22,操作ボタン24等をカバー300に固定しても良い。
【0131】
つぎに、本発明の第四の実施形態のデジタルカメラについて説明する。なお、第一から第三の実施形態と同一の部材には同一の符号を付し、重複した説明は省略する。
【0132】
図8に示すように、デジタルカメラ4のカバー400の第二カバー402の内壁には、撮影時に参照する調整データを記憶したEEPROM56(図12参照)が固定されている。EEPROM56には、コネクタ等を介してフレキシブル基板248が取り付けられている。
【0133】
なお、カメラハウジング178は遮光性を有していても、有していなくても良いが、遮光性を有していない場合は、第一の実施形態のようにカバー400を取り付けることで、遮光性を有する構成とする。
【0134】
カメラ本体179のカメラハウジング178の側面には、フレキシブル基板248が通るスリット246が形成されている。また、第一カバー104と第二カバー402とは接着接合される。なお、本実施形態の場合も接着接合でなく、ビスやボルトなどで接合しても良く、その場合は、特殊な工具でないと廻せない特殊なビスやボルト、例えば、先端が三つに分かれている特殊ビス(ベンツビス)等を使用するほうが望ましい。
【0135】
また、EEPROM56に取り付けられたフレキシブル基板248とカメラ本体179に内蔵されているコネクタ(図示略)との接続方法については、上面と側面との違い以外は、上記、第三の実施形態と略同様である。また、デジタルカメラ4のリサイクル方法、リサイクルシステムについても、上記、第二、第三の実施形態と略同様である。
【0136】
つぎに、本実施形態の作用について説明する。
【0137】
第一の実施形態と同様に、カバー400は第一カバー104と第二カバー402とが接着接合されており、ユーザーはカバー400を壊さないと取り外せない。また、特殊ビスで接合されている場合でも、ユーザーは特殊工具の入手が困難であるので、ユーザーはカバー400を壊さないと取り外せない。
【0138】
仮に、カバー400を壊したり、特殊工具を入手してカバー400をユーザーが分解して取り外しても、前述したように、デジタルカメラ4は、専用の接続端子152がないと画像を読み出すことができないので、ユーザーは画像データを取り出すことはできない。
【0139】
更に、前述したように、カバー400の内壁にEEPROM56が取り付けられているので、カバー300を取り外すと、第三実施形態と同様にフレキシブル基板248が引っ張られコネクタ(図示略)から抜け出る。つまり、カバー400を取り外すと調整データを参照できなくなるので、カメラ本体179のみでは正常な撮影画像を得られない。
【0140】
また、コネクタはカメラ本体179内部にあるので、フレキシブル基板248を再びコネクタに接続できない。よって、取り外したカバー400を単純にカメラ本体179に再度取り付けても、やはり調整データを参照できないままであるので、正常な撮影画像を得られない。つまり、カバー400を取り外すと、再度撮影可能な状態には復帰できない。
【0141】
つぎに、本発明の第五の実施形態のデジタルカメラについて説明する。なお、第一から第四の実施形態と同一の部材には同一の符号を付し、重複した説明は省略する。
【0142】
図9に示すように、デジタルカメラ5のカバー500の第二カバー502の内壁には、絶縁フィルム358が固定されている。カメラ本体169のカメラハウジング168の側面には、絶縁フィルム358が通るスリット346が形成されている。
【0143】
なお、カメラハウジング168は遮光性を有していても、有していなくても良いが、遮光性を有していない場合は、第一の実施形態のようにカバー500を取り付けることで、遮光性を有する構成とする。
【0144】
また、第一カバー104と第二カバー502とは接着接合される。なお、本実施形態の場合も接着接合でなく、ビスやボルトなどで接合しても良く、その場合は、特殊な工具でないと廻せない特殊なビスやボルト、例えば、先端が三つに分かれている特殊ビス(ベンツビス)等を使用するほうが望ましい。
【0145】
また、カメラ本体169には、絶縁フィルム358が差し込まれるコネクタ(図示略)を内蔵している。そして、コネクタに絶縁フィルム358が差し込まれているときのみ、CPU40(図12参照)は、デジタルカメラ5のあらゆる動作を許可し、コネクタに絶縁フィルム358が差し込まれていないときは、CPU40は、デジタルカメラ5のあらゆる動作を停止する。
【0146】
なお、カメラ本体169に内蔵されたコネクタと絶縁フィルム358との接続方法については、上記、第三と第四の実施形態と略同様である。また、デジタルカメラ5のリサイクル方法、及びリサイクルシステムについても、上記、実施形態と同様である。なお、コネクタに絶縁フィルム358が差し込まれていなくても、外部装置62の接続端子152をカメラ本体169の接続端子150に接続すれば、画像データの読み出し、及び消去は可能である。
【0147】
つぎに、本実施形態の作用について説明する。
【0148】
第一の実施形態と同様に、カバー400は第一カバー104と第二カバー502とが接着接合されており、ユーザーはカバー400を壊さないと取り外せない。また、特殊ビスで接合されている場合でも、ユーザーは特殊工具の入手が困難であるので、ユーザーはカバー400を壊さないと取り外せない。
【0149】
仮に、カバー400を壊したり、特殊工具を入手してカバー400をユーザーが分解して取り外しても、前述したように、デジタルカメラ5は、専用の接続端子152がないと画像を読み出すことができないので、ユーザーは画像データを取り出すことはできない。
【0150】
更に、前述したように、カバー500に絶縁フィルム358が取り付けられているので、カバー500を取り外すと、第三実施形態と同様に絶縁フィルム358が引っ張られコネクタから抜け出る。するとCPU40は、デジタルカメラ5のあらゆる動作を停止する。よって、カメラ本体169のみでは撮影できない。
【0151】
また、コネクタはカメラ本体169内部にあるので、絶縁フィルム358は、再びコネクタと接続できない。つまり、カバー500を取り外すと撮影が出来なくなり、また、取り外したカバー500を単純にカメラ本体169に再度取り付けても、やはり撮影できないままである。つまり、カバー500を取り外すと、再度撮影可能な状態には復帰できない。
【0152】
つぎに、本実施形態の変形例について説明する。
【0153】
変形例は、カメラ本体169に内蔵されているコネクタから絶縁フィルム358が抜け出ると、CPU40がEEPROM56(図12参照)に記憶されている調整データを消去する構成となっている。よって、カバー500を取り外すと調整データが消去されて参照できなくなるので、第四の実施形態と同様に正常な撮影画像が得られない。
【0154】
なお、本発明は上記の実施形態に限定されない。
【0155】
例えば、上記実施形態は、カメラ本体10,199,189,179,169のカメラハウジング15,198,188,178,168は、いずれも箱形状であったが、これに限定されない。例えば、フレーム等からなる枠体構成であっても良い。また、カメラ本体199,189,179,169のカメラハウジング198,188,178,168が遮光性を有している場合は、カバー200,300,400,500はカメラ本体199,189,179,169全体を覆う箱形状でなくても良い。
【図面の簡単な説明】
【0156】
【図1】本発明の第一の実施形態にかかるデジタルカメラを、カバーとカメラ本体とに分解した状態の模式図である。
【図2】本発明の第一の実施形態にかかるデジタルカメラを模式的に示し、(A)は正面図、(B)は背面図である。
【図3】本発明の第一の実施形態にかかるデジタルカメラの要部を模式的に示す断面図である
【図4】本発明の第二の実施形態にかかるデジタルカメラを、カバーとカメラ本体とに分解した状態の模式図である。
【図5】本発明の第二の実施形態にかかるデジタルカメラの要部を模式的に示す断面図である
【図6】本発明の第三の実施形態にかかるデジタルカメラを、カバーとカメラ本体とに分解した状態の模式図である。
【図7】本発明の第三の実施形態にかかるデジタルカメラのカバーに固定されたシャッターボタンに取り付けられたフレキシブル基板とカメラ本体に内蔵されたコネクタとの接続を、(A)から(C)に順番に示す説明図である。
【図8】本発明の第四の実施形態にかかるデジタルカメラを、カバーとカメラ本体とに分解した状態の模式図である。
【図9】本発明の第五の実施形態にかかるデジタルカメラを、カバーとカメラ本体とに分解した状態の模式図である。
【図10】デジタルカメラのリサイクルシステムを示す図である。
【図11】(A)はデジタルカメラのカメラ本体の接続端子と外部装置の接続端子とを接続する前の状態の図であり、(B)は接続した後の図である。
【図12】デジタルカメラの電気系の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0157】
1 デジタルカメラ
2 デジタルカメラ
3 デジタルカメラ
4 デジタルカメラ
5 デジタルカメラ
10 カメラ本体
12 レンズ
16 操作部
20 記憶部(画像記憶部)
40 CPU(破損手段)
56 EEPROM(撮像情報記憶部)
62 外部装置
100 カバー
144 シャッターボタン(操作部)
150 接続端子(画像データ取出手段、接続部)
152 接続端子(画像データ取出手段)
169 カメラ本体
179 カメラ本体
189 カメラ本体
199 カメラ本体
200 カバー
300 カバー
358 絶縁フィルム(許可手段、停止手段)
400 カバー
500 カバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部の画像データ取出手段によってのみ、内蔵された画像記憶部から撮影された画像データを取り出し可能なデジタルカメラであって、
前記画像データ取出手段は当該デジタルカメラ専用であり、
最外装には当該デジタルカメラの機能の少なくとも一部を備え、前記最外装が取り外されると前記機能の一部が機能しなくなるとともに、取り付け不能となることを特徴とするデジタルカメラ
【請求項2】
外部の画像データ取出手段によってのみ、内蔵された画像記憶部から撮影された画像データを取り出し可能なデジタルカメラであって、
前記画像データ取出手段は当該デジタルカメラ専用であり、
最外装は当該デジタルカメラの機能の少なくとも一部を備え、前記最外装が取り外されると前記機能の一部が機能しなくなるとともに、取り外された前記最外装を再び取り付けても、前記機能の少なくとも一部は復帰しないことを特徴とするデジタルカメラ。
【請求項3】
前記最外装に少なくとも1枚以上のレンズを設け、当該デジタルカメラの機能の一部として機能させていることを特徴とする請求項1、又は請求項2に記載のデジタルカメラ。
【請求項4】
前記最外装に当該デジタルカメラを操作する操作部の少なくとも一部を設け、当該デジタルカメラの機能の一部として機能させていることを特徴とする請求項1、又は請求項2に記載のデジタルカメラ。
【請求項5】
前記最外装に撮像に必要なデータを記憶した撮像情報記憶部を設け、当該デジタルカメラの機能の一部として機能させていることを特徴とする請求項1、又は請求項2に記載のデジタルカメラ。
【請求項6】
前記最外装に当該デジタルカメラの動作を許可する許可手段を設け、当該デジタルカメラの機能の一部として機能させていることを特徴とする請求項1、又は請求項2に記載のデジタルカメラ。
【請求項7】
当該デジタルカメラは、機能の少なくとも一部を破損する破損手段を有し、
前記最外装に、前記破損手段による破壊動作を停止状態にさせ、該最外装が取り外されると停止状態を解除する停止手段を設け、当該デジタルカメラの機能の一部として機能させていることを特徴とする請求項1、又は請求項2に記載のデジタルカメラ。
【請求項8】
当該デジタルカメラは、カメラ本体と、前記カメラ本体の外側に設けられたカバーと、を有し、
前記最外装は、前記カバーであることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のデジタルカメラ。
【請求項9】
当該デジタルカメラは、カメラ本体と、前記カメラ本体の外側に設けられたカバーと、を有し、
前記カメラ本体は、遮光性を有しておらず、
前記最外装である前記カバーに、遮光機能を持たせることで、当該デジタルカメラの機能の一部として機能させていることを特徴とする請求項1に記載のデジタルカメラ。
【請求項10】
前記カメラ本体には、外部の前記画像データ取出手段が接続可能な接続部が設けられ、
前記接続部は、前記カバーで覆われて露出していないことを特徴とする請求項8、又は請求項9に記載のデジタルカメラ。
【請求項11】
請求項1から請求項10のいずれか1項のデジタルカメラをリサイクルしたリサイクルデジタルカメラであって、
撮影済みのデジタルカメラの前記画像記憶部から撮影された画像の画像データを前記画像取出手段で取り出し、かつ、該画像記憶部の画像データを消去したことを特徴とするリサイクルデジタルカメラ。
【請求項12】
前記最外装を取り外し、別の最外装を取り付けたことを特徴とする請求項11に記載のリサイクルデジタルカメラ。
【請求項13】
請求項1から請求項10のいずれか1項に記載のデジタルカメラをリサイクルするリサイクル方法であって、
前記画像記憶部から撮影された画像の画像データを、前記画像取出手段で取り出す画像読出工程と、
前記画像記憶部の画像データを消去する画像消去工程と、
前記画像取出手段で取り出された画像データ、及び該画像データに基づいてプリントしたプリント画像のいずれか一方、又は両方をユーザーに渡す画像提供工程と、
を有することを特徴とするデジタルカメラのリサイクル方法。
【請求項14】
当該デジタルカメラの前記最外装を取り外す最外装取外工程と、
当該デジタルカメラに別の最外装を取り付ける最外装取付工程と、
を有することを特徴とする請求項13に記載のデジタルカメラのリサイクル方法。
【請求項15】
請求項1から請求項10のいずれか1項に記載のデジタルカメラをリサイクルするリサイクルシステムであって、
撮影済みの当該デジタルカメラの前記画像記憶部から撮影された画像の画像データを前記画像取出手段で取り出し、画像データ、及び前記画像データに基づいてプリントしたプリント画像のいずれか一方、又は両方をユーザーに渡すとともに、
前記画像記憶部の画像データを消去し、検査・部品交換・清掃等のリサイクル作業が行われた後、レンタル、又は販売されることを特徴とするデジタルカメラのリサイクルシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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