説明

データセンターの空調制御システム

【課題】ラックの発熱量に応じてラックの前部に吹き出す冷気の供給量を調節し冷気供給のための動力を低減し、ホットスポットの発生を防止する。
【解決手段】サーバ稼働率とサーバ発熱量との関係を表わす直線Aを予め入力し、ラック7の各サーバ6が最大稼働率のときにラック7から発生する最大発熱量を除去して目標温度まで冷却するのに必要なフロアファン4の最大風量をラック毎に予め求めて入力し、管理サーバ21より取り込んだ各サーバ6の稼働率から求めたラック毎の平均稼働率より得られるラックの平均発熱量をラック7の最大風量に掛算して得た必要風量信号に基づき各ラック7のフロアファン4の回転数を制御するサーバ稼働情報変換部22と、ラック7の最上段のサーバの吸込口に対応する位置に設けた上部温度計26の吸込検出温度が設定吸込温度以上のときに必要風量信号を補正する温度補正演算部28とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のサーバを収納したラックが空調室の床面に配置され、床下空間から空調室に冷気を吹き出して前記サーバの温度を調節するアンダーフロア空調方式において、サーバの稼働状態に応じて前記サーバを収納したラックの前面に吹き出す冷気の吹出量を調節することにより冷気供給のための動力を低減し、且つホットスポットの発生を防止できるようにしたデータセンターの空調制御システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年のインターネットの普及び拡大に伴い、データセンターで使用されるサーバのデータ処理量が増加したことや、サーバの高機能化が進み、ブレード型サーバを高密度に実装することにより1台のサーバ収納ユニットの発熱量が10kWになるものもある。このようなサーバは、前部の吸込口から冷気を吸引して後部の排出口から排気することで内部に備えたCPU等の機器から発生する熱を外部に排出して冷却する自己温度調節機能を有しており、データセンターでは、上記したサーバをラックに対して上下に複数段に収容し、このラックを空調室の床面上に複数配置している。
【0003】
そして、上記したようなデータセンターの空調には、空調室の床を二重構造にしてサーバ類の電源ケーブルやサーバ間データ通信ケーブルの取り回し空間でもある床下空間に空調機からの冷気を供給し、床下空間に供給した冷気を床に形成した吹出口から空調室内に吹き出して前記ラックに収容されたサーバの温度を制御するアンダーフロア空調方式が一般に使用されている。
【0004】
上記アンダーフロア空調方式において、空調の効率を高めるために、前記サーバの前部が床に形成した吹出口に前部吸込口が並ぶように前面を一面に揃えて並べてラックとし、そのラックを吸込口がやはり一面に並ぶようラック列を形成し、かつ2つのラック列が床に形成した吹出口を挟んで対向するように列状に配置し、これによってラックの前部間にコールドアイルが形成され、又、これによりサーバの排出口が揃うようにラック列を成すことになり、隣り合うラック列が前記サーバの後部が間隔を有して対向することでホットアイルが形成されるようにしたものがある(特許文献1参照)。
【0005】
しかし、上記特許文献1に示されるアンダーフロア空調方式においては、空調機によって床下空間に供給した冷気を床に設けた吹出口から空調室に吹き出すようにして、空調機の給気ファン1台で平面的に広範に分布する床吹出口に供給するために、電源ケーブルやデータ通信ケーブルなどで立体的に凹凸のある床下空間での冷気の流れに偏りが生じ易く、そのために特許文献1では吹出口にダンパを備えるようにしているが、このようなダンパを備えても空調室に吹き出される冷気を均一にすることは難しく、そのためにラックの設置場所によっては冷気が十分に供給されないためにホットスポットという空調室内に局所的に滞留した高温空気塊が生じる問題があり、更に、床上に吹き出す気流に偏りが生じるために、空調室に設置するラックの配置に制約を受けるといった問題がある。
【0006】
一方、前記アンダーフロア空調方式において、前記床下空間における吹出口直下の噴出口の位置にフロアファンを配設し、床下空間に供給された冷気をフロアファンによって吹出口から空調室内に強制的に吹き出すようにしたものがある(特許文献2参照)。
【0007】
特許文献2では、床下空間の冷気の静圧または風速を検出し、床下空間の所定の位置における冷気の静圧または風速が閾値以下のときにその位置のフロアファンを作動して、冷気を室内に吹き出すようにしており、これによって、室内の全ての場所に吹き出される冷気の量を同一とし、又、これによって室内の全ての場所の温度を均一に冷却するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2008−002690号広報
【特許文献2】特開2008−185271号広報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1、2に示される空調システムにおいては、ラックに備えたサーバの稼働率(=発熱量)に基づいて冷気の供給を制御していないために、常に安全サイドとなるように多目の冷気を吹き出してサーバを目標温度以下に冷却するようにしており、従って、冷気の搬送動力が必要以上に増加するという問題がある。また、サーバの運転停止時にも待機運転状態(アイドル状態)として定格風量の50%以上の冷気を供給するよう運転しているために、空調機およびフロアファンの動力が更に増加するという問題がある。
【0010】
また、サーバから排出される排気の温度を検出し、この排気温度に基づいてフロアファンにより吹き出す冷気の吹き出し量を調節することも考えられるが、この方式はフィードバック制御であるため、サーバの急激な負荷増大によって生じる急激な温度上昇に対応できないという問題がある。
【0011】
また、特許文献1に示す空調システムは、ラックの各サーバは、ラック筐体で仕切られたコールドアイルの冷気を吸引して冷却を行い、冷却によって加熱された排気はホットアイルに排気するようにしており、ホットアイルの熱くなった排気はラック筐体上面レベルを超えた空調室の天井部に上昇して空調機に導かれるようになるが、この時、空調室の天井部に熱い排気が淀んだ状態となるために、例えばラックにおける最上段のサーバにおいては、前記コールドアイルの冷気を吸引するのと同時に、前記ホットアイルからラック筐体上面経由で回り込んだ熱い排気を吸引し、これによって、最上段のサーバの温度が目標温度以上に上昇してしまうという問題を有していた。
【0012】
この問題を解決するために、ラックのコールドアイルの上部に天井面板を設けて、コールドアイルとホットアイルを区画することも考えられるが、この場合には天井面板で区画するため作業が大変であると共に、天井面板を設けた場合には防火設備を備える必要があるという問題がある。
【0013】
上記したように、近年のサーバの発熱量の増大により、床面から冷気を吹き出すのみでは十分な対応が困難となっており、空調室内の一部の領域において熱の局部集中つまりホットスポットの発生や熱負荷偏在が生じるといった問題が発生している。
【0014】
また、データセンターの需要は今後益々高まると考えられ、データ処理量の増加はそのまま消費電力の増加となるため、データ処理に伴う消費電力以外の、例えばサーバ発熱の冷却設備側の消費エネルギーを削減することは、データセンターの運営だけに留まらず、社会的にも重要な課題となっている。
【0015】
本発明は、斯かる実情に鑑みてなしたもので、ラックの発熱量に応じてラックの前部に吹き出す冷気の供給量を調節することにより冷気供給のための動力を低減することができ、且つホットスポットの発生を防止できるようにしたデータセンターの空調制御システムを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
請求項1に係る発明は、空調室の床下に形成した床下空間に空調機からの冷気を供給し、床下空間に設けたフロアファンにより床に形成した吹出口から冷気を前記空調室内に吹き出して供給する冷気吹出構造と、前部の吸込口から空気を吸い込み後部の排出口から排出して内部の温度を調節する自己温度調節機能を有するサーバを上下に複数段に収容して備え、前部が前記吹出口から吹き出される冷気に向かうように床上に配置されたラックと、該ラックに備えられる各サーバの運転を制御する管理サーバと、前記フロアファンを制御するファン制御装置と、を有するデータセンターの空調制御システムであって、
前記ファン制御装置は、
サーバ稼働率とサーバ発熱率との関係を表わす直線を予め求めて入力してあると共に、ラックの各サーバが最大稼働率のときにラックから発生する最大発熱量を除去して目標温度まで冷却するのに必要なフロアファンの最大風量をラック毎に予め求めて入力してあり、前記管理サーバより取り込んだ各サーバの稼働率から前記直線により各サーバ毎の発熱率を求め、各ラック単位又はラック群単位で前記サーバ毎の発熱率を平均演算して得られるラックの平均発熱率を前記ラックの最大風量に乗算して得た必要風量信号に基づいて各ラックに対応するフロアファンの回転数を制御するサーバ稼働情報変換部と、
前記ラックに備えられる最上段のサーバの吸込口に対応する位置に設けた上部温度計の吸込検出温度が設定温度以上のときに前記必要風量信号を補正する温度補正演算部と
を備えたことを特徴とするデータセンターの空調制御システムである。
【0017】
請求項2に係る発明は、空調室の床下に形成した床下空間に空調機からの冷気を供給し、床下空間に設けたフロアファンにより床に形成した吹出口から冷気を前記空調室内に吹き出して供給する冷気吹出構造と、前部の吸込口から空気を吸い込み後部の排出口から排出して内部の温度を調節する自己温度調節機能を有するサーバを上下に複数段に収容して備え、前部が前記吹出口から吹き出される冷気に向かうように床上に配置されたラックと、該ラックに備えられる各サーバの運転を制御する管理サーバと、前記フロアファンを制御するファン制御装置と、を有するデータセンターの空調制御システムであって、
前記ファン制御装置は、
サーバ稼働率とサーバ発熱率との関係を表わす2次曲線を予め求めて入力してあると共に、ラックの各サーバが最大稼働率のときにラックから発生する最大発熱量を除去して目標温度まで冷却するのに必要なフロアファンの最大風量をラック毎に予め求めて入力してあり、前記管理サーバより取り込んだ各サーバの稼働率から前記2次曲線により各サーバ毎の発熱率を求め、各ラック単位又はラック群単位で前記サーバ毎の発熱率を平均演算して得られるラックの平均発熱率を前記ラックの最大風量に乗算して得た必要風量信号に基づいて各ラックに対応するフロアファンの回転数を制御するサーバ稼働情報変換部と、
前記ラックに備えられる最上段のサーバの吸込口に対応する位置に設けた上部温度計の吸込検出温度が設定温度以上のときに前記必要風量信号を補正する温度補正演算部と
を備えたことを特徴とするデータセンターの空調制御システムである。
【0018】
請求項3に係る発明は、前記ラックの平均発熱率が最大のときのフロアファンの最大風量は、前記ラックに備えるサーバ発熱量の合計量を所定の空気温度差で冷却処理する風量より多いフロアファンの風量余裕幅を有して設定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のデータセンターの空調制御システムである。
【0019】
請求項4に係る発明は、前記温度補正演算部は、前記フロアファンの風量余裕幅の範囲で必要風量信号を補正することを特徴とする請求項3に記載のデータセンターの空調制御システムである。
【0020】
請求項5に係る発明は、前記ファン制御装置には、温度補正演算部からの必要風量信号をフロアファンの回転数信号に変換してフロアファンに出力する回転数変換部を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のデータセンターの空調制御システムである。
【0021】
請求項6に係る発明は、前記ファン制御装置には、前記ラックに備えられる最下段のサーバの排出口に対応する位置に設けた下部温度計の出口検出温度が設定温度以上になったきに異常と判断して警報を発する出口温度異常判断部を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のデータセンターの空調制御システムである。
【0022】
請求項7に係る発明は、前記異常が判断された時に、前記温度補正演算部は前記必要風量信号に基づくフロアファンの回転数を維持することを特徴とする請求項6に記載のデータセンターの空調制御システムである。
【0023】
請求項8に係る発明は、前記サーバ稼働率とサーバ発熱率との関係を表わす直線又は2次曲線以外の多項式による近似曲線を予め求めてサーバ稼働情報変換部に入力し、各サーバ毎のサーバ発熱率を各サーバの稼働率から演算して求めるようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載のデータセンターの空調制御システムである。
【発明の効果】
【0024】
本発明のデータセンターの空調制御システムによれば、床下空間から空調室に冷気を吹き出して前記サーバの温度を調節するアンダーフロア空調方式において、各サーバの運転指示を指令したり運転状態を把握する管理サーバより取り込んだ各サーバの平均稼働率に応じてラックの前面に吹き出す冷気の吹出量を調節するようにしたので、ラックの発熱量とそれを冷却するのに必要な冷気の供給量がバランスし、よって冷気供給のための動力を低減することができ、且つホットスポットの発生を防止できるという優れた効果を奏し得る。
【0025】
又、上記データセンターの空調制御システムにおいて、前記ラックの最大稼働率のときのフロアファンの最大風量は、対応する風量よりも多い風量余裕幅を有して設定されており、ラックに備えられる最上段のサーバの吸込口に対応する位置に設けた上部温度計の吸込検出温度が設定温度以上のときに必要風量信号を前記風量余裕幅内で増加することにより、最上段のサーバに空調室内の熱くなった空気が吸引されることにより最上段のサーバの温度が所定温度以上に上昇するという問題を防止できる効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明のデータセンターの空調制御システムの一実施例を示す切断側面図である。
【図2】サーバの構成例を示す切断側面図である。
【図3】サーバ稼働率とサーバ発熱量との関係を予め求めた直線を表わす線図である。
【図4】ラックの各サーバが最大稼働率である状態の説明図である。
【図5】図1の空調制御システムの制御回路の一例を示すブロック図である。
【図6】ラックの一部のサーバが部分稼働率である状態の説明図である。
【図7】図1に類似した本発明の空調制御システムの他の実施例を示す切断側面図である。
【図8】図5に類似した空調制御システムの制御回路の他の例を示すブロック図である。
【図9】サーバ稼働率とサーバ発熱量との関係を予め求めた2次曲線を表わす線図である。
【図10】仮想化技術によりサーバの処理を移行させることでいくつかのサーバを停止状態とした説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の一実施を図示例と共に説明する。
【0028】
図1は発明の空調制御システムの一実施例を示す切断側面図であり、空調室1の床下に形成した床下空間2には空調機3からの冷気CAが供給されており、床下空間2の所要の場所には並設したフロアファン4,4'が設けてあり、該フロアファン4,4'の作動により床下空間2の冷気CAを、床1aに設けた吹出口5から前記空調室1内に吹き出して供給するようにした冷気吹出構造を備えている。
【0029】
前記空調室1の床1a上には、サーバ6を多段(図1では6段)に収容したラック7が配置されている。前記サーバ6はその一例を図2に示すように、ハードディスク(HDD:ハードディスクドライブ)11、ファン13、CPUチップ及び周辺回路からなるCPU9、メモリICとその周辺回路からなるメモリ10、電源12が配置されており、ケース8のハードディスク11側の端部には例えば網状を有して冷気CAを吸引する吸込口14が設けられ、又、ケース8の電源12側の端部には例えば網状を有して温度が上昇した排気HAを排出する排出口15が設けられている。そして、ケース8内に設けられる機器で最も発熱量が大きいCPU9の温度を検出する温度計16が設けてあり、該温度計16の検出温度が所定の温度以下に保持されるように前記ファン13の回転を段階的に制御する調節器17を備えて自己温度調節機能を構成している。
【0030】
前記サーバ6を多段に備えたラック7は、サーバ6を図1の吹出口5に向け前部吸込口14が同じ面に並ぶように複数のサーバ6(図1では6台)を多段に内蔵し、ラック7を図1の紙面表裏方向に並べてラック列7aとし、各隣合うラック列7aは吹出口5を挟んで対向するように配置されており、これによってラック7の前部間にはコールドアイル18が形成され、又、排出口15が同じ面に並ぶ前記ラック列7aの後部が間隔を有して対向する部分にはホットアイル19が形成されている。又、図1では、並設された右側のフロアファン4からの冷気CAを右側のラック7に導くように冷気の向きを調節する羽根20が吹出口5に設けてあり、又、左側のフロアファン4'からの冷気CAを左側のラック7に導くように冷気の向きを調節する羽根20'が吹出口5に設けられている。吹出口5は、紙面表裏方向にラック7ごとに1個設けても、隣合う例えば2つのラック群毎に1個を設けてもよい。
【0031】
図1中、21は管理サーバであり、該管理サーバ21は、前記ラック7に備えられる各サーバ6の運転を指令するようになっている。この管理サーバ21は、ラック列7aのどこかに含めて並べても良いし、別置されていても良いが、各サーバ6とはデータ通信線で接続され各サーバ6の運転管理を司るものである。
【0032】
消費エネルギーの少ない空調システムを達成するためには、各サーバ6の稼動情報(発熱量)を正確に把握し、この各サーバ6の稼動情報に基づいた冷却を行う必要がある。このため本発明では、各サーバ6の運転を監視する管理サーバ21から各サーバ6の運転情報を得て、ラック7ごとに必要な冷却風量を求めるようにした。
【0033】
図1に示すように、前記管理サーバ21からのラック番号、サーバ番号、運転状態、データ処理負荷を入力するようにしたフロアファン制御装置の一部を成すサーバ稼働情報変換部22を設けている。
【0034】
一方、前記ラック7に備えられるサーバ6のサーバ稼働率とサーバ発熱量との関係を表わす図3に示す直線Aを予め求めておき、この直線Aが前記サーバ稼働情報変換部22に入力されている。尚、一般的なサーバで使用されているオペレーティングシステムでは、サーバのCPU使用率、メモリ、ネットワーク等の使用率を常時管理している。この管理は各サーバ6自身の回路でローカル側でも行い、且つ統括管理は管理サーバ21が行う。従って、各サーバのサーバ稼働率を得る方法の一例としては、各サーバのCPU使用率等から求める方法が考えられる。
【0035】
この直線Aは、図3に示すように、データ処理負荷であるサーバ稼働率が100%のときはサーバ消費電力であるサーバ発熱量が100%であるとして、1次の最小二乗法により求めたものであり、電源OFFのときのアイドル状態のサーバ発熱量は61%であり、Y=0.39x+61である場合を示している。
【0036】
又、サーバ稼働情報変換部22には、図4に示すように、ラック7の各サーバ6が最大稼働率である100%のときに、ラック7から発生する最大発熱量Wを除去して目標温度まで冷却するのに必要なフロアファン4の最大風量Qmaxをラック7毎に予め求めて入力してある。図4では18℃の冷気CAがフロアファン4から供給されたときに、排気の温度が28℃になる場合を示している。
【0037】
即ち、ラック7の最大発熱量をWとすると、
max=W/γ・Cp・Δt÷0.9 ・・・式(1)
{ここで、W:発熱量(kW)、γ:空気の比重量(kg/m)、Cp:空気の比熱(kJ/kg・℃)、Δt:空気の出入口温度差(HA−CA(℃))。}
であり、ここで0.9で割っていることによりQmaxフロアファンの風量余裕幅(約10%)を有して設定されたことになる。勿論、この風量余裕幅を加算した風量に対し、所定のΔtが実現できるだけの冷却能力を空調機3に持たせておく。今、Δt=10℃、γ=1.2kg/m、Cp=1.0kJ/kg・℃とすると、最大発熱量W=6kWのときは
max=6/(1.2)(1.0)(10)÷0.9=0.56m3/sec(2016m3/h)であり、フロアファン4,4'の最大風量Qmaxは約2000m3/hとなる。
【0038】
更に、サーバ稼働情報変換部22では、図5及び下記にその求め方を示すように、前記管理サーバ21から取り込んだ各サーバ6の稼働率から各サーバ毎の発熱率を求め、それに基づいてラック7毎の平均発熱率を求めており、この過程で求められたラックの平均発熱率を前記ラック7の最大風量Qmax(2000m3/h)に乗算することにより必要風量信号Q0を得、この必要風量信号Q0に基づき、フロアファン制御演算部24を介して各ラック7に対応するフロアファン4,4'のフロアファン駆動コントローラ4aを調節して回転数を制御するようにしている。前記サーバ6毎の稼働率とサーバ6の発熱率との関係は、例えば図3に示す関係であるので、サーバ稼働率を先ずサーバ発熱率に例えば直線Aから置き換え、それらのサーバ発熱率を平均演算して得られたラックの平均発熱率に基づいた必要風量信号Q0が得られることになる。
【0039】
即ち、図6に示すラック7では3つのサーバ6の稼働率が100%であり、残りの3つのサーバ6の稼働率が50%の場合を示しており、例えば図3に示す直線Aにより、3つの稼働率100%のサーバ6の発熱率は各々100%であり、稼働率が50%の3つのサーバの発熱率は、例えば
直線A:y(サーバ発熱率%)=0.39X(サーバ稼働率%)+61 ・・・式(2)
にX=50%を代入し適用すると、y=約80%(80.5%)と求まって、この場合の平均発熱率Yaは、以下の式(3)に代入し、
Ya(%)=
(ラック毎の各サーバ発熱率(%)のΣ総合計)/ラックのサーバ台数・・・式(3)
即ち、{(100)+(100)+(100)+(80)+(80)+(80)}/6=90(%)であるため、この平均発熱率を前記最大風量2000m3/hに掛け算することにより、当該ラック7の必要風量信号Q0として1800m3/hが得られる。
【0040】
図5に示すように、上記必要風量信号Q0は、フロアファン制御装置の一部を成すフロアファン制御演算部24に設けた回転数変換部25において
R=kQ0・・・式(4)
(ここで、R:フロアファンモータ回転数(rpm)、k:係数、)
から回転数信号Rに変換され、この回転数信号Rによってフロアファン4,4'の回転数が制御されるようになっている。ここで、係数kは、Q0が最大風量Qmaxのときに定格CA風量を吹出せるフロアファン回転数を算出する係数である。
【0041】
又、前記ラック7に備えられる最上段のサーバ6の吸込口14(図4参照)に対応する位置には吸込温度を計測する上部温度計26が設けてあり、この上部温度計26の吸込検出温度T1が前記フロアファン制御演算部24のPID演算部27を介して温度補正演算部28に入力されている。前記PID演算部27では予め設定された設定吸込温度(例えば、23℃を100%、22℃を90%、13℃を0%とする比例帯を取る。)に対して0〜100%の操作量MVを出力するようになっており、又、温度補正演算部28は、操作量MVが90%未満のときは操作量90%を規定値として出力し、操作量MVが90%以上の時はそれに応じた操作量を出力するようになっており、従って、予め最大発熱量の風量選定時に0.9で除算して風量に余裕幅を与えているので、通常時は操作量MVが90%未満で充分まかなえるので温度補正を行わず、ホットアイルから回り込んだ熱気による異常などで上部温度計26の吸込温度が上昇した際(例えば上記の比例帯の場合22℃以上)に、90〜100%の範囲で操作量MVを出力し、その操作量MVが補正風量演算部29で前記必要風量信号Q0に掛け算されることにより補正風量Qが求められて回転数変換部25に出力されるようになっている。
【0042】
即ち、ラック7に備えられる最上段のサーバ6では、前記ホットアイル19から回り込んだ熱い排気が吸込口14から吸引されることにより上段のサーバ6の温度が目標温度以上に上昇する可能性があるため、前記温度補正演算部28では、上部温度計26の吸込検出温度T1が設定吸込温度(例えば上記の比例帯の場合22℃)以上になったときに、前記サーバ稼働情報変換部22に設定されたフロアファン4,4'の最大風量Qmaxの余裕幅(約10%)の範囲内で風量を増加する補正を行なうようになっている。
【0043】
又、前記ラック7に備えられる最下段のサーバ6の排出口15(図2及び図4参照)に対応する位置には排出温度を計測する下部温度計30が設けてあり、この下部温度計30の出口検出温度T2が前記温度補正演算部28の下流に備えた出口温度異常判断部31に入力されており、出口検出温度T2が設定出口温度(例えば30℃)より上昇したときに、警報表示部32に警報を出力するようになっている。又、出口温度異常判断部31が異常と判断した場合には、90%固定の操作量MVを補正風量演算部29に出力するようになっている。
【0044】
前記した警報機能は以下の理由によって設けられる。図1のデータセンターの空調制御システムでは、通常運転時における全てのサーバ6は自己温度調節機能によって温度が管理されており、しかも、ラック7の平均発熱量に基づいた必要風量信号Q0になるように各ラック7に対応するフロアファン4,4'の回転数が制御されるため、各サーバ6の温度は常に所定値に安定して保持される。しかし、空調室1の配置構成に変更があったり、或いは機器の損傷などによって、サーバ6の温度が上昇する事態が生じた場合には、フロアファン4,4'による風量を連続して増加させる指令が発せられる可能性がある。このような事態が発生した場合には、吹出口5から吹き出される冷気CAの風速が増加するために吹き抜け現象が生じて下段のサーバ6は冷気CAを吸込み難くなり、このために下段のサーバ6の温度が上昇し排気温度が上昇するため、この下段のサーバ6の排気温度の上昇を下部温度計30で監視することによって、データセンターの空調の異常を早期に確実に検出することができる。
【0045】
次に、上記実施例の作動を説明する。
【0046】
図1、図5に示す管理サーバ21は、ラック7に備えられる各サーバ6の運転を指令しており、このとき、全てのサーバ6は独自に備えた自己温度調節機能によって自身の温度が調整されている。
【0047】
又、管理サーバ21からのラック番号、サーバ番号、運転状態、データ処理負荷が、フロアファン制御装置の一部を成すサーバ稼働情報変換部22に入力されており、又、サーバ稼働情報変換部22には、サーバ稼働率とサーバ発熱量との関係を表わす図3に示す直線Aが予め求められて入力されており、更に、ラック7の各サーバ6が最大稼働率のときにラック7から発生する最大発熱量を除去して目標温度まで冷却するのに必要なフロアファン4,4'の最大風量がラック毎に予め求められて入力されている。
【0048】
従って、管理サーバ21から得た各サーバの稼働率から、例えば図3の直線Aに基づいて得られる各サーバの発熱率を基にラック毎の平均演算を行って得られるラックの平均発熱率を求め、そのラックの平均発熱率を前記ラック7の最大風量Qmax(2000m3/h)に乗算することにより必要風量信号Q0を得、この必要風量信号Q0に基づいて各ラック7に対応するフロアファン4,4'の回転数を制御するようにしている。これによって、ラック7の発熱量に応じた量の冷気CAがフロアファン4,4'によって供給されるようになるので、消費エネルギーの少ない空調システムとすることができる。
【0049】
一方、ラック7に備えられる最上段のサーバ6では、前記ホットアイル19から回り込んだ熱い排気を吸込口14から吸引することによって上段のサーバ6の温度が目標温度以上に上昇する可能性がある。このため、前記ラック7に備えられる最上段のサーバ6の吸込口14(図4参照)に対応する位置には吸込温度を計測する上部温度計26が設けてあり、この上部温度計26の吸込検出温度T1が前記フロアファン制御演算部24のPID演算部27を介して温度補正演算部28に入力されている。この温度補正演算部28では、上部温度計26の吸込検出温度T1が設定吸込温度(例えば、23℃を100%、22℃を90%、13℃を0%とする比例帯を取った場合の、22℃。)以上になったときに、前記サーバ稼働情報変換部22に設定したフロアファン4,4'の最大風量Qmaxの余裕幅(約10%)の範囲内で風量を増加する補正を行うようになっている。従って、ホットアイル19からの熱い排気が回り込んで吸込口14からサーバ6に吸引された場合にも、フロアファン4,4'の最大風量Qmaxの余裕幅の範囲内で風量が増加されることで、上段のサーバ6の温度は目標温度に保持されるようになる。
【0050】
又、空調室1の配置構成に変更があったり、或いは機器の損傷などによって、サーバ6の温度が上昇する事態が生じた場合には、フロアファン4,4'の風量が連続して増加される可能性がある。このような事態が発生した場合には、吹出口5から吹き出される冷気CAの風速が増加されるために吹き抜け現象が生じて下段のサーバ6は冷気CAを吸込み難くなり、このために下段のサーバ6の温度が上昇し排気温度が上昇する。このため、最下段のサーバ6の排出口15(図4参照)に対応する位置に設けた下部温度計30の出口検出温度T2が設定出口温度(例えば30℃)よりも上昇し、これによって出口温度異常判断部31は警報表示部32に警報を発するので、データセンターの空調の異常を早期に確実に知らせることができる。
【0051】
図7、図8は本発明の他の実施例を示すもので、この実施例では、前記ラック7に備えられるサーバ6のサーバ稼働率とサーバ発熱量との関係を表わす2次曲線Bを予め求めてサーバ稼働情報変換部22に入力しており、その他については前記実施例と同様である。
【0052】
この2次曲線Bは、図9に示すように、データ処理負荷であるサーバ稼働率が100%のときはサーバ消費電力であるサーバ発熱量が100%であるとして、2次の最小二乗法により求めたものであり、サーバ稼働率ゼロ(待機状態で計算負荷ゼロ状態)のときのアイドル状態のサーバ発熱量は57%であり、
Y(サーバ発熱率%)=−0.002x2+57・・・式(5)
(ここでx:サーバ稼働率(%))
である場合を示している。
【0053】
図7、図8の実施例では、前記管理サーバ21より得られたラック7のサーバ毎の稼働率から図9の2次曲線Bに基づいて、ラック7に設置される各サーバ6毎の発熱率を求め、これをラック毎に平均演算してラックの平均発熱率を求めるため、このラックの平均発熱率を乗算して求められる必要風量信号Q0は、より実際に則した正確な値が得られる。よって、図7、図8の実施例によれば、更に精度の高い空調制御が可能になる。
【0054】
尚、上記実施例では、ラック7に備えられるサーバ6のサーバ稼働率とサーバ発熱量との関係を表わす直線A又は2次曲線Bを予め求めてサーバ稼働情報変換部22に入力する場合について例示したが、サーバ6のサーバ稼働率とサーバ発熱量との関係が直線A及び2次曲線Bのいずれにも乗らない場合には、多項式による近似曲線を予め求めてサーバ稼働情報変換部に入力することにより、上記実施例と同様に制御することができる。
【0055】
図10はサーバの仮想化技術による本発明の形態を示したもので、仮想化技術によると、現行(a)の状態から、データ処理量が継続的に少ないサーバ6の処理を他のサーバ6に移行することによっていくつかのサーバ6を運転停止(0%)とする仮想化(b)の状態にすることができる。このように運転停止のサーバ6が生じると、図3、図9に示すアイドル状態でのサーバ発熱量が無くなり、これを図3、図9の電源OFF時のサーバ発熱率:0%として、式(2)に当該サーバの値として代入することで、この分だけフロアファン4,4'によって供給する冷気CAの供給量を減少できるので、冷気搬送のエネルギを節減できるようになる。
【0056】
尚、本発明のデータセンターの空調制御システムは、上述の実施例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、図5や図8で示すサーバ稼働情報変換部22、フロアファン制御演算部24、フロアファン駆動コントローラ4a等からフロアファン制御装置が構成されているとしたが、このフロアファン制御装置を管理サーバに含めても良いし、別な盤に設けても良い。この盤には、サーバ稼働情報変換部22、フロアファン制御演算部24、フロアファン駆動コントローラ4aが一体になっていても良いし、例えばサーバ稼働情報変換部22のみ含み、フロアファン制御演算部24及びフロアファン駆動コントローラ4aをローカル側に別体に設置しても良いのは勿論である。
【符号の説明】
【0057】
1 空調室
1a 床
2 床下空間
3 空調機
4,4' フロアファン
5 吹出口
6 サーバ
7 ラック
14 吸込口
15 排出口
21 管理サーバ
22 サーバ稼働情報変換部
25 回転数変換部
26 上部温度計
28 温度補正演算部
30 下部温度計
31 出口温度異常判断部
32 警報表示部
A 直線
B 2次曲線
CA 冷気
MAX 最大風量
0 必要風量信号
T1 吸込検出温度
T2 出口検出温度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空調室の床下に形成した床下空間に空調機からの冷気を供給し、床下空間に設けたフロアファンにより床に形成した吹出口から冷気を前記空調室内に吹き出して供給する冷気吹出構造と、前部の吸込口から空気を吸い込み後部の排出口から排出して内部の温度を調節する自己温度調節機能を有するサーバを上下に複数段に収容して備え、前部が前記吹出口から吹き出される冷気に向かうように床上に配置されたラックと、該ラックに備えられる各サーバの運転を制御する管理サーバと、前記フロアファンを制御するファン制御装置と、を有するデータセンターの空調制御システムであって、
前記ファン制御装置は、サーバ稼働率とサーバ発熱率との関係を表わす直線を予め求めて入力してあると共に、ラックの各サーバが最大稼働率のときにラックから発生する最大発熱量を除去して目標温度まで冷却するのに必要なフロアファンの最大風量をラック毎に予め求めて入力してあり、前記管理サーバより取り込んだ各サーバの稼働率から前記直線により各サーバ毎の発熱率を求め、各ラック単位又はラック群単位で前記サーバ毎の発熱率を平均演算して得られるラックの平均発熱率を前記ラックの最大風量に乗算して得た必要風量信号に基づいて各ラックに対応するフロアファンの回転数を制御するサーバ稼働情報変換部と、
前記ラックに備えられる最上段のサーバの吸込口に対応する位置に設けた上部温度計の吸込検出温度が設定吸込温度以上のときに前記必要風量信号を補正する温度補正演算部と
を備えたことを特徴とするデータセンターの空調制御システム。
【請求項2】
空調室の床下に形成した床下空間に空調機からの冷気を供給し、床下空間に設けたフロアファンにより床に形成した吹出口から冷気を前記空調室内に吹き出して供給する冷気吹出構造と、前部の吸込口から空気を吸い込み後部の排出口から排出して内部の温度を調節する自己温度調節機能を有するサーバを上下に複数段に収容して備え、前部が前記吹出口から吹き出される冷気に向かうように床上に配置されたラックと、該ラックに備えられる各サーバの運転を制御する管理サーバと、前記フロアファンを制御するファン制御装置と、を有するデータセンターの空調制御システムであって、
前記ファン制御装置は、サーバ稼働率とサーバ発熱率との関係を表わす2次曲線を予め求めて入力してあると共に、ラックの各サーバが最大稼働率のときにラックから発生する最大発熱量を除去して目標温度まで冷却するのに必要なフロアファンの最大風量をラック毎に予め求めて入力してあり、前記管理サーバより取り込んだ各サーバの稼働率から前記2次曲線により各サーバ毎の発熱率を求め、各ラック単位又はラック群単位で前記サーバ毎の発熱率を平均演算して得られるラックの平均発熱率を前記ラックの最大風量に乗算して得た必要風量信号に基づいて各ラックに対応するフロアファンの回転数を制御するサーバ稼働情報変換部と、
前記ラックに備えられる最上段のサーバの吸込口に対応する位置に設けた上部温度計の吸込検出温度が設定吸込温度以上のときに前記必要風量信号を補正する温度補正演算部と
を備えたことを特徴とするデータセンターの空調制御システム。
【請求項3】
前記ラックの平均発熱率が最大のときのフロアファンの最大風量は、前記ラックに備えるサーバ発熱量の合計量を所定の空気温度差で冷却処理する風量より多いフロアファンの風量余裕幅を有して設定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のデータセンターの空調制御システム。
【請求項4】
前記温度補正演算部は、前記フロアファンの風量余裕幅の範囲で必要風量信号を補正することを特徴とする請求項3に記載のデータセンターの空調制御システム。
【請求項5】
前記ファン制御装置には、温度補正演算部からの必要風量信号をフロアファンの回転数信号に変換してフロアファンに出力する回転数変換部を有することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のデータセンターの空調制御システム。
【請求項6】
前記ファン制御装置には、前記ラックに備えられる最下段のサーバの排出口に対応する位置に設けた下部温度計の出口検出温度が設定出口温度以上になったきに異常と判断して警報を発する出口温度異常判断部を有することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のデータセンターの空調制御システム。
【請求項7】
前記異常が判断された時に、前記温度補正演算部は前記必要風量信号に基づくフロアファンの回転数を維持することを特徴とする請求項6に記載のデータセンターの空調制御システム。
【請求項8】
前記サーバ稼働率とサーバ発熱率との関係を表わす直線又は2次曲線以外の多項式による近似曲線を予め求めてサーバ稼働情報変換部に入力し、各サーバ毎のサーバ発熱率を各サーバの稼働率から演算して求めるようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載のデータセンターの空調制御システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−226737(P2011−226737A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−98636(P2010−98636)
【出願日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【出願人】(000001834)三機工業株式会社 (316)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【出願人】(390013262)NECファシリティーズ株式会社 (15)
【Fターム(参考)】