説明

データ通信端末及びその制御方法。

【課題】データ送信装置から送信された画像データを受信して画像データ出力装置に転送することが可能なデータ通信端末を提供すること。
【解決手段】本発明にかかるデータ通信端末11は、携帯電話やPC等のデータ送信装置から送信された画像データを受信する受信部12と、表示装置16に電気的に接続可能なコネクタ13と、受信部12によって受信された画像データをコネクタ13を介して表示装置16に転送するコントローラ14と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ通信端末及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、移動体通信機能を有するデジタルフォトフレームが販売されている。この移動体通信機能を有するデジタルフォトフレームは、携帯電話やPCから無線で送信された画像データを受信して表示画面に表示させることができる。
【0003】
関連する技術が特許文献1及び特許文献2に開示されている。
【0004】
特許文献1に開示されたデジタル写真フレームは、外部からデジタル写真データを内部へ取り込むデータ入力手段と、デジタル写真データをカラー写真として表示する平面ディスプレイと、デジタル写真データを記憶する記憶手段と、これら各要素を内蔵し、写真フレームとして機能する筺体と、この筺体上に設けられた各種操作ボタンと、を備える。
【0005】
特許文献2に開示された画像通信装置は、画像通信装置本体と画像表示装置とによって構成されている。画像通信装置本体は、通信回線を介して画像データを受信する画像データ受信手段と、所定の条件に従って、受信した画像データから特定の画像データを抽出する画像データ抽出手段と、この抽出された画像データを転送する画像データ転送手段と、を有する。画像表示装置は、画像通信装置本体から転送された画像データを保持する画像データ保持手段と、画像データ保持手段が保持している画像データを展開し、表示する表示手段と、画像通信装置本体から独立している筐体と、を有する。ここで、画像通信装置本体の概観は一般的なファクシミリ装置の概観と同様であり、画像表示装置の概観はいわゆる写真立ての形状にデザインされた表示専用の装置である。つまり、この画像表示装置は、それ自体に移動体通信機能を有しているものと考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−169734号公報
【特許文献2】特開2002−094729号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、移動体通信機能を有しないデジタルフォトフレーム(画像データ出力装置)も既に市場に出回っている。しかし、移動体通信機能を有しないデジタルフォトフレームは、携帯電話やPC等のデータ送信装置から送信された画像データを受信して表示画面に表示させることができないという問題があった。
【0008】
なお、ユーザは、移動体通信端末を有するデジタルフォトフレームに興味を持ったとしても、移動体通信機能を有しないデジタルフォトフレームを既に購入済みの場合、費用が嵩む等の理由により購入をあきらめる可能性が高い。
【0009】
このように、移動体通信機能を有しない画像データ出力装置は、携帯電話やPC等のデータ送信装置から送信された画像データを受信して表示画面に表示させることができないという問題があった。
【0010】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、データ送信装置から送信された画像データを受信して画像データ出力装置に転送することが可能なデータ通信端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明にかかるデータ通信端末は、データ送信装置から送信された画像データを受信する受信部と、画像データ出力装置に電気的に接続可能なコネクタと、前記受信部によって受信された画像データを前記コネクタを介して前記画像データ出力装置に転送する制御部と、を備える。
【0012】
また、本発明にかかるデータ通信端末の制御方法は、データ送信装置から送信された画像データを受信し、前記画像データを、画像データ出力装置に電気的に接続可能なコネクタを介して当該画像データ出力装置に転送する。
【発明の効果】
【0013】
本発明により、データ送信装置から送信された画像データを受信して画像データ出力装置に転送することが可能なデータ通信端末を提供することができる。このデータ通信端末を用いることにより、移動体通信機能を有しない画像データ出力装置であっても、データ送信装置から送信された画像データを表示画面に表示させる等のことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態1にかかる通信システムを示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態1にかかる通信システムを示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態1にかかる通信システムの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。なお、図面は簡略的なものであるから、この図面の記載を根拠として本発明の技術的範囲を狭く解釈してはならない。また、同一の要素には、同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0016】
実施の形態1
図1は、本発明の実施の形態1にかかるデータ通信端末を備えた通信システムのブロック図である。本実施の形態にかかるデータ通信端末は、携帯電話やPC等のデータ送信装置から無線で送信された画像データを受信して表示装置(画像データ出力装置)に転送することができることを特徴とする。それにより、移動体通信機能を有しない表示装置であっても、データ送信装置から無線で送信された画像データを表示画面に表示させることができる。以下、具体的に説明する。
【0017】
図1に示す通信システムは、表示装置16と、データ通信端末11と、を備える。表示装置16は、例えば、写真立ての形状にデザインされた表示専用の装置、即ち、デジタルフォト−フレームである。データ通信端末11は、例えば、表示装置16とコネクタを介して電気的に接続可能なUSB(Universal Serial Bus)メモリ型の端末である。
【0018】
表示装置16は、表示部19と、本体メモリ18と、コネクタ17と、を有する。データ通信端末11は、受信部12と、コネクタ13と、コントローラ(制御部)14と、を有する。
【0019】
データ通信端末11において、受信部12は、携帯電話やPC等のデータ送信装置(図1において不図示)から無線で送信された画像データを受信する部である。なお、データ通信端末11にはメールアドレス等の固有の識別情報が割り振られており、受信部12は、例えば、データ送信装置から当該識別情報宛に送信された画像データをサーバ経由で受信する。
【0020】
データ通信端末11側のコネクタ13は、表示装置16に電気的に接続可能な端子であり、例えば、USB規格に準拠する機器に接続可能なオス型の端子である。一方、表示装置16側のコネクタ17は、データ通信端末11側のコネクタ13に対応するメス型の端子である。なお、データ通信端末11は、コネクタ13を介して、表示装置16に画像データを転送したり、表示装置16から電力を受給したりする。一方、表示装置16は、コネクタ17を介して、データ通信端末11から画像データを受信したり、データ通信端末11に電力を供給したりする。
【0021】
コントローラ14は、データ通信端末11の各動作に対して、予め定められたプログラムに従って指示を与えるものである。例えば、コントローラ14は、受信部12によって受信された画像データをコネクタ13を介して表示装置16に転送する処理を行う。
【0022】
表示装置16において、本体メモリ18は、コネクタ17を介してデータ通信端末11から転送された画像データを保存する回路である。
【0023】
表示部19は、本体メモリ18に保存された画像データを表示する部である。表示部19は、例えば、表示装置16の前面に配置されており、事前の設定に従って当該画像データを表示する。なお、表示部19は、白黒又はカラーの液晶若しくは有機EL等により形成されている。
【0024】
図2は、図1に示す通信システムをより具体的に示した図である。図2に示す通信システムでは、データ通信端末11がフラッシュメモリ15をさらに有する。さらに、図2では、表示装置16に外部メモリ20が電気的に接続されている。外部メモリ20は、例えば、USBメモリやSDカード等の記憶媒体である。
【0025】
データ通信端末11において、フラッシュメモリ15は、受信部12によって受信された画像データを保存したり、プログラム実行用に必要なデータを保存したりする。
【0026】
また、表示装置16に外部メモリ20が電気的に接続されている場合、データ通信端末11は画像データを本体メモリ18及び外部メモリ20の何れにも転送することができる。このとき、表示装置16は、本体メモリ18に加えて外部メモリ20に保存された画像データも表示部19に表示させることができる。
【0027】
次に、図2に示す通信システムの動作を、図3のフローチャートを用いて説明する。図3は、データ通信端末11が表示装置16に対して画像データを転送する場合の動作を示すフローチャートである。
【0028】
データ通信端末11がスタンバイ状態である場合(ステップS20)、当該データ通信端末11は移動体通信圏内であるか否かのサーチを実施する(ステップS21)。なお、「スタンバイ状態」とは、データ通信端末11と表示装置16とが電気的に接続されることにより、表示装置16からデータ通信端末11に対して必要な電力が供給されている状態のことである。
【0029】
サーチ実施結果が圏外だった場合(ステップS21のNO)、スタンバイ状態に戻り(ステップS20)、所定期間経過後に、再び移動体通信圏内であるか否かのサーチが実施される。
【0030】
サーチ実施結果が圏内だった場合(ステップS21のYES)、データ通信端末11は、サーバに対して問い合わせを行い、未受信の画像データがあるか否かの確認を行う(ステップS22)。問い合わせの結果、未受信の画像データが無い場合(ステップS22のNO)、スタンバイ状態に戻り(ステップS20)、所定期間経過後に、再び移動体通信圏内であるか否かのサーチから実施される。
【0031】
未受信の画像データがある場合(ステップS22のYES)、データ通信端末11は当該画像データの受信を行う(ステップS23)。受信に失敗した場合(ステップS23のNO)、スタンバイ状態に戻り(ステップS20)、所定期間経過後に、再び移動体通信圏内であるか否かのサーチから実施される。
【0032】
受信に成功した場合(ステップS23のYES)、次に、データ通信端末11は、表示装置16に外部メモリ20が差し込まれている(電気的に接続されている)か、及び、外部メモリ20に空き容量があるか、の確認を行う(ステップS24)。外部メモリ20が差し込まれており、かつ、外部メモリ20に空き容量がある場合(ステップS24のYES)、データ通信端末11は外部メモリ20に対して画像データを転送する。転送された画像データは外部メモリ20に保存され(ステップS28)、保存が完了すると(ステップS30)、スタンバイ状態に戻り(ステップS20)、所定期間経過後に、再び移動体通信圏内であるか否かのサーチから実施される。
【0033】
外部メモリ20に空き容量が無い場合(ステップS24のNO)、データ通信端末11は、本体メモリ18に空き容量があるか、の確認を行う(ステップS25)。本体メモリ18に空き容量がある場合(ステップS25のYES)、データ通信端末11は本体メモリ18に対して画像データを転送する。転送された画像データは本体メモリ18に保存され(ステップS29)、保存が完了すると(ステップS30)、スタンバイ状態に戻り(ステップS20)、所定期間経過後に、再び移動体通信圏内であるか否かのサーチから実施される。
【0034】
本体メモリ18にも空き容量が無い場合(ステップS25のNO)、表示装置16はこれ以上画像データを保存することができない。そのため、データ通信端末11は、フラッシュメモリ15に画像データを保存した状態で、一時的にスリープ状態に移行する(ステップS26)。なお、「スリープ状態」とは、表示装置16の本体メモリ18及び外部メモリ20に空き容量があるか否かに関わらず、画像データの転送を行わない状態のことである。
【0035】
このスリープ状態は、ユーザにより表示装置16が操作されるまで継続される(ステップS27のNO)。ユーザにより表示装置16が操作されると(ステップS27のYES)、データ通信端末11は、外部メモリ20に空き容量があるかの確認からやり直す。
【0036】
このような動作を経て、データ通信端末11から表示装置16に対して画像データの転送が行われる。
【0037】
以上のように、上記実施の形態にかかるデータ通信端末は、データ送信装置から無線で送信された画像データを受信して表示装置に転送することができる。その結果、移動体通信機能を有しない表示装置であっても、データ送信装置から送信された画像データを表示画面に表示させることができる。
【0038】
これまで、通信事業者が指定した商品(移動体通信機能を有する表示装置)のみがデータ送信装置から無線で送信された画像データを表示画面に表示させることが可能であった。しかし、本発明により、データ通信端末に電気的に接続可能な表示装置、例えば、USB規格に準拠する表示装置であれば同様の効果を実現することが可能となる。そのため、通信事業者は、移動体通信機能を有する表示装置以外の表示装置を保有するユーザに対しても回線開通のターゲットを広げることができる。
【0039】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。上記実施の形態では、データ通信端末11のコネクタ13が、USB規格に準拠する機器に接続可能な端子である場合を例に説明したが、これに限られず、他の規格に準拠する機器に接続可能な端子であっても良い。
【0040】
また、上記実施の形態では、データ通信端末11による画像データの転送先が、デジタルフォトフレーム等の表示装置16である場合を例に説明したが、これに限られない。データ通信端末による画像データの転送先は、表示装置16に加え、デジタルプリンタやテレビ等も含む、画像データ出力装置であっても良い。
【0041】
また、図2のフローチャートでは、外部メモリ20及び本体メモリ18のうち外部メモリ20の空き容量に優先的に画像データが保存される場合を例に説明したが、これに限られない。本体メモリ18の空き容量に優先的に画像データが保存される構成に適宜変更可能である。また、表示装置16に外部メモリ20が電気的に接続されていない場合には、対応するフローは省略される。
【0042】
また、データ通信端末11は、表示装置16の本体メモリ18及び外部メモリ20に空き容量が無く画像データを転送できない場合、その旨を送信者又は予め設定されたアドレス宛にメールで通知する送信部を備えた構成に適宜変更可能である。
【0043】
また、上述のように、データ通信端末11にはメールアドレス等の固有の識別情報が割り振られるが、その際、SIMカード(Subscriber Identity Module Card)が必須である場合には、データ通信端末11はSIMカードを差し込み可能な形状に形成される必要がある。
【符号の説明】
【0044】
11 データ通信端末
12 受信部
13 コネクタ
14 コントローラ
15 フラッシュメモリ
16 表示装置
17 コネクタ
18 本体メモリ
19 表示部
20 外部メモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ送信装置から送信された画像データを受信する受信部と、
画像データ出力装置に電気的に接続可能なコネクタと、
前記受信部によって受信された画像データを前記コネクタを介して前記画像データ出力装置に転送する制御部と、を備えたデータ通信端末。
【請求項2】
前記画像データを保存するメモリをさらに備えた請求項1に記載のデータ通信端末。
【請求項3】
前記制御部は、
前記画像データ出力装置に前記画像データを保存する記憶領域がある場合、当該画像データ出力装置に対して画像データを転送することを特徴とする請求項1又は2に記載のデータ通信端末。
【請求項4】
前記制御部は、
前記画像データ出力装置に前記画像データを保存する記憶領域が無い場合、スリープ状態になることを特徴とする請求項3に記載のデータ通信端末。
【請求項5】
前記画像データ出力装置に前記画像データを保存する記憶領域が無い場合にその旨を所定のアドレス宛に通知する送信部、をさらに備えた請求項4に記載のデータ通信端末。
【請求項6】
前記制御部は、
前記画像データ出力装置に付加された外部メモリに前記画像データを保存する記憶領域がある場合、当該外部メモリに対して当該画像データを転送することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のデータ通信端末。
【請求項7】
前記制御部は、
前記外部メモリ及び前記画像データ出力装置に前記画像データを保存する記憶領域が無い場合、スリープ状態になることを特徴とする請求項6に記載のデータ通信端末。
【請求項8】
前記外部メモリ及び前記画像データ出力装置に前記画像データを保存する記憶領域が無い場合にその旨を所定のアドレス宛に通知する送信部、をさらに備えた請求項7に記載のデータ通信端末。
【請求項9】
データ送信装置から送信された画像データを受信し、
前記画像データを、画像データ出力装置に電気的に接続可能なコネクタを介して当該画像データ出力装置に転送する、データ通信端末の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−222716(P2012−222716A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−88905(P2011−88905)
【出願日】平成23年4月13日(2011.4.13)
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】