ネズミ誘引方法および装置、並びにネズミ捕獲装置
【課題】誘因効果が高く、効率のよいネズミ捕獲が可能となる誘引方法を提供する。
【解決手段】ネズミを超音波により誘引する方法であって、前記超音波は、互いに間隔をおいた複数の音節SからなるユニットUが、互いに間隔をおいて複数回繰り返される周波数特性を有する。
【解決手段】ネズミを超音波により誘引する方法であって、前記超音波は、互いに間隔をおいた複数の音節SからなるユニットUが、互いに間隔をおいて複数回繰り返される周波数特性を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドブネズミ、クマネズミなどのネズミを駆除のために誘引する方法および装置、並びにネズミ捕獲装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ネズミの駆除方法としては、食餌や誘引物質を用いて捕獲器により捕獲する方法、殺鼠剤を用いる方法などがある。
しかしながら、これらの方法では、安全性に対する配慮が必要となる上、使用場所が限定されることがある。また、ねずみの慣れや誘因効果の低さにより、効果的な駆除が難しくなることがあった。
安全性の高い駆除方法としては、超音波を用いてネズミを駆逐または捕獲する方法がある(特許文献1、2を参照)。
ネズミを駆逐するには、忌避効果のある超音波が用いられる。ネズミを捕獲するには、誘因効果のある超音波を用いてネズミを誘引し捕獲器により捕獲する。
超音波を用いる方法は、安全性が高く、装置の設置が容易であるという利点があり、近年、注目されている。もちろん、忌避効果のある超音波と、誘因効果のある超音波には特性に大きな違いがあることは言うまでもない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭54−153164号公報
【特許文献2】特開昭56−045152号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、超音波によりネズミを駆逐する方法は、ネズミの馴化により忌避効果が長続きしないことに加え、ネズミを捕獲する訳ではないため根本的な解決になり得ないという大きな問題がある。
一方、超音波によってネズミを誘引し捕獲する方法は、ネズミの馴化は比較的起こりにくいが、誘引効果は十分とはいえず、より誘因効果の高い方法が求められている。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであって、超音波を用いてネズミを誘引する方法において、誘因効果が高く、効率のよいネズミ捕獲が可能となる誘引方法および装置、並びにネズミ捕獲装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のネズミ誘引方法は、ネズミを超音波により誘引する方法であって、前記超音波は、互いに間隔をおいた複数の音節からなるユニットが、互いに間隔をおいて複数回繰り返される周波数特性を有するネズミ誘引方法である。
本発明では、超音波として、ネズミが発する音声を用いることができる。使用する超音波の特性は、後述する試験結果に基づいて得られたものである。
1つの前記ユニット内において、各音節の平均周波数は、時間経過に従って低くなる傾向があることが好ましい。
1つの前記ユニット内の前記音節の数の平均値は、2〜20であることが好ましい。
隣り合う前記ユニットの平均間隔は、1つの前記ユニット内の隣り合う前記音節の平均間隔の2倍以上であることが好ましい。
前記超音波の周波数は、30kHz〜47kHzの範囲にあることが好ましい。
【0006】
本発明のネズミ誘引装置は、ネズミを超音波により誘引する装置であって、互いに間隔をおいた複数の音節からなるユニットが、互いに間隔をおいて複数回繰り返される周波数特性を有する超音波を発生する超音波発生手段を備えているネズミ誘引装置である。
【0007】
本発明のネズミ捕獲装置は、ネズミを超音波により誘引し捕獲する装置であって、ネズミを誘引するネズミ誘引装置と、誘引したネズミを捕獲する捕獲器とを備え、前記ネズミ誘引装置は、互いに間隔をおいた複数の音節からなるユニットが、互いに間隔をおいて複数回繰り返される周波数特性を有する超音波を発生する超音波発生器を備えているネズミ捕獲装置である。
本発明のネズミ捕獲装置は、 前記ネズミ誘引装置に所定距離まで近づいたネズミを検知するセンサ部と、前記センサ部からの検知信号に基づいて前記超音波発生器における超音波の音圧を低くする制御部と、を有する構成としてもよい。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、複数の音節からなるユニットが複数回繰り返される周波数特性を有する超音波を用いることによって、優れた誘因効果を得ることができ、ネズミを効率よく捕獲することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施形態であるネズミ捕獲装置の概略構成を示す図である。
【図2】前図に示すネズミ捕獲装置のネズミ誘引装置の概略構成を示す図である。
【図3】(a)実施例の超音波の周波数特性を示すグラフである。(b)比較例の超音波の周波数特性を示すグラフである。
【図4】前図に示す実施例の超音波の周波数特性の詳細を示すグラフである。
【図5】音節の波形(周波数特性)の例を示すものである。
【図6】ネズミ捕獲装置のセンサ部およびネズミ誘引装置を示す説明図である。
【図7】ネズミ捕獲装置のセンサ部およびネズミ誘引装置をさらに詳細に示す説明図である。
【図8】試験例で用いた試験装置の概略構成を示す平面図である。
【図9】試験結果を示すグラフである。
【図10】試験結果を示すグラフである。
【図11】試験結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、本発明のネズミ捕獲装置の一実施形態であるネズミ捕獲装置1を示すものである。図2は、ネズミ捕獲装置1のネズミ誘引装置2の概略構成を示す図である。図3(a)は、実施例の超音波の周波数特性を示すグラフであり、図3(b)は比較例の超音波の周波数特性を示すグラフである。図4は、実施例の超音波の周波数特性の詳細を示すグラフである。図5(a)〜図5(c)は、音節Sの波形(周波数特性)の例を示すものである。図6および図7は、ネズミ捕獲装置1の要部を示す説明図である。
【0011】
図1および図2に示すように、ネズミ捕獲装置1は、ネズミを誘引するネズミ誘引装置2と、誘引したネズミを捕獲する捕獲器3、ネズミを検知するセンサ部4とを備えている。
捕獲器3は、捕獲器本体6と、捕獲器本体6上に設けられたカバー部7とを備えている。
捕獲器本体6は、略直方体のケース状とすることができ、天板部6aにはネズミ10を捕獲器本体6の内部に落とし込む開口部6bが形成されている。開口部6bには、この開口部6bを開閉自在に閉止する蓋6cを設けることができる。
【0012】
捕獲器本体6の内部には、捕獲したネズミ10を処理するための装置を設けてもよい。例えば、ネズミ10を溺死させるための水槽、ネズミ10を感電させる通電手段、ネズミ10を冷凍する冷却手段などを設けることができる。
符号5は、ネズミ10を捕獲器本体6上に導くガイド部である。
【0013】
カバー部7は、天板部7aとその両側縁から垂下する側板部7bとを有する。カバー部7の両端部は開放され、一端開口7cはネズミ10が通過可能とされている。
カバー部7は、捕獲器本体6の天板部6a上において、開口部6bを覆う位置に設けることができる。
【0014】
図2に示すように、ネズミ誘引装置2は、音声データを格納する記憶部11と、記憶部11内のデータに基づき信号を発する制御部12と、制御部12からの信号に基づいて超音波を発生するスピーカ13(超音波発生手段)とを備えている。
記憶部11としては、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置が使用できる。
ネズミ誘引装置2は、捕獲器本体6の天板部6a上において、カバー部7の他端部7d側に設けられ、スピーカ13が発する超音波を他端部7dからカバー部7内に送り込むことができる。
【0015】
ネズミ誘引装置2により発せられる超音波は、互いに間隔をおいた複数の音節からなるユニットが、互いに間隔をおいて複数回繰り返される周波数特性を有する。
図3(a)は、本発明で用いられる超音波の周波数特性の一例を示すもので、親から離れた1週齢のクマネズミの発する音声から得られたものである。図3(a)および図3(b)において横軸は時間を示し、縦軸は周波数(Hz)を示す。横軸の目盛りは、「分:秒」を示す。例えば、「1:09.5」は1分9.5秒を示す。
この図に示す波形は、複数の音節SからなるユニットUが、互いに間隔をおいて複数回繰り返されて構成されている(ユニットU1〜U4)。
【0016】
図4は、ユニットUの一例を示すもので、このユニットUは、互いに間隔をおいた12の音節S(S1〜S12)から構成されている。
1つの音節Sは連続音であり、1つの音節Sの平均長さは、例えば0.05〜0.3秒とすることができる。この平均長さは例えば0.05〜0.2秒、または0.1〜0.3秒でもよい。
【0017】
図5(a)〜図5(c)は、音節Sの波形(周波数特性)の例を示すものであり、これらの波形は図3と同様に、左右方向が時間を示し、上下方向が周波数を示す。
図5(a)は、時間経過に従って周波数が低くなる傾向がある波形を有する音節Sの例を示すものである。この図には4つの例が示されている。
この図に示す波形においては、周波数の経時変化を示す近似直線(例えば最小二乗法により導出した直線)の傾きは負となる。
図5(b)は、時間経過に従って周波数が高くなる傾向がある波形を有する音節Sの例を示すものである。この図にも4つの例が示されている。
この図に示す波形においては、周波数の経時変化を示す近似直線(例えば最小二乗法により導出した直線)の傾きは正となる。
図5(c)は、時間経過に従って周波数がいったん高くなった後、低くなる傾向がある波形を有する音節Sの例を示すものである。この図にも4つの例が示されている。
この図に示す波形においては、前半部分における周波数の経時変化を示す近似直線(例えば最小二乗法により導出した直線)の傾きは正となり、後半部分における周波数の経時変化を示す近似直線の傾きは負となる。
音節Sは、図5(a)〜図5(c)に示すもののうちいずれの傾向を有する波形であってもよい。
【0018】
1つのユニットU内における隣り合う音節S、Sの間隔(例えば図4に示すt1)の平均は、例えば0.05〜0.2秒とすることができる。この平均間隔は例えば0.05〜0.15秒、または0.1〜0.2秒でもよい。
この平均間隔は、音節Sの平均長さに対して例えば25〜300%とすることができる。音節Sの平均長さに対する前記平均間隔の比率は50〜200%でもよい。
【0019】
1つのユニットU内における音節Sの数は、例えば2〜20とすることができる。
ユニットUの平均長さは、例えば0.1〜2.0秒とすることができる。この平均長さは0.1〜1.5秒でもよい。
図3(a)に示すように、隣り合うユニットU、Uの間隔(例えば図3(a)に示すt2)の平均は、前記隣り合う音節S、Sの平均間隔(例えば図4に示すt1)の2倍以上(例えば3倍以上)とすることができる。
【0020】
1つのユニットU内において、各音節Sの平均周波数は、時間経過に従って低くなる傾向があることが好ましい(図3(a)および図4を参照)。
すなわち、各音節Sの平均周波数の経時変化を示す近似直線(例えば最小二乗法により導出した直線)の傾きが負となることが好ましい。
この傾きは、図4に示す例(横軸の時間の単位は秒、縦軸の周波数の単位はHz)において、例えば−1〜−7(kHz/秒)とすることができる。
【0021】
前記超音波の周波数は、30kHz〜47kHzの範囲にあることが好ましい。
周波数をこの範囲とすることによって、誘因効果を高めることができる。
前記周波数特性の超音波は、幼齢(例えば生後1日〜2週間程度)のネズミの音声を記録し、これを再生することで実現できる。
【0022】
図3(b)は、比較のため、本発明には適用できない超音波の波形を示すもので、図3(a)が幼齢ネズミの発する音声から得られた波形を示すものであるのに対し、図3(b)は成齢ネズミの発する音声から得られた波形を示すものである。
図3(b)では、「音節」は明確ではない。また「複数の音節からなるユニット」は特定できない。
また、図3(a)では、周波数が大きく異なる2つの超音波が同時に発せられることはほとんどないが、図3(b)では、周波数が大きく異なる2つの超音波が同時に発せられることがあることが確認できる。
【0023】
図6に示すように、センサ部4(センサ部)は、所定の検知範囲14内に入ったネズミ10を検知するものである。
図7に示すように、センサ部4は、センサ本体4aと、センサ制御部4bとを備えた構成とすることができる。
センサ本体4aとしては、赤外線センサ、光電センサなどが使用でき、例えば、デュアル素子タイプの赤外線センサが好適である。
ネズミ誘引装置2の制御部12は、制御部本体16と、D/A変換部17と、増幅部18とを備えた構成とすることができる。
増幅部18は、センサ部4からの検出信号に基づいて信号増幅率を調整可能とされている。
【0024】
次に、ネズミ捕獲装置1の使用方法について説明する。
本発明の対象となるネズミは、ドブネズミ(Rattus norvegicus)、クマネズミ(Rattus rattus)などである。
図1に示すように、ネズミ誘引装置2を稼働させ、スピーカ13から前記周波数特性を有する超音波を発生させる。
例えば、図7に示すように、記憶部11からの信号に基づいて制御部本体16は制御信号を出力し、制御信号はD/A変換部17におけるデジタル/アナログ変換を経て増幅部18に送られ、増幅部18では、前記制御信号が適宜増幅されてスピーカ13に送られ、スピーカ13は超音波を発する。
超音波はカバー部7内を経て一端開口7cから外部に向けて発せられる。
【0025】
図1に示すように、超音波のもつ誘因効果によって誘引されたネズミ10は、捕獲器本体6の天板部6a上に至り、一端開口7cからカバー部7に入って天板部6aの蓋6c上に達する。
ここで、蓋6cが開放されると、ネズミ10は開口部6bから捕獲器本体6内に落下する。これによって、ネズミ10は捕獲される。
ネズミ10には、捕獲器本体6内で適宜の処理を行ってもよい。例えば捕獲器本体6内の開口部6bの下方に設置した水槽内の水に通電しておけば、ネズミ10は水槽内に落下するとともに、感電により気絶し溺死する。
【0026】
次に、センサ部4を用いる場合のネズミ捕獲装置1の動作について説明する。
図6および図7示すように、ネズミ10がセンサ部4に所定距離まで近づくと、検知範囲14内にネズミ10が入る。これによって、センサ本体4aから検知信号が発せられ、これを受けたセンサ制御部4bは検知信号をネズミ誘引装置2の制御部12の増幅部18に送る。
増幅部18では、前記D/A変換部17から送られた信号の増幅率が調整され、スピーカ13が発する超音波の音圧が低くされる。
超音波の音圧を調整するのは、当初は音圧を高くしておくことにより広範囲のネズミを誘引し、音圧を低くすることにより、近づいてきたネズミの警戒心をなくすことができるためである。これにより、ネズミ10を誘引する効果を高めることができる。
【0027】
上記ネズミ誘引方法では、複数の音節SからなるユニットUが複数回繰り返される周波数特性を有する超音波を用いることによって、優れた誘因効果を得ることができ、ネズミを効率よく捕獲することができる。
【0028】
なお、図1には、ネズミ10を開口部6bから捕獲器本体6内に落とし込む方式の捕獲器3を例示したが、捕獲器の構成はこれに限らず、粘着材によりネズミを捕獲する方式、バネ材によってネズミを挟み込んで捕獲する方式など、任意の方式を採用できる。また、殺鼠剤、誘引剤、食餌等を併用することもできる。
また、ネズミ誘引装置2は、前記周波数特性を有する超音波を発生できるものであれば前記構成に限定されない。
また、上記ネズミ捕獲装置1は、ネズミ誘引装置2の制御部12とセンサ部4を用いて超音波の音圧調整を行っているが、センサ部4を備えていない構成も可能である。
【実施例】
【0029】
図8に示す試験装置を用いて、次の試験を行った。
この試験装置は、ゲージ20の長さ方向に互いに十分に離れた位置に、第1通路21および第2通路22が形成されている。第1通路21および第2通路22の最奥部にはそれぞれスピーカ13が設置されている。
第1通路21および第2通路22は、ゲージ20の長さ方向にほぼ垂直に、互いに反対の方向に向けて形成されている。
試験に用いたネズミ10は、未経産のメスの成齢ラット、経産のメスの成齢ラット、およびオスの成齢ラットとし、各10頭を使用した。
1頭のネズミ10をゲージ20に入れ、15分間放置してその環境に慣れさせた後、第1通路21および第2通路22のうち一方においてスピーカ13により超音波を発生させ、他方のスピーカ13は無音とした。
前記超音波は、1週齢のクマネズミの発する音声を録音し、再生したもので、前記周波数特性(複数の音節からなるユニットが複数回繰り返される)を有する(図3(a)および図4参照)(平均周波数約40kHz)。
【0030】
試験開始後、10分間の観察において次の項目について調べた。
(1)各通路にネズミ10が最初に進入するまでの時間(初回進入時間)
(2)各通路におけるネズミ10の滞在時間
(3)各通路へのネズミ10の進入回数
各試験結果について、各タイプのネズミ10における平均値を算出した。
結果を図9〜図11に示す。各図において、超音波音声を再生した方の通路を「再生」とし、再生していない方の通路を「無音」とした。
【0031】
図9より、超音波を再生した通路には、ネズミ10は短時間で進入していることがわかる。
図10より、超音波を再生した通路には、ネズミ10は長く滞在していることがわかる。
図11より、超音波を再生した通路では、ネズミ10の進入回数が多いことがわかる。
【0032】
これらの結果より、前記周波数特性を有する超音波を使用することによって、優れた誘因効果が得られることが確認された。
【符号の説明】
【0033】
1・・・ネズミ捕獲装置、2・・・ネズミ誘引装置、3・・・捕獲器、4・・・センサ部、10・・・ネズミ、11・・・記憶部、12・・・制御部、13・・・スピーカ(超音波発生手段)、14・・・検知範囲、U・・・ユニット、S・・・音節。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドブネズミ、クマネズミなどのネズミを駆除のために誘引する方法および装置、並びにネズミ捕獲装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ネズミの駆除方法としては、食餌や誘引物質を用いて捕獲器により捕獲する方法、殺鼠剤を用いる方法などがある。
しかしながら、これらの方法では、安全性に対する配慮が必要となる上、使用場所が限定されることがある。また、ねずみの慣れや誘因効果の低さにより、効果的な駆除が難しくなることがあった。
安全性の高い駆除方法としては、超音波を用いてネズミを駆逐または捕獲する方法がある(特許文献1、2を参照)。
ネズミを駆逐するには、忌避効果のある超音波が用いられる。ネズミを捕獲するには、誘因効果のある超音波を用いてネズミを誘引し捕獲器により捕獲する。
超音波を用いる方法は、安全性が高く、装置の設置が容易であるという利点があり、近年、注目されている。もちろん、忌避効果のある超音波と、誘因効果のある超音波には特性に大きな違いがあることは言うまでもない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭54−153164号公報
【特許文献2】特開昭56−045152号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、超音波によりネズミを駆逐する方法は、ネズミの馴化により忌避効果が長続きしないことに加え、ネズミを捕獲する訳ではないため根本的な解決になり得ないという大きな問題がある。
一方、超音波によってネズミを誘引し捕獲する方法は、ネズミの馴化は比較的起こりにくいが、誘引効果は十分とはいえず、より誘因効果の高い方法が求められている。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであって、超音波を用いてネズミを誘引する方法において、誘因効果が高く、効率のよいネズミ捕獲が可能となる誘引方法および装置、並びにネズミ捕獲装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のネズミ誘引方法は、ネズミを超音波により誘引する方法であって、前記超音波は、互いに間隔をおいた複数の音節からなるユニットが、互いに間隔をおいて複数回繰り返される周波数特性を有するネズミ誘引方法である。
本発明では、超音波として、ネズミが発する音声を用いることができる。使用する超音波の特性は、後述する試験結果に基づいて得られたものである。
1つの前記ユニット内において、各音節の平均周波数は、時間経過に従って低くなる傾向があることが好ましい。
1つの前記ユニット内の前記音節の数の平均値は、2〜20であることが好ましい。
隣り合う前記ユニットの平均間隔は、1つの前記ユニット内の隣り合う前記音節の平均間隔の2倍以上であることが好ましい。
前記超音波の周波数は、30kHz〜47kHzの範囲にあることが好ましい。
【0006】
本発明のネズミ誘引装置は、ネズミを超音波により誘引する装置であって、互いに間隔をおいた複数の音節からなるユニットが、互いに間隔をおいて複数回繰り返される周波数特性を有する超音波を発生する超音波発生手段を備えているネズミ誘引装置である。
【0007】
本発明のネズミ捕獲装置は、ネズミを超音波により誘引し捕獲する装置であって、ネズミを誘引するネズミ誘引装置と、誘引したネズミを捕獲する捕獲器とを備え、前記ネズミ誘引装置は、互いに間隔をおいた複数の音節からなるユニットが、互いに間隔をおいて複数回繰り返される周波数特性を有する超音波を発生する超音波発生器を備えているネズミ捕獲装置である。
本発明のネズミ捕獲装置は、 前記ネズミ誘引装置に所定距離まで近づいたネズミを検知するセンサ部と、前記センサ部からの検知信号に基づいて前記超音波発生器における超音波の音圧を低くする制御部と、を有する構成としてもよい。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、複数の音節からなるユニットが複数回繰り返される周波数特性を有する超音波を用いることによって、優れた誘因効果を得ることができ、ネズミを効率よく捕獲することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施形態であるネズミ捕獲装置の概略構成を示す図である。
【図2】前図に示すネズミ捕獲装置のネズミ誘引装置の概略構成を示す図である。
【図3】(a)実施例の超音波の周波数特性を示すグラフである。(b)比較例の超音波の周波数特性を示すグラフである。
【図4】前図に示す実施例の超音波の周波数特性の詳細を示すグラフである。
【図5】音節の波形(周波数特性)の例を示すものである。
【図6】ネズミ捕獲装置のセンサ部およびネズミ誘引装置を示す説明図である。
【図7】ネズミ捕獲装置のセンサ部およびネズミ誘引装置をさらに詳細に示す説明図である。
【図8】試験例で用いた試験装置の概略構成を示す平面図である。
【図9】試験結果を示すグラフである。
【図10】試験結果を示すグラフである。
【図11】試験結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、本発明のネズミ捕獲装置の一実施形態であるネズミ捕獲装置1を示すものである。図2は、ネズミ捕獲装置1のネズミ誘引装置2の概略構成を示す図である。図3(a)は、実施例の超音波の周波数特性を示すグラフであり、図3(b)は比較例の超音波の周波数特性を示すグラフである。図4は、実施例の超音波の周波数特性の詳細を示すグラフである。図5(a)〜図5(c)は、音節Sの波形(周波数特性)の例を示すものである。図6および図7は、ネズミ捕獲装置1の要部を示す説明図である。
【0011】
図1および図2に示すように、ネズミ捕獲装置1は、ネズミを誘引するネズミ誘引装置2と、誘引したネズミを捕獲する捕獲器3、ネズミを検知するセンサ部4とを備えている。
捕獲器3は、捕獲器本体6と、捕獲器本体6上に設けられたカバー部7とを備えている。
捕獲器本体6は、略直方体のケース状とすることができ、天板部6aにはネズミ10を捕獲器本体6の内部に落とし込む開口部6bが形成されている。開口部6bには、この開口部6bを開閉自在に閉止する蓋6cを設けることができる。
【0012】
捕獲器本体6の内部には、捕獲したネズミ10を処理するための装置を設けてもよい。例えば、ネズミ10を溺死させるための水槽、ネズミ10を感電させる通電手段、ネズミ10を冷凍する冷却手段などを設けることができる。
符号5は、ネズミ10を捕獲器本体6上に導くガイド部である。
【0013】
カバー部7は、天板部7aとその両側縁から垂下する側板部7bとを有する。カバー部7の両端部は開放され、一端開口7cはネズミ10が通過可能とされている。
カバー部7は、捕獲器本体6の天板部6a上において、開口部6bを覆う位置に設けることができる。
【0014】
図2に示すように、ネズミ誘引装置2は、音声データを格納する記憶部11と、記憶部11内のデータに基づき信号を発する制御部12と、制御部12からの信号に基づいて超音波を発生するスピーカ13(超音波発生手段)とを備えている。
記憶部11としては、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置が使用できる。
ネズミ誘引装置2は、捕獲器本体6の天板部6a上において、カバー部7の他端部7d側に設けられ、スピーカ13が発する超音波を他端部7dからカバー部7内に送り込むことができる。
【0015】
ネズミ誘引装置2により発せられる超音波は、互いに間隔をおいた複数の音節からなるユニットが、互いに間隔をおいて複数回繰り返される周波数特性を有する。
図3(a)は、本発明で用いられる超音波の周波数特性の一例を示すもので、親から離れた1週齢のクマネズミの発する音声から得られたものである。図3(a)および図3(b)において横軸は時間を示し、縦軸は周波数(Hz)を示す。横軸の目盛りは、「分:秒」を示す。例えば、「1:09.5」は1分9.5秒を示す。
この図に示す波形は、複数の音節SからなるユニットUが、互いに間隔をおいて複数回繰り返されて構成されている(ユニットU1〜U4)。
【0016】
図4は、ユニットUの一例を示すもので、このユニットUは、互いに間隔をおいた12の音節S(S1〜S12)から構成されている。
1つの音節Sは連続音であり、1つの音節Sの平均長さは、例えば0.05〜0.3秒とすることができる。この平均長さは例えば0.05〜0.2秒、または0.1〜0.3秒でもよい。
【0017】
図5(a)〜図5(c)は、音節Sの波形(周波数特性)の例を示すものであり、これらの波形は図3と同様に、左右方向が時間を示し、上下方向が周波数を示す。
図5(a)は、時間経過に従って周波数が低くなる傾向がある波形を有する音節Sの例を示すものである。この図には4つの例が示されている。
この図に示す波形においては、周波数の経時変化を示す近似直線(例えば最小二乗法により導出した直線)の傾きは負となる。
図5(b)は、時間経過に従って周波数が高くなる傾向がある波形を有する音節Sの例を示すものである。この図にも4つの例が示されている。
この図に示す波形においては、周波数の経時変化を示す近似直線(例えば最小二乗法により導出した直線)の傾きは正となる。
図5(c)は、時間経過に従って周波数がいったん高くなった後、低くなる傾向がある波形を有する音節Sの例を示すものである。この図にも4つの例が示されている。
この図に示す波形においては、前半部分における周波数の経時変化を示す近似直線(例えば最小二乗法により導出した直線)の傾きは正となり、後半部分における周波数の経時変化を示す近似直線の傾きは負となる。
音節Sは、図5(a)〜図5(c)に示すもののうちいずれの傾向を有する波形であってもよい。
【0018】
1つのユニットU内における隣り合う音節S、Sの間隔(例えば図4に示すt1)の平均は、例えば0.05〜0.2秒とすることができる。この平均間隔は例えば0.05〜0.15秒、または0.1〜0.2秒でもよい。
この平均間隔は、音節Sの平均長さに対して例えば25〜300%とすることができる。音節Sの平均長さに対する前記平均間隔の比率は50〜200%でもよい。
【0019】
1つのユニットU内における音節Sの数は、例えば2〜20とすることができる。
ユニットUの平均長さは、例えば0.1〜2.0秒とすることができる。この平均長さは0.1〜1.5秒でもよい。
図3(a)に示すように、隣り合うユニットU、Uの間隔(例えば図3(a)に示すt2)の平均は、前記隣り合う音節S、Sの平均間隔(例えば図4に示すt1)の2倍以上(例えば3倍以上)とすることができる。
【0020】
1つのユニットU内において、各音節Sの平均周波数は、時間経過に従って低くなる傾向があることが好ましい(図3(a)および図4を参照)。
すなわち、各音節Sの平均周波数の経時変化を示す近似直線(例えば最小二乗法により導出した直線)の傾きが負となることが好ましい。
この傾きは、図4に示す例(横軸の時間の単位は秒、縦軸の周波数の単位はHz)において、例えば−1〜−7(kHz/秒)とすることができる。
【0021】
前記超音波の周波数は、30kHz〜47kHzの範囲にあることが好ましい。
周波数をこの範囲とすることによって、誘因効果を高めることができる。
前記周波数特性の超音波は、幼齢(例えば生後1日〜2週間程度)のネズミの音声を記録し、これを再生することで実現できる。
【0022】
図3(b)は、比較のため、本発明には適用できない超音波の波形を示すもので、図3(a)が幼齢ネズミの発する音声から得られた波形を示すものであるのに対し、図3(b)は成齢ネズミの発する音声から得られた波形を示すものである。
図3(b)では、「音節」は明確ではない。また「複数の音節からなるユニット」は特定できない。
また、図3(a)では、周波数が大きく異なる2つの超音波が同時に発せられることはほとんどないが、図3(b)では、周波数が大きく異なる2つの超音波が同時に発せられることがあることが確認できる。
【0023】
図6に示すように、センサ部4(センサ部)は、所定の検知範囲14内に入ったネズミ10を検知するものである。
図7に示すように、センサ部4は、センサ本体4aと、センサ制御部4bとを備えた構成とすることができる。
センサ本体4aとしては、赤外線センサ、光電センサなどが使用でき、例えば、デュアル素子タイプの赤外線センサが好適である。
ネズミ誘引装置2の制御部12は、制御部本体16と、D/A変換部17と、増幅部18とを備えた構成とすることができる。
増幅部18は、センサ部4からの検出信号に基づいて信号増幅率を調整可能とされている。
【0024】
次に、ネズミ捕獲装置1の使用方法について説明する。
本発明の対象となるネズミは、ドブネズミ(Rattus norvegicus)、クマネズミ(Rattus rattus)などである。
図1に示すように、ネズミ誘引装置2を稼働させ、スピーカ13から前記周波数特性を有する超音波を発生させる。
例えば、図7に示すように、記憶部11からの信号に基づいて制御部本体16は制御信号を出力し、制御信号はD/A変換部17におけるデジタル/アナログ変換を経て増幅部18に送られ、増幅部18では、前記制御信号が適宜増幅されてスピーカ13に送られ、スピーカ13は超音波を発する。
超音波はカバー部7内を経て一端開口7cから外部に向けて発せられる。
【0025】
図1に示すように、超音波のもつ誘因効果によって誘引されたネズミ10は、捕獲器本体6の天板部6a上に至り、一端開口7cからカバー部7に入って天板部6aの蓋6c上に達する。
ここで、蓋6cが開放されると、ネズミ10は開口部6bから捕獲器本体6内に落下する。これによって、ネズミ10は捕獲される。
ネズミ10には、捕獲器本体6内で適宜の処理を行ってもよい。例えば捕獲器本体6内の開口部6bの下方に設置した水槽内の水に通電しておけば、ネズミ10は水槽内に落下するとともに、感電により気絶し溺死する。
【0026】
次に、センサ部4を用いる場合のネズミ捕獲装置1の動作について説明する。
図6および図7示すように、ネズミ10がセンサ部4に所定距離まで近づくと、検知範囲14内にネズミ10が入る。これによって、センサ本体4aから検知信号が発せられ、これを受けたセンサ制御部4bは検知信号をネズミ誘引装置2の制御部12の増幅部18に送る。
増幅部18では、前記D/A変換部17から送られた信号の増幅率が調整され、スピーカ13が発する超音波の音圧が低くされる。
超音波の音圧を調整するのは、当初は音圧を高くしておくことにより広範囲のネズミを誘引し、音圧を低くすることにより、近づいてきたネズミの警戒心をなくすことができるためである。これにより、ネズミ10を誘引する効果を高めることができる。
【0027】
上記ネズミ誘引方法では、複数の音節SからなるユニットUが複数回繰り返される周波数特性を有する超音波を用いることによって、優れた誘因効果を得ることができ、ネズミを効率よく捕獲することができる。
【0028】
なお、図1には、ネズミ10を開口部6bから捕獲器本体6内に落とし込む方式の捕獲器3を例示したが、捕獲器の構成はこれに限らず、粘着材によりネズミを捕獲する方式、バネ材によってネズミを挟み込んで捕獲する方式など、任意の方式を採用できる。また、殺鼠剤、誘引剤、食餌等を併用することもできる。
また、ネズミ誘引装置2は、前記周波数特性を有する超音波を発生できるものであれば前記構成に限定されない。
また、上記ネズミ捕獲装置1は、ネズミ誘引装置2の制御部12とセンサ部4を用いて超音波の音圧調整を行っているが、センサ部4を備えていない構成も可能である。
【実施例】
【0029】
図8に示す試験装置を用いて、次の試験を行った。
この試験装置は、ゲージ20の長さ方向に互いに十分に離れた位置に、第1通路21および第2通路22が形成されている。第1通路21および第2通路22の最奥部にはそれぞれスピーカ13が設置されている。
第1通路21および第2通路22は、ゲージ20の長さ方向にほぼ垂直に、互いに反対の方向に向けて形成されている。
試験に用いたネズミ10は、未経産のメスの成齢ラット、経産のメスの成齢ラット、およびオスの成齢ラットとし、各10頭を使用した。
1頭のネズミ10をゲージ20に入れ、15分間放置してその環境に慣れさせた後、第1通路21および第2通路22のうち一方においてスピーカ13により超音波を発生させ、他方のスピーカ13は無音とした。
前記超音波は、1週齢のクマネズミの発する音声を録音し、再生したもので、前記周波数特性(複数の音節からなるユニットが複数回繰り返される)を有する(図3(a)および図4参照)(平均周波数約40kHz)。
【0030】
試験開始後、10分間の観察において次の項目について調べた。
(1)各通路にネズミ10が最初に進入するまでの時間(初回進入時間)
(2)各通路におけるネズミ10の滞在時間
(3)各通路へのネズミ10の進入回数
各試験結果について、各タイプのネズミ10における平均値を算出した。
結果を図9〜図11に示す。各図において、超音波音声を再生した方の通路を「再生」とし、再生していない方の通路を「無音」とした。
【0031】
図9より、超音波を再生した通路には、ネズミ10は短時間で進入していることがわかる。
図10より、超音波を再生した通路には、ネズミ10は長く滞在していることがわかる。
図11より、超音波を再生した通路では、ネズミ10の進入回数が多いことがわかる。
【0032】
これらの結果より、前記周波数特性を有する超音波を使用することによって、優れた誘因効果が得られることが確認された。
【符号の説明】
【0033】
1・・・ネズミ捕獲装置、2・・・ネズミ誘引装置、3・・・捕獲器、4・・・センサ部、10・・・ネズミ、11・・・記憶部、12・・・制御部、13・・・スピーカ(超音波発生手段)、14・・・検知範囲、U・・・ユニット、S・・・音節。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネズミを超音波により誘引する方法であって、
前記超音波は、互いに間隔をおいた複数の音節からなるユニットが、互いに間隔をおいて複数回繰り返される周波数特性を有することを特徴とするネズミ誘引方法。
【請求項2】
1つの前記ユニット内において、各音節の平均周波数は、時間経過に従って低くなる傾向があることを特徴とする請求項1に記載のネズミ誘引方法。
【請求項3】
1つの前記ユニット内の前記音節の数の平均値は、2〜20であることを特徴とする請求項1または2に記載のネズミ誘引方法。
【請求項4】
隣り合う前記ユニットの平均間隔は、1つの前記ユニット内の隣り合う前記音節の平均間隔の2倍以上であることを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか1項に記載のネズミ誘引方法。
【請求項5】
前記超音波の周波数は、30kHz〜47kHzの範囲にあることを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか1項に記載のネズミ誘引方法。
【請求項6】
ネズミを超音波により誘引する装置であって、
互いに間隔をおいた複数の音節からなるユニットが、互いに間隔をおいて複数回繰り返される周波数特性を有する超音波を発生する超音波発生手段を備えていることを特徴とするネズミ誘引装置。
【請求項7】
ネズミを超音波により誘引し捕獲する装置であって、
ネズミを誘引するネズミ誘引装置と、誘引したネズミを捕獲する捕獲器とを備え、
前記ネズミ誘引装置は、互いに間隔をおいた複数の音節からなるユニットが、互いに間隔をおいて複数回繰り返される周波数特性を有する超音波を発生する超音波発生器を備えていることを特徴とするネズミ捕獲装置。
【請求項8】
前記ネズミ誘引装置に所定距離まで近づいたネズミを検知するセンサ部と、
前記センサ部からの検知信号に基づいて前記超音波発生器における超音波の音圧を低くする制御部と、を有することを特徴とする請求項7に記載のネズミ捕獲装置。
【請求項1】
ネズミを超音波により誘引する方法であって、
前記超音波は、互いに間隔をおいた複数の音節からなるユニットが、互いに間隔をおいて複数回繰り返される周波数特性を有することを特徴とするネズミ誘引方法。
【請求項2】
1つの前記ユニット内において、各音節の平均周波数は、時間経過に従って低くなる傾向があることを特徴とする請求項1に記載のネズミ誘引方法。
【請求項3】
1つの前記ユニット内の前記音節の数の平均値は、2〜20であることを特徴とする請求項1または2に記載のネズミ誘引方法。
【請求項4】
隣り合う前記ユニットの平均間隔は、1つの前記ユニット内の隣り合う前記音節の平均間隔の2倍以上であることを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか1項に記載のネズミ誘引方法。
【請求項5】
前記超音波の周波数は、30kHz〜47kHzの範囲にあることを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか1項に記載のネズミ誘引方法。
【請求項6】
ネズミを超音波により誘引する装置であって、
互いに間隔をおいた複数の音節からなるユニットが、互いに間隔をおいて複数回繰り返される周波数特性を有する超音波を発生する超音波発生手段を備えていることを特徴とするネズミ誘引装置。
【請求項7】
ネズミを超音波により誘引し捕獲する装置であって、
ネズミを誘引するネズミ誘引装置と、誘引したネズミを捕獲する捕獲器とを備え、
前記ネズミ誘引装置は、互いに間隔をおいた複数の音節からなるユニットが、互いに間隔をおいて複数回繰り返される周波数特性を有する超音波を発生する超音波発生器を備えていることを特徴とするネズミ捕獲装置。
【請求項8】
前記ネズミ誘引装置に所定距離まで近づいたネズミを検知するセンサ部と、
前記センサ部からの検知信号に基づいて前記超音波発生器における超音波の音圧を低くする制御部と、を有することを特徴とする請求項7に記載のネズミ捕獲装置。
【図1】
【図2】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図3】
【図4】
【図2】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図3】
【図4】
【公開番号】特開2011−211926(P2011−211926A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−81190(P2010−81190)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(000101938)イカリ消毒株式会社 (33)
【出願人】(506209422)地方独立行政法人 東京都立産業技術研究センター (134)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(000101938)イカリ消毒株式会社 (33)
【出願人】(506209422)地方独立行政法人 東京都立産業技術研究センター (134)
【Fターム(参考)】
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