説明

ノイズフィルタ

【課題】定格温度の低い部品の温度上昇を抑えると共に、コモンチョークコイルの放熱性が良好で、且つポッティング材の使用量を減少させ軽量化を図ったノイズフィルタを提供する。
【解決手段】ケース内にコイル及びコンデンサを収納したノイズフィルタに於いて、ケース本体18は、外気と接触する円筒状の外壁42a、42bを有したコイル収納部42と、コイル収納部42に隣接して配置したコンデンサ収納部46、48と、コイル収納部42とコンデンサ収納部46、48との対峙する壁面間の少なくとも一部に形成する外気からなる断熱部58、60、62、64とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源ラインなどを経由して電子機器等に侵入するノイズを除去するノイズフィルタに係り、特に、定格温度の低い部品の温度上昇を抑制すると共にコイルの放熱性を向上させる構造としたことを特徴とするノイズフィルタに関する。

【背景技術】
【0002】
チョークコイルとコンデンサで構成されるノイズフィルタは、電源ラインや通信ライン等を経由して外部から電子機器内に侵入するノイズにより電子機器が誤動作することを防止する装置であり、電子機器にとって必要不可欠である。
【0003】
従来、この種のノイズフィルタとしては図7の外観図に示すように、接地端子214を設けた金属製の底板212の上に、両端に入力端子台220及び出力端子台222を設け合成樹脂等の絶縁材で形成されたケース本体218を配置し、ケース本体218の上部にカバー224を装着したものが一般的である。
【0004】
図8は、図7に示す従来例を上方から見た説明図で、図8(A)はカバー224を外した状態のノイズフィルタ210の平面図、図8(B)はケース本体218の高さ方向中央付近の断面を示した断面図である。
【0005】
図8(A)に示すように、ノイズフィルタ210は、ケース本体218の両端に設けた入力端子台220と出力端子台222の間に、フィルタ回路の構成部品として、コモンモードチョークコイル232、Xコンデンサ234、236及びYコンデンサ238、240を備えている。
【0006】
コモンモードチョークコイル232は、ケース本体218に設けられたコイル収納部242の底部に置かれ、ポッティング材244(網掛け部)をコイル収納部242に充填して固定され、Xコンデンサ234、236及びYコンデンサ238、240は、各々ケース本体218に設けられたコンデンサ収納部246、248の所定の位置に組み付けて配線されている。

【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】実開平2002−280234号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、図8に示すような従来のノイズフィルタ210にあっては、コモンモードチョークコイル232を設置しているケース本体218のコイル収納部242は、製品形状に合わせた直方体状の空間、上方から見た場合は、図8(B)に示すように四角形の領域となっている。
【0009】
このように、コイル収納部242の直方体状(四角形)の領域に円筒状(円形)のコモンチョークコイル232が配置されているため、コモンチョークコイル232と外気との距離が遠くなっている。
【0010】
すなわち、コモンチョークコイル232の外周部とコイル収納部242の外気と接触している外壁242a、242bとの距離が、コンデンサ収納部246、248に近い位置ほど離れており、ノイズフィルタ210の使用時にコモンチョークコイル232が放熱しにくい構造となっている。
【0011】
また、ノイズフィルタ210は、図8(A)(B)に示すように、コイル収納部242とコンデンサ収納部246、248が隔壁246a、248aで区切られているが、隔壁246a、248aの全面にコイル収納部242に充填されたポッティング材244が直接接触しているため、コモンチョークコイル232からXコンデンサ234、236やYコンデンサ238、240への熱伝導が大きい構造となっている。
【0012】
従って、従来のノイズフィルタには、発熱部品であるコモンチョークコイルの放熱性が悪い上に、コモンチョークコイルの発熱が定格温度の低い他部品へ伝導しやすいという性能上の問題がある。
【0013】
更に、ノイズフィルタ210は、コイル収納部242の直方体状の領域に円筒状のコモンチョークコイル232を配置するために、コイル収納部242の四角形の四隅付近とコモンチョークコイル232の円形の外周部との間には大きな空間が存在し、ポッティング材244の使用量が必要以上に多くなっている。
【0014】
従って、従来のノイズフィルタには、ポッティング材の充填や硬化に時間がかかりポッティング加工の作業性が低下するという製造上の問題や、製品重量が増加するという使用上の問題もある。
【0015】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、定格温度の低い部品の温度上昇を抑えると共にコモンチョークコイルの放熱性が良好であり、且つポッティング材の使用量を減少させ軽量化を図ったノイズフィルタを提供することを目的とする。

【課題を解決するための手段】
【0016】
この目的を達成するため本発明は次のように構成する。本発明は、ケース内にコイル及びコンデンサを収納したノイズフィルタに於いて、ケースは、外気と接触する外壁を有してコイルを収納するコイル収納部と、コイル収納部に隣接して配置しコンデンサを収納するコンデンサ収納部と、コイル収納部とコンデンサ収納部との対峙する壁面間の少なくとも一部に形成する外気からなる断熱部とを備えることを特徴とする。
【0017】
ここで、ケースは、コイル収納部とコンデンサ収納部とを一体に形成したケース本体を備え、コイル収納部は、コイルの外形に沿った形状の外壁を有し、少なくとも外気と接触する外壁をコイルの径方向の外形に沿った円筒状とする。
【0018】
更に、コイル収納部と収納したコイルとの間に形成される空間に、少なくとも熱伝導性を有する充填材を充填する。

【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、ケース本体のコイル収納部とコンデンサ収納部の間をケース本体外の空間を介して隔離したことにより、チョークコイルと定格温度の低いコンデンサとの間に外気の層ができ、チョークコイルの発熱がコンデンサに伝導し難くなりコンデンサの温度上昇を抑えることができる。
【0020】
また、本発明によれば、コイル収納部の外気と接触する外壁をコイルの径方向の外形に沿った円筒状とすることにより、チョークコイルと外気との距離が近くなり、チョークコイルの放熱性が向上する。
【0021】
更に、本発明によれば、コイル収納部の外壁をコイルの外形に沿った形状とすることにより、壁面とコイルとの隙間が必要最低限にでき、コイル収納部に充填するポッティング材の使用量が減少してノイズフィルタの軽量化が図れる。

【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明によるノイズフィルタの実施形態を示す外観図
【図2】図1に示す実施形態の回路図
【図3】図1に示す実施形態のカバーを外した状態の説明図
【図4】図1に示す実施形態のケース本体の断面図
【図5】本発明によるノイズフィルタの他の実施形態を示す説明図
【図6】図5に示す実施形態のケース本体の断面図
【図7】従来のノイズフィルタの一例を示す説明図
【図8】図7に示す従来例の説明図
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1は、本発明によるノイズフィルタの実施形態を示す外観図である。本実施形態では、上記の従来例に対して本発明を適用した場合の単相交流用ノイズフィルタについて説明する。
【0024】
図1に示すように、ノイズフィルタ10は、ケースとケース内に備わるフィルタ回路からなり、ケースは、接地端子14を設けた金属製の底板12と、底板12の上に配置した入力端子台20及び出力端子台22を設けたケース本体18と、ケース本体18の上部に装着したカバー24で構成され、フィルタ回路はケース本体18に組み込まれている。
【0025】
図2は、図1の実施形態の回路図である。図2に示すように、フィルタ回路10aは、入力端子20a、20bと出力端子22a、22bの間に、トロイダルコア26に導線28、30を巻いて形成した低域のコモンモードノイズを減衰させるコモンモードチョークコイル32と、コモンモードチョークコイル32の入力側及び出力側のライン間に接続されたXコンデンサ(アクロス・ザ・ライン・コンデンサ)34、36と、高域のコモンモードノイズとノーマルモードノイズを減衰させるために出力側のライン−グランド間に接続されるYコンデンサ(ライン・バイパス・コンデンサ)38、40を備えている。
【0026】
本実施形態では、コモンモードチョークコイル32を1つ備えたものを示しているが、コモンモードチョークコイル32を2つ備えてもよく、また図示していないが、電源切断時にコンデンサの蓄積電荷を放電させるブリーダー抵抗をライン間に備えてもよい。
【0027】
図3は、図1の実施形態のケース本体18の内部構造を示した説明図で、図3(A)は、カバー24を外した状態の平面図、図3(B)は、ケース本体18を図3(A)の断面C−Cで示したノイズフィルタ10の正面図である。
【0028】
図3(A)(B)に示すように、ケース本体18は、両端に入力端子台20と出力端子台22を合成樹脂等の絶縁材で一体に形成し、入力端子台20と出力端子台22の間には、コモンモードチョークコイル32、Xコンデンサ34、36及びYコンデンサ38、40を配置している。
【0029】
コモンモードチョークコイル32は、ケース本体18の中央部に設けられたコイル収納部42の底部に置かれ、振動によるがたつきの防止や放熱を考慮してポッティング加工を施し、すなわち放熱性の良好なエポキシ樹脂やシリコーン樹脂等のポッティング材44(網掛け部)をコイル収納部42に充填して硬化させることで固定している。
【0030】
Xコンデンサ34は、入力端子台20とコイル収納部42の間に設けたコンデンサ収納部46に組み付け、Xコンデンサ36及びYコンデンサ38、40は、コイル収納部42と出力端子台22との間に設けたコンデンサ収納部48の所定の位置に組み付けている。
【0031】
コモンモードチョークコイル32、Xコンデンサ34は、入力端子台20に埋め込まれた端子金具50、52の接続部に、トロイダルコア26に巻かれた導線28、30の入力側接続端子、Xコンデンサ34の両リード端子をカシメやハンダ付け等により固定して、端子金具50、52に電気的に接続している。
【0032】
また、コモンモードチョークコイル32、Xコンデンサ36、Yコンデンサ38、40は、出力端子台22に埋め込まれた端子金具54、56の接続部に、導線28、30の出力側接続端子、Xコンデンサ36の両リード端子、Yコンデンサ38、40の一方のリード端子をカシメやハンダ付け等により固定して、端子金具54、56に電気的に接続している。
【0033】
更に、Yコンデンサ38、40は、他方のリード端子を、ケース本体18の底面に配置された底板12から立ち上がった接続端子16にカラゲやハンダ付け等により固定して、底板12に電気的に接続している。
【0034】
図3(A)に示すように、コイル収納部42の外気と接触する外壁42a、42bは、コモンモードチョークコイル32の径方向の外形に沿った円弧状の曲面、より詳しくは断面が円弧状である円筒の一部であり、コモンモードチョークコイル32との間隔は、ポッティング加工に必要な最小限となっている。
【0035】
ノイズフィルタ10は、コイル収納部42をこのような円弧状の壁面形状とすることで、コモンモードチョークコイル32と外気との距離を短縮すると共に外気との接触面積も増やしてコモンモードチョークコイル32の放熱性を向上させ、更にポッティング材の使用料を減少させている。
【0036】
また、コイル収納部42の外壁42a、42bとコンデンサ収納部46、48との間に、外気からなる空間である断熱部58、60、62、64を構成することで、コモンモードチョークコイル32の発熱が、定格温度が低いXコンデンサ34、36やYコンデンサ38、40に伝導し難くなっている。
【0037】
本実施形態では、コモンモードチョークコイル32をポッティング加工によってコイル収納部42に固定しているが、ノイズフィルタ10の仕様によってはコモンモードチョークコイル32の発熱量が比較的少ない場合があり、このような場合には、コモンモードチョークコイル32と外気との距離が短いため、ポッティング加工を省略してノイズフィルタ10を更に軽量化することも可能である。
【0038】
ポッティング加工を省略する場合には、コモンモードチョークコイル32の底面をコイル収納部42に接着して、あるいはコイル収納部42に固定用爪を設けコモンモードチョークコイル32を固定する等の他の固定方法を用いればよく、何れの方法もポッティング加工に比べると手間が少ないために、組立工数の削減によるノイズフィルタ10のコストダウンも図れる。
【0039】
本実施形態では、ケース本体18は、コモンチョークコイル32と同様に、Xコンデンサ34、36をケース本体18の上方(カバー24側)から組み込む構造となっているが、Xコンデンサ34、36をケース本体18の下方(底板12側)から組み込む構造としても構わない。
【0040】
なお、本発明の発明者は、本実施形態のノイズフィルタによる実験において、コモンチョークコイルの温度が、常温での使用状態で従来例に対して約3℃下がることを確認している。
【0041】
図4は、図1の実施形態のケース本体18の断面図で、図4(A)は、ケース本体18を図3(B)の断面D−Dで示し、図4(B)は、図4(A)に示す本実施形態と図8(B)に示す従来例とのポッティング材の使用料を比較した説明図である。なお、図4(B)は、本実施形態と従来例を比較するために、図4(A)の断面と図8(B)の断面をコイル収納部42の形状以外は同形状として重ね合わせている。
【0042】
図4(A)に示すように、コンデンサ収納部46、48とコイル収納部42とは、一部が隔壁46a、48aで繋がっており、この部分でコイル収納部42からコンデンサ収納部46、48への熱伝導がある。
【0043】
しかし、隔壁46aの両側のコンデンサ収納部46の外壁46b、46cとコイル収納部42の外壁42a、42bの間に外気からなる断熱部58、60があり、また隔壁48aの両側のコンデンサ収納部48の外壁48b、48cとコイル収納部42の外壁42a、42bの間には外気からなる断熱部62、64がある。
【0044】
ノイズフィルタの一般的な使用状態において外気とは空気であり、空気は熱伝導率がポッティング材に比べて非常に小さいため、本実施形態は図8(B)に示す従来例より、コモンチョークコイルからコンデンサへの熱伝導が小さい構造となっている。
【0045】
また、図4(B)に示すように、本実施形態は図8に示す従来例に対して、ポッティング材の充填面積が減少部66、68の領域分小さくなるため、コイル収納部42に充填するポッティング材の使用量がその分減少し、ノイズフィルタ10が軽量化される。
【0046】
図5は、本発明によるノイズフィルタの他の実施形態を示す説明図で、カバーを外した状態のノイズフィルタの平面を示している。本実施形態のノイズフィルタ110は、図1−4に示す実施形態と回路構成は同じであるが、ケースの幅(図の上下方向)を狭くした構造となっている。
【0047】
図5に示すように、接地端子114を設けた金属製の底板112の上にケース本体118を配置し、ケース本体118は両端に入力端子台120と出力端子台122を合成樹脂等の絶縁材で一体に形成し、入力端子台120と出力端子台122の間には、コモンモードチョークコイル132、Xコンデンサ134、136及びYコンデンサ138、140を配置している。
【0048】
コモンモードチョークコイル132は、ケース本体118の中央部に設けられたコイル収納部142の底部に置かれ、振動によるがたつきの防止や放熱を考慮して、ポッティング材144(網掛け部)をコイル収納部142に充填して硬化させ固定している。
【0049】
Xコンデンサ134は、入力端子台120とコイル収納部142の間に設けたコンデンサ収納部146に組み付け、Xコンデンサ136及びYコンデンサ138、140は、コイル収納部142と出力端子台122との間に設けたコンデンサ収納部148の所定の位置に組み付けている。
【0050】
コモンモードチョークコイル132、Xコンデンサ134は、入力端子台120に埋め込まれた端子金具150、152の接続部に、トロイダルコア126に巻かれた導線128、130の入力側接続端子、Xコンデンサ134の両リード端子をカシメやハンダ付け等により固定して、端子金具150、152に電気的に接続している。
【0051】
また、コモンモードチョークコイル132、Xコンデンサ136、Yコンデンサ138、140は、出力端子台122に埋め込まれた端子金具154、156の接続部に、導線128、130の出力側接続端子、Xコンデンサ136の両リード端子、Yコンデンサ138、140の一方のリード端子をカシメやハンダ付け等により固定して、端子金具154、156に電気的に接続している。
【0052】
更に、Yコンデンサ138、140は、他方のリード端子を、ケース本体118の底面に配置された底板112から立ち上がった接続端子116にカシメやハンダ付け等により固定して、底板112に電気的に接続している。
【0053】
図5に示すように、コモンモードチョークコイル132の径方向の外周に面したコイル収納部142の外壁142aは、コモンモードチョークコイル132の外形に沿った円筒状で全周が外気と接触している。またコイル収納部142の円筒状の外壁142aとコモンモードチョークコイル132との間隔は、ポッティング加工に必要な最小限となっている。
【0054】
ノイズフィルタ110は、コイル収納部142をこのような円筒状の壁面形状とすることで、コモンモードチョークコイル132と外気との距離を短縮すると共に外気との接触面積も増やしてコモンモードチョークコイル132の放熱性を向上させ、更にポッティング材の使用料を減少させている。
【0055】
また、コイル収納部142の外壁142aとコンデンサ収納部146、148との間に、外気からなる空間である断熱部158、160を構成することで、コモンモードチョークコイル132の発熱が、定格温度が低いXコンデンサ134、136やYコンデンサ138、140に伝導し難くなっている。
【0056】
図1−4に示す実施形態では、コイル収納部42とコンデンサ収納部46、48の対峙する壁面の一部が接しているが(隔壁46a、48a)、本実施形態では、断熱部158、160がコイル収納部142とコンデンサ収納部146、148との対峙する壁面間の全域にわたっているため、コイル収納部142からコンデンサ収納部146、148への熱伝導を更に抑えることができる。
【0057】
図6は、図5に示す実施形態のケース本体118の断面図で、図6(A)は、ケース本体118を図5の断面E−Eで示し、図6(B)は、ケース本体118を図6(A)の断面F−Fで示している。
【0058】
図6(A)に示すように、コンデンサ収納部146、148とコイル収納部142とは、対峙する壁面142a−146a、142a−148aの高さ方向の全域(コンデンサ収納部146、148とコイル収納部142との接続箇所を除く)が断熱部158、160によって外気で隔離しているため、ケース本体118は、コンデンサ収納部146、148とコイル収納部142を外壁142a、146a、148a以外の接続箇所118aで接続して一体としている。
【0059】
本実施形態では、接続箇所118aをコンデンサ収納部146、148とコイル収納部142の上部に設けているが、接続箇所118aはコンデンサ収納部146、148とコイル収納部142の下部でも、あるいは中間部でも構わない。
【0060】
また、図6(B)に示すように、コイル収納部142の円筒状の外壁142aの全体が外気と接触している上に、断熱部158、160がケース本体118の両側面側(図の上下方向)に貫通しているため、この部分の外気の対流によって更に放熱性が向上する。
【0061】
本発明は、上記の実施形態に限定されず、例えば三相交流用ノイズフィルタ等のコイルとコンデンサを備えたあらゆるノイズフィルタに適用可能であり、またその目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含む。

【符号の説明】
【0062】
10、110、210:ノイズフィルタ
12、112、212:底板
14、114、214:接地端子
16、116:接続端子
18、118、218:ケース本体
20、120、220:入力端子台
22、122、222:出力端子台
24、124、224:カバー
26、126:トロイダルコア
28、30、128、130:導線
32、132、232:コモンモードチョークコイル
34、36、134、136、234、236:Xコンデンサ
38、40、138、140、238、240:Yコンデンサ
42、142、242:コイル収納部
44、144、244:ポッティング材
46、48、146、148、246、248:コンデンサ収納部
50、52、54、56、150、152、154、156:端子金具
58、60、62、64、158、160:断熱部
66、68:減少部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケース内にコイル及びコンデンサを収納したノイズフィルタに於いて、前記ケースは、
外気と接触する外壁を有して前記コイルを収納するコイル収納部と、
前記コイル収納部に隣接して配置し前記コンデンサを収納するコンデンサ収納部と、
前記コイル収納部と前記コンデンサ収納部との対峙する壁面間の少なくとも一部に形成する外気からなる断熱部と、
を備えることを特徴とするノイズフィルタ。

【請求項2】
請求項1記載のノイズフィルタに於いて、前記ケースは、
前記コイル収納部と前記コンデンサ収納部とを一体に形成したケース本体を備えることを特徴とするノイズフィルタ。

【請求項3】
請求項2記載のノイズフィルタに於いて、前記コイル収納部は、
前記コイルの外形に沿った形状の外壁を有することを特徴とするノイズフィルタ。

【請求項4】
請求項3記載のノイズフィルタに於いて、前記コイル収納部は、
少なくとも前記外気と接触する外壁が、前記コイルの径方向の外形に沿った円筒状であることを特徴とするノイズフィルタ。

【請求項5】
請求項1記載のノイズフィルタに於いて、前記コイル収納部は、
前記コイルとの間に形成される空間に、少なくとも熱伝導性を有する充填材を充填することを特徴とするノイズフィルタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−109499(P2011−109499A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−263694(P2009−263694)
【出願日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【出願人】(000103208)コーセル株式会社 (80)
【Fターム(参考)】