説明

ハンガーカバー及び組立ハンガー

【課題】ハンガーの再利用を見栄え良く行えること。
【解決手段】このハンガーカバー100は、複数のハンガーHを重ねてハンガーHの桟部Bの部分を本体1の折り畳み部分に当てながら本体1をハンガーHの両側から折り畳み、当該ハンガーHを包むように収納する。そして、ハンガーHの位置を整え、被せ部2,2を内側に入れ込み背面の左右の被せ部3,3を折り曲げ、本体1の正面側に被せ、面ファスナー7,8で連結する。これにより、ハンガーHのフックHhが本体1の上部から出た状態で当該ハンガーHがハンガーカバー100に収納される。このようにすれば、使い捨てのハンガーHを有効利用でき、複数のハンガーHを本体1で包むように収納するので見栄えが良い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のハンガーをまとめて利用するためのハンガーカバー及び組立ハンガーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から複数のハンガーを連結して再利用する発明として、特許文献1に記載のような組み立て式ハンガーが知られている。この組み立て式ハンガーは、2つのハンガーの首部を連結クリップにより連結すると共に、ハンガーのズボン引掛体の間に3つの連結棒を渡し、当該ズボン引掛体同士を一定の隙間をあけて固定した構造である。これにより全体としての強度が向上してハンガー自体に厚みを持たせることができる。しかしながら、上記従来の組み立て式ハンガーでは、金属ワイヤーのハンガーが外部に露出するので見栄えが悪く、ハンカチやボタン等の小物の収納ができないという問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】第3004754号登録実用新案公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
解決しようとする問題点は、複数のハンガーを見栄え良く組み合わせる点である。また、好ましくは小物の収納もできるようにする点である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のハンガーカバーは、本体が平面形状で且つ可撓性の素材からなり、当該本体の中央横方向にハンガーの桟部が当接される折り畳み部分を有すると共に、本体基部の上又は下の左右に、ハンガーのアーム部に沿って折り曲げられる被せ部を有することを特徴とする。
【0006】
また、この発明のハンガーカバーは、上記発明において、更に、前記本体にポケットを設けたことを特徴とする。
【0007】
また、この発明のハンガーカバーは、上記発明において、更に、前記本体にフックを設けたことを特徴とする。
【0008】
本発明の組立ハンガーは、上記ハンガーカバーに、複数のハンガーを収納してなることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】この発明の実施の形態1にかかるハンガーカバーの表面を示す平面図である。
【図2】図1に示したハンガーカバーの裏面を示す平面図である。
【図3】図1に示したハンガーカバーの使用状態を示す説明図である。
【図4】図1に示したハンガーカバーの使用状態を示す説明図である。
【図5】図1に示したハンガーカバーの使用状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、この発明の実施の形態1にかかるハンガーカバーの表面を示す平面図である。図2は、図1に示したハンガーカバーの裏面を示す平面図である。図3〜図5は、図1に示したハンガーカバーの使用状態を示す説明図である。このハンガーカバー100は、金属ワイヤー、プラスチック等からなるハンガーを複数収納することで全体として立体的なハンガーとするものである。
【0011】
収納対象となるハンガーは、例えばビニール等で被覆された金属製の線材を曲げ成形されたハンガーやプラスチック製の薄型のハンガーであり、上部にフックHhが曲げ成形され、上着の肩部分が掛ける左右斜めに成形されたアーム部Aと、ズボン等を引掛ける直線に成形された桟部Bとからなる。
【0012】
ハンガーカバー100の本体1は、全体が平面形状であり且つその展開状態で基部50の上及び下の左右にそれぞれ被せ部2,3を有する。この被せ部2,3は、ハンガーHを収納する場合にアーム部Aに沿って折り曲げられるように設けられる。なお、図示したハンガーカバー100は、アヒルのキャラクターが応用され、アヒルの顔と胴体が基部50となり、当該基部50に羽根を模した被せ部2,3が設けられる。このハンガーカバー100は、フェルト等の不織布、化学繊維等の織布、ビニール等の可撓性の素材からなる。本体1の使用状態で正面側となる被せ部2,2は、その折り曲げ部分4にクセが付けられている。例えば、折り曲げ部分4の一部を山形に折って左右から縫う等の方法でクセをつけている。
【0013】
また、ハンガーカバー100の本体1は、ハンガーHの桟部Bが押し当てられて折り畳まれる折り畳み部分5を本体中央横方向に有する。なお、折り畳み部分5であることを示す線等が設けられるとは限らない。
【0014】
本体1の裏面1桟部Bの中央には、両側縁を本体裏面1桟部Bに対して縫い付けた長方形のメッシュ材からなるポケット6が設けられる。前記折り畳み部分5は当該ポケット6の中央を横切る。また、本体1の使用状態(ハンガーHをハンガーカバー100に収納する状態)で正面側となる部分であってハンガーHを収納した場合にアーム部Aが位置することになる部分より内側に面ファスナー7が設けられる。また、この面ファスナー7に対応する面ファスナー8が本体1の使用状態で背面側となる被せ部3,3の裏面に設けられる。
【0015】
更に、本体1には仮止めバンド9が設けられる。この仮止めバンド9の一端は、本体1の使用状態で背面側となる被せ部3,3の裏面に設けられ、他端には面ファスナー(図示省略)が設けられる。当該面ファスナーに対応する面ファスナー10は、前記本体1の使用状態で正面側となる被せ部2,2の表面に設けられる。仮止めバンド9は、ゴム布等の伸縮性の素材から構成される。
【0016】
本体1の使用状態で正面側となる部分の表面1aの中央には、ネクタイ等を引っ掛けるためのフック11が設けられている。このフック11は、帯状体の両端を本体1に固定した構造であり、本体1に対して横方向に設けられる。本体の同図に示す例では、アヒルのキャラクターの口の部分がフック11となり、その上くちばし12は本体1に固定され、下くちばし13はその両端のみが本体1に固定される。これにより、図3及び4に示すように、ネクタイ等の長尺物Gを下くちばし13に引っかけることができる。
【0017】
また、本体1の使用状態で裏面側となる中央部分には、上記同様のメッシュ材からなるポケット15が設けられる。
【0018】
次に、このハンガーカバー100の使用方法について説明する。本体1を展開した状態で本体裏面1桟部Bを上にして平らな場所に置く。そして、複数のハンガーHを重ねて当該ハンガーの桟部Bの部分を本体1の折り畳み部分5に当てながら本体1をハンガーHの両側から折り畳み、当該ハンガーHを包むように収納する。このとき、クセを付けた左右の被せ部2,2をハンガーHのアーム部Aに引掛けると共に左右の仮止めバンド9を当該被せ部2,2に連結させる。これにより、複数のハンガーHがハンガーカバー100により仮保持される。この状態で全てのハンガーHの位置を整え、被せ部2,2を内側に入れ込み、最後に背面の左右の被せ部3,3を折り曲げ、本体1の正面側に被せ、面ファスナー7,8で連結する。
【0019】
これにより、ハンガーHのフックHhが本体1の上部から出た状態で当該ハンガーHがハンガーカバー100に収納される。即ち、被せ部2,3をハンガーHの左右から被せて収納するので、被せ部2,3の間からフックHhを出すことが可能となり、且つ、被せ部2,3がハンガーのアーム部Aに沿って被せられるので、ハンガーHをしっかり保持できる。また、本体1を折り畳むことで前記ポケット6は内部で半分に折り畳まれ、その結果、開口部6アーム部Aがそれぞれ上に向くことになるので、ハンガーカバー100の上部(フックが出ている部分)からボタン等の小物をポケット6に入れることができる。なお、ハンガーカバー100の本体1はフェルト等の可撓性の素材で構成されているので、当該上部端縁1cを引っ張ることで簡単に開くことができる。また、本体1の背面側のポケット15にも小物を収納できる。
【0020】
また、ハンガーカバー100の使用状態でその左右端部1dは開放されている。これにより、幅の大きなハンガーHでも当該ハンガーカバー100に収納できる。更に、ネクタイ等の長尺物Gは、本体正面のフック11に引っ掛けて収納できる。
【0021】
以上、この発明のハンガーホルダー100によれば、複数のハンガーHを本体1で包むように収納するので見栄えが良い。また、ボタン等の小物やネクタイ等の長尺物を収納することができる。更に、複数のハンガーHを収納することでアーム部Aに厚みを持たせることができるので、衣類の型崩れを防止できる。更に、金属製の線材からなる所謂使い捨てハンガーであっても見栄え良く収納できるので、当該使い捨てハンガーを有効に再利用できる。
【0022】
なお、上記実施の形態のハンガーカバー100ではアヒルを模したデザインを例示したが、これに限定されない。また、被せ部2と被せ部3とのいずれか一方を省略しても良い。また、ポケット6は半分に折り畳むことで底を作るのではなく、折り畳み部分5の両側または片側に独立して設けても良い(図示省略)。
【0023】
また、ハンガーカバー100と複数のハンガーHとを組み合わせた組立ハンガーとして理解することができる。即ち、この組立ハンガーは、複数のハンガーHをハンガーカバー100に収納して一つの立体的なハンガーとして用いることもでき、また一つのハンガーのみを取り出して別のハンガーとして用いることもできるようにする。このようにすれば、ジャケット等の型崩れが心配な衣類に対してはアーム部Aの厚さを確保し、シャツ類に用いる場合には一つ又は二つのハンガーHをハンガーカバー100から取り出して独立して用いるようにする。
【符号の説明】
【0024】
100 ハンガーカバー
1 本体
50 基部
2,3 被せ部
4 折り曲げ部分
5 折り畳み部分
6 ポケット
7,8 面ファスナー
9 仮止めバンド
11 フック
H ハンガー



【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体が平面形状で且つ可撓性の素材からなり、
当該本体の中央横方向にハンガーの桟部が当接される折り畳み部分を有すると共に、
本体基部の上又は下の左右に、ハンガーのアーム部に沿って折り曲げられる被せ部を有することを特徴とするハンガーカバー。
【請求項2】
更に、前記本体にポケットを設けたことを特徴とする請求項1に記載のハンガーカバー。
【請求項3】
更に、前記本体にフックを設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載のハンガーカバー。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一つに記載のハンガーカバーに、複数のハンガーを収納してなることを特徴とする組立ハンガー。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2011−250908(P2011−250908A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−125409(P2010−125409)
【出願日】平成22年5月31日(2010.5.31)
【出願人】(000107114)シンコハンガー株式会社 (6)
【Fターム(参考)】