説明

ハンガー

【課題】被掛止物の形状や種類を問わず容易かつ確実に保持することができ、少ない面積で複数の被掛止物を保持することができ、さらには、比較的簡易な構造で美観に優れたハンガーを提供すること。
【解決手段】垂下される紐体2に対して移動自在に係合される保持具3aは、一端部に紐体2が挿通される挿通部35と他端部に被掛止物を保持する保持部31、32を有し、保持部31、32に被掛止物4aを保持させると保持具3aが被掛止物4aの自重により傾斜するに伴って挿通部内周壁36、37は挿通されてなる紐体2を当接係止し、紐体2の垂直方向への移動を規制することにより保持具3aは紐体2に対して固定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、帽子、身の回り品、文房具、台所用具等の被掛止物を保持するハンガーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、帽子等の服飾品や身の回り品に代表される小物類を掛けるためのハンガーには様々なものが提供されている。たとえば、帽子専用のハンガーとしては、一つの帽子の頂部を挿通する吊り下げ部と帽子内方に位置し帽子の形状を保持するハンガー部とからなる帽子用ハンガーや、フック状のハンガーの複数のフック部に帽子を掛止する帽子用ハンガーが案出されている(特許文献1、2)。また、ネクタイ等の長尺服飾品を掛けるための梯子状の係止部からなる長尺服飾品用ハンガー等が案出されている(特許文献3)。また、紐状体を使用してなる簡易型のハンガーとしては、物干し竿にコイル状に巻回した線材にピンチを取り付けて成る物干し具、二本の紐状体に物掛け杵を平行に複数本懸架した物干し具等が案出されている(特許文献4、5)。
【特許文献1】特開2003−275086号公報
【特許文献2】実用新案登録第3116139号公報
【特許文献3】特開2008−99821号公報
【特許文献4】特開2005−52480号公報
【特許文献5】特開2006−247349号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
帽子、身の回り品、文房具、台所用具等の小物を掛止するハンガーはクローゼット、玄関、店頭、さらには、室内や台所等で用いることが想定されるが、いずれの場所で用いる場合であってもできるだけ少ない面積でできるだけ多くの物を掛止したいという要請がある。また、ハンガーに物を掛止したときにもハンガーが必要以上に目立つことなく、美観に優れたハンガーを提供することがのぞまれている。
【0004】
しかしながら、上述した、帽子用ハンガーは、一つまたは二つの帽子しか掛止することができず多くの物を掛止することができないという問題がある。また、これら帽子用ハンガーや、長尺服飾品用ハンガーは、帽子やネクタイ専用のハンガーであるために被掛止物の種類が限られてしまい、汎用性に富んだハンガーとは言い難い。また、紐体を用いた物干し具は、被掛止物を所望の位置に固定することができ、また、物干し具を使用しないときには巻回して収納することができ携帯にも適するが、物干し具という機能であることから被掛止物を掛止するときには多くの面積を必要とするものであった。また、これら物干し具は美観に優れているとは言い難い。
【0005】
上述の事情に鑑みて、本願発明のハンガーは、被掛止物の形状や種類を問わず容易かつ確実に保持することができ、少ない面積で複数の被掛止物を保持することができ、さらには、比較的簡易な構造で美観に優れたハンガーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため本願発明のハンガーは、垂下される紐体に対して移動自在に係合される保持具は、一端部に前記紐体が挿通される挿通部と他端部に被掛止物を保持する保持部を有し、前記保持部に前記被掛止物を保持させると前記保持具が前記被掛止物の自重により傾斜するに伴って前記挿通部内周壁は挿通されてなる前記紐体を当接係止し、前記紐体の垂直方向への移動を規制することにより前記保持具は紐体に対して固定されることを特徴とする。
【0007】
垂下される紐体に対して移動自在に係合される保持具は、一端部に前記紐体が挿通される挿通部と他端部に被掛止物を保持する保持部を有し、前記保持部に前記被掛止物を保持させると前記保持具が前記被掛止物の自重により傾斜するに伴って前記挿通部内周壁は挿通されてなる前記紐体を屈曲係止し、前記紐体の垂直方向への移動を規制することにより前記保持具は紐体に対して固定されることを特徴とする。
【0008】
保持具は、前記保持具の一端部に形成された挿通部に紐体を挿通することにより前記紐体に対して略水平に係合されてなることを特徴とする。
【0009】
挿通部は、略長方形状または略正方形状の挿通孔としたことを特徴とする。
【0010】
挿通部は、短手方向の内径を挿通される紐体の径と略同一または紐体の径以下の長さの扁平状の挿通孔としたことを特徴とする。
【0011】
挿通部は、内方に保持具と紐体への規制を強固にする段部を形成したことを特徴とする。
【0012】
挿通部には、紐体挿入用の開放端部を形成したことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のハンガー。
【0013】
紐体は、組み紐、編み紐、織り紐、または縒り紐のいずれかとしたことを特徴とする。
【0014】
紐体は、断面が略円形状、略楕円形状、または略正方形状のいずれかとしたことを特徴とする。
【0015】
紐体には、複数の保持具を係合したことを特徴とする。
【0016】
保持部は、クリップ部、または、フック部としたことを特徴とする。
【0017】
被掛止物は、帽子、身の回り品、文房具、台所用具等の小物類であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本願発明のハンガーにおいて、垂下される紐体に対して移動自在に係合される保持具は、一端部に前記紐体が挿通される挿通部と他端部に被掛止物を保持する保持部を有し、前記保持部に前記被掛止物を保持させると前記保持具が前記被掛止物の自重により傾斜するに伴って前記挿通部内周壁は挿通されてなる前記紐体を当接係止し、前記紐体の垂直方向への移動を規制することにより前記保持具は紐体に対して固定されることにより前記保持具は紐体に対して固定されることで、保持具を紐体の長さの範囲内で所望の位置に移動させることができ、被掛止物を掛止するときには保持具を紐体の所望の位置に保持具を固定することができる。したがって、被掛止物の大きさ、形状、種類を問わずに掛止することができる。また、被掛止物の自重により保持具が固定されることから、複雑な構成を要することなく位置決めと被掛止物の掛止を容易に行うことができ、被掛止物を所望の位置に確実に保持することができる。また、垂下される紐体に掛止することから、縦方向に複数の被掛止物を掛止することができ、少ない面積に沢山の被掛止物を掛止することができる。また、保持具を紐体に固定するための特別の部品を用いることなく、紐体と保持具という少ない部品で構成されることから簡易な構造で美観に優れたハンガーを提供することができ、また、比較的安価にハンガーを生産することができる。
【0019】
垂下される紐体に対して移動自在に係合される保持具は、一端部に前記紐体が挿通される挿通部と他端部に被掛止物を保持する保持部を有し、前記保持部に前記被掛止物を保持させると前記保持具が前記被掛止物の自重により傾斜するに伴って前記挿通部内周壁は挿通されてなる前記紐体を屈曲係止し、前記紐体の垂直方向への通り抜けを確実に阻止し、前記保持具は紐体に対して固定されることにより紐体の挿通を確実に規制することができ、掛止物をより確実に固定することができる。
【0020】
保持具は、前記保持具の一端部に形成された挿通部に紐体を挿通することにより前記紐体に対して略水平に係合されてなることにより、被掛止物を掛止しないときには、紐体に対して保持具がフリーな状態となり保持具の位置決めを容易に行うことができ、被掛止物を掛止したときには、被掛止物の自重が保持具に直接作用して保持具を傾斜させて紐体の垂直方向への移動を確実に規制し保持具を確実に固定することができる。
【0021】
挿通部は、略長方形状または略正方形状の挿通孔としたことにより、被掛止物を係止したときには挿入孔の縁部が紐体を押止および屈曲させて紐体の垂直方向への移動を確実に規制し保持具を確実に固定することができる。
【0022】
挿通部は、短手方向の内径を挿通される紐体の径と略同一または紐体の径以下の長さの扁平状の挿通孔としたことにより、上記効果に加えて挿入孔と紐体との摩擦が増し、紐体の移動を確実に規制し保持具を確実に固定することができる。
【0023】
挿通部は、内方に保持具と紐体への規制を強固にする段部を形成したことにより、上記効果に加えて段部が紐体を係止し紐体の移動を確実に規制し保持具を確実に固定することができる。
【0024】
挿通部には、紐体挿入用の開放端部を形成したことにより、この開放端から紐体を挿入することにより、紐体に保持具を容易に係合することができる。また、紐体両端部に取り付けループを形成した場合のように紐体両端部が閉鎖端になっている場合であっても保持具を係合することができる。
【0025】
紐体は、組み紐、編み紐、織り紐、または縒り紐のいずれかとしたことにより、紐体表面を粗面に形成することができ、挿通部と紐体との摩擦が増し、挿通部は紐体の移動を確実に規制し保持具を確実に固定することができる。また、紐体を略水平方向に張った場合であっても、保持具が撓んだ紐体の中央部に集まることがない。
【0026】
紐体は、断面が略円形状、略楕円形状、または略正方形状のいずれかとしたことにより、挿入部とこのような形状の丸紐とは摩擦が増し紐体の移動を確実に規制し保持具を確実に固定することができる。特に挿通部を短手方向の内径を挿通される紐体の径と略同一または紐体の径以下の長さの扁平状の挿通孔としたときには、挿通孔が紐体との摩擦が増し紐体の移動を確実に規制し、保持具を確実に固定することが顕著である。
【0027】
紐体には、複数の保持具を係合したことにより、一本の紐体に対して複数の被掛止物を掛止することができる。
【0028】
保持部は、クリップ部、または、フック部としたことにより、あらゆる大きさ、形状、種類の被掛止物を掛止することができる。
【0029】
被掛止物は、帽子、身の回り品、文房具、台所用具等の小物類であることにより、比較的軽量の被掛止物を確実に保持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
図1は、本願発明の実施の形態を示すハンガーの正面図、図2は、ハンガーの側面図、図3は、クリップが移動自在の状態のハンガーの紐体中心線垂直方向の部分断面図、図4は被掛止物(省略)を掛止しクリップが紐体を当接係止して紐体に固定された状態のハンガーの紐体中心線垂直方向部分断面図、図5は、被掛止物(省略)を掛止しクリップが紐体を屈曲係止して紐体に固定された状態のハンガーの部分側面図、図6は、図5に示す状態のハンガーの紐体中心線垂直方向の部分断面図、図7はクリップの正面図、図8は、クリップの背面図、図9は、ハンガーの使用状態を示す部分斜視図、図10は、ハンガーの使用状態を示す斜視図、図11は、ハンガーの他の使用状態を示す斜視図である。
【0031】
図1、図2に示す如く、ハンガー1は、紐体2に保持具としてのクリップ3a〜3gが所望の数、係合されてなるハンガー1であり、この実施の形態においては紐体2がクリップ3a〜3gが挿通部としての挿通孔35に挿通されて、7個係合されている。それぞれのクリップ3a〜3gは、紐体2の長さの範囲で移動自在になっており、係合されるクリップ部に被掛止物としての帽子4a〜4fの他、携帯傘等の身の回り品、カード類やカレンダー等の文房具、手動泡立て器やへら等の台所用具等、所望の被掛止物を保持させることにより、これら様々な被掛止物を掛止することができるようになっている。
【0032】
図1、図2に示すハンガー1は、図10に示すように縦方向に垂下させても、図11に示すように横方向に張っても使用することができるが、特に図10に示すようにハンガー1を縦方向に垂下させたときに顕著にその機能を発揮するようになっている。以下、ハンガー1の構造とその使用状態について具体的に説明する。
【0033】
図3乃至図6には、ハンガー1を構成する紐体2にクリップ3aが係合されてなるハンガー1の一部分を示す。図3は、被掛止物を掛止していない状態のクリップ3a部分における垂直方向の断面図であるが、図3に示すごとく、ハンガー1は、一本の紐体2に対して挿通孔35に紐体2を挿通することにより図7、図8に示すクリップ3aが係合されていて、クリップ3aは紐体2の長さの範囲で移動自在になっている。尚、クリップ3b〜3gについても同様の構成により紐体2に係合されている。
【0034】
図7、図8に示すクリップ3aは、一対の挟持体33、34が接合されてなり、その一端部には、挿通部としての挿通孔35が開孔されている。また、クリップ3aの他端部には保持部としての挟持部31、32が形成されており、挟持体33、34に対するバネの付勢により挟持部31、32が被掛止物を挟んで保持するようになっている。
【0035】
この挿通孔35は、挟持体34の厚み方向に開孔されている略長方形状の孔部であり、ここに紐体2が挿通され、被掛止物を掛止したときには、挿通孔35内周壁の頂部36、37は挿通される紐体2を押止する当接係止部として機能する。
【0036】
このように挿通孔35を略長方形状、略正方形状、略楕円状に形成にすることにより、丸孔に開孔した場合に比して紐体2をしっかり押止して当接係止することができるようになっている。また、挿通孔35の短手方向の長さは挿通される紐体2の径と同一または径以下の長さの扁平状の孔部に形成することがのぞましく、このように形成することで挿通孔35が挿通される紐体2潰すように挿通して、双方の摩擦が増し、紐体2に対してクリップ3aがより確実に固定されるようになっている。
【0037】
また、挿通孔35内周壁には、段部38が形成されている。挿通される紐体2は、この段部に嵌合、または、段部38の頂部38a、38bに係止されて、紐体2の移動を確実に規制できるようになっている。また、挿通孔35の一部は、開放部39に形成されていて、この開放部39から紐体2を挿入して紐体2を挿通させ、紐体2にクリップ3aを係合できるようになっており、必要に応じて所望の数のクリップを追加して係合できるようになっている。尚、挿入孔35に対する紐体2の移動を確実に規制するための補助手段は、段部38に限られず、突起部を形成してもよい。
【0038】
尚、本実施の形態のクリップ3aは、ポリカーボネイド、ポリスチレン、ポリアセタール等のプラスチック樹脂で形成されているため、軽量であるとともに、強度にも優れ、金属を用いていないため廃棄時の分別にも適している。尚、クリップの材質および構造はこれに限られるものではなく、木材、金属等により形成してもよい。
【0039】
紐体2は、可撓性を有する紐状体である。この紐体2は、両端に紐体2を固定するためのループ22、23が形成されている。紐体2は、複数本の紐状体を組んで形成される断面が略円形状の組紐である。断面が円形状であることにより、略長方形状の挿通孔35に対してしっかりと固定されるようになっている。また、組紐であることにより表面が粗面であることからクリップ3aの挿通孔35内周壁との摩擦が増し、クリップ3aが紐体2にしっかりと固定されるようになっていて、図11に示すようにハンガー1を横方向に張って利用したときにもクリップ3a〜3fを所望の箇所に位置させることができる。また、組紐は伸縮し断面形状を容易に変化させることができるので、開放部39を介した挿通孔35への挿入にも適している。
【0040】
本実施の形態の紐体2はポリエステル繊維等の樹脂繊維でできているため、引っ張り強度に優れている。尚、紐体2は、断面が略円形状の他、略楕円形状、または略正方形状等のいわゆる丸紐であればよく、組紐の他、編み紐、織り紐、または縒り紐であってもよく表面が粗面に形成されていればよい。さらには、紐体2の材質は、樹脂繊維に限られるものではなく天然繊維、金属繊維であってもよい。
【0041】
次に、ハンガー1に被掛止物としての帽子4aを掛止する使用状態について説明する。図3に示すごとく、被掛止物を掛止しないときには、クリップ3aは、挿通孔35に対して紐体2が直交する方向に挿通されていることから、クリップ3aは、紐体2に対して水平方向の状態からやや下向きに傾斜した状態の範囲で係合されている。したがって、挿通孔35も紐体2に対して直交する方向であり挿通孔35は紐体2の移動を規制せず、クリップ3aは紐体2に対してフリーな状態となって、紐体2の長さの範囲で紐体2に対して移動自在になっている。
【0042】
尚、図3においては、被掛止物を掛止しないときにも挿通孔35内壁と紐体が当接している状態でクリップ3aは紐体2に対して移動自在となっているが、さらに細い紐体を用いれば挿通孔35内壁と紐体は当接しない状態で移動自在となり、クリップ3aの自重により紐体2の下端に位置する状態となる。
【0043】
そして、図4に示す如く、クリップ3aの挟持部31,32に帽子4a(省略)を挟持させたときには、クリップ3aは帽子4aの自重により下向きに傾斜する。これに伴い挿通孔35も傾斜し、挿通孔35の対向する頂部36、37は、互いに垂下される紐体2の固定位置21を押止するように当接係止し、紐体2の移動を規制する。したがって、クリップ3aは紐体2に対して固定される。また、図5、図6と使用状態を示す図9に示す如く、さらに帽子4a(図6、図7において省略)の自重がかかると挿通孔35内周壁の頂部36、37は、紐体2の固定位置21の当接する部分を互いに違う方向へ屈曲して、屈曲係止し、挿通されてなる紐体2の通り抜けを完全に阻止し、クリップ3aは紐体2に対して確実に固定されるようになっている。
【0044】
図10に示す如く、ハンガー1のクリップ3aに、帽子4aを掛止するときには、帽子4aを掛止するクリップ3aを所望の固定位置21に移動させた後、帽子4aを挟持部31、32で挟持すると、上述のように帽子4aを保持したクリップ3aは所望の固定位置21に固定される。また、クリップ3bに、帽子4bを掛止するときには、帽子4bを掛止するクリップ3bを所望の固定位置に移動させた後、帽子4bを挟持部で挟持すると、上述のように帽子4bを保持したクリップ3bは所望の固定位置に固定される。このように、被掛止物の大きさや種類に見合った所望の間隔を確保してクリップ3a〜3fを所望の位置に位置させて帽子4a〜4fを掛止する。
【0045】
そして、ハンガー1に帽子4a〜4fをそれぞれ保持させると、図10に示すように、ハンガー1を目立たせることなく、帽子4a〜4fを整然と掛止することができる。また、使用しないクリップ3gは、取り外すこともできるし、そのまま紐体2に係合させておいてもよい。
【0046】
尚、図示していないが、本実施の形態において保持具はクリップ3aではなく、保持部を鉤部に形成したフック部としてもよい。この場合もフック部のフックに、被掛止物を掛止させると、フック部は被掛止物の自重により傾斜し、これに伴って挿通部が紐体を押止して当接係止し、またさらに、紐体を屈曲掛止してフックは、紐体に対して固定されるようになっている。また、被掛止物を保持する手段は、クリップやフックに限られるものではなく、磁石を用いた磁着手段、面ファスナーを用いた接着手段等いずれの手段であってもよい。
【0047】
また、上述したように、このハンガー1は、当然のことながら図11に示すように、横方向の他、様々な角度に張って使用することも可能であり、使用角度を問わずに使用できるハンガー1である。尚、ハンガー1を横方向に張った場合にも、帽子4a〜4fを整然と掛止することができる。
【0048】
また、上述したように、このハンガー1には、帽子4a〜4fの他、携帯傘等の身の回り品、カード類やカレンダー等の文房具、手動泡立て器やへら等の台所用具等、所望の被掛止物を掛止することができる。このような比較的軽量の被掛止物は被掛止物の重さによりクリップ3a〜3gや、ハンガー1自体が落下することなく、被掛止物を確実に掛止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本願発明の実施の形態を示すハンガーの正面図。
【図2】ハンガーの側面図。
【図3】クリップが移動自在の状態のハンガーの垂直方向部分断面図。
【図4】被掛止物(省略)を掛止しクリップが紐体を当接係止して紐体に固定された状態のハンガーの垂直方向分断面図。
【図5】被掛止物(省略)を掛止しクリップが紐体を屈曲係止して紐体に固定された状態のハンガーの部分側面図。
【図6】図5に示す状態のハンガーの垂直方向部分断面図。
【図7】クリップの正面図。
【図8】クリップの背面図。
【図9】ハンガーの使用状態を示す部分斜視図。
【図10】ハンガーの使用状態を示す斜視図。
【図11】ハンガーの他の使用状態を示す斜視図。
【符号の説明】
【0050】
1 ハンガー
2 紐体
21 固定位置
22 ループ
23 ループ
3a〜3gクリップ
31 挟持部
32 挟持部
33 挟持体
34 挟持体
35 挿通孔
36 頂部
37 頂部
38 段部
38a頂部
38b頂部
39 開放部
4a〜4f帽子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
垂下される紐体に対して移動自在に係合される保持具は、一端部に前記紐体が挿通される挿通部と他端部に被掛止物を保持する保持部を有し、前記保持部に前記被掛止物を保持させると前記保持具が前記被掛止物の自重により傾斜するに伴って前記挿通部内周壁は挿通されてなる前記紐体を当接係止し、前記紐体の垂直方向への移動を規制することにより前記保持具は紐体に対して固定されることを特徴とするハンガー。
【請求項2】
垂下される紐体に対して移動自在に係合される保持具は、一端部に前記紐体が挿通される挿通部と他端部に被掛止物を保持する保持部を有し、前記保持部に前記被掛止物を保持させると前記保持具が前記被掛止物の自重により傾斜するに伴って前記挿通部内周壁は挿通されてなる前記紐体を屈曲係止し、前記紐体の垂直方向への移動を規制することにより前記保持具は紐体に対して固定されることを特徴とする請求項1記載のハンガー。
【請求項3】
保持具は、前記保持具の一端部に形成された挿通部に紐体を挿通することにより前記紐体に対して略水平に係合されてなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のハンガー。
【請求項4】
挿通部は、略長方形状または略正方形状の挿通孔としたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のハンガー。
【請求項5】
挿通部は、短手方向の内径を挿通される紐体の径と略同一または紐体の径以下の長さの扁平状の挿通孔としたことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のハンガー。
【請求項6】
挿通部は、内方に保持具と紐体への規制を強固にする段部を形成したことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のハンガー。
【請求項7】
挿通部には、紐体挿入用の開放端部を形成したことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のハンガー。
【請求項8】
紐体は、組み紐、編み紐、織り紐、または縒り紐のいずれかとしたことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載のハンガー。
【請求項9】
紐体は、断面が略円形状、略楕円形状、または略正方形状のいずれかとしたことを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載のハンガー。
【請求項10】
紐体には、複数の保持具を係合したことを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれかに記載のハンガー。
【請求項11】
保持部は、クリップ部、または、フック部としたことを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれかに記載のハンガー。
【請求項12】
被掛止物は、帽子、身の回り品、文房具、台所用具等の小物類であることを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれかに記載のハンガー。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2011−87655(P2011−87655A)
【公開日】平成23年5月6日(2011.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−241804(P2009−241804)
【出願日】平成21年10月20日(2009.10.20)
【出願人】(509290935)有限会社スイング (1)
【Fターム(参考)】