ハンダ印刷用マスクおよび局所ハンダ印刷方法
【課題】 本発明は、プリント配線板のリペア範囲にハンダを印刷供給するために使用されるハンダ印刷用マスクに関するものであって、立体マスクの使用に伴う金属板の複雑な曲げ加工等を要することなく、プリント配線板の局所的なリペア範囲に対してハンダを簡易に印刷供給することができ、もって電子部品のリペア作業を容易に実施することの可能なハンダ印刷用マスクの提供を目的としている。
【解決手段】 ハンダ印刷用マスクは、柔軟性を備えたフィルム状の材料から成り、リペア範囲に対応する印刷パターンの形成された印刷域、および該印刷域の周囲に展開するマスキング域を有するマスク本体と、このマスク本体の印刷域に設けられ、該印刷域を補強して印刷パターンの形状を維持する硬質のベース層と、プリント配線板の実装面に貼着して、リペア範囲にマスク本体の印刷域を位置決めしつつ保持する粘着層とを具備して成る。
【解決手段】 ハンダ印刷用マスクは、柔軟性を備えたフィルム状の材料から成り、リペア範囲に対応する印刷パターンの形成された印刷域、および該印刷域の周囲に展開するマスキング域を有するマスク本体と、このマスク本体の印刷域に設けられ、該印刷域を補強して印刷パターンの形状を維持する硬質のベース層と、プリント配線板の実装面に貼着して、リペア範囲にマスク本体の印刷域を位置決めしつつ保持する粘着層とを具備して成る。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハンダ印刷用マスクおよび局所ハンダ印刷方法に関するもので、詳しくは、プリント配線板のリペア範囲にハンダを印刷供給する際に使用されるハンダ印刷用マスクの構成、および該ハンダ印刷用マスクを用いてプリント配線板のリペア範囲にハンダを印刷供給する局所ハンダ印刷方法に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今の電子機器における基板実装の分野では、BGA(ボール・グリッド・アレイ)チップ等の面実装部品を用いることで、プリント配線板に対する電子部品の高密度な実装を可能としている。
【0003】
また、プリント配線板において面実装部品の端子に対応する微細な端子部分へは、極めて高い精度と剛性とを備える高価な印刷装置を用いた自動印刷によってハンダを印刷供給している。
【0004】
一方、プリント配線板に所定の電子部品を実装した状態において、一部の面実装部品にハンダ付け不良や部品不良が生じた場合、該当する面実装部品を交換修理(リペア)する必要がある。
【0005】
ここで、プリント配線板から修理対象の面実装部品を取り外したのち、プリント配線板におけるリペア範囲(取り外された面実装部品に対応する端子部分)にハンダを供給するには、リペア範囲の周辺に実装されている電子部品等を避けて、局所的にハンダを印刷供給しなければならない。
【0006】
この際、周辺の電子部品等を避けつつプリント配線板のリペア範囲にのみハンダを印刷供給するには、平板状を呈する通常のメタルマスクを使用することが難しいため、立体形状を呈する局所ハンダ印刷マスク(以下、立体マスクと称する)を使用する方法が提供されている(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
図15および図16に示す如く、プリント配線板Wから不良箇所の電子部品を取外したリペア範囲Wr、詳しくは該リペア範囲Wrの端子Wt、Wt…に対して、周囲の電子部品E、E…を避けつつ局所的にハンダを印刷供給するための立体マスクMは、上部の開放された倒立凸字形状のを呈する箱体を成し、下方へ突出する中央凸部Mtの底板Mbに、所定数の開口Mo、Mo…から成る印刷パターンMpが形成されている。
【0008】
また、上記立体マスクMには、中央凸部Mtの底板Mbをプリント配線板Wのリペア範囲Wrに当接させてハンダを印刷供給する際、周囲の電子部品E、E…との干渉を避けるために、上記中央凸部Mtを挟んで切欠部Mn、Mnが設けられている。
【0009】
さらに、上記立体マスクMは、図17に示す如き所期の平面形状、すなわち底板Mbと、底板Mbを挟む一対の側板Ms、Msと、底板Mbを挟む一対の端板Ma、Maとを有する薄肉のメタル材(金属板)を、所定の折り曲げ加工を施して箱状に組立てることで作成されている。
【特許文献1】特開2003−101208号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、上述した如く立体マスクを用いてプリント配線板に対する電子部品のリペア作業を行う場合、金属板の複雑な加工によって立体マスクを作成しているため、立体マスクの準備に伴って作業の煩雑化やコストの増大を招いてしまう不都合があった。
【0011】
さらに、立体マスクを用いてプリント配線板にハンダを印刷供給する際、プリント配線板のリペア範囲に対する立体マスクの位置合わせや位置固定を目的として、専用の局所印刷装置を必要とするために、プリント配線板に対する電子部品のリペア作業が、大掛かりな設備の使用に伴って繁雑化する問題があった。
【0012】
本発明は上記実状に鑑みて、立体マスクの使用に伴う金属板の複雑な曲げ加工等を要することなく、プリント配線板の局所的なリペア範囲に対してハンダを簡易に印刷供給することができ、もって電子部品のリペア作業を容易に実施することの可能な、ハンダ印刷用マスクおよび局所ハンダ印刷方法の提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するべく、請求項1の発明に関わるハンダ印刷用マスクは、柔軟性を備えたフィルム状の材料から成り、リペア範囲に対応する印刷パターンの形成された印刷域、および該印刷域の周囲に展開するマスキング域を有するマスク本体と、このマスク本体の印刷域に設けられ、該印刷域を補強して印刷パターンの形状を維持する硬質のベース層と、プリント配線板の実装面に貼着して、リペア範囲にマスク本体の印刷域を位置決めしつつ保持する粘着層とを具備して成ることを特徴としている。
【0014】
請求項2の発明に関わるハンダ印刷用マスクは、粘着層がベース層のセット面に塗布した粘着材から成ることを特徴としている。
【0015】
請求項3の発明に関わるハンダ印刷用マスクは、粘着層がマスク本体のセット面に取付けられてベース層を囲う枠形状の粘着フィルムから成ることを特徴としている。
【0016】
また、上記目的を達成するべく、請求項4の発明に関わる局所ハンダ印刷方法は、柔軟性を備えたフィルム状の材料から成りリペア範囲に対応する印刷パターンの形成された印刷域および該印刷域の周囲に展開するマスキング域とを有するマスク本体と、このマスク本体の印刷域に設けられ該印刷域を補強して印刷パターンの形状を維持する硬質のベース層と、プリント配線板の実装面に貼着してリペア範囲にマスク本体の印刷域を位置決めしつつ保持する粘着層とを具備して成るハンダ印刷用マスクを用い、プリント配線板の実装面に粘着層を貼着し印刷域をリペア範囲に位置決めしつつ保持させてハンダ印刷用マスクをプリント配線板にセットする工程と、ハンダ印刷用マスクの印刷域に供給されたクリームハンダをスキージを用いてプリント配線板のリペア範囲に印刷供給する工程とを含んで成ることを特徴としている。
【発明の効果】
【0017】
請求項1の発明に関わるハンダ印刷用マスクは、フィルム状のマスク本体に硬質のベース層と粘着層とを設けて成るので、その作成に際しては金属板の複雑折曲げ加工等を必要とせず、もってマスクの準備に伴う作業の煩雑化やコストの増大を招くことなく、プリント配線板の局所的なリペア範囲に対してハンダを簡易に印刷供給することが可能となる。
【0018】
また、請求項1の発明に関わるハンダ印刷用マスクは、プリント配線板の実装面に貼着して、マスク本体の印刷域をプリント配線板のリペア範囲に位置決めしつつ保持する粘着層を有しているので、マスクの位置合わせや位置固定を目的とした専用の装置を必要とせず、もって大掛かりな設備の使用に伴う繁雑化を招くことなく、プリント配線板の局所的なリペア範囲に対してハンダを簡易に印刷供給することが可能となる。
【0019】
このように、請求項1の発明に関わるハンダ印刷用マスクによれば、プリント配線板の局所的なリペア範囲に対してハンダを簡易に印刷供給でき、もって電子部品のリペア作業を容易に実施することが可能となる。
【0020】
請求項2の発明に関わるハンダ印刷用マスクは、ベース層のセット面に塗布した粘着材から形成した粘着層により、マスク本体の印刷域をプリント配線板のリペア範囲に位置決めしつつ保持でき、もって大掛かりな設備の使用に伴う繁雑化を招くことなく、ハンダを簡易に印刷供給することが可能となる。
【0021】
請求項3の発明に関わるハンダ印刷用マスクは、マスク本体のセット面に取付けられてベース層を囲う枠形状の粘着フィルムから形成した粘着層により、マスク本体の印刷域をプリント配線板のリペア範囲に位置決めしつつ保持でき、もって大掛かりな設備の使用に伴う繁雑化を招くことなく、ハンダを簡易に印刷供給することが可能となる。
【0022】
さらに、請求項4の発明に関わる局所ハンダ印刷方法は、フィルム状のマスク本体に硬質のベース層と粘着層とを設けて成るハンダ印刷用マスクを用いたことにより、マスクの準備に伴う作業の煩雑化やコストの増大、併せて大掛かりな設備の使用に伴う繁雑化を招くことなく、プリント配線板の局所的なリペア範囲に対してハンダを簡易に印刷供給することができ、もって電子部品のリペア作業を容易に実施することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、実施例を示す図面に基づいて、本発明の構成を詳細に説明する。
図1〜図6に示す、本発明の一実施例であるハンダ印刷用マスク1は、通常の平板状を呈するメタルマスクとも、従来の立体マスク(立体形状を呈する局所ハンダ印刷マスク)とも全く相違するもので、柔軟性を備えたフィルム状の材料から成るマスク本体の所定位置に、印刷パターンの開口(パターン開口)を形成して成る。
【0024】
また、実施例のハンダ印刷用マスク1は、図1に示す如く、プリント配線板Wから不良箇所の1つの電子部品を取外したリペア範囲Wr、詳しくは該リペア範囲Wrの端子Wt、Wt…に対して、周囲の電子部品E、E…を避けつつ局所的にハンダを印刷供給する為の専用品である。
【0025】
図2〜図4に示す如く、上記ハンダ印刷用マスク1は、柔軟性を備えたフィルム状の材料から成るマスク本体2に、硬質のベース層3とともに粘着層4を設けることによって構成されている。
【0026】
上記マスク本体2は、ポリイミド樹脂から成る肉厚100μm程度のフィルムシートを矩形状に裁断したもので、その略中央は、プリント配線板Wのリペア範囲Wrに対応する印刷域2Pを構成しており、この印刷域2Pの周囲にはマスキング域2Mが展開している。
【0027】
上記マスク本体2の印刷域2Pには、所定個数のパターン開口1O,1O…から成る印刷パターン1Aが形成されており、上記パターン開口1O,1O…は、リペア範囲Wrの端子Wt、Wt…に対応してレイアウト(配列形成)されている。
【0028】
また、上記マスク本体2のセット面(セットに際してプリント配線板Wと相対向する面)2sには、印刷域2Pに対応した矩形状を為すベース層3が設けられており、このベース層3は、後に詳述する如くNi(ニッケル)メッキ等の金属層によって形成されている。
【0029】
ここで、上述した如く金属層から形成されたベース層3は、マスク本体2を構成するポリイミド樹脂のフィルムシートよりも硬質であるため、上記マスク本体2の印刷域2Pを補強して、印刷パターン1A(パターン開口1O,1O…)の形状を維持する作用を為す。
【0030】
また、上記ベース層3のセット面(セットに際してプリント配線板Wと相対向する面)3sには、例えばゲルポリマー樹脂(粘着材)から成る粘着層4が設けられており、この粘着層4には、マスク本体2およびベース層3と共に上記印刷パターン1Aを構成するパターン開口1O,1O…が貫通形成されている。
【0031】
ここで、この粘着層4は、自身に粘着性を具備していることにより、プリント配線板Wの実装面に貼着されることで、ハンダ印刷用マスク1の印刷域2Pをリペア範囲Wrに位置決めしつつ保持する作用を為す。
【0032】
因みに、上記ハンダ印刷用マスク1は、図5に示す諸工程を経て作成される。
【0033】
先ず、ポリイミド樹脂のフィルムシート(マスク本体2)の表面にCu(銅)の蒸着層3Aを形成した基材を用意し〈図5(a)〉、この基材における蒸着層3Aの表面にNi(ニッケル)のメッキ層3Bを積上げる〈図5(b)〉。
【0034】
こののち、レーザ加工により所定のレイアウトでパターン開口1O,1O…を貫通形成し〈図5(c)〉、蒸着層3Aおよびメッキ層3Bの不要部分をケミカルエッチングによって除去することで、蒸着層3Aとメッキ層3Bとの積層体から成る矩形状のベース層3を形成する〈図5(d)〉。
【0035】
次いで、ベース層3のセット面3sにゲルポリマー樹脂から成る液状粘着材を塗布(プリント)し、この粘着材を固化させて上記ベース層3のセット面3sに粘着層4を形成する〈図5(e)〉ことで、ハンダ印刷用マスク1の完成となる。
【0036】
上述したハンダ印刷用マスク1を用いて、プリント配線板Wのリペア範囲Wrにハンダを印刷供給する際には、図6に示す如く、プリント配線板Wの実装面(図中上面)側から、作業員の手作業によってハンダ印刷用マスク1を持って行き、マスク本体2の印刷域2Pをリペア範囲Wrに対して位置合わせする。
【0037】
ここで、リペア範囲Wrにおける端子Wt、Wt…に、印刷域2Pにおけるパターン開口1O,1O…を合致させることで、ハンダ印刷用マスク1の位置合わせが為されるが、この際、ハンダ印刷用マスク1における印刷域2Pの印刷パターン1Aは、硬質のベース層3により歪むこと無く補強されているため、極めて容易かつ確実に位置合わせを行うことができる。
【0038】
上述した如く、ハンダ印刷用マスク1を位置合わせしたのち、上記ハンダ印刷用マスク1の印刷域2Pを押圧して、粘着層4をプリント配線板Wの実装面に貼着させることにより、マスク本体2の印刷域2Pが、リペア範囲Wrに位置決めされつつ位置固定されることとなる。
【0039】
すなわち、粘着層4をプリント配線板Wに貼着させるべく、ハンダ印刷用マスク1の要所を押圧するだけで、位置合わせ後のハンダ印刷用マスク1を、大掛かりな専用の装置を必要とすることなく、容易にプリント配線板Wに固定することができる。
【0040】
また、ハンダ印刷用マスク1の印刷域2Pを、プリント配線板Wのリペア範囲Wrに固定した際、図6(b)に示す如くマスク本体2のマスキング域2Mは、自身の柔軟性に基づいて、折曲げ加工を必要とすることなく、周囲の電子部品E、E…に倣って変形するので、ハンダ印刷用マスク1が接触することにより、周囲の電子部品E、E…に不用意なダメージを与えることがない。
【0041】
プリント配線板Wの実装面にハンダ印刷用マスク1をセットしたのち、該ハンダ印刷用マスク1の印刷域2Pに所定量のハンダペースト(図示せず)を供給し、次いで、作業員によるスキージを用いた手印刷によって、リペア範囲Wrの各端子Wt、Wt…に、クリームハンダが印刷供給されることとなる。
【0042】
以上、詳述した実施例によれば、上記ハンダ印刷用マスク1は、フィルム状のマスク本体2に硬質のベース層3と粘着層4とを設けて成るので、その作成に際しては金属板の複雑折曲げ加工等を必要とせず、もってマスクの準備に伴う作業の煩雑化やコストの増大を招くことなく、プリント配線板Wの局所的なリペア範囲Wrに対してハンダを簡易に印刷供給することができる。
【0043】
また、上記ハンダ印刷用マスク1は、プリント配線板Wの実装面に貼着して、マスク本体2の印刷域2Pをプリント配線板Wのリペア範囲Wrに位置決めしつつ保持する粘着層4を有しているので、マスクの位置合わせや位置固定を目的とした専用の装置を必要とせず、もって大掛かりな設備の使用に伴う繁雑化を招くことなく、プリント配線板Wの局所的なリペア範囲Wrに対してハンダを簡易に印刷供給することができる。
【0044】
このように、上述したハンダ印刷用マスク1、さらには該ハンダ印刷用マスク1を用いた局所ハンダ印刷方法によれば、プリント配線板Wの局所的なリペア範囲Wrに対してハンダを簡易に印刷供給でき、もって電子部品のリペア作業を容易に実施することが可能となる。
【0045】
図7〜図9は、本発明に関わるハンダ印刷用マスクの他の実施例を示しており、このハンダ印刷用マスク1′は、図1〜図6に示したハンダ印刷用マスク1と同じく、柔軟性を備えたフィルム状の材料から成るマスク本体2′に、硬質のベース層3′とともに粘着層4′を設けることによって構成されている。
【0046】
上記マスク本体2′は、ポリイミド樹脂から成る肉厚100μm程度のフィルムシートを矩形状に裁断したもので、その略中央は、プリント配線板Wのリペア範囲Wrに対応する印刷域2P′を構成しており、この印刷域2P′の周囲にはマスキング域2M′が展開している。
【0047】
上記マスク本体2′の印刷域2P′には、所定個数のパターン開口1O′,1O′…から成る印刷パターン1A′が形成されており、上記パターン開口1O′,1O′…は、リペア範囲Wrの端子Wt、Wt…に対応してレイアウト(配列形成)されている。
【0048】
また、上記マスク本体2′のセット面(セットに際してプリント配線板Wと相対向する面)2s′には、印刷域2P′に対応した矩形状を為すベース層3′が設けられており、このベース層3′は、後に詳述する如くNi(ニッケル)メッキ等の金属層によって形成され、マスク本体2′と同じく印刷パターン1A′を構成するパターン開口1O′,1O′…が貫通形成されている。
【0049】
ここで、上述した如く金属層から形成されたベース層3′は、マスク本体2′を構成するポリイミド樹脂のフィルムシートよりも硬質であるため、上記マスク本体2′の印刷域2P′を補強して、印刷パターン1A′(パターン開口1O′,1O′…)の形状を維持する作用を為す。
【0050】
さらに、上記マスク本体2′のセット面2s′には、例えばシリコンフィルム(粘着フィルム)から形成された四角い枠形状を呈する粘着層4′が、上記ベース層3′の周りを囲う態様で取付けられている。
【0051】
ここで、上記粘着層4′は、自身に粘着性を具備していることにより、プリント配線板Wの実装面に貼着されることで、ハンダ印刷用マスク1′の印刷域2P′をリペア範囲Wrに位置決めしつつ保持する作用を為す。
【0052】
また、上記粘着層(シリコンフィルム)4′は、ハンダ印刷用マスク1′を押圧してプリント配線板Wにセットする際の変形分を考慮して、無負荷状態においてベース層3′のセット面(底面)よりも僅かに(例えば、0.1 mm程度)突出するよう肉厚寸法が設定されている。
【0053】
因みに、上記ハンダ印刷用マスク1′は、図10に示す諸工程を経て作成される。
先ず、ポリイミド樹脂のフィルムシート(マスク本体2′)の表面にCu(銅)の蒸着層3A′を形成した基材を用意し〈図10(a)〉、この基材の蒸着層3A′の表面にNi(ニッケル)のメッキ層3B′を積上げる〈図10(b)〉。
【0054】
こののち、レーザ加工により所定のレイアウトでパターン開口1O′,1O′…を貫通形成し〈図10(c)〉、蒸着層3A′およびメッキ層3B′の不要部分をケミカルエッチングによって除去することで、蒸着層3A′とメッキ層3B′との積層体から成る矩形状のベース層3′を形成する〈図10(d)〉。
【0055】
次いで、別工程において枠形状に裁断加工した、粘着層4′を構成するシリコンフィルム(粘着フィルム)を、上記ベース層3′を取り囲む態様でマスク本体2′のセット面2s′に取付ける〈図10(e)〉ことで、ハンダ印刷用マスク1′の完成となる。
【0056】
ここで、上述したハンダ印刷用マスク1′を用いて、プリント配線板Wのリペア範囲Wrにハンダを印刷供給する場合に、ハンダ印刷用マスク1′をプリント配線板Wに対して位置合わせし、次いでハンダ印刷用マスク1′をプリント配線板Wに対して位置決めしつつ位置固定し、こののちリペア範囲Wrの各端子Wt、Wt…にクリームハンダを手印刷する作業は、図1〜図6に示した実施例と基本的に変わるところはなく、よって具体的かつ詳細な説明は省略する。
【0057】
上述したハンダ印刷用マスク1′、さらには該ハンダ印刷用マスク1′を用いた局所ハンダ印刷方法では、図1〜図6に示した実施例と同様の作用効果を奏することとなり、もってプリント配線板Wの局所的なリペア範囲Wrに対してハンダを簡易に印刷供給でき、電子部品のリペア作業を容易に実施することが可能となる。
【0058】
図11〜図13は、本発明に関わるハンダ印刷用マスクの更に他の実施例を示しており、このハンダ印刷用マスク1″は、図1〜図6に示したハンダ印刷用マスク1と同じく、柔軟性を備えたフィルム状の材料から成るマスク本体2″に、硬質のベース層3″とともに粘着突起(粘着層)4″、4″…を設けることによって構成されている。
【0059】
上記マスク本体2″は、ポリイミド樹脂から成る肉厚100μm程度のフィルムシートを矩形状に裁断したもので、その略中央は、プリント配線板Wのリペア範囲Wrに対応する印刷域2P″を構成しており、この印刷域2P″の周囲にはマスキング域2M″が展開している。
【0060】
上記マスク本体2″の印刷域2P″には、所定個数のパターン開口1O″,1O″…から成る印刷パターン1A″が形成されており、上記パターン開口1O″,1O″…は、リペア範囲Wrの端子Wt、Wt…に対応してレイアウト(配列形成)されている。
【0061】
また、上記マスク本体2″のセット面(セットに際してプリント配線板Wと相対向する面)2s″には、印刷域2P″に対応した矩形状を為すベース層3″が設けられており、このベース層3″は、後に詳述する如くNi(ニッケル)メッキ等の金属層によって形成され、マスク本体2″と同じく印刷パターン1A″を構成するパターン開口1O″,1O″…が貫通形成されている。
【0062】
ここで、上述した如く金属層から形成されたベース層3″は、マスク本体2″を構成するポリイミド樹脂のフィルムシートよりも硬質であるため、上記マスク本体2″の印刷域2P″を補強して、印刷パターン1A″(パターン開口1O″,1O″…)の形状を維持する作用を為す。
【0063】
また、上記ベース層3″のセット面(セットに際してプリント配線板Wと相対向する面)3s″には、例えば図7〜図9に示したハンダ印刷用マスク1′の粘着層4′を構成するシリコンフィルムと同じ材質から成る粘着突起(粘着層)4″、4″…が設けられている。
【0064】
ここで、この粘着突起4″、4″…、自身に粘着性を具備していることにより、プリント配線板Wの実装面に貼着されることで、ハンダ印刷用マスク1″の印刷域2P″をリペア範囲Wrに位置決めしつつ保持する作用を為す。
【0065】
因みに、上記ハンダ印刷用マスク1″は、図14に示す諸工程を経て作成される。
先ず、ポリイミド樹脂のフィルムシート(マスク本体2″)の表面にCu(銅)の蒸着層3A″を形成した基材を用意し〈図14(a)〉、この基材の蒸着層3A″の表面にNi(ニッケル)のメッキ層3B″を積上げる〈図14(b)〉。
【0066】
こののち、レーザ加工により所定のレイアウトでパターン開口1O″,1O″…を貫通形成し〈図14(c)〉、蒸着層3A″およびメッキ層3B″の不要部分をケミカルエッチングによって除去することで、蒸着層3A″とメッキ層3B″との積層体から成る矩形状のベース層3″を形成する〈図14(d)〉。
【0067】
次いで、上記ベース層3″のセット面3s″に液状粘着剤印刷用マスク100をセットし、スキージ101を用いた作業員による手印刷によって、液状粘着剤4p″を上記セット面3s″の所定位置に印刷供給し〈図14(e)〉、こののち液状粘着剤4p″を加熱硬化させて粘着突起4″を形成する〈図14(f)〉ことで、ハンダ印刷用マスク1″の完成となる。
【0068】
ここで、上述したハンダ印刷用マスク1″を用いて、プリント配線板Wのリペア範囲Wrにハンダを印刷供給する場合に、ハンダ印刷用マスク1″をプリント配線板Wに対して位置合わせし、次いでハンダ印刷用マスク1″をプリント配線板Wに対して位置決めしつつ位置固定し、こののちリペア範囲Wrの各端子Wt、Wt…にクリームハンダを手印刷する作業は、図1〜図6に示した実施例と基本的に変わるところはなく、よって具体的かつ詳細な説明は省略する。
【0069】
上述したハンダ印刷用マスク1″、さらには該ハンダ印刷用マスク1″を用いた局所ハンダ印刷方法では、図1〜図6に示した実施例と同様の作用効果を奏することとなり、もってプリント配線板Wの局所的なリペア範囲Wrに対してハンダを簡易に印刷供給でき、電子部品のリペア作業を容易に実施することが可能となる。
【0070】
なお、上述した各実施例のハンダ印刷用マスクでは、マスク本体をポリイミド樹脂のフィルムシートから形成しているが、ペーストハンダの印刷作業に耐える強度と十分な柔軟性を備えるものであれば、実施例以外の様々な材料からマスク本体を形成することも可能である。
【0071】
また、ハンダ印刷用マスクのベース層は、マスク本体の印刷域を十分に補強し得るものであれば、実施例に示したCu(銅)およびNi(ニッケル)以外の金属層、さらには金属以外の適宜な材料をも採用することが可能であり、さらにハンダ印刷用マスクの粘着層を構成する粘着材および粘着フィルムも、必要とする粘着性を十分に満足するものであれば、実施例以外の様々な材料を採用し得ることは言うまでもない。
【0072】
また、上述した各実施例におけるハンダ印刷用マスクは、1箇の電子部品の交換修理作業を対象としたものであるが、複数の電子部品に対応した印刷パターンを形成することにより、複数の電子部品に対応したリペア範囲に一括してハンダを印刷供給することも可能である。
【0073】
さらに、本発明に関わるハンダ印刷用マスクおよび局所ハンダ印刷方法は、各実施例に示したプリント配線板に対する電子部品の交換修理(リペア作業)のみならず、プリント配線板に電子部品を実装して成る実装基板の製造工程において、プリント配線板の局所的な領域にクリームハンダを印刷供給する手段としても、極めて有効に適用し得るものであることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明に関わるハンダ印刷用マスクの一実施例を、ハンダの印刷供給されるプリント配線板と共に示す概念図。
【図2】(a)および(b)は、図1に示したハンダ印刷用マスクの全体平面図および全体側面図。
【図3】図1に示したハンダ印刷用マスクの全体底面図。
【図4】図3中の IV−IV 線断面図。
【図5】(a)〜(e)は、図1に示したハンダ印刷用マスクの製造工程を示す概念図。
【図6】(a)および(b)は、図1に示したハンダ印刷用マスクを用いて、プリント配線板にハンダを印刷供給する態様を示す概念図。
【図7】(a)および(b)は、本発明に関わるハンダ印刷用マスクの他の実施例を示す全体平面図および全体側面図。
【図8】図7に示したハンダ印刷用マスクの全体底面図。
【図9】図8中の IX−IX 線断面図。
【図10】(a)〜(e)は、図7に示したハンダ印刷用マスクの製造工程を示す概念図。
【図11】(a)および(b)は、本発明に関わるハンダ印刷用マスクの更に他の実施例を示す全体平面図および全体側面図。
【図12】図11に示したハンダ印刷用マスクの全体底面図。
【図13】図12中の XIII−XIII 線断面図。
【図14】(a)〜(f)は、図11に示したハンダ印刷用マスクの製造工程を示す概念図。
【図15】従来の立体マスクを用いてプリント配線板にハンダを印刷供給する態様を示す概念図。
【図16】(a)、(b)および(c)は、図15に示した立体マスクの要部破断正面図、要部破断側面図および全体底面図。
【図17】図15に示した立体マスクの展開平面図。
【符号の説明】
【0075】
1,1′,1″…ハンダ印刷用マスク、
1A,1A′,1A″…印刷パターン、
1O,1O′,1O″…パターン開口、
2,2′,2″…マスク本体、
2P,2P′,2P″…印刷域、
2M,2M′,2M″…マスキング域、
2s,2s′,2s″…セット面、
3,3′,3″…ベース層、
3s,3s′,3s″…セット面、
4,4′,4″…貼着層、
W…プリント配線板、
Wr…リペア範囲、
Wt…端子。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハンダ印刷用マスクおよび局所ハンダ印刷方法に関するもので、詳しくは、プリント配線板のリペア範囲にハンダを印刷供給する際に使用されるハンダ印刷用マスクの構成、および該ハンダ印刷用マスクを用いてプリント配線板のリペア範囲にハンダを印刷供給する局所ハンダ印刷方法に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今の電子機器における基板実装の分野では、BGA(ボール・グリッド・アレイ)チップ等の面実装部品を用いることで、プリント配線板に対する電子部品の高密度な実装を可能としている。
【0003】
また、プリント配線板において面実装部品の端子に対応する微細な端子部分へは、極めて高い精度と剛性とを備える高価な印刷装置を用いた自動印刷によってハンダを印刷供給している。
【0004】
一方、プリント配線板に所定の電子部品を実装した状態において、一部の面実装部品にハンダ付け不良や部品不良が生じた場合、該当する面実装部品を交換修理(リペア)する必要がある。
【0005】
ここで、プリント配線板から修理対象の面実装部品を取り外したのち、プリント配線板におけるリペア範囲(取り外された面実装部品に対応する端子部分)にハンダを供給するには、リペア範囲の周辺に実装されている電子部品等を避けて、局所的にハンダを印刷供給しなければならない。
【0006】
この際、周辺の電子部品等を避けつつプリント配線板のリペア範囲にのみハンダを印刷供給するには、平板状を呈する通常のメタルマスクを使用することが難しいため、立体形状を呈する局所ハンダ印刷マスク(以下、立体マスクと称する)を使用する方法が提供されている(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
図15および図16に示す如く、プリント配線板Wから不良箇所の電子部品を取外したリペア範囲Wr、詳しくは該リペア範囲Wrの端子Wt、Wt…に対して、周囲の電子部品E、E…を避けつつ局所的にハンダを印刷供給するための立体マスクMは、上部の開放された倒立凸字形状のを呈する箱体を成し、下方へ突出する中央凸部Mtの底板Mbに、所定数の開口Mo、Mo…から成る印刷パターンMpが形成されている。
【0008】
また、上記立体マスクMには、中央凸部Mtの底板Mbをプリント配線板Wのリペア範囲Wrに当接させてハンダを印刷供給する際、周囲の電子部品E、E…との干渉を避けるために、上記中央凸部Mtを挟んで切欠部Mn、Mnが設けられている。
【0009】
さらに、上記立体マスクMは、図17に示す如き所期の平面形状、すなわち底板Mbと、底板Mbを挟む一対の側板Ms、Msと、底板Mbを挟む一対の端板Ma、Maとを有する薄肉のメタル材(金属板)を、所定の折り曲げ加工を施して箱状に組立てることで作成されている。
【特許文献1】特開2003−101208号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、上述した如く立体マスクを用いてプリント配線板に対する電子部品のリペア作業を行う場合、金属板の複雑な加工によって立体マスクを作成しているため、立体マスクの準備に伴って作業の煩雑化やコストの増大を招いてしまう不都合があった。
【0011】
さらに、立体マスクを用いてプリント配線板にハンダを印刷供給する際、プリント配線板のリペア範囲に対する立体マスクの位置合わせや位置固定を目的として、専用の局所印刷装置を必要とするために、プリント配線板に対する電子部品のリペア作業が、大掛かりな設備の使用に伴って繁雑化する問題があった。
【0012】
本発明は上記実状に鑑みて、立体マスクの使用に伴う金属板の複雑な曲げ加工等を要することなく、プリント配線板の局所的なリペア範囲に対してハンダを簡易に印刷供給することができ、もって電子部品のリペア作業を容易に実施することの可能な、ハンダ印刷用マスクおよび局所ハンダ印刷方法の提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するべく、請求項1の発明に関わるハンダ印刷用マスクは、柔軟性を備えたフィルム状の材料から成り、リペア範囲に対応する印刷パターンの形成された印刷域、および該印刷域の周囲に展開するマスキング域を有するマスク本体と、このマスク本体の印刷域に設けられ、該印刷域を補強して印刷パターンの形状を維持する硬質のベース層と、プリント配線板の実装面に貼着して、リペア範囲にマスク本体の印刷域を位置決めしつつ保持する粘着層とを具備して成ることを特徴としている。
【0014】
請求項2の発明に関わるハンダ印刷用マスクは、粘着層がベース層のセット面に塗布した粘着材から成ることを特徴としている。
【0015】
請求項3の発明に関わるハンダ印刷用マスクは、粘着層がマスク本体のセット面に取付けられてベース層を囲う枠形状の粘着フィルムから成ることを特徴としている。
【0016】
また、上記目的を達成するべく、請求項4の発明に関わる局所ハンダ印刷方法は、柔軟性を備えたフィルム状の材料から成りリペア範囲に対応する印刷パターンの形成された印刷域および該印刷域の周囲に展開するマスキング域とを有するマスク本体と、このマスク本体の印刷域に設けられ該印刷域を補強して印刷パターンの形状を維持する硬質のベース層と、プリント配線板の実装面に貼着してリペア範囲にマスク本体の印刷域を位置決めしつつ保持する粘着層とを具備して成るハンダ印刷用マスクを用い、プリント配線板の実装面に粘着層を貼着し印刷域をリペア範囲に位置決めしつつ保持させてハンダ印刷用マスクをプリント配線板にセットする工程と、ハンダ印刷用マスクの印刷域に供給されたクリームハンダをスキージを用いてプリント配線板のリペア範囲に印刷供給する工程とを含んで成ることを特徴としている。
【発明の効果】
【0017】
請求項1の発明に関わるハンダ印刷用マスクは、フィルム状のマスク本体に硬質のベース層と粘着層とを設けて成るので、その作成に際しては金属板の複雑折曲げ加工等を必要とせず、もってマスクの準備に伴う作業の煩雑化やコストの増大を招くことなく、プリント配線板の局所的なリペア範囲に対してハンダを簡易に印刷供給することが可能となる。
【0018】
また、請求項1の発明に関わるハンダ印刷用マスクは、プリント配線板の実装面に貼着して、マスク本体の印刷域をプリント配線板のリペア範囲に位置決めしつつ保持する粘着層を有しているので、マスクの位置合わせや位置固定を目的とした専用の装置を必要とせず、もって大掛かりな設備の使用に伴う繁雑化を招くことなく、プリント配線板の局所的なリペア範囲に対してハンダを簡易に印刷供給することが可能となる。
【0019】
このように、請求項1の発明に関わるハンダ印刷用マスクによれば、プリント配線板の局所的なリペア範囲に対してハンダを簡易に印刷供給でき、もって電子部品のリペア作業を容易に実施することが可能となる。
【0020】
請求項2の発明に関わるハンダ印刷用マスクは、ベース層のセット面に塗布した粘着材から形成した粘着層により、マスク本体の印刷域をプリント配線板のリペア範囲に位置決めしつつ保持でき、もって大掛かりな設備の使用に伴う繁雑化を招くことなく、ハンダを簡易に印刷供給することが可能となる。
【0021】
請求項3の発明に関わるハンダ印刷用マスクは、マスク本体のセット面に取付けられてベース層を囲う枠形状の粘着フィルムから形成した粘着層により、マスク本体の印刷域をプリント配線板のリペア範囲に位置決めしつつ保持でき、もって大掛かりな設備の使用に伴う繁雑化を招くことなく、ハンダを簡易に印刷供給することが可能となる。
【0022】
さらに、請求項4の発明に関わる局所ハンダ印刷方法は、フィルム状のマスク本体に硬質のベース層と粘着層とを設けて成るハンダ印刷用マスクを用いたことにより、マスクの準備に伴う作業の煩雑化やコストの増大、併せて大掛かりな設備の使用に伴う繁雑化を招くことなく、プリント配線板の局所的なリペア範囲に対してハンダを簡易に印刷供給することができ、もって電子部品のリペア作業を容易に実施することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、実施例を示す図面に基づいて、本発明の構成を詳細に説明する。
図1〜図6に示す、本発明の一実施例であるハンダ印刷用マスク1は、通常の平板状を呈するメタルマスクとも、従来の立体マスク(立体形状を呈する局所ハンダ印刷マスク)とも全く相違するもので、柔軟性を備えたフィルム状の材料から成るマスク本体の所定位置に、印刷パターンの開口(パターン開口)を形成して成る。
【0024】
また、実施例のハンダ印刷用マスク1は、図1に示す如く、プリント配線板Wから不良箇所の1つの電子部品を取外したリペア範囲Wr、詳しくは該リペア範囲Wrの端子Wt、Wt…に対して、周囲の電子部品E、E…を避けつつ局所的にハンダを印刷供給する為の専用品である。
【0025】
図2〜図4に示す如く、上記ハンダ印刷用マスク1は、柔軟性を備えたフィルム状の材料から成るマスク本体2に、硬質のベース層3とともに粘着層4を設けることによって構成されている。
【0026】
上記マスク本体2は、ポリイミド樹脂から成る肉厚100μm程度のフィルムシートを矩形状に裁断したもので、その略中央は、プリント配線板Wのリペア範囲Wrに対応する印刷域2Pを構成しており、この印刷域2Pの周囲にはマスキング域2Mが展開している。
【0027】
上記マスク本体2の印刷域2Pには、所定個数のパターン開口1O,1O…から成る印刷パターン1Aが形成されており、上記パターン開口1O,1O…は、リペア範囲Wrの端子Wt、Wt…に対応してレイアウト(配列形成)されている。
【0028】
また、上記マスク本体2のセット面(セットに際してプリント配線板Wと相対向する面)2sには、印刷域2Pに対応した矩形状を為すベース層3が設けられており、このベース層3は、後に詳述する如くNi(ニッケル)メッキ等の金属層によって形成されている。
【0029】
ここで、上述した如く金属層から形成されたベース層3は、マスク本体2を構成するポリイミド樹脂のフィルムシートよりも硬質であるため、上記マスク本体2の印刷域2Pを補強して、印刷パターン1A(パターン開口1O,1O…)の形状を維持する作用を為す。
【0030】
また、上記ベース層3のセット面(セットに際してプリント配線板Wと相対向する面)3sには、例えばゲルポリマー樹脂(粘着材)から成る粘着層4が設けられており、この粘着層4には、マスク本体2およびベース層3と共に上記印刷パターン1Aを構成するパターン開口1O,1O…が貫通形成されている。
【0031】
ここで、この粘着層4は、自身に粘着性を具備していることにより、プリント配線板Wの実装面に貼着されることで、ハンダ印刷用マスク1の印刷域2Pをリペア範囲Wrに位置決めしつつ保持する作用を為す。
【0032】
因みに、上記ハンダ印刷用マスク1は、図5に示す諸工程を経て作成される。
【0033】
先ず、ポリイミド樹脂のフィルムシート(マスク本体2)の表面にCu(銅)の蒸着層3Aを形成した基材を用意し〈図5(a)〉、この基材における蒸着層3Aの表面にNi(ニッケル)のメッキ層3Bを積上げる〈図5(b)〉。
【0034】
こののち、レーザ加工により所定のレイアウトでパターン開口1O,1O…を貫通形成し〈図5(c)〉、蒸着層3Aおよびメッキ層3Bの不要部分をケミカルエッチングによって除去することで、蒸着層3Aとメッキ層3Bとの積層体から成る矩形状のベース層3を形成する〈図5(d)〉。
【0035】
次いで、ベース層3のセット面3sにゲルポリマー樹脂から成る液状粘着材を塗布(プリント)し、この粘着材を固化させて上記ベース層3のセット面3sに粘着層4を形成する〈図5(e)〉ことで、ハンダ印刷用マスク1の完成となる。
【0036】
上述したハンダ印刷用マスク1を用いて、プリント配線板Wのリペア範囲Wrにハンダを印刷供給する際には、図6に示す如く、プリント配線板Wの実装面(図中上面)側から、作業員の手作業によってハンダ印刷用マスク1を持って行き、マスク本体2の印刷域2Pをリペア範囲Wrに対して位置合わせする。
【0037】
ここで、リペア範囲Wrにおける端子Wt、Wt…に、印刷域2Pにおけるパターン開口1O,1O…を合致させることで、ハンダ印刷用マスク1の位置合わせが為されるが、この際、ハンダ印刷用マスク1における印刷域2Pの印刷パターン1Aは、硬質のベース層3により歪むこと無く補強されているため、極めて容易かつ確実に位置合わせを行うことができる。
【0038】
上述した如く、ハンダ印刷用マスク1を位置合わせしたのち、上記ハンダ印刷用マスク1の印刷域2Pを押圧して、粘着層4をプリント配線板Wの実装面に貼着させることにより、マスク本体2の印刷域2Pが、リペア範囲Wrに位置決めされつつ位置固定されることとなる。
【0039】
すなわち、粘着層4をプリント配線板Wに貼着させるべく、ハンダ印刷用マスク1の要所を押圧するだけで、位置合わせ後のハンダ印刷用マスク1を、大掛かりな専用の装置を必要とすることなく、容易にプリント配線板Wに固定することができる。
【0040】
また、ハンダ印刷用マスク1の印刷域2Pを、プリント配線板Wのリペア範囲Wrに固定した際、図6(b)に示す如くマスク本体2のマスキング域2Mは、自身の柔軟性に基づいて、折曲げ加工を必要とすることなく、周囲の電子部品E、E…に倣って変形するので、ハンダ印刷用マスク1が接触することにより、周囲の電子部品E、E…に不用意なダメージを与えることがない。
【0041】
プリント配線板Wの実装面にハンダ印刷用マスク1をセットしたのち、該ハンダ印刷用マスク1の印刷域2Pに所定量のハンダペースト(図示せず)を供給し、次いで、作業員によるスキージを用いた手印刷によって、リペア範囲Wrの各端子Wt、Wt…に、クリームハンダが印刷供給されることとなる。
【0042】
以上、詳述した実施例によれば、上記ハンダ印刷用マスク1は、フィルム状のマスク本体2に硬質のベース層3と粘着層4とを設けて成るので、その作成に際しては金属板の複雑折曲げ加工等を必要とせず、もってマスクの準備に伴う作業の煩雑化やコストの増大を招くことなく、プリント配線板Wの局所的なリペア範囲Wrに対してハンダを簡易に印刷供給することができる。
【0043】
また、上記ハンダ印刷用マスク1は、プリント配線板Wの実装面に貼着して、マスク本体2の印刷域2Pをプリント配線板Wのリペア範囲Wrに位置決めしつつ保持する粘着層4を有しているので、マスクの位置合わせや位置固定を目的とした専用の装置を必要とせず、もって大掛かりな設備の使用に伴う繁雑化を招くことなく、プリント配線板Wの局所的なリペア範囲Wrに対してハンダを簡易に印刷供給することができる。
【0044】
このように、上述したハンダ印刷用マスク1、さらには該ハンダ印刷用マスク1を用いた局所ハンダ印刷方法によれば、プリント配線板Wの局所的なリペア範囲Wrに対してハンダを簡易に印刷供給でき、もって電子部品のリペア作業を容易に実施することが可能となる。
【0045】
図7〜図9は、本発明に関わるハンダ印刷用マスクの他の実施例を示しており、このハンダ印刷用マスク1′は、図1〜図6に示したハンダ印刷用マスク1と同じく、柔軟性を備えたフィルム状の材料から成るマスク本体2′に、硬質のベース層3′とともに粘着層4′を設けることによって構成されている。
【0046】
上記マスク本体2′は、ポリイミド樹脂から成る肉厚100μm程度のフィルムシートを矩形状に裁断したもので、その略中央は、プリント配線板Wのリペア範囲Wrに対応する印刷域2P′を構成しており、この印刷域2P′の周囲にはマスキング域2M′が展開している。
【0047】
上記マスク本体2′の印刷域2P′には、所定個数のパターン開口1O′,1O′…から成る印刷パターン1A′が形成されており、上記パターン開口1O′,1O′…は、リペア範囲Wrの端子Wt、Wt…に対応してレイアウト(配列形成)されている。
【0048】
また、上記マスク本体2′のセット面(セットに際してプリント配線板Wと相対向する面)2s′には、印刷域2P′に対応した矩形状を為すベース層3′が設けられており、このベース層3′は、後に詳述する如くNi(ニッケル)メッキ等の金属層によって形成され、マスク本体2′と同じく印刷パターン1A′を構成するパターン開口1O′,1O′…が貫通形成されている。
【0049】
ここで、上述した如く金属層から形成されたベース層3′は、マスク本体2′を構成するポリイミド樹脂のフィルムシートよりも硬質であるため、上記マスク本体2′の印刷域2P′を補強して、印刷パターン1A′(パターン開口1O′,1O′…)の形状を維持する作用を為す。
【0050】
さらに、上記マスク本体2′のセット面2s′には、例えばシリコンフィルム(粘着フィルム)から形成された四角い枠形状を呈する粘着層4′が、上記ベース層3′の周りを囲う態様で取付けられている。
【0051】
ここで、上記粘着層4′は、自身に粘着性を具備していることにより、プリント配線板Wの実装面に貼着されることで、ハンダ印刷用マスク1′の印刷域2P′をリペア範囲Wrに位置決めしつつ保持する作用を為す。
【0052】
また、上記粘着層(シリコンフィルム)4′は、ハンダ印刷用マスク1′を押圧してプリント配線板Wにセットする際の変形分を考慮して、無負荷状態においてベース層3′のセット面(底面)よりも僅かに(例えば、0.1 mm程度)突出するよう肉厚寸法が設定されている。
【0053】
因みに、上記ハンダ印刷用マスク1′は、図10に示す諸工程を経て作成される。
先ず、ポリイミド樹脂のフィルムシート(マスク本体2′)の表面にCu(銅)の蒸着層3A′を形成した基材を用意し〈図10(a)〉、この基材の蒸着層3A′の表面にNi(ニッケル)のメッキ層3B′を積上げる〈図10(b)〉。
【0054】
こののち、レーザ加工により所定のレイアウトでパターン開口1O′,1O′…を貫通形成し〈図10(c)〉、蒸着層3A′およびメッキ層3B′の不要部分をケミカルエッチングによって除去することで、蒸着層3A′とメッキ層3B′との積層体から成る矩形状のベース層3′を形成する〈図10(d)〉。
【0055】
次いで、別工程において枠形状に裁断加工した、粘着層4′を構成するシリコンフィルム(粘着フィルム)を、上記ベース層3′を取り囲む態様でマスク本体2′のセット面2s′に取付ける〈図10(e)〉ことで、ハンダ印刷用マスク1′の完成となる。
【0056】
ここで、上述したハンダ印刷用マスク1′を用いて、プリント配線板Wのリペア範囲Wrにハンダを印刷供給する場合に、ハンダ印刷用マスク1′をプリント配線板Wに対して位置合わせし、次いでハンダ印刷用マスク1′をプリント配線板Wに対して位置決めしつつ位置固定し、こののちリペア範囲Wrの各端子Wt、Wt…にクリームハンダを手印刷する作業は、図1〜図6に示した実施例と基本的に変わるところはなく、よって具体的かつ詳細な説明は省略する。
【0057】
上述したハンダ印刷用マスク1′、さらには該ハンダ印刷用マスク1′を用いた局所ハンダ印刷方法では、図1〜図6に示した実施例と同様の作用効果を奏することとなり、もってプリント配線板Wの局所的なリペア範囲Wrに対してハンダを簡易に印刷供給でき、電子部品のリペア作業を容易に実施することが可能となる。
【0058】
図11〜図13は、本発明に関わるハンダ印刷用マスクの更に他の実施例を示しており、このハンダ印刷用マスク1″は、図1〜図6に示したハンダ印刷用マスク1と同じく、柔軟性を備えたフィルム状の材料から成るマスク本体2″に、硬質のベース層3″とともに粘着突起(粘着層)4″、4″…を設けることによって構成されている。
【0059】
上記マスク本体2″は、ポリイミド樹脂から成る肉厚100μm程度のフィルムシートを矩形状に裁断したもので、その略中央は、プリント配線板Wのリペア範囲Wrに対応する印刷域2P″を構成しており、この印刷域2P″の周囲にはマスキング域2M″が展開している。
【0060】
上記マスク本体2″の印刷域2P″には、所定個数のパターン開口1O″,1O″…から成る印刷パターン1A″が形成されており、上記パターン開口1O″,1O″…は、リペア範囲Wrの端子Wt、Wt…に対応してレイアウト(配列形成)されている。
【0061】
また、上記マスク本体2″のセット面(セットに際してプリント配線板Wと相対向する面)2s″には、印刷域2P″に対応した矩形状を為すベース層3″が設けられており、このベース層3″は、後に詳述する如くNi(ニッケル)メッキ等の金属層によって形成され、マスク本体2″と同じく印刷パターン1A″を構成するパターン開口1O″,1O″…が貫通形成されている。
【0062】
ここで、上述した如く金属層から形成されたベース層3″は、マスク本体2″を構成するポリイミド樹脂のフィルムシートよりも硬質であるため、上記マスク本体2″の印刷域2P″を補強して、印刷パターン1A″(パターン開口1O″,1O″…)の形状を維持する作用を為す。
【0063】
また、上記ベース層3″のセット面(セットに際してプリント配線板Wと相対向する面)3s″には、例えば図7〜図9に示したハンダ印刷用マスク1′の粘着層4′を構成するシリコンフィルムと同じ材質から成る粘着突起(粘着層)4″、4″…が設けられている。
【0064】
ここで、この粘着突起4″、4″…、自身に粘着性を具備していることにより、プリント配線板Wの実装面に貼着されることで、ハンダ印刷用マスク1″の印刷域2P″をリペア範囲Wrに位置決めしつつ保持する作用を為す。
【0065】
因みに、上記ハンダ印刷用マスク1″は、図14に示す諸工程を経て作成される。
先ず、ポリイミド樹脂のフィルムシート(マスク本体2″)の表面にCu(銅)の蒸着層3A″を形成した基材を用意し〈図14(a)〉、この基材の蒸着層3A″の表面にNi(ニッケル)のメッキ層3B″を積上げる〈図14(b)〉。
【0066】
こののち、レーザ加工により所定のレイアウトでパターン開口1O″,1O″…を貫通形成し〈図14(c)〉、蒸着層3A″およびメッキ層3B″の不要部分をケミカルエッチングによって除去することで、蒸着層3A″とメッキ層3B″との積層体から成る矩形状のベース層3″を形成する〈図14(d)〉。
【0067】
次いで、上記ベース層3″のセット面3s″に液状粘着剤印刷用マスク100をセットし、スキージ101を用いた作業員による手印刷によって、液状粘着剤4p″を上記セット面3s″の所定位置に印刷供給し〈図14(e)〉、こののち液状粘着剤4p″を加熱硬化させて粘着突起4″を形成する〈図14(f)〉ことで、ハンダ印刷用マスク1″の完成となる。
【0068】
ここで、上述したハンダ印刷用マスク1″を用いて、プリント配線板Wのリペア範囲Wrにハンダを印刷供給する場合に、ハンダ印刷用マスク1″をプリント配線板Wに対して位置合わせし、次いでハンダ印刷用マスク1″をプリント配線板Wに対して位置決めしつつ位置固定し、こののちリペア範囲Wrの各端子Wt、Wt…にクリームハンダを手印刷する作業は、図1〜図6に示した実施例と基本的に変わるところはなく、よって具体的かつ詳細な説明は省略する。
【0069】
上述したハンダ印刷用マスク1″、さらには該ハンダ印刷用マスク1″を用いた局所ハンダ印刷方法では、図1〜図6に示した実施例と同様の作用効果を奏することとなり、もってプリント配線板Wの局所的なリペア範囲Wrに対してハンダを簡易に印刷供給でき、電子部品のリペア作業を容易に実施することが可能となる。
【0070】
なお、上述した各実施例のハンダ印刷用マスクでは、マスク本体をポリイミド樹脂のフィルムシートから形成しているが、ペーストハンダの印刷作業に耐える強度と十分な柔軟性を備えるものであれば、実施例以外の様々な材料からマスク本体を形成することも可能である。
【0071】
また、ハンダ印刷用マスクのベース層は、マスク本体の印刷域を十分に補強し得るものであれば、実施例に示したCu(銅)およびNi(ニッケル)以外の金属層、さらには金属以外の適宜な材料をも採用することが可能であり、さらにハンダ印刷用マスクの粘着層を構成する粘着材および粘着フィルムも、必要とする粘着性を十分に満足するものであれば、実施例以外の様々な材料を採用し得ることは言うまでもない。
【0072】
また、上述した各実施例におけるハンダ印刷用マスクは、1箇の電子部品の交換修理作業を対象としたものであるが、複数の電子部品に対応した印刷パターンを形成することにより、複数の電子部品に対応したリペア範囲に一括してハンダを印刷供給することも可能である。
【0073】
さらに、本発明に関わるハンダ印刷用マスクおよび局所ハンダ印刷方法は、各実施例に示したプリント配線板に対する電子部品の交換修理(リペア作業)のみならず、プリント配線板に電子部品を実装して成る実装基板の製造工程において、プリント配線板の局所的な領域にクリームハンダを印刷供給する手段としても、極めて有効に適用し得るものであることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明に関わるハンダ印刷用マスクの一実施例を、ハンダの印刷供給されるプリント配線板と共に示す概念図。
【図2】(a)および(b)は、図1に示したハンダ印刷用マスクの全体平面図および全体側面図。
【図3】図1に示したハンダ印刷用マスクの全体底面図。
【図4】図3中の IV−IV 線断面図。
【図5】(a)〜(e)は、図1に示したハンダ印刷用マスクの製造工程を示す概念図。
【図6】(a)および(b)は、図1に示したハンダ印刷用マスクを用いて、プリント配線板にハンダを印刷供給する態様を示す概念図。
【図7】(a)および(b)は、本発明に関わるハンダ印刷用マスクの他の実施例を示す全体平面図および全体側面図。
【図8】図7に示したハンダ印刷用マスクの全体底面図。
【図9】図8中の IX−IX 線断面図。
【図10】(a)〜(e)は、図7に示したハンダ印刷用マスクの製造工程を示す概念図。
【図11】(a)および(b)は、本発明に関わるハンダ印刷用マスクの更に他の実施例を示す全体平面図および全体側面図。
【図12】図11に示したハンダ印刷用マスクの全体底面図。
【図13】図12中の XIII−XIII 線断面図。
【図14】(a)〜(f)は、図11に示したハンダ印刷用マスクの製造工程を示す概念図。
【図15】従来の立体マスクを用いてプリント配線板にハンダを印刷供給する態様を示す概念図。
【図16】(a)、(b)および(c)は、図15に示した立体マスクの要部破断正面図、要部破断側面図および全体底面図。
【図17】図15に示した立体マスクの展開平面図。
【符号の説明】
【0075】
1,1′,1″…ハンダ印刷用マスク、
1A,1A′,1A″…印刷パターン、
1O,1O′,1O″…パターン開口、
2,2′,2″…マスク本体、
2P,2P′,2P″…印刷域、
2M,2M′,2M″…マスキング域、
2s,2s′,2s″…セット面、
3,3′,3″…ベース層、
3s,3s′,3s″…セット面、
4,4′,4″…貼着層、
W…プリント配線板、
Wr…リペア範囲、
Wt…端子。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリント配線板のリペア範囲にハンダを印刷供給するために使用されるハンダ印刷用マスクであって、
柔軟性を備えたフィルム状の材料から成り、前記リペア範囲に対応する印刷パターンの形成された印刷域、および該印刷域の周囲に展開するマスキング域を有するマスク本体と、
前記マスク本体の前記印刷域に設けられ、該印刷域を補強して前記印刷パターンの形状を維持する硬質のベース層と、
前記プリント配線板の実装面に貼着して、前記リペア範囲に前記マスク本体の前記印刷域を位置決めしつつ保持する粘着層と、
を具備して成ることを特徴とするハンダ印刷用マスク。
【請求項2】
前記粘着層が、前記ベース層のセット面に塗布した粘着材から成ることを特徴とする請求項1記載のハンダ印刷用マスク。
【請求項3】
前記粘着層が、前記マスク本体のセット面に取付けられて前記ベース層を囲う枠形状の粘着フィルムから成ることを特徴とする請求項1記載のハンダ印刷用マスク。
【請求項4】
プリント配線板のリペア範囲にハンダ印刷用マスクをセットし、スキージによりクリームハンダを印刷供給する局所ハンダ印刷方法であって、 柔軟性を備えたフィルム状の材料から成り前記リペア範囲に対応する印刷パターンの形成された印刷域および該印刷域の周囲に展開するマスキング域とを有するマスク本体と、前記マスク本体の前記印刷域に設けられ該印刷域を補強して前記印刷パターンの形状を維持する硬質のベース層と、前記プリント配線板の実装面に貼着して前記リペア範囲に前記マスク本体の前記印刷域を位置決めしつつ保持する粘着層とを具備して成るハンダ印刷用マスクを用い、
前記プリント配線板の実装面に前記粘着層を貼着し、前記印刷域を前記リペア範囲に位置決めしつつ保持させて、前記ハンダ印刷用マスクを前記プリント配線板にセットする工程と、
前記ハンダ印刷用マスクの前記印刷域に供給されたクリームハンダを、前記スキージを用いて前記プリント配線板の前記リペア範囲に印刷供給する工程と、
を含んで成ることを特徴とする局所ハンダ印刷方法。
【請求項1】
プリント配線板のリペア範囲にハンダを印刷供給するために使用されるハンダ印刷用マスクであって、
柔軟性を備えたフィルム状の材料から成り、前記リペア範囲に対応する印刷パターンの形成された印刷域、および該印刷域の周囲に展開するマスキング域を有するマスク本体と、
前記マスク本体の前記印刷域に設けられ、該印刷域を補強して前記印刷パターンの形状を維持する硬質のベース層と、
前記プリント配線板の実装面に貼着して、前記リペア範囲に前記マスク本体の前記印刷域を位置決めしつつ保持する粘着層と、
を具備して成ることを特徴とするハンダ印刷用マスク。
【請求項2】
前記粘着層が、前記ベース層のセット面に塗布した粘着材から成ることを特徴とする請求項1記載のハンダ印刷用マスク。
【請求項3】
前記粘着層が、前記マスク本体のセット面に取付けられて前記ベース層を囲う枠形状の粘着フィルムから成ることを特徴とする請求項1記載のハンダ印刷用マスク。
【請求項4】
プリント配線板のリペア範囲にハンダ印刷用マスクをセットし、スキージによりクリームハンダを印刷供給する局所ハンダ印刷方法であって、 柔軟性を備えたフィルム状の材料から成り前記リペア範囲に対応する印刷パターンの形成された印刷域および該印刷域の周囲に展開するマスキング域とを有するマスク本体と、前記マスク本体の前記印刷域に設けられ該印刷域を補強して前記印刷パターンの形状を維持する硬質のベース層と、前記プリント配線板の実装面に貼着して前記リペア範囲に前記マスク本体の前記印刷域を位置決めしつつ保持する粘着層とを具備して成るハンダ印刷用マスクを用い、
前記プリント配線板の実装面に前記粘着層を貼着し、前記印刷域を前記リペア範囲に位置決めしつつ保持させて、前記ハンダ印刷用マスクを前記プリント配線板にセットする工程と、
前記ハンダ印刷用マスクの前記印刷域に供給されたクリームハンダを、前記スキージを用いて前記プリント配線板の前記リペア範囲に印刷供給する工程と、
を含んで成ることを特徴とする局所ハンダ印刷方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2008−60176(P2008−60176A)
【公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−232793(P2006−232793)
【出願日】平成18年8月29日(2006.8.29)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年8月29日(2006.8.29)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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