説明

パイプ保持具

【課題】パイプ保持具10は、公差寸法を厳しくしなくても、パイプP1に対する保持力を高めたこと。
【解決手段】パイプ保持具10は、樹脂製の保持具本体12と、金属製の取付金具50とを備えている。保持具本体12は、パイプP1を保持するクランプ部13と、取付金具50の一端部を保持する被係合部31とを備えている。被係合部31は、押圧片31aと、押圧片31aに挿入間隙31cを隔てて配置した弾性折曲片14bとを備え、挿入間隙31cに金具側係合部52を挿入することで押圧片31aおよび弾性折曲片14bにより金具側係合部52を挟持するように構成されている。弾性折曲片14bは、金具側係合部52を押圧片31aとともに挟持したときに挿入開口13Saを狭めるようにクランプ部13を弾性変形させてパイプP1を押圧する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車などに使用されるフューエルインレットパイプやブリーザパイプなどのパイプを保持するためのパイプ保持具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のパイプ保持具のうち、自動車の燃料タンクに燃料を供給するための燃料供給装置では、フューエルインレットパイプやブリーザパイプを金属製のクランプや樹脂製のクランプを用いて、車体側部材に固定する構成が知られている(特許文献1)。
【0003】
しかし、従来の金属製のクランプは、曲げ加工などで形成した場合に、寸法精度を高くすることが難しく、このため燃料供給パイプを締め過ぎるか、ガタツキを生じ易くなるなどの不具合を生じやすかった。一方、樹脂製のクランプは、その材質から弾性変形が大きく、しかも燃料膨潤によりその値が大きくなり、所望の保持力を確保することが難しい場合がある。すなわち、金属製または樹脂製のいずれのクランプも、寸法精度や保持力を確保するための機械的強度の仕様を満たすために多大な設計労力を要するという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−224004号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記従来の技術の問題を解決するものであり、公差寸法を厳しくしなくても、パイプに対する保持力を高めることができるパイプ保持具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
【0007】
[適用例1]
適用例1は、パイプを保持する保持具本体と、該保持具本体に装着されパイプを支持する取付金具とを備え、車体側部材に固定するためのパイプ保持具であって、
上記保持具本体は、樹脂から形成され、上記パイプを挿入するための挿入開口を有し該パイプの一部を囲んで該パイプを保持する円弧片を有するクランプ部と、該クランプ部の側端部に形成され上記取付金具の一端部を保持する被係合部とを備え、
上記取付金具は、金属から形成された薄板であり、上記挿入開口から露出している上記パイプの一部を覆う金具本体と、該金具本体の一端部に形成され上記被係合部に係合する金具側係合部と、上記金具本体の他端部に形成され上記車体側部材に固定するための金具固定部とを備え、
上記クランプ部は、上記円弧片に一体に形成され、上記金具側係合部が上記被係合部に係合したときに、上記金具側係合部に押されることで、上記挿入開口を狭めるように上記円弧片を弾性変形させて上記パイプを押圧する弾性折曲片を有すること、
を特徴とする。
【0008】
適用例1にかかるパイプ保持具において、パイプを保持具本体のクランプ部に保持するには、被係合部に取付金具の金具側係合部を係合し、取付金具を締結部材などで締結することにより、パイプを車体側部材に簡単に支持することができる。
【0009】
こうした保持具本体は、取付金具の端部で押されて弾性変形した弾性折曲片により、パイプを大きな力で保持することができる。すなわち、取付金具の金具側係合部を挿入間隙に挿入して、取付金具を締結部材などで車体側部材に取り付けると、弾性折曲片が取付金具の金具側係合部に押されることで、クランプ部の挿入開口を狭めるように円弧片を弾性変形して、パイプを押圧する。弾性折曲片は、スプリング構造を有し、パイプへ保持力を加える。このとき、樹脂製の弾性折曲片は、金属製の高い剛性の金具側係合部に当たってバックアップされて、金具側係合部側への弾性変形が規制されるから、パイプ側へ大きく弾性変形して、パイプに対して大きな押圧力を生じ、パイプのガタツキを低減できる。
【0010】
また、パイプ保持具は、取付金具を金属で、保持具本体を樹脂で形成する組み合わせを採用している。このような組み合わせにおいて、パイプを直接保持する保持具本体を小さな寸法誤差で形成することが容易な樹脂により形成することでパイプに対して所望の保持力を得ることができ、一方、弾性折曲片を介して間接的にパイプに押圧力を加える取付金具を、公差寸法が大きくなりやすいけれども剛性の大きい金属で形成することで、パイプへの保持力の増大を実現できる。
【0011】
さらに、パイプ保持具は、保持具本体で保持したパイプの自重を、剛性の大きい金属製の取付金具で受けているので、パイプを堅固に保持することができ、パイプが燃料膨潤しても、パイプのズレや脱落を防止することができる。
【0012】
[適用例2]
適用例2の被係合部は、上記弾性折曲片に挿入間隙を隔てて対向配置された押圧片と、該押圧片に形成され、金具側係合部に係合する係合突起を有する構成をとることができる。
【0013】
[適用例3]
適用例3の円弧片は、上記挿入開口に臨んだ端部から突出することで上記パイプを押圧する押圧突部を備えている構成をとることができる。この構成により、パイプに対する保持力をより大きくできる。
【0014】
[適用例4]
適用例4の保持具本体は、導電性樹脂を外層に有する他のパイプを保持するクランプ部を有し、該クランプ部に保持されたパイプは、上記取付金具を通じて上記車体側部材に接続されるアース経路を構成することができる。この構成により、締結部材で車体側部材に固定されたときに、導電材料から形成されたパイプの外層に接触して、アース経路の一部を構成するから、アース経路を簡単に得ることができ、その作業も容易である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施例にかかるパイプ保持具を、自動車の燃料タンクへ燃料を供給するための燃料供給装置に適用した構成を説明する概略構成図である。
【図2】パイプを保持したパイプ保持具を示す斜視図である。
【図3】パイプを保持したパイプ保持具を示す説明図である。
【図4】パイプを取り付ける前のパイプ保持具を示す説明図である。
【図5】パイプ保持具を用いてパイプを車体側部材に取り付ける作業を説明する説明図である。
【図6】図5に続く作業を説明する説明図である。
【図7】図6に続く作業を説明する説明図である。
【図8】図7に続く作業を説明する説明図である。
【図9】図8に続く作業を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以上説明した本発明の構成・作用を一層明らかにするために、以下本発明の好適な実施例について説明する。
【0017】
(1) 燃料供給装置の概略構造
図1は本発明の一実施例にかかるパイプ保持具10を、自動車の燃料タンクへ燃料を供給するための燃料供給装置に適用した構成を説明する概略構成図である。燃料供給装置は、燃料キャップにより封止されるフィラーネックFNと、フィラーネックFNの下部に接続されたフューエルインレットパイプであるパイプP1と、フィラーネックFNの下側部に接続されたブリーザパイプであるパイプP2とを備え、給油ガン(図示省略)から吐出される燃料を燃料タンクへ供給する経路を構成している。パイプP1は、該パイプの一部を扁平にしてパイプ保持具10に回り止めされている。また、パイプP2は、複数の層で形成されており、その外層にカーボンを添加することで導電性を付与した樹脂から形成されることでアース経路の一部を構成している。
【0018】
(2) パイプ保持具10の各部の詳細な構成
図2はパイプP1およびパイプP2を保持したパイプ保持具10を示す斜視図、図3はパイプP1およびパイプP2を保持したパイプ保持具10を示す側面図である。パイプ保持具10は、保持具本体12および取付金具50を備え、パイプP1およびパイプP2を保持し、ボルトBtおよびナットNtにより、車両の下部に配置された車体側部材BM(図3参照)に固定されている。
【0019】
(2)−1 保持具本体12の構成
図4はパイプP1,P2を取り付ける前のパイプ保持具10を示す側面図である。保持具本体12は、クランプ部13と、クランプ部23と、金具取付部30と、車体取付部40とを主要な構成とし、ポリアセタール(POM)などの硬質樹脂から一体に形成されている。クランプ部13は、円弧片14、円弧片15およびストッパ16により、パイプP1を囲みかつ収納するように収納部13Sを形成し、円弧片14と円弧片15との先端の間を、パイプP1を挿入するための挿入開口13Saとしている。ストッパ16は、パイプP1の回り止めをするための部位であり、円弧片14および円弧片15の円弧に対して弦となる平坦面であり、その平坦面に形成された軸方向の複数の筋状の溝により、パイプP1を回り止めしている。円弧片14および円弧片15の挿入開口13Sa側の端部には、押圧突部14a,15aがそれぞれ形成されており、パイプP1の外層を押圧することでパイプP1の抜止め力を高めている。また、円弧片14の一端部には、弾性折曲片14bが延設されている。弾性折曲片14bは、円弧片14の端部から片持ちで断面コ字形に形成されている。
【0020】
クランプ部23は、円弧片25および円弧片25により、パイプP2を囲みかつ収納するように収納部23Sを形成し、円弧片24と円弧片25との先端の間を、パイプP2を挿入するための挿入開口23Saとしている。円弧片24および円弧片25の挿入開口23Sa側の内端には、押圧突部24a,25aが形成されており、パイプP2の外層を押圧することでパイプP2の抜止め力を高めている。
【0021】
金具取付部30は、取付金具50を保持具本体12の外側下部に装着するための部位であり、被係合部31と、位置決め突起32と、位置決め片33とを備えている。被係合部31は、保持具本体12の端部から突設された押圧片31aと、押圧片31aに突設された係合突起31bとを備えている。押圧片31aは、弾性折曲片14bに対して挿入間隙31cを隔てて配置され、取付金具50の端部を挿入し、押圧片31aと弾性折曲片14bで挟持するとともに係合突起31bに係合することにより、取付金具50の一端部を保持するように形成されている。また、位置決め突起32および位置決め片33は、取付金具50が装着される保持具本体12の外側下部に沿って形成されている。なお、金具取付部30と取付金具50との係合構造については後述する。
【0022】
車体取付部40は、車体側部材BMに固定するとともにクランプ部13およびクランプ部23を連結する基部であり、取付基板41と、取付基板41から突設された仮止部材42と、取付基板41の一端に突設された弾性係止片43とを備えている。仮止部材42は、いわゆるスナップフィットで構成されており、車体側部材BMの取付穴BMaに挿入されることで、保持具本体12を車体側部材BMに仮止めする係合部である。弾性係止片43は、取付基板41の端部から突設されており、車体側部材BMに押されて弾性変形することで、車体側部材BMに対する保持力を高める片持ち片である。
【0023】
(2)−2 取付金具50
取付金具50は、保持具本体12の金具取付部30に装着されることで、保持具本体12とともにパイプP1,P2を保持するとともに、車体側部材BMに固定するための部材であり、金具本体51、金具側係合部52、金具固定部53とを備えており、金属製の薄板のプレス成形により、曲げ加工、穴加工を施すことで製造することができる。金具本体51は、挿入開口13Saから露出したパイプP1を覆うとともに、挿入開口23Saから露出したパイプP2の部分に接触する部位である。金具本体51には、突条51aが長手方向に形成されている。突条51aは、取付金具50の機械的強度を増すとともに、パイプP2の外層を押して、その接触面積のバラツキを低減することで、アース経路の接続性を高めている。金具側係合部52は、取付金具50の一端部に形成され、係合穴52aを有しており、被係合部31の挿入間隙31cに挿入されることで、押圧片31aと弾性折曲片14bとにより挟持されるとともに係合突起31bに係合した状態にて保持具本体12に固定される。金具固定部53は、取付金具50の他端部に形成されており、ボルト穴53aを有し、ボルト穴53aにボルトBtを挿入してナットNtの締結により車体側部材BMに固定される。また、取付金具50には、位置決め突起32および位置決め片33を挿入して位置決めする係合穴54および係合穴55が形成されている。
【0024】
(3) パイプP1,P2の保持作業
次に、図5ないし図9を用いて、パイプP1およびパイプP2をパイプ保持具10を介して車体側部材BMに保持する作業について説明する。まず、図5に示すように、クランプ部13の挿入開口13SaからパイプP1を挿入して、クランプ部13によりパイプP1を保持する。このとき、パイプP1の平坦部P1bをストッパ16に位置合わせする。また、クランプ部23の挿入開口23SaからパイプP2を挿入し、クランプ部23によりパイプP2を保持する。
【0025】
続いて、図6に示すように、取付金具50の一端部である金具側係合部52を、金具取付部30の被係合部31の挿入間隙31cに挿入して、押圧片31aおよび弾性折曲片14bで挟持するとともに係合穴52aを係合突起31bに係合する。そして、取付金具50を保持具本体12の下側部に沿わせながら、係合穴54を位置決め突起32に、係合穴55を位置決め片33にそれぞれ位置合わせして挿入することで、取付金具50を保持具本体12の下側部に装着する。これにより、挿入開口13Sa,23Saが取付金具50により塞がれ、パイプP1,P2が取付金具50に接触した状態にてパイプ保持具10に保持される。このとき、図7および図8に示すように、取付金具50の金具側係合部52を挿入間隙31cに挿入して係合穴52aを係合突起31bに係合すると、金具側係合部52が被係合部31の弾性折曲片14bを押し、弾性折曲片14bがパイプP1を押圧する。弾性折曲片14bは、断面コ字形でスプリング構造を有するから、パイプP1へ保持力を加える。
【0026】
次に、パイプ保持具10を車体側部材BMに固定する。すなわち、図9に示すように、保持具本体12の仮止部材42を車体側部材BMの取付穴BMaに挿入・係合することにより、パイプ保持具10を車体側部材BMに仮止めする。続いて、金具固定部53のボルト穴53a、車体側部材BMの取付穴BMbを通じて、ボルトBtおよびナットNtでパイプ保持具10を車体側部材BMに締結する。これにより、パイプP1がパイプ保持具10を介して車体側部材BMに固定される。
【0027】
パイプP2は、パイプP1とともにパイプ保持具10により車体側部材BMに固定されると、金属製のフィラーネックFN(図1)、パイプP2の導電性の外層、取付金具50、ボルトBtを介して車体側部材BMへのアース経路が構成され、つまり、使用者に帯電した静電気を、金属製のフィラーネックFNから車体側部材BMへ導く経路が構成される。
【0028】
(4) パイプ保持具10の作用・効果
上記パイプ保持具10によれば、以下の作用・効果を奏することができる。
【0029】
(4)−1 図3において、保持具本体12のクランプ部13,23にパイプP1,P2をそれぞれ保持し、取付金具50の金具側係合部52を被係合部31に係合するとともに、係合穴54および係合穴55を位置決め突起32および位置決め片33にそれぞれ係合することで、取付金具50でパイプP1を仮止めし、その後、仮止部材42で車体側部材BMに係合させ、金具固定部53でボルトBtを介して車体側部材BMに締結することにより、パイプ保持具10を介してパイプP1を車体側部材BMに簡単に支持することができる。
【0030】
(4)−2 図3、図7および図8に示すように、保持具本体12は、取付金具50の端部で押されて弾性変形した被係合部31により、パイプP1を大きな力で保持することができる。すなわち、取付金具50の金具側係合部52を挿入間隙31cに挿入して係合穴52aを係合突起31bに係合し、取付金具50をボルトBt(図3)で車体側部材BMに取り付けると、金具側係合部52がクランプ部13の弾性折曲片14bを押し、弾性折曲片14bがパイプP1を押圧する。弾性折曲片14bは、断面コ字形でスプリング構造を有するから、パイプP1へ保持力を加える。このとき、樹脂製の弾性折曲片14bは、金属製の高い剛性の金具側係合部52に当たってバックアップされて、金具側係合部52側への弾性変形が規制されるから、パイプP1側へ大きく弾性変形して、パイプP1に対して大きな押圧力を生じ、パイプP1のガタツキを低減できる。
【0031】
(4)−3 パイプ保持具10は、取付金具50を金属で、保持具本体12を樹脂で形成する組み合わせを採用している。このような組み合わせにおいて、パイプP1を直接保持する保持具本体12を小さな寸法誤差で形成することが容易な樹脂により形成することでパイプP1の確実な保持力を得ることができ、一方、パイプP1を弾性折曲片14bを介して間接的に押圧力を加える取付金具50を、公差寸法が大きくなりやすいけれども剛性の大きい金属で形成することで、パイプP1への保持力の増大を実現できる。
【0032】
(4)−4 パイプ保持具10は、保持具本体12で保持したパイプP1およびパイプP2の自重を、剛性の大きい金属製の取付金具50で受けているので、パイプP1,P2を堅固に保持することができ、パイプP1,P2が燃料膨潤しても、パイプP1,P2のズレや脱落を防止することができる。
【0033】
(4)−5 図3に示すようにクランプ部13のストッパ16は、円弧片14および円弧片15との間に平坦面で形成され、パイプP1の平坦部P1bに嵌合してパイプP1を回り止めする構成をとっているので、クランプ部13の一部の形状を変更するだけで、パイプP1の回り止めの機構を簡単に構成することができる。
【0034】
(4)−6 クランプ部13は、パイプP1を、円弧片14の押圧突部14a、円弧片15の押圧突部15aおよびストッパ16の3点で支持しているから、円弧片14および円弧片15の樹脂成形による寸法公差の許容値を大きくし、製造および組付作業を容易にしている。
【0035】
(4)−7 取付金具50は、パイプP2を押さえるように保持具本体12に装着され、ボルトBtで車体側部材BMに固定されたときに、導電材料から形成されたパイプP2の外層に接触して、アース経路の一部を構成するから、アース経路を簡単な構成で実現でき、その作業も容易である。
【0036】
なお、この発明は上記実施例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
上記実施例にかかる被係合部31を構成する係合突起31bは、押圧片31aに形成したが、これに限らず取付金具50の金具側係合部52を係合することができる構成であれば、押圧片31aと対向する保持具本体12側に設けてもよい。
上記実施例では、自動車の燃料供給装置に適用したが、これに限らず、冷却水系のホースなどを固定するためのパイプ保持具にも適用することができる。
【符号の説明】
【0037】
10…パイプ保持具
12…保持具本体
13,23…クランプ部
13S…収納部
13Sa,23Sa…挿入開口
14…円弧片
14a,15a…押圧突部
14b…弾性折曲片
15…円弧片
16…ストッパ
23S…収納部
24…円弧片
24a,25a…押圧突部
25…円弧片
30…金具取付部
31…被係合部
31a…押圧片
31b…係合突起
31c…挿入間隙
32…位置決め突起
33…位置決め片
40…車体取付部
41…取付基板
42…仮止部材
43…弾性係止片
50…取付金具
51…金具本体
51a…突条
52…金具側係合部
52a…係合穴
53…金具固定部
53a…ボルト穴
54…係合穴
55…係合穴
BM…車体側部材
BMa…取付穴
BMb…取付穴
Bt…ボルト
FN…フィラーネック
Nt…ナット
P1,P2…パイプ
P1b…平坦部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パイプを保持する保持具本体(12)と、該保持具本体(12)に装着されパイプを支持する取付金具(50)とを備え、車体側部材(BM)に固定するためのパイプ保持具であって、
上記保持具本体(12)は、樹脂から形成され、上記パイプを挿入するための挿入開口(13Sa)を有し該パイプの一部を囲んで該パイプを保持する円弧片(14)を有するクランプ部(13)と、該クランプ部(13)の側端部に形成され上記取付金具(50)の一端部を保持する被係合部(31)とを備え、
上記取付金具(50)は、金属から形成された薄板であり、上記挿入開口(13Sa)から露出している上記パイプの一部を覆う金具本体(51)と、該金具本体(51)の一端部に形成され上記被係合部(31)に係合する金具側係合部(52)と、上記金具本体(51)の他端部に形成され上記車体側部材(BM)に固定するための金具固定部(53)とを備え、
上記クランプ部(13)は、上記円弧片(14)に一体に形成され、上記金具側係合部(52)が上記被係合部(31)に係合したときに、上記金具側係合部(52)に押されることで、上記挿入開口(13Sa)を狭めるように上記円弧片(14)を弾性変形させて上記パイプを押圧する弾性折曲片(14b)を有すること、
を特徴とするパイプ保持具。
【請求項2】
請求項1に記載のパイプ保持具において、
上記被係合部(31)は、上記弾性折曲片(14b)に挿入間隙(31c)を隔てて対向配置された押圧片(31a)と、該押圧片(31a)に形成され、上記金具側係合部(52)に係合する係合突起(31b)を有するパイプ保持具。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のパイプ保持具において、
上記円弧片(14)は、上記挿入開口(13Sa)に臨んだ端部から突出することで上記パイプを押圧する押圧突部(14a)を備えているパイプ保持具。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のパイプ保持具において、
上記保持具本体(12)は、導電性樹脂を外層に有する他のパイプを保持するクランプ部(23)を有し、該クランプ部(23)に保持されたパイプは、上記取付金具(50)を通じて上記車体側部材(BM)に接続されるアース経路を構成しているパイプ保持具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−133003(P2011−133003A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−291902(P2009−291902)
【出願日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【出願人】(000241463)豊田合成株式会社 (3,467)
【出願人】(598059675)株式会社ヴイテック (14)
【Fターム(参考)】