説明

ヒッププロテクター

【課題】履き心地が良くて衝撃吸収能力の高いヒッププロテクターを提供する。
【解決手段】ポリプロピレンからなる円筒状のセル12の集合体であるハニカム要素11を作成する。三角形のハニカム要素11を多数並べて所望の形とし、ポリプロピレンからなる不織布15に端部を溶着してヒッププロテクター10とする。転倒時には、ハニカム要素11の円筒状のセル12の破壊により緩衝する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高齢者が転倒したときに大腿骨頸部骨折や脊椎圧迫骨折をするのを防止するヒッププロテクターに関する。
【背景技術】
【0002】
高齢者の骨折は、屋内屋外で発生する転倒事故で生ずることが多い。高齢者の転倒骨折は入院の長期化や寝たきりの要因となる。大腿骨頸部骨折に関する調査報告によると屋内での骨折が2/3を占め、立った高さからの転倒が70%であった。ヒッププロテクターを着用することにより骨折発生率が1/2以下に低下することが報告されている。
【0003】
従来、ヒッププロテクターには2つの方式があった。一つはポリプロピレン等の比較的硬い材質で作られた概略皿形状のもので、一点に加わった外力を皿の端に拡散させて外力を吸収しようとするものである(特表平9−508824号公報)。もう一つはゴム、発泡樹脂等の弾性材でパッドとしたもので、パッドの弾性的変形により衝撃を吸収しようとするものである(特開2003−3004号公報)。また、パッドを小さい部屋に分画し小部屋に空気やシリコーンゲル等を収容して衝撃を吸収するものもある。
【0004】
【特許文献1】特表平9−508824号公報
【特許文献2】特開2003−3004号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、皿形状のものは、一般的にかさばり高齢者が使いづらい。また、ヒッププロテクターを解剖学的に体の正しい位置に当てていないと効果がない。たとえば、大腿骨骨折の予防については、装着者の姿勢にかかわらず大転子部を覆うように位置決めして腰に当てていないと効果がない。このため特別の装着具が必要である。さらに、硬質皿形状のヒッププロテクターはそれ自体には通気性がなく、ヒッププロテクターで覆った部分が蒸れてしまう。このため、特許文献1のヒッププロテクターでは正面に5つの開口6を設け通気を図っている。パッド状のものは、十分な衝撃吸収力を得るために衝撃吸収材の厚さ寸法が大きく装着時に不格好になりやすいという問題点があった。また、パッド状のものは、一般に重たいという問題点、通気性に欠けるという問題点があった。特許文献2のヒッププロテクターでは衝撃吸収材の通気性の改善を図っている。
【0006】
いずれにしても、ヒッププロテクターは予防的に常時装着しているものだから、装着が面倒だったり履き心地(快適性)が良くなかったりすると着用コンプライアンスが低下し、結局役に立たないものになる。つまり、ヒッププロテクターには衝撃吸収率の高さと、透湿性の良さ、軽さといった履き心地の良さとの相反する2面が求められる。本発明は上記の課題を解決するためなされたものであり、軽く薄く透湿性が良いという履き心地の良さと、衝撃吸収率の高さとを兼ね備えるヒッププロテクターを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するため、本発明の第1の態様では、ハニカム構造体からなる板状部材であってセルの軸線方向が厚さ方向を向いているハニカム要素を敷き詰めて構成されたヒッププロテクターが提供される。
【0008】
このように構成すると、ヒッププロテクターの装着者が転倒するとハニカム構造体のセルの軸線方向に強いパルス的な衝撃力が作用する。この衝撃力によりハニカム構造体がつぶされ、そのつぶされるセルの破壊により衝撃力を大きく吸収する。転倒によりつぶされたハニカム要素は新品と交換して使用する。部材のつぶれによる衝撃吸収であるからハニカム構造体の厚さ(高さ)は薄くても十分に衝撃を吸収する。通常の装着時には、ハニカム構造であるから軽く、薄くまた、開口率も大きく通気性がよい。したがって、軽くて薄くて蒸れることがないので、履き心地が良く着用コンプライアンスが向上する。それ故、衝撃吸収率の高さと履き心地の良さが両立するという効果を奏する。
【0009】
ここで、発明の第2の態様として、前記ハニカム要素が、円筒形状のセルを並べて構成されたことを特徴とすることができる。
円筒形状のセルであるから六角形のセルのように隣接するセルが壁面を共有することにならないので、厳密にはハニカム構造とは言えないかもしれないが、多数のセルが隣接して並べられた構造には違いないので、ここではハニカム構造の一種として扱う。
このように円筒形状のセルとすると、転倒時に掛かる衝撃力の方向によってセルの壁面のつぶれ方が変動しないので、つぶれる特性に方向性がなく、安定した衝撃力吸収ができる。たとえば、六角形のセルであれば六角形の一つの壁面に平行な方向の衝撃力に対しては強い抵抗力を示すが、壁面に垂直な方向の衝撃力に対しては比較的弱い力で壊れる。このように六角形のセルでは、衝撃吸収率に方向性が出てしまう。円筒形状のセルであれば衝撃吸収率に方向性が出ないので綺麗に壊れてくれるという効果を奏する。
【0010】
発明の第3の態様として、前記ハニカム要素が、略正三角形の形状に形成されていることを特徴とすることができる。
緩衝モジュールとも言えるハニカム要素を略正三角形にすることにより、ハニカム要素を敷き詰めて構成されるヒッププロテクターの形状の自由度が大きくなり、装着者及び装着部により適した形状のヒッププロテクターを作るのが容易になる。このため、標準のハニカム要素をあらかじめ作っておけば、これを組み合わせて種々の大きさ形状のヒッププロテクターを短時間に作成することができる。すなわち、ハニカム要素を略正三角形とすることにより、ヒッププロテクターのデザインの幅が広がるという効果を奏する。
【0011】
発明の第4の態様として、前記ハニカム要素のセルが、ポリプロピレン等の硬質プラスチックで構成されていることを特徴とすることができる。
ポリプロピレン等の硬質プラスチックで構成すると、肉厚を適切に設計することにより適度な強度と破壊特性を持ったハニカム要素を安価に提供することができるという効果を奏する。
【0012】
発明の第5の態様として、前記円筒形状のセルからなるハニカム要素の両面の内、肌に接する側の面に不撚布が貼られ、他方の面は開放されていることを特徴とすることができる。
このように形成すると、凸形状を持つ肌面にハニカム要素を密着させようとしたとき、不撚布が肌の曲面に沿い隣接するセルの基端側が密接したままでセルの先端側が離れるようになり、ハニカム要素を肌の曲面に密着させることができるという効果がある。ハニカム要素が肌の曲面に密着することができるので、衝撃緩衝力が強くなると共に履き心地が良くなる。また、不織布を使用しているので通気性、透湿性は十分にある。円筒形状のセルを並べたハニカム要素の両面が板等で閉じられているものでは、ハニカム要素が剛性のある一体の板として作用するので、一つのハニカム要素の全体を肌の曲面に密着させることはできない(実際には肌が変形して密着する。)。
【0013】
発明の第6の態様として、前記円筒形状のセルが、大径の円筒の中に小径の円筒を挿入した2重円筒構造に構成されていることを特徴とすることができる。
このように構成すると、小径の円筒も緩衝機能を持つ構造部品として大径の円筒と同様に作用し大径の円筒から小径の円筒へと順次破壊していくから、転倒時に破壊される単位面積あたりの構造物(大径及び小径の円筒)が多くなり、それだけ緩衝機能が向上する。
【0014】
発明の第7の態様として、前記円筒形状のセルが、大径の円筒の中に小径の円筒を挿入した2重円筒構造に構成され、大径の円筒と小径の円筒とは色が異なるようにしたことを特徴とすることができる。
このように形成すると、前記ハニカム要素の色彩が、正常時は大径の円筒の色が支配的となり、転倒等によりハニカム要素がつぶれると小径の円筒の色が支配的になる。したがって、ハニカム要素がつぶれているか否かを容易に判別できるという効果がある。好ましくは、小径の円筒の色を赤色とし、大径の円筒の色を白色とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明のヒッププロテクターは、ハニカム構造体をクラッシュすることにより衝撃を吸収するものであるから、衝撃吸収率の高さと、軽く薄く通気性が良いという履き心地の良さが両立するという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1は、ヒッププロテクター2,5の概要を示す斜視図である。人体1の臀部に2種類のヒッププロテクター2,5が装着されている。大腿骨頸部骨折をプロテクトするヒッププロテクター2は両脚の大転子部を広く覆う。ヒッププロテクター2はポリプロピレンで形成されたハニカム構造体3と布製の袋4からなる。ハニカム構造体3は、板状部材であってセルの軸線方向が厚さ方向を向いている1段のハニカム要素(モジュール)を敷き詰めて構成される。脊椎圧迫骨折をプロテクトするヒッププロテクター5は脊椎下端付近を広く覆う。ヒッププロテクター5はポリプロピレンで形成されたハニカム構造体6と布製の袋7からなる。ヒッププロテクター5は、形状が違うのみで構造は大腿骨頸部骨折ヒッププロテクター2と同じである。
【0017】
図2は、円筒形状のセル12からなるハニカム構造体を有するヒッププロテクター10を示す説明図である。人体1に着せられるパンツ8に大腿骨頸部骨折を予防するヒッププロテクター10が装着されている。装着は、パンツ8に縫いつけられた図示しない袋(ポケット)にヒッププロテクター10を収納することにより行う。ヒッププロテクター10はパンツ8の着用が多少ずれても大転子部をカバーできるように大きめに作られている。ヒッププロテクター10は、略正三角形の形状をした総数22個のハニカム要素(モジュール)11を敷き詰めて、略平行四辺形に構成されている。各ハニカム要素11は10個の円筒形状のセル12からなる。多数のハニカム要素11は不織布15に接着される。ハニカム要素11及び不織布15は共にポリプロピレンで形成されている。
【0018】
図3は、緩衝モジュールとも言えるハニカム要素11を示す平面図及び断面図である。ハニカム要素11は熱可塑性樹脂であるポリプロピレンを射出成形して形成される。円筒形状の各セル12の直径は6mm、高さは6.5mm、厚さ0.3mmである。各セル12を連結する底部の連結部13の厚さは0.3mmとした。したがって、各セル12のつぶれることが可能な高さ(クラッシャブルゾーン)は6.2mmである。
【0019】
図4は、ハニカム要素11を不織布15に接着しヒッププロテクター10を作成する過程を示す斜視図である。不織布15としてはポリプロピレンからなる目の粗い不織布を用いた。不織布15の上に10個のセル12からなるハニカム要素11を置き、熱溶着する。両者ともポリプロピレンなので熱溶着が可能である。各セル12の中に直径5mm、高さ6.5mm、厚さ0.3mmのポリプロピレンからなる小径の円筒16を挿入し、下端を不織布15に熱溶着する。したがって、セル12は、大径(6mm)の円筒17の中に小径(5mm)の円筒16を挿入した2重円筒構造に構成される。以後、2重円筒構造のものは小径の円筒16も含めセル12と呼ぶことにする。2重円筒構造とすると、転倒時に外側の大径の円筒17から順次小径の円筒16が破壊していくせいか、緩衝機能が向上する。
【0020】
ここで、大径の円筒17には白色に着色されたポリプロピレンが使用され、小径の円筒16には赤色に着色されたポリプロピレンを使用する。このように、大径の円筒17と小径の円筒16とを異なった色とすることにより、正常時は大径の円筒17の色(白色)が支配的になる。ハニカム要素11がつぶれると小径の円筒16の色(赤色)が顕著になる。したがって、装着者が転倒等をしたときはヒッププロテクター10をパンツ8の袋から取り出し、赤色の部分が出ていないか目視により点検する。点検の結果、赤色の模様が現れていればハニカム要素11が衝撃を吸収してつぶれたと判断し、ポリプロピレンからなるヒッププロテクター10を新しいものと交換する。
【0021】
図5は、肌への密着性を説明する側面図である。図5(A)は一つ一つのハニカム要素(モジュール)21がリジッドな場合で、隣接するハニカム要素21間は不織布により屈曲可能に連結されている。この場合、ヒッププロテクター20はハニカム要素21の連結線のみで屈曲可能である。図に示すように、曲面の肌面22にヒッププロテクター20を当てると、ハニカム要素21はリジッドであるので曲面に沿うことができず、ハニカム要素21の連結線の部分で屈曲してハニカム要素21は部分的に肌面22に接する。このため、ヒッププロテクター20の履き心地が悪くなる。
【0022】
これに対して図5(B)のヒッププロテクター10では、ハニカム要素11の両面の内、肌面22に接する側の面にのみ不織布15が貼られ、他方の面は開放されセル12の先端は自由な状態にされている。図に示すように、曲面の肌面22にヒッププロテクター10を当てると、不織布15は自由に曲がるから肌面22の曲面に密着し、隣接するセル12の基端側が密接したままでセル12の先端側が広がって離れるようになる。このようにして、ハニカム要素11が肌面22の凸曲面に密着することができるので、ヒッププロテクター10の履き心地が良くなる。
【0023】
図6は、略正三角形の形状のハニカム要素11を用いて作られる様々な形状のヒッププロテクターを示す平面図である。図6(A)は6角形のヒッププロテクター25を示し、14個のハニカム要素11により構成されている。図6(B)は平行四辺形のヒッププロテクター10を示し、25個のハニカム要素11により構成されている。図6(C)は略台形のヒッププロテクター26を示し、13個のハニカム要素11により構成されている。このように、種々の形状、大きさのヒッププロテクター10、25、26を一種類のハニカム要素11を組み合わせてポリプロピレンからなる不織布に溶着することにより構成することができる。このため、患者の体型、保護すべき箇所等に応じた最適なヒッププロテクターを作るのが容易になる。
【0024】
図7は、転倒衝撃試験機を示す側面図である。人体ダミー32は身体各部の質量や重心が四肢部の物性値になるように製作された身長150cm、質量50kgのダミーである。床面31に人体ダミー32が立位姿勢で保持される。すなわち、天井フレーム33に固定されたダミー用電磁石34により人体ダミー32の頭部が吸着保持される。人体ダミー32の腰部には転倒時の衝撃を測定する加速度計35が取り付けられている。一方、振り子型の足払い用ロッド36が回転軸37に支承され揺動自在に支持されている。足払い用ロッド36の先端には錘38が取り付けられている。常時には足払い用ロッド36は水平な位置に保たれ、フレーム39に固定されたロッド用電磁石40に吸着して保持されている。錘38の通る軌跡上には、マイクロスイッチ41が設置され錘38の通過を検出するようになっている。ダミー用電磁石34は整流器42を経由してコントローラ43に接続され、マイクロスイッチ41からの信号により作動する。ロッド用電磁石40は整流器44を経由してコントローラ45に接続され、スイッチ46により作動する。人体ダミー32に取り付けられた加速度計35からの信号はセンサインターフェース47を経由してコンピュータ48に送られる。
【0025】
転倒衝撃試験は、人体ダミー32にテストすべきヒッププロテクターを装着し、ダミー用電磁石34で立位姿勢に保持する。一方、錘38が取り付けられた足払い用ロッド36を水平な位置に持ち上げ、ロッド用電磁石40で吸着してその姿勢を保持する。そして、スイッチ46を押すとロッド用電磁石40の励磁が停止され吸着力が消失する。その結果、足払い用ロッド36は自由状態となり落下旋回運動を開始する。落下旋回運動の途中でマイクロスイッチ41を作動させる。マイクロスイッチ41の作動によりダミー用電磁石34の励磁が停止され吸着力が消失する。この結果、人体ダミー32は自由状態になる。その直後に、足払い用ロッド36の先端部と錘38が人体ダミー32の下肢の一方の下腿を払い、人体ダミー32を転倒させる。転倒時の腰部の衝撃を加速度計35で検出しコンピュータ48に記憶する。床面31には、畳面、フローリング、Pタイル等種々のものが考えられるが、ここではコンクリート下地にリノリュームを貼った、比較的条件の厳しい床面31で試験を行った。
【0026】
図8は、転倒衝撃試験の結果を示すグラフ図である。縦軸は衝撃の強さを表す合成加速度(G)、横軸は時間(秒)である。図中でAはヒッププロテクターを装着しない場合を、Bは市販のB社のヒッププロテクターを装着した場合を、Cは市販のC社のヒッププロテクターを装着した場合を、Dは本発明に係る2重円筒構造のハニカム要素からなるヒッププロテクターを装着した場合をそれぞれ示している。B社のものもC社のものもパッドの弾性変形により衝撃を吸収しようとするものであり、C社のものは特許文献2の素材を使用していると推測される。
【0027】
Aのヒッププロテクターなしの場合は、最高加速度が高く、時間幅の小さいきわめて立ち上がりの鋭いパルス状の加速度が発生している。BのB社のヒッププロテクターの場合は、加速度の最高値が若干抑制されている。加速度の最高値の減少率である衝撃吸収率は10.8%であった。CのC社のヒッププロテクターの場合は、加速度の最高値がさらに抑制され、衝撃吸収率は20.5%まで向上している。これに対して、Dの本願発明のヒッププロテクターの場合は、加速度の最高値が大幅に抑制され、衝撃吸収率は38.8%まで向上している。さらに、Dは衝撃波形の立ち上がりがA、B、Cに比べて緩やかになり長い時間を掛けて衝撃を吸収しているのが分かる。このように、本願発明のヒッププロテクターは、素材の弾性変形により衝撃を吸収する従来のものに比べ、衝撃吸収率に優れ、衝撃波形の立ち上がりが緩やかで衝撃緩衝能力に優れていることが分かる。
【0028】
以上説明した本実施の形態のヒッププロテクターは次のような利点を有する。
(1)素材がポリプロピレンなので軽い。
(2)不織布ポリプロピレン15を下地にハニカム要素11を溶着固定しているので、さらに超軽量化が図れる。
(3)ハニカム要素11を構成する円筒16、17が薄肉なので通気性がきわめて良い。
(4)円筒16、17の肉厚の設計により衝撃緩衝力を適切に調整できる。
(5)ハニカム要素11を三角形にしたことにより、プロテクターのデザインの幅が広がった。
(6)一段のハニカム構造なのでヒッププロテクターの厚さが薄い。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】ヒッププロテクターの概要を示す斜視図である。
【図2】円筒形状のセルからなるハニカム構造体を有するヒッププロテクターを示す説明図であり、図2(A)は斜視図、図2(B)は平面図である。
【図3】緩衝モジュールとも言えるハニカム要素を示し、図3(A)は平面図、図3(B)は図3(A)のA−A線断面図である。
【図4】図4は、ハニカム要素を不織布に接着しヒッププロテクターを作成する過程を示す斜視図である。
【図5】肌への密着性を説明する側面図である。
【図6】略正三角形の形状のハニカム要素を用いて作られる様々な形状のヒッププロテクターを示す平面図である。
【図7】転倒衝撃試験機を示す側面図である。
【図8】転倒衝撃試験の結果を示すグラフ図である。
【符号の説明】
【0030】
1 人体
8 パンツ
10 ヒッププロテクター
11 ハニカム要素(緩衝モジュール)
12 セル
15 不織布
16 小径の円筒
17 大径の円筒

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハニカム構造体からなる板状部材であってセルの軸線方向が厚さ方向を向いているハニカム要素を敷き詰めて構成されたヒッププロテクター。
【請求項2】
前記ハニカム要素が、円筒形状のセルを並べて構成されたことを特徴とする請求項1に記載のヒッププロテクター。
【請求項3】
前記ハニカム要素が、略正三角形の形状に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のヒッププロテクター。
【請求項4】
前記ハニカム要素のセルが、ポリプロピレン等の硬質プラスチックで構成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のヒッププロテクター。
【請求項5】
前記円筒形状のセルからなるハニカム要素の両面の内、肌に接する側の面に不撚布が貼られ、他方の面は開放されていることを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載のヒッププロテクター。
【請求項6】
前記円筒形状のセルが、大径の円筒の中に小径の円筒を挿入した2重円筒構造に構成されていることを特徴とする請求項2乃至5のいずれかに記載のヒッププロテクター。
【請求項7】
前記円筒形状のセルが、大径の円筒の中に小径の円筒を挿入した2重円筒構造に構成され、大径の円筒と小径の円筒とは色が異なるようにしたことを特徴とする請求項6に記載のヒッププロテクター。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−111213(P2008−111213A)
【公開日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−296562(P2006−296562)
【出願日】平成18年10月31日(2006.10.31)
【出願人】(504268744)独立行政法人労働者健康福祉機構 (13)
【Fターム(参考)】