説明

ピストン・シリンダユニット

【課題】安定性を向上させ、しかもより安価に製造可能としたブロック可能なピストン・シリンダユニットを得る。
【解決手段】本発明によるピストン・シリンダユニット1は、加圧流体を充填したシリンダ2と、管状のピストンロッド7と、ピストンロッド内に変位可能に配置した操作ロッド16とを備える。ピストン10に設けた収容チャンバ21内には、カム37を設けたカムスリーブ28及び鋸歯状の突部30を有する切り替えリング29を配置し、バルブスライダ17の操作ロッド16側とは逆側の遊端を収容チャンバ21内に突入させ、バルブスライダ17の遊端に設けた少なくとも1個のカム36が、ピストン10をブロック又は解放するためカムスリーブ28のカム37及び切り替えリング29の突部30と協働する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブロック可能としたピストン・シリンダユニットに関する。ピストン・シリンダユニットは、中心軸線を有し、両側の端部を閉鎖して加圧媒体を充填したシリンダであって、シリンダの内壁に対してシール密着するピストンが、変位可能にガイドされると共にシリンダを第1作動空間及び第2作動空間に分割する、該シリンダと、中心軸線に対して同軸状にピストンに配置した管状のピストンロッドであり、第2作動空間及びシリンダの一方の端部を封止するシール・ガイドユニットによりシリンダを経てシリンダから導出した、該ピストンロッドと、ピストンロッド内に変位可能に配置した操作ロッドであり、この操作ロッドの一方の端部を、シリンダから突出する側の前記ピストンロッドの端部から突出させ、操作ロッドの他方の端部により、ピストン内に配置した遮断バルブのバルブスライダが軸線方向に変位するよう負荷を加えることができる、該操作ロッドとを備え、遮断バルブは、第1作動空間及び前記第2作動空間を接続部により互いに接続可能とするものであり、この場合、バルブスライダは、2つの拡径領域間でチャンバにより包囲される縮径領域を有し、チャンバは、接続開口を介して前記第2作動空間に接続し、また、バルブスライダの拡径領域の一方が半径方向に遊びを有して前記第1作動空間におけるバルブ開口内に突入する構成とする。
【背景技術】
【0002】
このようなピストン・シリンダユニットは、例えば特許文献1(独国特許出願102004047449号)に開示され、例えばオフィス用チェアにおける背もたれの調整に利用される。この場合、シリンダ・ピストンユニットに対しては、例えば背もたれを揺動させる要求が存在する。このためには、遮蔽バルブを常開位置に保持可能とする必要がある。
【0003】
特許文献2(独国特許出願公開10353903号)には、このことに対する解決法が開示されている。この場合、ピストンロッドには、ボールペン技術のような係止手段を設け、この係止手段により遮断バルブを常開位置に保持できるようにする。この場合の欠点は、付加的な構成部材を収容できるよう、ピストンロッドにさらなる加工工程が必要となる点にある。さらに、収容した構成部材の耐用期間は、構成部材の大きさが小さくまた相当大きな負荷が加わるため、最適とはいえない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】独国特許出願102004047449号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開10353903号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、安定性を向上させ、しかもより安価に製造可能とした、冒頭に述べたタイプのブロック可能なピストン・シリンダユニットを得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題を解決するため本発明は、ピストンに収容チャンバを設け、この収容チャンバ内には、カムを設けたカムスリーブ、及び鋸歯状の突部を有する切り替えリングを配置し、また、バルブスライダにおける操作ロッド側とは反対側の遊端を収納チャンバ内に突入させ、バルブスライダの遊端に形成した少なくとも1個のカムが、ピストンをブロック又は解放するよう、カムスリーブに設けたカム、及び収容チャンバ内に配置した切り替えリングの突部と共に協働する構成とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によるこの構成によれば、ピストンロッドの複雑な加工が不要になり、また大量生産されているピストンロッドを流用することができる。さらに、関連する個々の構成部材の寸法をより大きくすることができるため、精密に製造することができる。
【0008】
本発明による実施形態において、チャンバは、同軸状に設けた接続開口、環状チャンバ及び収容チャンバを介して第2作動空間に、また半径方向に延在する接続開口を介して第1作動空間に接続する。
【0009】
本発明によれば、取り付けを簡単とするため、環状チャンバから収容チャンバへの移行部に付加的な環状肩部を形成し、この環状肩部に収容チャンバ内に配置したカムスリーブを当接させると共に、カムスリーブの第2作動空間側に切り替えリングを配置する。
【0010】
確実に機能を発揮するため、切り替えリングは、第2作動空間側とは反対側で軸線方向に延びる鋸歯状の突部を有する。この突部は、半径方向内方に突出する構成とする。
【0011】
本発明によれば、カムスリーブ及び切り替えリングは、相対回転不能に配置する。この場合、カムスリーブ内の第2作動空間側に、半径方向内方に中心軸線に対して隆起する隆起部を設け、この隆起部は、切り替えリングに形成する凹所に嵌合する構成とする。
【0012】
有利な実施形態において、カムスリーブ内の切り替えリング側に形成する段差部、及び切り替えリングのカムスリーブに指向する端面の当接面34は、切り替えリングが収納チャンバ内で軸線方向にさらに変位することを防止する手段をなす構成とする。
【0013】
本発明による代替的な実施形態においては、収容チャンバ内に突入するバルブスライダの遊端にカムリングを配置し、このカムリングの半径方向の周面に少なくとも1個、好適には複数個のほぼ三角形状としたカムを形成する。
【0014】
本発明によれば、少なくとも1個の三角形状としたカムは、半径方向内方に突出する2個のカムにより形成したカムスリーブ内の自由空間内に位置する。この場合、カム及び自由空間の個数は同一である。
【0015】
本発明によれば、カムスリーブ及び切り替えリングは、バルブスライダに対して回転可能に配置する。
【0016】
以下、本発明の実施形態を、添付図面に示すと共により詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明によるブロック可能なピストン・シリンダユニットを示す断面図である。
【図2】図1に断面図で示すピストン・シリンダユニットにおけるピストン領域の一部を示し、操作ロッドが非操作状態にあり、また遮断バルブが閉鎖状態にある状況示す部分断面図である。
【図3】図1に断面図で示すピストン・シリンダユニットにおけるピストン領域の一部を示し、操作ロッドを操作した状態にあり、また遮断バルブが開放状態にある状況を示す部分断面図である。
【図4】図1に断面図で示すピストン・シリンダユニットにおけるピストン領域の一部を示し、操作ロッドが非操作状態にあり、また遮断バルブが開放状態にある状況を示す部分断面図である。
【図5】図1に示すピストン・シリンダユニットにおける本発明によるバルブスライダを示す説明図である。
【図6】バルブスライダに協働するカムスリーブを示す斜視図である。
【図7】バルブスライダに協働する切り替えリングを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、ブロック可能なピストン・シリンダユニット1の縦断面を示す。このピストン・シリンダユニット1は、中心軸線Aが延在するシリンダ2を備え、このシリンダ2は、気密に閉鎖した第1端部3を有し、この第1端部3には連結要素4を配置する。第1連結素子4側とは反対側の第2端部5でシリンダ2に、シール・ガイド手段6を配置し、このシール・ガイド手段6により、中心軸線Aに対して同軸状に配置するピストンロッド7をシールし、かつ変位可能に軸線方向外方に導出する。外方に突出するピストンロッド7の端部には、雄ねじ9とした連結部8を形成する。連結素子4及び連結部8により、ピストン・シリンダユニット1は、一方で図示しない静止構造部分、例えばオフィス用チェアの支持体に、また他方で静止構造部分に対して回動可能な回動構造部分、例えばオフィス用チェアの背もたれ(図示せず)に固定することができる。
【0019】
ピストンロッド7の連結部8側とは反対側の端部にはピストン10を配置し、このピストン10には、その半径方向の外周面に環状溝11を設け、この環状溝11にシールリング12を配置する。シールリング12は、その半径方向の外周面によりシリンダ2の内壁13に対して密に当接するため、シリンダ2の内室は、ピストン10により、ピストンロッド側の第1作動空間14と、ピストンロッドから離れた第2作動空間15とに分割される。
【0020】
ピストンロッド7は管状に形成し、その内部に操作ロッド16をガイドする。この操作ロッド16における一方の端部は、ピストンロッド7のシリンダ2から突出する側の端部から突出し、操作ロッド16の他方の端部は、ピストン10領域において操作ロッドと同軸状に配置したバルブスライダ17に当接させる。操作ロッド16は、矢印Pの方向にピストンロッド7内でさらに変位させることができる。
【0021】
図2により詳細に示すように、バルブスライダ17は、シールした状態でピストン10におけるチャンバ18内でガイドされる。チャンバ18は、同軸状に設けた環状チャンバ20における接続開口19及び収納チャンバ21を介して第2作動空間15に、また半径方向に延在する接続開口22を介して第1作動空間14に接続する。
【0022】
接続開口19の領域において、環状チャンバ20は環状肩部23により形成し、この環状チャンバ20には、シールリング24を配置する。シールリング24は、半径方向の外周面により環状チャンバ20のシリンダ壁に対して密に当接すると共に、半径方向の内周面により隣接するバルブスライダ17の円錐領域25に対して密に当接する。このように、バルブスライダ17及びシールリング24は、遮断バルブ26を構成する。
【0023】
環状チャンバ20から収容チャンバ21への移行部においては、別の環状肩部27を形成し、この環状肩部27に対しては収容チャンバ21に配置したカムスリーブ28が当接する。カムスリーブ28の第2作動空間15側には、切り替えリング29を配置する。この切り替えリング29には、第2作動空間15とは逆側において、軸線方向に突出する鋸歯状の突部30を設ける。この突部30は、半径方向内方に突出する。カムスリーブ28及び切り替えリング29は、相対回転不能に配置する。この目的のため、カムスリーブ28内の第2作動空間側に、中心軸線Aに対して半径方向内方に隆起する少なくとも1個の隆起部31(図6に明示する)を設ける。隆起部31は、切り替えリング29に形成した少なくとも1個の凹所32(図7に明示する)に嵌合する。カムスリーブ28内の切り替えリング29側に形成する段差部33、及び(図7に同様に明示する)カムスリーブ28側に対向する切り替えリング29における端面の当接面34は、切り替えリング29が収納チャンバ21内で軸線方向にさらに変位することを防止する手段を構成する。
【0024】
収納チャンバ21に突入するバルブスライダ17の遊端にはカムリング35を配置し、このカムリング35における半径方向の外周面には、少なくとも1個、好適には複数のほぼ三角形状のカム36(図5参照)を形成する。代替案として、カムリング及びバルブスライダは、一体的に形成してもよい(図3参照)。
【0025】
図2は、バルブスライダ17を示し、このとき、操作ロッド16が非操作状態にあり、また遮蔽バルブ26が閉鎖した状態にある状況を示す。この場合、ほぼ三角形状としたカム36は、図6に示すように、半径方向内方に突出する2個のカム37により形成されるカムスリーブ28の自由空間38内に位置する。この場合カム37及び自由空間38の個数は同一である。さらにこの場合、バルブスライダ17の円錐形状とした領域25は、接続開口19をシールするようシールリング24に当接する。すなわち、遮断バルブ26は閉鎖状態にある。
【0026】
操作ロッド16を矢印P方向に操作すると、バルブスライダ17の円錐領域25はシールリング24から離れる(図3参照)。これにより、ピストン10及びピストンロッド7は、中心軸線Aに沿って軸線方向に任意に変位可能となる。同時に、バルブスライダ17に設けたカム36における少なくとも1つの第1カム面39が、切り替えリング29における斜面40(図7に明示する)の1つに当接する。このとき、好適には一体構成としたカムリング及びバルブスライダの場合、バルブスライダ17は、カムスリーブ28及び切り替えリング29に対して回転し、この回転は、バルブスライダ17における少なくとも1個又は複数個のカム36のストッパ面41が、切り替えリング29に形成した突部30のストッパ面42に当接するまで行われる。
【0027】
バルブスライダ17及びカムリング35を個別に形成する場合、カムリング35が単独で、又はバルブスライダ17と共に回転することができる。
【0028】
切り替えリング29がカムスリーブ28と一緒に回転させるよう変更することもできる。この場合の回転運動も、バルブスライダ17におけるカム36の少なくとも1個又は複数個が、切り替えリング29に形成した突部30のストッパ面42に当接するまで行われる。
【0029】
バルブスライダ17におけるカム36、及びカムスリーブ28のカム37は、以下のようにして互いに整列する。すなわち、操作ロッド16を釈放すると、バルブスライダ17がシリンダ2内で優勢な圧力比により矢印Pで示す矢印方向とは逆方向に押圧され、少なくとも1個又は複数個のカム36の第2カム面43が、カムスリーブ28内におけるカム37の斜面44に当接する。この場合、カムスリーブ28及びバルブスライダ17は、少なくとも1個のカム36におけるストッパ面41が、カムスリーブ28のカム37に形成したストッパ面45に当接するまで相対回転することができる(図4参照)。その際、バルブスライダ17の円錐状に形成した領域25は、シールリング24に当接することがない。従って接続開口19は、開放状態に維持されることになる。この状態においては、ピストン10及びピストンロッド7は、中心軸線Aに沿う軸線方向に任意に変位させることができる。
【0030】
接続開口19を閉鎖するためには、操作ロッド16を再び矢印P方向に力を加える必要がある。このとき、バルブスライダ17に設けた少なくとも1個又は複数個のカム36の第1カム面39が、再び切り替えリングの斜面40に当接する。これにより、バルブスライダ17及びカムスリーブ28が、再度相対回転する。その際、バルブスライダ17のカム36、及びカムスリーブ28のカム37は、以下のようにして互いに整列する。すなわち、操作ロッド16を釈放して、バルブスライダ17が再びシリンダ2内の優勢な圧力比により矢印Pで示す矢印方向とは逆方向に押圧されると、バルブスライダ17のカム36が自由空間38内に変位する。これにより、図2に示すように、バルブスライダ17の円錐状に形成した領域25が、再び接続開口19をシールしつつ、シールリング24に当接し、結果的に遮断バルブ26を閉鎖する。この状態においては、ピストン10及びピストンロッド7は、シリンダ2に対してもはや変位することができなくなる。
【符号の説明】
【0031】
1 ピストン・シリンダユニット
2 シリンダ
3 第1端部
4 連結素子
5 第2端部
6 ガイド・シール手段
7 ピストンロッド
8 連結部
9 雄ねじ
10 ピストン
11 環状溝
12 シールリング
13 内壁
14 第1作動空間
15 第2作動空間
16 操作ロッド
17 バルブスライダ
18 チャンバ
19 接続開口
20 環状チャンバ
21 収容チャンバ
22 接続開口
23 環状肩部
24 シールリング
25 円錐状領域
26 遮断バルブ
27 環状肩部
28 カムスリーブ
29 切り替えリング
30 突部
31 隆起部
32 凹所
33 段差部
34 当接面
35 カムリング
36 カム
37 カム
38 自由空間
39 第1カム面
40 斜面
41 ストッパ面
42 ストッパ面
43 第2カム面
44 斜面
45 ストッパ面
A 中心軸線
P 矢印

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブロック可能としたピストン・シリンダユニットであって、
中心軸線を有し、両側の端部を閉鎖して加圧媒体を充填したシリンダであり、前記シリンダの内壁に対してシール密着するピストンが、変位可能にガイドされると共に前記シリンダを第1作動空間及び第2作動空間に分割する、該シリンダと、
前記中心軸線に対して同軸状に前記ピストンに配置した管状のピストンロッドであり、前記第2作動空間及び前記シリンダの一方の端部を封止するシール・ガイドユニットにより前記シリンダから導出した、該ピストンロッドと、
前記ピストンロッド内に変位可能に配置した操作ロッドであり、該操作ロッドの一方の端部を、前記シリンダから突出する側の前記ピストンロッドの端部から突出させ、前記操作ロッドの他方の端部により、前記ピストン内に配置した遮断バルブのバルブスライダが軸線方向に変位するよう負荷を加えることができる、該操作ロッドと
を備え、
前記遮断バルブは、前記第1作動空間及び前記第2作動空間を接続部により互いに接続可能とするものであり、この場合、前記バルブスライダは、2つの拡径領域間でチャンバにより包囲される縮径領域を有し、前記チャンバは、接続開口を介して前記第2作動空間に接続し、また、前記バルブスライダの前記拡径領域の一方が半径方向に遊びを有して前記第1作動空間におけるバルブ開口内に突入する構成とした、ピストン・シリンダユニットにおいて、
前記ピストン(10)に収容チャンバ(21)を設け、前記収容チャンバ(21)内には、カム(37)を設けたカムスリーブ(28)及び鋸歯状の突部(30)を有する切り替えリング(29)を配置し、また、前記バルブスライダ(17)における、前記操作ロッド(16)側とは反対側の遊端を前記収容チャンバ(21)内に突入させ、前記バルブスライダ(17)の前記遊端に形成した少なくとも1個のカム(36)が、前記ピストン(10)をブロック又は解放するよう、前記カムスリーブ(28)の前記カム(37)、及び前記収容チャンバ(21)内に配置した前記切り替えリング(29)の前記突部(30)と協働する構成とした、ことを特徴とするピストン・シリンダユニット。
【請求項2】
請求項1記載のピストン・シリンダユニットにおいて、前記チャンバ(18)は、同軸状の接続開口(19)、環状チャンバ(20)及び収容チャンバ(21)を介して前記第2作動空間(15)に、また半径方向に延在する接続開口(22)を介して前記第1作動空間(14)に接続したことを特徴とするピストン・シリンダユニット。
【請求項3】
請求項1又は2記載のピストン・シリンダユニットにおいて、前記環状チャンバ(20)から前記収容チャンバ(21)への移行部に付加的な環状肩部(27)を形成し、該環状肩部(27)には、前記収容チャンバ(21)内に配置した前記カムスリーブ(28)が当接し、さらに、前記カムスリーブ(28)の前記第2作動空間(15)側に前記切り替えリング(29)を配置したことを特徴とするピストン・シリンダユニット。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項記載のピストン・シリンダユニットにおいて、前記切り替えリング(29)は、前記第2作動空間(15)側とは反対側で、軸線方向に延びる鋸歯状の前記突部(30)を有し、前記突部(30)は、半径方向内方に突出する構成としたことを特徴とするピストン・シリンダユニット。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項記載のピストン・シリンダユニットにおいて、前記カムスリーブ(28)及び前記切り替えリング(29)は相対回転不能に配置し、この場合、前記カムスリーブ(28)内の前記第2作動空間(15)側に、前記軸線方向(A)に対して半径方向内方に隆起する少なくとも1個の隆起部(31)を設け、該隆起部(31)は、前記切り替えリング(29)に形成した凹所(32)に嵌合する構成としたことを特徴とするピストン・シリンダユニット。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項記載のピストン・シリンダユニットにおいて、前記カムスリーブ(28)内の前記切り替えリング(29)側に形成した段差部(33)、及び前記切り替えリング(29)の前記カムスリーブ(28)に指向する端面の当接面(44)は、前記切り替えリング(29)が前記収納チャンバ(21)内で軸線方向にさらに変位することを防止する手段をなす構成としたことを特徴とするピストン・シリンダユニット。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項記載のピストン・シリンダユニットにおいて、前記収容チャンバ(21)内に突入する前記バルブスライダ(17)の遊端にカムリング(35)を配置し、該カムリング(35)における半径方向の周面に少なくとも1個、好適には複数個の略三角形状とした前記カム(36)を配置したことを特徴とするピストン・シリンダユニット。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項記載のピストン・シリンダユニットにおいて、三角形状とした少なくとも1個の前記カム(36)は、半径方向内方に突出する2個の前記カム(37)により形成した前記カムスリーブ(28)の自由空間(38)内に位置し、この場合、前記カム(37)及び前記自由空間(38)の個数が同一であることを特徴とするピストン・シリンダユニット。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一項記載のピストン・シリンダユニットにおいて、前記カムスリーブ(28)及び前記切り替えリング(29)を、前記バルブスライダ(17)に対して回転可能に配置したことを特徴とするピストン・シリンダユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−220028(P2012−220028A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−85132(P2012−85132)
【出願日】平成24年4月4日(2012.4.4)
【出願人】(503219640)シュタビルス ゲーエムベーハー (23)
【氏名又は名称原語表記】STABILUS GMBH
【Fターム(参考)】