説明

ピリドン基含有(メタ)アクリレートおよびその用途

【目的】光照射によってラジカルを発生させると共に、カチオンである酸を発生させることができる官能基を分子内に持ち、かつ単独ないし各種ビニルモノマーとの共重合も可能なピリドン基含有(メタ)アクリレート、これを用いたピリドン基含有ポリマー、これらを利用した、優れた硬化性で、かつ未反応分残存や着色を抑えて光重合させることができる光重合開始剤、及びこれを含む光硬化性組成物、及び硬化物を提供すること。
【解決手段】本発明のピリドン基含有(メタ)アクリレートは、式(1)で表され、光重合開始剤、光硬化性組成物として利用できる。
【化1】


(R1:H、CH3、R2:−(CH2)n−、n:1〜4)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗膜やインクなどに利用される新規なピリドン基含有(メタ)アクリレートおよびそのポリマー、さらには、分子内に光重合開始基と重合性基を併せ持つモノマー型光重合開始剤、ポリマー型光重合開始剤およびそれらを含有してなる光硬化性組成物、並びに該組成物を光硬化させた硬化物に関する。
【背景技術】
【0002】
紫外線等による光硬化法は、加熱に比べ低温で重合を開始させて行うことができるため、複雑な形状や精度が要求されるポリマー形成には有効な方法であり、塗料、印刷、プリント基板材等に広く用いられている。光硬化法においては、紫外線等の光照射により、ラジカルやカチオンを発生させて重合を開始する光重合開始剤が使用されている。
ラジカルを発生させてビニルモノマー類を重合させることができる光重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン類、ベンゾインエーテル類、置換アセトフェノン類、チオキサントン類、有機過酸化物が知られている。しかし、これらの光重合開始剤は、未反応物の残存による変性や硬化物表面への析出が生ずるという問題があった。
一方、カチオンを発生させてエポキシ基やビニルエーテル基を有するモノマーを重合させることができる光重合開始剤としては、例えば、トリアリールスルホニウム塩類、ジアリールヨードニウム塩類、チオキサントン誘導体が知られている。しかし、これらの光重合開始剤は、ラジカル重合に比べて硬化速度が遅いこと、未反応物の残存による変性、重合後の着色という課題がある。加えて、重合にフッ素を含有する化合物が使用されるため、周辺設備への腐食の問題、並びに環境や動物への安全性に問題があった。
【0003】
これらの問題を解決する技術として、例えば、特許文献1〜3、非特許文献1において、分子内にビニル基を有するラジカル重合開始剤が提案されている。また特許文献4や、非特許文献1において、光重合開始基を有するポリマー型のラジカル重合開始剤も提案されている。
これらは、ラジカル重合基と光ラジカル開始機能とを有するモノマー又はポリマーであって、カチオン重合を行うエポキシ基やビニルエーテル基を有するモノマーを重合させることはできない。
特許文献5には、ラジカル重合開始剤を併用することなく硬化速度に優れたカチオン重合開始剤が提案されている。しかし、この開始剤は、スルホニウム塩類を含むため、重合後の着色や、周辺設備への腐食の問題、更には環境や動物への安全性を解決するものではない。
特許文献6には、ネガ型感放射線混合物に用いる化合物として、光照射により酸を発生させることができ、安全性の高いピリドン誘導体が開示されている。しかし、この化合物は、ラジカルの開始能やラジカル重合性を有していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭62−81345号公報
【特許文献2】特開平2−270844号公報
【特許文献3】特開平10−330317号公報
【特許文献4】特公平2−36582号公報
【特許文献5】特開2001−288205号公報
【特許文献6】特開平5−204155号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Ind. Eng. Chem. Vol. 44,No. 23,2005
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、光照射によってラジカルを発生させると共に、カチオンである酸を発生させることができる官能基を分子内に持ち、かつ単独ないし各種ビニルモノマーとの共重合も可能なピリドン基含有(メタ)アクリレート、これを用いたピリドン基含有ポリマーを提供することにある。
本発明の別の課題は、ラジカル重合性化合物及び/又はカチオン重合性化合物を、優れた硬化性で、かつ未反応分残存や着色を抑えて光重合させることができるモノマー型又はポリマー型の光重合開始剤、及びこれを含み、あらゆる形態に対応して光硬化させることが可能な光硬化性組成物を提供することにある。
本発明の他の課題は、硬度及び基材への密着性に優れ、変性や、周辺環境への腐食が抑制され、安全性にも優れた、光硬化により得られた硬化物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、式(1)で表されるピリドン基含有(メタ)アクリレート(以下、本発明の化合物(1)と略すことがある)が提供される。
【化1】

(式中、R1は水素原子またはメチル基を表し、R2は−(CH2)n−で示される基を示す。ここで、nは1〜4の整数である。)
また本発明によれば、本発明の化合物(1)を含むモノマー組成物を重合させた、重量平均分子量が1000以上1000000以下のピリドン基含有ポリマー(以下、本発明のポリマー(1)と略すことがある)が提供される。
更に本発明によれば、本発明の化合物(1)又は本発明のポリマー(1)を含む光重合開始剤が提供される。
更にまた本発明によれば、上記光重合開始剤と、ラジカル重合性化合物及び/又はカチオン重合性化合物とを含む光硬化性組成物が提供される。
また本発明によれば、上記光硬化性組成物を光硬化させて得た硬化物が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明の化合物(1)及びポリマー(1)は、光照射によって、ラジカル及び、カチオンである酸を発生させうる官能基を分子内に有し、かつ単独ないし各種ビニルモノマーとの共重合も可能であるので、あらゆる重合法に対応する光重合開始剤として有用である。
本発明の光重合開始剤は、本発明の化合物(1)又はポリマー(1)を含むので、ラジカル重合性化合物及び/又はカチオン重合性化合物を、優れた硬化性で、かつ未反応分残存や着色を抑えて光重合させることができる。このようなモノマー型又はポリマー型の光重合開始剤を含む本発明の光硬化性組成物は、光硬化により、硬度及び基材への密着性に優れ、変性や、周辺環境への腐食が抑制され、更に安全性にも優れる硬化物が得られるので、例えば、各種コーティング剤、塗料、インク等への利用が期待できる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下本発明を詳細に説明する。
本発明の化合物(1)は、上記式(1)で表されるピリドン基含有(メタ)アクリレートであって、分子内に光照射によりラジカル或いはカチオンを発生させるピリドン基とスルホン酸基とを有し、加えて、重合性基である(メタ)アクリロイル基をも有している。
式(1)において、R1は水素原子またはメチル基を表し、R2は−(CH2)n−で示される基を示す。ここで、nは1〜4の整数であり、原料の入手のし易さから2又は3が好ましい。
【0010】
本発明の化合物(1)としては、例えば、1−メタクリロイルオキシエチルスルホン酸−2−ピリドンエステル、1−アクリロイルオキシエチルスルホン酸−2−ピリドンエステル、1−メタクリロイルオキシプロピルスルホン酸−2−ピリドンエステル、1−アクリロイルオキシプロピルスルホン酸−2−ピリドンエステル、1−メタクリロイルオキシブチルスルホン酸−2−ピリドンエステル、1−アクリロイルオキシブチルスルホン酸−2−ピリドンエステルが挙げられる。
【0011】
本発明の化合物(1)を調製するには、例えば、式(2)で示されるスルホン酸金属塩と、塩化ホスホリルまたは5塩化リンとを反応させてクロリド体を得、塩基存在下、N−ヒドロキシ−2−ピリドンとエステル化反応させる方法により得ることができる。
【化2】

式(2)において、R1及びR2は式(1)と同様である。Bはナトリウム原子またはカリウム原子を表し、入手のし易さからナトリウム原子が好ましい。
【0012】
前記スルホン酸金属塩としては、例えば、メタクリロイルオキシエチルスルホン酸ナトリウム塩、メタクリロイルオキシプロピルスルホン酸カリウム塩が入手のし易さから好ましく挙げられる。このようなスルホン酸金属塩は、市販品を用いても良いが、公知の合成方法を駆使することにより既知の原料から合成したものを用いても良い。
【0013】
前記クロリド体を得る反応において、塩化ホスホリルまたは5塩化リンの仕込み量は、前記スルホン酸金属塩に対し、モル比で0.5〜5倍量が好ましい。
前記クロリド体を得る反応は、触媒を用いなくても進行するが、反応時間を短縮できる点から、例えば、極少量のN,N−ジメチルホルムアミド等の触媒を用いて行うことが好ましい。
【0014】
前記クロリド体を得る反応は、無溶媒反応でも何ら問題は無いが、前記塩化ホスホリルや5塩化リン、クロリド体に対して反応性をもたない溶媒であれば溶媒存在下に行うこともできる。このような溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、アセトニトリル、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロメタン、ベンゼン、トルエンが好ましく挙げられる。前記溶媒を用いる場合の使用量は、前記スルホン酸金属塩100質量部に対して0.1〜1000質量部程度である。
【0015】
前記クロリド体を得る反応の反応温度は、通常0〜100℃、好ましくは10〜80℃、最も好ましくは20〜60℃の範囲である。反応温度が0℃より低い場合は、反応に長時間を要する恐れがある。反応温度が100℃を超える場合、重合等の副反応が生じる恐れがある。また、反応時間は、反応温度、触媒の有無などの条件により異なるが、通常、0.5〜12時間程度であるのが好ましい。
以上の反応により得られるクロリド体は、そのまま未精製で、または減圧乾燥等の処理により単離、精製した後、次の前記エステル化反応の原料として用いることができる。
【0016】
前記エステル化反応に用いる塩基としては、例えば、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、ジモルフォリノメタン、エチルモルフォリノ酢酸、N−(3−ジメチルアミノプロピル)モルフォリン、N−メチルピペリジン、キノリン、1,2−ジメチルイミダゾール、N−メチルジシクロヘキシルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、1,4−ジアザビシクロオクタン、テトラメチル−1,3−ブタンジアミン、テトラメチル−1,3−プロパンジアミン、ジメチルジエチル−1,3−プロパンジアミン、ペンタメチルジエチレンジアミン、テトラエチルメタンジアミン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)アジペート、ビス(2−ジエチルアミノエチル)アジペート、ジメチルシクロヘキシルアミン、ジエチルシクロヘキシルアミン、メチルオクチルシクロヘキシルアミン、メチルドデシルシクロヘキシルアミン等の3級アミン化合物が挙げられる。塩基の仕込み量は、前記クロリド体に対し、モル比で1〜5倍量が好ましい。
【0017】
前記エステル化反応に用いるN−ヒドロキシ−2−ピリドンの仕込み量は、前記クロリド体に対し、モル比で1〜5倍量が好ましい。1倍量より少ない場合は発生する反応が完結しない恐れがあり、5倍量より多い場合はN−ヒドロキシ−2−ピリドンが残存する。
【0018】
前記エステル化反応は、前記クロリド体に対して反応性をもたない溶媒を用いて行うことができる。このような溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、アセトニトリル、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロメタン、ベンゼン、トルエンが好ましく挙げられる。前記溶媒を用いる場合の使用量は、前記クロリド体100質量部に対して0.1〜1000質量部程度である。
【0019】
前記エステル化反応の反応温度は、通常0〜100℃、好ましくは0〜80℃、最も好ましくは0〜60℃の範囲である。反応温度が0℃より低い場合は、反応に長時間を要する恐れがある。反応温度が100℃を超える場合、重合等の副反応が生じる恐れがある。また、反応時間は、反応温度、触媒の有無などの条件により異なるが、通常、0.5〜12時間程度であるのが好ましい。
以上のエステル化反応により、本発明の化合物(1)を含む反応物を得ることができる。得られた反応物は、そのまま未精製で後述する本発明の光重合開始剤として使用できる他、減圧乾燥、再結晶、カラム等の処理により、本発明の化合物(1)を、単離、精製することもできる。
【0020】
本発明のポリマー(1)は、本発明の化合物(1)を含むモノマー組成物を重合させた、特定の重量平均分子量を有するポリマーである。
前記重量平均分子量(Mw)は、1000以上1000000以下、好ましくは5000〜100000である。重量平均分子量が大きすぎると光重合開始剤として用いる際に溶解性が悪くなり、また低すぎるとポリマー型光重合開始剤としての性能が発現しにくくなる。
本発明のポリマー(1)の数平均分子量(Mn)は特に限定されないが、上記Mwの理由と同様で、1000〜1000000の範囲が好ましい。
本発明のポリマー(1)は、本発明の化合物(1)の単独重合物、或いは共重合可能なビニルモノマーとの共重合物が挙げられ、本発明の化合物(1)に由来するユニットを含み、必要により共重合可能なビニルモノマーに由来するユニットを含み、例えば、式(3)で表すことができる。
【0021】
【化3】

式(3)中、R1及びR2は式(1)と同様である。R3は分子内にラジカル重合性不飽和基を一つだけ有するビニルモノマーユニットを示し、pは少なくとも2以上の整数、qは0以上の整数であって、qが1以上の整数の場合、p+qは4以上の整数を示す。
【0022】
前記モノマー組成物に用いることができるビニルモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸及びこれらの不飽和カルボン酸の誘導体、具体的には例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等のモノエステル類、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキルエステル類、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアルキルアミノエステル類、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、N−置換(メタ)アクリルアミド類や、N−シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド類、ビニルアセテート、ビニルプロピオネート等のビニルエステル類、ビニルエーテル類、スチレン、アルキルスチレン、ハロゲン化スチレン等の置換スチレン類、ジイソプロピルフマレート等のフマレート類、N−ビニルピロリドンが挙げられる。
前記ビニルモノマーを用いる場合のモノマー組成物中の含有割合は、多すぎると得られる本発明のポリマー(1)中における光重合開始基が少なくなり、後述する光重合開始剤として用いる場合の性能を充分に発現できなくなるおそれがあるので、99.9質量%以下が好ましく、99〜10質量%が特に好ましい。
【0023】
前記モノマー組成物の重合では、通常のラジカル重合開始剤を用いて行うことができる。具体的には例えば、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシ(2−エチルシクロヘキサノエート)、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、ジクミルパーオキサイド等の有機過酸化物類、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物類が挙げられる。
【0024】
前記モノマー組成物の重合方法としては、例えば、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法等の一般的な方法が採用される。これらの中では溶液重合法が好ましく、特にトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等の脂肪族ケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル等の低級脂肪酸エステルなどの有機溶媒中で重合するのが好ましい。
重合温度は、用いる重合開始剤により異なるが、通常50〜150℃、さらには70〜130℃の範囲が好ましい。
【0025】
本発明の光重合開始剤は、本発明の化合物(1)又は本発明のポリマー(1)を含む。本発明の化合物(1)を含む場合、モノマー型光重合開始剤となり、本発明のポリマー(1)を含む場合、ポリマー型光重合開始剤となる。
本発明の光重合開始剤は、本発明の化合物(1)又は本発明のポリマー(1)を含むので、ラジカル重合性化合物及びカチオン重合性化合物のいずれの化合物の光重合又は光硬化に使用できる。
【0026】
本発明の光硬化性組成物は、本発明の光重合開始剤と、ラジカル重合性化合物及び/又はカチオン重合性化合物とを含む。
ラジカル重合性化合物としては、例えば、(a)ラジカル重合性モノマー、(b)ラジカル重合性オリゴマー及びラジカル重合性不飽和重合体が挙げられる。これらは単独もしくは2種以上を併用して用いても良い。
【0027】
(a)は、1個以上のラジカル重合性二重結合を有するモノマーであって、例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸、及びこれら不飽和カルボン酸の誘導体、具体的には例えば、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等のモノエステル類、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキルエステル類、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノアルキルエステル類、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の多価エステル類、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、N−置換(メタ)アクリルアミド類や、ビニルアセテート、ビニルプロピオネート等のビニルエステル類、ビニルエーテル類、スチレン、アルキルスチレン、ハロゲン化スチレン、ジビニルベンゼン、N−ビニルピロリドン、ジアリルフタレート、ジアリルマレート、トリアリルイソシアネート、トリアリルホスフェート等のビニル及びアリル化合物が挙げられる。
【0028】
(b)としては、例えば、フマレート基、マレート基、アリル基、(メタ)アクリレート基を有する硬化性樹脂、不飽和ポリエステル、不飽和アクリル樹脂、イソシアネート改質アクリルオリゴマー、ポリエステルアクリルオリゴマー、ポリエポキシアクリルオリゴマーが挙げられる。
【0029】
カチオン重合性化合物としては、例えば、(c)エポキシ化合物、(d)ビニルモノマー、(e)ジシクロオルソエステル化合物、スピロオルソカーボネート化合物、オキセタン化合物が挙げられ、これらは単独もしくは2種以上を併用して用いても良い。特に種類の多様性、入手の容易さから(c)エポキシ化合物が好ましい。
【0030】
(c)としては、例えば、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビス−(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサノン−メタ−ジオキサン、ビス−(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル、リモネンジオキサイド、4−ビニルシクロヘキセンジオキサイド、フェニルグリシジルエーテル、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノール・ノボラック型エポキシ樹脂、クレゾール・ノボラック型エポキシ樹脂、臭素化フェノール・ノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂、多価アルコールのポリグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレートと前記分子内にラジカル重合性不飽和基を一つだけ有するビニルモノマーとの共重合体が挙げられる。
【0031】
(d)としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−クロルメチルスチレン等のスチレン類、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテル類、アリルビニルエーテル、1−オクタヒドロナフチルビニルエーテル等のアルケニルビニルエーテル類、エチニルビニルエーテル、1−メチル−2−プロペニルビニルエーテル等のアルキニルビニルエーテル類、フェニルビニルエーテル、p−メトキシフェニルビニルエーテル等のアリールビニルエーテル類、ブタンジオールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、シクロヘキサンジオールジビニルエーテル等のアルキルジビニルエーテル類、1,4−ベンゼンジメタノールジビニルエーテル、m−フェニレンビス(エチレングリコール)ジビニルエーテル等のアラルキルジビニルエーテル類、ハイドロキノンジビニルエーテル、レゾルシノールジビニルエーテル等のアリールジビニルエーテル類が挙げられる。
【0032】
(e)としては、例えば、1−フェニル−4−エチル−2,6,7−トリオキサビシクロ[2,2,2]オクタン、1−エチル−4−ヒドロキシメチル−2,6,7−トリオキサビシクロ[2,2,2]オクタン、1,5,7,11−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、3,9−ジベンジル−1,5,7,11−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、1,4,6−トリオキサスピロ[4,4]ノナン、1,4,6−トリオキサスピロ[4,5]デカンが挙げられる。
【0033】
本発明の光硬化性組成物において、本発明の光重合開始剤の使用量は、ラジカル重合性化合物及び/又はカチオン重合性化合物との合計量に対して、前記モノマー型光重合開始剤の場合、通常0.1〜20質量%、好ましくは0.5〜10質量%である。また、前記ポリマー型光重合開始剤の場合、通常0.1〜90質量%、好ましくは0.5〜50質量%である。これらの光重合開始剤の使用量は、ラジカル重合性化合物及び/又はカチオン重合性化合物の種類及び量や、光硬化性組成物に必要により含有させる後述の添加剤の種類及び量によって適宜決定することができる。例えば、光透過性の悪い顔料を混合する場合、光重合開始剤を増量することが必要な場合もある。しかし、その量が多すぎると重合体の中に未反応の光重合開始剤が残存するおそれがある。また、少なすぎると重合が完結せず、未反応のモノマーが残存するおそれがある。
本発明の光硬化性組成物において、ラジカル重合性化合物及び/又はカチオン重合性化合物の使用量は、本発明の光重合開始剤との合計量に対して、該光重合開始剤が前記モノマー型光重合開始剤の場合、通常80〜99.9質量%、好ましくは90〜99.5質量%である。また、光重合開始剤が前記ポリマー型光重合開始剤の場合、通常10〜99.9質量%、好ましくは50〜99.5質量%である。
【0034】
本発明の光硬化性組成物には、さらに硬化性を損なわない範囲で、また用途に応じて、希釈のための溶剤や消泡剤、レベリング剤、増粘剤、難燃剤、酸化防止剤、光安定剤、充填剤、静電防止剤、流動調整剤、カップリング剤等の各種添加剤を混合することができる。
希釈のための溶剤としては、例えば、アルコール類、エーテル類、芳香族炭化水素類、ケトン類、エステル類が挙げられる。特に好ましくは、これらの有機溶媒の中で、溶解性、および塗膜の形成のしやすさから、グリコールエーテル類、エチレングリコールアルキルエーテルアセテート類、エステル類、ジエチレングリコール類が用いられる。これらの有機溶媒は単独でまたは2種類以上混合して用いることができる。
【0035】
本発明の光硬化性組成物は、上記各成分を所定の割合で均一に混合することによって得ることができる。
本発明の光硬化性組成物は、紫外線等の活性エネルギー線を照射して硬化させることにより、本発明の硬化物を得ることができる。
前記硬化は、例えば、本発明の光硬化性組成物を、通常0.001〜1mm程度の厚さの膜にした後、活性エネルギー線を照射することにより行うことができる。
適当な活性エネルギー線としては、光重合開始剤の分解を誘発するエネルギーを有するのであればいかなるものでもよいが、好ましくは高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、キセノンランプ、メタルハライドランプ、殺菌灯、レーザー光からなる200〜700nmの波長を有する電磁波エネルギー、電子線、X線、紫外線等の光エネルギー線が挙げられる。
活性エネルギー線の照射時間は、0.1〜100秒の範囲が好ましい。しかし膜厚が比較的厚い塗膜については、それ以上の時間をかけるのが好ましい。
【0036】
活性エネルギー線照射後、0.1〜数分後には、ほとんどの光硬化性組成物は光ラジカル重合及び/又は光カチオン重合により硬化して乾燥する。しかし、使用するラジカル重合性化合物及び/又はカチオン重合性化合物の種類および配合比によっては、重合反応を効果的に促進させるために、活性エネルギー線照射時に光硬化性組成物を、例えば、30〜150℃程度に加熱し、より硬化速度を向上させることが可能である。また活性エネルギー線を照射して得られた硬化物を、重合による硬化を完結させる目的で、さらに例えば、50〜250℃に加熱処理することもできる。加熱処理する場合、光硬化性組成物を塗布する基材や得られる硬化物の耐熱性等を考慮し、150℃以上の高温で加熱処理する場合なるべく短時間で行うことが好ましい。
【0037】
本発明の光硬化性組成物の具体的な用途としては、例えば、塗料、コーティング剤、インク、レジスト、液状レジスト、接着剤、成形材料、パテ、ガラス繊維含浸剤、目止め剤、光学的造形用注型剤が挙げられる。
本発明の光硬化性組成物を、例えば、コーティング剤として用いる場合、適用できる基材としては、金属、木材、ゴム、プラスチック、ガラス、セラミック製品を挙げることができる。
【実施例】
【0038】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例に用いる主な化合物に関する略号を以下に示す。
(モノマー型光重合開始剤)
MESP:1−メタクリロイルオキシエチルスルホン酸−2−ピリドンエステル
MASP:1−メタクリロイルオキシプロピルスルホン酸−2−ピリドンエステル
(ポリマー型光重合開始剤)
PMESP:MESP単独重合体
PMSTB:MASPとTBMAの共重合体
(ラジカル重合性化合物)
TBMA:tert−ブチルメタクリレート
TEGDA:テトラエチレングリコールジアクリレート
TMPTA:トリメチロールプロパントリアクリレート
(カチオン重合性化合物)
C2021:3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3',4'−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート(セロキサイド(登録商標)2021、ダイセル化学工業社製)
E3150:2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロセキサン付加物(EHPE(登録商標)3150、ダイセル化学工業社製)
E828:ビスフェノールAジグリシジルエーテル(エピコート(登録商標)828、ジャパンエポキシレジン社製)
RCHVE:シクロヘキセンジメタノールジビニルエーテル(ラピキュア(登録商標)CHVE、アイエスピー・ジャパン社製)
(光ラジカル重合開始剤)
D1173:2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(ダロキュア(登録商標)1173、チバガイギー社製)
KIP:2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−(1−メチルビニル)フェニル)プロパン−1−オンのオリゴマー(エザキュアー(登録商標)KIP−150、日本シーベルヘグナー社製)
(光カチオン重合開始剤)
SSI:トリアリールスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート(サンエイド(登録商標)SI−100L、三新化学工業社製)
【0039】
実施例1
(MESPの合成)
塩化カルシウム管を装着したナス型フラスコに、メタクリロイルオシキエチルスルホン酸ナトリウム塩34.3g、5塩化リン43.5g、極少量のN,N−ジメチルホルムアミド、極少量のp−メトキシフェノール、ジクロロメタン100mlを加え、室温で撹拌した。2時間後、反応混合物をクロロホルムで希釈し、氷水を加え有機層を抽出・洗浄した。有機層に硫酸マグネシウムを加え乾燥し、ろ過を行った。残渣を減圧濃縮し、メタクリロイルオキシエチルスルホン酸クロリドを得た。
塩化カルシウム管、及び滴下ロートを装着したナス型フラスコに、2−ヒドロキシピリジン−N−オキシド24.5g、ピリジン23.3g、ジクロロメタン200mlを加え、0℃に冷却し磁気撹拌した。得られた混合液に、ジクロロメタン20mlに希釈した上記で調製したメタクリロイルオキシエチルスルホン酸クロリドを、滴下ロートを用いて5分かけて滴下した。滴下終了後、反応混合液を室温へと戻し磁気撹拌を続けた。2時間後、反応混合物をクロロホルムで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で2回、水で2回、有機層を抽出・洗浄した。有機層に硫酸マグネシウムを加え乾燥し、ろ過を行った。残渣を減圧濃縮し、トルエン、へキサンにより再結晶を行い、収量25.0g、収率58%で、白色固体のMESPを得た。1H−NMRの測定結果を以下に示す。
1H−NMR(CDCl3);7.54(d,1H,Pyd),7.36(t,1H,Pyd),6.69(d,1H,Pyd),6.17−6.19(m,2H,Pyd,CH2),5.60(s,1H,CH2),4.72(t,2H,SO3−CH2),4.15(t,2H,O−CH2),1.93(s,3H,CH3)
【0040】
実施例2
(MASPの合成)
塩化カルシウム管を装着したナス型フラスコに、メタクリロイルオシキプロピルスルホン酸カリウム塩24.6g、塩化ホスホリル46g、極少量のN,N−ジメチルホルムアミド、極少量のp−メトキシフェノール、ジクロロメタン100mlを加え、室温で撹拌した。2時間後、反応混合物をクロロホルムで希釈し、氷水を加え有機層を抽出・洗浄した。有機層に硫酸マグネシウムを加え乾燥し、ろ過を行った。残渣を減圧濃縮し、メタクリロイルオキシプロピルスルホン酸クロリドを得た。
塩化カルシウム管、及び滴下ロートを装着したナス型フラスコに、2−ヒドロキシピリジン−N−オキシド16.7g、ピリジン15.8g、ジクロロメタン200mlを加え、0℃に冷却し磁気撹拌した。得られた混合液に、ジクロロメタン20mlに希釈した上記で調製したメタクリロイルオキシプロピルスルホン酸クロリドを、滴下ロートを用いて5分かけて滴下した。滴下終了後、反応混合液を室温へと戻し磁気撹拌を続けた。2時間後、反応混合物をクロロホルムで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で2回、水で2回、有機層を抽出・洗浄した。有機層に硫酸マグネシウムを加え乾燥し、ろ過を行った。残渣を減圧濃縮し、トルエン、へキサンにより再結晶を行い、収量26.8g、収率89%で、白色固体のMASPを得た。1H−NMRの測定結果を以下に示す。
1H−NMR(CDCl3);7.53(d,1H,Pyd),7.35(dd,1H,Pyd),6.66(d,1H,Pyd),6.18(dd,1H,Pyd),6.12(s,1H,CH2),5.58(s,1H,CH2),4.30(t,2H,SO3−CH2),3.80(t,2H,O−CH2),2.46(m,2H,CH2),1.94(s,3H,CH3)
【0041】
実施例3
(PMESPの合成)
実施例1で合成したMESP30g、アセトン100ml及び2,2’−アゾビス−(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)0.6gを混合溶解させ、窒素ガス雰囲気下アンプル中40℃で15時間重合させた。重合後アンプルの内容物を透析膜(スペクトラポア(登録商標)7(MWCO=1000、幅38mm、Spectrum Laboratories Inc.製))に封入し、室温下1リットルのアセトン中で未重合のモノマー及びオリゴマーを除く6時間の工程を合計3回繰り返した。大量のヘキサンに内容物を滴下し再沈殿させ減圧乾燥することにより、収量20g、収率67%で無色粉末状のPMESPを得た。
得られた重合体の一部をテトラヒドロフラン(THF)に溶解させ、ゲルパーミエーションクロマトグラフィを用いて下記の条件に従い、数平均分子量及び重量平均分子量を測定した。その結果、数平均分子量は5000、重量平均分子量は8000であった。
(分子量測定条件)
溶離液:THF、カラム:PLGelミックスE(Polymer Laboratories Ltd.製)、検出器:RI、送液速度:1.0ml/分、カラム槽温度:40℃、標準物質:ポリスチレン。
【0042】
実施例4
(PMSTBの合成)
MESPを実施例2で合成したMASP12g及びTBMA8.5gに代えた他は実施例3と同様にし、収量13g、収率65%でPMSTBを得た。得られた共重合体の組成比を1H−NMRによって測定した結果、組成比は仕込み比率とほぼ一致し50対50であった。また、得られた共重合体の数平均分子量及び重量平均分子量は、それぞれ5000及び8000であった。
【0043】
実施例5
実施例1で合成したMESP1gと、TEGDA4gと、TMPTA5gとを混合溶解させ光硬化組成物を得た。この光硬化組成物を厚さ2mmのPET板上に乾燥膜厚が20μmになるように塗布した。これに1kW高圧水銀灯1灯を備えたコンベア式紫外線照射装置を用いて、コンベア速度10m/分、照射距離10cmで紫外線を照射した。
なお、コンベア1回通過の365nmの照射光量は、100mJ/cm2であった。得られた硬化塗膜について、以下の評価を行った。結果を表1に示す。
【0044】
<硬化速度評価>
JIS K 5400に準じて、得られる硬化塗膜が、指で強くこすっても擦りあとのつかない硬化乾燥状態に達するのに要する、上記コンベア光源下の通過回数をPass回数として測定した。このPass回数が少ないほど光硬化組成物の硬化速度が速いことを示す。
<塗膜硬度評価>
JIS K 5400に準じた鉛筆引っかき試験を行い、得られた硬化塗膜の硬度を測定した。
<密着性評価>
JIS K 5400の碁盤目テープ法に準じて、硬化塗膜をカッターナイフで縦横方向に切断して基材に達するような100個のクロスカット(切断片)を作った。その上にセロハン粘着テープ(ニチバン(株)製)を貼り付け、接着面と垂直方向に剥離し、剥がれずに残ったクロスカットの数を測定し、次の基準で評価した。
○:100/100、△:80/100以上、×:80/100以下。
【0045】
<光重合開始剤の残存率評価>
得られた硬化塗膜0.5gを微粉砕し、アセトニトリル50ml中に入れ、超音波を2時間施した。24時間静置後、上澄み液を取り、液体クロマトグラフィーで未反応の光重合開始剤量を定量し、光硬化組成物中の光重合開始剤量に対する残存率(%)を算出した。
<黄変評価>
光硬化直後の硬化塗膜を目視で観察し、黄変無しを○、黄変有りを×と評価した。
<劣化試験>
サンシャインウエザオメーターによる500時間後の硬化塗膜の外観を目視で観察し、変化無しを○、クラックあるいは黄変の少なくとも1つが有りを×と評価した。
【0046】
実施例6〜10
光硬化組成物を表1に記載の組成に代えた以外は、実施例5と同様に硬化塗膜を調製し、各評価を行った。結果を表1に示す。
【0047】
【表1】

【0048】
参考例1〜4
光硬化組成物を、光重合開始剤として既存のものを用いた表2に記載の組成に代えた以外は、実施例5と同様に硬化塗膜を調製し、各評価を行った。結果を表2に示す。
【0049】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1)で表されるピリドン基含有(メタ)アクリレート。
【化1】

(式中、R1は水素原子またはメチル基を表し、R2は−(CH2)n−で示される基を示す。ここで、nは1〜4の整数である。)
【請求項2】
請求項1記載のピリドン基含有(メタ)アクリレートを含むモノマー組成物を重合させた、重量平均分子量が1000以上1000000以下のピリドン基含有ポリマー。
【請求項3】
請求項1記載のピリドン基含有(メタ)アクリレート又は請求項2記載のピリドン基含有ポリマーを含む光重合開始剤。
【請求項4】
請求項3記載の光重合開始剤と、ラジカル重合性化合物及び/又はカチオン重合性化合物とを含む光硬化性組成物。
【請求項5】
請求項4記載の光硬化性組成物を光硬化させて得た硬化物。

【公開番号】特開2010−215567(P2010−215567A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−64708(P2009−64708)
【出願日】平成21年3月17日(2009.3.17)
【出願人】(000004341)日油株式会社 (896)
【Fターム(参考)】