説明

フラットディスプレイパネルの製造方法

【課題】ガラス基板上に表示素子を形成する目的で実施される熱処理の際にガラス基板で発生するコンパクションを低減することができ、製造されるフラットディスプレイパネルの表示品位に悪影響が及ぶことがないフラットディスプレイパネルの製造方法の提供。
【解決手段】ガラス基板をプレアニールする工程、および、前記ガラス基板上に表示素子を形成する目的で実施される熱処理工程と、を有するフラットディスプレイパネルの製造方法であって、前記熱処理工程での前記ガラス基板の昇温後の温度をT1(℃)(但し、T1は前記ガラス基板の歪点Ts(℃)以上徐冷点Ta(℃)以下。)、該ガラス基板を該T1(℃)に保持する時間をt1(h)(但し、t1 ≧ 10(1.518logη-20.3 -c/100)。式中、ηは該T1(℃)における該ガラスの粘性(dPa・s)、cは前記熱処理工程の際にガラス基板で発生するコンパクションの目標値(許容可能な上限値)(ppm)。)、該T1(℃)から該ガラス基板を200℃まで冷却する際の冷却速度をr1(℃/min)とし、前記プレアニール工程でのガラス基板の昇温後の温度をT2(℃)、該ガラス基板を該T2(℃)に保持する時間をt2(h)、該T2(℃)から該ガラス基板を200℃まで冷却する際の冷却速度をr2(℃/min)とするとき、(1)T2=T1、(2)r2 =r1、(3)t2 ≧t1を満たすように、前記プレアニール工程を実施することを特徴とするフラットディスプレイパネルの製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機エレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイパネル、液晶ディスプレイ(LCD)パネル、プラズマディスプレイパネル(PDP)等のフラットディスプレイパネルの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
有機ELディスプレイパネル、液晶ディスプレイ(LCD)パネル、プラズマディスプレイパネル(PDP)等のフラットディスプレイパネルを製造する際には、ガラス基板上に表示素子を形成する目的で熱処理が実施される。たとえば、有機ELディスプレイパネルを製造する際には、成膜したシリコンを結晶化させる目的で600〜800℃の温度での熱処理が実施される。LCDパネルを製造する際には、LCDパネルを駆動するための薄膜トランジスタ(TFT)をガラス基板上に形成する目的で実施される成膜工程の中で250〜450℃の温度での熱処理が実施される。PDPを製造する際には、プラズマ発光セルを形成する目的で450〜650℃の温度での熱処理が実施される。
これらガラス基板上に表示素子を形成する目的で実施される熱処理の際にガラス基板で発生するコンパクション(熱収縮)が、製造されるフラットディスプレイパネルの表示品位に悪影響を及ぼすことが問題となっている。なお、ここで言うコンパクションとは、加熱処理の際にガラス構造の緩和によって発生するガラスの熱収縮であり、コンパクションの程度はガラスの熱収縮率で表わされる。コンパクションの算出方法については、後述する実施例に示す。
【0003】
p−SiTFT(多結晶シリコンベースのTFT)製造工程でのガラス基板のコンパクションを低減する方法として、ガラス基板が熱処理される温度と同様の温度で該ガラス基板を予め熱処理(以下、「プレアニール」という。)することが知られている(特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】国際公開WO2007/095115号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、単に熱処理される温度と同様の温度でプレアニールしてガラス基板のコンパクションを低減する方法は、次のような問題点を有することを本願発明者らは見出した。
(1)ガラスの物性(具体的には、熱特性)によってはコンパクションを十分低減することができず、製造されるフラットディスプレイパネルの表示品位に悪影響を及ぼす場合がある。
(2)また、プレアニール時間によってはコンパクションを十分低減することができず、製造されるフラットディスプレイパネルの表示品位に悪影響を及ぼす場合がある。
(3)また、プレアニール後の冷却条件によってはコンパクションを十分低減することができず、製造されるフラットディスプレイパネルの表示品位に悪影響を及ぼす場合がある。
本発明は、上記した従来技術の問題点を解決するため、ガラス基板上に表示素子を形成する目的で実施される熱処理の際にガラス基板で発生するコンパクションを低減することができ、製造されるフラットディスプレイパネルの表示品位に悪影響が及ぶことがないフラットディスプレイパネルの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願発明者らは、上記の目的を達成するため鋭意検討した結果、製造されるフラットディスプレイパネルの表示品位に悪影響を及ぼさない程度までコンパクションを低減するためには、ガラス基板上に表示素子を形成する目的で実施される熱処理条件に対応させてプレアニール条件を設定する必要があることを見出した。
本発明は、上記の知見に基づいてなされたものであり、ガラス基板をプレアニールする工程、および、前記ガラス基板上に表示素子を形成する目的で実施される熱処理工程と、を有するフラットディスプレイパネルの製造方法であって、
前記熱処理工程でのガラス基板の昇温後の温度をT1(℃)(但し、T1は前記ガラス基板の歪点Ts(℃)以上徐冷点Ta(℃)以下。)、該ガラス基板を該T1(℃)に保持する時間をt1(h)(但し、t1 ≧ 10(1.518logη-20.3 -c/100)。式中、ηは該T1(℃)における該ガラスの粘性(dPa・s)、cは前記熱処理工程の際にガラス基板で発生するコンパクションの目標値(許容可能な上限値)(ppm)。)、該T1(℃)から該ガラス基板を200℃まで冷却する際の冷却速度をr1(℃/min)とし、
前記プレアニール工程でのガラス基板の昇温後の温度をT2(℃)、該ガラス基板を該T2(℃)に保持する時間をt2(h)、該T2(℃)から該ガラス基板を200℃まで冷却する際の冷却速度をr2(℃/min)とするとき、
下記(1)〜(3)を満たすように、前記プレアニール工程を実施することを特徴とするフラットディスプレイパネルの製造方法を提供する。
2 =T1 (1)
2 =r1 (2)
2 ≧t1 (3)
【発明の効果】
【0007】
本発明のフラットディスプレイパネルの製造方法によれば、ガラス基板上に表示素子を形成する目的で実施される熱処理の際にガラス基板に生じるコンパクションを製造されるフラットディスプレイパネルの表示品位に悪影響を及ぼさない程度まで低減することができる。このため、本発明の方法により製造されるフラットディスプレイパネルは表示品位に優れることが期待される。また、フォトリソグラフィプロセスの成膜時の露光補正工程の時間短縮や、補正マスクが不要になる等、製造コスト削減に貢献できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明のフラットディスプレイパネルの製造方法について説明する。
本発明のフラットディスプレイパネルの製造方法は、ガラス基板をプレアニールする工程(以下、「プレアニール工程」という。)、および、ガラス基板上に表示素子を形成する目的で実施される熱処理工程(以下、「熱処理工程」という。)と、を有する。ここで、熱処理工程は、フラットパネルディスプレイパネルを製造する際に通常実施される手順であり、具体的な熱処理の目的はフラットディスプレイパネルの種類によって異なる。例えば、有機ELディスプレイパネルを製造する場合、成膜したシリコンを結晶化させる目的で熱処理が実施される。LCDを製造する場合、LCDパネルを駆動するための薄膜トランジスタ(TFT)をガラス基板上に形成する目的で実施される成膜工程の中で熱処理が実施される。PDPを製造する場合、プラズマ発光セルを形成する目的で熱処理が実施される。
【0009】
本発明のフラットディスプレイパネルの製造方法では、熱処理工程でのガラス基板の昇温後の温度T1(℃)が、ガラス基板の歪点Ts(℃)以上徐冷点Ta(℃)以下である。T1(℃)がガラス基板の徐冷点Ta(℃)超であると、熱処理時のガラス基板の変形量が大きく、ガラス基板に大きなうねりを生じさせてフラットディスプレイパネルの製造に支障をきたす。一方、T1(℃)が歪点Ts(℃)未満であると、プレアニールに要する時間が長くなり、製造コストが増加する。
また、ガラス基板をT1(℃)に保持する時間t1(h)が下記式を満たす。
1 ≧ 10(1.518logη-20.3 -c/100)
式中、ηは該T1(℃)における該ガラスの粘性(dPa・s)であり、歪点(Ts)におけるガラスの粘性を1014.5(dPa・s)とし、徐冷点(Ta)におけるガラスの粘性を1013.0(dPa・s)として、アレニウス回帰することで求めることができる。
また、cは前記熱処理工程の際にガラス基板で発生するコンパクションの目標値(許容可能な上限値)(ppm)である。
1が上式を満たさないと、コンパクションを目標値まで低減することが困難となる。
熱処理工程の際にガラス基板で発生するコンパクションの目標値(許容可能な上限値)は、フラットパネルディスプレイパネルの種類によって異なるが、有機ELディスプレイパネルの場合、50ppm以下であることが好ましく、20ppm以下であることがより好ましく、10ppm以下であることがさらに好ましい。
【0010】
本発明のフラットディスプレイパネルの製造方法では、プレアニール工程でのガラス基板の昇温後の温度をT2(℃)、ガラス基板をT2(℃)に保持する時間をt2(h)、T2(℃)から該ガラス基板を200℃まで冷却する際の冷却速度をr2(℃/min)とするとき、下記(1)〜(3)を満たすようにプレアニール工程を実施する。
2 =T1 (1)
2 =r1 (2)
2 ≧t1 (3)
式(2)中のr1は、熱処理工程の際にT1(℃)からガラス基板を200℃まで冷却する際の冷却速度(℃/min)である。ここで、冷却速度r1、r2をそれぞれ温度T1、T2から200℃まで冷却する際の冷却速度とする理由は、200℃以上がコンパクションに影響しうる温度と考えられるからである。
なお、t1、t2は、製造コスト等を考慮すると100時間以下が好ましく、24時間以下がより好ましく、12時間以下がさらに好ましく、6時間以下が特に好ましい。
また、プレアニール工程の際のガラス基板の昇温速度、すなわち、ガラス基板の温度をT2(℃)まで上昇させる際の昇温速度は、熱処理工程でのガラス基板の昇温速度、すなわち、ガラス基板の温度をT1(℃)まで上昇させる際の昇温速度と特に一致させる必要はないが、両者の差が±30%以内であることが好ましく、±10%以内であることがより好ましく、両者が一致することが特に好ましい。
【0011】
本発明のフラットディスプレイパネルの製造方法では、上述した手順でプレアニール工程および熱処理工程を実施することで、熱処理工程の際にガラス基板で発生するコンパクションを目標値以下に抑制することができる。
【0012】
本発明において、ガラス基板を構成するガラスは特に限定されず、フラットパネルディスプレイパネルに用いられるものから幅広く選択することができる。具体的には、ソーダライムガラスのようなアルカリ含有ガラス、無アルカリガラス、高歪点ガラス等が挙げられる。これらの材料の中から、製造されるフラットディスプレイパネルに応じて好適な材料を適宜選択すればよい。例えば、有機ELディスプレイパネル、LCDパネルを製造する場合、無アルカリガラスを用いることがTFT半導体シリコンへのアルカリ拡散によるトランジスタ性能低下抑止の観点から好ましい。PDPを製造する場合、高電気抵抗のアルカリ含有ガラス等を用いることが、プラズマ生成電極でのアルカリ生成物の生成抑止や電極間絶縁性の破壊防止の観点から好ましい。
【0013】
また、本発明のガラス基板は、ガラス原料を溶融ガラスに加熱溶解し、該溶融ガラスを板ガラスに成形し徐冷して、その後所定の寸法に切断されたものである。板ガラスの成形、徐冷方法は、通常の方法であれば、特に限定されない。例えば、フロート法で板ガラスに成形し徐冷することや、ダウンドロー法で板ガラスに成形し徐冷することで得ることができる。
ガラス基板の寸法は、製造されるフラットディスプレイパネルに応じて適宜選択されるが、収縮率が同じでも縮み量の絶対値は基板寸法に比例するため、大型基板ほど収縮率の低減は重要となる。有機ELディスプレイパネルの場合、一辺が好ましくは700mm以上、より好ましくは900mm以上、さらに好ましくは1100mm以上である。
【0014】
本発明のフラットディスプレイパネルの製造方法では、上述したプレアニール工程および熱処理工程以外に、フラットディスプレイパネルを製造するうえで必要となる他の工程が実施される。このような他の工程は製造されるフラットディスプレイパネルの種類に従って行われるが、本発明では特に限定されない。
有機ELディスプレイパネルを製造する場合に必要となる工程の一例としては、アモルファスシリコン形成工程、結晶化(ポリシリコン化)工程、ゲート絶縁膜形成工程、ゲート線メタル形成工程、イオン注入工程、活性化アニール工程、層間膜形成工程、信号線メタル形成工程、パッシベーション膜形成工程、有機平坦化膜形成工程、透明画素電極形成工程が挙げられる。ここで、活性化アニール工程は、比較的高温での複数の熱処理が行われるため、本発明での熱処理工程に該当する。
【実施例】
【0015】
以下、実施例を用いて本発明をさらに説明する。
実施例では、有機ELディスプレイパネルを製造する際の熱処理工程を想定して、以下の条件でプレアニール工程および熱処理工程を実施する。なお、ガラス基板としては、歪点(Ts)が670℃、徐冷点(Ta)が725℃の無アルカリガラスでフロート成形後に徐冷された寸法100mm×20mm×0.7mmの板ガラスを使用する。
(実施例1)
下記条件で熱処理工程を実施することを想定してプレアニール工程の条件を設定する。
熱処理工程
ガラス基板の昇温後の温度T1:700℃
1(℃)からガラス基板を200℃まで冷却する際の冷却速度r1:100℃/分
700℃のガラスの粘性ηは1013.66(dPa・s)となるので、コンパクションの目標値cが10ppmである場合、10(1.518logη-20.3 -c/100)=2.17時間となることから、ガラス基板をT1(℃)に保持する時間t1を2.5時間とする。
プレアニール工程
ガラス基板の昇温後の温度T2:700℃
2(ガラス基板をT2(℃) に保持する時間):2.5時間
2(℃)からガラス基板を200℃まで冷却する際の冷却速度をr2:100℃/分
上記の条件でプレアニール工程および熱処理工程を実施する。
なお、熱処理工程の際に発生するコンパクションは以下の手順で算出する。
プレアニール後、ガラス基板の表面に圧痕を長辺方向に2箇所、間隔A(A=約90mm)で打つ。次に熱処理工程実施後の圧痕間距離を測定し、その距離をBとする。このようにして得たA、Bから下記式を用いてコンパクション(c)を求める。なお、A、Bは測長が可能な光学顕微鏡を用いて測定する。
c[ppm]=(A−B)/A×106
上記の手順で求められるコンパクションは10ppm以下となり、目標値を満たす。
【0016】
(実施例2)
下記条件でプレアニール工程および熱処理工程を実施する。
熱処理工程
1:710℃
1:100℃/分
710℃のガラスの粘性ηは1013.39(dPa・s)となるので、コンパクションの目標値cが10ppmである場合、10(1.518logη-20.3 -c/100)=0.84時間となることから、t1を1時間とする。
プレアニール工程
2:710℃
2:1時間
2:100℃/分
実施例1と同様の手順で熱処理工程の際にガラス基板で発生したコンパクションを求める。コンパクションは10ppm以下となり、目標値を満たす。
【0017】
(実施例3)
下記条件でプレアニール工程および熱処理工程を実施する。
熱処理工程
1:720℃
1:100℃/分
720℃のガラスの粘性ηは1013.13(dPa・s)となるので、コンパクションの目標値cが10ppmである場合、10(1.518logη-20.3 -c/100)=0.34時間となることから、t1を0.5時間とする。
プレアニール工程
2:720℃
2:1時間
2:100℃/分
実施例1と同様の手順で熱処理工程の際にガラス基板で発生したコンパクションを求める。コンパクションは10ppm以下となり、目標値を満たす。
【0018】
(実施例4)
下記条件でプレアニール工程および熱処理工程を実施する。
熱処理工程
1:690℃
1:100℃/分
690℃のガラスの粘性ηは1013.93(dPa・s)となるので、コンパクションの目標値cが50ppmである場合、10(1.518logη-20.3 -c/100)=2.22時間となることから、t1を3時間とする。
プレアニール工程
2:690℃
2:3時間
2:100℃/分
実施例1と同様の手順で熱処理工程の際にガラス基板で発生したコンパクションを求める。コンパクションは50ppm以下となり、目標値を満たす。
【0019】
(実施例5)
下記条件でプレアニール工程および熱処理工程を実施する。
熱処理工程
1:700℃
1:100℃/分
700℃のガラスの粘性ηは1013. 66(dPa・s)となるので、コンパクションの目標値cが50ppmである場合、10(1.518logη-20.3 -c/100)=0.86時間となることから、t1を1時間とする。
プレアニール工程
2:700℃
2:1時間
2:100℃/分
実施例1と同様の手順で熱処理工程の際にガラス基板で発生したコンパクションを求める。コンパクションは50ppm以下となり、目標値を満たす。
【0020】
(実施例6)
下記条件でプレアニール工程および熱処理工程を実施する。
熱処理工程
1:720℃
1:100℃/分
710℃のガラスの粘性ηは1013.39(dPa・s)となるので、コンパクションの目標値cが50ppmである場合、10(1.518logη-20.3 -c/100)=0.335時間となることから、t1を0.5時間とする。
プレアニール工程
2:720℃
2:1時間
2:100℃/分
実施例1と同様の手順で熱処理工程の際にガラス基板で発生したコンパクションを求める。コンパクションは50ppm以下となり、目標値を満たす。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラス基板をプレアニールする工程、および、前記ガラス基板上に表示素子を形成する目的で実施される熱処理工程と、を有するフラットディスプレイパネルの製造方法であって、
前記熱処理工程での前記ガラス基板の昇温後の温度をT1(℃)(但し、T1は前記ガラス基板の歪点Ts(℃)以上徐冷点Ta(℃)以下。)、該ガラス基板を該T1(℃)に保持する時間をt1(h)(但し、t1 ≧ 10(1.518logη-20.3 -c/100)。式中、ηは該T1(℃)における該ガラスの粘性(dPa・s)、cは前記熱処理工程の際にガラス基板で発生するコンパクションの目標値(許容可能な上限値)(ppm)。)、該T1(℃)から該ガラス基板を200℃まで冷却する際の冷却速度をr1(℃/min)とし、
前記プレアニール工程でのガラス基板の昇温後の温度をT2(℃)、該ガラス基板を該T2(℃)に保持する時間をt2(h)、該T2(℃)から該ガラス基板を200℃まで冷却する際の冷却速度をr2(℃/min)とするとき、
下記(1)〜(3)を満たすように、前記プレアニール工程を実施することを特徴とするフラットディスプレイパネルの製造方法。
2 =T1 (1)
2 =r1 (2)
2 ≧t1 (3)
【請求項2】
前記コンパクションの目標値(許容可能な上限値)cが50ppmであることを特徴とする請求項1に記載のフラットディスプレイパネルの製造方法。
【請求項3】
前記フラットディスプレイパネルが、有機エレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイパネルである請求項1または2に記載のフラットディスプレイパネルの製造方法。
【請求項4】
前記ガラス基板が無アルカリガラス基板である請求項1〜3のいずれかに記載のフラットディスプレイパネルの製造方法。

【公開番号】特開2010−105841(P2010−105841A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−278165(P2008−278165)
【出願日】平成20年10月29日(2008.10.29)
【出願人】(000000044)旭硝子株式会社 (2,665)
【Fターム(参考)】