説明

フロアパネル

【課題】 それほどコストをかけることなく、軽量且つ高い強度を備えたフロアパネルを提供すること。
【解決手段】 別成形されたパネル本体1と表装板2とで構成され、少なくともパネル本体1はアルミダイカストにより、底板11の上面に複数のリブ12が同一体に形成されるか、または別々に成形される底板13と複数のリブ14を備えた中間フレーム15とから形成されるか、或いは表装板と同じ大きさ以下に形成された複数のリブ14を形成してなり、該パネル本体1の上面に表装板2を一体的に重ね合わせて構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フロアパネルに関し、更に詳しくは、パネル本体がアルミダイカストで成形されフリーアクセスフロアと称される二重床に敷設するのに好適なフロアパネルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
アルミダイカスト製フロアパネルは、フリーアクセスフロア用パネルに使用されるフロアパネルとしては比較的軽量であり強度的にも優れているため、従来からフリーアクセスフロア用フロアに多用されているが、所要の強度を持たせるためにパネルの裏面側に複数のリブを形成し、高強度品を製造する場合にはリブの本数やその配置形状に工夫をしたりパネル本体を肉厚く形成することで対応していた。
【0003】
しかし、リブの本数やその配置形状を工夫するにも元より設計の自由度が低いので、多くの場合パネル本体を肉厚く形成することで対応せざるを得なかった。その為に、材料コストが高くなるだけでなく、生産及び敷設作業時の取扱い性が悪くなると共に、運搬輸送にかかるコスト等が高くつき経済的に不利となる。
【0004】
しかも、従来のアルミダイカスト製フロアパネルでは、フロアパネル(パネル本体)の表面(上面)に表装としてのメッキや塗装を施す場合、その表面(上面)をバフ研磨やショットブラスト処理等の後加工を施してダイカスト製品特有の鋳肌(湯流れ模様、湯しわ等)を目立たなく前処理してからメッキ処理又は塗装仕上げ処理を施す必要があったので、コストが高くなる割には良好な外観が得られずに仕損じが発生し生産効率が低下し、更に高コストになってしまう不具合があった。加えて、メッキや塗装のほんの一部が傷付いただけでフロアパネル自体が仕損じになってしまう。
尚、本願出願人が知っている上記の先行技術は、文献公知発明に係るものではないため、本願明細書には先行技術文献情報を開示しない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明はこのような従来の不具合に鑑みてなされたものであり、それほどコストをかけることなく、軽量且つ高い強度を備えたフロアパネルを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成する本発明の請求項1に係るフロアパネルは、別成形されたパネル本体と表装板とで構成され、少なくとも前記パネル本体はアルミダイカストにより成形され、前記パネル本体の上面に前記表装板を一体的に重ね合わせて構成したことを特徴としたものである。
また、本発明の請求項2に係るフロアパネルは、請求項1と同様にパネル本体と表装板とで構成されているが、前記パネル本体が、底板の上面に複数のリブを同一体に形成してなり、該パネル本体のリブ側上面に前記表装板を一体的に重ね合わせて構成したことを特徴としたものである。
そして、本発明の請求項3に係るフロアパネルは、請求項1及び2と同様に、パネル本体と表装板とで構成されているが、前記パネル本体が、別々に成形される底板と該底板と同じ大きさ以下に形成された複数のリブを形成してなる中間フレームとから形成され、前記中間フレームを間にして前記表装板と底板を一体的に重ね合わせて構成したことを特徴としたものである。
更に、本発明の請求項4に係るフロアパネルは、請求項1ないし3と同様に、パネル本体と表装板とで構成されているが、前記パネル本体が、前記表装板と同じ大きさ以下に形成された複数のリブを形成してなり、該パネル本体の上面に前記表装板を一体的に重ね合わせて構成したことを特徴としたものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係るフロアパネルは斯様に、基本的にパネル本体と表装板とで構成されているので、フロアパネル(パネル本体)をアルミダイカストにより成形する場合に、従来と比較して設計の自由度を向上させることが可能となり、高強度品を製造する場合でも、フロアパネルとして要求される強度設計が容易となると同時に、従来のようにパネル本体を肉厚く形成することで対応する必要がなくなる。
その結果、フロアパネルとしての重量が同じならより高強度の製品を提供することができ、軽量化と高強度化を同時に満足させることが可能となる。
【0008】
しかも、アルミダイカストで成形されたパネル本体の上面は表装板で被覆されてしまうので、フリーアクセスフロア用フロアパネルとして従来品よりも外観装飾性に優れた表装を安価に施すことが可能となる。
すなわち、アルミダイカストで成形されたパネル本体は鋳肌(の欠陥)に左右されず、格別な後加工を施す必要がないので、別形成された表装板をパネル本体の上面に重ね合わせて一体化すれば済むことから、フロアパネルとして外観審美性に優れた表装を容易に施すことが可能となると同時に、仮にフロアパネルの製造中または敷設施工のちに表装板の一部に傷がついても表装板だけを交換すれば済むことなので仕損じのコストを軽減化し、総じて安価なフロアパネルを提供することが可能となる。
【0009】
更に、特に請求項2に記載のフロアパネルによれば、パネル本体が、底板の上面に複数のリブを同一体に形成してなり、該パネル本体のリブ側上面に表装板を一体的に重ね合わせて構成したので、複数のリブに掛かる応力が一ヶ所に集中することなく底板に分散されるので、最大荷重を増大させることができ、より高強度のフロアパネルとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の具体的な好適実施例を、図面を参照しながら詳細に説明するが、本発明は図示した実施例のものに限定されるものではなく、いろいろなバリエーションが考えられる。
【0011】
本発明に係るフロアパネルAは、基本的にパネル本体1と表装板2とで構成され、少なくともパネル本体1はアルミダイカストにより成形されるが、パネル本体1が、底板11の上面に複数のリブ12が同一体に形成されたものである場合(図1参照)と、別々に成形される底板13と複数のリブ14を備えた中間フレーム15とから形成される場合(図2参照)と、表装板と同じ大きさ以下に形成された複数のリブ14を形成してなるものである場合(図3参照)、とがある。
なお、フロアパネルAは、従来と同様に矩形状をした定形定尺に形成される。
【0012】
図1は、本発明の第1実施例に係るフロアパネルAを分解して示す斜視図であり、図中の符号1はパネル本体を示し、符号2は表装板を示す。
本実施例のパネル本体1は、アルミダイカストにより底板11の上面に複数のリブ12を同一体に突出形成してなり、このパネル本体1のリブ12側上面に表装板2を重ね合わせてビス3等で一体的に締結してフロアパネルAが構成される。
【0013】
ここでリブとは突条のことを言い、本実施例におけるパネル本体1のリブ12は、複数本のリブが底板11の上面に縦横に所定の間隔をおいて格子状に同一体に突出形成されると共に、底板11の上面周辺に上記リブ12を取り囲むように周壁リブ12’が同一体に突出形成されている。なお、リブ12ないし周壁リブ12’の形状は、図示した実施例のものに限定されるものではなく、周壁リブ12’は必ずしもなくとも良い。
【0014】
表装板2は、剛性を備えたアルミ展伸材からなる平板や鋼板或いはアルミダイカスト製の平板等を用いて、パネル本体1の底板11と同形にして同大若しくは少し大きく形成されると共に、その表面に外観を良好ならしめるためのメッキまたは塗装等の表装処理を施してなり、パネル本体1のリブ12側上面に一体的に重ね合わせてフロアパネルAを構成する。なお、アルミ展伸材やステンレス板等の場合には、メッキまたは塗装等の表装処理を施さずにそのままで使用することも可能である。
【0015】
また、パネル本体1のリブ12側上面に表装板2を一体的に重ね合わせる場合、図示実施例の如く表装板2の上側からビス3等で締結一体化しても良いし、接着または溶接により一体化しても良いし、或いは、表装板2の裏面側にスタッドボルト又はナットを取り付けておき、パネル本体1の底板11の裏側からボルトやナットで締結一体化するようにしても良い。
【0016】
図2は、本発明の第2実施例に係るフロアパネルAを分解して示す斜視図であり、第1実施例と同様の構成部材には同じ符号を付してある。
本実施例のパネル本体1は、表装板2と同様に平板状に形成される底板13と、複数のリブ14を備えた中間フレーム15とから形成される。この場合、上記底板13及び中間フレーム15をそれぞれ独立してアルミダイカストで成形しても良いし、上記底板13を表装板2と同様のアルミ展伸材や鋼板等で形成しても良い。
【0017】
本実施例におけるリブ14は、第1実施例におけるリブ12と同様、複数本のリブがグレーチングのように縦横に所定の間隔をおいて格子状に形成され、それらのリブ14を取り囲むように周壁リブ14’を同一体に形成することにより、中間フレーム15が形成される。
【0018】
而して、この第2実施例の場合、グレーチングのように形成された中間フレーム15を間にして表装板2と底板13を一体的に重ね合わせてフロアパネルAが構成される。この場合も、第1実施例と同様に、表装板2の上側からビス3等で締結一体化しても良いし、接着または溶接により一体化しても良いし、或いは、表装板2の裏面側にスタッドボルト又はナットを取り付けておき、パネル本体1の底板13の裏側からボルトやナットで締結一体化するようにしても良い。
【0019】
そして、図3は、本発明の第3実施例に係るフロアパネルAを分解して示す斜視図であり、第1ないし第2実施例と同様の構成部材には同じ符号を付してある。
本実施例のパネル本体1は、アルミダイカストにより第2実施例における中間フレーム15と同様に、表装板2と同じ大きさ以下に形成された複数本のリブ14がグレーチングのように縦横に所定の間隔をおいて格子状に形成され、それらのリブ14を取り囲むように周壁リブ14’を同一体に形成することにより形成される。
【0020】
而して、この第3実施例の場合、グレーチングのように形成されたパネル本体1の上面に表装板2を重ね合わせて、表装板2の上側からビス3等で締結一体化するか、接着または溶接により一体化するか、或いは、表装板2の裏面側にスタッドボルト又はナットを取り付けておき、パネル本体1の裏側からボルトやナットで締結一体化する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】(a)は本発明の第1実施例に係るフロアパネルを分解して示す斜視図。 (b)は(X)-(X)線に沿う拡大断面図。
【図2】(a)は本発明の第2実施例に係るフロアパネルを分解して示す斜視図。 (b)は(Y)-(Y)線に沿う拡大断面図。
【図3】(a)は本発明の第3実施例に係るフロアパネルを分解して示す斜視図。 (b)は(Z)-(Z)線に沿う拡大断面図。
【符号の説明】
【0022】
A:フロアパネル 1:パネル本体
2:表装板 3:ビス
11:底板 12:リブ
12’:周壁リブ 13:底板
14:リブ 14’:周壁リブ
15:中間フレーム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
別成形されたパネル本体と表装板とで構成され、少なくとも前記パネル本体はアルミダイカストにより成形され、前記パネル本体の上面に前記表装板を一体的に重ね合わせて構成したことを特徴とするフロアパネル。
【請求項2】
前記パネル本体が、底板の上面に複数のリブを同一体に形成してなり、該パネル本体のリブ側上面に前記表装板を一体的に重ね合わせて構成したことを特徴とする請求項1記載のフロアパネル。
【請求項3】
前記パネル本体が、別々に成形される底板と該底板と同じ大きさ以下に形成された複数のリブを形成してなる中間フレームとから形成され、前記中間フレームを間にして前記表装板と底板を一体的に重ね合わせて構成したことを特徴とする請求項1記載のフロアパネル。
【請求項4】
前記パネル本体が、前記表装板と同じ大きさ以下に形成された複数のリブを形成してなり、該パネル本体の上面に前記表装板を一体的に重ね合わせて構成したことを特徴とする請求項1記載のフロアパネル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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