説明

ブラケット装置

【課題】ポータブルアンプの上にコントロールボックスを取り外し可能に固定するブラケット装置を提供する。
【解決手段】ポータブルアンプには間隔のあいた固定具にて上面に固定されたハンドルが備えられる。ブラケット装置は、U字型の上部と、U字型の上部から広がる1対のブリッジ部材と、ブリッジ部材から実質的に直交方向に延在して自由遠位端を有する1対の延長部材とを有する弾性構造の形態をとる。延長部材は、ほぼ間隔のあいた固定具間の間隔だけ互いに離れ、十分に柔軟で、延長部材はその自由遠位端が固定具の間でハンドルの下を通過するように近づけられ、固定具に横方向圧力を作用してブラケット装置がアンプの上面から不注意で外れることがないようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願]
本出願は、2009年12月28日出願の米国仮出願番号第61/284,851号に依拠する。
【0002】
[技術分野]
本発明は、その単純さにおいて顕著であり、かつ、従来ポータブルアンプで用いられていた装置をアンプハウジングに取り外し可能に固定する方法を提供する。本発明を用いると、コントロールボックスのような装置は、不注意な誤用の恐れのないアンプの上に維持されるが、道具の必要性や手の込んだ固定手段なしで、そこから簡単に取り外しできる。
【背景技術】
【0003】
エンターテイメント業界の人々、特にプロの音楽家たちは、ポータルアンプを日常的に使用する。たとえば、ギター演奏はしばしば、ギター、譜面台およびアンプをステージ上に持ち出し、彼の演奏が終了すると、装置が持ち去られ、他の音楽家が演奏するために同様にステージを使用する。
【0004】
プロのエンターテイナーが用いるアンプは、普通の形状をしていることが多い。そのような装置は、本発明を構成する形状で表現される。たとえば、図1Aでは、アンプ11は、前面15、背面16、底面12、右側面13、左側面14および上面17を有して示される。ポータブル用には、ハンドルがアンプ11の上面17に取り付けられ、間隔のあいた固定具18および19とハンドル20を、ユーザが必要に応じてアンプ11を動かすためにハンドル20を指で包んで片手でハンドル20をつかめる大きさとしている。
【0005】
演奏者、特に音楽家たちは、いくつかの目的のためにアンプ11と一緒の機械を用いるのが普通である。図1Aに示す例では、1Uシグナルプロセッサの形でコントロールボックス21が表示されている。図示のシグナルプロセッサは、1−3/4インチ×19インチ×10インチ(44.5mm×482.6mm×254.0mm)の寸法の直方体で、音楽家が追求する音響効果を得るためアンプの信号を調整するのに用いられる、普通はラック搭載のユニットである。コントロールボックス21は極めて一般的に用いられ、音楽家がアンプ11を使用するときにはいつでもコントロールボックス21が日常的に一緒にあると考えられる。
【0006】
演奏中に動き回る複数の演奏家が出るような混雑したステージでは、適切にコントロールボックス21の位置決めをすることは難航を極める。コントロールボックス21とアンプ11との間にワイヤを接続しなければならず、演奏者が使用中に不注意に蹴飛ばしたり踏んづけたりすることにより演奏者に危険を及ぼしたり壊されたりしないようにコントロールボックス21をどこに置くかという困難さがある。もしアンプ11の上面17にコントロールボックス21を単に置いたとしたら、コントロールボックス21またはアンプ11に不注意にぶつかったり、突いたりしたときに、コントロールボックス21は簡単に床に落ちてしまうであろう。このことは、コントロールボックスが損傷を受けることにより金銭的に困難を生じるだけでなく、コントロールボックス21により創造される効果が一時的にまたは永続的に中断されるので音楽家の演奏に大きな障害を与える。
【0007】
したがって、本発明の目的は、アンプの上のコントロールボックスのような装置を取り外し可能に固定し、不注意な分離を防止する、簡単で効果的な方法を提供することである。
【0008】
本発明のさらなる目的は、既存のアンプで用いられ、音楽や他のパフォーマンス中に用いられるコントロールボックスのような装置を損傷したり障害を与えたりすることを防止する簡単なブラケットを提供することである。
【0009】
これらの目的およびさらなる目的は、以下の開示と添付の特許請求の範囲を考慮すると、より容易に明らかとなろう。
【発明の概要】
【0010】
ポータブルアンプの上のコントロールボックスのような装置を取り外し可能に固定するブラケット装置であって、そのポータブルアンプは、前面、背面、側面、上面を有し、ハンドルが間隔のあいた複数の固定具によりその上面に固定され、ハンドルはユーザが前記固定具の間でつかめるような長さであり、前記ブラケット装置は、U字型の上部と、前記U字型の上部から広がる1対のブリッジ部材と、前記ブリッジ部材から実質的に直交方向に延在して自由遠位端を有する1対の延長部材とを有する弾性のある構造を備え、前記延長部材はほぼ前記間隔のあいた固定具間の間隔だけ互いに離れており、前記ブラケット装置は、前記延長部材が前記自由遠位端が前記固定具の間でハンドルの下を通過するのに十分なだけ近づけられ、前記固定具に横方向圧力を掛けることが出来るように十分な弾性を有して、前記ブラケット装置が前記アンプの上から不注意に外れないようにする。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、標準的なアンプとシグナルプロセッサと関連して示される、本発明の実施の形態の分解斜視図である。図1Bと図1Cは、本発明のブラケット装置を標準的なアンプに取り外し可能に取り付ける提案の方法を示す斜視図である。
【図2】図2は、図1Bと図1Cの取り付け工程を実行した後に使用中の、本発明の斜視図である。
【図3】図3Aと図3Bは、本発明のブラケット装置の2つの型の斜視図である。
【図4】図4は、標準的アンプの上で使用される、複数の装置を上に支持する本発明のブラケット装置を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の特徴である、構成としてのまた操作方法としての新規な特徴は、さらなる目的や利点と共に、本発明の好適な実施の形態が例として示されている添付の図面と関連して以下の説明からよく理解されるであろう。しかし、図面は説明だけを目的としており、本発明の制限を確定する意図がないことは明確に理解されるであろう。本発明を特徴付ける新規な種々の特徴は特許請求の範囲にて特に言及される。
【0013】
以下に続く詳細な説明をよりよく理解し、この技術分野への本発明の寄与がより評価できるように、上記の発明の概要に、本発明のより重要な特徴を概説した。当然のことながら、以下に述べる本発明の別の特徴もあり、それらは、添付の特許請求の範囲のさらなる主題を構成する。当業者は、本開示が基礎とする概念は、本発明のいくつかの目的を実行するための、別の構造、方法およびシステムの設計の基礎として容易に利用できることが分かるであろう。したがって、特許請求の範囲は、本発明の思想と範囲から逸脱しない範囲を均等物として含んでいるとみなすことが重要である。
【0014】
ある用語とその派生語は、利便性と参照のためだけに以下の説明で用いられ、限定することはない。たとえば、「上方へ」「下方へ」「左」「右」などの語は、特に断らない限り、参照する図面中の方向を示す。「内側」「外側」などの類似の語は、装置または領域およびその指定された部分の幾何学的中心に向かうまたは中心から離れる方向を、それぞれ意味する。特に断らない限り、単数の時制での言及は複数を含み、そのまた逆も成り立つ。
【0015】
図1を先ず参照すると、アンプ11が表示されている。ブラケット装置10も示され、図3Aを参照すると、部品、すなわち、U字型上部22と、前記U字型上部22から広がる1対のブリッジ部材24、25と、ブリッジ部材24、25から実質的に直交して延在し、好的な実施の形態では図1Cに示すようにアンプ11の上面17に曲げられ垂れかかる遠位端28、29を有する1対の延長部材26、27とから構成される。
【0016】
緩んだ状態のブラケット装置10(図3Aおよび図3B)は、延長部材26、27または35、36がほぼ間隔のあいた固定具18、19間の間隔だけ互いに離れるような大きさである。しかし、図1Bに示すように、人間の腕52の親指と人差し指で延長部材26、27の遠位端28、29を近づけて、矢印54の方向に補助51されてハンドル20を持ち上げることで容易にされたハンドル20の下にブラケット装置を滑り込ませることを可能にする。そのようにすることで、ブラケット装置10の弾性係数のために、延長部材26、27は、それらの停止した間隔に復帰しようとして跳ね返り、そのようにすることにより、間隔のあいた固定具18、19にぶつかり、矢印57、58の方向に圧力を負荷する。固定具に作用するこの摩擦圧力で、ハンドル20と28、29の位置の延長部材26、27の先端の曲がった部分で構成されるオーバーラッピングリップとの固定も一緒になって、ブラケット装置10は、図1Cに最もよく示されるように、その結合された位置から不注意で外れることがない。
【0017】
ブラケット装置10がアンプ11に結合されると、コントロールボックス21のような補助装置が、図2に示すように挿入できる。そのコントロールボックス内は、本書で表示されるように、ラック搭載することが意図され、よって標準の寸法のものであるが、U字型上部22と延長部材26、27の間に適当な間隔が形成され、これらの要素間でのぴったりとした摩擦嵌め合いが得られる。このように、アンプ11が底面12が支持面上に残らないような位置まで不注意でぶつかって動かされたとしても、コントロールボックス21は、図2に示すように留まる。よって、演奏ステージの周りやアンプの上に緩く単に置くことでは経験したであろうコントロールボックス21への損傷は、完全に防止される。さらに、演奏の発表の見栄えも大いに整頓され、コントロールボックスを、連結されるアンプの上または近くに固定して取り付けることによってさらに専門的なステージとなる。
【0018】
図3Bを参照すると、本発明のさらに別の適用が示される。この例では、ブリッジ部材81、82は延長されて、隣接するリップ34を形成する。U字型上部31の末端にリップセグメント32があり、くぼみを形成する。このくぼみは、たとえば図4でコンピュータ40として示される補助機械を支持するのに用いられる。図3Bの実施の形態を用いるに際し、残りの要素は、アンプ11の上に置かれる遠位端37、38にリップを有する延長部材35、36を含めて、図3Aの実施の形態を参照して説明したように動作する。
【0019】
ブラケット装置10、30は、上記に概説した作用をする構造を提供するいかなる材料からも構成されるが、本目的に理想的に適うのは、5mmのステンレス鋼ワイヤ、8mmのポリチューブ、または、液体PVCでコーティングまたは粉体コーティングされたワイヤで、遠位端28、29または37、38をカバーするのに2つのゴム引きした末端ピースを用いて末端処理した適切なワイヤであることが分かった。理想的には、構造は、PVCでプレコーティングした110cmピースから鋼製ワイヤを所定形状に曲げて形成することが出来る。浸漬に加えて、PVCチューブは、加熱され、ステンレス鋼ワイヤ材料上を滑らされて、装置を完成させる。
【0020】
当業者が本発明を実施するのには、上記の開示で十分であり、本発明者が現時点で考える発明を実施する最良の形態を提供する。本書に本発明の好適な実施の形態の全ての、そして完全な開示がなされているが、種々の改変、代替構造、変更および均等物は当業者が容易に想到でき、本発明の真の思想および範囲から逸脱することなしに適切に用いられると説明するとおり、本発明を同一の構造、寸法、関係あるいは動作に限定することは意図していない。そのような変更は、代替の材料、構成、構造配置、寸法、形状、形態、機能、動作的特徴等を含むであろう。
【0021】
したがって、上記の記述と説明は、添付の特許請求の範囲で画定される本発明の範囲を限定すると考えてはならない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポータブルアンプの上にコントロールボックスのような装置を取り外し可能に固定するブラケット装置であって;
前記ポータブルアンプは前面、背面、側面および上面を有し、
前記上面にハンドルが間隔のあいた複数の固定具により固定され、前記ハンドルは、ユーザが前記固定具の間でつかめるような長さであり、
前記ブラケット装置は、U字型の上部と、前記U字型の上部から広がる1対のブリッジ部材と、前記ブリッジ部材から実質的に直交方向に延在して自由遠位端を有する1対の延長部材とを有する弾性構造を備え、
前記延長部材はほぼ前記間隔のあいた固定具間の間隔だけ互いに離れており、
前記ブラケット装置は、前記延長部材が前記自由遠位端が前記固定具の間で前記ハンドルの下を通過するのに十分なだけ近づけられ、前記固定具に横方向圧力を掛けて前記ブラケット装置が前記アンプの上から不注意に外れないようにすることが出来るような十分な弾性を有している、
ブラケット装置。
【請求項2】
前記延長部材の前記遠位端は、前記ブラケット装置が前記アンプ上に置かれたときに前記上面にたれ掛かるような寸法になされた曲がったセグメントを有する、
請求項1のブラケット装置。
【請求項3】
前記ブリッジ部材は、前記U字型の上部と前記延長部材の間に前記コントロールボックスを受け入れ、摩擦により取り外し可能に固定する長さである、
請求項1のブラケット装置。
【請求項4】
前記弾性構造は、所定の長さのワイヤを備える、
請求項1のブラケット装置。
【請求項5】
前記所定の長さのワイヤは、5mmステンレス鋼ワイヤである、
請求項4のブラケット装置。
【請求項6】
前記所定の長さのワイヤは、PVC層でコーティングされる、
請求項4のブラケット装置。
【請求項7】
前記弾性構造は、所定の長さのポリチューブを備える、
請求項1のブラケット装置。
【請求項8】
前記U字型の上部は、前記アンプの前記上面に置かれたときに、前記ブラケット装置の上にハードウェア品を受け入れるリップセグメントをさらに備える、
請求項1のブラケット装置。
【請求項9】
ポータブルアンプの上にコントロールボックスのような装置を取り外し可能に固定するブラケット装置と前記装置を受け入れるアンプとの組み合わせであって;
前記ポータブルアンプは前面、背面、側面および上面を有し、
前記上面にハンドルが間隔のあいた複数の固定具により固定され、前記ハンドルは、ユーザが前記固定具の間でつかめるような長さであり、
前記ブラケット装置は、U字型の上部と、前記U字型の上部から広がる1対のブリッジ部材と、前記ブリッジ部材から実質的に直交方向に延在して自由遠位端を有する1対の延長部材とを有する弾性構造を備え、
前記延長部材はほぼ前記間隔のあいた固定具間の間隔だけ互いに離れており、
前記ブラケット装置は、前記延長部材が前記自由遠位端が前記固定具の間で前記ハンドルの下を通過するのに十分なだけ近づけられ、前記固定具に横方向圧力を掛けて前記ブラケット装置が前記アンプの上から不注意に外れないようにすることが出来るような十分な弾性を有している、
組み合わせ。
【請求項10】
前記延長部材の前記遠位端は、前記ブラケット装置が前記アンプ上に置かれたときに前記上面にたれ掛かるような寸法になされた曲がったセグメントを有する、
請求項9の組み合わせ。
【請求項11】
前記ブリッジ部材は、前記U字型の上部と前記延長部材の間に前記コントロールボックスを受け入れ、摩擦で取り外し可能に固定する長さである、
請求項9の組み合わせ。
【請求項12】
前記弾性構造は、所定の長さのワイヤを備える、
請求項9の組み合わせ。
【請求項13】
前記所定の長さのワイヤは、8mmステンレス鋼ワイヤである、
請求項12の組み合わせ。
【請求項14】
前記所定の長さのワイヤは、PVC層でコーティングされる、
請求項12の組み合わせ。
【請求項15】
前記弾性構造は、所定の長さのポリチューブを備える、
請求項9の組み合わせ。
【請求項16】
前記U字型の上部は、前記アンプの前記上面に置かれたときに、前記ブラケット装置の上にハードウェア品を受け入れるリップセグメントをさらに備える、
請求項9の組み合わせ。
【請求項17】
ポータブルアンプの上にコントロールボックスのような装置を取り外し可能に固定する方法であって;
前記ポータブルアンプは前面、背面、側面および上面を有し、
前記上面にハンドルが間隔のあいた複数の固定具により固定され、前記ハンドルは、ユーザが前記固定具の間でつかめるような長さであり、
前記ブラケット装置は、U字型の上部と、前記U字型の上部から広がる1対のブリッジ部材と、前記ブリッジ部材から実質的に直交方向に延在して自由遠位端を有する1対の延長部材とを有する弾性構造を備え、
前記延長部材はほぼ前記間隔のあいた固定具間の間隔だけ互いに離れており、
前記ブラケット装置は、前記延長部材が前記自由遠位端が前記固定具の間で前記ハンドルの下を通過するのに十分なだけ近づけられ、前記固定具に横方向圧力を掛けて前記ブラケット装置が前記アンプの上から不注意に外れないようにすることが出来るような十分な弾性を有しており;
前記延長部材は遠位端で近づけられ、前記遠位端は前記アンプの上で前記ハンドルの下に挿入されて前記固定具を通過し、
前記遠位端が解放されると、遠位端が互いに離れるようにして前記固定具に対する摩擦圧力を生じ、
前記コントロールボックスのような装置は前記U字型の上部と1対の延長部材との間に挿入される;
方法。
【請求項18】
前記延長部材の前記遠位端は、前記ブラケット装置が前記アンプ上に置かれたときに前記上面にたれ掛かるような寸法になされた曲がったセグメントを有し、
前記延長部材は、前記曲がったセグメントが前記上面を超え前記アンプの前記前面に延在するのに十分な距離だけ前記ハンドルの下に挿入される、
請求項17の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−155246(P2011−155246A)
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−257009(P2010−257009)
【出願日】平成22年11月17日(2010.11.17)
【出願人】(510304830)
【Fターム(参考)】