ブロー成形装置及びブロー成形方法
【課題】内蔵部品を有するブロー成形品の製造において、歩留まりの良いブロー成形をすることができるブロー成形装置及び方法を提供する。
【解決手段】ブロー成形装置は、ブロー成形金型20とパリソン挟持装置30と内蔵部品保持装置40を有する。パリソン挟持装置30は、パリソンエキスパンダ31とパリソン外側挟持板32を有する。内蔵部品保持装置40は、内蔵部品気密ガイド筒42と内蔵部品保持棒41を有する。パリソン8の下端を複数のパリソンエキスパンダ31で拡張し、パリソンの下端に内蔵部品気密ガイド筒42の上端を挿入した後に、内蔵部品気密ガイド筒42の上端と、パリソン外側挟持板32でパリソン8の下端を挟持し、プリブロー成形する。内蔵部品10をパリソン内に位置させて、パリソン8と内蔵部品10がスライドコア26で挟持された後に、内蔵部品保持棒42がブロー成形金型20から抜け出る。
【解決手段】ブロー成形装置は、ブロー成形金型20とパリソン挟持装置30と内蔵部品保持装置40を有する。パリソン挟持装置30は、パリソンエキスパンダ31とパリソン外側挟持板32を有する。内蔵部品保持装置40は、内蔵部品気密ガイド筒42と内蔵部品保持棒41を有する。パリソン8の下端を複数のパリソンエキスパンダ31で拡張し、パリソンの下端に内蔵部品気密ガイド筒42の上端を挿入した後に、内蔵部品気密ガイド筒42の上端と、パリソン外側挟持板32でパリソン8の下端を挟持し、プリブロー成形する。内蔵部品10をパリソン内に位置させて、パリソン8と内蔵部品10がスライドコア26で挟持された後に、内蔵部品保持棒42がブロー成形金型20から抜け出る。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱可塑性合成樹脂製の内蔵部品を内部に有するブロー成形品を成形するブロー成形装置及びブロー成形方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、中空状のブロー成形品、例えば、自動車用等の燃料タンクの構造としては、金属製のものが用いられていたが、近年、車両の軽量化や、錆が発生しないこと、所望の形状に成形しやすいことなどによって中空状の熱可塑性合成樹脂製のものが用いられるようになってきた。
【0003】
熱可塑性合成樹脂製の中空状の製品の製造は、中空体を成形することの容易性からブロー成形方法が多く用いられてきた。ブロー成形方法では、溶融した熱可塑性合成樹脂部材のパリソンを円筒状にして上から押出して、そのパリソンを金型で挟みパリソン中に空気を吹き込み、中空体を製造していた。
【0004】
一方、ブロー成形方法においても、ブロー成形品、例えば、燃料タンクの内部にバルブ類や燃料の流動音を抑制するためのバッフルプレート等の内蔵部品を設けることが求められている場合がある。
そこで、ブロー成形品の内部に内蔵部品を設ける場合には、図13に示すような製造装置を使用している(例えば、特許文献1及び2参照。)。内蔵部品110を内蔵部品保持棒141でブロー成形金型120のキャビティー内に保持して、パリソン8を下降させて、その後、ブロー成形金型120を閉じるとともに、ピンチ板135でパリソン8を挟持して、ブロー成形品を成形している。
【0005】
しかし、この場合において、内蔵部品110が大きくなると、図14に示すように、保持棒241に保持された内蔵部品210をブロー成形金型220で成形するときに、パリソン8内にスライドコア226で内蔵部品210を保持した内蔵部品210を挿入しているが、内蔵部品210を挿入するときに、内蔵部品210がパリソン8の内壁に接触しないようにする必要がある。
【0006】
そのため、パリソン8の直径を大きくする必要があるが、そうすると、パリソン8の中でブロー成形品を構成する以外の部分、即ち、ブロー成形時にブロー成形品の外側に生じるはみ出し部分が多くなり、材料の無駄であった。また、パリソン8を押出すダイコアも大きくなり多数が必要となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平9−174670号公報
【特許文献2】特開平8−72129号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そのため、本発明は、内蔵部品を有するブロー成形品の製造において、歩留まりの良いブロー成形をすることができるブロー成形装置及び方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するための請求項1の本発明は、内部に内蔵部品が取付けられるブロー成形品を成形するブロー成形装置において、
ブロー成形装置は、ブロー成形品の外壁を成形するブロー成形金型と、パリソンの下端を挟持するパリソン挟持装置と、ブロー成形前に内蔵部品を保持する内蔵部品保持装置を有し、
ブロー成形金型は、パーティングラインで2つに分割して形成された型を有し、開閉面にブロー成形品を形成するキャビティーが形成され、キャビティーの内面に進退自在にスライドコアを設け、スライドコアで内蔵部品とパリソンを挟持してキャビティーでブロー成形品の外壁を成形し、
ブロー成形金型の下方に、パリソンの下端を挟持するパリソン挟持装置が設けられ、パリソン挟持装置は、パリソンの下端の内部に挿入される複数のパリソンエキスパンダと、パリソンの下端の外面を挟持するパリソン外側挟持板を有し、パリソンエキスパンダは、パリソンに対して中心から外方向に、スライド可能に取付けられ、
内蔵部品保持装置は、内蔵部品を内部に保持可能な筒状の内蔵部品気密ガイド筒と、内蔵部品気密ガイド筒内部に内蔵部品を保持して上下方向にスライド可能な内蔵部品保持棒と、内蔵部品保持棒がスライド可能な孔を有し内蔵部品気密ガイド筒の下部を塞ぐ内蔵部品下ガイド板を有し、
ブロー成形金型が開いたときに、ブロー成形金型の開いたキャビティーの間に位置するパリソンの下端を複数のパリソンエキスパンダで拡張し、パリソンの下端に内蔵部品気密ガイド筒を挿入した後に、内蔵部品気密ガイド筒と、パリソン外側挟持板でパリソンの下端を挟持し、パリソンを膨らませて、ブロー成形するように構成し、内蔵部品気密ガイド筒内から内蔵部品保持棒により内蔵部品をパリソン内に位置させて、キャビティーに対向する位置に内蔵部品を保持し、ブロー成形金型が閉じたときに、パリソンの内部に内蔵部品が位置し、パリソンと内蔵部品がスライドコアで挟持された後に、内蔵部品保持棒がブロー成形金型から抜け出るように進退自在に構成されたブロー成形装置である。
【0010】
請求項1の本発明では、ブロー成形装置は、ブロー成形品の外壁を成形するブロー成形金型と、パリソンの下端を挟持するパリソン挟持装置と、ブロー成形前に内蔵部品を保持する内蔵部品保持装置を有している。このため、ブロー成形前にパリソンの下端を保持して、パリソンの下端を広げて、パリソン内に内蔵部品を挿入して、内部に内蔵部品を有するブロー成形品を得ることができる。
【0011】
ブロー成形金型は、パーティングラインで2つに分割して形成された型を有し、開閉面にブロー成形品を形成するキャビティーが形成され、キャビティーの内面に進退自在にスライドコアを設け、スライドコアで内蔵部品とパリソンを挟持してキャビティーでブロー成形品の外壁を成形する。このため、パリソン内に内蔵部品をスライドコアで保持して、キャビティー内で内蔵部品を所定の位置に有するブロー成形品を成形することができる。
【0012】
ブロー成形金型の下方にパリソンの下端を挟持するパリソン挟持装置が設けられ、パリソン挟持装置は、パリソンの下端の内部に挿入される複数のパリソンエキスパンダと、パリソンの下端の外面を挟持するパリソン外側挟持板を有し、パリソンエキスパンダは、パリソンに対して中心から外方向にスライド可能に取付けられる。このため、パリソンエキスパンダでパリソンの下端を開くことができ、内蔵部品気密ガイド筒をパリソンの下端に挿入することができ、プリブローを行い、パリソンを膨らませて内蔵部品をパリソン内に挿入するときに、パリソンの内壁に内蔵部品が接触することを防止できる。
【0013】
内蔵部品保持装置は、内蔵部品を内部に保持可能な筒状の内蔵部品気密ガイド筒と、内蔵部品気密ガイド筒内部に内蔵部品を保持して上下方向にスライド可能な内蔵部品保持棒と、内蔵部品保持棒がスライド可能な孔を有し内蔵部品気密ガイド筒の下部を塞ぐ内蔵部品下ガイド板を有する。このため、内蔵部品気密ガイド筒は、内蔵部品を昇降自在に内部に保持するとともに、内蔵部品気密ガイド筒を気密にすることができる。
また、内蔵部品は内蔵部品気密ガイド筒の内部に保持できればよく、幅広いサイズの内蔵部品を使用することが可能である。さらに、内蔵部品の挿入前待機位置を内蔵部品気密ガイド筒にすることにより内蔵部品の仕様変更が容易である。
【0014】
ブロー成形金型が開いたときに、ブロー成形金型の開いたキャビティーの間に位置するパリソンの下端を複数のパリソンエキスパンダで拡張する。このため、パリソンの下端を拡張することができるため、内蔵部品を挿入するために、パリソンの外径を大きくする必要がなく、パリソンの材料を節減することができる。
【0015】
パリソンの下端に内蔵部品気密ガイド筒を挿入した後に、内蔵部品気密ガイド筒と、パリソン外側挟持板でパリソンの下端を挟持し、パリソンを膨らませて、プリブローするように構成し、内蔵部品気密ガイド筒内から内蔵部品保持棒により内蔵部品をパリソン内に位置させて、キャビティーに対向する位置に内蔵部品を保持する。パリソンの外径が膨らむため、内蔵部品を挿入するときに、内蔵部品がパリソンの内壁に接触することなく、内蔵部品保持棒によりキャビティーの所定の位置に内蔵部品を位置させることができる。
【0016】
ブロー成形金型が閉じたときに、パリソンの内部に内蔵部品が位置し、パリソンと内蔵部品がスライドコアで挟持された後に、内蔵部品保持棒がブロー成形金型から抜け出るように進退自在に構成された。このため、内蔵部品をキャビティー内の所定の位置に保持したままブロー成形をすることができ、内蔵部品が所定の位置に配置されたブロー成形品を得ることができる。
【0017】
請求項2の本発明は、内蔵部品気密ガイド筒の上端と、パリソン外側挟持板でパリソンの下端を挟持するときに、気体を噴き出すプリブロー吹き出し口をパリソンエキスパンダの上端に形成したブロー成形装置である。
【0018】
請求項2の本発明では、内蔵部品気密ガイド筒の上端と、パリソン外側挟持板でパリソンの下端を挟持するときに、気体を噴き出すプリブロー吹き出し口をパリソンエキスパンダの上端に形成した。このため、内蔵部品気密ガイド筒の上端と、パリソン外側挟持板でパリソンの下端を挟持したままパリソンエキスパンダの先端に形成されたプリブロー吹き出し口から気体を吹き出し、パリソンをプリブローで膨らませることができ、内蔵部品をパリソン内に挿入することが容易である。
【0019】
請求項3の本発明は、パリソンエキスパンダは、内蔵部品気密ガイド筒の上端にスライド機構により当接可能に形成され、内蔵部品気密ガイド筒の上端にパリソンエキスパンダの収納凹部が形成されたブロー成形装置である。
【0020】
請求項3の本発明では、パリソンエキスパンダは、内蔵部品気密ガイド筒の上端にスライド機構により当接可能に形成され、内蔵部品気密ガイド筒の上端にパリソンエキスパンダの収納凹部が形成された。このため、パリソン外側挟持板がパリソンの下端の外側を挟持するときには、パリソンエキスパンダは、内蔵部品気密ガイド筒とその外面が一体になり、パリソンの内側を気密に保持して挟持することができる。
【0021】
請求項4の本発明は、パリソンの上端を、ブロー成形金型の上側のブロー成形金型と離れた位置で挟持する上側ピンチ板を有するブロー成形装置である。
【0022】
請求項4の本発明では、パリソンの上端を、ブロー成形金型の上側のブロー成形金型と離れた位置で挟持する上側ピンチ板を有する。このため、プリブローをするときに、パリソンの上端を気密に保持するとともに、内蔵部品を挿入するときに、パリソンを膨らませたままに維持することができる。
【0023】
請求項5の本発明は、パリソン外側挟持板は、それぞれ2分割して形成されるとともに、それぞれシリンダーで内蔵部品気密ガイド筒の端面に対して当接する方向に移動するよう形成されたブロー成形装置である。
【0024】
請求項5の本発明では、パリソン外側挟持板は、それぞれ2分割して形成されるとともに、それぞれシリンダーで内蔵部品気密ガイド筒の端面に対して当接する方向に移動するよう形成された。このため、パリソン外側挟持板と内蔵部品気密ガイド筒でパリソンの下端を確実に気密に挟持することができる。
【0025】
請求項6の本発明は、内部に内蔵部品が取付けられるブロー成形品を成形するブロー成形方法において、
ブロー成形方法は、ブロー成形品の外壁を成形するブロー成形金型と、パリソンの下端を挟持するパリソン挟持装置と、ブロー成形前に内蔵部品を保持する内蔵部品保持装置を使用し、
ブロー成形金型は、パーティングラインで2つに分割して形成された型を有し、開閉面にブロー成形品を形成するキャビティーが形成され、キャビティーの内面に進退自在にスライドコアを設け、
パリソン挟持装置は、パリソンの下端の内部に挿入される複数のパリソンエキスパンダと、パリソンの下端の外面を挟持するパリソン外側挟持板を有し、パリソンエキスパンダは、パリソンに対して中心から外方向にスライド可能に取付けられ、
内蔵部品保持装置は、内蔵部品を内部に保持可能に筒状の内蔵部品気密ガイド筒と、内蔵部品気密ガイド筒内部に内蔵部品を保持して上下方向にスライド可能な内蔵部品保持棒と、内蔵部品保持棒がスライド可能な孔を有し内蔵部品気密ガイド筒の下部を塞ぐ内蔵部品下ガイド板を有し、
ブロー成形金型をパーティングラインで開き、キャビティーが開かれた部分にパリソンを垂下し、パリソンの下端を複数のパリソンエキスパンダで下端を拡張した後に、パリソンの下端に内蔵部品気密ガイド筒を挿入し、内蔵部品気密ガイド筒と、パリソン外側挟持板でパリソンの下端を挟持し、パリソン内に気体を挿入してパリソンを膨らませてプリブローを行った後に、内蔵部品気密ガイド筒内から内蔵部品保持棒により内蔵部品を保持して、内蔵部品をパリソン内に位置させて、キャビティーに対向する位置に内蔵部品を保持した後に、ブロー成形金型が閉じて、パリソンと内蔵部品がスライドコアで挟持された後に、内蔵部品保持棒がブロー成形金型から抜け出て、ブロー成形金型を完全に閉じた後に、パリソン内に気体を吹き込み、ブロー成形品を成形するブロー成形方法である。
【0026】
請求項6の本発明では、ブロー成形方法は、ブロー成形品の外壁を成形するブロー成形金型と、パリソンの下端を挟持するパリソン挟持装置と、ブロー成形前に内蔵部品を保持する内蔵部品保持装置を使用する。このため、ブロー成形前にパリソンの下端を保持して、パリソン内に内蔵部品を挿入して、パリソンの下端を広げて、内部に内蔵部品を有するブロー成形品を得ることができる。
【0027】
ブロー成形金型は、パーティングラインで2つに分割して形成された型を有し、開閉面にブロー成形品を形成するキャビティーが形成され、キャビティーの内面に進退自在にスライドコアを設けた。このため、パリソン内に内蔵部品をスライドコアで保持して、キャビティー内で内蔵部品を所定の位置に有するブロー成形品を成形することができる。
【0028】
パリソン挟持装置は、パリソンの下端の内部に挿入される複数のパリソンエキスパンダと、パリソンの下端の外面を挟持するパリソン外側挟持板を有し、パリソンエキスパンダは、パリソンに対して横方向にスライド可能に取付けられた。このため、パリソンエキスパンダでパリソンの下端を開くことができ、内蔵部品気密ガイド筒をパリソンの下端に確実に挿入することができ、プリブローを行い、パリソンを膨らませて、内蔵部品をパリソン内に挿入するときに、パリソンの内壁に内蔵部品が接触することを防止できる。
【0029】
内蔵部品保持装置は、内蔵部品を内部に保持可能に筒状の内蔵部品気密ガイド筒と、内蔵部品気密ガイド筒内部に内蔵部品を保持して上下方向にスライド可能な内蔵部品保持棒と、内蔵部品保持棒がスライド可能な孔を有し内蔵部品気密ガイド筒の下部を塞ぐ内蔵部品下ガイド板を有する。このため。内蔵部品気密ガイド筒は、内蔵部品を昇降自在に内部に保持するとともに、内蔵部品気密ガイド筒を気密にすることができる。
また、内蔵部品は内蔵部品気密ガイド筒の内部に保持できればよく、幅広いサイズの内蔵部品を使用することが可能である。さらに、内蔵部品の挿入前待機位置を内蔵部品気密ガイド筒にすることにより内蔵部品の仕様変更が容易である。
【0030】
ブロー成形金型をパーティングラインで開き、キャビティーが開かれた部分にパリソンを垂下し、パリソンの下端を複数のパリソンエキスパンダで拡張した後に、パリソンの下端に内蔵部品気密ガイド筒を挿入する。このため、パリソンの下端を拡張することができ、内蔵部品を挿入するために、パリソンの外径を大きくする必要がなく、パリソンの材料を節減することができる。
【0031】
内蔵部品気密ガイド筒と、パリソン外側挟持板でパリソンの下端を挟持し、パリソン内に気体を挿入してパリソンを膨らませてプリブローを行った後に、内蔵部品気密ガイド筒内から内蔵部品保持棒により内蔵部品を保持して、内蔵部品をパリソン内に位置させる。これにより、パリソンの外径が膨らむため、内蔵部品を挿入するときに、内蔵部品がパリソンの内壁に接触することなく、内蔵部品保持棒によりキャビティーの所定の位置に内蔵部品を位置させることができる。
【0032】
キャビティーに対向する位置に内蔵部品を保持し、ブロー成形金型が閉じたときに、パリソンの内部に上記内蔵部品が位置し、パリソンと内蔵部品がスライドコアで挟持された後に、内蔵部品保持棒がブロー成形金型から抜け出て、ブロー成形金型を完全に閉じた後に、パリソン内に気体を吹き込み、ブロー成形品を成形する。このため、パリソン内で内蔵部品がずれることなく、内蔵部品が所定の位置に配置されたブロー成形品を得ることができる。その後、ブロー成形品をブロー成形金型を開いてキャビティーから取り出すことができる。
【0033】
請求項7の本発明は、内蔵部品気密ガイド筒の上端と、パリソン外側挟持板でパリソンの下端を挟持した後、パリソンエキスパンダの上端に形成されたプリブロー吹き出し口から気体を吹き出してプリブローを行うブロー成形方法である。
【0034】
請求項7の本発明では、内蔵部品気密ガイド筒の上端と、パリソン外側挟持板でパリソンの下端を挟持した後、パリソンエキスパンダの上端に形成されたプリブロー吹き出し口から気体を吹き出して、プリブローを行った。このため、内蔵部品気密ガイド筒の上端と、パリソン外側挟持板でパリソンの下端を挟持したままパリソンをプリブローで膨らませることができ、内蔵部品をパリソン内に挿入することが容易である。
【0035】
請求項8の本発明は、内蔵部品気密ガイド筒の上端にパリソンエキスパンダの収納凹部が形成され、パリソンエキスパンダは、パリソンエキスパンダの収納凹部にスライド機構により収納された後に、内蔵部品気密ガイド筒の上端とパリソンエキスパンダがパリソンの内面に当接して、パリソン外側挟持板がパリソンの外面に当接して、パリソンの下端を挟持するブロー成形方法である。
【0036】
請求項8の本発明では、内蔵部品気密ガイド筒の上端にパリソンエキスパンダの収納凹部が形成され、パリソンエキスパンダは、パリソンエキスパンダの収納凹部にスライド機構により収納された後に、内蔵部品気密ガイド筒の上端とパリソンエキスパンダがパリソンの内面に当接して、パリソン外側挟持板がパリソンの外面に当接して、パリソンの下端を挟持する。このため、パリソンエキスパンダは、内蔵部品気密ガイド筒と一体になり、パリソンの内側に当接して、パリソンとの間を気密に保つとともに、パリソン外側挟持板がパリソンの外面に当接して、パリソンの下端を挟持することができる。
【0037】
請求項9の本発明は、プリブローの前に、ブロー成形金型の上側のブロー成形金型と離れた位置に設けられた上側ピンチ板でパリソンの上端を挟持するブロー成形方法である。
【0038】
請求項9の本発明では、プリブローの前に、ブロー成形金型の上側のブロー成形金型と離れた位置に設けられた上側ピンチ板でパリソンの上端を挟持する。このため、プリブローをするときに、パリソンの上端を気密に保持するとともに、内蔵部品を挿入するときに、パリソンを膨らませたままに維持することができる。
【0039】
請求項10の本発明は、パリソン外側挟持板は、それぞれ2分割して形成されるとともに、それぞれシリンダーで内蔵部品気密ガイド筒の端面に対して当接する方向に移動するブロー成形方法である。
【0040】
請求項10の本発明では、パリソン外側挟持板は、それぞれ2分割して形成されるとともに、それぞれシリンダーで内蔵部品気密ガイド筒の端面に対して当接する方向に移動する。このため、パリソン外側挟持板と内蔵部品気密ガイド筒でパリソンの下端を確実に気密に挟持することができる。
【発明の効果】
【0041】
本件発明は、内蔵部品保持装置は、内蔵部品気密ガイド筒と内蔵部品保持棒と、内蔵部品下ガイド板を有するため、内蔵部品気密ガイド筒は、内蔵部品を昇降自在に内部に保持するとともに、内蔵部品気密ガイド筒を気密にしてプリブローを行うことができる。
パリソンの下端を内蔵部品気密ガイド筒の上端と、パリソン外側挟持板でパリソンの下端を挟持し、パリソンを膨らませて、内蔵部品を挿入するときに、内蔵部品がパリソンの内壁に接触することなく、内蔵部品保持棒によりキャビティーの所定の位置に内蔵部品を位置させることができる。パリソンを押出すときに、パリソンの外径を大きくする必要がなく、パリソンの材料を節減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の実施の形態である燃料タンク斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態のパリソン挟持装置及び内蔵部品保持装置の上面図である。
【図3】本発明の実施の形態のブロー成形装置がブロー成形品を製造する工程の断面図であり、パリソンがブロー成形金型内に入った状態を示す断面図である。
【図4】本発明の実施の形態のブロー成形装置がブロー成形品を製造する工程の断面図であり、パリソンの下端をパリソンエキスパンダで開いた状態を示す断面図である。
【図5】本発明の実施の形態のブロー成形装置がブロー成形品を製造する工程の断面図であり、パリソンの下端をパリソン外側挟持板と内蔵部品気密ガイド筒の上端で挟持した状態を示す断面図である。
【図6】本発明の実施の形態のブロー成形装置がブロー成形品を製造する工程の断面図であり、パリソンの下端をパリソン外側挟持板と内蔵部品気密ガイド筒の上端で挟持してプリブローを行った状態を示す断面図である。
【図7】本発明の実施の形態のパリソン挟持装置及び内蔵部品保持装置の上部部分においてパリソンを挟持する状態を示す模式斜視図である。
【図8】本発明の実施の形態のパリソン挟持装置及び内蔵部品保持装置の上部部分においてパリソンを挟持する状態におけるパリソンエキスパンダの上端部分を拡大した模式斜視図である。
【図9】本発明の実施の形態のブロー成形装置がブロー成形品を製造する工程の断面図であり、パリソンの下端から内蔵部品をパリソン内に挿入した状態を示す断面図である。
【図10】本発明の実施の形態のブロー成形装置がブロー成形品を製造する工程の断面図であり、パリソン内の内蔵部品をスライドコアで挟持した状態を示す断面図である。
【図11】本発明の実施の形態のブロー成形装置がブロー成形品を製造する工程の断面図であり、パリソン内の内蔵部品をスライドコアで挟持して、内蔵部品保持棒をブロー成形金型から抜いた状態を示す断面図である。
【図12】本発明の実施の形態のブロー成形装置がブロー成形品を製造する工程の断面図であり、パリソン内の内蔵部品をスライドコアで挟持して、ブロー成形金型を閉じてブロー成形した状態を示す断面図である。
【図13】従来のブロー成形装置のスライドコアと駆動制御ピンがブロー成形品を製造する装置の斜視図である。
【図14】従来の他のブロー成形装置のブロー成形品を製造する工程の断面図であり、パリソンがブロー成形金型内に入った状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
本発明の実施の形態のブロー成形装置について、ブロー成形品である自動車用の燃料タンク1を製造するブロー成形装置を例にとり、図1〜図12に基づき説明する。本発明は、内蔵部品10を有する燃料タンク1を例にとり説明するが、内蔵部品10を有する他のブロー成形品についても使用することができる。
【0044】
図1は、本発明の実施の形態のブロー成形装置により製造された燃料タンク1の斜視図である。
本発明の実施の形態において、ブロー成形装置で製造される燃料タンク1は、図1に示すように、その燃料タンク1に燃料ポンプ(図示せず)等を出し入れするためにポンプユニット取付孔4が上面に形成されている。また、燃料タンク1の側面又は上面には、インレットパイプ(図示せず)から燃料を注入する燃料注入孔5が形成されている。
【0045】
また、燃料タンク1の周囲には外周リブ2が全周に亘り形成されており、外周リブ2のコーナー部等の所定箇所には、数箇所に亘り取付用孔3が形成され、取付用孔3と車体をボルト締めすることにより、燃料タンク1を車体に取付けている。
さらに、燃料タンク1の上面には、内部の燃料蒸気を回収するホース等を接続する各所の取付孔6が形成されている。
【0046】
本実施の形態において製造される燃料タンク1は、後述するブロー成形の製造装置で製造されるが、燃料タンク1の外壁は、ブロー成形で形成され、その外壁は、1層又は多層で形成され、多層の場合は、例えば、外側から順に表皮層、外部本体層、外部接着剤層、バリヤ層、内部接着剤層及び内部本体層から形成されている。
【0047】
燃料タンク1の内部には、例えば、燃料タンク1の補強のための柱や、燃料の波うちを防止して、波うち音の発生を防止することができるための仕切り板や、燃料ポンプ、キャニスター等を取付ける箱状物等が内蔵部品10として取付けられている。
内蔵部品10は、ポリアセタール、高密度ポリエチレン(HDPE)等の耐燃料油性の熱可塑性合成樹脂で形成することができる。これにより燃料タンク1の強度を向上させることができるとともに、燃料タンク1の内部に取付けられても、燃料油による膨潤等で剛性が低下することがない。
【0048】
本発明の実施の形態であるブロー成形装置と、その装置を使用したブロー成形による燃料タンク1の製造方法を、図2〜図12に基づき説明する。ブロー成形装置は、ブロー成形品を成形するブロー成形金型20と、パリソン8の下端を挟持するパリソン挟持装置30と、内蔵部品10を内蔵部品気密ガイド筒42内に保持するとともに、ブロー成形金型20内にあるパリソン8内に挿入する内蔵部品保持装置40とから構成されている。
【0049】
まず、図2、4、6に基づきパリソン挟持装置30の説明をする。
ブロー成形金型20の下方にパリソン8の下端を挟持するパリソン挟持装置30が設けられ、パリソン挟持装置30は、ブロー成形金型20の下部から出たパリソン8の下端の内部に挿入されるパリソンエキスパンダ31と、パリソンの下端の外面を挟持するパリソン外側挟持板32を有する。
【0050】
パリソンエキスパンダ31は、パリソン8の下端を拡張できるように複数個取付けられている。本実施の形態では後述する内蔵部品気密ガイド筒42の4隅に対応するように4個取付けられている。パリソンエキスパンダ31は、内蔵部品気密ガイド筒42に当接したときは、内蔵部品気密ガイド筒42に形成された内蔵部品気密ガイド筒凹部45に収容されて、内蔵部品気密ガイド筒42と一体になって、内蔵部品気密ガイド筒42の外面と均一な外面を形成し、パリソン8の内面を気密にして挟持することができる。
【0051】
パリソンエキスパンダ31は、パリソンシリンダ33により中心から外方向(パリソンに対して直角方向)移動可能に取付けられている。そして、パリソンエキスパンダ31は、パリソン8の下端の内面に当接して、パリソンシリンダ33の後退により、パリソン8の内径を大きくすることができる。
【0052】
パリソンエキスパンダ31によりパリソン8の下端が潰れないように、膨らんだままにすることができ、パリソン8の内部に内蔵部品気密ガイド筒42の上端を挿入するときに、パリソン8の内面を広げて、パリソン8の下端の内面を内蔵部品気密ガイド筒42の上端の外面に当接させることができる。
図8に示すように、パリソンエキスパンダ31の先端には、パリソン8内に空気等の気体を噴き出すことができるように、プリブロー吹き出し口34が形成されている。
【0053】
パリソン外側挟持板32は、内蔵部品気密ガイド筒42とパリソンエキスパンダ31の外周の形状に対応した凹部32bが形成されている。これにより、パリソンエキスパンダ31及び後述する内蔵部品気密ガイド筒42とパリソン外側挟持板32でパリソン8の下端を挟持することができる。また、パリソン外側挟持板32は、複数個に分割されて形成され、それぞれパリソン8の下端を挟持するようにスライド可能に形成されている。本実施の形態では、2つに分割して形成されているが、3つ以上に分割して生成してもよい。
【0054】
パリソン外側挟持板32は、内蔵部品気密ガイド筒42の方向(パリソン8の中心方向)にスライドすると、パリソン8の下端の外周を押圧し、内蔵部品気密ガイド筒42の上端及びパリソンエキスパンダ31とパリソン外側挟持板32とでパリソン8を確実に挟持して、気体の漏れを防止して、パリソン8の下端が潰れるのを防止することができる。また、パリソン8内の容積を大きく維持することができ、パリソン8内に充分な気体を密閉することができるため、パリソン8を金型に密着させるためのブローの前において、パリソン8を若干膨らませるためのプリブローを行うことができる。
【0055】
次に、図2と図6に基づいて、内蔵部品保持装置40について説明する。内蔵部品保持装置40は、筒状の内蔵部品気密ガイド筒42と、内蔵部品気密ガイド筒42の内部に内蔵部品10を保持してパリソン8内に内蔵部品10を挿入可能に上下方向に移動な内蔵部品保持棒41と、内蔵部品気密ガイド筒42の下部を塞ぐことができる内蔵部品下ガイド板43から構成される。
【0056】
内蔵部品気密ガイド筒42は、中空の筒状に形成され、中空内部に内蔵部品10を収納して、上下方向に移動可能に保持している。内蔵部品気密ガイド筒42の断面形状は、内蔵部品10が収納できるように、円形、楕円形又は多角形のいずれの形状にもすることができる。内蔵部品気密ガイド筒42の中空の筒状の壁は、ジャバラ状に形成することもできる。
【0057】
このため、内蔵部品保持棒41は、内蔵部品10を昇降自在に内部に保持するとともに、パリソン8の下端を内蔵部品気密ガイド筒42の上端に挟持したときに、内蔵部品気密ガイド筒42を気密にすることができる。
また、内蔵部品10は内蔵部品気密ガイド筒42の内部に保持できればよく、幅広いサイズの内蔵部品10を使用することが可能である。さらに、内蔵部品10の挿入前待機位置を内蔵部品気密ガイド筒42にすることにより内蔵部品10の仕様変更が容易である。
【0058】
内蔵部品下ガイド板43は、内蔵部品保持棒41が摺動可能なように内蔵部品下ガイド孔44が形成されている。内蔵部品下ガイド板43は、内蔵部品保持棒41の上下方向の摺動に応じて、内蔵部品気密ガイド筒42内を摺動しつつ、内蔵部品気密ガイド筒42内を気密に保つことができる。内蔵部品保持棒41は、内蔵部品10の大きさに応じて複数本設けることができる。内蔵部品下ガイド板43は、内蔵部品保持棒41に取付けられて内蔵部品保持棒41の昇降に従って、内蔵部品気密ガイド筒42内を昇降するようにすることもできる。
内蔵部品気密ガイド筒42の上端部には、上記のようにパリソンエキスパンダ31を収納可能な内蔵部品気密ガイド筒凹部45が形成されている。
【0059】
次に、図3に基づきブロー成形金型20の説明をする。
ブロー成形金型20は、パーティングラインで2つに分割して形成され、ブロー成形金型移動装置(図示せず)で左右に開くことが可能なようにスライドされる。ブロー成形金型20は、内部に燃料タンク1を形成するキャビティー22が形成されている。更に、左右のブロー成形金型20のキャビティー22に対応する部分にはそれぞれスライド可能なスライドコア26が設けられている。
【0060】
スライドコア26は、ブロー成形金型20が閉じて、スライドコア26が後退したときにキャビティー22の内面の一部を形成し、ブロー成形金型20が開いて、キャビティー22内に進出したときに後述する内蔵部品10とパリソン8を保持する。パリソン8は、ブロー成形金型20の上部に設けられたノズル(図示せず)から下方に押し出される。
パーティングラインで2つに分割して形成されたブロー成形金型20は、型締め時に、キャビティー22の周囲で互いに当接する。図12においては、ブロー成形金型20の金型上部23の上部当接面23aと、金型下部24の下部当接面24aで当接している。
【0061】
次に、本発明の実施の形態のブロー成形装置を使用したブロー成形品である自動車用の燃料タンク1の製造方法を、図3〜図12に基づき説明する。
ブロー成形金型20の上部には、上側ピンチ板60が設けられている。ブロー成形金型20の下部には、図4〜図12に示すように、パリソン挟持装置30が取付けられている。
図3に示すように、ブロー成形は、まず始めに、ブロー成形金型20が開いて、キャビティー22を構成する空間が開いて、その中にパリソン8が上のノズル(図示せず)から押出される。そして、パリソン8の下端がブロー成形金型20の金型下部24よりも下まで到達する。
【0062】
次に、図4に示すように、複数のパリソンエキスパンダ31がパリソン8の下端の内面入り、当接する。そして、パリソンエキスパンダ31が図4の矢印に示すようにパリソン8の中心から離れる方向に開いて、パリソン8の下端を広げる。
その時、内蔵部品10を内部に保持した内蔵部品保持装置40がパリソン8の下端の下方に位置する。
【0063】
次に、図5に示すように、上側ピンチ板60を閉じてパリソン8の上部を閉じる。
そして、内蔵部品気密ガイド筒42がパリソン8の下端の内部に挿入される。そして、パリソンエキスパンダ31が内蔵部品気密ガイド筒42の上端部に当接して、内蔵部品気密ガイド筒凹部45内に収納される。パリソン8の下端の外面は、パリソン外側挟持板32により押さえられて、内蔵部品気密ガイド筒42の方向へ移動する。そして、パリソン8の下端は、パリソン外側挟持板32と内蔵部品気密ガイド筒42により挟持される。このとき、パリソンエキスパンダ31は、内蔵部品気密ガイド筒42と一体になり、パリソン8の下端の内面を挟持している。そして、内蔵部品気密ガイド筒42の下端は、内蔵部品下ガイド板43により閉じられて、パリソン8の下端は気密になる。
【0064】
次に、図6乃至図8に示すように、プリブローを行う。プリブローは、パリソンエキスパンダ31の先端から気体をパリソン8内に吹き込むことによりパリソン8を膨らませることで行うことができる。図8に示すように、パリソンエキスパンダ31の先端にはプリブロー吹き出し口34が形成されている。このプリブロー吹き出し口34からパリソン8内に気体を吹き込むことができる。パリソン8内に吹き込む気体は、本実施の形態では空気を使用している。
【0065】
このとき、パリソン8の上部では、上述のとおり、上側ピンチ板60でパリソン8を塞いでいる。パリソン8の下部では、上述のとおり内蔵部品気密ガイド筒42、パリソンエキスパンダ31及び内蔵部品気密ガイド筒42でパリソン8を塞いで、空気の逃げを防止している。また、内蔵部品気密ガイド筒42の下部では、内蔵部品下ガイド板43が塞いで空気の逃げを防止している。
なお、図7に示すように、パリソンエキスパンダ31は、パリソンシリンダ33によりスライドされている。
【0066】
次に、図9に示すように、プリブローにより膨らませたパリソン8内に、内蔵部品気密ガイド筒42から内蔵部品10を保持した内蔵部品保持棒41を上方にスライドさせて、ブロー成形金型20のキャビティー22の位置に内蔵部品10を位置させる。このとき、パリソン8はプリブローで膨らんでいるため、内蔵部品10がパリソン8の内壁と接触することがない。
【0067】
そして、図10に示すように、ブロー成形金型20を若干閉じるとともに、ブロー成形金型20に設けられた複数のスライドコア26をスライドさせる。このとき、複数のスライドコア26は、内蔵部品10と対応する位置に設けられているので、パリソン8を内蔵部品10とスライドコア26で挟むように押圧することができる。
このとき、内蔵部品下ガイド板43は、内蔵部品気密ガイド筒42の上端に位置して、パリソン8内の空気が逃げないようにすることができる。
【0068】
そうすると、パリソン8の内面はまだ溶融状態にあるため、内蔵部品10の先端とパリソン8が融着することができる。このとき、内蔵部品10は、内蔵部品保持棒41およびスライドコア26により保持されているので、内蔵部品10は、燃料タンク1の外壁の内面の所定の位置に確実に取付けられることができる。
【0069】
その後、図11に示すように、内蔵部品10をスライドコア26により保持したままで、内蔵部品保持棒41を下降させて、ブロー成形金型20から抜く。スライドコア26で内蔵部品10を保持しているため、内蔵部品10を所定の位置に維持することができる。このとき、パリソン挟持装置30のパリソン外側挟持板32でパリソン8の下端を保持してシールし、内蔵部品気密ガイド筒42の下端に内蔵部品下ガイド板43が位置してシールされているため、パリソン8内から空気が漏れることはない。
【0070】
さらに、図12に示すように、ブロー成形金型20をさらに閉じて、ブロー成形金型20を完全に閉じる。これによりパリソン8の先端と後端は、ブロー成形金型20により完全に閉じられることができる。
パリソン8は、パーティングラインで2つに分割して形成されたブロー成形金型20のそれぞれの金型上部23の上部当接面23aと金型下部24の下部当接面24aが当接して、パリソン8の上部と下部を閉じることができる。あるいは、ブロー成形金型20とパリソン挟持装置30との間に、従来技術で示すようなピンチ板を設けてパリソン8の上部又は下部を閉じてもよい。
【0071】
そして、ブロー成形金型20の上下に設けたスライドカッター(図示せず)でパリソン8の上下を切断する。そして、エアノズル27からパリソン8の内部に空気を吹き込み、パリソン8の外面をブロー成形金型20のキャビティー22の内面に押圧して、燃料タンク1の形状を形成する。
【0072】
このとき、スライドコア26の先端面とブロー成形金型20のキャビティー22の内面とは同一平面になることができる。そして、さらにエアノズル27からパリソン8の内部に空気を吹き込み、パリソン8の外面をブロー成形金型20に完全に押圧して、燃料タンク1の形状を完全に形成する。そして、パリソン8の内部に空気を循環させてブロー成形を完了する。その後、ブロー成形金型20を開き、燃料タンク1を取出す。
【符号の説明】
【0073】
1 燃料タンク
8 パリソン
10 内蔵部品
20 ブロー成形金型
22 キャビティー
26 スライドコア
30 パリソン挟持装置
31 パリソンエキスパンダ
32 パリソン外側挟持板
40 内蔵部品保持装置
41 内蔵部品保持棒
42 内蔵部品気密ガイド筒
43 内蔵部品下ガイド板
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱可塑性合成樹脂製の内蔵部品を内部に有するブロー成形品を成形するブロー成形装置及びブロー成形方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、中空状のブロー成形品、例えば、自動車用等の燃料タンクの構造としては、金属製のものが用いられていたが、近年、車両の軽量化や、錆が発生しないこと、所望の形状に成形しやすいことなどによって中空状の熱可塑性合成樹脂製のものが用いられるようになってきた。
【0003】
熱可塑性合成樹脂製の中空状の製品の製造は、中空体を成形することの容易性からブロー成形方法が多く用いられてきた。ブロー成形方法では、溶融した熱可塑性合成樹脂部材のパリソンを円筒状にして上から押出して、そのパリソンを金型で挟みパリソン中に空気を吹き込み、中空体を製造していた。
【0004】
一方、ブロー成形方法においても、ブロー成形品、例えば、燃料タンクの内部にバルブ類や燃料の流動音を抑制するためのバッフルプレート等の内蔵部品を設けることが求められている場合がある。
そこで、ブロー成形品の内部に内蔵部品を設ける場合には、図13に示すような製造装置を使用している(例えば、特許文献1及び2参照。)。内蔵部品110を内蔵部品保持棒141でブロー成形金型120のキャビティー内に保持して、パリソン8を下降させて、その後、ブロー成形金型120を閉じるとともに、ピンチ板135でパリソン8を挟持して、ブロー成形品を成形している。
【0005】
しかし、この場合において、内蔵部品110が大きくなると、図14に示すように、保持棒241に保持された内蔵部品210をブロー成形金型220で成形するときに、パリソン8内にスライドコア226で内蔵部品210を保持した内蔵部品210を挿入しているが、内蔵部品210を挿入するときに、内蔵部品210がパリソン8の内壁に接触しないようにする必要がある。
【0006】
そのため、パリソン8の直径を大きくする必要があるが、そうすると、パリソン8の中でブロー成形品を構成する以外の部分、即ち、ブロー成形時にブロー成形品の外側に生じるはみ出し部分が多くなり、材料の無駄であった。また、パリソン8を押出すダイコアも大きくなり多数が必要となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平9−174670号公報
【特許文献2】特開平8−72129号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そのため、本発明は、内蔵部品を有するブロー成形品の製造において、歩留まりの良いブロー成形をすることができるブロー成形装置及び方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するための請求項1の本発明は、内部に内蔵部品が取付けられるブロー成形品を成形するブロー成形装置において、
ブロー成形装置は、ブロー成形品の外壁を成形するブロー成形金型と、パリソンの下端を挟持するパリソン挟持装置と、ブロー成形前に内蔵部品を保持する内蔵部品保持装置を有し、
ブロー成形金型は、パーティングラインで2つに分割して形成された型を有し、開閉面にブロー成形品を形成するキャビティーが形成され、キャビティーの内面に進退自在にスライドコアを設け、スライドコアで内蔵部品とパリソンを挟持してキャビティーでブロー成形品の外壁を成形し、
ブロー成形金型の下方に、パリソンの下端を挟持するパリソン挟持装置が設けられ、パリソン挟持装置は、パリソンの下端の内部に挿入される複数のパリソンエキスパンダと、パリソンの下端の外面を挟持するパリソン外側挟持板を有し、パリソンエキスパンダは、パリソンに対して中心から外方向に、スライド可能に取付けられ、
内蔵部品保持装置は、内蔵部品を内部に保持可能な筒状の内蔵部品気密ガイド筒と、内蔵部品気密ガイド筒内部に内蔵部品を保持して上下方向にスライド可能な内蔵部品保持棒と、内蔵部品保持棒がスライド可能な孔を有し内蔵部品気密ガイド筒の下部を塞ぐ内蔵部品下ガイド板を有し、
ブロー成形金型が開いたときに、ブロー成形金型の開いたキャビティーの間に位置するパリソンの下端を複数のパリソンエキスパンダで拡張し、パリソンの下端に内蔵部品気密ガイド筒を挿入した後に、内蔵部品気密ガイド筒と、パリソン外側挟持板でパリソンの下端を挟持し、パリソンを膨らませて、ブロー成形するように構成し、内蔵部品気密ガイド筒内から内蔵部品保持棒により内蔵部品をパリソン内に位置させて、キャビティーに対向する位置に内蔵部品を保持し、ブロー成形金型が閉じたときに、パリソンの内部に内蔵部品が位置し、パリソンと内蔵部品がスライドコアで挟持された後に、内蔵部品保持棒がブロー成形金型から抜け出るように進退自在に構成されたブロー成形装置である。
【0010】
請求項1の本発明では、ブロー成形装置は、ブロー成形品の外壁を成形するブロー成形金型と、パリソンの下端を挟持するパリソン挟持装置と、ブロー成形前に内蔵部品を保持する内蔵部品保持装置を有している。このため、ブロー成形前にパリソンの下端を保持して、パリソンの下端を広げて、パリソン内に内蔵部品を挿入して、内部に内蔵部品を有するブロー成形品を得ることができる。
【0011】
ブロー成形金型は、パーティングラインで2つに分割して形成された型を有し、開閉面にブロー成形品を形成するキャビティーが形成され、キャビティーの内面に進退自在にスライドコアを設け、スライドコアで内蔵部品とパリソンを挟持してキャビティーでブロー成形品の外壁を成形する。このため、パリソン内に内蔵部品をスライドコアで保持して、キャビティー内で内蔵部品を所定の位置に有するブロー成形品を成形することができる。
【0012】
ブロー成形金型の下方にパリソンの下端を挟持するパリソン挟持装置が設けられ、パリソン挟持装置は、パリソンの下端の内部に挿入される複数のパリソンエキスパンダと、パリソンの下端の外面を挟持するパリソン外側挟持板を有し、パリソンエキスパンダは、パリソンに対して中心から外方向にスライド可能に取付けられる。このため、パリソンエキスパンダでパリソンの下端を開くことができ、内蔵部品気密ガイド筒をパリソンの下端に挿入することができ、プリブローを行い、パリソンを膨らませて内蔵部品をパリソン内に挿入するときに、パリソンの内壁に内蔵部品が接触することを防止できる。
【0013】
内蔵部品保持装置は、内蔵部品を内部に保持可能な筒状の内蔵部品気密ガイド筒と、内蔵部品気密ガイド筒内部に内蔵部品を保持して上下方向にスライド可能な内蔵部品保持棒と、内蔵部品保持棒がスライド可能な孔を有し内蔵部品気密ガイド筒の下部を塞ぐ内蔵部品下ガイド板を有する。このため、内蔵部品気密ガイド筒は、内蔵部品を昇降自在に内部に保持するとともに、内蔵部品気密ガイド筒を気密にすることができる。
また、内蔵部品は内蔵部品気密ガイド筒の内部に保持できればよく、幅広いサイズの内蔵部品を使用することが可能である。さらに、内蔵部品の挿入前待機位置を内蔵部品気密ガイド筒にすることにより内蔵部品の仕様変更が容易である。
【0014】
ブロー成形金型が開いたときに、ブロー成形金型の開いたキャビティーの間に位置するパリソンの下端を複数のパリソンエキスパンダで拡張する。このため、パリソンの下端を拡張することができるため、内蔵部品を挿入するために、パリソンの外径を大きくする必要がなく、パリソンの材料を節減することができる。
【0015】
パリソンの下端に内蔵部品気密ガイド筒を挿入した後に、内蔵部品気密ガイド筒と、パリソン外側挟持板でパリソンの下端を挟持し、パリソンを膨らませて、プリブローするように構成し、内蔵部品気密ガイド筒内から内蔵部品保持棒により内蔵部品をパリソン内に位置させて、キャビティーに対向する位置に内蔵部品を保持する。パリソンの外径が膨らむため、内蔵部品を挿入するときに、内蔵部品がパリソンの内壁に接触することなく、内蔵部品保持棒によりキャビティーの所定の位置に内蔵部品を位置させることができる。
【0016】
ブロー成形金型が閉じたときに、パリソンの内部に内蔵部品が位置し、パリソンと内蔵部品がスライドコアで挟持された後に、内蔵部品保持棒がブロー成形金型から抜け出るように進退自在に構成された。このため、内蔵部品をキャビティー内の所定の位置に保持したままブロー成形をすることができ、内蔵部品が所定の位置に配置されたブロー成形品を得ることができる。
【0017】
請求項2の本発明は、内蔵部品気密ガイド筒の上端と、パリソン外側挟持板でパリソンの下端を挟持するときに、気体を噴き出すプリブロー吹き出し口をパリソンエキスパンダの上端に形成したブロー成形装置である。
【0018】
請求項2の本発明では、内蔵部品気密ガイド筒の上端と、パリソン外側挟持板でパリソンの下端を挟持するときに、気体を噴き出すプリブロー吹き出し口をパリソンエキスパンダの上端に形成した。このため、内蔵部品気密ガイド筒の上端と、パリソン外側挟持板でパリソンの下端を挟持したままパリソンエキスパンダの先端に形成されたプリブロー吹き出し口から気体を吹き出し、パリソンをプリブローで膨らませることができ、内蔵部品をパリソン内に挿入することが容易である。
【0019】
請求項3の本発明は、パリソンエキスパンダは、内蔵部品気密ガイド筒の上端にスライド機構により当接可能に形成され、内蔵部品気密ガイド筒の上端にパリソンエキスパンダの収納凹部が形成されたブロー成形装置である。
【0020】
請求項3の本発明では、パリソンエキスパンダは、内蔵部品気密ガイド筒の上端にスライド機構により当接可能に形成され、内蔵部品気密ガイド筒の上端にパリソンエキスパンダの収納凹部が形成された。このため、パリソン外側挟持板がパリソンの下端の外側を挟持するときには、パリソンエキスパンダは、内蔵部品気密ガイド筒とその外面が一体になり、パリソンの内側を気密に保持して挟持することができる。
【0021】
請求項4の本発明は、パリソンの上端を、ブロー成形金型の上側のブロー成形金型と離れた位置で挟持する上側ピンチ板を有するブロー成形装置である。
【0022】
請求項4の本発明では、パリソンの上端を、ブロー成形金型の上側のブロー成形金型と離れた位置で挟持する上側ピンチ板を有する。このため、プリブローをするときに、パリソンの上端を気密に保持するとともに、内蔵部品を挿入するときに、パリソンを膨らませたままに維持することができる。
【0023】
請求項5の本発明は、パリソン外側挟持板は、それぞれ2分割して形成されるとともに、それぞれシリンダーで内蔵部品気密ガイド筒の端面に対して当接する方向に移動するよう形成されたブロー成形装置である。
【0024】
請求項5の本発明では、パリソン外側挟持板は、それぞれ2分割して形成されるとともに、それぞれシリンダーで内蔵部品気密ガイド筒の端面に対して当接する方向に移動するよう形成された。このため、パリソン外側挟持板と内蔵部品気密ガイド筒でパリソンの下端を確実に気密に挟持することができる。
【0025】
請求項6の本発明は、内部に内蔵部品が取付けられるブロー成形品を成形するブロー成形方法において、
ブロー成形方法は、ブロー成形品の外壁を成形するブロー成形金型と、パリソンの下端を挟持するパリソン挟持装置と、ブロー成形前に内蔵部品を保持する内蔵部品保持装置を使用し、
ブロー成形金型は、パーティングラインで2つに分割して形成された型を有し、開閉面にブロー成形品を形成するキャビティーが形成され、キャビティーの内面に進退自在にスライドコアを設け、
パリソン挟持装置は、パリソンの下端の内部に挿入される複数のパリソンエキスパンダと、パリソンの下端の外面を挟持するパリソン外側挟持板を有し、パリソンエキスパンダは、パリソンに対して中心から外方向にスライド可能に取付けられ、
内蔵部品保持装置は、内蔵部品を内部に保持可能に筒状の内蔵部品気密ガイド筒と、内蔵部品気密ガイド筒内部に内蔵部品を保持して上下方向にスライド可能な内蔵部品保持棒と、内蔵部品保持棒がスライド可能な孔を有し内蔵部品気密ガイド筒の下部を塞ぐ内蔵部品下ガイド板を有し、
ブロー成形金型をパーティングラインで開き、キャビティーが開かれた部分にパリソンを垂下し、パリソンの下端を複数のパリソンエキスパンダで下端を拡張した後に、パリソンの下端に内蔵部品気密ガイド筒を挿入し、内蔵部品気密ガイド筒と、パリソン外側挟持板でパリソンの下端を挟持し、パリソン内に気体を挿入してパリソンを膨らませてプリブローを行った後に、内蔵部品気密ガイド筒内から内蔵部品保持棒により内蔵部品を保持して、内蔵部品をパリソン内に位置させて、キャビティーに対向する位置に内蔵部品を保持した後に、ブロー成形金型が閉じて、パリソンと内蔵部品がスライドコアで挟持された後に、内蔵部品保持棒がブロー成形金型から抜け出て、ブロー成形金型を完全に閉じた後に、パリソン内に気体を吹き込み、ブロー成形品を成形するブロー成形方法である。
【0026】
請求項6の本発明では、ブロー成形方法は、ブロー成形品の外壁を成形するブロー成形金型と、パリソンの下端を挟持するパリソン挟持装置と、ブロー成形前に内蔵部品を保持する内蔵部品保持装置を使用する。このため、ブロー成形前にパリソンの下端を保持して、パリソン内に内蔵部品を挿入して、パリソンの下端を広げて、内部に内蔵部品を有するブロー成形品を得ることができる。
【0027】
ブロー成形金型は、パーティングラインで2つに分割して形成された型を有し、開閉面にブロー成形品を形成するキャビティーが形成され、キャビティーの内面に進退自在にスライドコアを設けた。このため、パリソン内に内蔵部品をスライドコアで保持して、キャビティー内で内蔵部品を所定の位置に有するブロー成形品を成形することができる。
【0028】
パリソン挟持装置は、パリソンの下端の内部に挿入される複数のパリソンエキスパンダと、パリソンの下端の外面を挟持するパリソン外側挟持板を有し、パリソンエキスパンダは、パリソンに対して横方向にスライド可能に取付けられた。このため、パリソンエキスパンダでパリソンの下端を開くことができ、内蔵部品気密ガイド筒をパリソンの下端に確実に挿入することができ、プリブローを行い、パリソンを膨らませて、内蔵部品をパリソン内に挿入するときに、パリソンの内壁に内蔵部品が接触することを防止できる。
【0029】
内蔵部品保持装置は、内蔵部品を内部に保持可能に筒状の内蔵部品気密ガイド筒と、内蔵部品気密ガイド筒内部に内蔵部品を保持して上下方向にスライド可能な内蔵部品保持棒と、内蔵部品保持棒がスライド可能な孔を有し内蔵部品気密ガイド筒の下部を塞ぐ内蔵部品下ガイド板を有する。このため。内蔵部品気密ガイド筒は、内蔵部品を昇降自在に内部に保持するとともに、内蔵部品気密ガイド筒を気密にすることができる。
また、内蔵部品は内蔵部品気密ガイド筒の内部に保持できればよく、幅広いサイズの内蔵部品を使用することが可能である。さらに、内蔵部品の挿入前待機位置を内蔵部品気密ガイド筒にすることにより内蔵部品の仕様変更が容易である。
【0030】
ブロー成形金型をパーティングラインで開き、キャビティーが開かれた部分にパリソンを垂下し、パリソンの下端を複数のパリソンエキスパンダで拡張した後に、パリソンの下端に内蔵部品気密ガイド筒を挿入する。このため、パリソンの下端を拡張することができ、内蔵部品を挿入するために、パリソンの外径を大きくする必要がなく、パリソンの材料を節減することができる。
【0031】
内蔵部品気密ガイド筒と、パリソン外側挟持板でパリソンの下端を挟持し、パリソン内に気体を挿入してパリソンを膨らませてプリブローを行った後に、内蔵部品気密ガイド筒内から内蔵部品保持棒により内蔵部品を保持して、内蔵部品をパリソン内に位置させる。これにより、パリソンの外径が膨らむため、内蔵部品を挿入するときに、内蔵部品がパリソンの内壁に接触することなく、内蔵部品保持棒によりキャビティーの所定の位置に内蔵部品を位置させることができる。
【0032】
キャビティーに対向する位置に内蔵部品を保持し、ブロー成形金型が閉じたときに、パリソンの内部に上記内蔵部品が位置し、パリソンと内蔵部品がスライドコアで挟持された後に、内蔵部品保持棒がブロー成形金型から抜け出て、ブロー成形金型を完全に閉じた後に、パリソン内に気体を吹き込み、ブロー成形品を成形する。このため、パリソン内で内蔵部品がずれることなく、内蔵部品が所定の位置に配置されたブロー成形品を得ることができる。その後、ブロー成形品をブロー成形金型を開いてキャビティーから取り出すことができる。
【0033】
請求項7の本発明は、内蔵部品気密ガイド筒の上端と、パリソン外側挟持板でパリソンの下端を挟持した後、パリソンエキスパンダの上端に形成されたプリブロー吹き出し口から気体を吹き出してプリブローを行うブロー成形方法である。
【0034】
請求項7の本発明では、内蔵部品気密ガイド筒の上端と、パリソン外側挟持板でパリソンの下端を挟持した後、パリソンエキスパンダの上端に形成されたプリブロー吹き出し口から気体を吹き出して、プリブローを行った。このため、内蔵部品気密ガイド筒の上端と、パリソン外側挟持板でパリソンの下端を挟持したままパリソンをプリブローで膨らませることができ、内蔵部品をパリソン内に挿入することが容易である。
【0035】
請求項8の本発明は、内蔵部品気密ガイド筒の上端にパリソンエキスパンダの収納凹部が形成され、パリソンエキスパンダは、パリソンエキスパンダの収納凹部にスライド機構により収納された後に、内蔵部品気密ガイド筒の上端とパリソンエキスパンダがパリソンの内面に当接して、パリソン外側挟持板がパリソンの外面に当接して、パリソンの下端を挟持するブロー成形方法である。
【0036】
請求項8の本発明では、内蔵部品気密ガイド筒の上端にパリソンエキスパンダの収納凹部が形成され、パリソンエキスパンダは、パリソンエキスパンダの収納凹部にスライド機構により収納された後に、内蔵部品気密ガイド筒の上端とパリソンエキスパンダがパリソンの内面に当接して、パリソン外側挟持板がパリソンの外面に当接して、パリソンの下端を挟持する。このため、パリソンエキスパンダは、内蔵部品気密ガイド筒と一体になり、パリソンの内側に当接して、パリソンとの間を気密に保つとともに、パリソン外側挟持板がパリソンの外面に当接して、パリソンの下端を挟持することができる。
【0037】
請求項9の本発明は、プリブローの前に、ブロー成形金型の上側のブロー成形金型と離れた位置に設けられた上側ピンチ板でパリソンの上端を挟持するブロー成形方法である。
【0038】
請求項9の本発明では、プリブローの前に、ブロー成形金型の上側のブロー成形金型と離れた位置に設けられた上側ピンチ板でパリソンの上端を挟持する。このため、プリブローをするときに、パリソンの上端を気密に保持するとともに、内蔵部品を挿入するときに、パリソンを膨らませたままに維持することができる。
【0039】
請求項10の本発明は、パリソン外側挟持板は、それぞれ2分割して形成されるとともに、それぞれシリンダーで内蔵部品気密ガイド筒の端面に対して当接する方向に移動するブロー成形方法である。
【0040】
請求項10の本発明では、パリソン外側挟持板は、それぞれ2分割して形成されるとともに、それぞれシリンダーで内蔵部品気密ガイド筒の端面に対して当接する方向に移動する。このため、パリソン外側挟持板と内蔵部品気密ガイド筒でパリソンの下端を確実に気密に挟持することができる。
【発明の効果】
【0041】
本件発明は、内蔵部品保持装置は、内蔵部品気密ガイド筒と内蔵部品保持棒と、内蔵部品下ガイド板を有するため、内蔵部品気密ガイド筒は、内蔵部品を昇降自在に内部に保持するとともに、内蔵部品気密ガイド筒を気密にしてプリブローを行うことができる。
パリソンの下端を内蔵部品気密ガイド筒の上端と、パリソン外側挟持板でパリソンの下端を挟持し、パリソンを膨らませて、内蔵部品を挿入するときに、内蔵部品がパリソンの内壁に接触することなく、内蔵部品保持棒によりキャビティーの所定の位置に内蔵部品を位置させることができる。パリソンを押出すときに、パリソンの外径を大きくする必要がなく、パリソンの材料を節減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の実施の形態である燃料タンク斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態のパリソン挟持装置及び内蔵部品保持装置の上面図である。
【図3】本発明の実施の形態のブロー成形装置がブロー成形品を製造する工程の断面図であり、パリソンがブロー成形金型内に入った状態を示す断面図である。
【図4】本発明の実施の形態のブロー成形装置がブロー成形品を製造する工程の断面図であり、パリソンの下端をパリソンエキスパンダで開いた状態を示す断面図である。
【図5】本発明の実施の形態のブロー成形装置がブロー成形品を製造する工程の断面図であり、パリソンの下端をパリソン外側挟持板と内蔵部品気密ガイド筒の上端で挟持した状態を示す断面図である。
【図6】本発明の実施の形態のブロー成形装置がブロー成形品を製造する工程の断面図であり、パリソンの下端をパリソン外側挟持板と内蔵部品気密ガイド筒の上端で挟持してプリブローを行った状態を示す断面図である。
【図7】本発明の実施の形態のパリソン挟持装置及び内蔵部品保持装置の上部部分においてパリソンを挟持する状態を示す模式斜視図である。
【図8】本発明の実施の形態のパリソン挟持装置及び内蔵部品保持装置の上部部分においてパリソンを挟持する状態におけるパリソンエキスパンダの上端部分を拡大した模式斜視図である。
【図9】本発明の実施の形態のブロー成形装置がブロー成形品を製造する工程の断面図であり、パリソンの下端から内蔵部品をパリソン内に挿入した状態を示す断面図である。
【図10】本発明の実施の形態のブロー成形装置がブロー成形品を製造する工程の断面図であり、パリソン内の内蔵部品をスライドコアで挟持した状態を示す断面図である。
【図11】本発明の実施の形態のブロー成形装置がブロー成形品を製造する工程の断面図であり、パリソン内の内蔵部品をスライドコアで挟持して、内蔵部品保持棒をブロー成形金型から抜いた状態を示す断面図である。
【図12】本発明の実施の形態のブロー成形装置がブロー成形品を製造する工程の断面図であり、パリソン内の内蔵部品をスライドコアで挟持して、ブロー成形金型を閉じてブロー成形した状態を示す断面図である。
【図13】従来のブロー成形装置のスライドコアと駆動制御ピンがブロー成形品を製造する装置の斜視図である。
【図14】従来の他のブロー成形装置のブロー成形品を製造する工程の断面図であり、パリソンがブロー成形金型内に入った状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
本発明の実施の形態のブロー成形装置について、ブロー成形品である自動車用の燃料タンク1を製造するブロー成形装置を例にとり、図1〜図12に基づき説明する。本発明は、内蔵部品10を有する燃料タンク1を例にとり説明するが、内蔵部品10を有する他のブロー成形品についても使用することができる。
【0044】
図1は、本発明の実施の形態のブロー成形装置により製造された燃料タンク1の斜視図である。
本発明の実施の形態において、ブロー成形装置で製造される燃料タンク1は、図1に示すように、その燃料タンク1に燃料ポンプ(図示せず)等を出し入れするためにポンプユニット取付孔4が上面に形成されている。また、燃料タンク1の側面又は上面には、インレットパイプ(図示せず)から燃料を注入する燃料注入孔5が形成されている。
【0045】
また、燃料タンク1の周囲には外周リブ2が全周に亘り形成されており、外周リブ2のコーナー部等の所定箇所には、数箇所に亘り取付用孔3が形成され、取付用孔3と車体をボルト締めすることにより、燃料タンク1を車体に取付けている。
さらに、燃料タンク1の上面には、内部の燃料蒸気を回収するホース等を接続する各所の取付孔6が形成されている。
【0046】
本実施の形態において製造される燃料タンク1は、後述するブロー成形の製造装置で製造されるが、燃料タンク1の外壁は、ブロー成形で形成され、その外壁は、1層又は多層で形成され、多層の場合は、例えば、外側から順に表皮層、外部本体層、外部接着剤層、バリヤ層、内部接着剤層及び内部本体層から形成されている。
【0047】
燃料タンク1の内部には、例えば、燃料タンク1の補強のための柱や、燃料の波うちを防止して、波うち音の発生を防止することができるための仕切り板や、燃料ポンプ、キャニスター等を取付ける箱状物等が内蔵部品10として取付けられている。
内蔵部品10は、ポリアセタール、高密度ポリエチレン(HDPE)等の耐燃料油性の熱可塑性合成樹脂で形成することができる。これにより燃料タンク1の強度を向上させることができるとともに、燃料タンク1の内部に取付けられても、燃料油による膨潤等で剛性が低下することがない。
【0048】
本発明の実施の形態であるブロー成形装置と、その装置を使用したブロー成形による燃料タンク1の製造方法を、図2〜図12に基づき説明する。ブロー成形装置は、ブロー成形品を成形するブロー成形金型20と、パリソン8の下端を挟持するパリソン挟持装置30と、内蔵部品10を内蔵部品気密ガイド筒42内に保持するとともに、ブロー成形金型20内にあるパリソン8内に挿入する内蔵部品保持装置40とから構成されている。
【0049】
まず、図2、4、6に基づきパリソン挟持装置30の説明をする。
ブロー成形金型20の下方にパリソン8の下端を挟持するパリソン挟持装置30が設けられ、パリソン挟持装置30は、ブロー成形金型20の下部から出たパリソン8の下端の内部に挿入されるパリソンエキスパンダ31と、パリソンの下端の外面を挟持するパリソン外側挟持板32を有する。
【0050】
パリソンエキスパンダ31は、パリソン8の下端を拡張できるように複数個取付けられている。本実施の形態では後述する内蔵部品気密ガイド筒42の4隅に対応するように4個取付けられている。パリソンエキスパンダ31は、内蔵部品気密ガイド筒42に当接したときは、内蔵部品気密ガイド筒42に形成された内蔵部品気密ガイド筒凹部45に収容されて、内蔵部品気密ガイド筒42と一体になって、内蔵部品気密ガイド筒42の外面と均一な外面を形成し、パリソン8の内面を気密にして挟持することができる。
【0051】
パリソンエキスパンダ31は、パリソンシリンダ33により中心から外方向(パリソンに対して直角方向)移動可能に取付けられている。そして、パリソンエキスパンダ31は、パリソン8の下端の内面に当接して、パリソンシリンダ33の後退により、パリソン8の内径を大きくすることができる。
【0052】
パリソンエキスパンダ31によりパリソン8の下端が潰れないように、膨らんだままにすることができ、パリソン8の内部に内蔵部品気密ガイド筒42の上端を挿入するときに、パリソン8の内面を広げて、パリソン8の下端の内面を内蔵部品気密ガイド筒42の上端の外面に当接させることができる。
図8に示すように、パリソンエキスパンダ31の先端には、パリソン8内に空気等の気体を噴き出すことができるように、プリブロー吹き出し口34が形成されている。
【0053】
パリソン外側挟持板32は、内蔵部品気密ガイド筒42とパリソンエキスパンダ31の外周の形状に対応した凹部32bが形成されている。これにより、パリソンエキスパンダ31及び後述する内蔵部品気密ガイド筒42とパリソン外側挟持板32でパリソン8の下端を挟持することができる。また、パリソン外側挟持板32は、複数個に分割されて形成され、それぞれパリソン8の下端を挟持するようにスライド可能に形成されている。本実施の形態では、2つに分割して形成されているが、3つ以上に分割して生成してもよい。
【0054】
パリソン外側挟持板32は、内蔵部品気密ガイド筒42の方向(パリソン8の中心方向)にスライドすると、パリソン8の下端の外周を押圧し、内蔵部品気密ガイド筒42の上端及びパリソンエキスパンダ31とパリソン外側挟持板32とでパリソン8を確実に挟持して、気体の漏れを防止して、パリソン8の下端が潰れるのを防止することができる。また、パリソン8内の容積を大きく維持することができ、パリソン8内に充分な気体を密閉することができるため、パリソン8を金型に密着させるためのブローの前において、パリソン8を若干膨らませるためのプリブローを行うことができる。
【0055】
次に、図2と図6に基づいて、内蔵部品保持装置40について説明する。内蔵部品保持装置40は、筒状の内蔵部品気密ガイド筒42と、内蔵部品気密ガイド筒42の内部に内蔵部品10を保持してパリソン8内に内蔵部品10を挿入可能に上下方向に移動な内蔵部品保持棒41と、内蔵部品気密ガイド筒42の下部を塞ぐことができる内蔵部品下ガイド板43から構成される。
【0056】
内蔵部品気密ガイド筒42は、中空の筒状に形成され、中空内部に内蔵部品10を収納して、上下方向に移動可能に保持している。内蔵部品気密ガイド筒42の断面形状は、内蔵部品10が収納できるように、円形、楕円形又は多角形のいずれの形状にもすることができる。内蔵部品気密ガイド筒42の中空の筒状の壁は、ジャバラ状に形成することもできる。
【0057】
このため、内蔵部品保持棒41は、内蔵部品10を昇降自在に内部に保持するとともに、パリソン8の下端を内蔵部品気密ガイド筒42の上端に挟持したときに、内蔵部品気密ガイド筒42を気密にすることができる。
また、内蔵部品10は内蔵部品気密ガイド筒42の内部に保持できればよく、幅広いサイズの内蔵部品10を使用することが可能である。さらに、内蔵部品10の挿入前待機位置を内蔵部品気密ガイド筒42にすることにより内蔵部品10の仕様変更が容易である。
【0058】
内蔵部品下ガイド板43は、内蔵部品保持棒41が摺動可能なように内蔵部品下ガイド孔44が形成されている。内蔵部品下ガイド板43は、内蔵部品保持棒41の上下方向の摺動に応じて、内蔵部品気密ガイド筒42内を摺動しつつ、内蔵部品気密ガイド筒42内を気密に保つことができる。内蔵部品保持棒41は、内蔵部品10の大きさに応じて複数本設けることができる。内蔵部品下ガイド板43は、内蔵部品保持棒41に取付けられて内蔵部品保持棒41の昇降に従って、内蔵部品気密ガイド筒42内を昇降するようにすることもできる。
内蔵部品気密ガイド筒42の上端部には、上記のようにパリソンエキスパンダ31を収納可能な内蔵部品気密ガイド筒凹部45が形成されている。
【0059】
次に、図3に基づきブロー成形金型20の説明をする。
ブロー成形金型20は、パーティングラインで2つに分割して形成され、ブロー成形金型移動装置(図示せず)で左右に開くことが可能なようにスライドされる。ブロー成形金型20は、内部に燃料タンク1を形成するキャビティー22が形成されている。更に、左右のブロー成形金型20のキャビティー22に対応する部分にはそれぞれスライド可能なスライドコア26が設けられている。
【0060】
スライドコア26は、ブロー成形金型20が閉じて、スライドコア26が後退したときにキャビティー22の内面の一部を形成し、ブロー成形金型20が開いて、キャビティー22内に進出したときに後述する内蔵部品10とパリソン8を保持する。パリソン8は、ブロー成形金型20の上部に設けられたノズル(図示せず)から下方に押し出される。
パーティングラインで2つに分割して形成されたブロー成形金型20は、型締め時に、キャビティー22の周囲で互いに当接する。図12においては、ブロー成形金型20の金型上部23の上部当接面23aと、金型下部24の下部当接面24aで当接している。
【0061】
次に、本発明の実施の形態のブロー成形装置を使用したブロー成形品である自動車用の燃料タンク1の製造方法を、図3〜図12に基づき説明する。
ブロー成形金型20の上部には、上側ピンチ板60が設けられている。ブロー成形金型20の下部には、図4〜図12に示すように、パリソン挟持装置30が取付けられている。
図3に示すように、ブロー成形は、まず始めに、ブロー成形金型20が開いて、キャビティー22を構成する空間が開いて、その中にパリソン8が上のノズル(図示せず)から押出される。そして、パリソン8の下端がブロー成形金型20の金型下部24よりも下まで到達する。
【0062】
次に、図4に示すように、複数のパリソンエキスパンダ31がパリソン8の下端の内面入り、当接する。そして、パリソンエキスパンダ31が図4の矢印に示すようにパリソン8の中心から離れる方向に開いて、パリソン8の下端を広げる。
その時、内蔵部品10を内部に保持した内蔵部品保持装置40がパリソン8の下端の下方に位置する。
【0063】
次に、図5に示すように、上側ピンチ板60を閉じてパリソン8の上部を閉じる。
そして、内蔵部品気密ガイド筒42がパリソン8の下端の内部に挿入される。そして、パリソンエキスパンダ31が内蔵部品気密ガイド筒42の上端部に当接して、内蔵部品気密ガイド筒凹部45内に収納される。パリソン8の下端の外面は、パリソン外側挟持板32により押さえられて、内蔵部品気密ガイド筒42の方向へ移動する。そして、パリソン8の下端は、パリソン外側挟持板32と内蔵部品気密ガイド筒42により挟持される。このとき、パリソンエキスパンダ31は、内蔵部品気密ガイド筒42と一体になり、パリソン8の下端の内面を挟持している。そして、内蔵部品気密ガイド筒42の下端は、内蔵部品下ガイド板43により閉じられて、パリソン8の下端は気密になる。
【0064】
次に、図6乃至図8に示すように、プリブローを行う。プリブローは、パリソンエキスパンダ31の先端から気体をパリソン8内に吹き込むことによりパリソン8を膨らませることで行うことができる。図8に示すように、パリソンエキスパンダ31の先端にはプリブロー吹き出し口34が形成されている。このプリブロー吹き出し口34からパリソン8内に気体を吹き込むことができる。パリソン8内に吹き込む気体は、本実施の形態では空気を使用している。
【0065】
このとき、パリソン8の上部では、上述のとおり、上側ピンチ板60でパリソン8を塞いでいる。パリソン8の下部では、上述のとおり内蔵部品気密ガイド筒42、パリソンエキスパンダ31及び内蔵部品気密ガイド筒42でパリソン8を塞いで、空気の逃げを防止している。また、内蔵部品気密ガイド筒42の下部では、内蔵部品下ガイド板43が塞いで空気の逃げを防止している。
なお、図7に示すように、パリソンエキスパンダ31は、パリソンシリンダ33によりスライドされている。
【0066】
次に、図9に示すように、プリブローにより膨らませたパリソン8内に、内蔵部品気密ガイド筒42から内蔵部品10を保持した内蔵部品保持棒41を上方にスライドさせて、ブロー成形金型20のキャビティー22の位置に内蔵部品10を位置させる。このとき、パリソン8はプリブローで膨らんでいるため、内蔵部品10がパリソン8の内壁と接触することがない。
【0067】
そして、図10に示すように、ブロー成形金型20を若干閉じるとともに、ブロー成形金型20に設けられた複数のスライドコア26をスライドさせる。このとき、複数のスライドコア26は、内蔵部品10と対応する位置に設けられているので、パリソン8を内蔵部品10とスライドコア26で挟むように押圧することができる。
このとき、内蔵部品下ガイド板43は、内蔵部品気密ガイド筒42の上端に位置して、パリソン8内の空気が逃げないようにすることができる。
【0068】
そうすると、パリソン8の内面はまだ溶融状態にあるため、内蔵部品10の先端とパリソン8が融着することができる。このとき、内蔵部品10は、内蔵部品保持棒41およびスライドコア26により保持されているので、内蔵部品10は、燃料タンク1の外壁の内面の所定の位置に確実に取付けられることができる。
【0069】
その後、図11に示すように、内蔵部品10をスライドコア26により保持したままで、内蔵部品保持棒41を下降させて、ブロー成形金型20から抜く。スライドコア26で内蔵部品10を保持しているため、内蔵部品10を所定の位置に維持することができる。このとき、パリソン挟持装置30のパリソン外側挟持板32でパリソン8の下端を保持してシールし、内蔵部品気密ガイド筒42の下端に内蔵部品下ガイド板43が位置してシールされているため、パリソン8内から空気が漏れることはない。
【0070】
さらに、図12に示すように、ブロー成形金型20をさらに閉じて、ブロー成形金型20を完全に閉じる。これによりパリソン8の先端と後端は、ブロー成形金型20により完全に閉じられることができる。
パリソン8は、パーティングラインで2つに分割して形成されたブロー成形金型20のそれぞれの金型上部23の上部当接面23aと金型下部24の下部当接面24aが当接して、パリソン8の上部と下部を閉じることができる。あるいは、ブロー成形金型20とパリソン挟持装置30との間に、従来技術で示すようなピンチ板を設けてパリソン8の上部又は下部を閉じてもよい。
【0071】
そして、ブロー成形金型20の上下に設けたスライドカッター(図示せず)でパリソン8の上下を切断する。そして、エアノズル27からパリソン8の内部に空気を吹き込み、パリソン8の外面をブロー成形金型20のキャビティー22の内面に押圧して、燃料タンク1の形状を形成する。
【0072】
このとき、スライドコア26の先端面とブロー成形金型20のキャビティー22の内面とは同一平面になることができる。そして、さらにエアノズル27からパリソン8の内部に空気を吹き込み、パリソン8の外面をブロー成形金型20に完全に押圧して、燃料タンク1の形状を完全に形成する。そして、パリソン8の内部に空気を循環させてブロー成形を完了する。その後、ブロー成形金型20を開き、燃料タンク1を取出す。
【符号の説明】
【0073】
1 燃料タンク
8 パリソン
10 内蔵部品
20 ブロー成形金型
22 キャビティー
26 スライドコア
30 パリソン挟持装置
31 パリソンエキスパンダ
32 パリソン外側挟持板
40 内蔵部品保持装置
41 内蔵部品保持棒
42 内蔵部品気密ガイド筒
43 内蔵部品下ガイド板
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に内蔵部品が取付けられるブロー成形品を成形するブロー成形装置において、
該ブロー成形装置は、ブロー成形品の外壁を成形するブロー成形金型と、パリソンの下端を挟持するパリソン挟持装置と、ブロー成形前に上記内蔵部品を保持する内蔵部品保持装置を有し、
上記ブロー成形金型は、パーティングラインで2つに分割して形成された型を有し、開閉面に上記ブロー成形品を形成するキャビティーが形成され、上記キャビティーの内面に進退自在にスライドコアを設け、該スライドコアで上記内蔵部品とパリソンを挟持して上記キャビティーでブロー成形品の外壁を成形し、
上記ブロー成形金型の下方に、上記パリソンの下端を挟持するパリソン挟持装置が設けられ、該パリソン挟持装置は、上記パリソンの下端の内部に挿入される複数のパリソンエキスパンダと、上記パリソンの下端の外面を挟持するパリソン外側挟持板を有し、上記パリソンエキスパンダは、上記パリソンに対して中心から外方向に、スライド可能に取付けられ、
上記内蔵部品保持装置は、上記内蔵部品を内部に保持可能な筒状の内蔵部品気密ガイド筒と、該内蔵部品気密ガイド筒内部に上記内蔵部品を保持して上下方向にスライド可能な内蔵部品保持棒と、該内蔵部品保持棒がスライド可能な孔を有し上記内蔵部品気密ガイド筒を塞ぐ内蔵部品下ガイド板を有し、
上記ブロー成形金型が開いたときに、上記ブロー成形金型の開いた上記キャビティーの間に位置する上記パリソンの下端を複数の上記パリソンエキスパンダで拡張し、上記パリソンの下端に内蔵部品気密ガイド筒を挿入した後に、上記内蔵部品気密ガイド筒と、上記パリソン外側挟持板で上記パリソンの下端を挟持し、上記パリソンを膨らませてプリブローするように構成し、上記内蔵部品気密ガイド筒内から上記内蔵部品保持棒により上記内蔵部品を上記パリソン内に位置させて、上記キャビティーに対向する位置に上記内蔵部品を保持し、上記ブロー成形金型が閉じたときに、上記パリソンの内部に上記内蔵部品が位置し、上記パリソンと上記内蔵部品が上記スライドコアで挟持された後に、上記内蔵部品保持棒が上記ブロー成形金型から抜け出るように進退自在に構成されたブロー成形装置。
【請求項2】
上記内蔵部品気密ガイド筒の上端と、上記パリソン外側挟持板で上記パリソンの下端を挟持するときに、気体を噴き出すプリブロー吹き出し口を上記パリソンエキスパンダの上端に形成した請求項1に記載のブロー成形装置。
【請求項3】
上記パリソンエキスパンダは、上記内蔵部品気密ガイド筒の上端にスライド機構により当接可能に形成され、上記内蔵部品気密ガイド筒の上端に上記パリソンエキスパンダの収納凹部が形成された請求項1又は請求項2に記載のブロー成形装置。
【請求項4】
上記パリソンの上端を、上記ブロー成形金型の上側のブロー成形金型と離れた位置で挟持する上側ピンチ板を有する請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のブロー成形装置。
【請求項5】
上記パリソン外側挟持板は、それぞれ2分割して形成されるとともに、それぞれシリンダーで上記内蔵部品気密ガイド筒の端面に対して当接する方向に移動するよう形成された請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のブロー成形装置。
【請求項6】
内部に内蔵部品が取付けられるブロー成形品を成形するブロー成形方法において、
該ブロー成形方法は、ブロー成形品の外壁を成形するブロー成形金型と、パリソンの下端を挟持するパリソン挟持装置と、ブロー成形前に上記内蔵部品を保持する内蔵部品保持装置を使用し、
上記ブロー成形金型は、パーティングラインで2つに分割して形成された型を有し、開閉面に上記ブロー成形品を形成するキャビティーが形成され、該キャビティーの内面に進退自在にスライドコアを設け、
上記パリソン挟持装置は、上記パリソンの下端の内部に挿入される複数のパリソンエキスパンダと、上記パリソンの下端の外面を挟持するパリソン外側挟持板を有し、上記パリソンエキスパンダは、上記パリソンに対して中心から外方向に、スライド可能に取付けられ、
上記内蔵部品保持装置は、上記内蔵部品を内部に保持可能に筒状の内蔵部品気密ガイド筒と、該内蔵部品気密ガイド筒内部に内蔵部品を保持して上下方向にスライド可能な内蔵部品保持棒と、該内蔵部品保持棒がスライド可能な孔を有し上記内蔵部品気密ガイド筒を塞ぐ内蔵部品下ガイド板を有し、
上記ブロー成形金型を上記パーティングラインで開き、上記キャビティーが開かれた部分に上記パリソンを垂下し、上記パリソンの下端を複数の上記パリソンエキスパンダで下端を拡張した後に、上記パリソンの下端に上記内蔵部品気密ガイド筒を挿入し、上記内蔵部品気密ガイド筒と、パリソン外側挟持板で上記パリソンの下端を挟持し、上記パリソン内に気体を挿入してパリソンを膨らませてプリブローを行った後に、上記内蔵部品気密ガイド筒内から上記内蔵部品保持棒により上記内蔵部品を保持して、上記内蔵部品を上記パリソン内に位置させて、上記キャビティーに対向する位置に上記内蔵部品を保持した後に、上記ブロー成形金型が閉じて、上記パリソンと上記内蔵部品が上記スライドコアで挟持された後に、上記内蔵部品保持棒が上記ブロー成形金型から抜け出て、上記ブロー成形金型を完全に閉じた後に、上記パリソン内に気体を吹き込みブロー成形品を成形するブロー成形方法。
【請求項7】
上記内蔵部品気密ガイド筒の上端と、上記パリソン外側挟持板で上記パリソンの下端を挟持した後、上記パリソンエキスパンダの上端に形成されたプリブロー吹き出し口から気体を吹き出してプリブローを行う請求項6に記載のブロー成形方法。
【請求項8】
上記内蔵部品気密ガイド筒の上端に上記パリソンエキスパンダの収納凹部が形成され、上記パリソンエキスパンダは、上記パリソンエキスパンダの収納凹部にスライド機構により収納された後に、上記内蔵部品気密ガイド筒の上端と上記パリソンエキスパンダが上記パリソンの内面に当接して、上記パリソン外側挟持板が上記パリソンの外面に当接して、上記パリソンの下端の外側を挟持する請求項6又は請求項7に記載のブロー成形方法。
【請求項9】
上記プリブローの前に、上記ブロー成形金型の上側のブロー成形金型と離れた位置に設けられた上側ピンチ板で上記パリソンの上端を挟持する請求項6乃至請求項8のいずれか1項に記載のブロー成形方法。
【請求項10】
上記パリソン外側挟持板は、それぞれ2分割して形成されるとともに、それぞれシリンダーで上記内蔵部品気密ガイド筒の端面に対して当接する方向に移動する請求項6乃至請求項9のいずれか1項に記載のブロー成形方法。
【請求項1】
内部に内蔵部品が取付けられるブロー成形品を成形するブロー成形装置において、
該ブロー成形装置は、ブロー成形品の外壁を成形するブロー成形金型と、パリソンの下端を挟持するパリソン挟持装置と、ブロー成形前に上記内蔵部品を保持する内蔵部品保持装置を有し、
上記ブロー成形金型は、パーティングラインで2つに分割して形成された型を有し、開閉面に上記ブロー成形品を形成するキャビティーが形成され、上記キャビティーの内面に進退自在にスライドコアを設け、該スライドコアで上記内蔵部品とパリソンを挟持して上記キャビティーでブロー成形品の外壁を成形し、
上記ブロー成形金型の下方に、上記パリソンの下端を挟持するパリソン挟持装置が設けられ、該パリソン挟持装置は、上記パリソンの下端の内部に挿入される複数のパリソンエキスパンダと、上記パリソンの下端の外面を挟持するパリソン外側挟持板を有し、上記パリソンエキスパンダは、上記パリソンに対して中心から外方向に、スライド可能に取付けられ、
上記内蔵部品保持装置は、上記内蔵部品を内部に保持可能な筒状の内蔵部品気密ガイド筒と、該内蔵部品気密ガイド筒内部に上記内蔵部品を保持して上下方向にスライド可能な内蔵部品保持棒と、該内蔵部品保持棒がスライド可能な孔を有し上記内蔵部品気密ガイド筒を塞ぐ内蔵部品下ガイド板を有し、
上記ブロー成形金型が開いたときに、上記ブロー成形金型の開いた上記キャビティーの間に位置する上記パリソンの下端を複数の上記パリソンエキスパンダで拡張し、上記パリソンの下端に内蔵部品気密ガイド筒を挿入した後に、上記内蔵部品気密ガイド筒と、上記パリソン外側挟持板で上記パリソンの下端を挟持し、上記パリソンを膨らませてプリブローするように構成し、上記内蔵部品気密ガイド筒内から上記内蔵部品保持棒により上記内蔵部品を上記パリソン内に位置させて、上記キャビティーに対向する位置に上記内蔵部品を保持し、上記ブロー成形金型が閉じたときに、上記パリソンの内部に上記内蔵部品が位置し、上記パリソンと上記内蔵部品が上記スライドコアで挟持された後に、上記内蔵部品保持棒が上記ブロー成形金型から抜け出るように進退自在に構成されたブロー成形装置。
【請求項2】
上記内蔵部品気密ガイド筒の上端と、上記パリソン外側挟持板で上記パリソンの下端を挟持するときに、気体を噴き出すプリブロー吹き出し口を上記パリソンエキスパンダの上端に形成した請求項1に記載のブロー成形装置。
【請求項3】
上記パリソンエキスパンダは、上記内蔵部品気密ガイド筒の上端にスライド機構により当接可能に形成され、上記内蔵部品気密ガイド筒の上端に上記パリソンエキスパンダの収納凹部が形成された請求項1又は請求項2に記載のブロー成形装置。
【請求項4】
上記パリソンの上端を、上記ブロー成形金型の上側のブロー成形金型と離れた位置で挟持する上側ピンチ板を有する請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のブロー成形装置。
【請求項5】
上記パリソン外側挟持板は、それぞれ2分割して形成されるとともに、それぞれシリンダーで上記内蔵部品気密ガイド筒の端面に対して当接する方向に移動するよう形成された請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のブロー成形装置。
【請求項6】
内部に内蔵部品が取付けられるブロー成形品を成形するブロー成形方法において、
該ブロー成形方法は、ブロー成形品の外壁を成形するブロー成形金型と、パリソンの下端を挟持するパリソン挟持装置と、ブロー成形前に上記内蔵部品を保持する内蔵部品保持装置を使用し、
上記ブロー成形金型は、パーティングラインで2つに分割して形成された型を有し、開閉面に上記ブロー成形品を形成するキャビティーが形成され、該キャビティーの内面に進退自在にスライドコアを設け、
上記パリソン挟持装置は、上記パリソンの下端の内部に挿入される複数のパリソンエキスパンダと、上記パリソンの下端の外面を挟持するパリソン外側挟持板を有し、上記パリソンエキスパンダは、上記パリソンに対して中心から外方向に、スライド可能に取付けられ、
上記内蔵部品保持装置は、上記内蔵部品を内部に保持可能に筒状の内蔵部品気密ガイド筒と、該内蔵部品気密ガイド筒内部に内蔵部品を保持して上下方向にスライド可能な内蔵部品保持棒と、該内蔵部品保持棒がスライド可能な孔を有し上記内蔵部品気密ガイド筒を塞ぐ内蔵部品下ガイド板を有し、
上記ブロー成形金型を上記パーティングラインで開き、上記キャビティーが開かれた部分に上記パリソンを垂下し、上記パリソンの下端を複数の上記パリソンエキスパンダで下端を拡張した後に、上記パリソンの下端に上記内蔵部品気密ガイド筒を挿入し、上記内蔵部品気密ガイド筒と、パリソン外側挟持板で上記パリソンの下端を挟持し、上記パリソン内に気体を挿入してパリソンを膨らませてプリブローを行った後に、上記内蔵部品気密ガイド筒内から上記内蔵部品保持棒により上記内蔵部品を保持して、上記内蔵部品を上記パリソン内に位置させて、上記キャビティーに対向する位置に上記内蔵部品を保持した後に、上記ブロー成形金型が閉じて、上記パリソンと上記内蔵部品が上記スライドコアで挟持された後に、上記内蔵部品保持棒が上記ブロー成形金型から抜け出て、上記ブロー成形金型を完全に閉じた後に、上記パリソン内に気体を吹き込みブロー成形品を成形するブロー成形方法。
【請求項7】
上記内蔵部品気密ガイド筒の上端と、上記パリソン外側挟持板で上記パリソンの下端を挟持した後、上記パリソンエキスパンダの上端に形成されたプリブロー吹き出し口から気体を吹き出してプリブローを行う請求項6に記載のブロー成形方法。
【請求項8】
上記内蔵部品気密ガイド筒の上端に上記パリソンエキスパンダの収納凹部が形成され、上記パリソンエキスパンダは、上記パリソンエキスパンダの収納凹部にスライド機構により収納された後に、上記内蔵部品気密ガイド筒の上端と上記パリソンエキスパンダが上記パリソンの内面に当接して、上記パリソン外側挟持板が上記パリソンの外面に当接して、上記パリソンの下端の外側を挟持する請求項6又は請求項7に記載のブロー成形方法。
【請求項9】
上記プリブローの前に、上記ブロー成形金型の上側のブロー成形金型と離れた位置に設けられた上側ピンチ板で上記パリソンの上端を挟持する請求項6乃至請求項8のいずれか1項に記載のブロー成形方法。
【請求項10】
上記パリソン外側挟持板は、それぞれ2分割して形成されるとともに、それぞれシリンダーで上記内蔵部品気密ガイド筒の端面に対して当接する方向に移動する請求項6乃至請求項9のいずれか1項に記載のブロー成形方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2013−71294(P2013−71294A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−210979(P2011−210979)
【出願日】平成23年9月27日(2011.9.27)
【出願人】(308039414)株式会社FTS (60)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月27日(2011.9.27)
【出願人】(308039414)株式会社FTS (60)
【Fターム(参考)】
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