説明

プラネタリギヤユニットの強制潤滑機構

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プラネタリギヤユニットの強制潤滑機構に係り、詳しくは、キャリヤの内部を貫通する潤滑油路を形成し、この潤滑油路を介して、ピニオンの内周に潤滑油を供給する強制潤滑機構に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車の自動変速機に組み込まれたプラネタリギヤユニット11は、例えば図4に示すように、出力軸5の回りに配設したサンギヤ25、キャリヤ21、ピニオン22及びリングギヤ23の各回転要素を備えてなり、ピニオン22に対する潤滑は、遠心力を利用して行っている。
【0003】出力軸5には、軸方向の油路5aと径方向の油路5b,5c,5dとが形成されており、出力軸5の外周には、サンギヤ25が被嵌され、キャリヤ21のボス部21aがスプライン結合され、また、リングギヤ23のハブ部23aが係合されている。
【0004】サンギヤ25とリングギヤ23とに噛合するピニオン22は、キャリヤ21のピン21bに装着したニードルベアリング22aによって回動自在に支持されており、ピン21bには、軸方向の油穴21cとこれに連通してニードルベアリング22aに向けて開口する油穴21dとが形成されている。また、油穴21cの入口には、オイルリザーバ21kが取り付けられている。
【0005】そして、プラネタリギヤユニット11の回転要素が作動するとき、ピニオン22の内周に供給される潤滑油は、出力軸5の油路5a,5cを介して出力軸5の外周側に供給され、これに作用する遠心力によって、相互に隣接するボス部21aとハブ部23aとの間に介装されたスラストベアリング23bを通過し、つづいてオイルリザーバ21kにガイドされてピン21bの油穴21cに導かれ、更に油穴21dを通ってピニオン22の内周、すなわちニードルベアリング22aに供給される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近時、自動車エンジンの高回転化、高トルク化に伴い、キャリヤに対するピニオンの相対回転速度が上昇し、また、伝達トルクも増大する傾向にある。このためピニオンの内周に更に多くの潤滑油を供給することが必須となったが、遠心力による消極的な潤滑に頼っていたのでは、十分な潤滑油量を供給することが困難であるという問題が発生した。
【0007】しかし、潤滑油量を増加するために積極的に強制潤滑するときは、出力軸にスプライン結合しているキャリヤのボス部に油穴を穿設することが必要であり、油穴の穿設は、ボス部と軸との連結強度を低下させることになる。また、連結強度の低下を防ぐためにボス部の軸方向の長さを伸ばして連結長さを延長することが考えられるが、このときは、リングギヤの装着位置をずらさねばならず、プラネタリギヤユニット全体の軸方向の長さが延長されてしまうという新たな問題が発生するおそれがある。
【0008】そこで、本発明は、軸にスプライン結合するキャリヤのボス部を軸方向に延長すると共に、ボス部の外周にてリングギヤを回動自在に支持し、かつキャリヤを貫通する潤滑油路を形成することにより、軸とキャリヤとの連結強度を低下させることなく、しかもプラネタリギヤユニットの全体長さを延長することなく、ピニオンの内周に十分な潤滑油量を供給することができるプラネタリギヤユニットの強制潤滑機構を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述事情に鑑みなされたものであって、軸の外周面においてキャリヤのボス部とリングギヤのハブ部とが軸方向に隣接して配置されると共に、キャリヤが回動自在に支持するピニオンに対し、軸に穿設した油路から潤滑油を供給してなるプラネタリギヤユニットにおいて、軸の外周面にスプラインを形成し、キャリヤのボス部を軸方向に延長して形成し、延長されたボス部をスプラインに係合し、延長されたボス部の外周面にハブ部を係合してリングギヤを回動自在に支持し、キャリヤを貫通する潤滑油路を形成し、潤滑油路の一端を延長されたボス部の軸方向の中途にて軸の油路に向けて開口すると共に潤滑油路の他端をピニオンの内周に向けて開口してなることを特徴とする。
【0010】
【作用】以上の構成に基づき、軸にスプライン結合するキャリヤのボス部の軸方向の長さを延長することにより、ボス部の中途にて開口する潤滑油路を形成しても、軸とキャリヤとの連結長さを長くして、両者の連結強度を強くすることができる。
【0011】また、キャリヤのボス部を延長しても、これに隣接するリングギヤのハブ部をボス部の外周面に係合してキャリヤを回動自在に支持することにより、ボス部とハブ部との一部を重層させることができるから、プラネタリギヤユニット全体が軸方向に延長されることはない。
【0012】更に、キャリヤを貫通する潤滑油路は、一端がボス部の軸方向の中途にて開口しており、その前後においてはボス部と軸とがスプライン結合していて油密が保たれるから、潤滑油は、ここから漏洩することがなく、潤滑油路の他端が開口するピニオンの内周に有効に供給することができる。
【0013】
【実施例】以下、図面に沿って、本発明の実施例について説明する。
【0014】なお、以下においては、本発明を図2に示すフロントプラネタリギヤユニット11に適用した実施例を説明する。
【0015】まず、フロントプラネタリギヤユニット11を装着した自動変速機1について、図2に沿ってその概要を説明するに、自動変速機1は、同心状に配置したOD入力軸2、入力軸3及び出力軸5を有しており、OD入力軸2上には、ロックアップクラッチ6を備えたトルクコンバータ7と、ODプラネタリギヤユニット9からなる副変速ユニット10とが配設され、一方、出力軸5上には、フロントプラネタリギヤユニット11とリヤプラネタリギヤユニット12とからなる主変速ユニット13が配設されている。なお、これら3組のプラネタリギヤユニット9,11,12は、いずれもトランスミッションケース15の内部に収容されている。
【0016】ODプラネタリギヤユニット9は、OD入力軸2に被嵌するサンギヤ16及びOD入力軸2に直結するキャリヤ17を有し、キャリヤ17にはサンギヤ16に噛合するピニオン19が軸着され、ピニオン19には主変速ユニット13の入力軸3に直結するリングギヤ20が噛合している。そしてサンギヤ16とキャリヤ17との間には、ODダイレクトクラッチC0とワンウェイクラッチF0とが介装され、また、サンギヤ16とトランスミッションケース15との間にはODブレーキB0が介装されている。
【0017】フロントプラネタリギヤユニット11は、出力軸5に直結するキャリヤ21、キャリヤ21に軸着するピニオン22、ピニオン22に噛合するリングギヤ23、ピニオン22に噛合するフロントサンギヤ25aを前端部に形成すると共に、後端部にはリヤプラネタリギヤユニット12のピニオン26に噛合するリヤサンギヤ25bを形成するサンギヤ25を備えている。このサンギヤ25は、トランスミッションケース15との間に第1コーストブレーキB1が介装され、また、入力軸3との間にはダイレクトクラッチC2が介装されている。更に、リングギヤ23と入力軸3との間にはフォワードクラッチC1が介在している。
【0018】リヤプラネタリギヤユニット12は、出力軸5に直結するリングギヤ27、リングギヤ27に噛合するピニオン26及びピニオン26を軸支するキャリヤ29を有し、ピニオン26に噛合するリヤサンギヤ25bは、フロントプラネタリギヤユニット11のフロントサンギヤ25aと共に、サンギヤ25の前端と後端とに形成されている。そして、サンギヤ25は、出力軸5に回動自在に被嵌すると共に、ワンウェイクラッチF1、ブレーキB2を介してトランスミッションケース15に連結されている。また、キャリヤ29とトランスミッションケース15との間には、ブレーキB3及びワンウェイクラッチF2が介装されている。
【0019】ついで、上述の自動変速機1の作動を、図2R>2及び図3に沿って説明する。
【0020】自動変速機1の各クラッチC0,C1,C2、各ブレーキB0,B1,B2,B3及び各ワンウェイクラッチF0,F1,F2は、各ポジションP,R,N,D,3,Lにおける各変速段にて、それぞれ図3に示す作動表のように制御されている。なお、同図中において、各クラッチC0,C1,C2、各ブレーキB0,B1,B2,B3の係合状態と、各ワンウェイクラッチF0,F1,F2のロック状態とは○印で図示し、一方、前者の解放状態と後者とのフリー状態は、×印で図示している。ただし、ワンウェイクラッチF1,F2の◎印は、エンジンブレーキ時には、各ワンウェイクラッチF1,F2がフリー状態であることを示す。
【0021】まず、Dレンジ又は3レンジにおける1速時は、ODダイレクトクラッチC0、ワンウェイクラッチF0,F2及びフォワードクラッチC1が係合し、他は解放状態になっている。従って、副変速ユニット10は、ODダイレクトクラッチC0及びワンウェイクラッチF0を介してODプラネタリギヤユニット9が一体となって直結状態となっており、OD入力軸2の右回転はそのまま主変速ユニット13の入力軸3に伝達される。また主変速ユニット13では、入力軸3の回転がフォワードクラッチC1を介してフロントプラネタリギヤユニット11のリングギヤ23に伝達され、更にピニオン22、及びピニオン22と一体の出力軸5に伝達されると共に、サンギヤ25を介してリヤプラネタリギヤユニット12のピニオン26に左方向の公転力を付与するが、ワンウェイクラッチF2にてこの公転が阻止され、ピニオン26は自転して出力軸5と一体のリングギヤ27に動力伝達する。即ち主変速ユニット13は、1速状態であって、副変速ユニット10の直結状態と相俟って、自動変速機1全体として1速状態になる。なお、このとき、主変速ユニット13は、出力軸5に回転トルクを伝達するに際し、フロントプラネタリギヤユニット11を介して伝達するものとリヤプラネタリギヤユニット12を介して伝達するものとの2系統に分岐し、その分各ギヤの受ける荷重を分散している。
【0022】また、Dレンジにおける2速時は、ODブレーキB0、ワンウェイクラッチF2及びフォワードクラッチC1が係合し、他は解放状態になっている。従って、副変速ユニット10は、サンギヤ16がODブレーキB0にてロックされ、ピニオン19が公転しながら自転してリングギヤ20に動力を伝達し、主変速ユニット13の入力軸3に増速(0D)回転を伝達する。また主変速ユニット13は先の1速状態と同じであり、従って主変速ユニット13の1速と副変速ユニット10の増速とが相俟って自動変速機1全体として2速状態になる。
【0023】また、Dレンジにおける3速時は、ODダイレクトクラッチC0、ワンウェイクラッチF0、フォワードクラッチC1、ワンウェイクラッチF1及びブレーキB2が係合し、他は解放状態にある。従って、副変速ユニット10は先に述べた直結状態にあり、OD入力軸2の回転がそのまま主変速ユニット13の入力軸3に伝達される。また主変速ユニット13は、入力軸3の回転がクラッチC1を介してフロントプラネタリギヤユニット11のリングギヤ23に伝わり、ピニオン22を介してサンギヤ25に左方向の回転力を付与するが、該サンギヤ25はブレーキB2の係合に伴うワンウェイクラッチF1にて該方向の回転が阻止され、従ってピニオン22は自転しながら公転し、フロントプラネタリギヤユニット11のみを経由して2速回転が出力軸5に伝達される。これにより、副変速ユニット10の直結状態と主変速ユニット13の2速状態とが相俟って、自動変速機1全体として3速が得られる。
【0024】また、Dレンジにおける4速時は、ODダイレクトクラッチC0、ワンウェイクラッチF0、フォワードクラッチC1、ダイレクトクラッチC2及びブレーキB2が係合し、他は解放状態にある。従って、副変速ユニット10は先に述べた直結状態にあり、また主変速ユニット13は、クラッチC1,C2の係合によりフロントプラネタリギヤユニット11が一体になって、入力軸3の回転はそのまま出力軸5に伝達される。これにより、副変速ユニット10の直結及び主変速ユニット13の3速が相俟って、自動変速機1全体としてOD入力軸2、入力軸3、出力軸5が一体に回転する4速が得られる。
【0025】また、Dレンジにおける5速時は、ODブレーキB0、フォワードクラッチC1、ダイレクトクラッチC2及びブレーキB2が係合し、他は解放状態にある。従って、副変速ユニット10は先に述べた増速(OD)状態にあり、また主変速ユニット13も先に述べた3速状態にあり、これら両変速ユニット10,13が相俟って自動変速機1全体として5速が得られる。
【0026】また、Rレンジ時は、ODダイレクトクラッチC0、ワンウェイクラッチF0、ダイレクトクラッチC2及びブレーキB3が係合し、他は解放状態にある。従って、副変速ユニット10は直結状態にあり、また主変速ユニット13は、入力軸3の回転がクラッチC2により直接サンギヤ25に伝達され、かつブレーキB3によりリアのピニオン26の公転がロックされているので、サンギヤ25の回転はピニオン26の自転を介してリングギヤ27に左回転として伝達され、出力軸5を逆転する。
【0027】また、3レンジ又はLレンジにおける3速時は、先に述べたDレンジの3速において、第1コーストブレーキB1が係合しており、従ってサンギヤ25の回転が両方向とも阻止され、エンジンブレーキが可能となる。
【0028】また、Lレンジにおける1速時は、Dレンジにおける1速において、ブレーキB3が係合しており、従ってリヤのピニオン26の公転が両方向とも阻止され、エンジンブレーキが可能となる。
【0029】このように、ピニオン22は、主変速ユニット13の1速又は2速のときに、キャリヤ21による公転運動の外にリングギヤ23による自転が加わり、キャリヤ21に対して相対回転することになる。そして、特にこれに、副変速ユニット10による増速が加わり、自動変速機1全体として2速のときに、ピニオン22の相対回転は増速されることになり、ピニオン22に供給する潤滑油量を増やすことが必要になる。
【0030】ついで、本発明の主要部分であるフロントプラネタリギヤユニット11について、図1に沿って詳述する。
【0031】フロントプラネタリギヤユニット11は、全体として出力軸5の回りに配設されており、出力軸5には、軸方向に形成した油路5aと、油路5aから径方向に穿設した油路5b,5c,5dとによって潤滑油の供給経路が形成されている。
【0032】出力軸5の外周の後端側(図1の右側)には、サンギヤ25が回動自在に被嵌されており、サンギヤ25には、内周側と、外周側の歯部25dとを連通する油路25eが形成されている。また歯部25dの後端にはドラム部材25fが係合されていて、前側のダイレクトクラッチC2の係脱によって、入力軸3の回転がドラム部材25fを介してサンギヤ25に接断するようになっている。更に、第1コーストブレーキB1にてドラム部材25fを固定するときは、これによってサンギヤ25はロックされる。
【0033】出力軸5の油路5b,5d間の外周面には、油路5cの前側と後側とにスプライン5eが形成されており、スプライン5eには、キャリヤ21のボス部21aが係合されている。ボス部21aは前後に長く形成してあり、軸方向の中途にて出力軸5の油路5cに向けて開口する潤滑油路21eがキャリヤ21の径方向に形成されている。潤滑油路21eは更にキャリヤ21のピン21fを軸方向に貫通した上、更に径方向に貫通してピニオン22の内周に向けて開口している。なお、潤滑油路21eは、所定箇所がプラグ21gによって閉栓され、また、出力軸5の油路5cとの接合部分がその前後のスプライン結合によって油密状に保たれており、油路5a,5cを介して供給される潤滑油が、ピニオン22の内周に有効に供給されるようになっている。このピニオン22は、ニードルベアリング22aを介してピン21fの外周に回動自在に支持されており、内径側にてサンギヤ25の歯部25dに噛合し、外径側にてリングギヤ23の内周面の歯部23bに噛合している。なお、ピニオン22の前端面及び後端面にはワシャ22bが配置されている。
【0034】リングギヤ23は、内径側にハブ部23aを形成し、このハブ部23aの内周が、キャリヤ21の前方に延長したボス部21aの外周面21hに係合し、これによりリングギヤ23はその全体が回動自在に支持される。また、リングギヤ23の前面と入力軸3との間及び、後面とキャリヤ21との間には、それぞれスラストベアリング23cが介装されている。更に、リングギヤ23には、入力軸3と一体のフランジ部材3aとの間にフォワードクラッチC1が介装されており、これをアクチュエータ26にて係脱することにより、入力軸3の回転がリングギヤ23に接断するようになっている。ただし、自動車の前進時は常時、フォワードクラッチC1は係合し、これにより、リングギヤ23は常に回転している。
【0035】ついで、上述した実施例の作動について、図1、図2に沿って説明する。
【0036】前述のように、副変速ユニット10を増速(OD)状態、また、主変速ユニット13を1速状態にし、自動変速機1全体として2速にすると、入力軸3が増速回転し、フォワードクラッチC1を介してリングギヤ23も増速回転する。一方、サンギヤ25は、ダイレクトクラッチC2の解放に基づき、リングギヤ23とは逆方向に回転し、これによりピニオン22は高速にて自転、すなわちキャリヤ21に対して相対回転する。
【0037】このとき、図示しない油圧装置によって出力軸5の油路5aに供給された潤滑油は、漏洩することなく、油路5cから、キャリヤ21の潤滑油路21eに供給され、更に、ピニオン22の内周、すなわちニードルベアリング22aに強制的に供給される。これにより、多くの潤滑油を有効にピニオン22に供給することができる。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によると、キャリヤのボス部を軸方向に延長して軸の外周面にスプライン結合し、ボス部の外周面に係合するハブ部によってリングギヤを回動自在に支持し、更に、キャリヤを貫通する潤滑油路を形成し、その一端をボス部の軸方向の中途にて軸の油路に向けて開口し、他端をピニオンの内周に向けて開口することにより、キャリヤと軸との連結長さを十分確保しながらもキャリヤとリングギヤとの軸方向の配設長さの増加を防止でき、しかも、潤滑油が軸からキャリヤに供給されるときの漏洩を極小に抑えることができるので、キャリヤと軸との十分な連結強度を実現し、また、全体の軸方向のコンパクト性を損なうことなしに、強制潤滑により多量の潤滑油をピニオンの内周に有効に供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す断面図。
【図2】本発明を適用した自動変速機の概要図。
【図3】自動変速機の作動表。
【図4】従来例を示す要部断面図。
【符号の説明】
5 出力軸(軸)
5a,5b,5c,5d 油路
5e スプライン
11 フロントプラネタリギヤユニット(プラネタリギヤユニット)
21 キャリヤ
21a ボス部
21e 潤滑油路
21h ボス部の外周面
22 ピニオン
23 リングギヤ
23a ハブ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】 軸の外周面においてキャリヤのボス部とリングギヤのハブ部とが軸方向に隣接して配置されると共に、該キャリヤが回動自在に支持するピニオンに対し、軸に穿設した油路から潤滑油を供給してなるプラネタリギヤユニットにおいて、前記軸の外周面にスプラインを形成し、前記ボス部を軸方向に延長して形成し、該延長されたボス部を前記スプラインに係合し、該延長されたボス部の外周面に前記ハブ部を係合して前記リングギヤを回動自在に支持し、前記キャリヤを貫通する潤滑油路を形成し、該潤滑油路の一端を前記延長されたボス部の軸方向の中途にて前記軸の油路に向けて開口すると共に他端を前記ピニオンの内周に向けて開口してなることを特徴とするプラネタリギヤユニットの強制潤滑機構。

【図1】
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【図4】
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【図2】
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【図3】
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【特許番号】第2712862号
【登録日】平成9年(1997)10月31日
【発行日】平成10年(1998)2月16日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平3−63963
【出願日】平成3年(1991)3月5日
【公開番号】特開平4−277359
【公開日】平成4年(1992)10月2日
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【参考文献】
【文献】特開 昭58−131453(JP,A)
【文献】特開 平2−278058(JP,A)
【文献】実開 昭63−49053(JP,U)