説明

プロジェクタ用スクリーンとプロジェクタ

【課題】プロジェクタの動画像をスクリーンに表示する際の動画ボケ対処をスクリーンの側で行う。
【解決手段】反射型スクリーン100は、スクリーン領域を帯形状の帯状スクリーン領域S1〜Snを横方向に多列に並べて形成し、この帯状スクリーン領域S1〜Snの並びにおいて、光反射領域と光吸収領域とを交互に発現させる。そして、反射型スクリーン100は、ピエゾ素子を内蔵した往復動発生装置102により横方向に往復動する。帯状スクリーン領域S1〜Snの並びにおける光吸収領域は、帯状スクリーン領域S1〜Snの並びにおける隣の光反射領域が占めていた位置に重なるように移動した後に元の位置に復帰する。よって、帯状スクリーン領域S1〜Snの並びにおいて動画像を表示しないこの光吸収領域を動画像の表示領域であるスクリーン領域において移動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像信号を走査出力して得られる動画像を投写するプロジェクタと、プロジェクタが動画像を投写する際に発する投写光を透過させる或いは該投写光を反射させることで動画像を表示するプロジェクタ用スクリーンに関する。
【背景技術】
【0002】
スクリーンは、プロジェクタが映像信号を走査出力して得た動画像を表示するものであることから、表示画像の品質向上のため種々の提案がなされている(例えば、特許文献1、特許文献2)。
【0003】
上記した特許文献で提案されているスクリーンは、その反射率を可変にすることで室内照明光の写り込みを防止して表示画像の画質向上を図ったり、スクリーンを波状に振動させることで干渉光の影響を低減して表示画像の画質向上を図っている。しかしながら、これら特許文献のスクリーンは、動画像を表示する場合に固有のいわゆる動画ボケの抑制もしくは解消には何ら寄与していない。動画像表示の際には、一般にフレームごとに画像が推移していき、看者はその画像推移を見続けることで動画像を認識する。こうしたフレームごとの画像推移を見る場合、人間の網膜には画像の残像が残ることから、この残像に次の画像が重なって動画像がぼやけ、これにより動画ボケが生じる。こうした動画ボケによる品質低下は、室内照明光の写り込みや干渉光の影響による品質低下と全く異質なものであることから、既述した各特許文献で提案されたスクリーンでは、動画ボケの抑制もしくは解消を図ることはできないのである。
【0004】
その一方、動画ボケの抑制もしくは解消を、動画像を生成する装置の側で達成する技術も提案されている(例えば、特許文献3)。この特許文献では、フレームごとの画像推移の間において、固定レベル(例えば、黒レベル)の信号による黒画像を瞬時に表示して残像を防止し、これを持って動画ボケの抑制や解消を図っている。なお、上記特許文献は液晶表示装置について適用しているが、動画像を得る点ではプロジェクタにあっても同様であることから、プロジェクタでの動画像生成においてこの特許文献の技術を適用することで、プロジェクタの投写光をスクリーンに当てて表示した動画像での動画ボケの抑制や解消にも効果があると予想される。
【0005】
【特許文献1】特開2003−121943号公報
【特許文献2】特開2005−107150号公報
【特許文献3】特開2006−106689号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、既存のプロジェクタの側でこうした動画ボケに対処を図るには、プロジェクタが画像生成のために有する他の制御機器や回路構成との整合を採る必要があるため、大がかりな改造や回路変更を必要とする。新規製品であれば、動画ボケ対処を加味した設計変更や製造設備変更も必要となる。
【0007】
本発明は、上記問題点を解決するためになされ、プロジェクタの動画像をスクリーンに表示する際の動画ボケ対処を行う新たな手法を提供することをその目的とし、より詳しくは、動画ボケ対処が可能な新たなスクリーンを提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる課題の少なくとも一部を解決するため、本発明のプロジェクタ用スクリーンは、映像信号を走査出力して得られる動画像を投写するプロジェクタと併用するに当たり、該プロジェクタが前記動画像を投写する際に発する投写光が到達することで前記動画像を表示する。動画像を表示するスクリーン領域はスクリーン部材によって形成され、このスクリーン部材は、到達した前記投写光を看者の側に至らしめる性質を備える第1領域と、到達した前記投写光を看者に届かないようにする性質を備える第2領域とを交互に多列に並べることで前記スクリーン領域を形成する。つまり、スクリーン領域は、第1領域の集合と第2領域の集合とされ、スクリーン領域において第1領域と第2領域が交互に占めることになる。そして、それぞれの第1領域が占める領域は、第1領域の上記した性質により、当該領域に到達した前記投写光を受けて動画像を表示し、看者は、この第1領域が集合した領域の集合動画像を視認する。その一方、それぞれの第2領域が占める領域は、第2領域の上記した性質により、動画像を表示しないので、看者は、第2領域が集合した領域に到達した前記投写光による動画像を視認しないことになる。
【0009】
前記スクリーン部材は、往復動手段によって、前記第1領域と前記第2領域の並びに沿って往復動するので、この往復動により、前記第1領域はその隣の前記第2領域が占めていた位置に重なるように移動して元の位置に復帰し、前記第2領域はその隣の前記第1領域が占めていた位置に重なるように移動して元の位置に復帰する。よって、本発明のプロジェクタ用スクリーンでは、既述したようなフレームごとの画像投写の間に、動画像を表示するそれぞれの第1領域が集合した領域での画像部分と、この第1領域が動画像を表示しない第2領域に移動した場合におけるそれぞれの第1領域が集合した領域での画像部分とに分けて、フレーム画像の総てを看者に視認させつつ、当該フレーム画像の一部分の画像部分を変えながら、即ち、動画像を表示しないそれぞれの第2領域が集合した領域に該当する画像部分から、この第2領域が動画像を表示する第1領域に移動した場合におけるそれぞれの第2領域が集合した領域に該当する画像部分に変えながら当該画像部分を看者に視認させないようにする。このため、本発明のプロジェクタ用スクリーンによれば、画像を視認している看者に当該画像が視認されないようにして網膜の残像を抑制することを、スクリーンの側で単独で達成できる。この結果、本発明のプロジェクタ用スクリーンによれば、プロジェクタの動画像をスクリーンに投写して表示する際の動画ボケ対処が可能な新たなスクリーンを提供することができる。つまりは、動画ボケの抑制或いは解消による動画像表示品質の向上を図るに際し、既存のプロジェクタの改造や回路変更が不要となるので、容易に動画表示品質を向上できる。また、スクリーン部材を第1、第2領域の並びに沿って往復動させればよいことから、プロジェクタの側での動画像生成および投写光照射の方式に依存しないので、汎用性が高まる。
【0010】
この場合、スクリーン部材を第1、第2領域の並びに沿って往復動させるに当たり、前記プロジェクタから、前記映像信号の走査出力の状況を表す信号の入力を受け、該信号に基づいてスクリーン部材を第1、第2領域の並びに沿って往復動制御して、それぞれの前記第2領域を前記映像信号の走査出力に同期させて前記スクリーン領域において移動させることができる。こうすれば、フレームごとの画像推移の間に画像を表示しないようにして網膜の残像を抑制することの実効性が高まるので、動画像表示品質の向上の上で好ましい。
【0011】
そして、前記スクリーン部材の前記第1領域にて、光の透過或いは光の反射の機能を発揮することで前記投写光を看者の側に至らしめ、前記スクリーン部材の前記第2領域にて、光を吸収する機能を発揮することで前記投写光を前記看者に届かないようにするようにできる。こうすれば、個々の第1領域が、その発揮する光の透過或いは光の反射の機能により、プロジェクタの投写光を透過させる或いは該投写光を反射させるので、スクリーン領域において個々の第1領域が占める領域で、当該領域に該当する動画像を表示し、この第1領域の集合が占めるスクリーン領域では、プロジェクタの動画像を表示する。その一方、個々の第2領域が、その発揮する光の吸収機能により、プロジェクタの投写光を吸収するので、スクリーン領域において個々の第2領域が占める領域で動画像の表示を行わないようにし、動画像の表示を行わない範囲を移動させる。
【0012】
上記した本発明のプロジェクタ用スクリーンは、種々の態様を採ることができる。例えば、前記プロジェクタが前記動画像を投写する際に発する投写光を反射する反射ミラーを備えるものとし、その上で、前記スクリーン部材を、前記反射ミラーの反射した反射光が前記スクリーン領域に到達するよう前記反射ミラーに対向させ、前記第1領域を、光の透過機能を発揮して前記反射ミラーから到達した前記反射光を透過させるものとできる。こうすれば、プロジェクタからスクリーン部材に到るまでの投写光の光路長を確保した上で、光路を屈曲できるので、スクリーン部材とプロジェクタの近接配置が可能となり、省スペース化が可能となる。
【0013】
この場合、筐体の背面の側に前記反射ミラーを配し、前記筐体の前面の側に前記スクリーン部材を配置して、筐体背面の側の前記反射ミラーと対向させるようにできる。こうすれば、プロジェクタから多列のスクリーン部材に到るまでの投写光の光路が筐体で囲まれることから、照明光等を投写光の光路に入り込まないようにできるので、輝度確保の上で好ましい。また、反射ミラーとスクリーン部材(スクリーン領域)の位置関係も筐体により固定されることから、焦点合わせ等が簡略化されると共に、取扱も簡便となる。
【0014】
上記の課題の少なくとも一部を解決するための本発明の他のプロジェクタ用スクリーンは、映像信号を走査出力して得られる動画像を投写するプロジェクタと併用するに当たり、反射ミラーにて、前記プロジェクタが前記動画像を投写する際に発する投写光を反射させ、この反射光を、前記反射ミラーに対向する透光性のスクリーンボードに到達させ、スクリーンボードに到達した反射光を透過させることで前記動画像を表示する。反射ミラーにおける前記投写光の反射面領域は反射面部材によって形成され、この反射面部材は、光を反射する性質を備える反射領域と、光を吸収する性質を備える光吸収領域とを交互に多列に並べて前記反射面領域を形成する。つまり、反射面領域は、反射領域の集合と光吸収領域の集合とされ、反射面領域において反射領域の集合と光吸収領域が交互に占めることになる。そして、それぞれの反射領域が占める領域は、プロジェクタの投写光を反射させてスクリーンボードに到達させるので、それぞれの反射領域が占める領域で反射した投写光が達するスクリーンボードの領域において、当該領域に該当する動画像を表示し、看者は、この反射領域が集合した領域の集合動画像をスクリーンボードを経て視認する。その一方、それぞれの光吸収領域が占める領域は、プロジェクタの投写光を吸収するので、光吸収領域が占める各領域での投写光の反射が起きないので、当該領域に該当するスクリーンボードの領域において動画像の表示を行わない。よって、看者は、光吸収領域が集合した領域に到達した前記投写光による動画像を視認しないことになる。
【0015】
そして、反射面部材は、往復動手段によって、前記反射領域と前記光吸収領域の並びに沿って往復動するので、この往復動により、前記反射領域をその隣の前記光吸収領域が占めていた位置に重なる位置と元の位置とを取らせ、前記光吸収領域をその隣の前記反射領域が占めていた位置に重なる位置と元の位置とを取らせる。よって、上記した本発明の他のプロジェクタ用スクリーンであっても、動画像を表示しない光吸収領域の移動によって、既述したようにフレームごとの画像投写の間に画像を表示しないようにして網膜の残像を抑制することを、スクリーンの側で単独で達成できる。この結果、本発明の他のプロジェクタ用スクリーンによっても、既述した効果を奏することができる。
【0016】
本発明のこの他のプロジェクタ用スクリーンにおいても、先に説明した本発明のプロジェクタ用スクリーンと同様、プロジェクタでの映像信号の走査出力に同期させて、光吸収領域を前記反射面領域において移動させたりすることができる。
【0017】
この他、本発明は、スクリーンと筐体を介して一体としたプロジェクタとしても適用でき、その形態としては、プロジェクタを収納した筐体に、その背面側に反射ミラーを、前面側にスクリーンを配したいわゆるリアプロジェクタがある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について、その実施例をスクリーンの性質で分けつつ次の順序で説明する。
【0019】
A:反射型スクリーンの態様;
B:透過型スクリーンの態様;
C:反射型スクリーンの他の態様;
D:変形例;
【0020】
A:反射型スクリーンの態様;
図1は本発明の一実施例としての反射型スクリーン100とこのスクリーンに投写するプロジェクタ10とを併記して示す説明図、図2は反射型スクリーン100に動画像を投写している使用状態の様子をプロジェクタ10の映像信号の走査出力と関連付けて示す説明図である。
【0021】
図1に示すように、プロジェクタ10と反射型スクリーン100とは、対向配置される。プロジェクタ10は、映像信号を走査出力して得られる動画像を投写するよう構成され、動画像の投写に当たり、投写光を反射型スクリーン100に向けて発する。反射型スクリーン100は、到達した投写光により動画像を表示し、その表示動画像の投写光を、反射型スクリーン100をプロジェクタ10の側から見つめる看者に向けて反射させることで、表示した動画像を看者に視認させる。
【0022】
反射型スクリーン100は、その前面(プロジェクタ10に向かい合う面)をスクリーン領域とし、このスクリーン領域を図示するように帯形状の帯状スクリーン領域S1〜Snを横方向に多列に並べて形成する。それぞれの帯状スクリーン領域S1〜Snは同一形状とされている。プロジェクタ10は、帯状スクリーン領域S1〜Snを横方向に多列に並べた集合領域のスクリーン領域に投写光を当てるよう、反射型スクリーン100に対しての位置と焦点が調整される。
【0023】
反射型スクリーン100は、後述するように横方向に往復動することから、この往復動に対する機械的強度を備えた強化プラスチックから形成され、スクリーン表面、詳しくはプロジェクタ10の側のスクリーン表面に到達した光(プロジェクタ10の投写光)を反射する機能を発揮すべく、白地のプラスチックボードとされている。上記した性質を発揮するため、反射型スクリーン100は、例えばアクリル樹脂、ABS(ポリスチレン系樹脂)等の機械的特性に優れた樹脂に白色剤を配合して形成される。
【0024】
そして、本実施例の反射型スクリーン100は、帯状スクリーン領域S1〜Snの並びを、光反射領域と光吸収領域の交互の多列の並びとする。この場合、光吸収領域は、白地のプラスチックボードである反射型スクリーン100の帯状スクリーン領域S1〜Snを、一つおきに黒色或いはこれに近似した色で着色された着色域とされ、スクリーン表面に到達した光(プロジェクタ10の投写光)を吸収する機能を発揮する。その一方、この光吸収領域と隣り合う光反射領域は、白地のプラスチックボードのままであり、スクリーン表面に到達した光(プロジェクタ10の投写光)を反射する機能を発揮する。光反射領域は、反射機能により動画像を表示して当該画像を看者に視認させるべく、プロジェクタ10の側の表面において光(反射光)の散乱をも起こし、この散乱により投写光の動画像を光反射領域の表面で結像(表示)する。帯状スクリーン領域S1〜Snにおける光吸収領域と光反射領域の性質から、反射型スクリーン100は、その前面のスクリーン領域において、光反射領域が占めるそれぞれの領域および光反射領域が集合した領域で、プロジェクタ10の投写光による動画像を表示させ、光吸収領域が占めるそれぞれの領域および光吸収領域が集合した領域では動画像を表示しない。
【0025】
この他、反射型スクリーン100は、往復動発生装置102と、制御装置106とを備える。往復動発生装置102は、ピエゾ素子を内蔵し、反射型スクリーン100の右方側に設置されている。よって、この往復動発生装置102は、制御装置106から印加された電圧を受けて、ピエゾ素子により反射型スクリーン100を図1における横方向に往復動させる駆動力を発生する。制御装置106は、論理演算を実行するCPU、ROM、RAMおよび入出力ポート(I/Oポート)を備え、後述するように往復動発生装置102を駆動制御して、反射型スクリーン100を横方向に往復動させる。このようにして起こされる反射型スクリーン100の横方向往復動の振幅は、同一形状の帯状スクリーン領域S1〜Snの幅とされている。
【0026】
このため、反射型スクリーン100は、往復動発生装置102を介した帯状スクリーン領域の幅の振幅での横方向往復動により、帯状スクリーン領域S1〜Snの並びにおける光吸収領域を、図2に示すように、帯状スクリーン領域S1〜Snの並びにおける隣の光反射領域が占めていた位置に重なるように移動した後に元の位置に復帰させ、帯状スクリーン領域S1〜Snの並びにおける光反射領域にあっても、帯状スクリーン領域S1〜Snの並びにおける隣の光吸収領域が占めていた位置に重なるように移動した後に元の位置に復帰させる。このように移動する光吸収領域は既述したように動画像を表示しない領域であり、帯状スクリーン領域S1〜Snの並びにおいて動画像を表示しないこの光吸収領域が動画像を表示する光反射領域に重なるよう移動しつつ、帯状スクリーン領域S1〜Snの並びにおいて光吸収領域の残余の領域である光反射領域では動画像の表示が行われることになる。つまり、動画像の表示領域であるスクリーン領域は、帯状スクリーン領域S1〜Snの幅ごとの光吸収領域の移動に伴ってスクリーン全領域において光吸収領域となる。
【0027】
次に、プロジェクタ10との関係について説明する。反射型スクリーン100が有する制御装置106は、プロジェクタ10と接続されており、このプロジェクタ10が映像信号の走査出力を行う際の垂直同期信号の1/2周期の信号である反射吸収切替信号と垂直開始信号をプロジェクタ10から入力し、これら信号と同期した往復動発生装置102の駆動制御、即ち反射型スクリーン100の横方向の往復動制御を行う。プロジェクタ10は、プロジェクタ自身が有する図示しない画像表示装置(例えば液晶パネル等)にて、反射型スクリーン100に投写すべき動画像を映像信号を走査出力してフレーム単位で生成する。そして、この画像表示装置に光源の光を当てて、画像表示装置の動画像をフレーム単位で投写光により反射型スクリーン100に投写する。プロジェクタ10は、上記した動画像生成と並行して、フレーム単位での画像生成タイミングに合致した反射吸収切替信号や垂直開始信号を生成出力するので、これら信号に同期して反射型スクリーン100を横方向に往復動させることで、図2に示すように、帯状スクリーン領域S1〜Snの並びにおけるそれぞれの光吸収領域は、反射型スクリーン100の前面のスクリーン領域において隣の光反射領域が占めていた位置に反射吸収切替信号や垂直開始信号に同期して移動する。なお、制御装置106は、反射型スクリーン100の横方向の往復動周期や往復動の振幅を検出するセンサ130からの入力を受けて反射型スクリーン100の実際の横方向往復動状況を把握し、反射吸収切替信号や垂直開始信号に同期して帯状スクリーン領域S1〜Snの並びにおけるそれぞれの光吸収領域を横方向に移動(往復動)させている。
【0028】
この場合、プロジェクタ10での垂直開始信号や垂直クロック信号に同期した映像信号の走査出力や、これによる投写動画像のフレーム単位での生成は、反射型スクリーン100における上記した帯状スクリーン領域S1〜Snの並びにおけるそれぞれの光吸収領域の移動とは別に行っている。しかしながら、反射型スクリーン100は、上記した垂直開始信号や垂直同期信号と同期した往復動発生装置102の駆動制御、延いては反射型スクリーン100の往復動制御を行うことで、帯状スクリーン領域S1〜Snの並びにおけるそれぞれの光吸収領域の移動を、フレーム単位の動画像の投写に合致させて行う。具体的には、フレーム画像がプロジェクタ10においてm列の映像信号の走査出力により生成されるとすると、プロジェクタ10がこのm列の映像信号を第1列から順次第m列まで走査出力してこのフレーム画像の生成並びに反射型スクリーン100への投写を行う間に、反射型スクリーン100では、帯状スクリーン領域S1〜Snの並びにおけるそれぞれの光吸収領域がその隣の光反射に移動することになる。従って、フレーム画像の反射型スクリーン100への投写の間において、帯状スクリーン領域S1〜Snの並びにおけるそれぞれの光吸収領域では画像の表示を行わないようにしつつ、帯状スクリーン領域S1〜Snの並びにおけるそれぞれの光吸収領域が集合して占める光吸収集合領域を移動させ、スクリーン領域において帯状スクリーン領域S1〜Snの並びにおけるそれぞれの光反射領域が集合して占める残余の光反射集合領域では画像の表示を行うことになる。この光反射領域での画像表示(フレーム画像表示)は、移動する光吸収領域により表示が行われない画像領域以外の表示となるが、光反射領域は上記のように移動することから、フレーム画像の全領域は表示されて看者に視認されることとなる。
【0029】
以上説明したように、本実施例の反射型スクリーン100では、この反射型スクリーン100へのプロジェクタ10の既述したようなフレームごとの画像投写の間に、このフレーム画像の総てを看者に視認させつつ、当該フレーム画像の一部分の画像部分がフレーム画像で占める位置を帯状スクリーン領域S1〜Snの並びにおけるそれぞれの光吸収領域の移動により変えながら、当該画像部分を看者に視認させないようにする。このため、本実施例の反射型スクリーン100によれば、画像を視認している看者に当該画像が視認されないようにして網膜の残像を抑制することを、プロジェクタ10の側での映像信号の走査出力と、これにより得られる動画像の投写光によるスクリーン投写とから別個に、反射型スクリーン100の側で単独で達成できる。この結果、本実施例の反射型スクリーン100は、プロジェクタ10の動画像を反射型スクリーン100に投写して表示する際の動画ボケ対処が可能な新たなスクリーンとなる。つまりは、動画ボケの抑制或いは解消による動画像表示品質の向上を図るに際し、既存のプロジェクタの改造や回路変更が不要とできるので、こうした既存のプロジェクタを用いても容易に動画表示品質を向上できる。また、プロジェクタの投写光に対しての帯状スクリーン領域S1〜Snの並びにおけるそれぞれの光吸収領域移動(往復動発生装置102によるスクリーンの横方向往復動)を反射型スクリーン100の側で行えばよいことから、プロジェクタの側での動画像生成および投写光照射の方式に依存しないので、汎用性が高まる。
【0030】
しかも、本実施例では、帯状スクリーン領域S1〜Snの並びにおけるそれぞれの光吸収領域をその隣の光反射領域に移動させて当該光反射領域に重ねるに当たり、プロジェクタ10からの垂直開始信号と垂直同期信号の入力を受け、この信号に基づいて往復動発生装置102の駆動制御を行い、帯状スクリーン領域S1〜Snの並びにおけるそれぞれの光吸収領域が集合して占める光吸収集合領域を映像信号の走査出力に同期させて反射型スクリーン100のスクリーン領域において移動させることとした。よって、フレームごとの画像推移の間に画像を表示しないようにして網膜の残像を抑制することの実効性が高まるので、動画像表示品質の向上の上で好ましい。
【0031】
また、反射型スクリーン100を上記したように横方向に往復動させるに当たり、往復動発生装置102への電圧印加を制御してこの往復動発生装置102が有するピエゾ素子を駆動制御するようにした。このため、ピエゾ素子への単純な電圧印加制御により、網膜の残像抑制を通した動画像表示品質の向上を容易に達成でき好ましい。なお、反射型スクリーン100は、図示しない上下のスライダレールによりスライド自在に保持されていることから、ピエゾ素子によって支障なく横方向に往復動する。
【0032】
B:透過型スクリーンの態様;
次に、プロジェクタからの動画像を透過型のスクリーンで表示して看者に視認させるものについて説明する。図3は透過型スクリーン200とこのスクリーンに投写するプロジェクタ10とを併記して示す説明図、図4は透過型スクリーン200とプロジェクタ10とを筐体に内蔵したリアプロジェクタ300の概略構成を示す説明図、図5は透過型スクリーン200とこの透過型スクリーン200における光透過領域と光吸収領域の発現の様子を示す説明図、図6は透過型スクリーン200に動画像を投写している使用状態の様子をプロジェクタ10の映像信号の走査出力と関連付けて示す説明図である。
【0033】
図3に示す透過型スクリーン200は、プロジェクタ10と対向配置され、プロジェクタ10からの投写光を、スクリーンを挟んでプロジェクタ10と向き合う看者の側に透過させることで、動画像を看者に視認させる。看者は、透過型スクリーン200の表面(詳しくは、光の透過面)に形成された画像を視認することになるので、透過型スクリーン200は、透過面側に透光性の散乱板を備え、この散乱板での散乱により投写光の動画像を結像(表示)するよう、構成されている。
【0034】
図4に示すリアプロジェクタ300では、上記した透過型スクリーン200を用いるものの、プロジェクタ10に対する配置の様子が相違し、筐体310の傾斜した背面315の側に、プロジェクタ10からの投写光を反射する反射ミラー210を配し、筐体310の前面320の側に透過型スクリーン200を配置して、この透過型スクリーン200を反射ミラー210に対向させている。従って、この図4に示すリアプロジェクタ300は、プロジェクタ10からの投写光を反射ミラー210で全反射させた上で、その反射光を透過型スクリーン200に到達させて当該スクリーンにて動画像を表示し、スクリーン前方の看者の側への光(反射光)の透過を図ることで、動画像を看者に視認させる。この場合であっても、透過型スクリーン200は、透過面側の透光性の散乱板での散乱により投写光の動画像を結像(表示)する。
【0035】
図3および図4に示す透過型スクリーン200は、スクリーン領域を帯形状の帯状スクリーン領域S1〜Snを横方向に多列に並べて形成する点で、上記した反射型スクリーン100と同一であるが、図5に示すように、帯状スクリーン領域S1〜Snは、その並びにおいて光透過領域と光吸収領域とが交互に発現するようにされている。このようにするには、透過型スクリーン200を透明のプラスチックボードとした上で、光吸収領域に該当する帯状スクリーン領域を黒色若しくはこれに近似した色で着色すればよい。つまり、帯状スクリーン領域S1〜Snの光透過領域は、透過型スクリーン200に到達したプロジェクタ10の投写光を看者の側に至らしめ、帯状スクリーン領域S1〜Snの光吸収領域は、投写光を看者に届かないようにする。
【0036】
そして、この透過型スクリーン200では、既述した反射型スクリーン100Aと同様、図6に示すように、スクリーン領域において、帯状スクリーン領域S1〜Snの並びにおけるそれぞれの光吸収領域をその隣の光透過領域に移動させる。従って、透過型スクリーン200やこれを有するリアプロジェクタ300によっても、帯状スクリーン領域S1〜Snの並びにおけるそれぞれの光吸収領域をその隣の光透過領域に移動させることを、フレーム単位の動画像の投写に合致させて透過型スクリーン200の側で行うので、既述した効果を奏することができる。
【0037】
C:反射型スクリーンの他の態様;
次に、反射型スクリーン100を用いて動画像表示を行う他の態様について説明する。この態様では、図4に示すリアプロジェクタ300と同様、看者にはスクリーンを透過した光による動画像を提供するが、既述した反射型スクリーン100を用いる点に特徴がある。つまり、図4において、筐体310の傾斜した背面315の側に配した反射ミラー210を、図1に示した反射型スクリーン100とする。その上で、筐体310の前面320の側に配置していた透過型スクリーン200を、透光性のスクリーンボード220とする。
【0038】
このプロジェクタでは、プロジェクタ10からの投写光を反射型スクリーン100で反射させ、その反射光を透光性のスクリーンボード220に到達させて当該スクリーンボードにて動画像を表示し、スクリーン前方の看者の側への光(反射光)の透過を図ることで、動画像を看者に視認させる。この場合、透光性のスクリーンボード220は、透過面側の透光性の散乱板での散乱により投写光の動画像を結像(表示)する。つまり、このように構成したプロジェクタは、反射型スクリーン100を用いながら、透過型スクリーン200を用いたリアプロジェクタ300と同一の筐体構造を備えるものなる。そして、上記したプロジェクタであっても、投写光をスクリーンボード220に至らしめる手前で反射型スクリーン100で反射させる際に、反射型スクリーン100を往復動発生装置102により帯状スクリーン領域S1〜Snの並びに沿って横方向に往復動させることで、既述したように光吸収領域の発現およびその移動を起こすので、既述した効果を奏することができる。
【0039】
D:変形例;
次に変形例について説明する。図7は第1変形例の反射型スクリーン100Aを示す説明図、図8は第2変形例のスクリーン100Bを示す説明図である。図7の反射型スクリーン100Aは、その前面のスクリーン領域を帯状スクリーン領域S1〜Snを縦方向に多列に並べて形成し、帯状スクリーン領域S1〜Snの並びにおいて、光反射領域と光吸収領域を交互に発現させている。そして、反射型スクリーン100Aは、スクリーン上端側に往復動発生装置102を備え、下端側にスプリング103を備え、スクリーン左右の図示しないスライダレールにより上下方向にスライド自在とされている。この変形例の反射型スクリーン100Aにあっては、往復動発生装置102による上下方向の往復動により、縦方向の帯状スクリーン領域S1〜Snの並びにおけるそれぞれの光吸収領域をその隣の光反射過領域に移動させて当該光反射領域に重ねる。よって、スクリーンの移動方向が反射型スクリーン100と相違するものの、帯状スクリーン領域S1〜Snの並びにおけるそれぞれの光吸収領域をその隣の光反射過領域に移動させる点では変わるものではないので、この変形例の反射型スクリーン100Aによっても、既述した効果を奏することができる。また、スプリング103により反射型スクリーン100Aを下端側で支えた上で往復動発生装置102により上下方向の往復動を起こすので、反射型スクリーン100Aの上下方向の往復動に際しての上向き移動・下向き移動の移動速度の等速化の点で有益である。なお、この反射型スクリーン100Aにおける光反射領域を光透過領域とすることで、透過型スクリーン200の変形例とすることもできる。
【0040】
図8のスクリーン100Bは、光透過領域(或いは光反射領域)と光吸収領域を直交座標軸の縦軸・横軸で区画した長方形或いは正方形のセル形状とし、光透過領域セル(或いは光反射領域セル)と光吸収領域セルとを、縦方向、横方向とも交互に発現させた構造を備える。この変形例のスクリーン100Bでは、上下方向の往復動、左右方向の往復動のいずれであっても、それぞれの光透過領域セル(或いは光反射領域セル)をその隣の光吸収領域セルに重なるよう移動できる。
【0041】
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明は、上記した実施の形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様にて実施することが可能である。例えば、それぞれの光吸収領域をその隣の光反射領域(或いは光透過領域)に重なるようにするスクリーン往復動をプロジェクタ10における映像信号の走査出力に同期させるに当たり、プロジェクタ10から垂直同期信号や垂直開始信号を入力するようにしたが、次のようにすることもできる。つまり、動画像を投写するに当たってプロジェクタ10に入力される映像信号を等価に分配する分配器(分配回路)を反射型スクリーン100に備え付け、分配して得られた映像信号から走査出力の状況を表す走査状況信号、即ち上記した垂直同期信号や垂直開始信号をスクリーンの側で作成し、これら信号に基づいてスクリーン往復動を起こすようにすることもできる。また、スクリーンの往復動を帯状スクリーン領域S1〜Snと同じ幅で行ったが、スクリーン領域の幅の奇数倍の幅でスクリーンを往復動させることできる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の一実施例としての反射型スクリーン100とこのスクリーンに投写するプロジェクタ10とを併記して示す説明図である。
【図2】反射型スクリーン100に動画像を投写している使用状態の様子をプロジェクタ10の映像信号の走査出力と関連付けて示す説明図である。
【図3】透過型スクリーン200とこのスクリーンに投写するプロジェクタ10とを併記して示す説明図である。
【図4】透過型スクリーン200とプロジェクタ10とを筐体に内蔵したリアプロジェクタ300の概略構成を示す説明図である。
【図5】透過型スクリーン200とこの透過型スクリーン200における光透過領域と光吸収領域の発現の様子を示す説明図である。
【図6】透過型スクリーン200に動画像を投写している使用状態の様子をプロジェクタ10の映像信号の走査出力と関連付けて示す説明図である。
【図7】第1変形例の反射型スクリーン100Aを示す説明図である。
【図8】第2変形例のスクリーン100Bを示す説明図である。
【符号の説明】
【0043】
10…プロジェクタ
100…反射型スクリーン
100A…反射型スクリーン
100B…スクリーン
102…往復動発生装置
103…スプリング
106…制御装置
130…センサ
200…透過型スクリーン
210…反射ミラー
220…スクリーンボード
300…リアプロジェクタ
310…筐体
315…背面
320…前面
S1〜Sn…帯状スクリーン領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像信号を走査出力して得られる動画像を投写するプロジェクタと併用され、該プロジェクタが前記動画像を投写する際に発する投写光が到達することで前記動画像を表示するプロジェクタ用スクリーンにおいて、
前記動画像を表示するスクリーン領域を形成するスクリーン部材であって、到達した前記投写光を看者の側に至らしめる性質を備える第1領域と、到達した前記投写光を看者に届かないようにする性質を備える第2領域とを交互に多列に並べて前記スクリーン領域を形成する前記スクリーン部材と、
前記スクリーン部材を前記第1領域と前記第2領域の並びに沿って往復動させ、該往復動により、前記第1領域をその隣の前記第2領域が占めていた位置に重なる位置と元の位置とを取らせ、前記第2領域をその隣の前記第1領域が占めていた位置に重なる位置と元の位置とを取らせる往復動手段とを備える
プロジェクタ用スクリーン。
【請求項2】
請求項1記載のプロジェクタ用スクリーンであって、
前記往復動手段は、
前記プロジェクタから前記映像信号の走査出力の状況を表す走査状況信号の入力を受け、或いは前記プロジェクタに入力される映像信号を等価に分配した映像信号から走査出力の状況を表す走査状況信号を作成し、該走査状況信号に基づいて前記スクリーン部材の往復動を制御し、それぞれの前記第2領域を前記映像信号の走査出力に同期させて前記スクリーン領域において移動させる
プロジェクタ用スクリーン。
【請求項3】
請求項1または請求項2記載のプロジェクタ用スクリーンであって、
前記スクリーン部材の前記第1領域は、光の透過或いは光の反射の機能を発揮することで前記投写光を看者の側に至らしめ、
前記スクリーン部材の前記第2領域は、光を吸収する機能を発揮することで前記投写光を前記看者に届かないようにする
プロジェクタ用スクリーン。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3いずれかに記載のプロジェクタ用スクリーンであって、
前記プロジェクタが前記動画像を投写する際に発する投写光を反射する反射ミラーを備え、
前記スクリーン部材は、前記反射ミラーの反射した反射光が前記スクリーン領域に到達するよう前記反射ミラーに対向し、
前記第1領域は、光の透過機能を発揮して前記反射ミラーから到達した前記反射光を透過させる
プロジェクタ用スクリーン。
【請求項5】
請求項4記載のプロジェクタ用スクリーンであって、
筐体を備え、
該筐体の背面の側に、前記反射ミラーを配し、
前記筐体の前面の側に前記スクリーン部材を配置して、前記筐体の前面の側で前記反射ミラーに対向させた
プロジェクタ用スクリーン。
【請求項6】
映像信号を走査出力して得られる動画像を投写するプロジェクタと併用されるプロジェクタ用スクリーンであって、
前記プロジェクタが前記動画像を投写する際に発する投写光を反射する反射ミラーと、
該反射ミラーの反射した反射光が到達するよう前記反射ミラーに対向する透光性のスクリーンボードであって、前記到達した反射光を透過させることで前記動画像を表示する前記スクリーンボードと、
前記反射ミラーにおける前記投写光の反射面領域を形成する反射面部材であって、光を反射する性質を備える反射領域と、光を吸収する性質を備える光吸収領域とを交互に多列に並べて前記反射面領域を形成する前記反射面部材と、
前記反射面部材を前記反射領域と前記光吸収領域の並びに沿って往復動させ、該往復動により、前記反射領域をその隣の前記光吸収領域が占めていた位置に重なる位置と元の位置とを取らせ、前記光吸収領域をその隣の前記反射領域が占めていた位置に重なる位置と元の位置とを取らせる往復動手段とを備える
プロジェクタ用スクリーン。
【請求項7】
請求項6記載のプロジェクタ用スクリーンであって、
前記往復動手段は、
前記プロジェクタから前記映像信号の走査出力の状況を表す走査状況信号の入力を受け、或いは前記プロジェクタに入力される映像信号を等価に分配した映像信号から走査出力の状況を表す走査状況信号を作成し、該走査状況信号に基づいて前記反射面部材の往復動を制御し、それぞれの前記第2領域を前記映像信号の走査出力に同期させて前記反射面領域において移動させる
プロジェクタ用スクリーン。
【請求項8】
請求項6または請求項7に記載のプロジェクタ用スクリーンであって、
筐体を備え、
該筐体の背面の側に、前記反射ミラーを配し、
前記筐体の前面の側に前記スクリーンボードを配して、前記スクリーンボードを前記筐体の前面の側で前記反射ミラーに対向させた
プロジェクタ用スクリーン。
【請求項9】
投写システムであって、
映像信号を走査出力して得られる動画像を投写するプロジェクタと、
該プロジェクタが前記動画像を投写する際に発する投写光を受けて動画像を表示する請求項1ないし請求項8のいずれかに記載のプロジェクタ用スクリーンとを備える
投写システム。
【請求項10】
映像信号を走査出力して得られる動画像を投写するプロジェクタであって、
該プロジェクタを収納する筐体と、
該筐体の背面の側に配置され、前記プロジェクタが前記動画像を投写する際に発する投写光を反射する反射ミラーと、
前記反射ミラーの反射した反射光が到達するよう前記筐体の前面の側に配置されて前記反射ミラーに対向し、前記到達した反射光を透過させることで前記動画像を表示するスクリーンであって、到達した前記反射光を透過させる性質を備える第1領域と、到達した前記反射光を吸収する性質を備える第2領域とを交互に多列に並べて前記動画像のスクリーン領域を形成する前記スクリーン部材と、
前記スクリーン部材を前記第1領域と前記第2領域の並びに沿って往復動させ、該往復動により、前記第1領域をその隣の前記第2領域が占めていた位置に重なる位置と元の位置とを取らせ、前記第2領域をその隣の前記第1領域が占めていた位置に重なる位置と元の位置とを取らせる往復動手段とを備える
プロジェクタ。
【請求項11】
映像信号を走査出力して得られる動画像を投写するプロジェクタであって、
該プロジェクタを収納する筐体と、
該筐体の背面の側に配置され、前記プロジェクタが前記動画像を投写する際に発する投写光を反射する反射ミラーと、
前記反射ミラーの反射した反射光が到達するよう前記筐体の前面の側に配置されて前記反射ミラーに対向する透光性のスクリーンであって、前記到達した反射光を透過させることで前記動画像を表示する前記スクリーンと、
前記反射ミラーにおける前記投写光の反射面領域を形成する反射面部材であって、光を反射する性質を備える反射領域と、光を吸収する性質を備える光吸収領域とを交互に多列に並べて前記反射面領域を形成する前記反射面部材と、
前記反射面部材を前記反射領域と前記光吸収領域の並びに沿って往復動させ、該往復動により、前記反射領域をその隣の前記光吸収領域が占めていた位置に重なる位置と元の位置とを取らせ、前記光吸収領域をその隣の前記反射領域が占めていた位置に重なる位置と元の位置とを取らせる往復動手段とを備える
プロジェクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−96546(P2008−96546A)
【公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−275929(P2006−275929)
【出願日】平成18年10月10日(2006.10.10)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】