説明

プロバイオティック混合物を含む小ビーズの製造

本発明は、少なくとも1種のデンプン及び/またはデンプン誘導体を含んでいるマトリックス中にプロバイオティック混合物を含む小ビーズの製造方法、そのような小ビーズ、および食物(人間および動物用)ならびにプレミックスにおけるそのような特殊小ビーズの使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、少なくとも1種のデンプン及び/またはデンプン誘導体を含んでいるマトリックス中にプロバイオティック混合物を含む小ビーズ(beadlets)の製造方法、そのような小ビーズ、およびそのような特殊小ビーズの使用に関する。
【0002】
「プロバイオティック」という用語は一般に、病原微生物(例えば、プロタゾア(protazoa))によるコロニー形成を防ぐ方法として動物(鳥を含む)に与える非病原性バクテリアを指す。プロバイオティックスは更に、健康的かつ正常に活動している人間および動物の腸内バランスに有益な仕方で影響を及ぼす、生きた(または生存可能な)微生物と定義することもできる。
【0003】
プロバイオティックスは、腸内微生物バランスを改善するために家畜に与えるだけでなく、人にも、腸の乳酸桿菌種およびビフィズス菌種を含む乳製品をベースにした食物の形で提供される。
【0004】
生きた微生物であるプロバイオティックスは、取り扱い、貯蔵および配合に注意を要する。それゆえに、プロバイオティックスの配合は難しいものとなりうる。
もっとも一般的な市販のプロバイオティックス用配合物は、乳製品およびプロバイオティック補強食品(飼料製品も)である。ただし、凍結乾燥形態のバクテリアを含んでいる錠剤、カプセル剤、粉末および小袋も入手可能である。プロバイオティックスは、動物の栄養摂取にも利用される。
【0005】
消費者製品(例えば、食品など)で用いられる極めて一般的な形の物質の配合物は、粉末である。粉末は、噴霧乾燥法または凍結乾燥法で製造できる。プロバイオティックスの乾燥には凍結乾燥が通常用いられる。とはいえ、この方法は時間がかかる上に費用もかかる。さらに、バクテリアの生存可能性は、この乾燥ステップにより悪影響を受けることがある。
プロバイオティックスの乾燥には噴霧乾燥も用いられる。この方法は経済的には有利であるが、プロバイオティックスの場合にはいくらかの不利な点がある:
・普通、この製造方法では高温(>60℃)が使用される。これは、プロバイオティックスの活性に対して悪影響を及ぼす。
・製品温度が<65℃である低温噴霧乾燥法を使用すると、普通、残留水分含有量が比較的高い製品になる。そのため、そのような粉末の貯蔵安定性が普通は十分ではない。
・粉末は普通ほこりっぽいので、取り扱いが難しくなることがある。
【0006】
別のよく知られている調製品は小ビーズである。小ビーズは、ほこりっぽくなく、良好な流動特性を有しているという点で、取扱適性が優れている。小ビーズは、もっぱら脂溶性物質のものが知られている。
小ビーズ(脂溶性物質を含む)およびその製造方法は、先行技術から知られている。そうした小ビーズは、脂溶性(親油性、疎水性)物質を含む。そのような小ビーズおよびその製造方法は、例えば、米国特許出願公開第2006/0115534号明細書および米国特許第4670247号明細書から知られている。そうした小ビーズは普通、貯蔵安定性が良好であるが、そのような小ビーズ中の脂溶性物質の濃度が低い。普通、その含有量は、小ビーズの全重量を基準にして5〜15重量−%(重量%)の間である。別の不利な点として、そのような小ビーズの製造では、水不溶性の有効成分を水性マトリックス相中にまき散らす乳化または分散化のステップが必要とされるという点がある。それゆえに、マトリックス材は乳化特性を有している必要があるか、または付加的に乳化剤が必要とされることになる。
【0007】
本発明の目標は、
・ 多量のプロバイオティックバクテリアを有する配合物の製造が可能であり、
・ 貯蔵安定性のある配合物が製造され、かつ
・ 簡単な方法である、
プロバイオティックス配合物の製造方法を見出すことであった。
【0008】
驚くべきことに、粉末捕捉法(powder catch process)を使用すると、上述の利点を有する小ビーズの形のそのような配合物を製造できることが見出された。小ビーズは、少なくとも1種のプロバイオティック混合物と、マトリックス材としての少なくとも1種のデンプン及び/または少なくとも1種のデンプン誘導体とを含む。さらに、こうした小ビーズは、粉末捕捉媒体(powder catch medium)の層で被覆される。
【0009】
したがって、本発明は、少なくとも1種のプロバイオティック混合物を含む小ビーズの製造方法であって、
(a)
(i)少なくとも1種のプロバイオティック混合物と
(ii)少なくとも1種のデンプン及び/またはデンプン誘導体と
の水溶液を作ることと、
(b)回収用粉末(collecting powder)中に噴霧して乾燥させることによって溶液を乾燥粉末に変化させることと
を含む、小ビーズの製造方法に関する。
【0010】
そのような方法の原理は、先行技術から知られている。それは、例えば、米国特許第6444227号明細書または国際公開第04062382号パンフレットに記載されている。こうした文献を参照により本明細書に援用する。
【0011】
本発明との関連におけるプロバイオティック混合物は、潜在的に有益なバクテリアまたは酵母を含む健康補助食品である。FAO/WHOによって現在採用されている定義によれば、プロバイオティックスとは、「適切な量が施された場合に、宿主に健康上の益をもたらす生きた微生物」である。乳酸菌(LAB)は、使用されるもっとも一般的なタイプの微生物である。LABは、砂糖(乳糖を含む)および他の炭水化物を乳酸に変えることができるので、食品産業において長年にわたり使用されてきた。これは、ヨーグルトなどの発酵酪農食品に特有の酸味を与えるだけでなく、pHを下げることにより、腐敗微生物(spoilage organisms)が成長する機会を減らすこともでき、それゆえに胃腸感染症を防ぐ面で健康上の益をもたらしうる。ラクトバシラス属およびビフィドバクテリウム属の株は、最も広く使用されているプロバイオティックバクテリアである。プロピオン酸菌属および他のバクテリアもプロバイオティックスとして使用される。
プロバイオティックバクテリア培養物は、自然に発生する体の腸管内菌叢(微生物の生態環境)が再定着するのを援助することを意図したものである。動物の栄養摂取では、プロバイオティックスは、動物の健康に有益な効果をもたらすことを意図している。乳牛の場合、プロバイオティックスは、産乳量およびミルクの品質を高めることを意図している。
プロバイオティックバクテリア培養物は、例えば、デバロマイセス属、カンジダ属、ピキア属およびトルロプシス属、カビ類(アスペルギルス属、クモノスカビ属、ケカビ属、およびペニシリウム属など)およびトルロプシス属およびバクテリア(ビフィドバクテリウム属、バクテロイデス属、クロストリジウム属、フゾバクテリウム属、メリッソコッカス属、プロピオン酸菌属、連鎖球菌属、エンテロコッカス属、ラクトコッカス属、ブドウ球菌属、ペプトストレポコッカス属、バシラス属、ペジオコックス属、ミクロコッカス属、ロイコノストック属、ワイセラ属(Weissella)、アエロコッカス属、オエノコッカス属およびラクトバシラス属などの属)である。好適なプロバイオティック微生物(プロバイオティック混合物)の具体例には、以下のものがある: サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cereviseae)、バシラス・コアギュランス(Bacillus coagulans)、バシラス・リシェニフォルミス(Bacillus licheniformis)、バシラス・サブチリス(Bacillus subtilis)、ビフィドバクテリウム・ビフィドゥム(Bifidobacterium bifidum)、ビフィドバクテリウム・インファンチス(Bifidobacterium infantis)、ビフィドバクテリウム・ロングム(Bifidobacterium longum)、エンテロコッカス・フェシウム(Enterococcus faecium)、エンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)、ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)、ラクトバチルス・アリメンタリウス(Lactobacillus alimentarius)、ラクトバチルス・カゼイ(Laciobacillus casei)亜種カゼイ、ラクトバチルス・カゼイ・シロタ(Lactobacillus casei Shirota)、ラクトバチルス・クルヴァトゥス(Lactobacillus curvatus)、ラクトバチルス・デルブリッキー(Lactobacillus delbruckii)亜種ラクティス、ラクトバチルス・ファルシミナス(Lactobacillus farciminus)、ラクトバチルス・ガッセリー(Lactobacillus gasseri)、ラクトバチルス・ヘルベティカス(Lactobacillus helveticus)、ラクトバチルス・ジョンソニー(Lactobacillus johnsonii)、ラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri)、ラクトバチルス・ラムノサス(Lactobacillus rhamnosus)(ラクトバチルスGG(Lactobacillus GG))、ラクトバチルス・サケ(Lactobacillus sake)、ラクトコッカス・ラクティス(Lactococcus lactis)、ミクロコッカス・バリアンス(Micrococcus varians)、ペディオコッカス・アシディラクティシ(Pediococcus acidilactici)、ペディオコッカス・ペントサセウス(Pediococcus pentosaceus)、ペディオコッカス・アシディラクティシ(Pediococcus acidilactici)、ペディオコッカス・ハロフィルス(Pediococcus halophilus)、ストレプトコッカス・フェカリス(Streptococcus faecalis)、ストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophilus)、スタフィロコッカス・カルノーサス(Staphylococcus carnosus)、およびスタフィロコッカス・キシローサス(Staphylococcus xylosus)。
機能性食品に用いられる好ましいプロバイオティック混合物は、乳酸菌(主に乳酸桿菌)である。乳酸桿菌は非病原性微生物であり、幼児期から老齢期まで人間の腸管および尿生殖路にコロニーを形成する。今日では、幾つかの種類の市販プロバイオティック乳酸桿菌がうまく利用されており、その中でも、ラクトバチルス・ラムノサス(Lactobacillus rhamnosus)がもっともよく知られているものの一つである。ラクトバチルス・ファーメンタム(Lactobacillus fermentum)の幾つかの種類の株は、様々な病因による腸内毒素症および泌尿器感染の場合に、腸管微生物叢の調整および安定化のために使用する。
【0012】
家畜用の飼料添加剤として使用するプロバイオティックスの好ましい例は、バシラス属、ラクトバシラス属、ペジオコックス属およびプロピオン酸菌属の株である。
好ましいバシラス属の株は、バシラス・リシェニフォルミス(Bacillus licheniformis)株であり、好ましくは以下のバシラス・リシェニフォルミス(Bacillus licheniformis)株から選択される: ATCC 14580(=NCIB 9375)、NCIMB 6346(=DSM 8785)、NCTC 1024、NCTC 1025、NCTC 2120、NCTC 7589、NCTC 9932、ATCC 21424、NCIMB 10689、およびATCC 53757。好ましい亜群としては、バシラス・リシェニフォルミス(Bacillus licheniformis)ATCC 14580(=NCIB 9375)、およびバシラス・リシェニフォルミス(Bacillus licheniformis)NCIMB 6346(=DSM 8785)がある。
好ましいラクトバシラス属の株は、ラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuteii)、ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)、ラクトバチルス・アニマリス(Lactobacillus animalis)、ラクトバチルス・ルミニス(Lactobacillus ruminis)、ラクトバチルス・ジョンソニー(Lactobacillus johnsonii)、ラクトバチルス・カゼイ(Lactobacillus casei)、ラクトバチルス・パラカゼイ(Lactobacillus paracasei)、ラクトバチルス・ラムノサス(Lactobacillus rhamnosus)、およびラクトバチルス・ファーメンタム(Lactobacillus fermentum)の株である。好ましい実施形態では、プロバイオティック株は、ラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri)(NCC2581;CNCM I−2448)、ラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri)(NCC2592;CNCM I−2450)、ラクトバチルス・ラムノサス(Lactobacillus rhamnosus)(NCC2583;CNCM I−2449)、ラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri)(NCC2603;CNCM I−2451)、ラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri)(NCC2613;CNCM I−2452)、およびラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)(NCC2628;CNCM I−2453)よりなる群から選択される。
【0013】
より好ましいのは、微生物が、プロピオン酸菌属(P.)、より好ましくはP.アシディプロピオニッチ(P.Acidipropionici)およびP.ジェンセニイ(P.jensenii)である方法である。好ましいバクテリアの株としては、P.アシディプロピオニッチ(P.Acidipropionici)およびP.ジェンセニイ(P.jensenii)株のP169、P170、P179、P195、およびP261があり、特にP169株がある。P169およびP170株はそれぞれ、2003年6月18日に寄託された受入番号ATCC PTA−5271およびATCC PTA−5272として、American Type Culture Collection(ATCC),10801 University Blvd.,Manassas,VA.,20110の微生物コレクション(microorganism collection)から入手可能である。
【0014】
今のところ、プロバイオティック株は、1つまたは複数の以下の量(投与量範囲)で投与することが企図されている: 10 E2〜14、10 E4〜12、10 E6〜10、10 E7〜9、好ましくは10 E8 CFU/g(最終飼料)(記号Eは指数を意味する。すなわち、例えば、10 E2〜14は、10^2〜10^14を意味する)。
【0015】
CFU(コロニー形成単位)は、微生物試験用の適切な寒天を含んでいるペトリ皿上で、成長して目に見える1つのコロニーになる、1つまたは複数の(ときには、多数の)バクテリア細胞と定義される。1個のコロニーは1 CFUである。例えば、1 CFUは、20個のバクテリア細胞を含むこともあれば、1つの細胞だけを含むこともある。
【0016】
好ましい実施形態では、微生物を含む小ビーズを反すう動物に与え、微生物がこぶ胃内に定着する。好ましくは、反すう動物に与える微生物の量は、約6×10 CFU〜約6×1012 CFU/動物/日である。これは、平均的な大きさの雌牛の場合、およそ1×10〜1×10 CFU/ml(こぶ胃液)になる。より好ましい実施形態では、約6×1011 CFU/動物/日の微生物を反すう動物に与える。好ましい実施形態では、微生物が、約1×10 CFU/ml(こぶ胃液)〜約1×10 CFU/ml(こぶ胃液)のレベルでこぶ胃中に定着するように、微生物を反すう動物に与える。
プロバイオティック混合物は、少なくとも1種のデンプン及び/または少なくとも1種のデンプン誘導体を含むマトリックス材を用いて、小ビーズ中に配合する。
【0017】
化学式が(C10であるデンプンは、グリコシド結合で結合された多数のグルコース単糖単位から構成される多糖の炭水化物である。
【0018】
植物の種および塊茎はすべてデンプンを含む。デンプンは一般的に、トウモロコシ、モロコシ、小麦、米、タピオカ、クズウコン、サゴ、ジャガイモ、キノアおよびアマランスなどの植物から抽出される。
天然デンプンは普通、アミラーゼおよびアミロペクチンの分子を含む。天然デンプンのアミラーゼ含有量は、0重量%(例えば、ワキシー・コーンスターチおよびワキシー米デンプン(waxy rice starch))から約85重量%以下(高アミラーゼのコーンスターチ)まで、さまざまでありうる。標準的なデンプンは、約25重量%のアミラーゼを含む。その結果として、アミロペクチンの含有量は15重量%から100重量%の間である。
加水分解されたデンプンも含め、デンプン誘導体(修飾デンプン)を使用することも可能である。デンプンは様々な仕方で修飾することができる。それは物理的および化学的に行うことができる。
事前にゼラチン化されたデンプンは、物理修飾デンプンの例である。
酸性修飾、酸化、架橋、デンプンエステル、デンプンエーテルおよびカチオンデンプンは、化学修飾デンプンの例である。そのような修飾デンプンの重要な例には、オクテニルコハク酸無水物(octenyl succinic anhydride)デンプン(OSAデンプン)がある。
マルトデキストリンまたは黄色デキストリンのようなデキストリンは、部分加水分解で得られるデンプン誘導体の例である。
本発明による好ましい方法では、デンプンまたはデンプン誘導体は、アミロペクチン、OSAデンプン、マルトデキストリンおよび事前にゼラチン化されたデンプンよりなる群から選択される。
【0019】
本発明による好ましい方法は粉末捕捉法である。そのような方法は先行技術から(例えば国際公開第04062382号パンフレットから)知られている。そのような粉末捕捉法の結果として、小ビーズは粉末層で被覆される。
【0020】
したがって、この方法で製造される小ビーズは、好ましくは粉末捕捉媒体の層で被覆される。この層(被覆)は粉末被覆の形である。粉末捕捉媒体は、湿気を吸収しかつ粉末被覆を形成することができる化合物(または化合物の混合物)である。好適な粉末捕捉媒体は、すなわち、デンプン、ケイ酸塩またはホスフェート化合物である。好ましい粉末捕捉媒体は、デンプン(すなわち、コーンスターチなど)、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウムカルシウムおよびリン酸三カルシウムである。もっとも好ましいのは、デンプン(特にコーンスターチ)である。
小ビーズは、脂溶性物質の配合物のよく知られている形である。ほぼ球形の小ビーズの重要な利点は、ほこりっぽくないこと、および優れた易流動特性を有していることであり、それらは製造および配合作業にとって非常に望ましいことである。
普通、小ビーズの大きさは50μm〜1,000μm(好ましくは250μm〜850μm)である。大きさは、より小さくてもより大きくてもよい。小ビーズの大きさは、(走査型)電子顕微鏡法など、よく知られている方法に従って測定できる。
上に開示および記載した小ビーズの好適な製造方法は、例えば、国際公開第2004/062382号パンフレットに記載されている。この文献を本明細書に援用する。
本発明による方法では、驚くべきことに、全体的特性が良好な多量の水分散性プロバイオティックバクテリアを有する小ビーズを製造することができる。本特許出願に記載の方法は、多量のプロバイオティック混合物を有する小ビーズを製造するのに使用できるだけでなく、少量のプロバイオティック混合物を有する小ビーズを製造するのにも使用できる。その量は、小ビーズの全重量を基準にしてわずか1重量%にすることができる。通常、小ビーズのプロバイオティック混合物含有量は、小ビーズの全重量を基準にして少なくとも5重量%、好ましくは少なくとも10重量%である。
【0021】
本発明の好ましい実施形態は、小ビーズが、小ビーズの全重量を基準にして少なくとも30重量%の、少なくとも1種のプロバイオティック混合物を含む上述の方法に関する。
【0022】
本発明のさらに好ましい実施形態は、小ビーズが、小ビーズの全重量を基準にして85重量%以下の、少なくとも1種のプロバイオティック混合物を含む上述の方法に関する。
【0023】
本発明の好ましい実施形態は、小ビーズが、小ビーズの全重量を基準にして80重量%以下の、少なくとも1種のプロバイオティック混合物を含む方法に関する。
【0024】
本発明の好ましい実施形態は、小ビーズが、小ビーズの全重量を基準にして少なくとも5重量%、より好ましくは少なくとも20重量%の、少なくとも1種のデンプン及び/または少なくとも1種のデンプン誘導体(マトリックス材)および粉末被覆層を含む方法に関する。
【0025】
本発明の好ましい実施形態は、小ビーズが、小ビーズの全重量を基準にして少なくとも5重量%の粉末被覆層を含む方法に関する。
【0026】
本発明のより好ましい実施形態は、小ビーズが、
(i)小ビーズの全重量を基準にして5重量%〜80重量%、好ましくは30重量%〜80重量%、より好ましくは40重量%〜70重量%の、少なくとも1種のプロバイオティック混合物と、
(ii)小ビーズの全重量を基準にして5重量%〜90重量%、好ましくは25重量%〜50重量%の、少なくとも1種のデンプン及び/または少なくとも1種のデンプン誘導体と、
(iii)小ビーズの全重量を基準にして5重量%〜50重量%、好ましくは5重量%〜20重量%の粉末被覆と、
を含む方法に関する。
【0027】
本発明の特別の実施形態は、デンプン成分(ii)が、常にマルトデキストリンおよび少なくとも1種の更なるデンプン及び/または少なくとも1種の更なるデンプン誘導体を含む方法に関する。
【0028】
上述の本発明の小ビーズのマトリックスは、更なる化合物を含むこともできる。そのような化合物は、小ビーズの製造及び/または食物および飼料技術の分野で用いられるどんな種類の助剤であってもよい。好ましい化合物は砂糖(スクロース)である。
【0029】
本発明の更なる実施形態は、少なくとも1種のプロバイオティック混合物を含む小ビーズの製造方法であって、
(a)
(i)少なくとも1種のプロバイオティック混合物と
(ii)少なくとも1種のタンパク質と
の水溶液を作ることと、
(b)回収用粉末中に噴霧して乾燥させることによって溶液を乾燥粉末に変化させることと、
を含む、小ビーズの製造方法に関する。
【0030】
プロバイオティック混合物は上に定義したとおりである。
タンパク質は、線状分子鎖の形に配列されかつ隣接アミノ酸残基のカルボキシル基とアミノ基との間のペプチド結合によって結合されたアミノ酸からできた、大きな有機化合物である。
全ての生きた組織(動物、人間および植物)はタンパク質を含む。
タンパク質は、単離物、濃縮物、食べ物および加水分解産物として得られる。タンパク質単離物は90%を超えるタンパク質含む。タンパク質濃縮物は60〜90%のタンパク質を含む。タンパク質の食べ物は60%未満のタンパク質を含む。タンパク水解物では、ペプチド結合の一部が、化学的に(例えば、酸によって)または酵素的に破壊される。それにより、タンパク質の分子量および重合度が減少する。加水分解の量は加水分解度(DH)で記述される。DHは、全ペプチド結合に対する破壊ペプチド結合の百分率である。したがって、DHが0%であることは天然のタンパク質を表し、DHが100%であることは完全に加水分解されたタンパク質を表す。
植物のタンパク質含有量は非常に少ない。植物とは対照的に、動物および人間の体は主にタンパク質で構成されている。
植物タンパク質の供給源には、例えば、エンドウ豆、豆(大豆、トウゴマの実など)、ルピナスの種子、綿、ジャガイモ、サツマイモ、マニオク、菜種、ヒマワリの種子、ゴマ、アマの種子、ベニバナ、ヒラマメ、堅果、小麦、米、メイズ、大麦、ライ麦、オートムギおよびモロコシがある。
動物タンパク質の供給源には、例えば、血液、骨、皮膚、ミルクおよび卵がある。
微生物タンパク質の供給源には、例えばバクテリアまたは酵母がある。
本特許出願の発明では、以下のタンパク質が好ましい:ゼラチン(特に魚および家禽)、加水分解ゼラチンおよびミルクのタンパク質(カゼイン、乳漿タンパク)。
天然タンパク質の単離物、濃縮物または食べ物のほかに、タンパク質は、機械的、熱的、化学的または酵素的に改変することができる。
タンパク質の(例えば、熱処理による)部分変性は、タンパク質のゲル形成特性を改良するために使用できる。タンパク質は、例えば、酵素的にトランスグルタミナーゼで架橋することもできる。
溶解度または粘度を改良するために、タンパク質は、化学的に、またはプロテアーゼで酵素的に部分加水分解させることができる。
ここでは、「タンパク質」という用語は、単離物、濃縮物または食べ物としての天然タンパク質ならびに改変、変性または架橋されたタンパク質または加水分解産物を包含する。
【0031】
したがって、本発明は更に、タンパク質がタンパク質の単離物、濃縮物または食べ物である上述の方法に関する。
【0032】
本発明は更に、タンパク質がタンパク水解物である上述の方法に関する。
【0033】
本発明は更に、タンパク質が熱処理される上述の方法に関する。
【0034】
本発明は更に、タンパク質が架橋される上述の方法に関する。
【0035】
したがって本発明の更なる実施形態は、少なくとも1種のプロバイオティック混合物と、植物(エンドウ豆、大豆、トウゴマの実、ルピナスの種子、綿、ジャガイモ、サツマイモ、マニオク、菜種、ヒマワリの種子、ゴマ、アマの種子、ベニバナ、ヒラマメ、堅果、小麦、米、メイズ、大麦、ライ麦、オートムギおよびモロコシなど)、動物源(血液、骨、皮膚、ミルクおよび卵など)または微生物源(バクテリアまたは酵母菌など)から抽出される少なくとも1種のタンパク質とを含む小ビーズを製造するための方法に関する。本発明による好ましい実施形態は、少なくとも1種のプロバイオティック混合物と、ゼラチン、加水分解ゼラチンおよびミルクのタンパク質よりなる群から選択される少なくとも1種のタンパク質混合物とを含む小ビーズの製造に関する。
【0036】
本発明の小ビーズのマトリックスは、砂糖及び/またはマルトデキストリンなどの更なる化合物を含むこともできる。
砂糖は、任意の単糖または二糖のことである(好ましいのはスクロースである)。
【0037】
本発明による好ましい方法は、小ビーズが、小ビーズの全重量を基準にして少なくとも5重量%、より好ましくは少なくとも20重量%の、少なくとも1種のタンパク質(マトリックス材)および粉末被覆層を含む方法に関する。
本発明による好ましい方法は、小ビーズが、小ビーズの全重量を基準にして少なくとも5重量%の粉末被覆層を含む方法に関する。
【0038】
本発明によるより好ましい方法は、小ビーズが、
(i)小ビーズの全重量を基準にして5重量%〜80重量%、好ましくは30重量%〜80重量%、より好ましくは40重量%〜70重量%の少なくとも1種のプロバイオティック混合物と、
(ii)小ビーズの全重量を基準にして5重量%〜90重量%、好ましくは25重量%〜50重量%の少なくとも1種のタンパク質と、
(iii)小ビーズの全重量を基準にして5重量%〜50重量%、好ましくは5重量%〜20重量%の粉末被覆と
を含む方法に関する。
【0039】
上述のように、本発明の小ビーズのマトリックスは、更なる化合物を含むこともできる。好ましい化合物は砂糖(スクロース)である。
【0040】
本発明の更なる実施形態は、少なくとも1種のプロバイオティック混合物を含む小ビーズの製造方法であって、
(a)
(i)少なくとも1種のプロバイオティック混合物と
(ii)少なくとも1種のガム化合物と
の水溶液を作ることと、
(b)回収用粉末中に噴霧して乾燥させることによって溶液を乾燥粉末に変化させることと、
を含む、小ビーズの製造方法に関する。
【0041】
プロバイオティック混合物は上に定義したとおりである。
本発明との関連におけるガムという用語は、多糖類と定義される。(セルロースまたはアミロースの場合のように)ただ1つのタイプの中性単糖構造単位で構成され、かつただ1つのタイプのグリコシド結合を有する多糖類は、完全線状多糖類(perfectly linear polysaccharides)と呼ばれる。分岐多糖類では、分岐部位の頻度および側鎖の長さは大きく異なりうる。1本の長い「骨格」鎖と多数の短い側鎖とを有する分子は、線状分岐多糖類(linearly branched polysaccharides)と呼ばれる。
【0042】
多糖類は、水溶性であるか、または水中で膨潤し、塑性流動性または疑似塑性の流動性を有するコロイド状の高度に粘稠な溶液または分散液を生じる。増粘、水の保持と結合、懸濁液およびエマルジョンの安定化、およびゲル化などの機能特性は、この挙動がもとになっている。それゆえに、多糖類は、ゲル化剤または増粘剤、安定剤、水和剤(water binders)、または増量剤と呼ばれることが多い。
【0043】
ガムの例には、寒天、アルギナート、アラビノキシラン、カラギナン、キトサン、ジェラン、カードラン、β−グルカン、ガーゴム、アラビアゴム(=アカシアゴム)、ローカストビーンガム、ペクチン、およびキサンタンガムがある。
【0044】
本発明の小ビーズのマトリックスは、マルトデキストリン及び/または砂糖(スクロース)などの更なる化合物を含むこともできる。マトリックス材の好ましい組合わせは、マルトデキストリンとガムとの組合わせである。
【0045】
マトリックス材としてのマルトデキストリンおよびアラビアゴムは、本発明の特に好ましい実施形態である。
【0046】
本発明による好ましい方法は、小ビーズが、小ビーズの全重量を基準にして少なくとも5重量%、より好ましくは少なくとも20重量%の、少なくとも1種のガム化合物(マトリックス材)および粉末被覆層を含む方法に関する。
【0047】
本発明による好ましい方法は、小ビーズが、小ビーズの全重量を基準にして少なくとも5重量%の粉末被覆層を含む方法に関する。
【0048】
本発明によるより好ましい方法は、小ビーズが、
(i)小ビーズの全重量を基準にして5重量%〜80重量%、好ましくは30重量%〜80重量%、より好ましくは40重量%〜70重量%の、少なくとも1種のプロバイオティック混合物と、
(ii)小ビーズの全重量を基準にして5重量%〜90重量%、好ましくは25重量%〜50重量%の少なくとも1種のガム化合物と、
(iii)小ビーズの全重量を基準にして5重量%〜50重量%、好ましくは5重量%〜20重量%の粉末被覆と、
を含む方法に関する。
【0049】
上述のように、本発明の小ビーズのマトリックスは、更なる化合物を含むこともできる。マトリックス材の好ましい組合わせは、マルトデキストリンとガムとの組合わせである。マルトデキストリンおよびアラビアゴムは、本発明の特に好ましい実施形態である。マルトデキストリン:アラビアゴムの比率は、5:1〜1:5にすることができる。
【0050】
本発明の更なる実施形態は、少なくとも1種のプロバイオティック混合物を含む小ビーズの製造方法であって、
(a)
(i)少なくとも1種のプロバイオティック混合物と
(ii)少なくとも1種の合成及び/または半合成ポリマーと
の水溶液を作ることと、
(b)回収用粉末中に噴霧して乾燥させることによって溶液を乾燥粉末に変化させることと、
を含む小ビーズの製造方法に関する。
【0051】
プロバイオティック混合物は上に定義したとおりである。
本発明との関連における合成ポリマーは、別々の物質から化学的に製造されるポリマーと定義される。ポリマーは、化学共有結合で結びつけられている繰り返し構造単位(モノマー)で構成された巨大分子である。合成ポリマーは、重付加、重縮合あるいは陰イオンまたは陽イオン重合のような重合反応によって1種または複数種のモノマーから得ることができる。ほとんどの合成ポリマーは、プラスチックまたはエラストマーのような非食品用途に使用されるが、一部のものは、食物、飼料または医薬の用途への使用も認可されている。
好ましい合成ポリマーは、ポリエチレングリコール(PEG)およびポリビニルピロリドンである。本発明との関連における半合成ポリマーは、化学修飾によって天然起源のポリマーから得られる。好ましい半合成ポリマーは、高分子骨格としてセルロースまたはリグニンをベースにしている。
半合成ポリマーは、カルボキシメチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、ヒドロキシプロピル−メチルセルロース、エチルセルロース、メチルセルロースまたはリグノスルホネートのような、セルロースまたはリグニンのエーテルおよびエステルを含む。
【0052】
本発明の小ビーズのマトリックスは、砂糖及び/またはマルトデキストリンなどの更なる化合物を含むこともできる。
砂糖は、任意の単糖または二糖のことである(好ましいのはスクロースである)。
【0053】
本発明による好ましい方法は、小ビーズが、小ビーズの全重量を基準にして少なくとも5重量%、より好ましくは少なくとも20重量%の、少なくとも1種の合成及び/または半合成ポリマー(マトリックス材)および粉末被覆層を含む方法に関する。
本発明による好ましい方法は、小ビーズが、小ビーズの全重量を基準にして少なくとも5重量%の粉末被覆層を含む方法に関する。
【0054】
本発明によるより好ましい方法は、小ビーズが、
(i)小ビーズの全重量を基準にして5重量%〜80重量%、好ましくは30重量%〜80重量%、より好ましくは40重量%〜70重量%の、少なくとも1種のプロバイオティック混合物と、
(ii)小ビーズの全重量を基準にして5重量%〜90重量%、好ましくは25重量%〜50重量%の、少なくとも1種の合成及び/または半合成ポリマーと、
(iii)小ビーズの全重量を基準にして5重量%〜50重量%、好ましくは5重量%〜20重量%の粉末被覆と、
を含む方法に関する。
【0055】
上述のように、本発明の小ビーズのマトリックスは、更なる化合物を含むこともできる。好ましい化合物は、砂糖(スクロース)及び/またはマルトデキストリンである。
【0056】
多量(少なくとも30重量%)のプロバイオティック混合物を、デンプン(類)及び/または少なくとも1種のデンプン誘導体を含んでいるマトリックス中に含む小ビーズは、先行技術からは知られていない。
【0057】
本発明の更なる実施形態は、
(i)小ビーズの全重量を基準にして少なくとも30重量%の、少なくとも1種のプロバイオティック混合物と、
(ii)少なくとも1種のデンプン及び/または少なくとも1種のデンプン誘導体と、
を含む小ビーズ(B1)に関する。
【0058】
本発明は更に、
(i)小ビーズの全重量を基準にして85重量%以下の、少なくとも1種のプロバイオティック混合物と、
(ii)少なくとも1種のデンプン及び/または少なくとも1種のデンプン誘導体と、
を含む小ビーズ(B2)に関する。
【0059】
本発明による好ましい小ビーズ(B1’)は、
(i)小ビーズの全重量を基準にして少なくとも30重量%の、少なくとも1種のプロバイオティック混合物と、
(ii)小ビーズの全重量を基準にして70重量%以下の、少なくとも1種のデンプン及び/または少なくとも1種のデンプン誘導体と、
を含む。
【0060】
本発明によるさらに好ましい小ビーズ(B2’)は、
(i)小ビーズの全重量を基準にして85重量%以下の、少なくとも1種のプロバイオティック混合物と、
(ii)小ビーズの全重量を基準にして少なくとも15重量%の、少なくとも1種のデンプン及び/または少なくとも1種のデンプン誘導体と、
を含む。
【0061】
本発明による好ましいデンプン被覆小ビーズは、小ビーズの全重量を基準にして少なくとも5重量%の粉末被覆層を含む。
したがって、(B1)、(B1’)、(B2)および(B2’)は、好ましくは小ビーズの全重量を基準にして5重量%の粉末被覆層を含む。
【0062】
本発明によるより好ましい小ビーズ(B3)は、
(i)小ビーズの全重量を基準にして30重量%〜80重量%、好ましくは40重量%〜70重量%の、バシラス属、ラクトバシラス属、ペジオコックス属およびプロピオン酸菌属よりなる群から選択される少なくとも1種のプロバイオティック混合物と、
(ii)小ビーズの全重量を基準にして15重量%〜65重量%、好ましくは25重量%〜50重量%の、コーンスターチ、モロコシデンプン、小麦デンプン、米デンプン、タピオカデンプン、葛澱粉、サゴ澱粉、ジャガイモデンプン、キノアデンプンおよびアマランスデンプン、事前にゼラチン化されたデンプン、酸修飾デンプン(acidic modified starches)、酸化デンプン、架橋デンプン、デンプンエステル、デンプンエーテルおよびカチオンデンプン(好ましいのは、多量のアミロペクチンを含むデンプン、OSAデンプン、(マルト)デキストリンおよび事前にゼラチン化されたデンプンである)よりなる群から選択される、少なくとも1種のデンプン及び/または少なくとも1種のデンプン誘導体と、
(iii)小ビーズの全重量を基準にして5重量%〜50重量%、好ましくは5重量%〜20重量%の、デンプン(好ましくはコーンスターチ)、ケイ酸塩およびホスフェート化合物よりなる群から選択される粉末被覆と、
を含む。
【0063】
本発明のより好ましい実施形態では、デンプンまたはデンプン誘導体は、アミロペクチン、OSAデンプン、マルトデキストリンおよび事前にゼラチン化されたデンプンよりなる群から選択される。
【0064】
本発明による特に好ましい小ビーズ(B3’)は、
(i)小ビーズの全重量を基準にして5重量%〜50重量%の、アシディプロピオニッチ(acidipropionici)およびP.ジェンセニイ(P.jensenii)(好ましくはP.アシディプロピオニッチ(P.Acidipropionici)およびジェンセニイ株のP169、P170、P179、P195、およびP261、特に好ましくはP169株)よりなる群から選択される、少なくとも1種のプロバイオティック混合物と、
(ii)小ビーズの全重量を基準にして15重量%〜65重量%の、コーンスターチ、モロコシデンプン、小麦デンプン、米デンプン、タピオカデンプン、葛澱粉、サゴ澱粉、ジャガイモデンプン、キノアデンプンおよびアマランスデンプン、事前にゼラチン化されたデンプン、酸修飾デンプン、酸化デンプン、架橋デンプン、デンプンエステル、デンプンエーテル、デキストリンおよびカチオンデンプン(好ましいのは、多量のアミロペクチンを有するデンプン、OSAデンプン、(マルト)デキストリンおよび事前にゼラチン化されたデンプンである)よりなる群より選択される、少なくとも1種のデンプン及び/または少なくとも1種のデンプン誘導体と、
(iii)小ビーズの全重量を基準にして5重量%〜50重量%の、デンプン(好ましくはコーンスターチ)、ケイ酸塩およびホスフェート化合物よりなる群から選択される粉末被覆と、
を含む。
【0065】
本発明によるもっとも好ましい小ビーズ(B3’’)は、
(i)小ビーズの全重量を基準にして40重量%〜70重量%の、アシディプロピオニッチ(acidipropionici)およびP.ジェンセニイ(P.jensenii)(好ましくは、P.アシディプロピオニッチ(P.Acidipropionici)およびジェンセニイ株のP169、P170、P179、P195、およびP261、特に好ましくはP169株)よりなる群から選択される、少なくとも1種のプロバイオティック混合物と、
(ii)小ビーズの全重量を基準にして25重量%〜50重量%の、コーンスターチ、モロコシデンプン、小麦デンプン、米デンプン、タピオカデンプン、葛澱粉、サゴ澱粉、ジャガイモデンプン、キノアデンプンおよびアマランスデンプン、事前にゼラチン化されたデンプン、酸修飾デンプン、酸化デンプン、架橋デンプン、デンプンエステル、デンプンエーテル、デキストリンおよびカチオンデンプン(好ましいのは、多量のアミロペクチンを有するデンプン、OSAデンプン、(マルト)デキストリンおよび事前にゼラチン化されたデンプンである)よりなる群より選択される、少なくとも1種のデンプン及び/または少なくとも1種のデンプン誘導体と、
(iii)小ビーズの全重量を基準にして5重量%〜20重量%の、デンプン(好ましくはコーンスターチ)、ケイ酸塩およびホスフェート化合物よりなる群から選択される粉末被覆と、
を含む。
【0066】
タンパク質を含んでいるマトリックス中に多量(少なくとも30重量%)のプロバイオティック混合物を含む小ビーズは、先行技術からは知られていない。
【0067】
本発明の更なる実施形態は、
(i)小ビーズの全重量を基準にして少なくとも30重量%の、少なくとも1種のプロバイオティック混合物と、
(ii)少なくとも1種のタンパク質と、
を含む小ビーズ(B4)に関する。
【0068】
本発明は更に、
(i)小ビーズの全重量を基準にして85重量%以下の、少なくとも1種のプロバイオティック混合物と、
(ii)少なくとも1種のタンパク質と、
を含む小ビーズ(B5)に関する。
【0069】
本発明による好ましい小ビーズ(B4’)は、
(i)小ビーズの全重量を基準にして少なくとも30重量%の、少なくとも1種のプロバイオティック混合物と、
(ii)小ビーズの全重量を基準にして70重量%以下の、少なくとも1種のタンパク質と、
を含む。
【0070】
小ビーズ(B5’)は、
(i)小ビーズの全重量を基準にして85重量%以下の、少なくとも1種のプロバイオティック混合物と、
(ii)小ビーズの全重量を基準にして少なくとも15重量%の、少なくとも1種のタンパク質と、
を含む。
【0071】
小ビーズ(B5’’)は、
(i)小ビーズの全重量を基準にして85重量%以下の、少なくとも1種のプロバイオティック混合物と、
(ii)小ビーズの全重量を基準にして少なくとも15重量%の、ゼラチンおよびスクロースと、
を含む。
本発明による好ましいデンプン被覆小ビーズは、小ビーズの全重量を基準にして、少なくとも5重量%の粉末被覆層を含む。
したがって、(B4)、(B4’)、(B5)、(B5’)および(B5’’)は、好ましくは小ビーズの全重量を基準にして、5重量%の粉末被覆層を含む。
【0072】
本発明によるより好ましい小ビーズ(B6)は、
(i)小ビーズの全重量を基準にして30重量%〜80重量%、好ましくは40重量%〜70重量%の、バシラス属、ラクトバシラス属、ペジオコックス属およびプロピオン酸菌属よりなる群から選択される、少なくとも1種のプロバイオティック混合物と、
(ii)小ビーズの全重量を基準にして15重量%〜65重量%、好ましくは25重量%〜50重量%の、植物源(エンドウ豆、大豆、トウゴマの実、ルピナスの種子、綿、ジャガイモ、サツマイモ、マニオク、菜種、ヒマワリの種子、ゴマ、アマの種子、ベニバナ、ヒラマメ、堅果、小麦、米、メイズ、大麦、ライ麦、オートムギおよびモロコシなど)または動物源(血液、骨、皮膚、ミルクおよび卵など)または微生物源(バクテリアおよび酵母菌など)からの、少なくとも1種のタンパク質と、
(iii)小ビーズの全重量を基準にして5重量%〜50重量%、好ましくは5重量%〜20重量%の、デンプン(好ましくはコーンスターチ)、ケイ酸塩およびホスフェート化合物よりなる群から選択される粉末被覆と、
を含む。
【0073】
本発明によるより好ましい方法では、タンパク質は、ゼラチン(特に魚のゼラチンまたは家禽のゼラチン)、加水分解ゼラチンおよびミルクのタンパク質(乳漿タンパク、カゼイン)よりなる群から選択される。
【0074】
本発明による特に好ましい小ビーズ(B6’)は、
(i)小ビーズの全重量を基準にして30重量%〜80重量%の、アシディプロピオニッチ(acidipropionici)およびP.ジェンセニイ(P.jensenii)(好ましくはP.アシディプロピオニッチ(P.Acidipropionici)およびジェンセニイ株のP169、P170、P179、P195、およびP261、特に好ましくはP169株)よりなる群から選択される、少なくとも1種のプロバイオティック混合物と、
(ii)小ビーズの全重量を基準にして15重量%〜65重量%の、ゼラチン(特に魚のゼラチン)、加水分解ゼラチンおよびミルクのタンパク質(乳漿タンパク、カゼイン)よりなる群から選択される、少なくとも1種のタンパク質と、
(iii)小ビーズの全重量を基準にして5重量%〜50重量%の、デンプン(好ましくはコーンスターチ)、ケイ酸塩およびホスフェート化合物よりなる群から選択される粉末被覆と、
を含む。
【0075】
本発明によるもっとも好ましい小ビーズ(B6’’)は、
(i)小ビーズの全重量を基準にして40重量%〜70重量%の、アシディプロピオニッチ(acidipropionici)およびP.ジェンセニイ(P.jensenii)(好ましくは、P.アシディプロピオニッチ(P.Acidipropionici)およびジェンセニイ株のP169、P170、P179、P195、およびP261、特に好ましくはP169株)よりなる群から選択される、少なくとも1種のプロバイオティック混合物と、
(ii)小ビーズの全重量を基準にして25重量%〜50重量%の、ゼラチン(特に魚のゼラチン)、加水分解ゼラチンおよびミルクのタンパク質(乳漿タンパク、カゼイン)よりなる群から選択される、少なくとも1種のタンパク質と、
(iii)小ビーズの全重量を基準にして5重量%〜20重量%の、デンプン(好ましくはコーンスターチ)、ケイ酸塩およびホスフェート化合物よりなる群から選択される粉末被覆と、
を含む。
【0076】
ガム化合物を含んでいるマトリックス中に多量(少なくとも30重量%)のプロバイオティック混合物を含む小ビーズは、先行技術からは知られていない。
【0077】
それゆえに、本発明の更なる実施形態は、
(i)小ビーズの全重量を基準にして少なくとも30重量%の、少なくとも1種のプロバイオティック混合物と
(ii)少なくとも1種のガム化合物と、
を含む小ビーズ(B7)に関する。
【0078】
本発明は更に、
(i)小ビーズの全重量を基準にしてで85重量%以下の、少なくとも1種のプロバイオティック混合物と、
(ii)少なくとも1種のガム化合物と、
を含む小ビーズ(B8)に関する。
【0079】
本発明による好ましい小ビーズ(B7’)は、
(i)小ビーズの全重量を基準にして少なくとも30重量%の、少なくとも1種のプロバイオティック混合物と
(ii)小ビーズの全重量を基準にして70重量%以下の、少なくとも1種のガム化合物と、
を含む。
【0080】
小ビーズ(B8’)は、
(i)小ビーズの全重量を基準にして85重量%以下の、少なくとも1種のプロバイオティック混合物と、
(ii)小ビーズの全重量を基準にして少なくとも15重量%の、少なくとも1種のガム化合物と、
を含む。
【0081】
小ビーズ(B8’’)は、
(i)小ビーズの全重量を基準にして85重量%以下の、少なくとも1種のプロバイオティック混合物と、
(ii)小ビーズの全重量を基準にして少なくとも15重量%の、アラビアゴムおよびマルトデキストリンと、
を含む。
【0082】
本発明による好ましいデンプン被覆小ビーズは、小ビーズの全重量を基準にして少なくとも5重量%の粉末被覆層を含む。
したがって、(B7)、(B7’)、(B8)、(B8’)および(B8’’)は、好ましくは小ビーズの全重量を基準にして、5重量%の粉末被覆層を含む。
【0083】
本発明によるより好ましい小ビーズ(B9)は、
(i)小ビーズの全重量を基準にして30重量%〜80重量%、好ましくは40重量%〜70重量%の、バシラス属、ラクトバシラス属、ペジオコックス属およびプロピオン酸菌属よりなる群から選択される、少なくとも1種のプロバイオティック混合物と、
(ii)小ビーズの全重量を基準にして15重量%〜65重量%、好ましくは25重量%〜50重量%の、寒天、アルギナート、アラビノキシラン、カラギナン、キトサン、ジェラン、カードラン、β−グルカン、ガーゴム、アラビアゴム、ローカストビーンガム、ペクチン、キサンタンガム、およびマルトデキストリンとアラビアゴムとの組合わせよりなる群より選択される、少なくとも1種のガム化合物と、
(iii)小ビーズの全重量を基準にして5重量%〜50重量%、好ましくは5重量%〜20重量%の、デンプン(好ましくはコーンスターチ)、ケイ酸塩およびホスフェート化合物よりなる群から選択される粉末被覆と、
を含む。
【0084】
本発明によるもっとも好ましい小ビーズ(B9’)は、
(i)小ビーズの全重量を基準にして30重量%〜80重量%、好ましくは40重量%〜70重量%の、アシディプロピオニッチ(acidipropionici)およびP.ジェンセニイ(P.jensenii)(好ましくはP.アシディプロピオニッチ(P.Acidipropionici)およびジェンセニイ株のP169、P170、P179、P195、およびP261、特に好ましくはP169株)よりなる群から選択される、少なくとも1種のプロバイオティック混合物と、
(ii)小ビーズの全重量を基準にして15重量%〜65重量%、好ましくは25重量%〜50重量%の、寒天、アルギナート、アラビノキシラン、カラギナン、キトサン、ジェラン、カードラン、β−グルカン、ガーゴム、アラビアゴム、ローカストビーンガム、ペクチン、キサンタンガム、およびマルトデキストリンとアラビアゴムとの組合わせよりなる群より選択される、少なくとも1種のガム化合物と、
(iii)小ビーズの全重量を基準にして5重量%〜50重量%、好ましくは5重量%〜20重量%の、デンプン(好ましくはコーンスターチ)、ケイ酸塩およびホスフェート化合物よりなる群から選択される粉末被覆と、
を含む。
【0085】
本発明による更なるもっとも好ましい小ビーズ(B9’’)は、
(i)小ビーズの全重量を基準にして30重量%〜80重量%、好ましくは40重量%〜70重量%の、アシディプロピオニッチ(acidipropionici)およびP.ジェンセニイ(P.jensenii)(好ましくはP.アシディプロピオニッチ(P.Acidipropionici)およびジェンセニイ株のP169、P170、P179、P195、およびP261、特に好ましくは株P169)よりなる群から選択される、少なくとも1種のプロバイオティック混合物と、
(ii)小ビーズの全重量を基準にして15重量%〜65重量%、好ましくは25重量%〜50重量%のアラビアゴムおよびマルトデキストリンと、
(iii)小ビーズの全重量を基準にして5重量%〜50重量%、好ましくは5重量%〜20重量%の、デンプン(好ましくはコーンスターチ)、ケイ酸塩およびホスフェート化合物よりなる群から選択される粉末被覆と、
を含む。
【0086】
合成及び/または半合成ポリマーを含んでいるマトリックス中に多量(少なくとも30重量%)のプロバイオティック混合物を含む小ビーズは、先行技術からは知られていない。
【0087】
本発明の更なる実施形態は、
(i)小ビーズの全重量を基準にして少なくとも30重量%の、少なくとも1種のプロバイオティック混合物と
(ii)少なくとも1種の合成及び/または半合成ポリマーと、
を含む小ビーズ(B10)に関する。
【0088】
本発明は更に、
(i)小ビーズの全重量を基準にして85重量%以下の、少なくとも1種のプロバイオティック混合物と、
(ii)少なくとも1種の合成及び/または半合成ポリマーと、
を含む小ビーズ(B11)に関する。
【0089】
本発明による好ましい小ビーズ(B10’)は、
(i)小ビーズの全重量を基準にして少なくとも30重量%の、少なくとも1種のプロバイオティック混合物と
(ii)小ビーズの全重量を基準にして70重量%以下の、少なくとも1種の合成及び/または半合成ポリマーと、
を含む。
【0090】
小ビーズ(B11’)は、
(i)小ビーズの全重量を基準にして85重量%以下の、少なくとも1種のプロバイオティック混合物と、
(ii)小ビーズの全重量を基準にして少なくとも15重量%の、少なくとも1種の合成及び/または半合成ポリマーと、
を含む。
【0091】
小ビーズ(B11’’)は、
(i)小ビーズの全重量を基準にして85重量%以下の、少なくとも1種のプロバイオティック混合物と、
(ii)小ビーズの全重量を基準にして少なくとも15重量%の、少なくとも1種の合成及び/または半合成ポリマーと、
を含む。
【0092】
本発明による好ましいデンプン被覆小ビーズは、小ビーズの全重量を基準にして少なくとも5重量%の粉末被覆層を含む。
したがって、(B10)、(B10’)、(B11)、(B11’)および(B11’’)は、好ましくは小ビーズの全重量を基準にして5重量%の粉末被覆層を含む。
【0093】
本発明によるより好ましい小ビーズ(B12)は、
(i)小ビーズの全重量を基準にして30重量%〜80重量%、好ましくは40〜70重量%の、バシラス属、ラクトバシラス属、ペジオコックス属およびプロピオン酸菌属よりなる群から選択される、少なくとも1種のプロバイオティック混合物と、
(ii)小ビーズの全重量を基準にして15重量%〜65重量%、好ましくは25〜50重量%の、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロース(CMC)、カルボキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ポリビニルピロリドンおよびリグノスルホネートよりなる群から選択される、少なくとも1種の合成及び/または半合成ポリマーと、
(iii)小ビーズの全重量を基準にして5重量%〜50重量%、好ましくは5〜20重量%の、デンプン(好ましくはコーンスターチ)、ケイ酸塩およびホスフェート化合物よりなる群から選択される粉末被覆と、
を含む。
【0094】
本発明による特に好ましい小ビーズ(B12’)は、
(i)小ビーズの全重量を基準にして30重量%〜80重量%の、アシディプロピオニッチ(acidipropionici)およびP.ジェンセニイ(P.jensenii)(好ましくは、P.アシディプロピオニッチ(P.Acidipropionici)およびジェンセニイ株のP169、P170、P179、P195、およびP261、特に好ましくはP169株)よりなる群から選択される、少なくとも1種のプロバイオティック混合物と、
(ii)小ビーズの全重量を基準にして15重量%〜65重量%の、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロース(CMC)、カルボキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ポリビニルピロリドンおよびリグノスルホネートよりなる群から選択される、少なくとも1種の合成及び/または半合成ポリマーと、
(iii)小ビーズの全重量を基準にして5重量%〜50重量%の、デンプン(好ましくはコーンスターチ)、ケイ酸塩およびホスフェート化合物よりなる群から選択される粉末被覆と、
を含む。
【0095】
本発明によるもっとも好ましい小ビーズ(B12’’)は、
(i)小ビーズの全重量を基準にして40重量%〜70重量%の、アシディプロピオニッチ(acidipropionici)およびP.ジェンセニイ(P.jensenii)(好ましくは、P.アシディプロピオニッチ(P.Acidipropionici)およびジェンセニイ株のP169、P170、P179、P195、およびP261、特に好ましくはP169株)よりなる群から選択される、少なくとも1種のプロバイオティック混合物と、
(ii)小ビーズの全重量を基準にして25重量%〜50重量%の、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロース(CMC)、カルボキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ポリビニルピロリドンおよびリグノスルホネートよりなる群から選択される、少なくとも1種の合成及び/または半合成ポリマーと、
(iii)小ビーズの全重量を基準にして5重量%〜20重量%の、デンプン(好ましくはコーンスターチ)、ケイ酸塩およびホスフェート化合物よりなる群から選択される粉末被覆と、
を含む。
【0096】
さらにより好ましい小ビーズは、付加的に砂糖(スクロース)を含む小ビーズである(B1)、(B1’)、(B2)、(B2’)、(B2’’)、(B3)、(B3’)、(B3’’)、(B4)、(B4’)、(B5)、(B5’)、(B5’’)、(B6)、(B6’)、(B6’’)、(B7)、(B7’)、(B8)、(B8’)、(B8’’)、(B9)、(B9’)、(B9’’)、(B10)、(B10’)、(B11)、(B11’)、(B11’’)、(B12)、(B12’)および(B12’’)である。これらの小ビーズ(B13)は、小ビーズの全重量を基準にして5〜25重量%、好ましくは10〜20重量%のスクロースを含む。
【0097】
本発明の特に好ましい実施形態は、マトリックス中に、マルトデキストリンと少なくとも1種の更なるデンプン及び/またはデンプン誘導体との混合物を含む小ビーズである。それゆえに本発明の更なる実施形態(B14)は、デンプン成分(ii)がマルトデキストリンと少なくとも1種の更なるデンプン及び/またはデンプン誘導体とを含んでいる、小ビーズ(B1)、(B1’)、(B2)、(B2’)、(B2’’)、(B3)、(B3’)および(B3’’)に関する。
【0098】
本発明による更なる実施形態は、食品(人間及び/または動物用)、健康補助食品、ならびに食品と健康補助食品の製造における、小ビーズ(B1)、(B1’)、(B2)、(B2’)、(B2’’)、(B3)、(B3’)、(B3’’)、(B4)、(B4’)、(B5)、(B5’)、(B5’’)、(B6)、(B6’)、(B6’’)、(B7)、(B7’)、(B8)、(B8’)、(B8’’)、(B9)、(B9’)、(B9’’)、(B10)、(B10’)、(B11)、(B11’)、(B11’’)、(B12)、(B12’)、(B12’’)、(B13)および(B14)の使用に関する。どんな種類のプロバイオティック混合物及び/またはマトリックス材を使用するかによって、食品は人間に適したものとなるかまたは動物に適したものとなる。場合によっては、食品は人間および動物によって摂取されうる。
【0099】
本発明による好ましい実施形態は、反すう動物(特に雌牛)用の食物における、小ビーズの(B1)、(B1’)、(B2)、(B2’)、(B2’’)、(B3)、(B3’)、(B3’’)、(B4)、(B4’)、(B5)、(B5’)、(B5’’)、(B6)、(B6’)、(B6’’)、(B7)、(B7’)、(B8)、(B8’)、(B8’’)、(B9)、(B9’)、(B9’’)、(B10)、(B10’)、(B11)、(B11’)、(B11’’)、(B12)、(B12’)、(B12’’)、(B13)および(B14)の使用に関する。
【0100】
本発明との関連における食品(人間及び/または動物用)は、液体食品および固体食品ならびにペースト状およびまたはゲル状のものを含む。食品は、人間用ならびに動物(特に、反すう動物、家禽および豚)用の食物を含む。
【0101】
健康補助食品(栄養補助食品または栄養補助品としても知られている)は、人の食事では欠如しているかまたは十分な量が摂取されない栄養素(ビタミン、無機質、脂肪酸またはアミノ酸など)を補充することを意図した調製物である。
食品は、摂取の容易な形態(更なる処理を施さなくても食べるのに適した形態を意味する)にすることができる。しかし、食品は、加熱、溶解、希釈のような更なる処理を必要とする形態であることも可能である。
好適な人間用の食品は、飲料、スープ、バー(シリアル、チョコレート)、乳製品などであってよい。
好適な動物用食品(飼料製品)は、通常用いられる任意の形態のものであってよい。
したがって、本発明の更なる実施形態は、上述の小ビーズを含む、人間および動物用の食品および人間および動物用の健康補助食品に関する。
本発明の好ましい実施形態は、上述の小ビーズを含む、反すう動物(特に雌牛)用の食品に関する。
本発明による小ビーズは更に、食品(人間及び/または動物用)用および健康補助食品(人間及び/または動物用)用のプレミックスに使用することもできる。
プレミックスは、食物生産業者にとって便利な利用形態であるが、プロバイオティックスにとって注意すべき媒体である。というのは、pH、イオン強度および水分活性の値が、プロバイオティックバクテリアの生存可能性に悪影響を及ぼしうるからである。しかし、本発明による小ビーズでは、そのような問題が解消される(または少なくとも強力に最小限にされる)。
本発明の好ましい実施形態は、反すう動物(特に雌牛)用の食物のプレミックスの用途における、本発明による小ビーズの使用に関する。
本発明の更なる実施形態は、食品(人間及び/または動物用)用および健康補助食品(人間及び/または動物用)用の、本発明による小ビーズを含むプレミックスである。本発明の好ましい実施形態は、反すう動物(特に雌牛)用の食品のプレミックスに関する。
【0102】
ビタミンおよび微量元素のような機能性成分を、食品または飼料製品ならびにプレミックスに添加することがよくある。
【0103】
以下の実施例は、本発明を例示するのに役立つものである。特に記載されていなければ、百分率は重量パーセントで表され、温度はセルシウス度である。
【0104】
[実施例1]アミロペクチン含有マトリックス中にプロピオン酸菌(P169)を含む配合物
1,5gのアミロペクチンを25mlの水に加えた。その混合物を加熱し、溶解するまで攪拌した。その溶液のpHを7.0に調節した。この溶液に、攪拌しながらプロピオン酸菌の濃縮バイオマス50g(20%の乾燥物質)を加えた。約75gのその懸濁液を、約5℃においてスプレーパン(spraying pan)内の流動デンプン床中に回転スプレーノズルを用いて噴霧した。そのようにして得られた小ビーズをふるい分けて過剰のデンプンから分離し、乾燥させた。4,6E11 cfu/gの活性を有する乾燥粉末がおよそ30g得られた。
【0105】
[実施例2]マトリックスとしてマルトデキストリンおよびOSAデンプンを有するプロバイオティック配合物
4.66kgのマルトデキストリンおよび0.53kgのOSAデンプンを、プロピオン酸菌の濃縮バイオマス35kg(15%の乾燥物質)中に溶かした。パイロット規模の小ビーズ塔(beadlet tower)を用いて、その懸濁液を流動デンプンと一緒に噴霧した。そのようにして得られた小ビーズを過剰のデンプンから分離し、外部流動床で乾燥させた。1.5E11 cfu/gの活性を有するおよそ13kgの乾燥粉末が得られた。
【0106】
[実施例3]マトリックスとしてマルトデキストリンを有するプロバイオティック配合物
5.17kgのマルトデキストリンを、プロピオン酸菌の濃縮バイオマス35kg(15%の乾燥物質)中に溶かした。パイロット規模の小ビーズ塔を用いて、その懸濁液を流動デンプンと一緒に噴霧した。そのようにして得られた小ビーズを過剰のデンプンから分離し、外部流動床で乾燥させた。9.6E10 cfu/gの活性を有する乾燥粉末がおよそ13kg得られた。
【0107】
[実施例4]魚のゼラチンと砂糖とを含むマトリックス中のプロピオン酸菌(P169)
魚のゼラチン40gおよびスクロース20gを80mlの水に加えた。溶解するまでその混合物を攪拌した。その溶液のpHを7.0に調節した。この溶液に、攪拌しながらプロピオン酸菌の濃縮バイオマス60g(20%の乾燥物質)を加えた。約180gのその懸濁液を、約5℃においてスプレーパン内の流動デンプン床中に回転スプレーノズルを用いて噴霧した。そのようにして得られた小ビーズをふるい分けて過剰のデンプンから分離し、乾燥させた。8,2E10 cfu/gの活性を有する乾燥粉末がおよそ120g得られた。
【0108】
[実施例5]アラビアゴムとマルトデキストリンとを含むマトリックス中のプロピオン酸菌(P169)
プロピオン酸菌の濃縮バイオマス150g(20%の乾燥物質)を50gの水で希釈した。52gのマルトデキストリンおよび10gのアラビアゴムを加えた。溶解するまでその混合物を攪拌した。約240gのその懸濁液を、約5℃においてスプレーパン内の流動デンプン床中に回転スプレーノズルを用いて噴霧した。そのようにして得られた小ビーズをふるい分けて過剰のデンプンから分離し、乾燥させた。1,5E11 cfu/gの活性を有する乾燥粉末がおよそ160g得られた。
【0109】
[実施例6]ポリエチレングリコールを含むマトリックス中のプロピオン酸菌(P169)
5gのポリエチレングリコールPEG1000を45℃で溶融させ、攪拌しながらプロピオン酸菌の濃縮バイオマス50g(20%の乾燥物質)に加えた。5gの水を加えた。その懸濁液を、約5℃においてスプレーパン内の流動デンプン床中に回転スプレーノズルを用いて噴霧した。そのようにして得られた小ビーズをふるい分けて過剰のデンプンから分離し、乾燥させた。4.1E11 cfu/gの活性を有する乾燥粉末がおよそ24g得られた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1種のプロバイオティック混合物を含む小ビーズの製造方法であって、
(a)
(i)少なくとも1種のプロバイオティック混合物と、
(ii)少なくとも1種のデンプン及び/またはデンプン誘導体と、
の水溶液を作ることと、
(b)回収用粉末中に噴霧して乾燥させることによって前記溶液を乾燥粉末に変化させることと、
を含む、小ビーズの製造方法。
【請求項2】
前記プロバイオティック混合物が、バシラス属、ラクトバシラス属、ペジオコックス属およびプロピオン酸菌属よりなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記プロバイオティック混合物が、P.アシディプロピオニッチ(P.Acidipropionici)およびジェンセニイ株のP169、P170、P179、P195、およびP261よりなる群から選択され、好ましくはP169である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記デンプン及び/またはデンプン誘導体が、コーンスターチ、モロコシデンプン、小麦デンプン、米デンプン、タピオカデンプン、葛澱粉、サゴ澱粉、ジャガイモデンプン、キノアデンプンおよびアマランスデンプン、事前にゼラチン化されたデンプン、酸修飾デンプン、酸化デンプン、架橋デンプン、デンプンエステル、デンプンエーテル、デキストリンおよびカチオンデンプンよりなる群から選択される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記デンプン及び/またはデンプン誘導体が、アミロペクチン、OSAデンプン、(マルト)デキストリンおよび事前にゼラチン化されたデンプンよりなる群から選択される、請求項1、2、3または4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記デンプン及び/またはデンプン誘導体が、(マルト)デキストリンおよび請求項1〜5のいずれかに記載の少なくとも1種の更なるデンプン及び/または少なくとも1種の更なるデンプン誘導体である、請求項1、2、3または4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記小ビーズが粉末被覆によって被覆される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記小ビーズが、前記小ビーズの全重量を基準にして少なくとも30重量%の少なくとも1種のプロバイオティック混合物を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記小ビーズが、前記小ビーズの全重量を基準にして85重量%以下の少なくとも1種のプロバイオティック混合物を含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記小ビーズが、前記小ビーズの全重量を基準にして80重量%以下の少なくとも1種のプロバイオティック混合物を含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記小ビーズが、前記小ビーズの全重量を基準にして少なくとも5重量%、好ましくは少なくとも20重量%の、少なくとも1種のデンプン及び/または少なくとも1種のデンプン誘導体および前記粉末被覆層を含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記小ビーズが、前記小ビーズの全重量を基準にして少なくとも5重量%の粉末被覆層を含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
(i)前記小ビーズの全重量を基準にして少なくとも30重量%の、少なくとも1種のプロバイオティック混合物と、
(ii)少なくとも1種のデンプン及び/またはデンプン誘導体と、
を含む小ビーズ。
【請求項14】
(i)前記小ビーズの全重量を基準にして85重量%以下の、少なくとも1種のプロバイオティック混合物
を含む、請求項13に記載の小ビーズ。
【請求項15】
(i)前記小ビーズの全重量を基準にして少なくとも30重量%の、少なくとも1種のプロバイオティック混合物と、
(ii)前記小ビーズの全重量を基準にして70重量%以下の、少なくとも1種のデンプン及び/またはデンプン誘導体と、
を含む、請求項13または14に記載の小ビーズ。
【請求項16】
(i)前記小ビーズの全重量を基準にして30重量%〜80重量%、好ましくは40重量%〜70重量%の、バシラス属、ラクトバシラス属、ペジオコックス属およびプロピオン酸菌属よりなる群から選択される、少なくとも1種のプロバイオティック混合物と、
(ii)前記小ビーズの全重量を基準にして15重量%〜65重量%、好ましくは25〜50重量%の、コーンスターチ、モロコシデンプン、小麦デンプン、米デンプン、タピオカデンプン、葛澱粉、サゴ澱粉、ジャガイモデンプン、キノアデンプンおよびアマランスデンプン、事前にゼラチン化されたデンプン、酸修飾デンプン、酸化デンプン、架橋デンプン、デンプンエステル、デンプンエーテル、デキストリンおよびカチオンデンプンよりなる群から選択される、少なくとも1種のデンプン及び/またはデンプン誘導体と、
(iii)前記小ビーズの全重量を基準にして5重量%〜50重量%、好ましくは5重量%〜20重量%の、デンプン(好ましくはコーンスターチ)、ケイ酸塩およびホスフェート化合物よりなる群から選択される粉末被覆と、
を含む、請求項13〜15のいずれか一項に記載の小ビーズ。
【請求項17】
アミロペクチン、OSAデンプン、マルトデキストリンおよび事前にゼラチン化されたデンプンよりなる群から選択される、少なくとも1種のデンプン及び/またはデンプン誘導体と、を含む、請求項13〜16のいずれか一項に記載の小ビーズ。
【請求項18】
前記デンプン成分(ii)が、マルトデキストリンと、少なくとも1種の更なるデンプン及び/またはデンプン誘導体と、を含む、請求項13〜17のいずれか一項に記載の小ビーズ。
【請求項19】
前記プロバイオティック混合物が、P.アシディプロピオニッチ(P.Acidipropionici)およびジェンセニイ株のP169、P170、P179、P195、およびP261よりなる群から選択され、好ましくはP169である、請求項13〜18のいずれか一項に記載の小ビーズ。
【請求項20】
食品(人間及び/または動物用)および健康補助食品(人間及び/または動物用)における、請求項13〜19のいずれか一項に記載の小ビーズの使用。
【請求項21】
食品(人間及び/または動物用)用および健康補助食品(人間及び/または動物用)用のプレミックスにおける、請求項13〜19のいずれか一項に記載の小ビーズの使用。
【請求項22】
前記動物が反すう動物、好ましくは雌牛である、請求項20または21のいずれか一項に記載の使用。
【請求項23】
請求項13〜19のいずれか一項に記載の小ビーズを含む、食品(人間及び/または動物用)および健康補助食品(人間及び/または動物用)。
【請求項24】
前記動物が反すう動物、好ましくは雌牛である、請求項23に記載の食品および健康補助食品。
【請求項25】
請求項13〜19のいずれか一項に記載の小ビーズを含む、食品(人間及び/または動物用)用および健康補助食品(人間及び/または動物用)用のプレミックス。
【請求項26】
前記動物が反すう動物、好ましくは雌牛である、請求項25に記載のプレミックス。

【公表番号】特表2011−529697(P2011−529697A)
【公表日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−521544(P2011−521544)
【出願日】平成21年7月31日(2009.7.31)
【国際出願番号】PCT/EP2009/059957
【国際公開番号】WO2010/015580
【国際公開日】平成22年2月11日(2010.2.11)
【出願人】(503220392)ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ. (873)
【Fターム(参考)】