説明

ベッド装置

【課題】この発明はベッド本体の内部空間に収納ケースを設けて有効に利用できるようにしたベッド装置を提供することにある。
【解決手段】幅方向の一側面が開口し内部を収容部17,18とするとともに上面にマットレス13が載置されるベッド本1体と、収容部の両側にベッド本体の幅方向に沿って設けられたガイド部材19と、ガイド部材に下面を移動可能に係合させて収容部にベッド本体の幅方向に沿って順次出し入れ可能に収納された第1の収納ケース21及び第2の収納ケース22と、収容部の手前側に収容された第1の収納ケースの後端部と奥側に収納された第2の収納ケースの前端部を着脱可能に連結し収容部から第1の収納ケースを引き出したときに第2の収納ケースを連動させる第1、第2の連結具24,25を具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はベッド本体の内部を収納ケースが出し入れ可能に設けられる収容部として利用するベッド装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ベッド装置はベッド本体を有する。このベッド本体は上面にマットレスが載置されるとともに、長手方向一端にはヘッドボード、他端にはフットボードがほぼ垂直に立設されている。
【0003】
上記ベッド装置が占有する室内空間を有効利用するため、ベッド本体に、このベッド本体の幅方向一側面が開口した空間部を形成する。そして、この空間部に収納ケースを出し入れできるようにする。それによって、上記収納ケースに衣類などの物品を入れることで、ベッド本体が占有する室内空間の有効利用を図ることができるようにしている。
【0004】
上記収納ケースによる収容量を拡大するためには、収納ケースのベッド本体の幅方向に沿う寸法、つまり奥行き寸法を大きくしてその容積を拡大することが要求されることになる。
【0005】
ところで、収納ケースの容積を拡大するために、収納ケースの奥行き寸法を大きくすると、ベッド装置の側方に収納ケースを引き出すことができるだけのスペースを確保しなければならない。しかしながら、ベッド装置が設置される室内空間が十分に広くない場合、ベッド装置の側方に、奥行き寸法の大きな収納ケースを引き出すことができるスペースを確保することが困難なことがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、上記収納ケースをベッド本体の幅方向に対して2つに分割し、手前側の収納ケースを引き出したならば、この収納ケースをたとえばベッド装置の上面などに置き、奥側の収納ケースを引き出せるようにする。それによって、ベッド本体の側方に、このベッド本体の幅寸法と同等のスペースを確保することができなくても、収容部から収容ケースを引き出すことが可能となる。
【0007】
ところで、ベッド本体の収納部に、ベッド本体の幅方向に対して2つの収納ケースを収容した場合、手前側の収納ケースはそのケースの前端に手を掛けて比較的容易に引き出すことができる。しかしながら、奥側の収納ケースは前端がベッド本体の幅方向の内方、たとえば中央部分に位置することになる。そのため、奥側の収納ケースには容易に手を掛けることができないから、使い勝手が悪いということがあった。
【0008】
この発明は、ベッド本体の幅方向に2つの収納ケースを設けた場合、手前側の収納ケースを引き出した後で、奥側の収納ケースを容易に引き出すことができるようにしたベッド装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明は、幅方向の一側面が開口し内部を収容部とするとともに上面にマットレスが載置されるベッド本体と、
上記収容部の両側に上記ベッド本体の幅方向に沿って設けられたガイド部材と、
このガイド部材に下面を移動可能に係合させて上記収容部に上記ベッド本体の幅方向に沿って順次出し入れ可能に収納された第1の収納ケース及び第2の収納ケースと、
上記収容部の手前側に収容された第1の収納ケースの後端部と奥側に収納された第2の収納ケースの前端部を着脱可能に連結し上記収容部から第1の収納ケースを引き出したときに上記第2の収納ケースを連動させる連結手段と
を具備したことを特徴とするベッド装置にある。
【0010】
上記収納部には、第1、第2の収納ケースが上下方向にがたつくのを規制する規制部材が設けられていることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
この発明によれば、収納部の手前側に位置する第1の収納ケースを引き出せば、この第1の収納ケースに第2の収納ケースが連動するから、収納部の奥側の第2の収納ケースを容易に引き出すことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、この発明の一実施の形態を図面を参照しながら説明する。
図1はこの発明のベッド装置の分解斜視図であって、このベッド装置はベッド本体1を備えている。このベッド本体1はヘッドボード2を有する。このヘッドボード2の幅方向一端には第1のサイドフレーム3の長手方向一端が着脱可能に連結される。すなわち、第1のサイドフレーム3の長手方向両端にはそれぞれ平面形状がL字状の連結金具4の一辺が取り付け固定されていて、長手方向一端に設けられた連結金具4の他辺が上記ヘッドボード2の幅方向一端の内面にねじ5によって着脱可能に取付け固定されている。
【0013】
上記第1のサイドフレーム3の長手方向他端に設けられた連結金具4の他辺は、フットボード6の幅方向一端の内面にねじ5によって着脱可能に取付け固定されている。上記ヘッドボード2とフットボード6との幅方向の他端には、上記第1のサイドフレーム3に比べて高さ寸法の小さな第2のサイドフレーム7の一端と他端とが着脱可能に取付け固定されている。
【0014】
つまり、第2のサイドフレーム7の長手方向一端と他端とには、第1のサイドフレーム3と同様、断面L字状の連結金具4の一辺が取り付け固定されていて、これら連結金具4の他辺が上記ヘッドボード2及びフットボード6の幅方向他端の内面にねじ5によって着脱可能に取付け固定されている。それによって、ベッド本体1の幅方向一側面の上記ヘッドボード2とフットボード6との間には、長手方向全長にわたる開口部8が上記第2のサイドフレーム7の下方に開口形成される。
【0015】
上記第1のサイドフレーム3と第2のサイドフレーム7との内面には、図4に示すように長手方向ほぼ全長にわたって受け桟11が設けられている。これら受け桟11にはベッド本体1の長手方向中途部で分割された第1の床板12aと第2の床板12bとが幅方向の両端部を係合させて架設されている。これら床板12a,12bの上面にはマットレス13が載置される。
【0016】
上記第1のサイドフレーム3と第2のサイドフレーム7との長手方向中途部にはセンタボード14が幅方向に沿って設けられている。このセンタボード14上端面の長手方向両端部は、各サイドフレーム3,7に設けられた受け桟11の下面に位置し、この受け桟11にねじ15によって連結固定される。
【0017】
ベッド本体1の長手方向中途部にセンタボード14を設けることで、このベッド本体1の第1、第2の床板12a,12bの下面側の空間部をヘッドボード2側の第1の収容部17と、フットボード6側の第2の収容部18とに隔別している。つまり、各収容部17,18はベッド本体1の幅方向一側に開口して形成されている。
【0018】
上記ヘッドボード2の内面の下端部、上記フットボードの内面の下端部及び上記センタボード14の両側面の下端部にはそれぞれ桟状のガイド部材19がベッド本体1の幅方向ほぼ全長にわたって設けられている。
【0019】
第1、第2の収容部17,18には、それぞれ上面が開口した箱型状の第1の収納ケース21と第2の収納ケース22とが幅方向両端部の下面を上記ガイド部材19に移動可能に係合させて収容されている。第1の収納ケース21は前板21aを有し、この前板21aの高さ寸法は開口部8の高さ寸法よりもわずかに大きく設定されている。それによって、第1の収納ケース21を収容部17,18に収容したとき、上記前板21aの下端はガイド部材19の端面に当たり、上端は規制部材27の端面に当たって収容位置が位置決めされるようになっている。
【0020】
図5に示すように、第1、第2の収容部17,18の手前側に収容される第1の収納ケース21の後端面の上端部には、断面形状が逆J字状をなした第1の連結具24が取り付け固定されている。第1、第2の収容部17,18の奥側に収容される第2の収納ケース22の前端面の上部には断面形状がJ字状をなした第2の連結具25が取り付け固定されている。上記第1の連結具24と第2の連結具25はこの発明の連結手段を構成している。
【0021】
上記第1の連結具24と第2の連結具25は着脱可能に連結される。それによって、第1、第2の収容部17,18にベッド本体1の幅方向に並べて収容された第1の収納ケース21と第2の収納ケース22は、各収容部17,18から一体的に引き出すことができるようになっている。
【0022】
上記センタボード14の両側面の上端部には、長手方向に沿って下端部に設けられたガイド部材19と平行に桟状の規制部材27が設けられている。規制部材27は各収容部17,18に収容された第1、第2の収納ケース21,22の幅方向一端の上面に対してわずかな間隔を介して対向する。
【0023】
それによって、第1、第2の収納ケース21,22が上下方向にがたつくのが制限されるから、各収納ケース21,22を円滑に出し入れすることができる。しかも、各収容部17,18の開口部8から第1の収納ケース21を引き出した状態で、その前端部の上面に下方向への力を加えても、後端部が浮き上がるのを防止することができる。
【0024】
さらに、第1の収納ケース21を収容部17,18から取り出し、第2の収納ケース22を引き出したときに前端部に下方向への力を加えたときも、この第2の収納ケース22の後端部が浮き上がるのを防止できるようになっている。
【0025】
このように構成されたベッド装置によれば、第1の収納ケース21を利用する場合には、この第1の収納ケース21の前板21aの下端に手を掛け、この第1の収納ケース21を第1の収容部17又は第2の収容部18から引き出す。それによって、この第1の収容部18に衣類などを収容したり、収容されたものを取り出すなどして利用することができる。
【0026】
第2の収納ケース22を利用する場合には、第1の収納ケース21全体を第1の収容部17又は第2の収容部18から引出し、第1、第2の連結具24,25による第2の収納ケース22との連結を外しながら上記第1の収納ケース21を取り出す。
【0027】
第2の収納ケース22は第1の収納ケース21を引き出したときに、この第1の収納ケース21と連動して第1の収容部17又は第2の収容部18の前後方向奥側から手前側に引き出されている。そのため、第1の収納ケース21を取り外せば、利用者は第2の収納ケース22の前端に手を掛けることができるから、この第2の収納ケース22を第1の収容部17又は第2の収容部18から引き出して利用することができる。
【0028】
第1、第2の収納ケース21,22は下面の幅方向両端部をガイド部材19に沿って移動させるようにしている。そのため、各収納ケース21,22を第1、第2の収容部17,18に出し入れ可能にするため、各収納ケース21,22をキャスタによって走行させるようにした場合に比べてコストを低減することができる。しかも、センタボード14に規制部材27を設けたので、各収納ケース21,22の出し入れを上下方向にがたつくようなことなく、円滑に行うことが可能となる。
【0029】
この発明は上記一実施の形態に限定されず、たとえばベッド本体の床板の下面側の空間部を2つの収容部に隔別したが、収容部は1つであっても差し支えない。その場合、収容部の幅寸法はベッド本体の長さ寸法の半分程度或いは全長にわたる大きさであってもよく、その大きさは限定されるものでない。
【0030】
第1の収納ケースの後端と、第2の収納ケースの前端とを連結する連結手段として逆J字状の第1の連結具とJ字状の第2の連結具を挙げたが、連結手段としては第1の収納ケースの後板と、第2の収納ケースの前板との接触部分を逆U字状の連結具で連結するようにしてもよい。
また、各収納ケースの上面開口に着脱可能に蓋板を設けるようにしてもよく、蓋板を設ければ、内部にほこりが入り込むのを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】この発明の一実施の形態を示すベッド装置の分解斜視図。
【図2】ベッド本体の一方の床板を取り外した平面図。
【図3】ベッド装置の側面図。
【図4】ベッド本体の幅方向に沿う断面図。
【図5】連結手段による第1の収容ケースと第2の収容ケースとの連結部分の拡大図。
【符号の説明】
【0032】
1…ベッド本体、8…開口部、13…マットレス、17…第1の収容部、18…第2の収容部、19…ガイド部材、21…第1の収納ケース、22…第2の収納ケース、24…第1の連結具(連結手段)、25…第2の連結具(連結手段)、27…規制部材。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
幅方向の一側面が開口し内部を収容部とするとともに上面にマットレスが載置されるベッド本体と、
上記収容部の両側に上記ベッド本体の幅方向に沿って設けられたガイド部材と、
このガイド部材に下面を移動可能に係合させて上記収容部に上記ベッド本体の幅方向に沿って順次出し入れ可能に収納された第1の収納ケース及び第2の収納ケースと、
上記収容部の手前側に収容された第1の収納ケースの後端部と奥側に収納された第2の収納ケースの前端部を着脱可能に連結し上記収容部から第1の収納ケースを引き出したときに上記第2の収納ケースを連動させる連結手段と
を具備したことを特徴とするベッド装置。
【請求項2】
上記収納部には、第1、第2の収納ケースが上下方向にがたつくのを規制する規制部材が設けられていることを特徴とする請求項1記載のベッド装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−230750(P2006−230750A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−50724(P2005−50724)
【出願日】平成17年2月25日(2005.2.25)
【出願人】(000010032)フランスベッド株式会社 (95)
【Fターム(参考)】