説明

ホールソー

【課題】
解決しようとする課題は、熱可塑性樹脂のブロー成形により形成される自動車用サクションパイプに別部品を連通させるための孔をホールソーであける場合、該ホールソーの刃に付いた切屑を、従来は作業者がいちいち手作業で除去するしかなかったことである。
【解決手段】
合成樹脂に円孔をあけるために使用されるホールソーであって、ホールソーのセンタードリルの周囲、且つ刃体の内側にスポンジ体を同心円状に着設することにより前記課題を解決した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、合成樹脂に円孔をあけるために使用されるホールソーに関する。
【背景技術】
【0002】
図1は熱可塑性樹脂のブロー成形により形成される自動車用サクションパイプ1の斜視図である。2は別部品(図示せず)を連通させるための孔であり、ブロー成形後に矢印Aの方向からホールソー(図示せず)によって孔あけされている。
【0003】
上記ホールソーに関する従来技術としては特許文献1に開示されているような、センタードリルと、センタードリルの外方に配置される複数本の刃体を保持する刃固定部材と、前記刃固定部材をセンタードリルの長手方向に移動可能に保持する支持部材と、前記刃固定部材をセンタードリルの刃先側へ付勢する付勢部材とを備えたようなものがある。
【特許文献1】特公平7−22847号公報
【0004】
しかし、特許文献1に示される付勢部材は刃固定部材をセンタードリルの刃先側へ付勢するためのものであって、切屑のみを押すものではないから、特許文献1に開示されているような方法では該ホールソーの刃に付いた切屑を作業者が、いちいち手作業で除去するしかないという欠点があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
解決しようとする課題は、熱可塑性樹脂のブロー成形により形成される自動車用サクションパイプに別部品を連通させるための孔をホールソーであける場合、該ホールソーの刃に付いた切屑を作業者が、いちいち手作業で除去するしかないという点である。本発明は上記の点を解決するためになされた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的をはたすため本発明は、合成樹脂に円孔をあけるために使用されるホールソーであって、センタードリルの周囲、且つ刃体の内側にスポンジ体が同心円状に着設されていることを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、熱可塑性樹脂のブロー成形により形成される自動車用サクションパイプに別部品を連通させるための孔をホールソーであける際に、該ホールソーの刃に付いた切屑が該スポンジ体の弾力によって自動的に除去されるという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
熱可塑性樹脂のブロー成形により形成される自動車用サクションパイプに別部品を連通させるための孔をホールソーであける際に、該ホールソーの刃に付いた切屑を自動的に除去するという目的を、センタードリルの周囲、且つ刃体の内側にスポンジ体を同心円状に着設することによって、スポンジ体という安価な部材を用いて、経済性を損なわずに実現した。
【実施例1】
【0009】
本発明の構成を発明の実施の形態に基づいて説明すると次の通りである。
【0010】
図2は、本発明の1実施例を示すホールソー5の斜視図である。8は柔軟なスポンジ体であり、センタードリル7の周囲、且つ切削用刃体6,6の内側に位置するように該ホールソー5に同心円状に着設されている。
【0011】
次に本発明の作用を説明する。図1の矢印Aの方向から該ホールソー5(図1中には図示せず)を回転させながら該サクションパイプ1に近づけると、該刃体6,6(図1中には図示せず)は該サクションパイプ1に擦過して該孔2をあける。
【0012】
図3は図1のB−B断面を表す孔あけ作業中の断面図である。このとき該ホールソー5によって該サクションパイプ1から切り取られた切屑10は該スポンジ体8に押されて該サクションパイプ1の内側に落とされるから、該切屑10が該ホールソー5に付着することはない。
【0013】
以上実施例に述べたように本発明によれば、ホールソーのセンタードリルの周囲、且つ刃体の内側にスポンジ体を同心円状に着設することで、熱可塑性樹脂のブロー成形により形成される自動車用サクションパイプに別部品を連通させるための孔をホールソーであける際に該ホールソーの刃に付いた切屑が、該スポンジ体の弾力によって自動的に除去されるという効果がある。
【産業上の利用可能性】
【0014】
本発明は、自動車用サクションパイプの孔あけに限らず、合成樹脂に丸孔をあけるために広く利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】自動車用サクションパイプの斜視図
【図2】本発明に係るホールソーの斜視図
【図3】図1のB−B断面を表す、本発明に係る孔あけ作業中の断面図
【符号の説明】
【0016】
1 サクションパイプ
2 孔
5 ホールソー
6 刃体
7 センタードリル
8 スポンジ体
10 切屑

【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成樹脂に円孔をあけるために使用されるホールソーであって、センタードリルの周囲、且つ刃体の内側にスポンジ体が同心円状に着設されていることを特徴とするホールソー

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−166224(P2009−166224A)
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−10406(P2008−10406)
【出願日】平成20年1月21日(2008.1.21)
【出願人】(503233130)株式会社アイテック (96)
【Fターム(参考)】