説明

マイクロプロセッサ制御装置のための低電圧リセット判定及び動作フロー変更

リセット状態を識別する方法は、格納された値が特定の値と等しいかどうかを判定するステップと、格納された値が特定の値と等しくない場合に第1のモードを実行するステップと、格納された値が特定の値と等しい場合に第2のモードを実行するステップを有する。第2のモードは、格納された値を特定の値とは異なる値に設定するステップも含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概して、マイクロプロセッサ制御装置に係り、さらに詳細には、特定の状態の検出に応じてマイクロプロセッサ制御装置に異なる動作モードを提供することに関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロプロセッサは、パーソナルコンピュータから揮発性物質用の自動ディスペンサまでの広範囲の電気装置及び電気機械装置を制御するためのプログラミングを実行する。このようなマイクロプロセッサ制御装置において、バッテリーや電気出力などの電源は、装置のマイクロプロセッサ及び他の部品に電力を供給する。装置の適切な動作は、電源によって供給される電力レベルにおける変動に影響を受けやすい。たとえば、電力がマイクロプロセッサの閾値動作レベルより下に減少する場合、装置を制御するためにマイクロプロセッサによって実行されるプログラミングは遮断されリセットされる。電力の低下は、種々の意図的な状態又は想定外の状態によって生じられる可能性がある。たとえば、電力の低下は、節電するために装置が意図的にオフされるときや、電源が長時間にわたって消耗されるとき、又は、電源の変動の変化若しくは装置が特定の機能を実行することによって生じられる電流引き込みの増加により電力の一時的な低下、即ち電圧低下(brownout)が生じるときに、発生することがある。使用目的によっては、マイクロプロセッサによって実行されるプログラミングが、電力が閾値動作レベルより上に回復されるとき装置の適切な動作を再開するために変更できるように、電力の低下を引き起こした状態を識別することができることが望ましい又は必要であることもある。したがって、リセットを引き起こした状態を識別し、その状態の識別に基づいて装置の適切な動作を再開する効果的且つ確実な方法の必要性が存在する。この問題に対する解決の実施が、例えば制御回路成、メモリ及び電源などの最小数の追加の部品のみを必要とすることもまた望ましい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
一実施の形態によると、リセット状態を識別する方法は、格納された値が特定の値と等しいかどうかを判定するステップと、格納された値が特定の値と等しくない場合に第1のモードを実行するステップと、格納された値が特定の値と等しい場合に第2のモードを実行するステップと、を含む。第2のモードは、格納された値を特定の値とは異なる値に設定するステップを含む。
【0004】
別の実施の形態によると、リセット状態を識別するためのシステムはマイクロプロセッサを有する。このマイクロプロセッサは、メモリに格納された値が特定の値と等しくない場合に第1のモードを実行し、上記格納値が特定の値と等しい場合に第2のモードを実行するためのプログラミングを有する。上記第2のモードはさらに、メモリに格納された値を特定の値とは異なる値に設定することを含む。
【0005】
更なる実施の形態において、ディスペンサ装置は、パワーオンリセットと低電圧リセットを区別するための第1の手段と、パワーオンリセット間のスプレー動作を実行するための第2の手段と、低電圧リセット間のスプレー動作を回避するための第3の手段と、を有する。
【0006】
本発明の他の形態及び利点は、以下の詳細な説明を考慮して明らかになるものである。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】マイクロプロセッサ制御装置の第1の実施の形態のブロック図である。
【図2】図1の装置によって実行され得るプログラミングを図示するフローチャートである。
【図3】マイクロプロセッサ制御装置の第2の実施の形態のブロック図である。
【図4】図3の第2の実施の形態による装置の等角投影図である。
【図5】図4の装置によって実行され得るプログラミングを図示するフローチャートである。
【図6】図4の装置の通常動作モードの間に実行され得るプログラミングを図示するフローチャートである。
【図7】図4のアクティブ動作モードの間に実行され得るプログラミングを図示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1のブロック図は、マイクロプロセッサ10と、電源12と、電気回路構成及び/又は電気機械装置などの1つ以上の部品14とを有する。このブロック図は、例えばパーソナルコンピュータ、自動車、照明システム、加熱/空気調整システム、エアゾール容器用の自動ディスペンサ、及び当業者に周知の他のいずれの好適な実装などの広範囲の装置及びシステムにおける制御システムとして実施することができる。マイクロプロセッサ10及び部品14は電源12に結合され電源12からの電力を受け取る。さらに、マイクロプロセッサ10は部品14に結合され、その動作を制御するためにプログラミングを実行する。一実施の形態において、マイクロプロセッサ10は、香港、カオルーンベイ、ワングクォンロード39、スカイラインタワー、33階、3301号の、シノ ウェルス マイクロエレクトロニクス コーポレーション リミテッド(Sino Wealth Microelectronics Corp.Ltd.)によって製造されるようなSH6610Cベースの単一チップ4ビットのマイクロコントローラであってもよい。しかしながら、当業者に周知のいずれのタイプのマイクロコントローラも本実施の形態で使用され得ることが考えられる。図1はまた、マイクロプロセッサ10に結合されるメモリ16を図示する。他の実施の形態において、マイクロプロセッサ10は、内蔵メモリ、及び当業者には明らかであるとされる、例えば、タイマやクロック、アナログ・デジタル変換器、入出力インタフェース、論理素子などの他の部品を有する。
【0009】
マイクロプロセッサ10によって実行されるプログラミングの一実施の形態は図2に図示され、これはリセット/起動ブロック20で開始する。ブロック20の後で、制御は、特定のメモリ位置、例えばメモリ16内の位置が特定の値「A」と等しい値を格納するかどうかを判定する判定ブロック22に移行する。特定の値「A」は、当業者に明らかであるように、いかなる値や大きさであってもよく、いかなるフォーマットに格納されてもよい。判定ブロック22は、メモリ値が「A」に等しくないと判定すると、制御は、第1の動作モードにおけるブロック24に移行し、メモリ位置は値「A」に設定される。次に、制御は、起動シーケンスや初期化シーケンス、又は他の何か意図された機能などの機能を実行するブロック26に移行する。ブロック26に続き、制御はブロック28に移行し、メモリ位置は特定の値「B」に設定される。本実施の形態において、特定の値「B」は「A」に等しくないが、そうでなくても、いかなる値や大きさであってもよく、いかなるフォーマットに格納されてもよい。
【0010】
さらに判定ブロック22を参照すると、メモリ位置が「A」と等しい値を格納する場合、制御はブロック24及び26を飛び越えて進み、第2の動作モードにおけるブロック28に直接移行する。ブロック28において、メモリ位置は次に値「B」に設定される。このシナリオにおいて、プログラミングはブロック26における先の動作シーケンスの間に引き起こされる低電圧リセットに応答している。たとえば、ブロック26における機能の実行は、電源からの電流引き込みを増加させることもあり、電気機械部品が通電されるときに、マイクロプロセッサに供給される電力の閾値動作レベルよりも一時的に低下する、即ち、電圧低下をもたらす。このような電力低下は、ブロック28に制御を渡す前に、図2のプログラミングをブロック20にリセットさせる、即ち、低電圧リセットを引き起こす。このシナリオにおいて、低電圧リセットは、メモリ値を消去させたり、「A」以外の値にリセットさせたりすることはない。メモリ値「A」は、電力の残量が電源12によってマイクロプロセッサ10に依然として供給されているという理由で保持されており、このことは、マイクロプロセッサ10がメモリ16に格納される値を保持するのに十分である。その結果として、制御が低電圧リセットの後に判定ブロック22に移行すると、メモリ値は「A」に等しく、制御は、リセットをもたらしたブロック24及び26を飛び越えて進み、メモリ位置が値「B」に設定されるブロック28に直接移行する。しかしながら、プログラムが意図的にリセットされた場合、メモリ値は消去されるか、「A」以外のあるランダムな値に設定される。図2のプログラミングは、特定のリセット状態を識別し、その識別に応じて装置の動作を変更するために有効且つ確実なプロセスを提供する。
【0011】
図3のブロック図は、マイクロプロセッサ10、電源12、及びメモリ16を有するという点で図1のブロック図と同様である。図3は更に、モータ30、発光ダイオード(LED)32、及びセンサ34などの部品を有する。図4は、エアゾール容器42の内容物を分配するための装置40として実施される図3のブロック図の実施の形態を示す。装置40は、全体として参照によって本明細書に組み込まれる米国特許出願第11/725,402に記載された装置の1つであればよい。装置40は、エアゾール容器42及びバッテリー46を収容するのに適したハウジング44を有する。さらに、装置40は、セレクタスイッチ48、プッシュボタン50、及びアクチュエータアーム52を有する。装置40はまた、回路、マイクロプロセッサ10、モータ30、LED32、及びセンサ34を有し、これらはハウジング44内に設けられ概して図3に示される。
【0012】
マイクロプロセッサ10は、アクチュエータアーム52を起動するためのスプレー動作中にモータを制御し、アクチュエータアーム52はエアゾール容器42のバルブステム54を押し下げ内容物を内部から分配する。マイクロプロセッサ10は、プッシュボタン50、タイマ、又はセンサ34によって生成される信号に応じてスプレー動作を開始するためのプログラミングを有する。タイマは、マイクロプロセッサ10において又は別個の部品として実施できる。たとえば、一実施の形態において、マイクロプロセッサ10は、時間間隔を指定された自動起動モードにおいて装置40を制御するためにプログラミングを有し、ここで、装置40は例えば30分ごとに特定の時間間隔でスプレー動作を実行する。代替的に、あるいは第1の実施の形態と組み合わせて、マイクロプロセッサ10は、センサ34及び/又はプッシュボタン50からの信号に応じてスプレー動作を実行するようにプログラム化される。実際には、米国特許出願第11/725,402号に記載され、又は当業者周知の操作上の方法論のいずれかが装置40に関連して使用されるように意図される。
【0013】
マイクロプロセッサ10の低電圧リセット判定及び動作フロー変更機能性を図示するために、1つの特定の実施の形態が詳細に記載される。図4をさらに参照すると、本実施の形態において、セレクタスイッチ48は、装置40をオンオフし、種々の動作モード、例えば時間指定モード、検出モード、及びこれら2つの組み合わせモード間で選択するために使用される。LED32は、装置40がオンであり通常動作をしていることを示し、さらに/あるいは装置40がスプレー動作を実行しようとしていることの警告をもたらすために点滅する。プッシュボタン50は、エアゾール容器42の手動での起動のために設けられ、プッシュボタン50は、装置40がオフであるときを除いていつでもユーザがスプレー動作を引き起こすために押し下げられてもよい。プッシュボタン50は、ユーザに、装置40の自動的起動より手動起動を優先させる。本実施の形態におけるセンサ34は、フォトセル光センサであり、これは動作を検出するために使用され得る。しかしながら、他のタイプの動作検出器、たとえば、パッシブ赤外線方式動作センサやパイロ電気動作センサ、赤外線反射動作センサ、超音波動作センサ、又はレーダー動作センサや極超短波動作センサが使用され得る。さらに、センサ34は他のタイプの周知のセンサ、例えばヒートセンサや臭気センサと置き換えたり又は組み合わせたりして使用されることができる。
【0014】
図5を参照すると、装置40を制御するためにマイクロプロセッサ10によって実施されるプログラミングは、セレクタスイッチ48が所定位置に切り替えられるとき又は新しいバッテリー46が装置40に挿入されるときに、即ち、パワーオンリセット時にリセット/起動ブロック70で開始する。その後、制御は判定ブロック72に移行し、テストモードを実行すべきかどうかを判定する。テストモードを実行すべき場合、テストモードはブロック74で実行される。一実施の形態において、テストモードは、消費者が装置を使用する前に装置の適切な動作を確保するために製造設備において実行される。たとえば、判定ブロック72は、バッテリー46が装置42内に挿入されプッシュボタン50が5秒間押し下げられるとき、テストモードを実行すべきであると判定することができる。その後、種々のテスト、例えば、モータ30、LED32、及びセンサ34をテストすることをブロック74の間に実行することができる。他のテストもまた、当業者に明らかであるように実行することができる。
【0015】
制御は、テストモードがブロック74で実行された後で、又は判定ブロック72がテストモードを実行すべきでないと判定する場合、判定ブロック76に移行する。判定ブロック76は、特定のメモリ位置が特定の値「A」と等しい値を格納するかどうかを判定する。メモリ値が「A」に等しくない場合、制御は遅延ブロック78に移行し、制御は、所定時間、例えば約10秒から30秒間にわたって休止する。遅延ブロック78に続いて、制御はブロック80に移行し、起動シーケンスが緊急であるという警告又は通知が発行される。本実施の形態において、警告はLED32の発光又は点滅である。しかしながら、他の実施の形態において、警告は、視覚的、聴覚的、触覚的、嗅覚的、又は当業者に明らかな他の警告の組み合わせであればよい。ブロック80の後で、制御はブロック82に移行し、メモリ位置は値「A」に設定される。
【0016】
次に、プログラミングは起動シーケンスを実行する。本実施の形態において、起動シーケンスは、ブロック84、86及び88を有するスプレー動作である。さらに具体的に言うと、スプレー動作はブロック84で開始し、そこでモータ30が通電されてアクチュエータアーム52を下方に移動させ、エアゾール容器42のバルブステム54を開放位置に押し下げる。モータ30はブロック86において通電が切られる。その後、モータ30は、ブロック88において反対方向にアクチュエータアーム52を移動させるために通電され、バルブステム54を閉鎖した非押し下げ位置に移動する。一実施の形態において、モータ30はブロック84間に約1秒間通電され、モータ30はブロック86の間に約150ミリ秒通電が絶たれ、モータ30はブロック88の間に約400秒間通電される。本実施の形態の起動シーケンスに対する変更は、当業者に明らかであるように同一の又は異なるステップのシーケンスを有することができる。起動シーケンスに続いて、制御はブロック90に移行し、その間にメモリ位置は、上記のような値「A」とは異なる特定の値「B」に設定される。
【0017】
判定ブロック76に戻って参照すると、特定のメモリ位置が特定の値「A」と等しい値を格納する場合、制御はブロック78から88を飛び越して進み、ブロック90に直接移行してメモリ位置を値「B」に設定する。ブロック90の後で、制御はブロック92に移行し、プログラミングが通常の動作手順又はモードを入力し、ここでプログラミングは以下に詳細に記載されるように、手動又は自動の起動シーケンスを実行する。
【0018】
本実施の形態において、プログラミングは、セレクタスイッチ48が所定位置に切り替えられるとき又は新しいバッテリーが装置内に挿入されるときに起動シーケンスを実行するためにブロック84から88の実行を含む起動又はパワーオンリセット動作を実行する。プログラミングはまた、通常の動作モードに従って起動シーケンスを実行する。リセット/起動モード及び通常の動作モードの両方の間に、モータ30が通電されるときに電流引き込みの増加が発生する。この電流引き込みの増加は、バッテリー46と、バッテリー46によって電力供給される対応付けられる回路、即ち、マイクロプロセッサ10における電圧低下をもたらす結果となる。電流引き込みの増加及び更なる電圧低下は一時的であり、即ち、このような作用は、起動シーケンスが完了した後又は中断された後に消滅する。
【0019】
通常の動作モードの間に、バッテリー46は、起動シーケンスの間の更なる電圧低下にかかわらず、マイクロプロセッサ10の閾値動作レベルよりも高い十分な電圧レベルをマイクロプロセッサ10に提供する。バッテリー電圧が消耗すると、一時的な電圧低下により、マイクロプロセッサ10に供給される電圧レベルを閾値動作レベルよりも下げることになる。マイクロプロセッサ10に供給される電圧レベルが起動シーケンスの間に閾値動作レベルよりも下がると、装置40は電圧低下状態に入り、装置40の低電圧リセット(図5のブロック70を参照)、及び上記したリセット/起動方法の再動作をもたらす。しかし、装置の40のリセットの前に、中断した起動シーケンスの間に流体は分配され得る。
【0020】
装置40のリセットと同時に、プログラミングは通常、また別の起動シーケンスを引き起こすことになり(図 78から88を参照)、これは、その後、装置40の別の電圧低下及びリセットをもたらす結果となる。しかしながら、この装置40のプログラミングは、メモリ位置に格納された値が「A」と等しいと判定されるときに判定ブロック76において電圧低下、即ち低電圧リセットによってもたらされるリセットを識別することが可能であり、これにより、装置40を望ましくない更なるリセット起動シーケンスを飛び越して進ませる。詳細には、本実施の形態において、プログラミングは、装置40が最初にオンされるときにブロック82において値「A」にメモリ位置を設定する。上で述べたように、次の起動シーケンス及び電圧低下は、起動シーケンスの間又は直後に装置40をリセットさせ、制御がブロック90に移行してメモリ値が値「B」にリセットされる前に制御を元のブロック70に渡す。上で述べたように、メモリ16は、リセット状態であるがパワーオン状態でない間に格納された値を保持する。結果として、メモリ位置が値「A」と等しいため、制御は、さらに別の起動シーケンスを飛び越えて進み、直ちにブロック90に移行する。メモリ位置が値「A」と等しくない場合、リセットは、電圧低下又は低電圧状態によってもたらされず、プログラミングは、起動シーケンスを含む起動操作を実行する。このように、図5に示されるプログラミングは、パワーオンリセットと低電圧リセットとを区別することができ、それに応じて装置40の操作を変更することができる。
【0021】
本実施の形態において、2つの十分に充電されたバッテリー46は、装置40のマイクロプロセッサ10及びその他の電気若しくは電気機械部品14に約3.2ボルトを供給する。マイクロプロセッサ10の閾値動作レベルは約1.8ボルトである。起動シーケンスは、バッテリー46にわたって約0.5〜0.6の電圧低下をもたらす。結果として、十分に充電されたバッテリー46は、起動シーケンスによって生じられる電圧低下でも、十分な電圧レベルをマイクロプロセッサ10に供給する。しかし、バッテリー46は、約2.2〜2.3ボルトの範囲内に消耗されるとき、起動シーケンス中の更なる電圧低下は、マイクロプロセッサ10に供給される電圧を約1.7ボルトに一時的に低下させることもあり、これによって、低電圧条件のためにマイクロプロセッサ10をリセットさせる。
【0022】
図6は、ブロック100から始まる本実施の形態の通常の動作モードを示す。ブロック100において、装置40はLED32をオンさせて、装置40が通常の動作モードにあることを示す。ブロック100に続いて、制御は判定ブロック102に移行し、プログラミングがタイムアウトモードを実施する。タイムアウトモードは、例えば10秒、30分、1時間などのいずれかの時間にわたって持続することができる。判定ブロック104がプッシュボタン50が押し下げられていると判定しない場合、又はブロック102が時間が経過したと判定するまで、制御は、起動シーケンスを実行せずにタイムアウトモードのままでいる。プッシュボタン50が押し下げられている場合、制御は一巡してブロック82に戻り、上記のように、メモリ位置が値「A」に設定され、起動シーケンスが実行される。その後、メモリ値は「B」に設定され、ワークフローはブロック102におけるタイムアウトモードに戻る。プッシュボタン50が押し下げられることなく時間が経過した場合、制御はブロック106に移行し、プログラミングは第3の又はアクティブ動作手順又はモードを実施する。
【0023】
図7を参照すると、装置40のアクティブ動作モードはブロック110から開始し、LED32をオフにする。その後、制御は判定ブロック112に移行し、LED32の「オフタイム」間隔が経過したと判定する。本実施の形態において、「オフタイム」間隔は好ましくは約4.5秒である。「オフタイム」が経過しなかった場合、制御は別の判定ブロック114に移行し、センサ34が特定の事象の発生を検出したかどうかを判定する。センサ34が特定の事象、例えば人間が部屋に入ってきたことを検出したと判定すると、制御は図5のブロック80に移行し、上記のようにプログラミングが起動シーケンスを実行する。しかし、センサ34が特定の事象を検出しない場合、制御は判定ブロック116に移行し、電子信号がプッシュボタン50の押し下げによって生成されるかどうかを判定する。制御は図5のブロック82に移行し、プッシュボタン50が押し下げられている場合に起動シーケンスを実行し、プッシュボタン50が押し下げられていない場合にブロック112に戻る。
【0024】
ブロック112をさらに参照すると、「オフタイム」間隔の経過と同時に、制御はブロック118に移行する。ブロック118は、LED32をオンさせ、制御を判定ブロック120に渡す。判定ブロック120はLED「オンタイム」間隔が経過したかどうかを判定する。本実施の形態において、「オンタイム」間隔は好ましくは約150msである。「オンタイム」間隔が経過しなかった場合、制御は判定ブロック122に移行し、プッシュボタン50が押し下げられているかどうかを判定する。制御は図5のブロック82に移行し、プッシュボタン50が押し下げられているときに起動シーケンスを実行し、プッシュボタンが押し下げられていないときにブロック120に戻る。「オンタイム」間隔の終了と同時に制御はブロック124に移行し、そこでLED32はオフされる。その後、制御は判定ブロック126に移行し、「滞留時間」間隔が経過したかどうかを判定する。本実施の形態において、「滞留時間」間隔は好ましくは約450msである。「滞留時間」間隔が経過していない場合、制御は判定ブロック128に移行し、プッシュボタン50が押し下げられているかどうかを判定する。制御はブロック82に移行し、プッシュボタン50が押し下げられているときに起動シーケンスを実行し、プッシュボタンが押し下げられていないときにブロック126に戻る。「滞留時間」間隔が終了すると同時に、制御は元のブロック112に移行し、上記と同じようにアクティブ動作モードをそれ自身繰り返す。
【0025】
アクティブ動作モードは、LED32を交互にオンオフさせる、即ち、点滅させる。点滅するLED32は、ユーザに、装置40がアクティブ動作モードにあることを判定させる。あるいはまた、いずれの点灯方法論又は他の表示手段が、装置40の動作モードの1つを示すために提供されることもある。さらに、点滅するLED32の更なる利点は、センサ34が光センサであるとき、アクティブ検知モード中のLED32の動作停止により、センサ34がLED32によって誤って切り替えられることが防止される。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本明細書中に記載されたマイクロプロセッサ制御装置は有利に、マイクロプロセッサにリセット状態を識別させ、その識別にしたがってマイクロプロセッサによって実行されるプログラミングを変更させることを可能にする。さらに具体的に、プログラミングは、パワーオンリセットと低電圧リセットとを区別し、どちらか1つが実行された場合に望ましくない起動シーケンスを回避することができる。
【0027】
本発明に対する多数の変更は、上記の説明から見て当業者には明らかである。したがって、この記載は一例にすぎないと解釈されるべきであり、当業者が発明を行い使用し、それを実行する最良のモードを教示するのを可能にするために示される。添付された請求項のすべての範囲内に生じるすべての変更に対する占有権は保有される。
関連出願への相互参照
適用せず。
連邦政府委託調査又は経緯に関する参照
適用せず。
シーケンシャルリスト
適用せず。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
格納された値が特定の値と等しいかどうかを判定するステップと、
前記格納された値が前記特定の値と等しくない場合に第1のモードを実行するステップと、
前記格納された値が前記特定の値と等しい場合に第2のモードを実行するステップと、
を含み、
前記第2のモードは、前記格納された値を前記特定の値とは異なる値に設定することを含む、
リセット状態を識別する方法。
【請求項2】
前記第1のモードを実行することは、前記格納された値を前記特定の値に設定するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のモードを実行することは、前記格納された値を前記特定の値に設定した後に起動シーケンスを実行するステップを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第2のモードを実行することにより前記第1のモードを回避する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1のモードを実行することは、起動シーケンスを実行した後に前記格納された値を前記特定の値とは異なる値に設定するステップを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記起動シーケンスは、スプレー動作である、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記第1のモード又は前記第2のモードの後で、起動シーケンスを実行するステップを含む第3のモードを実行することを更に含む、請求項3に記載の方法。
【請求項8】
前記第3のモードにおける起動キーケンスは、センサからの信号に応じて実行される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第3のモードを実行することが、該第3のモードの表示を行うステップを更に含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記センサが誤ってトリガされることを回避するために、前記第3のモードの表示を行うステップの間、前記センサからの信号が無視される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記表示は、LEDをオンにすることを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第3のモードにおける起動シーケンスが、プッシュボタンからの信号に応じて実行される、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記格納された値が前記特定の値と等しくない場合にパワーオンリセットと識別し、前記格納された値が前記特定の値の等しい場合に低電圧リセットと識別することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記低電圧リセットは、起動シーケンスを実行するステップの間に行われる、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
マイクロプロセッサを含み、
前記マイクロプロセッサが、メモリ内に格納された値が特定の値と等しくない場合に第1のモードを実行し、前記格納された値が前記特定の値と等しい場合に第2のモードを実行するためのプログラミングを備え、
前記第2のモードは、前記メモリ内に記格納された値を前記特定の値とは異なる値に設定することを含む、
リセット状態を識別するためのシステム。
【請求項16】
前記第1のモードはパワーオンリセットに対応し、前記第2のモードは低電圧リセットに対応する、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記第1のモードを実行するためのプログラミングは、前記メモリ内に格納された値を前記特定の値に設定するための第1のコマンドと、該第1のコマンドの後に起動シーケンスを実行するための第2のコマンドと、を含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
前記第2のモードを実行するためのプログラミングは、前記第1のモードを実行するためのプログラミングを回避する、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
パワーオンリセットと低電圧リセットとを区別するための第1の手段と、
前記パワーオンリセットの間にスプレー動作を実行するための第2の手段と、
前記低電圧リセットの間にスプレー動作を回避するための第3の手段と、
を含む、ディスペンサ装置。
【請求項20】
前記第1の手段は、格納された値が特定の値と等しいかどうかを判定する、請求項19に記載のディスペンサ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2011−519449(P2011−519449A)
【公表日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−502984(P2011−502984)
【出願日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際出願番号】PCT/US2009/002068
【国際公開番号】WO2009/123738
【国際公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【出願人】(500106743)エス.シー. ジョンソン アンド サン、インコーポレイテッド (168)
【Fターム(参考)】