マウンタ装置の加圧制御ヘッド
【課題】マウンタ装置において、加圧速度を適切に切り替えて加圧時間を短縮する。
【解決手段】部品を吸着するノズル131の高さを位置決めするサーボモータ23と、ノズル131が吸着した部品を基板に押し付ける荷重を制御できる加圧制御ヘッド13とを備えるマウンタ装置であって、ノズル131の先端に組み込まれた衝撃緩衝ばね132と、ノズル131が吸着した部品を基板面に押し付ける圧力を検出するセンサとを備え、サーボモータ23の駆動によりノズル131が吸着した部品を基板面へと等速で下降させ、圧力センサにより衝撃緩衝ばね132の圧縮による反発力を検知した後、当該衝撃緩衝ばね132の圧縮が完了するまでにノズル131の下降速度を減速させる。
【解決手段】部品を吸着するノズル131の高さを位置決めするサーボモータ23と、ノズル131が吸着した部品を基板に押し付ける荷重を制御できる加圧制御ヘッド13とを備えるマウンタ装置であって、ノズル131の先端に組み込まれた衝撃緩衝ばね132と、ノズル131が吸着した部品を基板面に押し付ける圧力を検出するセンサとを備え、サーボモータ23の駆動によりノズル131が吸着した部品を基板面へと等速で下降させ、圧力センサにより衝撃緩衝ばね132の圧縮による反発力を検知した後、当該衝撃緩衝ばね132の圧縮が完了するまでにノズル131の下降速度を減速させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品を基板に搭載するマウンタ装置の加圧制御ヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
電子部品のマウンタ装置として、例えば特許文献1により、加圧時間を短縮する従来の方法として、圧力検出部にて検出した圧力が増加し始めた位置を電子部品がプリント基板などに当接した位置とし、その位置を学習して高速で下降させられる位置の精度を向上していく方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3817207号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の方式では、特許文献1のように、ばねのないノズルを用いて加圧制御を行うと、衝突時に、衝撃を与える側の運動量(質量×速さ)によって決まる衝撃力が発生する。
この衝撃力により部品が破壊される可能性があるので、電子部品が基板面に当接する速度を低く設定する必要がある。
また、全ての搭載プロセスにわたって低い軸速度で実行すると、搭載タクトが下がってしまうため、搭載高さの直近まで高速に移動させてから、部品にダメージを与えない十分低い速度へ切り替えて当接させるようにしている。
このため、図13に示すように、加圧時間が長くなってしまう問題があった。
【0005】
本発明の課題は、マウンタ装置において、ノズルに基板との衝突を緩衝するばねを用いると共にその緩衝中に加圧速度を適切に切り替えることにより加圧時間を短縮することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するため、本発明は、部品を吸着するノズルの高さを位置決めするサーボモータと、ノズルが吸着した部品を基板に押し付ける荷重を制御できる加圧制御ヘッドとを備えるマウンタ装置であって、前記ノズルの先端に組み込まれた衝撃緩衝ばねと、前記ノズルが吸着した部品を基板面に押し付ける圧力を検出するセンサとを備え、前記サーボモータの駆動により前記ノズルが吸着した部品を基板面へと等速で下降させ、前記圧力センサにより前記衝撃緩衝ばねの圧縮による反発力を検知した後、当該衝撃緩衝ばねの圧縮が完了するまでに前記ノズルの下降速度を減速させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、加圧速度を適切に切り替えて加圧時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明を適用したマウンタ装置の一実施形態の構成を示す概略構成図である。
【図2】マウンタ装置の制御系の構成図である。
【図3】搭載ヘッド部の機構系の構成図である。
【図4】ひずみゲージの出力電圧と荷重値の関係を示すグラフである。
【図5】部品と基板の位置関係に対するZ軸モータ速度、検出荷重、目標荷重、Z軸目標座標を示したグラフである。
【図6】モータ軸変移角度(モータ軸の目標座標と実座標の差)と発生トルクの関係を実測したグラフである。
【図7】ノズル先端に吸着された部品が基板面に当接した後の基板面が受ける荷重の変化を実測したグラフである。
【図8】加圧検知手段に加え、衝撃力を低減させる目的で設けたノズルばねを有する機械的構成を示す概略図である。
【図9】ばね付き吸着ノズルで加圧制御をした場合の圧力波形と速度波形を示すグラフである。
【図10】本発明で加圧制御をした場合の圧力波形と速度波形を示すグラフである。
【図11】本発明の制御方法における段取りから搭載を示すフローチャートである。
【図12】従来制御の説明で使用した図7と、本発明の制御の説明で使用した図10から、加圧開始位置を揃えて示すグラフである。
【図13】従来のばねなしノズルで加圧制御をした場合の圧力波形と速度波形を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図を参照して本発明を実施するための形態を詳細に説明する。
<発明の概要>
本発明は、吸着ノズルにより、電子部品を部品供給部より基板上へ移動搭載するマウンタ装置であり、ノズルが部品を基板面に押し付ける圧力を検出するセンサ(ロードセル)と、ノズル先端に組み込まれた衝撃緩衝ばねを有し、吸着した部品を基板面へと等速で下降させ、前記圧力センサ(ロードセル)にて、ノズル先端ばねの圧縮による反発力を検知した後、ノズル先端ばねの圧縮が完了するまでにノズルの下降速度を減速させる加圧制御方式である。
さらに、その加圧制御方式を用いて、吸着ノズルで電子部品を吸着する時、ノズル先端ばねが圧縮中に吸着を完了させる。
【0010】
(実施形態1)
<マウンタの構造>
図1は電子部品実装装置(マウンタ装置)の概略構成図である。
図示のように、電子部品実装装置1は、中央部から少し後方で左右方向に延在する回路基板搬送路15と、装置1の前部(図示の下側)に配設され、回路基板10に実装される部品を供給する部品供給部11と、当該装置1の前部に配設されたX軸移動機構12とY軸移動機構14を備えている。
【0011】
部品供給部11の側部には、吸着ノズル131に吸着された部品を下方から撮像する部品認識カメラ(撮像手段)16が配置されている。
X軸移動機構12は、部品を吸着する吸着ノズル131を備えた搭載ヘッド部13(加圧制御ヘッド)をX軸方向に移動させる。
搭載ヘッド部13は、X軸移動機構12と接続されている。
Y軸移動機構14は、X軸移動機構12、並びに搭載ヘッド部13をY軸方向に移動させる。
搭載ヘッド部13は、吸着ノズル131を垂直方向(Z軸方向)に昇降可能に移動させるZ軸移動機構を備え、また、吸着ノズル131を、ノズル軸(吸着軸)を中心に回転させるθ軸移動機構を備えている。
また、搭載ヘッド部13には、支持部材に取付けるようにして、回路基板10上に形成された基板マークを撮像する基板認識カメラ17が搭載されている。
【0012】
図2は電子部品実装装置の制御系の構成を示している。図中、20は装置全体を制御するマイクロコンピュータ(CPU)、並びにRAM、ROMなどからなるコントローラ(制御手段)であり、このコントローラ20に、X軸モータ21から表示装置(モニタ)31が接続され、それぞれを制御している。
【0013】
X軸モータ21は、X軸移動機構12の駆動源で、搭載ヘッド部13をX軸方向に移動させる。
また、Y軸モータ22は、Y軸移動機構14の駆動源で、X軸移動機構12をY軸方向に駆動し、それにより搭載ヘッド部13はX軸方向とY軸方向に移動可能となる。
【0014】
Z軸モータ23は、吸着ノズル131を昇降させるZ軸駆動機構(不図示)の駆動源で、吸着ノズル131をZ軸方向(高さ方向)に昇降させる。
また、θ軸モータ24は、吸着ノズル131のθ軸回転機構(不図示)の駆動源で、吸着ノズル131をそのノズル中心軸(吸着軸)を中心にして回転させる。
【0015】
画像認識装置27は、吸着ノズル131に吸着された部品18の画像認識を行なうもので、A/D変換器271、メモリ272及びCPU273から構成される。
そして、吸着された部品18を撮像した部品認識カメラ16から出力されるアナログの画像信号をA/D変換器271によりデジタル信号に変換してメモリ272に格納し、CPU273がその画像データに基づいて吸着された部品の認識を行なう。
すなわち、画像認識装置27は、部品中心と吸着角度を演算し、部品の吸着姿勢を認識する。
また、画像認識装置27は、基板認識カメラ17で撮像された基板マークの画像を処理して基板マーク位置を演算する。
また、画像認識装置27は、部品認識カメラ16で撮像された部品18の画像データと基板認識カメラ17で撮像された基板マークデータを処理して、両方の補正データを制御手段20へ転送する。
【0016】
キーボード28とマウス29は、部品データなどのデータを入力するために用いられる。
記憶装置30は、フラッシュメモリなどで構成され、キーボード28とマウス29により入力された部品データ、及び不図示のホストコンピュータから供給される部品データなどを格納するのに用いられる。
表示装置(モニタ)31は、部品データ、演算データ、及び部品認識カメラ16で撮像した部品18の画像などをその表示面311に表示する。
【0017】
実際に、基板の生産を開始し、部品を回路基板に搭載する段階では、予め基板認識カメラ17で撮像された基板マークによる回路基板10の基板補正データ(Δx、Δy、Δθ)は記憶装置30に格納されている。
そして、部品供給装置11から供給される部品を吸着ノズル131で吸着し、搭載ヘッド部13を部品認識カメラ16上部に移動させて、部品を同カメラで撮像する。
撮像された部品の画像は、画像認識装置27で画像処理され、補正データを制御手段20へ転送する。
制御手段20は、記憶装置30から基板補正データと当該部品の部品データを読み出して、この部品データと前記転送された画像認識装置27で演算された部品中心と部品の傾きをもとに、部品の搭載位置と吸着姿勢を認識する。
続いて、部品搭載位置と部品中心と吸着中心間に位置ずれがあり、また、角度ずれが検出されると、これらの総合位置ずれと角度ずれがX軸モータ21、Y軸モータ22、θ軸モータ24を駆動することにより補正され、部品が所定の回路基板位置に正しい姿勢(基準角度)で搭載される。
【0018】
次に、搭載ヘッド部13について図3を使用して説明を行う。
【0019】
図示のように、搭載ヘッド部13のベースフレーム100にリニアガイド101が設置され、垂直Z駆動部102が垂直Z軸方向に移動可能な構造となっている。
搭載ヘッド部13上部には、垂直Z駆動部102を垂直上下動させるためのZ軸モータ23がベースフレーム100に固定され、このZ軸モータ23にカップリング110を介してボールねじのねじ部111が接続されている。
【0020】
また、部品を回転動作させるためのθ軸モータ24は、スプライン軸受107と回転ベアリング106で構成されて外周部にベルトプーリが取付けられた垂直回転駆動部軸受105と、θモータプーリ108とタイミングベルト109を介して接続されている。
垂直回転駆動部軸受105は、内部にスプライン軸受107があり、スプライン軸であるノズルシャフト104と接続されている。
垂直回転駆動部軸受105の外周部には、回転ベアリング106が取付けられている。この回転ベアリング106の外周がベースフレーム100に固定されていて、ノズルシャフト104は、垂直回転駆動部軸受105によって回転動作と上下動作ができるように固定されている。
【0021】
垂直Z駆動部102の一端には、ボールねじのねじ部111に噛み合うナット部118が固定されている。
従って、Z軸モータ23を回転動作させることにより、ボールねじのナット部118によって垂直Z駆動部102が上下に駆動される構造となっていて、ノズルシャフト104及び吸着ノズル131を上下駆動動作できる。
【0022】
また、垂直Z駆動部102には、ノズルシャフト104を回転支持するために、下側回転ベアリング141、上側回転ベアリング142が設置されている。
垂直Z駆動部102のノズルシャフト104とボールねじのナット部109の間に円形の穴形状である変形部112が設けられている。この変形部112に、ひずみゲージ113が取付けられている。
ひずみゲージ113は、ひずみゲージ113の出力電圧と荷重値の関係は、予め校正をとって図4のような関係をとり、コントローラ20に保存してある。
なお、ひずみゲージ113は、適切な構造変更を伴ってロードセルに置き換えることができる。
【0023】
また、ベースフレーム100には、垂直Z駆動部102のリニアガイド101側の固定部付近を検出するように原点センサ114が固定されている。
【0024】
次に、電子部品の加圧搭載動作の流れを説明する。
【0025】
図1の搭載ヘッド13をX軸移動機構12、Y軸移動機構14を動作させて電子部品供給装置11の上方に搭載ヘッド部13を移動し、電子部品18を吸着する。
電子部品18を吸着した搭載ヘッド部13を部品認識カメラ16の上方へ移動し、電子部品18を認識する。
認識を完了した後に搭載ヘッド部13を移動し、回路基板10上の電子部品18の搭載予定部に搭載ヘッド部13にて電子部品18を吸着して部品認識カメラ16上に移動し、電子部品18を部品認識カメラ16上で認識し、回路基板10上の搭載位置へ移動して搭載を行う。
【0026】
次に、荷重制御による部品搭載動作について説明する。
【0027】
搭載ヘッド部13を回路基板10上の部品搭載位置でZ軸モータ23を駆動させて、垂直Z駆動部102及び吸着ノズル131を下降させる。
吸着ノズル131に吸着された部品18を、搭載する回路基板10への搭載高さ直前位置(Z1)まで高速で降下させる。
その後、Z軸モータ23を駆動して、吸着ノズル131に吸着された部品18を4mm/秒程度の低速度で下降させて衝撃荷重を押さえつつ、目標搭載高さまで下降させる。
電子部品18を加圧搭載した後にバキュームエアをOFFし、Z軸モータ23を動作させて垂直Z軸駆動部102及び吸着ノズル131を上昇させる。
その後、次の電子部品の吸着位置へ移動が行なわれる。
【0028】
次に原点復帰動作について説明する。
【0029】
Z軸駆動部102を原点センサ114の検出範囲から離れる位置(例えば2mm)下降移動させる。
その後、原点復帰速度10mm/秒にて、上昇をさせる。
原点センサ114の検出ONの高さ(A0)をZ軸モータのエンコーダ値から読取り、CPU27Cに記憶しておく。
Z軸駆動部102が原点センサ114を検出した直後に検出されるZ軸モータ23のエンコーダ原点の位置を、Z軸駆動部102の原点とすることで、電源オフ/オンを繰り返してもZ軸原点の高精度な再現性が得られる。
【0030】
<動作の説明>
図5において、「1」はXY機構上に載置されたマウンタヘッドのノズル先端が、XY動作によって、搭載する基板上の部品や、その他基板周辺のマウンタ機構部に接触する可能性のない第1の高さであり、「2」はノズルの吸着している部品が基板面に接触を開始する直前の第2のZ軸高さである。
【0031】
第1の高さ「1」から第2の高さ「2」までは、搭載性能の低下を最小化するため高速に降下する(900mm/秒程度)。このとき、ノズルの下降位置制御を高精度で実現するため通常の位置制御を行うためゲインを高く設定している。
【0032】
第2の高さ「2」では、モータ軸を一端停止させ、ゲインを低く設定した後、軸降下を再開する。
ここで、モータ速度を低速(4mm/秒)として、モータ位置制御モードにおいて発生トルクを生成するゲインを、必要とする設定荷重に応じて設定する。前記発生出力トルクを、前記サーボモータの位置フィードバックゲインを含む制御パラメータに基づいて可変する。
その他、ゲインの制御パラメータとしての設定特性を、積分補償型ゲインパラメータを少なく設定したゲインに変更する。
サーボモータの発生トルクは位置フィードバックゲインと位置偏差に応じて決まるが、位置偏差量とその状態の継続時間に応じても発生トルクのフィードバック調整が機能するため、積分補償型ゲインなどの時間軸を要素とするフィードバック機能を小さく設定し、安定な加圧力を得ようとするものである。
【0033】
図5において、「3」は部品下面と基板面の当接点である。
【0034】
ロードセルの計測結果が指定荷重値に達しない限り、継続してZ軸を降下させるため、ノズル先端に吸着された部品が基板面に当接して、降下を妨げられると、モータ軸の目標座標と実座標の乖離が進むため、前記のゲイン設定の結果サーボモータの発生トルクが増加し、ロードセルの計測結果も、モータ軸の目標座標が進むにつれて暫増する。
【0035】
図6はモータ軸変移角度(モータ軸の目標座標と実座標の差)と発生トルクの関係を実測したグラフである。横軸は、前記座標の差をモータ軸の回転角度(10度〜60度)で示している。
発生トルクは、設定ゲイン10〜設定ゲイン100を数値10ごとに評価している。
このように、モータ軸変移角度とゲインとモータ出力トルクはおおむね比例関係にある。従って、前記のように設定荷重 (部品の種別により異なる部品の基板面への押圧力) 対応して、発生出力トルクを前記サーボモータのフィードバックゲインを選択することにより調節することができる。
【0036】
図7はノズル先端に吸着された部品が基板面に当接した後の、基板面が受ける荷重の変化を実測したものである(Z軸速度=10mm/秒、ヘッド部質量=250g)。
前記部品が基板面に当接した直後に縦軸に示す荷重は急峻に立ち上がり、以降時間の推移に比例して荷重が増加する。
この急峻に立ち上がる荷重部分は、主にヘッド可動部の持つ質量による衝撃荷重が計測されたものである。
【0037】
図5において、「4−1」に示すとおり、ロードセルの計測結果が設定荷重を上回ると、Z軸モータの駆動が停止される。
実装機の操作設定により、最低加圧継続時間が設定されている場合は、「5」まで指定圧力を維持するために、ロードセルの計測結果に応じてZ軸モータの降下/上昇を繰り返すことが可能となっている。
ロードセルの計測結果が設定荷重を上回ったことにより、Z軸モータの降下を瞬時に停止することが望ましい。
この反応に遅延が有ると、その分モータの目標座標が進みモータ軸の発生トルクが過大となってしまう。
【0038】
実施形態では、モータ軸変移角度とゲイン値とモータ出力トルクの関係を利用して、ゲインを低めに設定することによって、モータの目標座標と実座標の差が生じても極端に大きな荷重変化が生じないようにしているため、モータの目標座標が進み過ぎても目標荷重に沿った圧力制御が実現できるようになっている。
【0039】
ここで、設定荷重において、ノズル先端の目標座標に対する最大遅れ量が0.75mmとなるように適切にゲインが設定されている場合、目標荷重に対する制御誤差を3%、Z軸モータの速度を5mm/秒とすると、反応遅れ許容時間=(最大遅れ量×制御精度)÷モータ軸速度より=0.0045秒となる。
このため、本荷重方式では、通常のサーボアンプを直接マウンタ制御部からコントロールして荷重制御を実現させることができる。
従って、荷重制御のためにロードセルの計測結果を参照して、モータ軸やVCMまたは電空レギュレータを高速にフィードバック制御するような特別な制御系を設ける必要がない。
【0040】
以上のとおり、実施形態のマウンタ装置の加圧制御ヘッドによれば、以下に列挙する効果を発揮できる。
【0041】
1)ヘッドを第1の高さ位置から第2の高さ位置に移動する手段として設けたZ軸モータにより第2の高さ位置から第3の高さ位置へ移動し、ノズルの加圧を行う加圧源としても同じZ軸モータが用いられるため、加圧制御ヘッドをシンプルな構成で低コストに提供することができる。
【0042】
2)加圧を行なうために必要となる広い荷重範囲を持ったばねに代わって、モータ軸の発生トルクで加圧することができるため、構造がシンプルであることに加え、より広範囲な荷重範囲に精度良く対応することができる。
【0043】
3)Z軸モータを常に位置制御モードで利用するため、モータの軸座標管理に誤差が生じない。
【0044】
4)Z軸モータの発生トルクを用いた加圧であるため、モータの目標座標と実座標の最大ずれ量を制限することができる。
すなわち、ばね加圧式の構造では、コネクタ挿入処理のように負荷荷重のピーク(抜け防止の返し部の通過が最大負荷となるため)を通過した直後、急激に負荷が小さくなってしまうような特性を持った負荷であると、ばねのたわみ量に相当する軸のオーバーシュートが発生し、衝撃荷重によって部品にダメージを与える恐れがある。
これに対し、本方式では、前記最大ずれ量が制限されているため、負荷変動に対する位置のオーバーシュートが小さく、衝撃荷重を小さく抑えることができる。
【0045】
5)荷重制御機能を持った専用のサーボアンプを必要としない。
【0046】
(実施形態2)
〈ノズルばねによる衝撃力の緩衝〉
加圧検知手段に加え、衝撃力を低減させる目的で設けたノズルばねを有する機械的構成を図8に示す。
【0047】
図8において、前述した実施形態1と同様、10はプリント基板などの回路基板、13は搭載ヘッド部、18は電子部品、23はZ軸モータ、24はθ軸モータ、100はベースフレーム、101はリニアガイド、102は垂直Z駆動部、104はノズルシャフト、105は垂直回転駆動部軸受、106は回転ベアリング、107はスプライン軸受、108はθモータプーリ、109はタイミングベルト、110はカップリング、111はボールねじのねじ部、118はボールねじのナット部、131は吸着ノズルであって、132はノズルばね(衝撃緩衝ばね)、133はノズル可動部側ストッパー、134はZ軸可動部側ストッパー、143はロータリブッシュベアリング、144は加圧検出部(センサ)である。
【0048】
図8の構成は、吸着ノズル131が鉛直上方へ押される力を、ノズル軸に設けられた圧力検出部144で検出することができる。
【0049】
本発明では、縦線で示した部分をノズル可動部、ノズル可動部と斜線で示した部分を合わせてZ軸可動部と呼ぶ。
ノズル可動部とZ軸可動部の間には、衝撃緩衝用のノズルばね132が挟まっており、このばね132はノズル可動部下方からの圧力を受けると縮む。
このノズルばね132は、1(N)の圧力がかかった時初めて動くように初期圧縮をしており、ばね定数を非常に低く設定してあるため、ノズルばね132のストロークに関わらず、発生するばね力が均一となるような特性を持っている。
また、ノズルばね132の縮み方向へのストロークが1(mm)に達するとストッパー133・134によって止まるように設定した。
【0050】
図8のノズルばね132を用いて加圧制御をした場合の圧力波形と速度波形を図9に示す。
図9においては、図8のばね付き吸着ノズル131を、図7のばねなしノズルの場合と同じ速度で運用した時、電子部品が受ける圧力波形とZ軸可動部の速度波形を示している。
【0051】
本発明では、ノズルで吸着した電子部品を下降させ、基板面に当接して衝撃緩衝ばねの圧縮が開始する瞬間を第一衝突、その後、ノズルばねのストロークがなくなった瞬間を第二衝突と呼ぶ。
【0052】
ここで、衝撃力の計算式は、
衝撃力(kg・m)=衝撃力を与える側の重量(kg)
×衝撃力を与える側の速さ(m/s)
÷衝撃を伝えるためにかかった時間(s)・・・(A)
で与えられる。
【0053】
(A)式から、第一衝突の衝撃力はノズル可動部のみの質量で計算されるため非常に小さく、ノズルの初期圧縮以下となりオーバーシュートは生じない。しかし、第二衝突の衝撃力はZ軸可動部の質量で計算されるため大きく、下降速度を十分減速させてないとオーバーシュートが生じてしまうのは、ばねなしノズルを用いた場合と変わらない。
結果としては、ノズルばねを用いるとノズルばねのストローク分だけ加圧時間が長くなるだけである。
また、部品がプリント基板などに当接する直前の位置は、電子部品の高さデータなどから計算をしていたため、高さの精度が悪い電子部品を搭載する場合、加圧時間が大幅に増えてしまう問題もある。
【0054】
本発明では、図8のノズルばね132によって衝突が二回に分けられるので、第一衝突を圧力検出部で検出し、下降速度とノズルばねのストロークから第二衝突までの時間を計算し、第二衝突直前で下降速度を調整する。
【0055】
まず、本発明で加圧制御をした場合の圧力波形と速度波形を図10に示す。
図示のように、搭載速度であっても第一衝突時はオーバーシュートが生じないため、電子部品を搭載速度で基板面に当接させる。その時、第一衝突時の圧力波形は、ばねの初期圧縮値まで急峻に立ち上がるので、圧力に閾値を設けるだけで精度よく検出することができる。
【0056】
第一衝突から第二衝突までの時間は、
ノズルばね圧縮開始から第二衝突までの時間(s)=ノズルばねのストローク(m)
÷下降速度(m/s)・・・(B)
で与えられるので、ノズルばねのストロークとZ軸可動部の下降速度を精度よく管理すれば、ノズルばね圧縮開始から第二衝突までの時間も精度よく予測できる。
【0057】
ここで、(B)式の衝撃力を与える側の速さ以外の変数は、図8の構成の場合ほぼ一定の値であるため、第二衝突の衝撃力は速度のみに依存する。
よって、予測した時間を元に、衝撃力が目標荷重の許容範囲内に収まる速度へ、第二衝突までに減速させる。
【0058】
次に、本発明の制御方法における段取りから搭載のフローチャートを図11に示す。
【0059】
段取りは、図11(a)のフローチャートのように、処理開始により、接触検知から第二衝突までの時間を計算する(ステップS1)。
続いて、計算した時間に安全率などの補正をかけた値を記録する(ステップS2)。これにより処理を終了する。
【0060】
搭載は、図11(b)のフローチャートのように、処理開始により、電子部品を吸着し、基板面の搭載位置上方に位置合わせをする(ステップS11)。
続いて、電子部品を等速高速度で下降させる(ステップS12)。
次に、基板面に当接した瞬間として衝撃緩衝ばねの圧縮が開始する第一衝突を加圧検出部144で検知したかを判定する(ステップS13)。このステップS13において、検知すれば次に進み、検知しなければステップS12に戻り、処理を継続する。
次に、段取りで記録した時間までに等速高速度から加圧速度まで減速する(ステップS14)。
続いて、電子部品を加圧速度で下降させる(ステップS15)。
次に、目標圧力に達したことを加圧検出部144で検出したか?を判定する(ステップ16)。このステップS16において、達していれば処理を終了し、達していなければステップS15に戻り、処理を継続する。
【0061】
また、ばね付きノズルで電子部品を吸着する際、ノズルを電子部品に1(N)程の圧力をかけて吸着すると、吸着が安定する事は既知であるが、ノズルばねのストロークは1(mm)と小さいため、稀にこのストロークを超えてしまい、吸着ミスだけでなく、電子部品や、電子部品を供給する装置を破壊することがあった。
【0062】
しかし、本発明の方法を用いれば、タクトを落とさずに、ノズルばねのストロークから外れることなくノズルを止めて確実に吸着することが可能になる。
【0063】
次に、従来制御の説明で使用した図7と、本発明の制御の説明で使用した図10から、加圧開始位置を揃えて図12に示す。
【0064】
図12に示したように、従来の圧力波形では、加圧開始から衝撃力を抑えられる速度で当接させなくてはならないため、加圧時間が長かった。
一方、本発明の制御では、加圧開始から高速で下降させ、衝撃力が発生することなく第一衝突を検出して第二衝突のタイミングを予測し、第二衝突直前で加圧速度へ切り替えることで加圧時間を短縮することができる。
【0065】
また、従来の制御では、あらかじめ入力された部品の高さなどのパラメータから電子部品が搭載される直前の高さを計算し、その高さを閾値として減速し衝撃力を抑えていた。そのため、高さの精度が悪い電子部品を搭載する際は、そのばらつきによって加圧時間が非常に長くなる問題があった。
【0066】
しかし、本提案の方法では、部品の高さは関係なく、部品の高さがばらついても加圧時間は理論上変わらない。そのため、段取り時に部品の高さデータを入力する手間も必要なくなる。
さらに、電子部品の吸着時に応用すると、吸着失敗となる、第一衝突前の吸着と第二衝突後の吸着を確実に避ける事ができるので、部品吸着の品質向上が望める。
【0067】
(他の実施例)
実施形態では、ノズルばねのストロークとZ軸可動部の下降速度を用いて、ノズルばねの圧縮開始から第二衝突までの時間を計算し、速度切り替えに用いたが、他の実施例として、ノズルに吸着された電子部品が基板面に当接した位置からの相対的な距離を用いても実施例を実現できる。
また、速度の時間積分を用いても前記距離と同じ効果を持つ値を計算できる。
また、目標圧力がノズルばねの初期圧縮値よりも遥かに大きい場合は、第二衝突を過ぎてから減速させる事で、加圧時間のさらなる短縮が可能になる。
【0068】
また、実施形態では、ロードセルによる検出に基づく制御としたが、電流制御でも可能である。
【符号の説明】
【0069】
1 マウンタ装置
10 基板
13 搭載ヘッド部(加圧制御ヘッド)
131 吸着ノズル
132 衝撃緩衝ばね
144 加圧検出部(センサ)
18 電子部品
23 サーボモータ
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品を基板に搭載するマウンタ装置の加圧制御ヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
電子部品のマウンタ装置として、例えば特許文献1により、加圧時間を短縮する従来の方法として、圧力検出部にて検出した圧力が増加し始めた位置を電子部品がプリント基板などに当接した位置とし、その位置を学習して高速で下降させられる位置の精度を向上していく方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3817207号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の方式では、特許文献1のように、ばねのないノズルを用いて加圧制御を行うと、衝突時に、衝撃を与える側の運動量(質量×速さ)によって決まる衝撃力が発生する。
この衝撃力により部品が破壊される可能性があるので、電子部品が基板面に当接する速度を低く設定する必要がある。
また、全ての搭載プロセスにわたって低い軸速度で実行すると、搭載タクトが下がってしまうため、搭載高さの直近まで高速に移動させてから、部品にダメージを与えない十分低い速度へ切り替えて当接させるようにしている。
このため、図13に示すように、加圧時間が長くなってしまう問題があった。
【0005】
本発明の課題は、マウンタ装置において、ノズルに基板との衝突を緩衝するばねを用いると共にその緩衝中に加圧速度を適切に切り替えることにより加圧時間を短縮することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するため、本発明は、部品を吸着するノズルの高さを位置決めするサーボモータと、ノズルが吸着した部品を基板に押し付ける荷重を制御できる加圧制御ヘッドとを備えるマウンタ装置であって、前記ノズルの先端に組み込まれた衝撃緩衝ばねと、前記ノズルが吸着した部品を基板面に押し付ける圧力を検出するセンサとを備え、前記サーボモータの駆動により前記ノズルが吸着した部品を基板面へと等速で下降させ、前記圧力センサにより前記衝撃緩衝ばねの圧縮による反発力を検知した後、当該衝撃緩衝ばねの圧縮が完了するまでに前記ノズルの下降速度を減速させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、加圧速度を適切に切り替えて加圧時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明を適用したマウンタ装置の一実施形態の構成を示す概略構成図である。
【図2】マウンタ装置の制御系の構成図である。
【図3】搭載ヘッド部の機構系の構成図である。
【図4】ひずみゲージの出力電圧と荷重値の関係を示すグラフである。
【図5】部品と基板の位置関係に対するZ軸モータ速度、検出荷重、目標荷重、Z軸目標座標を示したグラフである。
【図6】モータ軸変移角度(モータ軸の目標座標と実座標の差)と発生トルクの関係を実測したグラフである。
【図7】ノズル先端に吸着された部品が基板面に当接した後の基板面が受ける荷重の変化を実測したグラフである。
【図8】加圧検知手段に加え、衝撃力を低減させる目的で設けたノズルばねを有する機械的構成を示す概略図である。
【図9】ばね付き吸着ノズルで加圧制御をした場合の圧力波形と速度波形を示すグラフである。
【図10】本発明で加圧制御をした場合の圧力波形と速度波形を示すグラフである。
【図11】本発明の制御方法における段取りから搭載を示すフローチャートである。
【図12】従来制御の説明で使用した図7と、本発明の制御の説明で使用した図10から、加圧開始位置を揃えて示すグラフである。
【図13】従来のばねなしノズルで加圧制御をした場合の圧力波形と速度波形を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図を参照して本発明を実施するための形態を詳細に説明する。
<発明の概要>
本発明は、吸着ノズルにより、電子部品を部品供給部より基板上へ移動搭載するマウンタ装置であり、ノズルが部品を基板面に押し付ける圧力を検出するセンサ(ロードセル)と、ノズル先端に組み込まれた衝撃緩衝ばねを有し、吸着した部品を基板面へと等速で下降させ、前記圧力センサ(ロードセル)にて、ノズル先端ばねの圧縮による反発力を検知した後、ノズル先端ばねの圧縮が完了するまでにノズルの下降速度を減速させる加圧制御方式である。
さらに、その加圧制御方式を用いて、吸着ノズルで電子部品を吸着する時、ノズル先端ばねが圧縮中に吸着を完了させる。
【0010】
(実施形態1)
<マウンタの構造>
図1は電子部品実装装置(マウンタ装置)の概略構成図である。
図示のように、電子部品実装装置1は、中央部から少し後方で左右方向に延在する回路基板搬送路15と、装置1の前部(図示の下側)に配設され、回路基板10に実装される部品を供給する部品供給部11と、当該装置1の前部に配設されたX軸移動機構12とY軸移動機構14を備えている。
【0011】
部品供給部11の側部には、吸着ノズル131に吸着された部品を下方から撮像する部品認識カメラ(撮像手段)16が配置されている。
X軸移動機構12は、部品を吸着する吸着ノズル131を備えた搭載ヘッド部13(加圧制御ヘッド)をX軸方向に移動させる。
搭載ヘッド部13は、X軸移動機構12と接続されている。
Y軸移動機構14は、X軸移動機構12、並びに搭載ヘッド部13をY軸方向に移動させる。
搭載ヘッド部13は、吸着ノズル131を垂直方向(Z軸方向)に昇降可能に移動させるZ軸移動機構を備え、また、吸着ノズル131を、ノズル軸(吸着軸)を中心に回転させるθ軸移動機構を備えている。
また、搭載ヘッド部13には、支持部材に取付けるようにして、回路基板10上に形成された基板マークを撮像する基板認識カメラ17が搭載されている。
【0012】
図2は電子部品実装装置の制御系の構成を示している。図中、20は装置全体を制御するマイクロコンピュータ(CPU)、並びにRAM、ROMなどからなるコントローラ(制御手段)であり、このコントローラ20に、X軸モータ21から表示装置(モニタ)31が接続され、それぞれを制御している。
【0013】
X軸モータ21は、X軸移動機構12の駆動源で、搭載ヘッド部13をX軸方向に移動させる。
また、Y軸モータ22は、Y軸移動機構14の駆動源で、X軸移動機構12をY軸方向に駆動し、それにより搭載ヘッド部13はX軸方向とY軸方向に移動可能となる。
【0014】
Z軸モータ23は、吸着ノズル131を昇降させるZ軸駆動機構(不図示)の駆動源で、吸着ノズル131をZ軸方向(高さ方向)に昇降させる。
また、θ軸モータ24は、吸着ノズル131のθ軸回転機構(不図示)の駆動源で、吸着ノズル131をそのノズル中心軸(吸着軸)を中心にして回転させる。
【0015】
画像認識装置27は、吸着ノズル131に吸着された部品18の画像認識を行なうもので、A/D変換器271、メモリ272及びCPU273から構成される。
そして、吸着された部品18を撮像した部品認識カメラ16から出力されるアナログの画像信号をA/D変換器271によりデジタル信号に変換してメモリ272に格納し、CPU273がその画像データに基づいて吸着された部品の認識を行なう。
すなわち、画像認識装置27は、部品中心と吸着角度を演算し、部品の吸着姿勢を認識する。
また、画像認識装置27は、基板認識カメラ17で撮像された基板マークの画像を処理して基板マーク位置を演算する。
また、画像認識装置27は、部品認識カメラ16で撮像された部品18の画像データと基板認識カメラ17で撮像された基板マークデータを処理して、両方の補正データを制御手段20へ転送する。
【0016】
キーボード28とマウス29は、部品データなどのデータを入力するために用いられる。
記憶装置30は、フラッシュメモリなどで構成され、キーボード28とマウス29により入力された部品データ、及び不図示のホストコンピュータから供給される部品データなどを格納するのに用いられる。
表示装置(モニタ)31は、部品データ、演算データ、及び部品認識カメラ16で撮像した部品18の画像などをその表示面311に表示する。
【0017】
実際に、基板の生産を開始し、部品を回路基板に搭載する段階では、予め基板認識カメラ17で撮像された基板マークによる回路基板10の基板補正データ(Δx、Δy、Δθ)は記憶装置30に格納されている。
そして、部品供給装置11から供給される部品を吸着ノズル131で吸着し、搭載ヘッド部13を部品認識カメラ16上部に移動させて、部品を同カメラで撮像する。
撮像された部品の画像は、画像認識装置27で画像処理され、補正データを制御手段20へ転送する。
制御手段20は、記憶装置30から基板補正データと当該部品の部品データを読み出して、この部品データと前記転送された画像認識装置27で演算された部品中心と部品の傾きをもとに、部品の搭載位置と吸着姿勢を認識する。
続いて、部品搭載位置と部品中心と吸着中心間に位置ずれがあり、また、角度ずれが検出されると、これらの総合位置ずれと角度ずれがX軸モータ21、Y軸モータ22、θ軸モータ24を駆動することにより補正され、部品が所定の回路基板位置に正しい姿勢(基準角度)で搭載される。
【0018】
次に、搭載ヘッド部13について図3を使用して説明を行う。
【0019】
図示のように、搭載ヘッド部13のベースフレーム100にリニアガイド101が設置され、垂直Z駆動部102が垂直Z軸方向に移動可能な構造となっている。
搭載ヘッド部13上部には、垂直Z駆動部102を垂直上下動させるためのZ軸モータ23がベースフレーム100に固定され、このZ軸モータ23にカップリング110を介してボールねじのねじ部111が接続されている。
【0020】
また、部品を回転動作させるためのθ軸モータ24は、スプライン軸受107と回転ベアリング106で構成されて外周部にベルトプーリが取付けられた垂直回転駆動部軸受105と、θモータプーリ108とタイミングベルト109を介して接続されている。
垂直回転駆動部軸受105は、内部にスプライン軸受107があり、スプライン軸であるノズルシャフト104と接続されている。
垂直回転駆動部軸受105の外周部には、回転ベアリング106が取付けられている。この回転ベアリング106の外周がベースフレーム100に固定されていて、ノズルシャフト104は、垂直回転駆動部軸受105によって回転動作と上下動作ができるように固定されている。
【0021】
垂直Z駆動部102の一端には、ボールねじのねじ部111に噛み合うナット部118が固定されている。
従って、Z軸モータ23を回転動作させることにより、ボールねじのナット部118によって垂直Z駆動部102が上下に駆動される構造となっていて、ノズルシャフト104及び吸着ノズル131を上下駆動動作できる。
【0022】
また、垂直Z駆動部102には、ノズルシャフト104を回転支持するために、下側回転ベアリング141、上側回転ベアリング142が設置されている。
垂直Z駆動部102のノズルシャフト104とボールねじのナット部109の間に円形の穴形状である変形部112が設けられている。この変形部112に、ひずみゲージ113が取付けられている。
ひずみゲージ113は、ひずみゲージ113の出力電圧と荷重値の関係は、予め校正をとって図4のような関係をとり、コントローラ20に保存してある。
なお、ひずみゲージ113は、適切な構造変更を伴ってロードセルに置き換えることができる。
【0023】
また、ベースフレーム100には、垂直Z駆動部102のリニアガイド101側の固定部付近を検出するように原点センサ114が固定されている。
【0024】
次に、電子部品の加圧搭載動作の流れを説明する。
【0025】
図1の搭載ヘッド13をX軸移動機構12、Y軸移動機構14を動作させて電子部品供給装置11の上方に搭載ヘッド部13を移動し、電子部品18を吸着する。
電子部品18を吸着した搭載ヘッド部13を部品認識カメラ16の上方へ移動し、電子部品18を認識する。
認識を完了した後に搭載ヘッド部13を移動し、回路基板10上の電子部品18の搭載予定部に搭載ヘッド部13にて電子部品18を吸着して部品認識カメラ16上に移動し、電子部品18を部品認識カメラ16上で認識し、回路基板10上の搭載位置へ移動して搭載を行う。
【0026】
次に、荷重制御による部品搭載動作について説明する。
【0027】
搭載ヘッド部13を回路基板10上の部品搭載位置でZ軸モータ23を駆動させて、垂直Z駆動部102及び吸着ノズル131を下降させる。
吸着ノズル131に吸着された部品18を、搭載する回路基板10への搭載高さ直前位置(Z1)まで高速で降下させる。
その後、Z軸モータ23を駆動して、吸着ノズル131に吸着された部品18を4mm/秒程度の低速度で下降させて衝撃荷重を押さえつつ、目標搭載高さまで下降させる。
電子部品18を加圧搭載した後にバキュームエアをOFFし、Z軸モータ23を動作させて垂直Z軸駆動部102及び吸着ノズル131を上昇させる。
その後、次の電子部品の吸着位置へ移動が行なわれる。
【0028】
次に原点復帰動作について説明する。
【0029】
Z軸駆動部102を原点センサ114の検出範囲から離れる位置(例えば2mm)下降移動させる。
その後、原点復帰速度10mm/秒にて、上昇をさせる。
原点センサ114の検出ONの高さ(A0)をZ軸モータのエンコーダ値から読取り、CPU27Cに記憶しておく。
Z軸駆動部102が原点センサ114を検出した直後に検出されるZ軸モータ23のエンコーダ原点の位置を、Z軸駆動部102の原点とすることで、電源オフ/オンを繰り返してもZ軸原点の高精度な再現性が得られる。
【0030】
<動作の説明>
図5において、「1」はXY機構上に載置されたマウンタヘッドのノズル先端が、XY動作によって、搭載する基板上の部品や、その他基板周辺のマウンタ機構部に接触する可能性のない第1の高さであり、「2」はノズルの吸着している部品が基板面に接触を開始する直前の第2のZ軸高さである。
【0031】
第1の高さ「1」から第2の高さ「2」までは、搭載性能の低下を最小化するため高速に降下する(900mm/秒程度)。このとき、ノズルの下降位置制御を高精度で実現するため通常の位置制御を行うためゲインを高く設定している。
【0032】
第2の高さ「2」では、モータ軸を一端停止させ、ゲインを低く設定した後、軸降下を再開する。
ここで、モータ速度を低速(4mm/秒)として、モータ位置制御モードにおいて発生トルクを生成するゲインを、必要とする設定荷重に応じて設定する。前記発生出力トルクを、前記サーボモータの位置フィードバックゲインを含む制御パラメータに基づいて可変する。
その他、ゲインの制御パラメータとしての設定特性を、積分補償型ゲインパラメータを少なく設定したゲインに変更する。
サーボモータの発生トルクは位置フィードバックゲインと位置偏差に応じて決まるが、位置偏差量とその状態の継続時間に応じても発生トルクのフィードバック調整が機能するため、積分補償型ゲインなどの時間軸を要素とするフィードバック機能を小さく設定し、安定な加圧力を得ようとするものである。
【0033】
図5において、「3」は部品下面と基板面の当接点である。
【0034】
ロードセルの計測結果が指定荷重値に達しない限り、継続してZ軸を降下させるため、ノズル先端に吸着された部品が基板面に当接して、降下を妨げられると、モータ軸の目標座標と実座標の乖離が進むため、前記のゲイン設定の結果サーボモータの発生トルクが増加し、ロードセルの計測結果も、モータ軸の目標座標が進むにつれて暫増する。
【0035】
図6はモータ軸変移角度(モータ軸の目標座標と実座標の差)と発生トルクの関係を実測したグラフである。横軸は、前記座標の差をモータ軸の回転角度(10度〜60度)で示している。
発生トルクは、設定ゲイン10〜設定ゲイン100を数値10ごとに評価している。
このように、モータ軸変移角度とゲインとモータ出力トルクはおおむね比例関係にある。従って、前記のように設定荷重 (部品の種別により異なる部品の基板面への押圧力) 対応して、発生出力トルクを前記サーボモータのフィードバックゲインを選択することにより調節することができる。
【0036】
図7はノズル先端に吸着された部品が基板面に当接した後の、基板面が受ける荷重の変化を実測したものである(Z軸速度=10mm/秒、ヘッド部質量=250g)。
前記部品が基板面に当接した直後に縦軸に示す荷重は急峻に立ち上がり、以降時間の推移に比例して荷重が増加する。
この急峻に立ち上がる荷重部分は、主にヘッド可動部の持つ質量による衝撃荷重が計測されたものである。
【0037】
図5において、「4−1」に示すとおり、ロードセルの計測結果が設定荷重を上回ると、Z軸モータの駆動が停止される。
実装機の操作設定により、最低加圧継続時間が設定されている場合は、「5」まで指定圧力を維持するために、ロードセルの計測結果に応じてZ軸モータの降下/上昇を繰り返すことが可能となっている。
ロードセルの計測結果が設定荷重を上回ったことにより、Z軸モータの降下を瞬時に停止することが望ましい。
この反応に遅延が有ると、その分モータの目標座標が進みモータ軸の発生トルクが過大となってしまう。
【0038】
実施形態では、モータ軸変移角度とゲイン値とモータ出力トルクの関係を利用して、ゲインを低めに設定することによって、モータの目標座標と実座標の差が生じても極端に大きな荷重変化が生じないようにしているため、モータの目標座標が進み過ぎても目標荷重に沿った圧力制御が実現できるようになっている。
【0039】
ここで、設定荷重において、ノズル先端の目標座標に対する最大遅れ量が0.75mmとなるように適切にゲインが設定されている場合、目標荷重に対する制御誤差を3%、Z軸モータの速度を5mm/秒とすると、反応遅れ許容時間=(最大遅れ量×制御精度)÷モータ軸速度より=0.0045秒となる。
このため、本荷重方式では、通常のサーボアンプを直接マウンタ制御部からコントロールして荷重制御を実現させることができる。
従って、荷重制御のためにロードセルの計測結果を参照して、モータ軸やVCMまたは電空レギュレータを高速にフィードバック制御するような特別な制御系を設ける必要がない。
【0040】
以上のとおり、実施形態のマウンタ装置の加圧制御ヘッドによれば、以下に列挙する効果を発揮できる。
【0041】
1)ヘッドを第1の高さ位置から第2の高さ位置に移動する手段として設けたZ軸モータにより第2の高さ位置から第3の高さ位置へ移動し、ノズルの加圧を行う加圧源としても同じZ軸モータが用いられるため、加圧制御ヘッドをシンプルな構成で低コストに提供することができる。
【0042】
2)加圧を行なうために必要となる広い荷重範囲を持ったばねに代わって、モータ軸の発生トルクで加圧することができるため、構造がシンプルであることに加え、より広範囲な荷重範囲に精度良く対応することができる。
【0043】
3)Z軸モータを常に位置制御モードで利用するため、モータの軸座標管理に誤差が生じない。
【0044】
4)Z軸モータの発生トルクを用いた加圧であるため、モータの目標座標と実座標の最大ずれ量を制限することができる。
すなわち、ばね加圧式の構造では、コネクタ挿入処理のように負荷荷重のピーク(抜け防止の返し部の通過が最大負荷となるため)を通過した直後、急激に負荷が小さくなってしまうような特性を持った負荷であると、ばねのたわみ量に相当する軸のオーバーシュートが発生し、衝撃荷重によって部品にダメージを与える恐れがある。
これに対し、本方式では、前記最大ずれ量が制限されているため、負荷変動に対する位置のオーバーシュートが小さく、衝撃荷重を小さく抑えることができる。
【0045】
5)荷重制御機能を持った専用のサーボアンプを必要としない。
【0046】
(実施形態2)
〈ノズルばねによる衝撃力の緩衝〉
加圧検知手段に加え、衝撃力を低減させる目的で設けたノズルばねを有する機械的構成を図8に示す。
【0047】
図8において、前述した実施形態1と同様、10はプリント基板などの回路基板、13は搭載ヘッド部、18は電子部品、23はZ軸モータ、24はθ軸モータ、100はベースフレーム、101はリニアガイド、102は垂直Z駆動部、104はノズルシャフト、105は垂直回転駆動部軸受、106は回転ベアリング、107はスプライン軸受、108はθモータプーリ、109はタイミングベルト、110はカップリング、111はボールねじのねじ部、118はボールねじのナット部、131は吸着ノズルであって、132はノズルばね(衝撃緩衝ばね)、133はノズル可動部側ストッパー、134はZ軸可動部側ストッパー、143はロータリブッシュベアリング、144は加圧検出部(センサ)である。
【0048】
図8の構成は、吸着ノズル131が鉛直上方へ押される力を、ノズル軸に設けられた圧力検出部144で検出することができる。
【0049】
本発明では、縦線で示した部分をノズル可動部、ノズル可動部と斜線で示した部分を合わせてZ軸可動部と呼ぶ。
ノズル可動部とZ軸可動部の間には、衝撃緩衝用のノズルばね132が挟まっており、このばね132はノズル可動部下方からの圧力を受けると縮む。
このノズルばね132は、1(N)の圧力がかかった時初めて動くように初期圧縮をしており、ばね定数を非常に低く設定してあるため、ノズルばね132のストロークに関わらず、発生するばね力が均一となるような特性を持っている。
また、ノズルばね132の縮み方向へのストロークが1(mm)に達するとストッパー133・134によって止まるように設定した。
【0050】
図8のノズルばね132を用いて加圧制御をした場合の圧力波形と速度波形を図9に示す。
図9においては、図8のばね付き吸着ノズル131を、図7のばねなしノズルの場合と同じ速度で運用した時、電子部品が受ける圧力波形とZ軸可動部の速度波形を示している。
【0051】
本発明では、ノズルで吸着した電子部品を下降させ、基板面に当接して衝撃緩衝ばねの圧縮が開始する瞬間を第一衝突、その後、ノズルばねのストロークがなくなった瞬間を第二衝突と呼ぶ。
【0052】
ここで、衝撃力の計算式は、
衝撃力(kg・m)=衝撃力を与える側の重量(kg)
×衝撃力を与える側の速さ(m/s)
÷衝撃を伝えるためにかかった時間(s)・・・(A)
で与えられる。
【0053】
(A)式から、第一衝突の衝撃力はノズル可動部のみの質量で計算されるため非常に小さく、ノズルの初期圧縮以下となりオーバーシュートは生じない。しかし、第二衝突の衝撃力はZ軸可動部の質量で計算されるため大きく、下降速度を十分減速させてないとオーバーシュートが生じてしまうのは、ばねなしノズルを用いた場合と変わらない。
結果としては、ノズルばねを用いるとノズルばねのストローク分だけ加圧時間が長くなるだけである。
また、部品がプリント基板などに当接する直前の位置は、電子部品の高さデータなどから計算をしていたため、高さの精度が悪い電子部品を搭載する場合、加圧時間が大幅に増えてしまう問題もある。
【0054】
本発明では、図8のノズルばね132によって衝突が二回に分けられるので、第一衝突を圧力検出部で検出し、下降速度とノズルばねのストロークから第二衝突までの時間を計算し、第二衝突直前で下降速度を調整する。
【0055】
まず、本発明で加圧制御をした場合の圧力波形と速度波形を図10に示す。
図示のように、搭載速度であっても第一衝突時はオーバーシュートが生じないため、電子部品を搭載速度で基板面に当接させる。その時、第一衝突時の圧力波形は、ばねの初期圧縮値まで急峻に立ち上がるので、圧力に閾値を設けるだけで精度よく検出することができる。
【0056】
第一衝突から第二衝突までの時間は、
ノズルばね圧縮開始から第二衝突までの時間(s)=ノズルばねのストローク(m)
÷下降速度(m/s)・・・(B)
で与えられるので、ノズルばねのストロークとZ軸可動部の下降速度を精度よく管理すれば、ノズルばね圧縮開始から第二衝突までの時間も精度よく予測できる。
【0057】
ここで、(B)式の衝撃力を与える側の速さ以外の変数は、図8の構成の場合ほぼ一定の値であるため、第二衝突の衝撃力は速度のみに依存する。
よって、予測した時間を元に、衝撃力が目標荷重の許容範囲内に収まる速度へ、第二衝突までに減速させる。
【0058】
次に、本発明の制御方法における段取りから搭載のフローチャートを図11に示す。
【0059】
段取りは、図11(a)のフローチャートのように、処理開始により、接触検知から第二衝突までの時間を計算する(ステップS1)。
続いて、計算した時間に安全率などの補正をかけた値を記録する(ステップS2)。これにより処理を終了する。
【0060】
搭載は、図11(b)のフローチャートのように、処理開始により、電子部品を吸着し、基板面の搭載位置上方に位置合わせをする(ステップS11)。
続いて、電子部品を等速高速度で下降させる(ステップS12)。
次に、基板面に当接した瞬間として衝撃緩衝ばねの圧縮が開始する第一衝突を加圧検出部144で検知したかを判定する(ステップS13)。このステップS13において、検知すれば次に進み、検知しなければステップS12に戻り、処理を継続する。
次に、段取りで記録した時間までに等速高速度から加圧速度まで減速する(ステップS14)。
続いて、電子部品を加圧速度で下降させる(ステップS15)。
次に、目標圧力に達したことを加圧検出部144で検出したか?を判定する(ステップ16)。このステップS16において、達していれば処理を終了し、達していなければステップS15に戻り、処理を継続する。
【0061】
また、ばね付きノズルで電子部品を吸着する際、ノズルを電子部品に1(N)程の圧力をかけて吸着すると、吸着が安定する事は既知であるが、ノズルばねのストロークは1(mm)と小さいため、稀にこのストロークを超えてしまい、吸着ミスだけでなく、電子部品や、電子部品を供給する装置を破壊することがあった。
【0062】
しかし、本発明の方法を用いれば、タクトを落とさずに、ノズルばねのストロークから外れることなくノズルを止めて確実に吸着することが可能になる。
【0063】
次に、従来制御の説明で使用した図7と、本発明の制御の説明で使用した図10から、加圧開始位置を揃えて図12に示す。
【0064】
図12に示したように、従来の圧力波形では、加圧開始から衝撃力を抑えられる速度で当接させなくてはならないため、加圧時間が長かった。
一方、本発明の制御では、加圧開始から高速で下降させ、衝撃力が発生することなく第一衝突を検出して第二衝突のタイミングを予測し、第二衝突直前で加圧速度へ切り替えることで加圧時間を短縮することができる。
【0065】
また、従来の制御では、あらかじめ入力された部品の高さなどのパラメータから電子部品が搭載される直前の高さを計算し、その高さを閾値として減速し衝撃力を抑えていた。そのため、高さの精度が悪い電子部品を搭載する際は、そのばらつきによって加圧時間が非常に長くなる問題があった。
【0066】
しかし、本提案の方法では、部品の高さは関係なく、部品の高さがばらついても加圧時間は理論上変わらない。そのため、段取り時に部品の高さデータを入力する手間も必要なくなる。
さらに、電子部品の吸着時に応用すると、吸着失敗となる、第一衝突前の吸着と第二衝突後の吸着を確実に避ける事ができるので、部品吸着の品質向上が望める。
【0067】
(他の実施例)
実施形態では、ノズルばねのストロークとZ軸可動部の下降速度を用いて、ノズルばねの圧縮開始から第二衝突までの時間を計算し、速度切り替えに用いたが、他の実施例として、ノズルに吸着された電子部品が基板面に当接した位置からの相対的な距離を用いても実施例を実現できる。
また、速度の時間積分を用いても前記距離と同じ効果を持つ値を計算できる。
また、目標圧力がノズルばねの初期圧縮値よりも遥かに大きい場合は、第二衝突を過ぎてから減速させる事で、加圧時間のさらなる短縮が可能になる。
【0068】
また、実施形態では、ロードセルによる検出に基づく制御としたが、電流制御でも可能である。
【符号の説明】
【0069】
1 マウンタ装置
10 基板
13 搭載ヘッド部(加圧制御ヘッド)
131 吸着ノズル
132 衝撃緩衝ばね
144 加圧検出部(センサ)
18 電子部品
23 サーボモータ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品を吸着するノズルの高さを位置決めするサーボモータと、ノズルが吸着した部品を基板に押し付ける荷重を制御できる加圧制御ヘッドとを備えるマウンタ装置であって、
前記ノズルの先端に組み込まれた衝撃緩衝ばねと、
前記ノズルが吸着した部品を基板面に押し付ける圧力を検出するセンサとを備え、
前記サーボモータの駆動により前記ノズルが吸着した部品を基板面へと等速で下降させ、
前記圧力センサにより前記衝撃緩衝ばねの圧縮による反発力を検知した後、当該衝撃緩衝ばねの圧縮が完了するまでに前記ノズルの下降速度を減速させることを特徴とするマウンタ装置の加圧制御ヘッド。
【請求項1】
部品を吸着するノズルの高さを位置決めするサーボモータと、ノズルが吸着した部品を基板に押し付ける荷重を制御できる加圧制御ヘッドとを備えるマウンタ装置であって、
前記ノズルの先端に組み込まれた衝撃緩衝ばねと、
前記ノズルが吸着した部品を基板面に押し付ける圧力を検出するセンサとを備え、
前記サーボモータの駆動により前記ノズルが吸着した部品を基板面へと等速で下降させ、
前記圧力センサにより前記衝撃緩衝ばねの圧縮による反発力を検知した後、当該衝撃緩衝ばねの圧縮が完了するまでに前記ノズルの下降速度を減速させることを特徴とするマウンタ装置の加圧制御ヘッド。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−174822(P2012−174822A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−34172(P2011−34172)
【出願日】平成23年2月21日(2011.2.21)
【出願人】(000003399)JUKI株式会社 (1,557)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月21日(2011.2.21)
【出願人】(000003399)JUKI株式会社 (1,557)
【Fターム(参考)】
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