説明

マガジン

【課題】商品を所望の数だけ取り出し易いマガジンを提供する。
【解決手段】マガジンは、複数の商品(例えば、たばこ商品60)が前後方向に一列に搭載される搭載部10と、搭載部10に沿って前後に移動するように設けられ最後尾の商品の背面を前方に付勢する押板20と、フラップ部材30を有する。フラップ部材30は、搭載部10の前端部において、常態である直立状態と、前傾状態と、に揺動可能に軸支されている。フラップ部材30は、直立状態では押板20と対向する。フラップ部材30の上端の位置は、その後部側ほど低くなっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の商品が前後方向に一列に搭載されるマガジンに関し、特に、商品を所望の数だけ取り出し易いマガジンに関する。
【背景技術】
【0002】
コンビニエンスストアなどの店舗では、様々な商品がいわゆる什器(商品陳列棚)に陳列されている。
【0003】
多様な商品のうち、例えばたばこ商品などの特定の商品を陳列するための什器は、電子キャッシュレジスタなどの販売処理装置が載置されたレジカウンタ上又はその周辺に配置されることが一般的である。
【0004】
なお、ここで云うたばこ商品とは、実際に喫煙される紙巻たばこではなく、複数の紙巻たばこを収容している直方体状のパッケージを意味している。
【0005】
什器の棚には、例えば、マガジンなどと呼ばれる容器が複数設置され、各マガジンには、複数の商品を前後方向に一列に搭載でき、先頭の商品から順にマガジンから取り出せるようになっている。
【0006】
特許文献1には、複数の商品が前後方向に一列に搭載される搭載部と、搭載部に沿って前後に移動するように設けられ最後尾の商品の背面を前方に付勢する押板(同文献の押圧板)と、搭載部の前端部において直立状態と前傾状態とに揺動可能に軸支されたフラップ部材(同文献の取出し板)と、を有するマガジン(同文献の商品用陳列ケース)が記載されている。フラップ部材は、常態(通常状態)において直立状態となり、押板と対向する。先頭の商品の上部を手で持って前方に取り出す際には、商品とともにフラップ部材が前傾するので、商品を搭載部から取り出しやすくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2000−60691号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、マガジンから先頭の商品を取り出す際には、先頭の商品と前から2番目の商品との摩擦や密着により、前から2番目の商品がマガジンから脱落してしまったり、前から2番目の商品の搭載状態が乱れてしまったりする場合がある。
同様に、マガジンから先頭の複数個の商品をまとめて取り出す際にも、それら商品の後方に隣接する商品がマガジンから脱落したり、その搭載状態が乱れてしまったりする場合がある。
このような理由から、マガジンからの商品取り出し時の挙動について、改善のニーズがある。
【0009】
本発明は、商品を所望の数だけ取り出し易いマガジンを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、複数の商品が前後方向に一列に搭載される搭載部と、
前記搭載部に沿って前後に移動するように設けられ、最後尾の前記商品の背面を前方に付勢する押板と、
前記搭載部の前端部において、常態である直立状態と、前傾状態と、に揺動可能に軸支され、前記直立状態では前記押板と対向するフラップ部材と、
を有し、
前記フラップ部材の上端の位置は、後部側ほど低くなっていることを特徴とするマガジンを提供する。
【0011】
例えば、オペレータが先頭の商品の上部を持って、該商品を搭載部から前方に取り出す際には、先ず、フラップ部材が商品により前方に押されることによって、該フラップ部材が直立状態から前傾状態となるまで揺動する。それとともに、先頭の商品は、フラップ部材の揺動軸を中心として、フラップ部材とともに前傾方向に揺動する。フラップ部材が前傾状態となった後は、商品がフラップ部材の上端部を支点として更に前傾方向に揺動する。
ここで、フラップ部材の上端の位置が、その後部側ほど低くなっているので、フラップ部材の上端が水平に形成されている場合と比べると、商品がフラップ部材の上端部を支点として揺動する際において、商品の下部の揺動半径を小さくできる。
よって、フラップ部材の上端が水平に形成されている場合と比べると、商品がフラップ部材の上端部を支点として揺動する際において、商品の下端の後端部の後方への移動量を抑制できる。
これにより、先頭の商品と前から2番目の商品との摩擦によって、前から2番目の商品がマガジンから脱落してしまったり、或いはその搭載状態が乱れてしまったりすることを抑制できる。
また、オペレータが先頭から所定の個数までの複数の商品をまとめて取り出す場合についても、同様のメカニズムにより、それら商品の後方に隣接する他の商品がマガジンから脱落してしまったり、その搭載状態が乱れてしまったりすることを抑制できる。
よって、本発明のマガジンによれば、商品を取り出したい所望の数だけ取り出し易くなり、取り出したい商品の後方に隣接する商品の脱落や列の乱れの発生を抑制できる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、マガジンから商品を所望の数だけ取り出し易くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施形態に係るマガジンの動作を示す側断面図である。
【図2】実施形態に係るマガジンの側断面図である。
【図3】実施形態に係るマガジンの斜視図である。
【図4】実施形態に係るマガジンの平面図である。
【図5】実施形態に係るマガジンの前部の斜視図である。
【図6】比較例に係るマガジンの動作を示す側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、適宜に説明を省略する。
【0015】
図1は実施形態に係るマガジン100の動作を示す図であり、マガジン100の前部の側断面図である。図1(a)は、フラップ部材30が直立状態となっている状態を示し、図1(b)は、フラップ部材30が前傾状態となっている状態を示す。図2は実施形態に係るマガジン100の側断面図、図3はマガジン100の斜視図、図4はマガジン100の平面図である。図5はマガジン100の前部の斜視図である。なお、図5では、押板20の図示を省略し、付勢部40の板バネ42の端部(他端部421)を示している。
【0016】
本実施形態に係るマガジン100は、複数の商品(例えば、たばこ商品60)が前後方向に一列に搭載される搭載部10と、搭載部10に沿って前後に移動するように設けられ最後尾の商品の背面を前方に付勢する押板20と、フラップ部材30と、を有している。フラップ部材30は、搭載部10の前端部において揺動可能に軸支され、常態である直立状態(例えば、図1(a)、図2乃至図5の状態)と、前傾状態(例えば、図1(b)の状態)に揺動可能となっている。フラップ部材30は、直立状態では押板20と対向する。フラップ部材30の上端の位置は、その後部側ほど低くなっている。以下、詳細に説明する。
【0017】
図2乃至図4に示すように、搭載部10は、例えば、上方及び前方に向けて開口する筐体状に形成されている。搭載部10は、例えば、底板部11と、左側壁部12と、右側壁部13と、後壁部14と、を有している。
【0018】
左側壁部12は、底板部11の左端部より垂直に起立するように設けられた平板状の部分であり、右側壁部13は、底板部11の右端部より垂直に起立するように設けられた平板状の部分である。左右の側壁部12、13は、それぞれ板面が左右方向を向き、互いに平行に対向している。
【0019】
後壁部14は、底板部11の後端部より垂直に起立するように設けられている。
後壁部14は、例えば、2重の板状部、すなわち前板部14a及び後板部14bを有する。
前板部14aは、底板部11の後端に対して直交するように設けられた平板状の部分であり、その板面が前後方向を向いている。後板部14bは、前板部14aから僅かに後方に離間した位置において前板部14aと平行に対向するように、該前板部14aと一体的に設けられている。
【0020】
前板部14aと後板部14bとの間には、カード保持部14cが形成されている。なお、カード保持部14cの左右端と、下端は、それぞれ閉塞されている。
カード保持部14cには、例えばプライスカード(図示略:後述するプライスカード70(図5)と同様)などのカードを必要に応じて差し込んで、保持させることができるようになっている。プライスカードとは、例えば、商品の銘柄及びその値段を表示するカードである。
後板部14bを透視して、カード保持部14cに差し込まれたカードの表示内容をマガジン100の後方から視認できるように、後板部14bは、透明樹脂などの透明材或いは半透明材により構成されている。
なお、例えば、搭載部10の全体が、透明樹脂などの透明材或いは半透明材により一体形成されている。搭載部10の材質としては、例えば、ABS樹脂、ポリスチレン(例えば、ハイインパクトポリスチレン)が挙げられる。
【0021】
搭載部10は、前後方向に長尺に形成されている。従って、底板部11、左側壁部12及び右側壁部13は、前後方向に長尺に形成されている。
【0022】
搭載部10の前端部には、フラップ部材30(詳細後述)が常態において直立するように軸支されている。すなわち、フラップ部材30は、常態において、搭載部10の前側の壁部を構成する。
【0023】
搭載部10において、底板部11と、左側壁部12と、右側壁部13と、後壁部14と、フラップ部材30と、により囲まれた半筐体状の領域には、複数のたばこ商品60を縦置きで前後方向に一列に搭載し、収容できるようになっている。搭載部10には、例えば、最大で15個のたばこ商品60を搭載可能となっている。
【0024】
図3及び図4に示すように、底板部11には、その長手方向(つまり前後方向)に沿って、左右一対のスリット15が形成されている。これらスリット15は、それぞれ底板部11の表裏を貫通している。
底板部11において、各スリット15の外方縁部は、それぞれ、押板20の前後移動をガイドするガイドレール16を構成している。
【0025】
底板部11の上面において、各ガイドレール16の外方に位置する部分の各々には、底板部11の上面より上方に起立し、且つ、前後方向に延在する突条部17が形成されている。
【0026】
たばこ商品60は、これら突条部17間に架設されるようにして、搭載部10に搭載される。たばこ商品60は、押板20により押されて前方に移動する際に、これら突条部17と、左右の側壁部12、13と、にガイドされて前方に摺動する。
【0027】
突条部17の前端部は、前方に向けて上り傾斜した傾斜部17aとなっており、搭載部10の前端部に前送りされたたばこ商品60(先頭のたばこ商品60a)(図1(a))はこの傾斜部17aの傾斜に沿って上方に持ち上げられるようになっている。なお、例えば、前から2番目以降のたばこ商品60は、傾斜部17a上に乗り上げないように、傾斜部17aの形成範囲が設定されている。
【0028】
押板20は、底板部11と連結された状態で、底板部11に沿って前後移動するようになっている。
【0029】
図3及び図4に示すように、押板20は、底板部11に対して連結された連結部120と、この連結部120の前端より起立するように設けられ最後尾のたばこ商品60の背面を前方に付勢する背板220と、を有している。
【0030】
連結部120は、例えば、底板部11における左右の突条部17同士の間の部分の上面に沿って配置された上側板状部121と、上側板状部121の下面より下方に突出するように設けられた左右一対の係合爪122と、を有している。
【0031】
上側板状部121の左右両端部は、それぞれ、左右のガイドレール16の上面に沿って配置されている。
例えば、右側の係合爪122は、正面形状及び正面断面形状がL字状の形状をなし、左側の係合爪122は、右側の係合爪122を左右反転した形状をなしている。
これら係合爪122は、それぞれ、スリット15を介して底板部11の下方に突出し、各係合爪122の先端部(水平に配置されている部分)は、各ガイドレール16の下面に沿って配置されている。
すなわち、連結部120は、左側の係合爪122の先端部と、上側板状部121の左端部とにより、左側のガイドレール16を上下から挟み込んで保持し、且つ、右側の係合爪122の先端部と、上側板状部121の右端部とにより、右側のガイドレール16を上下から挟み込んで保持している。
このようにして、連結部120は、底板部11に対して連結され、且つ、底板部11に対して前後にスライド移動可能となっている。
【0032】
なお、押板20が最も前進したときに、押板20の前面(例えば、以下に説明する上部起立部223の前面)がフラップ部材30の背面(例えば、後述する後壁部312の背面)に対して僅かなクリアランス(例えば、0.2mm程度)で離間するか、或いは接触するように、押板20の前後移動範囲が設定されている。
【0033】
押板20の背板220は、例えば、連結部120の前端部より上方に起立している下部起立部221と、この下部起立部221の上端部より前方(例えば前方斜め上方)に突出している前方突出部222と、この前方突出部222の突出方向における先端部より上方に起立している上部起立部223と、を有している。
【0034】
例えば、下部起立部221、前方突出部222及び上部起立部223は、それぞれ板状に形成されている。下部起立部221と上部起立部223は、例えば、それぞれ板面が前後方向を向いている。前方突出部222は、例えば、板面が前方斜め下方及び後方斜め上方を向いている。
【0035】
上部起立部223の前面は、最後尾のたばこ商品60の背面に対してほぼ面接触し、該たばこ商品60を前方に付勢する(押す)。
【0036】
上部起立部223の上下寸法は、下部起立部221の上下寸法よりも大きい。例えば、上部起立部223の上下寸法は、縦置きしたときのたばこ商品60の上下寸法の1/2以上とすることが好ましく、例えば、その2/3程度に設定することができる。
【0037】
例えば、押板20の背面側には、複数条(例えば2条)の背面側補強リブ21が設けられ、押板20の前面側にも、複数条(例えば3条)の前面側補強リブ22(図1)が設けられている。
【0038】
押板20は、例えば、その全体が樹脂により一体形成されている。押板20の材質としては、例えば、POM(Polyoxymethylene、Polyacetal)などが挙げられる。
【0039】
マガジン100は、押板20を前方に付勢するために、以下に説明する付勢部40を有している。
【0040】
付勢部40は、例えば、搭載部10の前端部に固定されている板バネ繰出部41と、この板バネ繰出部41より繰り出し可能に該板バネ繰出部41に巻回されている長尺な板バネ(ゼンマイバネ)42と、を有する。
【0041】
板バネ繰出部41は、例えば、ボビン(ドラム)形状に形成されている。すなわち、板バネ繰出部41は、例えば、軸方向が左右方向を向く円筒又は円柱状の胴体部411と、この胴体部411の左右両端部にそれぞれ形成された円板状のフランジ部412と、を有している。
【0042】
板バネ42は、その一端部(図示略)が胴体部411に連結され、該板バネ42の板面が胴体部411の周面に沿って巻き付くように、胴体部411に対して渦巻き状に巻回されている。板バネ42は、左右一対のフランジ部412によりガイドされることにより、その巻きの乱れが抑制される。
【0043】
板バネ42の他端部421(図5)は、例えば、胴体部411の下側から、板バネ42の弾性復帰力に抗してマガジン100の後方に向けて繰り出し可能となっている。
【0044】
他端部421には、該他端部421を押板20に係止するための係止穴421aが、該他端部421の表裏を貫通して形成されている。
一方、押板20には、例えば、その上側板状部121の下面より下方に突出する係止用ボス123が形成されている。
例えば、押板20の連結部120の前部には、該連結部120の前部を前後に貫通する通し孔124が形成されている。板バネ42の他端部421は、この通し孔124を通過して、係止用ボス123側に導かれている。
板バネ42の他端部421は、その係止穴421aが係止用ボス123に対して係止されることにより、押板20の上側板状部121の下面側に係止されている。
【0045】
マガジン100にたばこ商品60を搭載するには、押板20をマガジン100の後部に向けて移動させ、押板20とフラップ部材30との間隔を広げ、その間隔にたばこ商品60を搭載する。
【0046】
押板20をマガジン100の後部に向けて(つまり押板20が板バネ繰出部41から離間する方向へ)移動させるのに伴い、板バネ42は、その弾性復帰力に抗して、胴体部411から後方へ繰り出される。板バネ42は、その弾性復帰力により、押板20を前方に(板バネ繰出部41側に)付勢する。
【0047】
押板20を後方へ移動させる力を解除すると、押板20は、板バネ42の弾性復帰力に従ってマガジン100の前部に向けて移動する。この移動に伴い、板バネ42はその弾性復帰力に従って胴体部411に巻き戻される。
【0048】
搭載部10にたばこ商品60が搭載されている場合、押板20は、最後尾のたばこ商品60の背面を前方に付勢し、先頭のたばこ商品60がフラップ部材30の背面に接触するまで各たばこ商品60を前方に移動させる。
【0049】
このように、押板20は、搭載部10に沿って前後に移動するように設けられ、付勢部40の付勢力によって、最後尾のたばこ商品60の背面を前方に付勢する。先頭のたばこ商品60が搭載部10から取り出されると、押板20は、残りのたばこ商品60を前方に移動させる。
【0050】
底板部11において、例えば、左右一対のスリット15の間に位置する部位の前端部は、板バネ繰出部41の前面側の外周に沿って上方に向けて屈曲し、残数表示窓18を構成している。マガジン100の前方より、この残数表示窓18を透視して、板バネ繰出部41に巻回された板バネ42を視認できるようになっている。
【0051】
例えば、残数表示窓18を透視して視認される板バネ42の色を確認することによって、搭載部10上に搭載されているたばこ商品60の残数が所定の個数(例えば5個)以下となったことを認識できるように、板バネ42の他端部421に近い所定の長さの部位には、着色シール(図示略)が貼り付けられている。この着色シールには、所定の色の着色が施されている。この所定の色とは、板バネ42において着色シールが貼り付けられていない部分とは、明度、彩度及び色相のうち少なくとも何れか1つが異なる色である。この所定の色は、例えば、赤などの目立つ色であることが好ましい。
【0052】
押板20の上部起立部223の前面には、上部起立部223の前面よりも摩擦係数が大きい材質の摩擦部材23が設けられている。
【0053】
摩擦部材23は、例えば、板面が前後方向を向く平板状に形成されている。
例えば、上部起立部223の上部には、前方に向けて開口する浅い凹部224が形成されている。凹部224に摩擦部材23が嵌め込まれ且つ貼り付けられることにより、摩擦部材23が凹部224に固定されている。なお、摩擦部材23の前部は、凹部224より前方に突出している。
このため、摩擦部材23は、最後尾のたばこ商品60の背面に接触する。
【0054】
摩擦部材23は、例えば、押板20の前面の上部(押板20の前面の上端と下端との中間位置よりも上の部分)に配置されている。より具体的には、摩擦部材23は、例えば、上部起立部223の前面の上部(上部起立部223の前面の上端と下端との中間位置よりも上の部分)に配置されている。
搭載部10上に2つ以上のたばこ商品60が搭載されているときには、摩擦部材23は、最後尾のたばこ商品60の背面の上部(たばこ商品60の背面の上端と下端との中間位置よりも上の部分)に接触する。なお、例えば、搭載部10上におけるたばこ商品60の残数が1個の場合にも、摩擦部材23は、そのたばこ商品60の背面の上部に接触する。
摩擦部材23の正面形状、及び、凹部224の正面形状は、例えば、円形であることが挙げられる。ただし、摩擦部材23及び凹部224の正面形状は、矩形などその他の形状であっても良い。
摩擦部材23は、例えば、押板20の材質よりも軟質の、ポリウレタン或いはその他の合成ゴムにより構成されている。
【0055】
フラップ部材30は、搭載部10の前端部に配置され、搭載部10に対して軸支されている。フラップ部材30は、常態である直立状態(例えば、図1(a)、図2乃至図5の状態)から、直立状態に対して規定の角度だけ前傾した状態である前傾状態(例えば、図1(b)の状態)までの角度範囲において、搭載部10に対して揺動可能となっている。
【0056】
フラップ部材30は、例えば、上方に向けて開口する半筐体状のフラップ本体31を有している。フラップ本体31は、例えば、前後方向厚みが薄い扁平な形状となっている。
【0057】
フラップ部材30は、更に、フラップ本体31の左右の側面からそれぞれ側方に突出している左右一対の揺動軸32(図5参照:ただし、左側(図中において右側)の揺動軸32はフラップ本体31に隠れているため図示されていない)と、フラップ本体31の左右の側面からそれぞれ側方に突出している左右一対の揺動規制突起33(図5)と、を有している。左右の揺動軸32は互いに同軸上に配置され、左右の揺動規制突起33も互いに同軸上に配置されている。
【0058】
搭載部10の右側壁部13の前端部には、軸支孔51と、弧状の長孔である揺動規制孔52とが、それぞれ右側壁部13を左右に貫通して形成されている。この軸支孔51により右側の揺動軸32が軸支されている。また、この揺動規制孔52内には右側の揺動規制突起33が入り込んでおり、該揺動規制突起33揺動範囲が該揺動規制孔52により規制されている。
なお、例えば、右側壁部13の外面に補強金具53が固定され、軸支孔51及び揺動規制孔52は、それぞれ、補強金具53及び右側壁部13を左右に貫通するように形成されている。これにより、これら軸支孔51及び揺動規制孔52が補強されている。
【0059】
また、図示は省略するが、搭載部10の左側壁部12にも、同様の補強金具53が固定されているとともに、同様の軸支孔51及び揺動規制孔52が形成され、この軸支孔51によって左側の揺動軸32が軸支され、揺動規制孔52によって左側の揺動規制突起33の揺動範囲が規定されている。
【0060】
これにより、フラップ部材30は、左右方向に延在する揺動中心軸(左右の揺動軸32を通過する軸)を中心として揺動可能に搭載部10に対して軸支されている。
【0061】
ここで、マガジン100を水平に配置した状態で、且つ、フラップ部材30を前傾させる力がフラップ部材30に加えられていない状態では、フラップ部材30は、自重によって、直立状態となるようになっている。
フラップ部材30が自重によって前傾状態から直立状態に復帰しやすいようにするため、フラップ部材30の揺動の角度範囲は、45°未満に設定されていることが好ましい。
【0062】
フラップ部材30が直立状態となったときには、揺動規制突起33が揺動規制孔52の一端部(図5に示すように、例えば前方斜め下方の端部)に当接し、フラップ部材30が後傾する方向への揺動が規制されるようになっている。
また、フラップ部材30が前傾状態(図1(b)参照)となったときには、揺動規制突起33が揺動規制孔52の他端部(例えば後方斜め上方の端部)に当接し、フラップ部材30が更に前傾する方向への揺動が規制されるようになっている。
このように、フラップ部材30は、搭載部10に対して規定の角度範囲だけ揺動するように、揺動規制突起33と揺動規制孔52とにより揺動範囲が規制されている。
【0063】
フラップ本体31は、例えば、それぞれ平板状に形成された前壁部311、後壁部312、左壁部313、右壁部314及び底板部315(図1、図2)を有している。フラップ本体31は、これら前壁部311、後壁部312、左壁部313、右壁部314及び底板部315により、フラップ部材30が直立状態となったときに上方に向けて開口する半筐体状に形成されている。
前壁部311及び後壁部312は、互いに平行に対向している。フラップ部材30が直立状態となったとき、前壁部311及び後壁部312は、それぞれ板面が前後方向を向き、後壁部312は、前壁部311の後方に位置する。
左壁部313及び右壁部314は、それぞれ板面が左右方向を向き、互いに平行に対向している。左壁部313は、前壁部311の左端と後壁部312の左端との間隔を閉塞し、右壁部314は、前壁部311の右端と後壁部312の右端との間隔を閉塞している。
底板部315は、前壁部311の下端と後壁部312の下端との間隔を閉塞し、フラップ部材30が直立状態となったとき、該底板部315の板面が上下方向を向く。
【0064】
フラップ部材30の上端の位置は、搭載部10に搭載されているたばこ商品60の上端よりも低く、例えば、たばこ商品60の下部(たばこ商品60の上端と下端との中間よりも下の部分)に位置している。
【0065】
フラップ本体31の前壁部311、後壁部312、左壁部313、右壁部314及び底板部315により囲まれた領域は、カード保持部34を構成している。このカード保持部34には、例えばプライスカード70(図5)などのカードを必要に応じて差し込んで、保持させることができるようになっている。
【0066】
カード保持部34にカードが保持された状態で、そのカードの上端位置は、後壁部312の上端位置よりも高く、前壁部311の上端位置と同じ又はそれ以下となる。
例えば、前壁部311の上下寸法、並びに、前壁部311の上端位置は、プライスカード70等の、カード保持部34にて保持すべきカードの上下寸法に応じて定まる。
プライスカードは、なるべく目立つようにするため、並びに、プライスカードにおいて表示することができる情報量を十分に確保するために、ある程度以上の寸法が必要である。
詳細は後述するように、本実施形態では、フラップ部材30の上端の位置を、その後部側ほど低くしたことにより、前壁部311の上下寸法、及び、プライスカードの上下寸法を十分に確保しても、マガジン100からたばこ商品60を所望の数だけ取り出し易いという効果が得られる。
なお、カードは、カード保持部34において、例えば、前壁部311の背面に接するように配置される。
【0067】
前壁部311を透視して、カード保持部34に差し込まれたカードの表示内容をマガジン100の前方から視認できるように、前壁部311は、透明樹脂などの透明材或いは半透明材により構成されている。
例えば、フラップ部材30の全体が、透明樹脂などの透明材或いは半透明材により構成されている。フラップ部材30の材質としては、例えば、ABS樹脂、ポリスチレン(例えば、ハイインパクトポリスチレン)が挙げられる。
【0068】
ここで、フラップ部材30の上端の位置は、後部側ほど低くなっている。
より具体的には、例えば、後壁部312の上端位置が、前壁部311の上端位置よりも低くなっている。
例えば、左壁部313及び右壁部314の上端位置も、前壁部311の上端位置よりも低くなっている。より具体的には、例えば、左壁部313及び右壁部314の上端位置は、後壁部312の上端位置と等しく設定されている。
【0069】
このようにフラップ部材30の上端の位置がその後部側ほど低くなっていることにより、詳細は後述するように、マガジン100からたばこ商品60を所望の数だけ取り出し易くなっている。
【0070】
また、後壁部312の上端面312aの少なくとも後部は、後方に向けて下り傾斜している。すなわち、例えば、上端面312aの後部には、後方に向けて下り傾斜するような面取り形状部312bが形成されている。
このことによっても、マガジン100からたばこ商品60を所望の数だけ取り出し易くなっている。
【0071】
次に、動作を説明する。
【0072】
例えば、複数のマガジン100が、図示しない商品陳列棚の棚に配置され、各マガジン100の搭載部10には、それぞれたばこ商品60が搭載される。搭載部10には、複数のたばこ商品60を縦置きで前後に一列に並ぶように搭載することができる。
【0073】
以下、たばこ商品60をマガジン100から取り出す際の動作モデルを詳述する。
【0074】
例えば、初期状態として、図1(a)に示すように、搭載部10に複数のたばこ商品60が搭載され、フラップ部材30が直立状態となっているものとする。
その後、オペレータが先頭のたばこ商品60aの上部を持って、該たばこ商品60aを搭載部10から前方に取り出す際には、先ず、図1(b)に示すように、フラップ部材30がたばこ商品60aの下部により前方に押されることによって、該フラップ部材30が直立状態から前傾状態となるまで揺動する。それとともに、先頭のたばこ商品60aは、フラップ部材30とともに、フラップ部材30の揺動軸32を中心として前傾方向に揺動し、図1(b)の揺動位置Y1の状態となる。
【0075】
フラップ部材30が直立状態から規定の角度範囲だけ揺動することにより、図1(b)に示す前傾状態となった段階で、フラップ部材30の揺動が規制(停止)される。このため、フラップ部材30が前傾状態となった後は、たばこ商品60aがフラップ部材30の上端部を支点として更に前傾方向に揺動する。
その揺動の過程の初期、すなわち、図1(b)に示す揺動位置Y1から揺動位置Y2までの揺動においては、たばこ商品60aは、後壁部312の上端部を支点として前傾方向に揺動する。
また、その揺動の過程の後期、すなわち、図1(b)に示す揺動位置Y2から後の段階での揺動(例えば、図1(b)に示す揺動位置Y3までの揺動)では、たばこ商品60aは、前壁部311の上端部を支点として前傾方向に揺動する。
【0076】
ここで、フラップ部材30の上端の位置が、その後部側ほど低くなっているので、フラップ部材30の上端が水平に形成されている場合と比べると、すなわち、該上端の全体が前壁部311の上端と同じ高さに設定されている場合(図6:後述)と比べると、たばこ商品60aがフラップ部材30の上端部を支点として揺動する際において、たばこ商品60aの下部の揺動半径を小さくできる。
よって、フラップ部材30の上端が水平に形成されている場合と比べると、たばこ商品60aがフラップ部材30の上端部を支点として揺動する際において、たばこ商品60aの下端の後端部Kの後方への移動量ΔL1(図1(b))を抑制できる。
【0077】
ここで、たばこ商品60aの後端部Kを含む部分は、フラップ部材30の上端部を支点とする揺動に伴い、後方へ移動しながら上方へ移動する旋回動作を行うため、該後端部Kを含む部分は、前から2番目のたばこ商品60bの前面の下部を後方斜め上方へ蹴り上げるように動作する。
この蹴り上げ動作により、前から2番目のたばこ商品60bが搭載部10から脱落したり、或いは、該たばこ商品60bの姿勢(搭載状態)が乱れたりする。
たばこ商品60bの姿勢が乱れた場合、その後、たばこ商品60bが押板20により勢いよく前送りされる際に、該たばこ商品60bが搭載部10から脱落(例えば、フラップ部材30を乗り越えて前方に脱落するなど)しやすい。
【0078】
これに対し、本実施形態では、後端部Kの後方への移動量ΔL1を抑制できることから、後端部Kがたばこ商品60bを後方斜め上方へ蹴り上げる力を低減できる。
これにより、前から2番目のたばこ商品60bの脱落や、その搭載状態の乱れを抑制できる。
【0079】
また、オペレータが先頭から所定の個数までの複数のたばこ商品60をまとめて取り出す場合についても、同様のメカニズムにより、それらたばこ商品60の後方に隣接する他のたばこ商品60の脱落や、その搭載状態の乱れを抑制できる。
【0080】
よって、本実施形態に係るマガジン100によれば、たばこ商品60を取り出したい所望の数だけ取り出し易くなり、且つ、取り出したいたばこ商品60の後方に隣接するたばこ商品60の脱落や列の乱れの発生を抑制できる。
【0081】
また、フラップ部材30の後壁部312の上端面312aの少なくとも後部は、後方に向けて下り傾斜する面取り形状部312bとなっている。このことにより、たばこ商品60aがフラップ部材30の上端部を支点として揺動する際において、たばこ商品60aの下部の揺動半径を一層小さくすることができるため、後端部Kの後方への移動量ΔL1(図1(b))を一層抑制できる。
これにより、より一層、たばこ商品60を取り出したい所望の数だけ取り出し易くなり、且つ、取り出したいたばこ商品60の後方に隣接するたばこ商品60の脱落や列の乱れの発生を抑制できる。
【0082】
また、フラップ部材30の左壁部313及び右壁部314の上端位置も、前壁部311の上端位置よりも低い(例えば、後壁部312の上端位置と同じである)。これにより、たばこ商品60aがフラップ部材30の後壁部312の上端部を支点として前傾方向に揺動する過程(揺動位置Y1から揺動位置Y2までの揺動の過程)において、左壁部313及び右壁部314がたばこ商品60aに干渉しないようにすることができる。よって、好適に、たばこ商品60aの下部の揺動半径を小さくでき、その後端部Kの後方への移動量ΔL1を抑制できる。
【0083】
また、押板20の前面には、押板20の前面よりも摩擦係数が大きい材質の摩擦部材23が設けられ、摩擦部材23は、最後尾のたばこ商品60の背面に接触するので、最後尾のたばこ商品60と押板20との摩擦力を高めることができる。よって、例えば、前から2番目のたばこ商品60bが最後尾のたばこ商品60である場合などにおいて、先頭のたばこ商品60aなどの取り出しの際に、最後尾のたばこ商品60の脱落や列の乱れが発生してしまうことを、その摩擦力によって抑制することができる。
特に、摩擦部材23が押板20の前面の上部に配置されていることにより、先頭のたばこ商品60aの後端部Kが前から2番目のたばこ商品60bの前面を後方斜め上方へ蹴り上げる力の向きに対してほぼ反対方向の反力を、摩擦部材23から、最後尾で且つ前から2番目のたばこ商品60bへ、付与することができる。
よって、最後尾で且つ前から2番目のたばこ商品60bの脱落や列の乱れを一層抑制できる。
【0084】
また、摩擦部材23は、最後尾のたばこ商品60の背面の上部に接触する。これにより、搭載部10に搭載されている複数のたばこ商品60の上端部同士の離間を抑制でき、搭載部10上にたばこ商品60を整然と整列させることができる。
仮に、搭載部10上の複数のたばこ商品60の上端部同士が離間した状態(前側のたばこ商品60ほど前傾し、後側のたばこ商品60ほど後傾した状態)となってしまうと、以下のような不具合が生じる。先ず、マガジン100から先頭のたばこ商品60a、或いは、先頭のたばこ商品60aを含む複数のたばこ商品60が取り出されたとする。次に、残りのたばこ商品60が押板20により勢いよく前送りされる。次に、前送りされたたばこ商品60のうち先頭のたばこ商品60がフラップ部材30に突き当たって停止する。すると、後方のたばこ商品60の上端部が玉突き式に順次に前側のたばこ商品60に追突する。その結果、残りのたばこ商品60のうち前の方に位置するたばこ商品60が、例えばフラップ部材30を越えて前方に弾き出されたりする。
これに対し、本実施形態では、上述のように、摩擦部材23が最後尾のたばこ商品60の背面の上部に接触することにより、搭載部10上にたばこ商品60を整然と整列させることができる。よって、上述のように複数のたばこ商品60が玉突き式に順次に追突してマガジン100から脱落してしまうことを抑制することができる。
【0085】
図6は比較例に係るマガジンの動作を示す図であり、該マガジンの前部の側断面図である。図6(a)は、フラップ部材30が直立状態となっている状態を示し、図6(b)は、フラップ部材30が前傾状態となっている状態を示す。
比較例に係るマガジンは、図6(a)及び(b)に示すように、フラップ部材30の上端の全体が前壁部311の上端と同じ高さに設定されている点と、押板20の前面に摩擦部材23が設けられておらず押板20の前面が平坦となっている点において、本実施形態に係るマガジン100と相違し、その他の点では、マガジン100と同様に構成されている。
以下、図6を参照して、比較例に係るマガジンの問題点を説明する。
【0086】
比較例の場合の動作は、フラップ部材30が前傾状態となるとともに、先頭のたばこ商品60aが揺動位置Y1(図6(b))へ前傾するまでの動作は、実施形態に係るマガジン100の場合(図1(b))と同様である。
【0087】
フラップ部材30が前傾状態となった後は、たばこ商品60aがフラップ部材30の上端部を支点として更に前傾方向に揺動する。
その揺動の過程、すなわち図6(b)の揺動位置Y1から揺動位置Y21に揺動し、更に、揺動位置Y31に揺動する過程では、たばこ商品60aは、後壁部312の上端部を支点として前傾方向に揺動する。
ここで、フラップ部材30の後壁部312の上端部の位置が、前壁部311の上端位置と等しいので、本実施形態に係るマガジン100の場合(図1(b))と比べると、たばこ商品60aがフラップ部材30の上端部を支点として揺動する際において、たばこ商品60aの下部の揺動半径が大きくなってしまう。
よって、本実施形態に係るマガジン100の場合と比べると、たばこ商品60aがフラップ部材30の上端部を支点として揺動する際において、たばこ商品60aの下端の後端部Kの後方への移動量ΔL2(図6(b))が増大してしまう。
【0088】
ここで、たばこ商品60aの後端部Kを含む部分は、旋回動作により、前から2番目のたばこ商品60bの前面を後方斜め上方へ蹴り上げるように動作する。
比較例の場合、移動量ΔL2が大きいため、この蹴り上げ動作により、前から2番目のたばこ商品60bの脱落や、その姿勢の乱れが発生しやすい。
なお、たばこ商品60は、例えば、フィルム包装されており、隣接するたばこ商品60間には、ある程度の摩擦が存在し、また、隣接するたばこ商品60同士は静電気により密着していたりする。このため、尚更、たばこ商品60bの脱落や、その姿勢の乱れが発生しやすい。
【0089】
オペレータが先頭から所定の個数までの複数のたばこ商品60をまとめて取り出す場合についても、同様のメカニズムにより、それらたばこ商品60の後方に隣接する他のたばこ商品60がマガジンから脱落してしまったり、その搭載状態が乱れてしまったりしやすい。
【0090】
また、比較例の場合、押板20の前面に摩擦部材23が設けられていないため、本実施形態に係るマガジン100の場合と比べて、押板20と最後尾のたばこ商品60との摩擦力が弱い。このため、例えば、前から2番目のたばこ商品60bが最後尾のたばこ商品60である場合などにおいて、先頭のたばこ商品60aなどの取り出しの際に、最後尾のたばこ商品60の脱落や列の乱れが発生しやすくなってしまう。
【0091】
しかも、比較例の場合、最後尾のたばこ商品60の背面の上部に接触する摩擦部材23を有していないことから、本実施形態に係るマガジン100の場合と比べて、搭載部10上の複数のたばこ商品60の上端部同士が離間した状態となりやすい。よって、上述のように複数のたばこ商品60が玉突き式に順次に追突することによっても、マガジンからのたばこ商品60の脱落が発生しやすくなってしまう。
【0092】
以上のような実施形態によれば、マガジン100からたばこ商品60を所望の数だけ取り出し易くすることができるとともに、取り出したいたばこ商品60の後方に隣接するたばこ商品60のマガジン100からの脱落や列の乱れの発生を抑制することができる。
【0093】
なお、上記の実施形態では、マガジン100がたばこ商品60を収容する例を説明したが、マガジン100は、たばこ商品60以外であっても、小型、定型の箱型(例えば扁平な直方体形状の箱型)の商品を収容することができる。
【0094】
また、上記の実施形態では、フラップ部材30が自重のバランスによって、常態において垂直状態となる例を説明したが、マガジン100は、フラップ部材30が常態において垂直状態となるようにフラップ部材30を付勢するフラップ付勢部(例えば、ねじりバネなどのバネ)を有していても良い。
【0095】
また、上記の実施形態では、フラップ部材30が前壁部311と後壁部312(及び左壁部313と右壁部314)を有する例を説明したが、フラップ部材30は、板面が前後方向を向く一枚板により構成され、その上端面が後部側ほど低くなっていても良い。
【0096】
また、上記の実施形態では、フラップ部材30の前壁部311と後壁部312との間にカード保持部34が形成されている例を説明したが、前壁部311よりも前側にカード保持部が形成されていても良い。更に、そのカード保持部の上端位置が、前壁部311の上端位置よりも(或いは後壁部312の上端位置よりも更に)低くても良い。
【符号の説明】
【0097】
10 搭載部
11 底板部
12 左側壁部
13 右側壁部
14 後壁部
14a 前板部
14b 後板部
14c カード保持部
15 スリット
16 ガイドレール
17 突条部
17a 傾斜部
18 残数表示窓
20 押板
21 背面側補強リブ
22 前面側補強リブ
23 摩擦部材
30 フラップ部材
31 フラップ本体
32 揺動軸
33 揺動規制突起
34 カード保持部
40 付勢部
41 板バネ繰出部
42 板バネ
51 軸支孔
52 揺動規制孔
53 補強金具
60 たばこ商品
60a たばこ商品
60b たばこ商品
70 プライスカード
100 マガジン
120 連結部
121 上側板状部
122 係合爪
123 係止用ボス
124 通し孔
220 背板
221 下部起立部
222 前方突出部
223 上部起立部
224 凹部
311 前壁部
312 後壁部
312a 上端面
312b 面取り形状部
313 左壁部
314 右壁部
315 底板部
411 胴体部
412 フランジ部
421 他端部
421a 係止穴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の商品が前後方向に一列に搭載される搭載部と、
前記搭載部に沿って前後に移動するように設けられ、最後尾の前記商品の背面を前方に付勢する押板と、
前記搭載部の前端部において、常態である直立状態と、前傾状態と、に揺動可能に軸支され、前記直立状態では前記押板と対向するフラップ部材と、
を有し、
前記フラップ部材の上端の位置は、後部側ほど低くなっていることを特徴とするマガジン。
【請求項2】
前記フラップ部材は、前壁部と、前記前壁部の後方において前記前壁部と対向して配置された後壁部と、を有し、
前記後壁部の上端位置が、前記前壁部の上端位置よりも低いことを特徴とする請求項1に記載のマガジン。
【請求項3】
前記フラップ部材は、前記前壁部の左端と前記後壁部の左端との間隔を閉塞する左壁部と、前記前壁部の右端と前記後壁部の右端との間隔を閉塞する右壁部と、を有し、
前記左壁部及び前記右壁部の上端位置が、前記前壁部の上端位置よりも低いことを特徴とする請求項2に記載のマガジン。
【請求項4】
前記前壁部と前記後壁部との間にカードが保持され、
前記カードの上端位置は、前記後壁部の上端位置よりも高く、前記前壁部の上端位置と同じであるか又はそれ以下であることを特徴とする請求項2又は3に記載のマガジン。
【請求項5】
前記後壁部の上端面の少なくとも後部は、後方に向けて下り傾斜していることを特徴とする請求項2乃至4の何れか一項に記載のマガジン。
【請求項6】
前記押板の前面には、前記押板の前面よりも摩擦係数が大きい材質の摩擦部材が設けられ、
前記摩擦部材は、最後尾の前記商品の背面に接触することを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載のマガジン。
【請求項7】
前記摩擦部材は、前記押板の前面の上部に配置されていることを特徴とする請求項6に記載のマガジン。
【請求項8】
前記摩擦部材は、最後尾の前記商品の背面の上部に接触することを特徴とする請求項7に記載のマガジン。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate