説明

マガジン

【課題】マガジンの搭載部上に複数の商品を整然と整列させる。
【解決手段】マガジン100は、複数の商品(たばこ商品60)が前後方向に一列に搭載される搭載部10と、搭載部10に沿って前後に移動するように設けられ最後尾の商品(たばこ商品60b)の背面を前方に付勢する押板部220を有している。押板部220の前面の上部(例えば、上部起立部223の前面)が、押板部220の前面の下部(例えば、下部起立部221及び前方突出部222の前面)よりも前方に位置している。搭載部10に複数の商品が搭載されている状態で、押板部220の前面の上部が、最後尾の商品の背面の少なくとも上部を前方に付勢する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の商品が前後方向に一列に搭載されるマガジンに関し、特に、複数の商品を整然と整列させることが可能なマガジンに関する。
【背景技術】
【0002】
コンビニエンスストアなどの店舗では、様々な商品がいわゆる什器(商品陳列棚)に陳列されている。
【0003】
多様な商品のうち、例えばたばこ商品などの特定の商品を陳列するための什器は、電子キャッシュレジスタなどの販売処理装置が載置されたレジカウンタ上又はその周辺に配置されることが一般的である。
【0004】
なお、ここで云うたばこ商品とは、実際に喫煙される紙巻たばこではなく、複数の紙巻たばこを収容している直方体状のパッケージを意味している。
【0005】
什器の棚には、例えば、マガジンなどと呼ばれる容器が複数設置され、各マガジンには、複数の商品を前後方向に一列に搭載でき、先頭の商品から順にマガジンから取り出せるようになっている。
【0006】
特許文献1には、複数の商品が前後方向に一列に搭載される搭載部と、搭載部に沿って前後に移動するように設けられ最後尾の商品の背面を前方に付勢する押板部(同文献の押圧板)と、搭載部の前端部において直立状態と前傾状態とに揺動可能に軸支されたフラップ部材(同文献の取出し板)と、を有するマガジン(同文献の商品用陳列ケース)が記載されている。フラップ部材は、常態(通常状態)において直立状態となり、押板部と対向する。先頭の商品の上部を手で持って前方に取り出す際には、商品とともにフラップ部材が前傾するので、商品を搭載部から取り出しやすくなる。
【0007】
特許文献2には、搭載部と、押板部と、を有し、押板部の前面部における上下方向の中央部に凸状部が形成されたマガジン(同文献の商品前出し陳列装置)が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2000−60691号公報
【特許文献2】特開2007−135875号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、マガジンの搭載部に複数の商品を搭載したときには、前後に隣接する商品の上端部同士が離間してしまい、複数の商品を整然と整列させることができない場合がある。例えば、特許文献2の技術では、商品よりも上下寸法が小さい押板部の前面部の中央部に凸状部が形成されているため、凸状部は商品の下部を前方に押す。商品のパッケージは紙などの柔軟な材質であることが多く、下部が前方に押されることにより、複数の商品の下部が密接する。このため、前後に隣接する商品の上端部同士が離間しやすい。
【0010】
このように搭載部上の複数の商品の上端部同士が離間しているときに、例えば先頭の商品がマガジンから取り出された際には、以下のような不具合が生じる場合がある。
先頭の商品がマガジンから取り出されると、先ず、残りの商品が押板部により勢いよく前送りされる。次に、更に前送りされた商品のうち先頭の商品が搭載部の前端部に突き当たって停止する。次に、後方の商品の上端部が玉突き式に順次に前側の商品に追突する。その結果、残りの商品のうち前の方に位置する商品が、搭載部の前方に弾き出される場合がある。
【0011】
本発明は、上記の課題に鑑みなされたものであり、マガジンの搭載部上に複数の商品を整然と整列させることが可能なマガジンを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、複数の商品が前後方向に一列に搭載される搭載部と、
前記搭載部に沿って前後に移動するように設けられ、最後尾の前記商品の背面を前方に付勢する押板部と、
を有し、
前記押板部の前面の上部が、前記押板部の前記前面の下部よりも前方に位置し、
前記搭載部に複数の前記商品が搭載されている状態で、前記押板部の前記前面の上部が、最後尾の前記商品の背面の少なくとも上部を前方に付勢することを特徴とするマガジンを提供する。
【0013】
このマガジンによれば、押板部の前面の上部が押板部の前面の下部よりも前方に位置し、押板部の前面の上部が最後尾の商品の背面の少なくとも上部を前方に付勢するので、搭載部に搭載されている複数の商品の上端部同士の離間を抑制することができる。すなわち、マガジンの搭載部上に複数の商品を整然と整列させることができる。
このため、先頭の1つ或いは複数の商品がマガジンから取り出された際に、搭載部上の複数の商品の上端部同士が離間していることに起因して、残りの商品のうち前の方に位置する商品が玉突き式に搭載部の前方に弾き出されてしまうといった不具合の発生を抑制することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、マガジンの搭載部上に複数の商品を整然と整列させることができ、その結果として、搭載部からの商品の予期しない脱落を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】第1の実施形態に係るマガジンの側断面図である。
【図2】第1の実施形態に係るマガジンの斜視図である。
【図3】第1の実施形態に係るマガジンの平面図である。
【図4】第1の実施形態に係るマガジンの前送りユニットを示す側面図及び側断面図である。
【図5】第1の実施形態に係るマガジンの正面断面図である。
【図6】第1の実施形態に係るマガジンの前部の斜視図である。
【図7】第1の実施形態に係るマガジンの前部の側断面図であり、押板部が最前位置に前進した状態を示す。
【図8】第1の実施形態に係るマガジンのフラップ部材の動作を示す側断面図である。
【図9】マガジンの付勢部の板バネ繰出部を示す斜視図である。
【図10】第2の実施形態に係るマガジンの前送りユニットを示す図である。
【図11】第2の実施形態に係るマガジンの搭載部の正面断面図である。
【図12】第2の実施形態に係るマガジンの正面断面図である。
【図13】第2の実施形態に係るマガジンの前送りユニットと搭載部の底板部との連結箇所を示す側断面図である。
【図14】第2の実施形態に係るマガジンの搭載部の後部の側断面図である。
【図15】第3の実施形態に係るマガジンの斜視図である。
【図16】比較例に係るマガジンの問題点を示す模式的な側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、適宜に説明を省略する。
【0017】
〔第1の実施形態〕
図1は第1の実施形態に係るマガジン100の側断面図、図2はマガジン100の斜視図、図3はマガジン100の平面図である。図4はマガジン100の前送りユニット20を示す図であり、このうち図4(a)は側面図、図4(b)は側断面図である。図5はマガジン100の正面断面図(図3のA−A矢視断面図)である。図6はマガジン100の前部の斜視図である。なお、図6では、前送りユニット20の図示を省略し、付勢部40の板バネ42の一端部421を示している。図7はマガジン100の前部の側断面図であり、前送りユニット20が最前位置に前進した状態を示す。図8はフラップ部材30の動作を示すマガジン100の前部の側断面図であり、フラップ部材30が前傾状態となった状態を示す。図9はマガジン100の付勢部40の板バネ繰出部41を示す斜視図である。
【0018】
本実施形態に係るマガジン100は、複数の商品(例えば、たばこ商品60)が前後方向に一列に搭載される搭載部10と、搭載部10に沿って前後に移動するように設けられ最後尾の商品(たばこ商品60b)の背面を前方に付勢する押板部220と、を有している。押板部220の前面の上部(例えば、上部起立部223の前面)が、押板部220の前面の下部(例えば、下部起立部221及び前方突出部222の前面)よりも前方に位置している。搭載部10に複数の商品が搭載されている状態で、押板部220の前面の上部が、最後尾の商品の背面の少なくとも上部を前方に付勢する。以下、詳細に説明する。
【0019】
図1乃至図3に示すように、搭載部10は、例えば、上方及び前方に向けて開口する筐体状に形成されている。搭載部10は、例えば、底板部11と、左側壁部12と、右側壁部13と、後壁部14と、を有している。
【0020】
左側壁部12は、底板部11の左端部より垂直に起立するように設けられた平板状の部分であり、右側壁部13は、底板部11の右端部より垂直に起立するように設けられた平板状の部分である。左右の側壁部12、13は、それぞれ板面が左右方向を向き、互いに平行に対向している。
【0021】
後壁部14は、底板部11の後端部より垂直に起立するように設けられている。
後壁部14は、例えば、2重の板状部、すなわち前板部14a及び後板部14bを有する。
前板部14aは、底板部11の後端に対して直交するように設けられた平板状の部分であり、その板面が前後方向を向いている。後板部14bは、前板部14aから僅かに後方に離間した位置において前板部14aと平行に対向するように、該前板部14aと一体的に設けられている。
【0022】
前板部14aと後板部14bとの間には、カード保持部14cが形成されている。なお、カード保持部14cの左右端と、下端は、それぞれ閉塞されている。
カード保持部14cには、例えばプライスカード(図示略:後述するプライスカード70(図6)と同様)などのカードを必要に応じて差し込んで、保持させることができるようになっている。プライスカードとは、例えば、商品の銘柄及びその値段を表示するカードである。
後板部14bを透視して、カード保持部14cに差し込まれたカードの表示内容をマガジン100の後方から視認できるように、後板部14bは、透明樹脂などの透明材或いは半透明材により構成されている。
なお、例えば、搭載部10の全体が、透明樹脂などの透明材或いは半透明材により一体形成されている。搭載部10の材質としては、例えば、ABS樹脂、ポリスチレン(例えば、ハイインパクトポリスチレン)が挙げられる。
【0023】
搭載部10は、前後方向に長尺に形成されている。従って、底板部11、左側壁部12及び右側壁部13は、前後方向に長尺に形成されている。
【0024】
搭載部10の前端部には、フラップ部材30(詳細後述)が常態において直立するように軸支されている。すなわち、フラップ部材30は、常態において、搭載部10の前側の壁部を構成する。
【0025】
搭載部10において、底板部11と、左側壁部12と、右側壁部13と、後壁部14と、フラップ部材30と、により囲まれた半筐体状の領域には、複数のたばこ商品60を縦置きで前後方向に一列に搭載し、収容できるようになっている。搭載部10には、例えば、最大で15個のたばこ商品60を搭載可能となっている。
【0026】
図2及び図3に示すように、底板部11には、その長手方向(つまり前後方向)に沿って、左右一対のスリット15が形成されている。これらスリット15は、それぞれ底板部11の表裏を貫通している。すなわち、搭載部10は、前後方向に延在するスリット15が表裏を貫通して形成された底板部11を有している。
【0027】
底板部11において、各スリット15の外方縁部は、それぞれ、前送りユニット20の前後移動をガイドするガイドレール16を構成している。
本実施形態の場合、ガイドレール16の上面には、上向きに突出し、且つ、前後方向に延在する上側突条部16aが形成され、ガイドレール16の下面には、下向きに突出し、且つ、前後方向に延在する下側突条部16bが形成されている。
【0028】
底板部11の上面において、各ガイドレール16の外方に位置する部分の各々には、底板部11の上面より上方に起立し、且つ、前後方向に延在する突条部17が形成されている。
【0029】
たばこ商品60は、これら突条部17間に架設されるようにして、搭載部10に搭載される。たばこ商品60は、前送りユニット20の押板部220により押されて前方に移動する際に、これら突条部17と、左右の側壁部12、13と、にガイドされて前方に摺動する。
【0030】
突条部17の前端部は、前方に向けて上り傾斜した傾斜部17aとなっており、搭載部10の前端部に前送りされたたばこ商品60(先頭のたばこ商品60a)(図1)はこの傾斜部17aの傾斜に沿って上方に持ち上げられるようになっている。なお、例えば、前から2番目以降のたばこ商品60は、傾斜部17a上に乗り上げないように、傾斜部17aの形成範囲が設定されている。
【0031】
前送りユニット20は、底板部11と連結された状態で、底板部11に沿って前後移動するようになっている。
【0032】
図1乃至図4に示すように、前送りユニット20は、底板部11に対して連結された連結部120と、この連結部120の前端より起立するように設けられ最後尾のたばこ商品60の背面を前方に付勢する押板部220と、を有している。
【0033】
連結部120は、例えば、底板部11における左右の突条部17同士の間の部分の上面に沿って配置された上側板状部(上側スライド部)121と、上側板状部121の下面より下方に突出するように設けられた左右一対の係合爪122と、を有している。
【0034】
上側板状部121の左右両端部は、それぞれ、左右のガイドレール16の上面に沿って配置されている。上側板状部121は、平板状に形成され、ほぼ水平に配置される。
例えば、右側の係合爪122は、正面形状及び正面断面形状がL字状の形状をなし、左側の係合爪122は、右側の係合爪122を左右反転した形状をなしている。
これら係合爪122は、それぞれ、スリット15を介して底板部11の下方に突出し、各係合爪122の先端部(下側スライド部)122a(水平に配置されている部分)は、各ガイドレール16の下面に沿って配置されている。
すなわち、連結部120は、左側の係合爪122の先端部122aと、上側板状部121の左端部とにより、左側のガイドレール16を上下から挟み込んで保持し、且つ、右側の係合爪122の先端部122aと、上側板状部121の右端部とにより、右側のガイドレール16を上下から挟み込んで保持している。
このようにして、連結部120は、底板部11に対して連結され、且つ、底板部11に対して前後にスライド移動可能となっている。
すなわち、マガジン100は、底板部11におけるスリット15の縁部(ガイドレール16)に対して前後方向にスライド自在に連結された連結部120を有している。連結部120は、スリット15の縁部の上面に沿って前後方向にスライド移動する上側スライド部(上側板状部121)と、スリット15の縁部の下面に沿って前後方向にスライド移動する下側スライド部(係合爪122の先端部122a)と、を有している。
なお、本実施形態の場合、上側板状部(上側スライド部)121の下面が平坦であるとともに、係合爪122の先端部(下側スライド部)の上面が平坦である。
連結部120が前後方向にスライド移動する際には、上側板状部121の下面は、ガイドレール16の上側突条部16aによりガイドされ、係合爪122の先端部122aの上面は、ガイドレール16の下側突条部16bによりガイドされる。
【0035】
なお、前送りユニット20が最も前進(最前位置に前進)したときに、押板部220の前面(例えば、以下に説明する上部起立部223の前面)がフラップ部材30の背面(例えば、後述する後壁部312の背面)に対して僅かなクリアランス(例えば、0.2mm程度)で離間するか、或いは接触するように、前送りユニット20の前後移動範囲が設定されている。
【0036】
押板部220は、例えば、連結部120の前端部より上方に起立している下部起立部221と、この下部起立部221の上端部より前方(例えば前方斜め上方)に突出している前方突出部222と、この前方突出部222の突出方向における先端部より上方に起立している上部起立部223と、を有している。
このように、押板部220は、連結部120より上方に起立するように連結部120と一体的に設けられている。
【0037】
例えば、下部起立部221、前方突出部222及び上部起立部223は、それぞれ板状に形成されている。下部起立部221と上部起立部223は、例えば、それぞれ板面が前後方向を向いている。前方突出部222は、例えば、板面が前方斜め下方及び後方斜め上方を向いている。
【0038】
上部起立部223の前面は、平坦に形成され、直立している。上部起立部223の前面は、最後尾のたばこ商品60bの背面の上部(たばこ商品60bの背面の上端と下端との中間位置よりも上の部分)から下部にかけての部位に対してほぼ面接触し、該たばこ商品60bを前方に付勢する(押す)。
すなわち、押板部220の前面の上部(上部起立部223の前面)は、押板部220の前面の下部(下部起立部221及び前方突出部222の前面)よりも前方に位置し、最後尾のたばこ商品60bの背面の少なくとも上部を前方に付勢する。
【0039】
上部起立部223の上下寸法は、下部起立部221の上下寸法よりも大きい。例えば、上部起立部223の上下寸法は、縦置きしたときのたばこ商品60の上下寸法の1/2以上とすることが好ましく、例えば、その2/3程度に設定することができる。
【0040】
例えば、前送りユニット20の背面側には、複数条(例えば2条)の背面側補強リブ21が設けられ、前送りユニット20の前面側にも、複数条(例えば3条)の前面側補強リブ22が設けられている。
【0041】
前送りユニット20は、例えば、その全体が樹脂により一体形成されている。前送りユニット20の材質としては、例えば、POM(Polyoxymethylene、Polyacetal)などが挙げられる。
【0042】
前送りユニット20の上部起立部223の前面には、該前面よりも前方に向けて突出するように、摩擦部材(突起部)23が設けられている。この摩擦部材23は、最後尾のたばこ商品60bの背面の上部に接触する。
【0043】
摩擦部材23は、例えば、板面が前後方向を向く平板状に形成されている。
例えば、上部起立部223の上部には、前方に向けて開口する浅い凹部224が形成されている。凹部224に摩擦部材23が嵌め込まれ且つ貼り付けられることにより、摩擦部材23が凹部224に固定され、且つ、摩擦部材23の前部は、凹部224より前方に突出している。
【0044】
なお、摩擦部材23は、例えば、その底部(マガジン100の後部側)が、フランジ状に張り出して、凹部224の内周に嵌め込まれている。一方、摩擦部材23の頂部側(フランジ状の底部よりもマガジン100の前側の部分)と、凹部224の内周との間には、クリアランスC(図4(b))が存在している。
【0045】
摩擦部材23は、例えば、押板部220の前面の上部(押板部220の前面の上端と下端との中間位置よりも上の部分)に配置されている。より具体的には、摩擦部材23は、例えば、上部起立部223の前面の上部(上部起立部223の前面の上端と下端との中間位置よりも上の部分)に配置されている。
搭載部10上に2つ以上のたばこ商品60が搭載されているときには、摩擦部材23は、最後尾のたばこ商品60の背面の上部(たばこ商品60の背面の上端と下端との中間位置よりも上の部分)に接触する。なお、例えば、搭載部10上におけるたばこ商品60の残数が1個の場合にも、摩擦部材23は、そのたばこ商品60の背面の上部に接触する。
摩擦部材23の正面形状、及び、凹部224の正面形状は、例えば、円形であることが挙げられる。ただし、摩擦部材23及び凹部224の正面形状は、矩形などその他の形状であっても良い。
【0046】
摩擦部材23は、前送りユニット20の上部起立部223の前面よりも摩擦係数が大きい材質により構成されている。
摩擦部材23は、例えば、前送りユニット20の材質よりも軟質の、ポリウレタン或いはその他の合成ゴムにより構成されている。
【0047】
マガジン100は、前送りユニット20を前方に付勢するために、以下に説明する付勢部40(図1、図6〜図8)を有している。
【0048】
付勢部40は、例えば、搭載部10の前端部において回動可能に軸支されている板バネ繰出部(軸部)41と、この板バネ繰出部41より繰り出し可能に該板バネ繰出部41に巻回されている長尺な板バネ(ゼンマイバネ)42と、を有する。
【0049】
図9に示すように、板バネ繰出部41は、例えば、ボビン(ドラム)形状に形成されている。すなわち、板バネ繰出部41は、例えば、軸方向が左右方向を向く円筒又は円柱状の胴体部411と、この胴体部411の左右両端部にそれぞれ形成された円板状のフランジ部412と、を有している。更に、板バネ繰出部41は、フランジ部412より左右にそれぞれ突出し、互いに同軸上に配置されている一対の回転軸413を有している。
板バネ繰出部41は、これら一対の回転軸413が軸周りに回転するとともに、板バネ繰出部41の全体が回転するように、図6に示すように搭載部10の前端部に軸支されている。
なお、胴体部411の周面には、複数の凹部414が形成されている。
【0050】
板バネ42は、その一端部421が前送りユニット20の連結部120に固定されている。
より具体的には、例えば、一端部421には、該一端部421を前送りユニット20に係止するための係止穴421a(図6)が、該一端部421の表裏を貫通して形成されている。
一方、前送りユニット20には、例えば、その上側板状部121の下面より下方に突出する係止用ボス123(図1、図4、図5)が形成されている。
例えば、前送りユニット20の連結部120の前部には、該連結部120の前部を前後に貫通する通し孔124が形成されている。板バネ42の一端部421は、この通し孔124を通過して、係止用ボス123側に導かれている。
板バネ42の一端部421は、その係止穴421aが係止用ボス123に対して係止されることにより、前送りユニット20の上側板状部121の下面側に係止されている。
【0051】
板バネ42は、その他端部(図示略)が板バネ繰出部41の胴体部411に連結され、該板バネ42の板面が胴体部411の周面に沿って巻き付くように、胴体部411に対して渦巻き状に巻回されている。板バネ42は、左右一対のフランジ部412によりガイドされることにより、その巻きの乱れが抑制される。
【0052】
なお、板バネ42の他端部は、例えば、板バネ42が胴体部411に巻き付こうとする弾性力によって、胴体部411に巻き付くことで、胴体部411に連結されている。
【0053】
板バネ42の一端部421(図6)は、例えば、胴体部411の下側から、板バネ42の弾性復帰力に抗してマガジン100の後方に向けて繰り出し可能となっている。
【0054】
マガジン100にたばこ商品60を搭載(補充)するには、前送りユニット20をマガジン100の後部に向けて移動させ、前送りユニット20とフラップ部材30との間隔を広げ、その間隔にたばこ商品60を搭載する。
【0055】
前送りユニット20をマガジン100の後部に向けて(つまり前送りユニット20が板バネ繰出部41から離間する方向へ)移動させるのに伴い、板バネ42は、その弾性復帰力に抗して、胴体部411から後方へ繰り出される。この繰り出し動作に伴い、板バネ繰出部41が回転軸413の軸周りにおいて一方向に回転する。板バネ42は、その弾性復帰力により、前送りユニット20を前方に(板バネ繰出部41側に)付勢する。
【0056】
前送りユニット20を後方へ移動させる力を解除すると、前送りユニット20は、板バネ42の弾性復帰力に従ってマガジン100の前部に向けて移動する。この移動に伴い、板バネ42はその弾性復帰力に従って胴体部411に巻き戻される。この際に、板バネ繰出部41は、上記一方向に対する反対方向へ回転する。
【0057】
ここで、板バネ42の他端部は、その巻き付き力によって、胴体部411に対して固定され、胴体部411に対して回転しないようになっていることが一例として挙げられるが、胴体部411に対して回転できる程度の巻き付き力で胴体部411に対して巻き付いていても良い。
【0058】
上記のように胴体部411の周面に複数の凹部414が形成されていることで、胴体部411と板バネ42の他端部との接触面積が低減するとともにそれらの摩擦力が低減し、板バネ42の他端部を胴体部411に対して回転させやすくなっている。これにより、板バネ42がその弾性復帰力により胴体部411に巻き戻される際には、板バネ繰出部41が搭載部10に対して回転することによって板バネ42が胴体部411に巻かれるだけでなく、板バネ42が胴体部411に対して巻き付く方向へと胴体部411に対して相対的に回転することによっても、板バネ42が胴体部411に巻かれることとなる。よって、板バネ42の他端部を胴体部411に対して回転することで、よりスムーズに、板バネ42が胴体部411に巻かれるようになる。
特に、胴体部411に対する板バネ42の巻回量が少ないときほど、板バネ42が胴体部411に回転しやすい。このため、胴体部411に対する板バネ42の巻回径が小さく、従って胴体部411の回転数に応じた巻き戻し量が少ないときほど、胴体部411に対する板バネ42の回転による巻き戻し作用を高めることができる。その一方で、胴体部411に対する板バネ42の巻回径が大きく、従って胴体部411の回転数に応じた巻き戻し量が多いときほど、胴体部411に対する板バネ42の回転による巻き戻し作用を小さくすることができる。よって、胴体部411からの板バネ42の繰り出し量にかかわらず、なるべく一定の速度で板バネ42を胴体部411に対して巻き戻すことができるようになり、前送りユニット20の動作を安定化させることができる。
【0059】
このように、前送りユニット20は、搭載部10に沿って前後に移動するように設けられ、付勢部40の付勢力によって、最後尾のたばこ商品60の背面を前方に付勢する。先頭のたばこ商品60が搭載部10から取り出されると、前送りユニット20は、残りのたばこ商品60を前方に移動させる。
【0060】
また、搭載部10にたばこ商品60が搭載されている場合、前送りユニット20は、最後尾のたばこ商品60の背面を前方に付勢し、先頭のたばこ商品60がフラップ部材30の背面に接触するまで各たばこ商品60を前方に移動させる。
【0061】
また、搭載部10のたばこ商品60の残数がゼロのとき(図7)には、前送りユニット20が最前位置に前進することにより、前送りユニット20の前面の上部(例えば、上部起立部223の前面)がフラップ部材30の背面を前方に付勢し、フラップ部材30を直立状態とする。
【0062】
ここで、前送りユニット20を後方に移動させた状態で、マガジン100にたばこ商品60を補充する作業を容易にするために、マガジン100は、以下に説明するロック機構を有している。
【0063】
このロック機構は、底板部11において、スリット15の後端部の左右縁部にそれぞれ形成されたロック部11a(図1)を有している。ロック部11aは、底板部11の上面においてロック部11aよりも前側が高く、ロック部11aよりも後側が低くなる段差面である。
前送りユニット20を付勢部40の付勢に抗して後方に移動させて、上側板状部121の左右両端部の前端面121b(図5、図4(a))をそれぞれ左右のロック部11aに係止させることにより、前送りユニット20を搭載部10の後部においてロック状態とし、前送りユニット20の前進を規制することができる(図3)。
つまり、底板部11の後部には、連結部120において底板部11の上面に沿ってスライド移動する部位である上側板状部121を係止させることによって、前送りユニット20を前方移動が規制されたロック状態とするロック部11aが形成されている。
本実施形態の場合、ロック部11aは、上側突条部16aの後端面も含む。
なお、本実施形態の場合、ガイドレール16の上面において、上側突条部16a以外の部位は、平坦に形成されている。
【0064】
前送りユニット20を搭載部10の後部に対してロック状態とすることにより、前送りユニット20の前進を手で抑止しなくても、搭載部10にたばこ商品60を搭載することができるため、搭載部10にたばこ商品60を補充する作業を容易に行うことができる。
【0065】
押板部220の前面の下部には、前送りユニット20が最前位置に前進した状態(図7)において、板バネ繰出部41と、該板バネ繰出部41の胴体部411に巻回された板バネ42とを収容可能な収容凹部24が形成されている。具体的には、例えば、この収容凹部24は、前方突出部222の前面(斜め下向きの面)と、前面側補強リブ22と、下部起立部221の前面と、により構成され、押板部220が最前位置に前進した状態で、付勢部40の一部分を収容する。
このように、押板部220は、たばこ商品60の背面の少なくとも上部を好適に付勢できるような形状であるとともに、付勢部40と干渉しないような形状に形成されている。
【0066】
搭載部10のたばこ商品60の残数がゼロのとき(図7)に、前送りユニット20が最前位置に前進した状態では、3つの前面側補強リブ22のうち、中央の前面側補強リブ22は、板バネ繰出部41の胴体部411に巻き戻された板バネ42に対して若干のクリアランスを以て離間した状態となる。ただし、何らかの原因により、板バネ42に巻き緩みが生じていた場合には、中央の前面側補強リブ22が板バネ42を押さえ込むことにより、板バネ42の巻きを整えることができるようになっていても良い。
また、底板部11の上面において、板バネ繰出部41の左右に位置し、且つ、左右一対の突条部17よりも中央寄りに位置する部位の各々は、例えば、前方に向けて上り傾斜した傾斜面19(図6:左側の傾斜面19のみを図示)となっている。前送りユニット20が最前位置に前進した状態では、3つの前面側補強リブ22のうち、左右の前面側補強リブ22が傾斜面19にそれぞれ接触するようになっていても良い。
【0067】
底板部11において、例えば、左右一対のスリット15の間に位置する部位の前端部は、板バネ繰出部41の前面側の外周に沿って上方に向けて屈曲し、残数表示窓18を構成している。マガジン100の前方より、この残数表示窓18を透視して、板バネ繰出部41に巻回された板バネ42を視認できるようになっている。
【0068】
例えば、残数表示窓18を透視して視認される板バネ42の色を確認することによって、搭載部10上に搭載されているたばこ商品60の残数が所定の個数(例えば5個)以下となったことを認識できるように、板バネ42の一端部421に近い所定の長さの部位には、着色シール(図示略)が貼り付けられている。この着色シールには、所定の色の着色が施されている。この所定の色とは、板バネ42において着色シールが貼り付けられていない部分とは、明度、彩度及び色相のうち少なくとも何れか1つが異なる色である。この所定の色は、例えば、赤などの目立つ色であることが好ましい。
【0069】
フラップ部材30は、搭載部10の前端部に配置され、搭載部10に対して軸支されている。フラップ部材30は、常態である直立状態(例えば、図1、図2、図3、図6、図7の状態)から、直立状態に対して規定の角度だけ前傾した状態である前傾状態(例えば、図8の状態)までの角度範囲において、搭載部10に対して揺動可能となっている。
【0070】
フラップ部材30は、例えば、上方に向けて開口する半筐体状のフラップ本体31を有している。フラップ本体31は、例えば、前後方向厚みが薄い扁平な形状となっている。
【0071】
フラップ部材30は、更に、フラップ本体31の左右の側面からそれぞれ側方に突出している左右一対の揺動軸32(図6参照:ただし、左側(図中において右側)の揺動軸32はフラップ本体31に隠れているため図示されていない)と、フラップ本体31の左右の側面からそれぞれ側方に突出している左右一対の揺動規制突起33(図6)と、を有している。左右の揺動軸32は互いに同軸上に配置され、左右の揺動規制突起33も互いに同軸上に配置されている。
【0072】
搭載部10の右側壁部13の前端部には、軸支孔51と、弧状の長孔である揺動規制孔52とが、それぞれ右側壁部13を左右に貫通して形成されている。この軸支孔51により右側の揺動軸32が軸支されている。また、この揺動規制孔52内には右側の揺動規制突起33が入り込んでおり、該揺動規制突起33の揺動範囲が該揺動規制孔52により規制されている。
なお、例えば、右側壁部13の外面に補強金具53が固定され、軸支孔51及び揺動規制孔52は、それぞれ、補強金具53及び右側壁部13を左右に貫通するように形成されている。これにより、これら軸支孔51及び揺動規制孔52が補強されている。
【0073】
また、図示は省略するが、搭載部10の左側壁部12にも、同様の補強金具53が固定されているとともに、同様の軸支孔51及び揺動規制孔52が形成され、この軸支孔51によって左側の揺動軸32が軸支され、揺動規制孔52によって左側の揺動規制突起33の揺動範囲が規定されている。
【0074】
これにより、フラップ部材30は、左右方向に延在する揺動中心軸(左右の揺動軸32を通過する軸)を中心として揺動可能に搭載部10に対して軸支されている。
【0075】
ここで、マガジン100を水平に配置した状態で、且つ、フラップ部材30を前傾させる力がフラップ部材30に加えられていない状態では、フラップ部材30は、自重によって、直立状態となるようになっている。
フラップ部材30が自重によって前傾状態から直立状態に復帰しやすいようにするため、フラップ部材30の揺動の角度範囲は、45°未満に設定されていることが好ましい。
【0076】
フラップ部材30が直立状態となったときには、揺動規制突起33が揺動規制孔52の一端部(図6に示すように、例えば前方斜め下方の端部)に当接し、フラップ部材30が後傾する方向への揺動が規制されるようになっている。
また、フラップ部材30が前傾状態(図8参照)となったときには、揺動規制突起33が揺動規制孔52の他端部(例えば後方斜め上方の端部)に当接し、フラップ部材30が更に前傾する方向への揺動が規制されるようになっている。
このように、フラップ部材30は、搭載部10に対して規定の角度範囲だけ揺動するように、揺動規制突起33と揺動規制孔52とにより揺動範囲が規制されている。
【0077】
フラップ本体31は、例えば、それぞれ平板状に形成された前壁部311、後壁部312、左壁部313、右壁部314及び底板部315を有している。フラップ本体31は、これら前壁部311、後壁部312、左壁部313、右壁部314及び底板部315により、フラップ部材30が直立状態となったときに上方に向けて開口する半筐体状に形成されている。
前壁部311及び後壁部312は、互いに平行に対向している。フラップ部材30が直立状態となったとき、前壁部311及び後壁部312は、それぞれ板面が前後方向を向き、後壁部312は、前壁部311の後方に位置する。
左壁部313及び右壁部314は、それぞれ板面が左右方向を向き、互いに平行に対向している。左壁部313は、前壁部311の左端と後壁部312の左端との間隔を閉塞し、右壁部314は、前壁部311の右端と後壁部312の右端との間隔を閉塞している。
底板部315は、前壁部311の下端と後壁部312の下端との間隔を閉塞し、フラップ部材30が直立状態となったとき、該底板部315の板面が上下方向を向く。
【0078】
フラップ部材30の上端の位置は、搭載部10に搭載されているたばこ商品60の上端よりも低く、例えば、たばこ商品60の下部(たばこ商品60の上端と下端との中間よりも下の部分)に位置している。
【0079】
フラップ本体31の前壁部311、後壁部312、左壁部313、右壁部314及び底板部315により囲まれた領域は、カード保持部34を構成している。このカード保持部34には、例えばプライスカード70(図5)などのカードを必要に応じて差し込んで、保持させることができるようになっている。
【0080】
カード保持部34にカードが保持された状態で、そのカードの上端位置は、後壁部312の上端位置よりも高く、前壁部311の上端位置と同じ又はそれ以下となる。
例えば、前壁部311の上下寸法、並びに、前壁部311の上端位置は、プライスカード70等の、カード保持部34にて保持すべきカードの上下寸法に応じて定まる。
なお、カードは、カード保持部34において、例えば、前壁部311の背面に接するように配置される。
【0081】
前壁部311を透視して、カード保持部34に差し込まれたカードの表示内容をマガジン100の前方から視認できるように、前壁部311は、透明樹脂などの透明材或いは半透明材により構成されている。
例えば、フラップ部材30の全体が、透明樹脂などの透明材或いは半透明材により構成されている。フラップ部材30の材質としては、例えば、ABS樹脂、ポリスチレン(例えば、ハイインパクトポリスチレン)が挙げられる。
【0082】
フラップ部材30の上端の位置は、例えば、後部側ほど低くなっている。
より具体的には、例えば、後壁部312の上端位置が、前壁部311の上端位置よりも低くなっている。
例えば、左壁部313及び右壁部314の上端位置も、前壁部311の上端位置よりも低くなっている。より具体的には、例えば、左壁部313及び右壁部314の上端位置は、後壁部312の上端位置と等しく設定されている。
【0083】
次に、動作を説明する。
【0084】
例えば、複数のマガジン100が、図示しない商品陳列棚の棚に配置され、各マガジン100の搭載部10には、それぞれたばこ商品60が搭載される。搭載部10には、複数のたばこ商品60を縦置きで前後に一列に並ぶように搭載することができる。
【0085】
ここで、本実施形態の場合、上述のように、前送りユニット20の押板部220の上部起立部223の前面が、下部起立部221及び前方突出部222の前面よりも前方に位置し、上部起立部223の前面が最後尾のたばこ商品60bの背面の少なくとも上部を前方に付勢する。
よって、例えば、図1に示すように、搭載部10に搭載されている複数のたばこ商品60の上端部同士の離間を抑制することができる。すなわち、搭載部10上に複数のたばこ商品60を整然と整列させることができる。
このため、先頭の1つ或いは複数のたばこ商品60が搭載部10から取り出された際に、搭載部10上の複数のたばこ商品60の上端部同士が離間していることに起因して、残りのたばこ商品60のうち前の方に位置するたばこ商品60が玉突き式に搭載部10の前方に弾き出されてしまうといった不具合の発生を抑制することができる。
【0086】
また、押板部220の上部起立部223の前面には、その前方に向けて突出する突起部としての摩擦部材23が設けられ、摩擦部材23は、最後尾のたばこ商品60bの背面の上部に接触し、前方に付勢する。よって、搭載部10に搭載されている複数のたばこ商品60の上端部同士の離間を一層好適に抑制することができる。
【0087】
ここで、摩擦部材23の頂部側(フランジ状の底部よりもマガジン100の前側の部分)と、凹部224の内周との間には、クリアランスCが存在している。このため、凹部224内において、摩擦部材23の頂部側の部分の移動が許容される。よって、摩擦部材23がたばこ商品60bの背面に密着した状態で、該摩擦部材23がたばこ商品60bの動きに追従しやすくなる。
【0088】
また、フラップ部材30は、その重量バランスなどの影響から、常態においても前傾する場合がある。フラップ部材30は、その上下寸法が大きいほど、常態において前傾する度合いが高まる傾向がある。常態においてもフラップ部材30が前傾すると、プライスカード70の視認性が悪化する。
これに対し、本実施形態の場合、搭載部10のたばこ商品60の残数がゼロのとき(図7)には、前送りユニット20が最前位置に前進することにより、前送りユニット20の前面の上部(例えば、上部起立部223の前面)がフラップ部材30の背面を前方に付勢し、フラップ部材30を直立状態とするので、常態におけるフラップ部材30の前傾を抑制することができる。
【0089】
ここで、図8を参照して、マガジン100からたばこ商品60を取り出すときの動作を説明する。
例えば、初期状態として、搭載部10に複数(例えば2個)のたばこ商品60が搭載され、フラップ部材30が直立状態となっているものとする。
その後、オペレータが先頭のたばこ商品60aの上部を持って、該たばこ商品60aを搭載部10から前方に取り出す際には、先ず、フラップ部材30がたばこ商品60aの下部により前方に押されることによって、該フラップ部材30が直立状態から前傾状態となるまで揺動する。それとともに、先頭のたばこ商品60aは、フラップ部材30とともに、フラップ部材30の揺動軸32を中心として前傾方向に揺動し、図8の揺動位置Y1の状態となる。
この段階で、フラップ部材30の揺動が規制(停止)されるため、その後は、たばこ商品60aがフラップ部材30の上端部を支点として更に前傾方向に揺動する(例えば、図8の揺動位置Y1からY2への動作、及び、揺動位置Y2からY3への動作)。
【0090】
ここで、たばこ商品60aの後端部Kを含む部分は、フラップ部材30の上端部を支点とする揺動に伴い、後方へ移動しながら上方へ移動する旋回動作を行うため、該後端部Kを含む部分は、前から2番目のたばこ商品60bの前面の下部を後方斜め上方へ蹴り上げるように動作する。
この蹴り上げ動作により、前から2番目のたばこ商品60bが搭載部10から脱落したり、或いは、該たばこ商品60bの姿勢(搭載状態)が乱れたりする。
たばこ商品60bの姿勢が乱れた場合、その後、たばこ商品60bが前送りユニット20により勢いよく前送りされる際に、該たばこ商品60bが搭載部10から脱落(例えば、フラップ部材30を乗り越えて前方に脱落するなど)しやすい。
【0091】
これに対し、本実施形態の場合、摩擦部材23が最後尾のたばこ商品60bの背面の上部に接触しているので、最後尾のたばこ商品60と前送りユニット20との摩擦力を高めることができる。よって、例えば、前から2番目のたばこ商品60bが最後尾のたばこ商品60である場合などにおいて、先頭のたばこ商品60aなどの取り出しの際に、最後尾のたばこ商品60の脱落や列の乱れが発生してしまうことを、その摩擦力によって抑制することができる。
特に、摩擦部材23が前送りユニット20の前面の上部に配置されていることにより、先頭のたばこ商品60aの後端部Kが前から2番目のたばこ商品60bの前面を後方斜め上方へ蹴り上げる力の向きに対してほぼ反対方向の反力を、摩擦部材23から、最後尾で且つ前から2番目のたばこ商品60bへ、付与することができる。
よって、最後尾で且つ前から2番目のたばこ商品60bの脱落や列の乱れを一層抑制できる。
【0092】
図16は比較例に係るマガジンの模式的な側断面図である。このマガジンの前送りユニット20の押板部220の前面は、全体が平坦に形成され、押板部220には突起部としての摩擦部材23が設けられていない。前送りユニット20は、その下部が図示しない付勢部により前方に付勢されている。
【0093】
たばこ商品60のパッケージは紙などの柔軟な材質であることが多い。よって、図9の構成の場合、たばこ商品60の下部が前方に押されることにより、複数のたばこ商品60の下部が密接する。このため、前後に隣接するたばこ商品60の上端部同士が離間した状態(前側のたばこ商品60ほど前傾し、後側のたばこ商品60ほど後傾した状態)となり易い。
この状態で、マガジン100から先頭のたばこ商品60a、或いは、先頭のたばこ商品60aを含む複数のたばこ商品60が取り出されたとする。すると、残りのたばこ商品60が押板部220により勢いよく前送りされる。次に、前送りされたたばこ商品60のうち先頭のたばこ商品60がフラップ部材30に突き当たって停止する。すると、後方のたばこ商品60の上端部が玉突き式に順次に前側のたばこ商品60に追突する。その結果、残りのたばこ商品60のうち前の方に位置するたばこ商品60が、例えばフラップ部材30を越えて前方に弾き出されたりする。
【0094】
以上のような第1の実施形態によれば、押板部220の上部起立部223の前面が、下部起立部221及び前方突出部222の前面よりも前方に位置し、上部起立部223の前面が最後尾のたばこ商品60bの背面の少なくとも上部を前方に付勢する。よって、搭載部10に搭載されている複数のたばこ商品60の上端部同士の離間を抑制することができる。すなわち、搭載部10上に複数のたばこ商品60を整然と整列させることができる。
このため、先頭の1つ或いは複数のたばこ商品60がマガジン100から取り出された際に、搭載部10上の複数のたばこ商品60の上端部同士が離間していることに起因して、残りのたばこ商品60のうち前の方に位置するたばこ商品が玉突き式に搭載部10の前方に弾き出されてしまうといった不具合の発生を抑制することができる。
【0095】
〔第2の実施形態〕
図10は第2の実施形態に係るマガジン200(図12)の前送りユニット20を示す図であり、このうち(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は(a)の要部拡大図、(d)は(b)の要部拡大図である。図11は第2の実施形態に係るマガジン200の搭載部10の正面断面図である。図12は第2の実施形態に係るマガジン200の正面断面図である。図13は第2の実施形態に係るマガジン200の前送りユニット20と搭載部10の底板部11との連結箇所を示す側断面図である。図14は第2の実施形態に係るマガジン200の搭載部10の後部の側断面図である。
【0096】
以下に説明するように、本実施形態に係るマガジン200は、前送りユニット20の構造と、搭載部10の構造が、上記の第1の実施形態に係るマガジン100と相違する。
【0097】
図10に示すように、本実施形態の場合、前送りユニット20の連結部120は、上側板状部(上側スライド部)121の下面の左右両端部の後部より下方に突出する第1突出部121aと、係合爪122の先端部122a(水平に配置されている部分:下側スライド部)の上面の前部より上方に突出する第2突出部122bと、のうちの少なくとも何れか一方を有している。
これにより、連結部120とガイドレール16との摩擦を低減し、連結部120がガイドレール16に対してスムーズにスライド移動できるようになっている。
具体的には、連結部120は、第1突出部121aと第2突出部122bとの双方を有している。
【0098】
第1突出部121aは、上側板状部121の下面の後端部に形成されていることが好ましく、第2突出部122bは、係合爪122の先端部122aの上面の前端部に形成されていることが好ましい。
【0099】
例えば、係合爪122の先端部122aの前後方向寸法(前後幅)よりも上側板状部121の前後方向寸法が大きく、上側板状部121の後端部は係合爪122の先端部122aよりも後方に位置し、上側板状部121の後端部に第1突出部121aが形成されている。
【0100】
第1突出部121aは、例えば半球状に形成されている。第2突出部122bは、例えば、稜線が左右方向に延在する山型状に形成されている。
【0101】
図11に示すように、本実施形態の場合、ガイドレール16の上面には上側突条部16aが形成されておらず、ガイドレール16の下面には下側突条部16bが形成されていない。すなわち、底板部11におけるスリット15の縁部(ガイドレール16)の上面及び下面がそれぞれ平坦に形成されている。
これにより、ガイドレール16と連結部120との摩擦を低減し、ガイドレール16に対して連結部120がスムーズにスライド移動できるようになっている。
【0102】
図12及び図13に示すように、本実施形態の場合、ガイドレール16の上面は、上側板状部121の下面の前端部と、上側板状部121の下面の後部の第1突出部121aと、をガイドするとともに、ガイドレール16の下面は、係合爪122の先端部122aの上面の前部の第2突出部122bと、先端部122aの上面の後端部と、をガイドする。
これにより、本実施形態の場合、前送りユニット20は、若干の前傾姿勢となる(図13)。
よって、本実施形態の場合、第1の実施形態と比べて、より確実に、上部起立部223の前面が最後尾のたばこ商品60bの背面の少なくとも上部を前方に付勢し、搭載部10に搭載されている複数のたばこ商品60の上端部同士の離間をより確実に抑制することができるので、搭載部10上に複数のたばこ商品60を、より確実に整然と整列させることができる。
【0103】
ここで、本実施形態の場合、ガイドレール16の上面に上側突条部16a(図1)が形成されていない。このため、上記の第1の実施形態と同様に、ガイドレール16の上面における上側突条部16a以外の部位を平坦に形成すると、ロック部11aの段差の大きさを十分に確保できない場合がある。
そこで、本実施形態の場合、図14に示すように、ガイドレール16の上面において、ロック部11aの前側に隣接する部位が、後方に向けて上り傾斜する傾斜面11bとなっている。すなわち、底板部11におけるスリット15の縁部の上面は、ロック部11aの前側に隣接し、後方に向けて上り傾斜する傾斜面11bを含む。これにより、ロック部11aの段差の大きさを十分に確保している。
なお、傾斜面11bの前端部の高さは、ガイドレール16の上面における傾斜面11b以外の部位と同じ高さとなっているため、前送りユニット20をロック状態とさせるために後方に移動させる際に、上側板状部121が傾斜面11bをスムーズに乗り越えることができる。よって、傾斜面11bを設けてロック部11aの段差の大きさを確保しても、前送りユニット20の動作性を低下させずにすむ。
【0104】
以上のような第2の実施形態によれば、上記の第1の実施形態と同様の効果が得られる他、以下の効果が得られる。
【0105】
先ず、連結部120が第1突出部121aと第2突出部122bとのうちの少なくとも何れか一方を有しているので、連結部120とガイドレール16との摩擦を低減し、連結部120をガイドレール16に対してスムーズにスライド移動させることができるとともに、前送りユニット20を若干の前傾姿勢とさせて、搭載部10に搭載されている複数のたばこ商品60の上端部同士の離間をより確実に抑制することができる。
具体的には、連結部120は、第1突出部121aと第2突出部122bとの双方を有しているので、スムーズに連結部120をスライド移動できるとともに、より確実に、前送りユニット20を前傾姿勢とすることができる。
【0106】
また、第1突出部121aは、上側板状部121の下面の後端部に形成されているので、このことによっても、より確実に、前送りユニット20を前傾姿勢とすることができる。
また、第2突出部122bは、係合爪122の先端部122aの上面の前端部に形成されているので、このことによっても、より確実に、前送りユニット20を前傾姿勢とすることができる。
【0107】
また、係合爪122の先端部122aの前後方向寸法(前後幅)よりも上側板状部121の前後方向寸法が大きく、上側板状部121の後端部は係合爪122の先端部122aよりも後方に位置し、上側板状部121の後端部に第1突出部121aが形成されているので、より確実に、前送りユニット20を前傾姿勢とすることができる。
【0108】
また、第1突出部121aは、半球状に形成されているので、第1突出部121aがガイドレール16に対してほぼ点接触し、ガイドレール16と第1突出部121aとの摩擦を抑制することができる。
【0109】
また、第2突出部122bは、例えば、稜線が左右方向に延在する山型状に形成されているので、第2突出部122bが左右方向に延在する線でガイドレール16に対して接触するため、前送りユニット20の左右方向の傾きを抑制することができる。よって、前送りユニット20の姿勢の変化に起因するたばこ商品60の列の乱れを抑制することができる。
【0110】
また、ガイドレール16(底板部11におけるスリット15の縁部)の上面及び下面がそれぞれ平坦に形成されているので、連結部120に形成された第1突出部121a及び第2突出部122bがガイドレール16に対してスムーズにスライド移動することができる。
【0111】
また、ガイドレール16の上面は、ロック部11aの前側に隣接し、後方に向けて上り傾斜する傾斜面11bを含むので、ガイドレール16の上面に上側突条部16aがない構造においても、ロック部11aの段差の大きさを十分に確保し、確実に、前送りユニット20をロック状態にすることができる。
【0112】
〔第3の実施形態〕
図15は第3の実施形態に係るマガジン300の斜視図である。
本実施形態に係るマガジン300の搭載部10の底板部11には、複数対(例えば3対)のスリット15が互いに並列に形成されている。そして、各対のスリット15の縁部(ガイドレール16)に対し、それぞれ前送りユニット20の連結部120が連結されている。すなわち、本実施形態の場合、複数(例えば3つ)の前送りユニット20がそれらの移動方向が並列となるように配置されている。また、各前送りユニット20の各々に対応して、個別に付勢部40(板バネ42及び板バネ繰出部41)が設けられている。
前送りユニット20、付勢部40及びガイドレール16の構造は、第1の実施形態又は第2の実施形態と同様である。
【0113】
本実施形態に係るマガジン300は、例えば、たばこのカートン(図示略)の搭載用である。
カートンは、複数個(通常10個)のたばこ商品60を収容している。なお、マガジン300には、パーセルを搭載することもできる。
本実施形態の場合、搭載部10の内部空間の横幅は、カートンの長手寸法に対応している。カートンは、その長手方向がマガジン300の左右方向に延在するように、搭載部10に搭載される。
【0114】
各前送りユニット20は、互いに独立的に、前後に移動可能となっている。
これら複数の前送りユニット20の押板部220は、協働して、最後尾のカートンの背面を前方に押す。
【0115】
以上のような第3の実施形態によれば、第1の実施形態又は第2の実施形態と同様の効果が得られる。
また、搭載部10に複数の前送りユニット20(それぞれ押板部220を含む)が設けられ、各前送りユニット20の各々に対応して個別に付勢部40が設けられている。このため、複数の付勢部40よる付勢力を合算した付勢力によって、カートンを前方に押すことができるので、前送りユニット20及び付勢部40が1つだけの場合と比べて、カートンを前方に押す力を十分に確保することができるとともに、複数の押板部220によりカートンを左右にバランスの取れた力で前方に押すことができる。よって、カートンの挙動の左右非対称性を抑制することが可能となり、搭載部10内においてカートンを整然と整列させることができる。
【0116】
なお、上記の第1及び第2の実施形態では、マガジン100、200がたばこ商品60を収容する例を説明し、上記の第3の実施形態では、マガジン300がたばこのカートンを収容する例を説明したが、マガジン100、200、300は、たばこ商品60及びカートン以外であっても、小型、定型の箱型(例えば扁平な直方体形状の箱型)の商品を収容することができる。
【0117】
上記の各実施形態では、フラップ部材30が自重のバランスによって、常態において垂直状態となる例を説明したが、マガジン100は、フラップ部材30が常態において垂直状態となるようにフラップ部材30を付勢するフラップ付勢部(例えば、ねじりバネなどのバネ)を有していても良い。
【符号の説明】
【0118】
10 搭載部
11 底板部
11a ロック部
12 左側壁部
13 右側壁部
14 後壁部
14a 前板部
14b 後板部
14c カード保持部
15 スリット
16 ガイドレール
16a 上側突条部
16b 下側突条部
17 突条部
17a 傾斜部
18 残数表示窓
20 前送りユニット
21 背面側補強リブ
22 前面側補強リブ
23 摩擦部材
24 収容凹部
30 フラップ部材
31 フラップ本体
32 揺動軸
33 揺動規制突起
34 カード保持部
40 付勢部
41 板バネ繰出部
42 板バネ
51 軸支孔
52 揺動規制孔
53 補強金具
60 たばこ商品
60a たばこ商品
60b たばこ商品
70 プライスカード
100 マガジン
120 連結部
121 上側板状部
121a 第1突出部
121b 前端面
122 係合爪
122a 先端部
122b 第2突出部
123 係止用ボス
124 通し孔
200 マガジン
220 押板部
221 下部起立部
222 前方突出部
223 上部起立部
224 凹部
300 マガジン
311 前壁部
312 後壁部
313 左壁部
314 右壁部
315 底板部
411 胴体部
412 フランジ部
413 回転軸
421 一端部
421a 係止穴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の商品が前後方向に一列に搭載される搭載部と、
前記搭載部に沿って前後に移動するように設けられ、最後尾の前記商品の背面を前方に付勢する押板部と、
を有し、
前記押板部の前面の上部が、前記押板部の前記前面の下部よりも前方に位置し、
前記搭載部に複数の前記商品が搭載されている状態で、前記押板部の前記前面の上部が、最後尾の前記商品の背面の少なくとも上部を前方に付勢することを特徴とするマガジン。
【請求項2】
前記押板部の前記前面の上部には、前方に向けて突出する突起部が設けられ、
前記突起部は、前記搭載部に複数の前記商品が搭載されている状態で、最後尾の前記商品の背面の上部に接触することを特徴とする請求項1に記載のマガジン。
【請求項3】
前記突起部は、前記押板部の前記前面よりも摩擦係数が大きい材質により構成されていることを特徴とする請求項2に記載のマガジン。
【請求項4】
前記押板部の前記前面の上部には、前方に向けて開口する凹部が形成され、
前記突起部は、前記押板部の前記前面の上部よりも前方に突出するように、前記凹部に嵌め込まれ、
前記突起部と前記凹部の内周との間にクリアランスが存在していることを特徴とする請求項3に記載のマガジン。
【請求項5】
前記搭載部の前端部において、常態である直立状態と、前傾状態と、に揺動可能に軸支され、前記直立状態では前記押板部と対向するフラップ部材を更に有し、
前記押板部の前記前面の上部は平坦に形成され、
前記搭載部の前記商品の残数がゼロのときには、前記押板部が最前位置に前進することにより、前記押板部の前記前面の上部において前記突起部よりも下に位置する平坦面が、前記フラップ部材の背面を前方に付勢し、前記フラップ部材を前記直立状態とすることを特徴とする請求項2乃至4の何れか一項に記載のマガジン。
【請求項6】
前記搭載部の前端部において、常態である直立状態と、前傾状態と、に揺動可能に軸支され、前記直立状態では前記押板部と対向するフラップ部材を更に有していることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載のマガジン。
【請求項7】
前記押板部を前方に付勢する付勢部を更に有し、
前記付勢部は、
前記搭載部の前端部の下部に配置された軸部と、
前記軸部より繰り出し可能に該軸部に巻回され、一端部が前記押板部に固定された板バネと、
を有し、
前記押板部の前記前面の下部には、前記押板部が最前位置に前進した状態において、前記軸部と該軸部に巻回された前記板バネとを収容する収容凹部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載のマガジン。
【請求項8】
前記搭載部は、前後方向に延在するスリットが表裏を貫通して形成された底板部を有し、
当該マガジンは、前記底板部における前記スリットの縁部に対して前後方向にスライド自在に連結された連結部を更に有し、
前記押板部は、前記連結部より上方に起立するように前記連結部と一体的に設けられ、
前記連結部は、前記スリットの前記縁部の上面に沿って前後方向にスライド移動する上側スライド部と、前記スリットの前記縁部の下面に沿って前後方向にスライド移動する下側スライド部と、を有し、
前記押板部は、前記上側スライド部の下面の後部より下方に突出する第1突出部と、前記下側スライド部の上面の前部より上方に突出する第2突出部と、のうちの少なくとも何れか一方を更に有することを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載のマガジン。
【請求項9】
前記下側スライド部の前後方向寸法よりも前記上側スライド部の前後方向寸法が大きく、前記上側スライド部の後端部は前記下側スライド部の後端部よりも後方に位置し、前記上側スライド部の後端部に前記第1突出部が形成されていることを特徴とする請求項8に記載のマガジン。
【請求項10】
前記押板部は前記第1突出部と前記第2突出部との双方を有することを特徴とする請求項8又は9に記載のマガジン。
【請求項11】
前記第1突出部は半球状に形成されていることを特徴とする請求項8乃至10の何れか一項に記載のマガジン。
【請求項12】
前記第2突出部は稜線が左右方向に延在する山型状に形成されていることを特徴とする請求項8乃至11の何れか一項に記載のマガジン。
【請求項13】
前記底板部における前記スリットの前記縁部の上面及び下面がそれぞれ平坦に形成されていることを特徴とする請求項8乃至12の何れか一項に記載のマガジン。
【請求項14】
前記底板部の後部には、前記上側スライド部を係止させることによって、前記連結部及び前記押板部を前方移動が規制されたロック状態とする段差面であるロック部が形成され、
前記底板部における前記スリットの前記縁部の上面は、前記ロック部の前側に隣接し、後方に向けて上り傾斜する傾斜面を含むことを特徴とする請求項13に記載のマガジン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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