マットレス用シーツ
【課題】開口部の周囲にゴムを設けないボックス状タイプのマットレス用シーツであって、投入機を用いたアイロナーへの投入を確実に行なうことができるマットレス用シーツを提供する。
【解決手段】直方体形状のマットレス２に着脱可能に装着されるボックス状タイプのマットレス用シーツ１であって、１枚の織物布地により形成されてマットレス２に装着された場合にマットレス１の上面を覆う表面部３ａを有するシーツ本体部３と、伸縮可能なニット材により形成されてシーツ本体部３の長手方向の両端側に縫着されるとともにマットレス２に装着された場合にマットレス２の下面におけるマットレス２の長手方向の両端側を覆う一対の伸縮面部４とを有し、マットレス２に装着された場合にマットレス２の中央方向を向いた伸縮面部４の縁部４ｂとシーツ本体部３の裏面部３ｃの縁部３ｄとに囲まれた位置にマットレス２を出し入れする開口部５が形成されている。
【解決手段】直方体形状のマットレス２に着脱可能に装着されるボックス状タイプのマットレス用シーツ１であって、１枚の織物布地により形成されてマットレス２に装着された場合にマットレス１の上面を覆う表面部３ａを有するシーツ本体部３と、伸縮可能なニット材により形成されてシーツ本体部３の長手方向の両端側に縫着されるとともにマットレス２に装着された場合にマットレス２の下面におけるマットレス２の長手方向の両端側を覆う一対の伸縮面部４とを有し、マットレス２に装着された場合にマットレス２の中央方向を向いた伸縮面部４の縁部４ｂとシーツ本体部３の裏面部３ｃの縁部３ｄとに囲まれた位置にマットレス２を出し入れする開口部５が形成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、病院用ベッド等で使用されているマットレスや、マットレスの一形態に含まれるエアーマットを覆うようにそのマットレスに着脱可能に装着されるマットレス用シーツに関し、特に、ボックス状タイプのマットレス用シーツに関する。
【背景技術】
【０００２】
病院用ベッド等で使用されているマットレスには、そのマットレスを覆うようにマットレス用シーツが着脱可能に装着されており、そのようなマットレス用シーツには、シート状タイプのものと、袋状に形成されたボックス状タイプのものとがある。
【０００３】
シート状タイプのマットレス用シーツは、マットレス用シーツの前後・左右の側部をマットレスの下側に押し込んで保持するようになっており、その作業に手間がかかっている。また、就寝者の寝返り等によってマットレス用シーツがずれ易いという問題がある。
【０００４】
ボックス状タイプのマットレス用シーツは、ボックス状の織物布地の一面にマットレスを出し入れする開口部を形成し、開口部の周囲にゴムを取付けた構造のものが多く、開口部の周囲にゴムが有るために折り畳みにくいという問題と、業務用クリーニングを繰り返し行なうことに伴なって薬品によりゴムが劣化するという問題とがある。
【０００５】
そこで、業務用クリーニングを繰り返し行なうことに伴なうゴムの劣化や、開口部の周囲にゴムが有ることによる折り畳みにくさを解消したボックス状タイプのマットレス用シーツが提案されており、例えば、下記特許文献１に記載されたものが知られている。
【０００６】
特許文献１に記載されたマットレス用シーツは、織物布地により形成されたシーツ主体部と、ニット材により形成されてシーツ主体部の長手方向の両端側に縫着された一対の袋状部とにより形成されている。マットレス用シーツの開口部は、マットレス用シーツをマットレスに装着した場合に、マットレスの一方の面側に位置する袋状部の縁部とマットレスの同じ面側に位置するシーツ主体部の縁部とに囲まれて形成されている。
【０００７】
したがって、マットレス用シーツの開口部の周縁部の一部が、伸縮性のあるニット材で形成されているため、マットレスに対してマットレス用シーツを着脱する場合に開口部が広がるので、開口部からマットレスを出し入れして行なうマットレス用シーツの着脱作業を容易に行なうことができる。
【０００８】
しかも、開口部の周囲にゴムを使用していないため、業務用クリーニングを繰り返し行なうことによるゴムの劣化や、ゴムの存在によりマットレス用シーツが折り畳みにくくなるという問題を解決することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００９】
【特許文献１】特開２００８−１８３１６５号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【００１０】
しかしながら、特許文献１に記載されたマットレス用シーツにおいては、以下の点について考慮されていない。
【００１１】
特許文献１に記載されたマットレス用シーツをアイロナー等のアイロン掛け専用機を用いてアイロン掛けをする場合、クリーニングを終了したマットレス用シーツの長手方向の一端側に位置する袋状部を投入機のクリップで挟み、マットレス用シーツの他端側を投入機の吸引部で吸引することによりそのマットレス用シーツをアイロナーに投入している。しかし、マットレス用シーツの他端側を吸引した場合に、クリップで挟まれているニット材で形成された袋状部が伸び、マットレス用シーツの他端側がアイロナーに入り込む前にマットレス用シーツの一端側が投入機のクリップから外れてしまい、アイロナーによるアイロン掛け作業が失敗する場合がある。
【００１２】
本発明はこのような課題を解決するためになされたもので、その目的は、開口部の周囲にゴムを設けないボックス状タイプのマットレス用シーツであって、投入機を用いたアイロナーへの投入を確実に行なうことができるマットレス用シーツを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【００１３】
本発明の実施の形態に係る第１の特徴は、直方体形状のマットレスに対しこのマットレスを覆うように着脱可能に装着されるボックス状タイプのマットレス用シーツであって、１枚の織物布地により形成され、前記マットレスに装着された場合に、前記マットレスの上面を覆う表面部と、前記マットレスの長手方向に沿った側面を覆う一対の側面部と、前記マットレスの下面におけるこのマットレスの長手方向に沿った前記側面側の一部を覆う一対の裏面部とを有するシーツ本体部と、伸縮可能なニット材により形成され、前記シーツ本体部の長手方向の両端部に縫着され、前記マットレスに装着された場合に前記マットレスの下面におけるこのマットレスの長手方向の両端側を覆う一対の伸縮面部と、を有し、前記マットレスに装着された場合に、前記マットレスの中央方向を向く前記伸縮面部の縁部と前記マットレスの中央方向を向く前記裏面部の縁部とに囲まれた位置に前記マットレスを出し入れする開口部が形成されている、ことである。
【発明の効果】
【００１４】
本発明によれば、投入機を用いてアイロナーにマットレス用シーツを投入する場合に伸縮面部が伸びるということが起こらず、投入機を用いたアイロナーへのマットレス用シーツの投入を確実に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【００１５】
【図１】本発明の一実施の形態のマットレス用シーツを、開口部が形成されている側から示す斜視図である。
【図２】シーツ本体部と伸縮面部との縫製する前の状態を示す展開図である。
【図３】マットレスにマットレス用シーツを装着した状態をマットレスの下面側から示す斜視図である。
【図４】図３のＡ−Ａ線断面図である。
【図５】厚さの異なる別のマットレスにマットレス用シーツを装着した状態をマットレスの下面側から示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【００１６】
以下、本発明の一実施の形態のボックス状タイプのマットレス用シーツ１を、図面を用いて説明する。このマットレス用シーツ１は、例えば、病院用ベッドで使用されている直方体形状のマットレス２に対し、このマットレス２を覆うように着脱可能に装着されるもので、１枚の織物布地により形成されたシーツ本体部３と、伸縮可能なニット材（編物材）により形成されてシーツ本体部３に縫着された一対の伸縮面部４とにより形成されている。シーツ本体部３を構成する織物布地としては、例えば、綿、ポリエステル、綿とポリエステルとの混紡等が用いられている。
【００１７】
シーツ本体部３は、図３及び図４に示すようにマットレス２にマットレス用シーツ１を装着した場合に、マットレス２の上面２ａを覆う表面部３ａと、マットレス２の長手方向に沿った一対の側面２ｂを覆う一対の側面部３ｂと、マットレス２の下面２ｃにおけるマットレス２の長手方向に沿った側面２ｂ側の一部を覆う一対の裏面部３ｃとを有している。なお、表面部３ａと側面部３ｂと裏面部３ｃとは連続して形成されており、表面部３ａと側面部３ｂと裏面部３ｃとの境目は明確に区別されておらず、マットレス用シーツ１を装着するマットレス２の厚さ寸法に応じて表面部３ａと側面部３ｂと裏面部３ｃとの境目が適宜変化する。
【００１８】
伸縮面部４は、図２に示すように、長辺部４ａと、凹状に湾曲した縁部４ｂと、一対の傾斜辺部４ｃとからなる略台形状に形成されている。シーツ本体部３への伸縮面部４の縫着は、長辺部４ａを表面部３ａの長手方向の両端側の縁部３ｄに縫着し、傾斜辺部４ｃを側面部３ｂと裏面部３ｃとが連続して形成される縁部３ｅに縫着することにより行なわれている。
【００１９】
マットレス２にマットレス用シーツ１が装着された場合に、マットレス２の中央方向を向いた一対の伸縮面部４の縁部４ｂと、マットレス２の中央方向を向いた一対の裏面部３ｃの縁部３ｆとに囲まれた位置に、マットレス用シーツ１に対してマットレス２を出し入れする開口部５が形成されている。
【００２０】
マットレス用シーツ１の四隅には、このマットレス用シーツ１がマットレス２に装着された場合に、マットレス２の長手方向の両端側の側面２ｄの端部に対向して位置する開口６が一つずつ合計４個形成されている。開口６は、伸縮面部４の長辺部４ａをシーツ本体部３の表面部３ａの縁部３ｄに縫着する場合に、その一部を縫着しないことにより形成されている。
【００２１】
マットレス２に装着されていない扁平な状態のマットレス用シーツ１の長手方向に沿った外周部には、図１に示すように折り目７が形成され、伸縮面部４の長辺部４ａと表面部３ａの縁部３ｄとを縫着した部分である縫着線８が折り目７と同一面上に位置して形成されている。したがって、マットレス用シーツ１をクリーニングした後にアイロナー（図示せず）等のアイロン掛け専用機でアイロン掛けをする場合、マットレス用シーツ１は、折り目７と縫着線８とに沿って扁平に二つ折りにされた状態で投入機（図示せず）により搬送されてアイロナーへ投入され、アイロン掛けされる。
【００２２】
このような構成において、マットレス用シーツ１の開口部５の周縁部の一部が、伸縮性のあるニット材の伸縮面部４で形成されているため、マットレス２に対してマットレス用シーツ１を着脱する場合に伸縮面部４が伸びて開口部５が広がり、開口部５からマットレス２を出し入れして行なうマットレス２に対するマットレス用シーツ１の着脱作業を容易に行なうことができる。
【００２３】
しかも、伸縮面部４における開口部５側を向いた縁部４ｂが凹状に湾曲しているため、マットレス２にマットレス用シーツ１を装着する場合にはマットレス２の縁部を伸縮面部４と表面部３ａとの間に挿入し易くなり、及び、マットレス２からマットレス用シーツ１を外す場合にはマットレス２の縁部を伸縮面部４と表面部３ａとの間から取り出し易くなるので、マットレス２に対するマットレス用シーツ１の着脱作業をより一層容易に行なうことができる。
【００２４】
マットレス用シーツ１をクリーニングした後に投入機とアイロナーとを用いてアイロン掛けをする場合には、マットレス用シーツ１の長手方向の一端側に位置する伸縮面部４とシーツ本体部３の表面部３ａとを投入機のクリップで挟み、マットレス用シーツの他端側を投入機の吸引部で吸引して引っ張ることによりマットレス用シーツ１を他端側からアイロナーに投入する。このとき、クリップで挟まれたマットレス用シーツ１の一端側には、伸縮しにくい織物布地で形成されたシーツ本体部３が位置しているため、伸縮面部４が伸びることなくマットレス用シーツ１の他端側をアイロナーに確実に投入することができ、投入機とアイロナーとを用いたアイロン掛けを確実に行なうことができる。
【００２５】
つぎに、マットレス用シーツ１の四隅には、マットレス２の長手方向の両端側の側面２ｄの端部に対向して位置する開口６が一つずつ形成されている。これらの開口６が形成されていることにより、マットレス２にマットレス用シーツ１を装着した場合、開口６がマットレス２の厚さ方向に開き、マットレス用シーツ１のコーナー部分が外方に飛び出すことが防止される。なお、図５に示すように厚さ寸法の厚いマットレス２にマットレス用シーツ１を装着した場合には、マットレス２の厚さ寸法に応じて開口６がさらに大きく開く。このため、この１種類のマットレス用シーツ１を、マットレス用シーツ１のコーナー部分を外方に飛び出させることなく厚さ寸法の異なる各種のマットレス２に装着することができる。
【００２６】
また、マットレス用シーツ１の四隅に開口６が形成されていることにより、マットレス用シーツ１の内側の隅部にゴミが入り込んだ場合でも、そのゴミを開口６から簡単に取り出すことができる。
【００２７】
さらに、開口６の位置が、マットレス２の長手方向の両端側の側面２ｄの端部に対向する位置であるため、この開口６はベッドの長手方向の両端側に位置する側板等で塞がれて通常使用時には見えない。これにより、マットレス用シーツ１の外周部に開口６が見え、その開口６がベッドの外観を損ねるということを防止することができる。
【００２８】
また、マットレスとして床ずれ防止機能を備えたエアーマットに対してボックス状タイプのシーツを装着する場合に、このマットレス用シーツ１を使用することができる。それは、このマットレス用シーツ１の四隅に開口６が形成されているため、これらの開口６のいずれかをエアーマットに対して空気の出し入れを行なうパイプを通すために利用できるからである。したがって、このマットレス用シーツ１を、通常のマットレス２又はエアーマットを覆うボックス状タイプのシートとして兼用することができ、通常のマットレス２に装着するボックス状タイプのシーツとエアーマットに装着するボックス状タイプのシーツとの２つを別個に準備する必要がなくなる。
【符号の説明】
【００２９】
１ マットレス用シーツ
２ マットレス
２ａ マットレスの上面
２ｂ マットレスの長手方向に沿った側面
２ｃ マットレスの下面
２ｄ マットレスの長手方向の両端側の側面
３ シーツ本体部
３ａ 表面部
３ｂ 側面部
３ｃ 裏面部
３ｄ 裏面部の縁部
４ 伸縮面部
４ａ 伸縮面部の縁部
５ 開口部
６ 開口
【技術分野】
【０００１】
本発明は、病院用ベッド等で使用されているマットレスや、マットレスの一形態に含まれるエアーマットを覆うようにそのマットレスに着脱可能に装着されるマットレス用シーツに関し、特に、ボックス状タイプのマットレス用シーツに関する。
【背景技術】
【０００２】
病院用ベッド等で使用されているマットレスには、そのマットレスを覆うようにマットレス用シーツが着脱可能に装着されており、そのようなマットレス用シーツには、シート状タイプのものと、袋状に形成されたボックス状タイプのものとがある。
【０００３】
シート状タイプのマットレス用シーツは、マットレス用シーツの前後・左右の側部をマットレスの下側に押し込んで保持するようになっており、その作業に手間がかかっている。また、就寝者の寝返り等によってマットレス用シーツがずれ易いという問題がある。
【０００４】
ボックス状タイプのマットレス用シーツは、ボックス状の織物布地の一面にマットレスを出し入れする開口部を形成し、開口部の周囲にゴムを取付けた構造のものが多く、開口部の周囲にゴムが有るために折り畳みにくいという問題と、業務用クリーニングを繰り返し行なうことに伴なって薬品によりゴムが劣化するという問題とがある。
【０００５】
そこで、業務用クリーニングを繰り返し行なうことに伴なうゴムの劣化や、開口部の周囲にゴムが有ることによる折り畳みにくさを解消したボックス状タイプのマットレス用シーツが提案されており、例えば、下記特許文献１に記載されたものが知られている。
【０００６】
特許文献１に記載されたマットレス用シーツは、織物布地により形成されたシーツ主体部と、ニット材により形成されてシーツ主体部の長手方向の両端側に縫着された一対の袋状部とにより形成されている。マットレス用シーツの開口部は、マットレス用シーツをマットレスに装着した場合に、マットレスの一方の面側に位置する袋状部の縁部とマットレスの同じ面側に位置するシーツ主体部の縁部とに囲まれて形成されている。
【０００７】
したがって、マットレス用シーツの開口部の周縁部の一部が、伸縮性のあるニット材で形成されているため、マットレスに対してマットレス用シーツを着脱する場合に開口部が広がるので、開口部からマットレスを出し入れして行なうマットレス用シーツの着脱作業を容易に行なうことができる。
【０００８】
しかも、開口部の周囲にゴムを使用していないため、業務用クリーニングを繰り返し行なうことによるゴムの劣化や、ゴムの存在によりマットレス用シーツが折り畳みにくくなるという問題を解決することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００９】
【特許文献１】特開２００８−１８３１６５号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【００１０】
しかしながら、特許文献１に記載されたマットレス用シーツにおいては、以下の点について考慮されていない。
【００１１】
特許文献１に記載されたマットレス用シーツをアイロナー等のアイロン掛け専用機を用いてアイロン掛けをする場合、クリーニングを終了したマットレス用シーツの長手方向の一端側に位置する袋状部を投入機のクリップで挟み、マットレス用シーツの他端側を投入機の吸引部で吸引することによりそのマットレス用シーツをアイロナーに投入している。しかし、マットレス用シーツの他端側を吸引した場合に、クリップで挟まれているニット材で形成された袋状部が伸び、マットレス用シーツの他端側がアイロナーに入り込む前にマットレス用シーツの一端側が投入機のクリップから外れてしまい、アイロナーによるアイロン掛け作業が失敗する場合がある。
【００１２】
本発明はこのような課題を解決するためになされたもので、その目的は、開口部の周囲にゴムを設けないボックス状タイプのマットレス用シーツであって、投入機を用いたアイロナーへの投入を確実に行なうことができるマットレス用シーツを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【００１３】
本発明の実施の形態に係る第１の特徴は、直方体形状のマットレスに対しこのマットレスを覆うように着脱可能に装着されるボックス状タイプのマットレス用シーツであって、１枚の織物布地により形成され、前記マットレスに装着された場合に、前記マットレスの上面を覆う表面部と、前記マットレスの長手方向に沿った側面を覆う一対の側面部と、前記マットレスの下面におけるこのマットレスの長手方向に沿った前記側面側の一部を覆う一対の裏面部とを有するシーツ本体部と、伸縮可能なニット材により形成され、前記シーツ本体部の長手方向の両端部に縫着され、前記マットレスに装着された場合に前記マットレスの下面におけるこのマットレスの長手方向の両端側を覆う一対の伸縮面部と、を有し、前記マットレスに装着された場合に、前記マットレスの中央方向を向く前記伸縮面部の縁部と前記マットレスの中央方向を向く前記裏面部の縁部とに囲まれた位置に前記マットレスを出し入れする開口部が形成されている、ことである。
【発明の効果】
【００１４】
本発明によれば、投入機を用いてアイロナーにマットレス用シーツを投入する場合に伸縮面部が伸びるということが起こらず、投入機を用いたアイロナーへのマットレス用シーツの投入を確実に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【００１５】
【図１】本発明の一実施の形態のマットレス用シーツを、開口部が形成されている側から示す斜視図である。
【図２】シーツ本体部と伸縮面部との縫製する前の状態を示す展開図である。
【図３】マットレスにマットレス用シーツを装着した状態をマットレスの下面側から示す斜視図である。
【図４】図３のＡ−Ａ線断面図である。
【図５】厚さの異なる別のマットレスにマットレス用シーツを装着した状態をマットレスの下面側から示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【００１６】
以下、本発明の一実施の形態のボックス状タイプのマットレス用シーツ１を、図面を用いて説明する。このマットレス用シーツ１は、例えば、病院用ベッドで使用されている直方体形状のマットレス２に対し、このマットレス２を覆うように着脱可能に装着されるもので、１枚の織物布地により形成されたシーツ本体部３と、伸縮可能なニット材（編物材）により形成されてシーツ本体部３に縫着された一対の伸縮面部４とにより形成されている。シーツ本体部３を構成する織物布地としては、例えば、綿、ポリエステル、綿とポリエステルとの混紡等が用いられている。
【００１７】
シーツ本体部３は、図３及び図４に示すようにマットレス２にマットレス用シーツ１を装着した場合に、マットレス２の上面２ａを覆う表面部３ａと、マットレス２の長手方向に沿った一対の側面２ｂを覆う一対の側面部３ｂと、マットレス２の下面２ｃにおけるマットレス２の長手方向に沿った側面２ｂ側の一部を覆う一対の裏面部３ｃとを有している。なお、表面部３ａと側面部３ｂと裏面部３ｃとは連続して形成されており、表面部３ａと側面部３ｂと裏面部３ｃとの境目は明確に区別されておらず、マットレス用シーツ１を装着するマットレス２の厚さ寸法に応じて表面部３ａと側面部３ｂと裏面部３ｃとの境目が適宜変化する。
【００１８】
伸縮面部４は、図２に示すように、長辺部４ａと、凹状に湾曲した縁部４ｂと、一対の傾斜辺部４ｃとからなる略台形状に形成されている。シーツ本体部３への伸縮面部４の縫着は、長辺部４ａを表面部３ａの長手方向の両端側の縁部３ｄに縫着し、傾斜辺部４ｃを側面部３ｂと裏面部３ｃとが連続して形成される縁部３ｅに縫着することにより行なわれている。
【００１９】
マットレス２にマットレス用シーツ１が装着された場合に、マットレス２の中央方向を向いた一対の伸縮面部４の縁部４ｂと、マットレス２の中央方向を向いた一対の裏面部３ｃの縁部３ｆとに囲まれた位置に、マットレス用シーツ１に対してマットレス２を出し入れする開口部５が形成されている。
【００２０】
マットレス用シーツ１の四隅には、このマットレス用シーツ１がマットレス２に装着された場合に、マットレス２の長手方向の両端側の側面２ｄの端部に対向して位置する開口６が一つずつ合計４個形成されている。開口６は、伸縮面部４の長辺部４ａをシーツ本体部３の表面部３ａの縁部３ｄに縫着する場合に、その一部を縫着しないことにより形成されている。
【００２１】
マットレス２に装着されていない扁平な状態のマットレス用シーツ１の長手方向に沿った外周部には、図１に示すように折り目７が形成され、伸縮面部４の長辺部４ａと表面部３ａの縁部３ｄとを縫着した部分である縫着線８が折り目７と同一面上に位置して形成されている。したがって、マットレス用シーツ１をクリーニングした後にアイロナー（図示せず）等のアイロン掛け専用機でアイロン掛けをする場合、マットレス用シーツ１は、折り目７と縫着線８とに沿って扁平に二つ折りにされた状態で投入機（図示せず）により搬送されてアイロナーへ投入され、アイロン掛けされる。
【００２２】
このような構成において、マットレス用シーツ１の開口部５の周縁部の一部が、伸縮性のあるニット材の伸縮面部４で形成されているため、マットレス２に対してマットレス用シーツ１を着脱する場合に伸縮面部４が伸びて開口部５が広がり、開口部５からマットレス２を出し入れして行なうマットレス２に対するマットレス用シーツ１の着脱作業を容易に行なうことができる。
【００２３】
しかも、伸縮面部４における開口部５側を向いた縁部４ｂが凹状に湾曲しているため、マットレス２にマットレス用シーツ１を装着する場合にはマットレス２の縁部を伸縮面部４と表面部３ａとの間に挿入し易くなり、及び、マットレス２からマットレス用シーツ１を外す場合にはマットレス２の縁部を伸縮面部４と表面部３ａとの間から取り出し易くなるので、マットレス２に対するマットレス用シーツ１の着脱作業をより一層容易に行なうことができる。
【００２４】
マットレス用シーツ１をクリーニングした後に投入機とアイロナーとを用いてアイロン掛けをする場合には、マットレス用シーツ１の長手方向の一端側に位置する伸縮面部４とシーツ本体部３の表面部３ａとを投入機のクリップで挟み、マットレス用シーツの他端側を投入機の吸引部で吸引して引っ張ることによりマットレス用シーツ１を他端側からアイロナーに投入する。このとき、クリップで挟まれたマットレス用シーツ１の一端側には、伸縮しにくい織物布地で形成されたシーツ本体部３が位置しているため、伸縮面部４が伸びることなくマットレス用シーツ１の他端側をアイロナーに確実に投入することができ、投入機とアイロナーとを用いたアイロン掛けを確実に行なうことができる。
【００２５】
つぎに、マットレス用シーツ１の四隅には、マットレス２の長手方向の両端側の側面２ｄの端部に対向して位置する開口６が一つずつ形成されている。これらの開口６が形成されていることにより、マットレス２にマットレス用シーツ１を装着した場合、開口６がマットレス２の厚さ方向に開き、マットレス用シーツ１のコーナー部分が外方に飛び出すことが防止される。なお、図５に示すように厚さ寸法の厚いマットレス２にマットレス用シーツ１を装着した場合には、マットレス２の厚さ寸法に応じて開口６がさらに大きく開く。このため、この１種類のマットレス用シーツ１を、マットレス用シーツ１のコーナー部分を外方に飛び出させることなく厚さ寸法の異なる各種のマットレス２に装着することができる。
【００２６】
また、マットレス用シーツ１の四隅に開口６が形成されていることにより、マットレス用シーツ１の内側の隅部にゴミが入り込んだ場合でも、そのゴミを開口６から簡単に取り出すことができる。
【００２７】
さらに、開口６の位置が、マットレス２の長手方向の両端側の側面２ｄの端部に対向する位置であるため、この開口６はベッドの長手方向の両端側に位置する側板等で塞がれて通常使用時には見えない。これにより、マットレス用シーツ１の外周部に開口６が見え、その開口６がベッドの外観を損ねるということを防止することができる。
【００２８】
また、マットレスとして床ずれ防止機能を備えたエアーマットに対してボックス状タイプのシーツを装着する場合に、このマットレス用シーツ１を使用することができる。それは、このマットレス用シーツ１の四隅に開口６が形成されているため、これらの開口６のいずれかをエアーマットに対して空気の出し入れを行なうパイプを通すために利用できるからである。したがって、このマットレス用シーツ１を、通常のマットレス２又はエアーマットを覆うボックス状タイプのシートとして兼用することができ、通常のマットレス２に装着するボックス状タイプのシーツとエアーマットに装着するボックス状タイプのシーツとの２つを別個に準備する必要がなくなる。
【符号の説明】
【００２９】
１ マットレス用シーツ
２ マットレス
２ａ マットレスの上面
２ｂ マットレスの長手方向に沿った側面
２ｃ マットレスの下面
２ｄ マットレスの長手方向の両端側の側面
３ シーツ本体部
３ａ 表面部
３ｂ 側面部
３ｃ 裏面部
３ｄ 裏面部の縁部
４ 伸縮面部
４ａ 伸縮面部の縁部
５ 開口部
６ 開口
【特許請求の範囲】
【請求項１】
直方体形状のマットレスに対しこのマットレスを覆うように着脱可能に装着されるボックス状タイプのマットレス用シーツであって、
１枚の織物布地により形成され、前記マットレスに装着された場合に、前記マットレスの上面を覆う表面部と、前記マットレスの長手方向に沿った側面を覆う一対の側面部と、前記マットレスの下面におけるこのマットレスの長手方向に沿った前記側面側の一部を覆う一対の裏面部とを有するシーツ本体部と、
伸縮可能なニット材により形成され、前記シーツ本体部の長手方向の両端側に縫着され、前記マットレスに装着された場合に前記マットレスの下面におけるこのマットレスの長手方向の両端側を覆う一対の伸縮面部と、
を有し、
前記マットレスに装着された場合に、前記マットレスの中央方向を向いた前記伸縮面部の縁部と前記マットレスの中央方向を向いた前記裏面部の縁部とに囲まれた位置に前記マットレスを出し入れする開口部が形成されている、
ことを特徴とするマットレス用シーツ。
【請求項２】
前記マットレスに装着された場合に、前記マットレスの長手方向の両端側の側面の端部に対向して位置する四隅に開口が形成されていることを特徴とする請求項１記載のマットレス用シーツ。
【請求項３】
前記伸縮面部の前記縁部は、凹状に湾曲して形成されていることを特徴とする請求項１又は２記載のマットレス用シーツ。
【請求項１】
直方体形状のマットレスに対しこのマットレスを覆うように着脱可能に装着されるボックス状タイプのマットレス用シーツであって、
１枚の織物布地により形成され、前記マットレスに装着された場合に、前記マットレスの上面を覆う表面部と、前記マットレスの長手方向に沿った側面を覆う一対の側面部と、前記マットレスの下面におけるこのマットレスの長手方向に沿った前記側面側の一部を覆う一対の裏面部とを有するシーツ本体部と、
伸縮可能なニット材により形成され、前記シーツ本体部の長手方向の両端側に縫着され、前記マットレスに装着された場合に前記マットレスの下面におけるこのマットレスの長手方向の両端側を覆う一対の伸縮面部と、
を有し、
前記マットレスに装着された場合に、前記マットレスの中央方向を向いた前記伸縮面部の縁部と前記マットレスの中央方向を向いた前記裏面部の縁部とに囲まれた位置に前記マットレスを出し入れする開口部が形成されている、
ことを特徴とするマットレス用シーツ。
【請求項２】
前記マットレスに装着された場合に、前記マットレスの長手方向の両端側の側面の端部に対向して位置する四隅に開口が形成されていることを特徴とする請求項１記載のマットレス用シーツ。
【請求項３】
前記伸縮面部の前記縁部は、凹状に湾曲して形成されていることを特徴とする請求項１又は２記載のマットレス用シーツ。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【公開番号】特開２０１０−２７３８２８（Ｐ２０１０−２７３８２８Ａ）
【公開日】平成２２年１２月９日（２０１０．１２．９）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００９−１２８７１８（Ｐ２００９−１２８７１８）
【出願日】平成２１年５月２８日（２００９．５．２８）
【出願人】（５０９１５０９６１）株式会社グリフ (5)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２２年１２月９日（２０１０．１２．９）
【国際特許分類】
【出願日】平成２１年５月２８日（２００９．５．２８）
【出願人】（５０９１５０９６１）株式会社グリフ (5)
【Ｆターム（参考）】
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