説明

マットレス装置

【課題】この発明は内部にダニが出入りしたり、内部で発生するほこりが出てくるのを防止したマットレス装置を提供することにある。
【解決手段】2枚の側地4の周縁部を縫合するとともに、この周縁部の一部にファスナ5を縫合して開閉可能な開閉部を形成した袋状の外装体4と、外装体内に収容されたクッション材9を具備し、
側地はダニやほこりを通さない素材であって、2枚の側地の縫合部分及びファスナが設けられた開閉部はダニやほこりを通さない帯状テープ11によって覆われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は内部にダニが出入りしたり、内部のほこりが出てくることのないマットレス装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、マットレス装置は布地を袋状に縫製した外装体内にウレタンフォームや綿などのクッション材を収容して形成されている。クッション材としてウレタンフォームや綿などを使用した場合、ほこりが出やすいということがあるばかりか、ダニが発生して外部に出てくるということがあったり、逆に外部のダニが内部に侵入するなどのことがあり、利用者にとって好ましいことではなかった。
【0003】
そこで、上記マットレス装置の外装体をダニやほこりを通さない目の細かな布地によって形成するということが行われている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
目の細かい布地で外装体を形成すれば、この布地はダニやほこりを通すのを防止することができる。しかしながら、マットレス装置に用いられる外装体は2枚の布地の周縁部を縫合するとともに、その一部にファスナを縫合して袋状に形成されている。そして、外装体の内部には上記ファスナを開いてクッション材を収容するようにしている。
【0005】
そのため、外装体をダニや埃を通さない目の細かい布地で形成しても、2枚の布地の縫合部分やファスナの縫合部分には縫合糸の縫い目のピッチによって隙間が生じるから、その縫い目の隙間から外装体内にダニが出入りしたり、内部で生じた埃が外部に出てくるということがあった。
【0006】
この発明は、外装体内にダニが出入りしたり、内部からほこりが出てくるのを確実に防止することができるようにしたマットレス装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、2枚の側地の周縁部を縫合するとともに、この周縁部の一部に開閉可能な開閉部が形成された袋状の外装体と、
この外装体内に収容されたクッション材を具備し、
上記側地はダニやほこりを通さない素材であって、2枚の側地の縫合部分及び上記開閉部はダニやほこりを通さない帯状テープによって覆われていることを特徴とするマットレス装置にある。
【0008】
上記2枚の側地はダニやほこりを通さない目の細かい布地であることが好ましい。
【0009】
上記2枚の側地は布地に樹脂フィルムをラミネートして形成されていることが好ましい。
【0010】
2枚の側地の縫合部分と上記開閉部は上記外装体の外周面に位置していて、上記帯状テープはその外周面の全長にわたって設けられていることが好ましい。
【0011】
上記帯状テープはダニやほこりを通さない目の細かい布地によって形成されていて、上記外装地に接着固定されることが好ましい。
【0012】
上記帯状テープは布地に樹脂フィルムをラミネートした構成となっていて、上記外装地に接着固定されることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
この発明によれば、外装体をダニやほこりを通さない側地で形成するとともに、この側地の縫合部分や開閉部を側地と同じようにダニや埃を通さない帯状テープで覆うようにしたため、外装体内にダニが出入りしたり、内部のほこりが外部に出るのを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、この発明の一実施の形態を図面を参照して説明する。
図1はマットレス装置1の上面に設けられた枕2に利用者Uが頭部Hを載せて仰臥し、掛け布団3を掛けて就寝している状態を示している。上記マットレス装置1は外装体4を有する。この外装体4は、たとえば絹に比べて数分の1程度の太さの極細繊維によって、ダニやほこりを通すことのない細かい目に編まれた2枚の側地5によって平面形状が矩形で、薄い扁平の袋状に形成されている。
【0015】
すなわち、上記2枚の側地5は矩形状であって、これら側地5は周縁部の一部を除く全長を図3に示すように糸10aによって縫合するとともに、上記一部に図4に示すようにファスナ6を糸10bによって縫合して開閉可能な袋状に形成されている。上記ファスナ6は外装体4の外周面のうち、長手方向の一端面の全長及びこの一端面の両端に連続する一対の側面の一部にわたって設けられている。
【0016】
つまり、外装体4の外周面の一部には上記ファスナ6によって開閉可能な開閉部が形成されている。開閉部を開閉する手段はファスナ6に限られず、ホックやボタンなどを用いるようにしてもよい。
【0017】
2枚の側地5の縫合部分を第1の縫合部7とし、側地5とファスナ6との縫合部を第2の縫合部8とする。これら第1、第2の縫合部7、8は外装体4の外周面の高さ方向中途部に設けられている。
【0018】
袋状に縫製された外装体4には、上記ファスナ6を開いて内部にクッション体9が収容される。クッション体9としてはウレタンフォームや綿などが用いられるが、その種類は限定されるものでない。
【0019】
第1、第2の縫合部7,8はそれぞれ糸10a、10bによって側地5を縫合しているから、縫合部分には糸10a、10bによる縫い目のピッチに応じた隙間が生じる。そのため、その隙間をダニやほこりが通過することになる。
【0020】
そこで、外装体4の第1、第2の縫合部7,8はダニや埃を通すことのない帯状テープ11によって覆われる。帯状テープ11としては外装体4を形成する側地5と同じ材料の布地を用いたり、ニット生地にウレタンフィルムなどの合成樹脂フィルムをラミネートして気密性を備えた材料などが用いられる。なお、帯状テープ11は側地5と同じ布地に合成樹脂フィルムをラミネートした布地であってもよい。
【0021】
すなわち、上記帯状テープ11は上記第1、第2の縫合部7、8を覆う状態で上記外装体4の外周面の全長にわたって接着固定される。帯状テープ11を外装体4の外周面に接着する手段としては、接着剤を用いて接着したり、両面粘着テープを用いて接着してもよい。
【0022】
さらに、帯状テープ11にホットメルト樹脂をコーティングしておき、この帯状テープ11をアイロンなどで加熱して上記ホットメルト樹脂を溶融硬化させることで、外装体4の外周面に接着するようにしてもよい。
【0023】
なお、外装体4の側地5を形成する素材は、ごみやほこりを通さない目の細かい布地に代えて、帯状テープ11と同様、ニット生地にウレタンフィルムをラミネートした布地を用いたり、ほこりを通さない目の細かい布地にさらにウレタンフィルムをラミネートした布地を用いるようにしてもよい。側地5に後者の布地を用いれば、外装体4の機密性をより一層、高めることができる。さらに、側地5を形成する素材は布地に代えてレザー、人工皮革或いは樹脂製シートなどであってもよい。
【0024】
このように、外装体4の外周面には、第1、第2の縫合部7、8を覆う帯状テープ11を設けたから、これらの縫合部7、8が密封される。そのため、縫合部7、8を通じてダニが外装体4内に出入りしたり、クッション体9で発生するほこりが外部に出るのを防止することができるから、利用者Uはダニやほこりに悩まされることなく快適に就寝することができる。
【0025】
図5は上記掛け布団3の一部を断面した平面図である。この掛け布団3は内部に図示しない羽毛が充填される外装体14を有する。この外装体14はダニやほこりを通すことのない布地を袋状に縫製して形成されている。
【0026】
上記外装体14の内部には帯状の仕切り布15が上下端を外装体14の内面に接着若しくは縫合して格子状に設けられ、外装体14の内部を複数の部屋16に区画している。上記仕切り布15には、各部屋16に羽毛を吹き込むためのパイプを挿通する挿通部(図示せず)が形成されていて、その挿通部を通じて各部屋16に外装体14の外部から挿通される上記パイプによって羽毛が充填されるようになっている。
【0027】
掛け布団3の外装体14は上述したようにダニやほこりを通すことのない布地によって形成されている。そのため、外装体14の内部にダニが出入りしたり、内部のほこりが外部に出るなどのことがないから、上述したマットレス装置1と一緒に使用すれば、利用者Uはダニやほこりに悩まされずに就寝することができる。
【0028】
図6はこの発明の帯状テープ11Aの変形例であって、この帯状テープ11Aは布地21の一側面にウレタンなどの合成樹脂によって形成された樹脂フィルム22がコーティングされている。このような帯状テープ11Aによれば、布地21の目の荒さに係りなく気密性を確保できるから、第1、第2の縫合部7,8からダニが出入りしたり、ほこりが出るのを確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】この発明の一実施の形態を示す利用者がマットレス装置を利用して就寝している状態の側面図。
【図2】マットレス装置の一部断面した側面図。
【図3】外装体の第1の縫合部を拡大して示す断面図。
【図4】外装体の第2の縫合部を拡大して示す断面図。
【図5】掛け布団の一部断面した平面図。
【図6】この発明の他の実施の形態を示す帯状テープの拡大断面図。
【符号の説明】
【0030】
1…マットレス装置、3…掛け布団、4…外装体、5…側地、6…ファスナ、7…第1の縫合部、8…第2の縫合部、9…クッション体、11…帯状テープ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2枚の側地の周縁部を縫合するとともに、この周縁部の一部に開閉可能な開閉部が形成された袋状の外装体と、
この外装体内に収容されたクッション材を具備し、
上記側地はダニやほこりを通さない素材であって、2枚の側地の縫合部分及び上記開閉部はダニやほこりを通さない帯状テープによって覆われていることを特徴とするマットレス装置。
【請求項2】
上記2枚の側地はダニやほこりを通さない目の細かい布地であることを特徴とする請求項1記載のマットレス装置。
【請求項3】
上記2枚の側地は布地に樹脂フィルムをラミネートして形成されていることを特徴とする請求項1記載のマットレス装置。
【請求項4】
2枚の側地の縫合部分と開閉部は上記外装体の外周面に位置していて、上記帯状テープはその外周面の全長にわたって設けられていることを特徴とする請求項1記載のマットレス装置。
【請求項5】
上記帯状テープはダニやほこりを通さない目の細かい布地によって形成されていて、上記外装地に接着固定されることを特徴とする請求項1記載のマットレス装置。
【請求項6】
上記帯状テープは布地に樹脂フィルムをラミネートした構成となっていて、上記外装地に接着固定されることを特徴とする請求項1記載のマットレス装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−255293(P2006−255293A)
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−79718(P2005−79718)
【出願日】平成17年3月18日(2005.3.18)
【出願人】(000010032)フランスベッド株式会社 (95)
【Fターム(参考)】