マルチコアプレーナー光導波路、並びに、この製造及び使用方法
マルチコア光導波路は、基板と、下部及び上部導波路コアレイヤと、上部及び下部導波路コアレイヤの間の導波路コアと、上部及び下部クラッディングと、導波路コアを実質的に取り囲んでいる上部及び下部導波路コアレイヤの間のミドルクラッディングと、を有している。下部、ミドル、及び上部クラッディングのそれぞれは、下部導波路コアレイヤ、上部導波路コアレイヤ、及び導波路コアの屈折率を下回る屈折率を具備している。少なくとも光導波路の所定の部分に沿って、上部及び下部導波路コアレイヤは、光導波路によってサポートされている伝播光学モードの横方向の大きさを両側において実質的に超えて延長しており、サポートされている光学モードの横方向の大きさは、光導波路の所定の部分に沿った導波路コアの幅によって少なくとも部分的に決定されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願に対する優先権の主張)
本出願は、2005年2月15日付けで出願された米国特許出願第11/058,535号に基づいた優先権を主張するものであり、この出願は、本引用により、本明細書にすべて記述されているかのように本明細書に包含される。
【0002】
本発明の分野は、光導波路に関するものである。更に詳しくは、本明細書においては、マルチコアプレーナー光導波路、並びに、その製造及び使用方法について開示している。
【背景技術】
【0003】
導波路基板上に製造されたプレーナー光導波路は、様々な光学アセンブリに内蔵可能である。このような光導波路は、複数のコア又はコアレイヤで製造できる。このようなマルチコアプレーナー光導波路の使用は、後述するように、様々な意味において有利であろう。
【0004】
本出願に開示されている主題は、i)2004年4月29日付けで出願された米国特許出願第10/836,641号(2004年12月30日付けで公開された特許出願公開第2004/0264905A1号)、ii)2003年10月9日付けで出願された米国特許出願第10/682,768号(未公開)、iii)2003年9月12日付けで出願された米国特許出願第10/661,709号(2004年7月8日付けで公開された米国特許公開第2004/0129935A1号)、並びに、iv)2003年6月27日付けで出願された米国特許出願第10/609,018号(2004年3月18日付けで公開された米国特許公開第2004/0052467A1号)に開示されている主題に関連し得る。これらの出願のそれぞれは、本引用により、本明細書にすべて記述されているかのように本明細書に包含される。
【発明の開示】
【0005】
マルチコア光導波路は、実質的に平坦な導波路基板と、下部導波路コアレイヤと、上部導波路コアレイヤと、上部及び下部導波路コアレイヤの間の導波路コアと、基板と下部導波路コアレイヤの間の下部クラッディングと、上部導波路コアレイヤ上の上部クラッディングと、導波路コアを実質的に取り囲んでいる上部及び下部導波路コアレイヤの間のミドルクラッディングと、を有している。下部、ミドル、及び上部クラッディングのそれぞれは、下部導波路コアレイヤ、上部導波路コアレイヤ、及び導波路コアの屈折率を下回る屈折率を具備している。光導波路の少なくとも所定の部分に沿って、上部及び下部導波路コアレイヤは、光導波路によってサポートされる伝播光学モードの横方向の大きさを両側において実質的に超えて延長しており、サポートされる光学モードの横方向の大きさは、上記の光導波路の所定の部分に沿った導波路コアの幅によって少なくとも部分的に決定されている。光導波路は、第2導波路コアを更に有することができる。これらの導波路コアは、導波路コア間における光学結合によるモード変換を実現するべく、様々な方式においてテーパーを持たせることができる。導波路は、光ファイバ又はプレーナー導波路との光学端部結合のために、その端面において終端可能であり、このような端部結合のために導波路の終端セグメントを適合させることができる。
【0006】
導波路は、導波路基板上に下部クラッディングレイヤを形成する段階と、下部クラッディングレイヤ上に下部導波路コアレイヤを形成する段階と、下部コアレイヤ上にミドルクラッディングレイヤの下部部分を形成する段階と、ミドルクラッディングレイヤの下部部分上に導波路コアを形成する段階と、導波路コアの上方において、且つ、ミドルクラッディングレイヤの下部部分の露出したエリア上に、ミドルクラッディングレイヤの上部部分を形成する段階と、ミドルクラッディングレイヤの上部部分上に上部導波路コアレイヤを形成する段階と、上部導波路コアレイヤ上に上部クラッディングレイヤを形成する段階と、によって製造可能である。様々な導波路コア、コアレイヤ、又はクラッディングの空間的なパターニングは逐次的に又は同時に行ってよい。
【0007】
本明細書に開示されているマルチコアプレーナー光導波路に関する目的及び利点については、図面に例示されていると共に以下に記述されている説明又は請求項に開示されている開示対象の模範的な実施例を参照することにより、明らかとなるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
図面に示されている実施例は、模範的なものであり、本開示及び/又は添付の請求項の範囲を限定するものと解釈してはならない。図面に示されている構造の相対的なサイズ及び比率は、いくつかの例においては、開示対象の実施例の例示を円滑に行うべく歪曲されている可能性があることに留意されたい。
【0009】
図1A〜図1Eは、導波路基板102上に配置された、マルチコア低コントラストプレーナー導波路の模範的な実施例の断面を示す。基板102は、この例においては、シリコンなどの半導体基板から構成可能であるが、任意の適切な基板材料を利用可能である。この例においては、低コントラストの導波路コア113は、ドーピングされたシリカから構成されると共に、低屈折率のミドルクラッディングレイヤ120bによって取り囲まれており、このミドルクラッディングレイヤは、約1.44〜1.46の屈折率を有するドーピングされた又はドーピングされていないシリカを有している。尚、本明細書に使用されている「低コントラスト」又は「低屈折率コントラスト」という用語は、約5%未満の屈折率のコントラストを意味している。この例における導波路コア113とミドルクラッディング120bの間の屈折率コントラストは、約5%未満であるか、又は約0.5%〜約3%であるか、或いは、約1%〜約2%であってよい。例えば、コア113は、通常、約1.46〜約1.48の屈折率を有していてよい。ミドルクラッディングレイヤ120b及びその内部のコア113は、2つのドーピングされたシリカコアレイヤ111及び112の間に配設されており、これらのシリカコアレイヤは、低屈折率の上部クラッディング120cと低屈折率の下部クラッディング120aの間に配設されている。この例におけるクラッディングレイヤ120a及び120cは、ミドルクラッディング120bに類似した又はこれと同一の屈折率を有するドーピングされた又はドーピングされていないシリカから構成されている。コアレイヤ111及び112は、クラッディングレイヤ120a、120b、及び120cの屈折率よりも大きく、且つ、導波路コア113の屈折率に類似した又はこれと同一の屈折率を有するドーピングされたシリカから構成可能である。コア113、コアレイヤ111及び112、又はクラッディング120a、120b、又は120cを形成するべく、任意のその他の適切な材料を利用することも可能である。
【0010】
図1B及び図1Eの例においては、コアレイヤ111及び112は、導波路によってサポートされている伝播光学モードの横断方向の大きさを両側において実質的に超えて延長している。このような光学モードは、通常、導波路コア113によって横方向において閉じ込められており、コア113の横断方向の大きさが、サポートされている光学モードの横断方向の大きさを少なくとも部分的に決定している。図1A、図1C、及び図1Dの例においては、コアレイヤ111及び/又は112を終端している突出した側部表面を得るように、クラッディングレイヤ120a、120b、又は120cを形成可能である。このような側部表面は、様々な深さにおいて提供可能であり、コア113の深さの近傍において又はこれを超えて下方に延長してもよく、又はしなくてもよい。導波路は、図1A〜図1Eに示されている様々な構成を具備した複数のセグメントを包含するように形成可能である。1つ又は2つの側部突出表面を具備したいくつかの実施例においては、コアレイヤ111及び112は、サポートされている光学モードの横断方向の大きさを両側において実質的に超えて延長可能である。或いは、この代わりに、その他の実施例においては、サポートされている光学モードの横断方向の大きさは、コアレイヤ111及び112の横断方向の大きさによるか(これらが導波路コア113の十分近傍において終端している場合)、又は側部突出表面の存在により(これが導波路コア113の十分近傍において形成されている場合)、部分的に決定可能である。図1A〜図1Eの模範的なマルチコア低コントラスト導波路のいずれにおいても、サポートされている伝播光学モードは、コアレイヤ111及び112によって垂直方向において実質的に閉じ込められておリ、コア113の存在が、その中心の近傍における(垂直次元に沿った)空間モードプロファイルの詳細に対して影響を及ぼしている。
【0011】
前述のシリカ又はドーピングされたシリカのコア、コアレイヤ、及びクラッディングを有する模範的なマルチコア低コントラスト導波路においては、導波路コア113は、厚さ約0.7μm×幅約8μmであってよく、コアレイヤ111及び112は、それぞれ、厚さが約0.6μmであってよく、コアレイヤ111及び112のそれぞれからコア113を分離しているミドルクラッディング1120bの厚さは、約1.5μmであってよい。約1.3〜1.5μmの波長において、これらの寸法は、高さ約8μm×幅約10μmの横モードサイズを生成可能である(モードサイズは、1/e2 HW powerとして表現されている)。コア、コアレイヤ、又はクラッディングのその他の寸法又は屈折率を選択することにより、本開示の範囲内において、適切なモードサイズ及び形状を生成可能である。例えば、光ファイバモード又は別の光導波路のモードとの空間モード整合のために適切なモードサイズ及び形状を選択することにより、回折光損失のレベルが低減された端部結合を実現可能である。コア113は、厚さが約0.3μm〜最大で約1μm、幅が約3μm〜12μmの範囲であってよい。シングルモード動作を必要としていないいくつかの例においては、コア113は、幅が約15μm又は約20μmであってよい。コアレイヤ111及び112は、厚さが約0.3μm〜最大約2μmの範囲であってよい。コア113及びコアレイヤ111/112の屈折率は、通常、約1.46〜約1.48の範囲であり、クラッディング120a/120b/120cの屈折率は、通常、約1.44〜1.46の範囲である。前述の屈折率−コントラストの範囲の1つ又は複数のものの中において、任意のその他の適切な屈折率を利用可能である。コアレイヤ111/112からコア113を分離しているクラッディング120bの部分は、厚さが約1μm〜約3μmの範囲であってよい。寸法の特定の組み合わせは、望ましい空間モード特性と、利用している特定の屈折率コントラストの程度によって左右されることになる。ドーピングされた及びドーピングされていないシリカに加えて、その他の適切なコア及びクラッディング材料を同様に利用可能である。以前の例と同様に、コアレイヤ111の下の下部クラッディングレイヤ120aは、導波路から基板102内への光漏れを低減又は実質的に除去するべく、(機能的に許容可能な限度内において)十分に厚いものであってよく、或いは、(前述のように)このクラッディングと基板の間に反射性コーティングを利用することも可能である。下部クラッディングは、厚さが、約5μm超、又は約6μm〜約12μm、或いは、約8μm〜約10μmであってよい。同様に、上部コアレイヤ112上の上部クラッディングレイヤ1120cは、導波路の上部表面を通じた光漏れを(機能的に許容可能な限度内において)低減又は実質的に除去するべく、或いは、サポートされている光学モードを(機能的に許容可能な限度内において)使用環境から実質的に隔離するべく、十分に厚いものであってよい。上部クラッディングは、厚さが約5μm超、又は約6μm〜約12μm、或いは、約8μm〜約10μmであってよい。
【0012】
図1A〜図1Eに示されている例などのマルチコア低コントラスト導波路の製造は、通常、下部クラッディング120a、コアレイヤ111、及びクラッディング120bの下部部分の(この順番による)堆積によって開始される。次いで、通常、堆積されたクラッディング120bの実質的に平坦な上部表面上に、空間的に選択的な堆積によるか、或いは、空間的に選択的な除去によって後続される実質的に均一な堆積により、導波路コア113を形成する。コア113を形成した後に、更なるクラッディング120bを堆積するが、これは、クラッディング120bの下部部分を形成するのに堆積されたものと同一の材料から構成することも可能であり、そうでなくてもよい、実質的なコンフォーマリティ(conformality)の程度を具備した堆積プロセスを利用した場合には、クラッディング120bの上部表面は、導波路コア113の直接上方において隆起した部分を有することになる。このような平坦ではないクラッディング表面上に上部コアレイヤ112を直接堆積することにより、結果的に導波路コア113の直接上方においてコアレイヤ112の対応した隆起部分を生成可能である。この平坦ではないコアレイヤ112上に上部クラッディング120cを堆積することにより、結果的にクラッディングレイヤ120cの対応した平坦ではない上部表面を生成可能である。この模範的な製造シーケンスの結果として得られるマルチコア低コントラスト導波路は、図1Bに示されている模範的な実施例に似たものとなろう。基礎をなしている形状とは無関係に実質的に平坦な上部表面を生成する堆積プロセスをクラッディング120bに利用するか、或いは、その上部にコアレイヤ112を堆積する前に、クラッディング120bの平坦ではない上部表面を実質的に平坦化した場合には、結果的に得られるマルチコア導波路は、図1Eに示されている模範的な実施例に似たものとなろう。いずれ(平坦な又は平坦ではないコアレイヤ112)の場合にも、結果的に得られた導波路を必要又は所望に応じて更に加工することにより、図1A、図1C、又は図1Dに示されているように、突出した側部表面を生成可能である。屈折率コントラストが相対的に低く(例えば、約5%未満であり)、且つ、十分に薄い(例えば、約1μm未満である)導波路コア113の場合には、平坦ではない上部コアレイヤ112を有するマルチコア導波路は、実質的に平坦な上部コアレイヤ112を有するマルチコア導波路が有するものと実質的に類似した光学性能特性を有している。
【0013】
高コントラストコアをも含む模範的なマルチコアプレーナー光導波路が図2A〜図2Eに示されている。以前の例と同様に、基板202は、シリコンから構成可能であるが、1つ又は複数の任意の適切な基板材料を利用することも可能であり、且つ、クラッディングレイヤ220a、220b、及び220cも、適切な厚さのドーピングされた又はドーピングされていないシリカ(約1.44〜約1.46の屈折率)から構成可能であるが、1つ又は複数の任意の適切なクラッディング材料を利用することも可能である。この例においては、高屈折率コントラスト導波路コア213bは、厚さが数十〜数百ナノメートルであって、幅が数ミクロンである窒化珪素又は酸窒化珪素のレイヤ(約5%を上回る高い屈折率コントラスト)から構成可能である。高コントラストコア213bは、導波路全体に沿って延長可能であり、或いは、導波路の1つ又は複数のセグメントに沿って延長し、その他のセグメントにおいては省略することも可能である。低屈折率コントラストコア213aは、厚さが約0.7μmであって幅が約8μmであるドーピングされたシリカから構成可能であり、この例においては、約1.46〜約1.46の屈折率を有している。低屈折率コントラストコアレイヤ211及び212は、厚さが約0.6μmのシリカ又はドーピングされたシリカから構成可能であり、導波路コア213aに類似した又はこれと同一の屈折率を有している。図示の例においては、導波路コア213a及び213bは、接触状態にあるが、コア213a及び213bがクラッディング材料220bによって分離されている実施例も本開示又は添付の請求項の範囲に属することになる。導波路コア213bが存在しており、且つ、導波路コア213aが幅が少なくとも数十ミクロンであるか、或いは、導波路コア213bが幅が1〜2μm超である導波路の部分においては、導波路コア213a及びコアレイヤ211/212の存在は、導波路の光学モード特性に対してわずかな影響しか具備しておらず(又は、なんの影響をも具備しておらず)、これらの特性は、コア213bのサイズ、形状、及び屈折率コントラストによって実質的に決定される。導波路コア213bを欠いている導波路セグメントにおいては、導波路コア213a及びコアレイヤ211/212が、これらの屈折率コントラスト、寸法、及び相対的な位置、並びに、クラッディングレイヤ220a/220b/220cの屈折率によって実質的に決定される特性を有する光学モードをサポート可能である。導波路コア213bのサイズが、幅において、約1〜2ミクロンを下回って、もはや存在しなくなるまで減少するのに伴って、この導波路によってサポートされる光学モードは、これら2つの極限の間において継続的に変化し、導波路コア213a/213b及びレイヤ211/212の寸法の適切な組み合わせにより、様々な望ましいモードサイズ、形状、又はその他の特性を実現可能である。クラッディング220a/220b/220c及びレイヤ211/212の側部部分は、前述の様々な方法のいずれか(即ち、突出した側部表面を有するもの又は有していないもの)において構成可能であり、導波路は、このような様々な構成を具備した複数のセグメントを包含するべく形成可能である。
【0014】
図2A〜図2Eの導波路のマルチコア構造によれば、様々な光学性能及び/又は機能を実現する多数の光学設計が可能である。前述のように、高屈折率コントラストコアレイヤ213Bは、光検出器の照明やその他の内容を目的として、別の光導波路又は半導体光学装置との実質的に空間モード整合された光学端部結合、或いは、別の光導波路との(実質的に断熱的であるか、実質的にモード/屈折率整合されて(modal−index−matched)いるか、又はその他の)光学横結合(optical transverse−coupling)のために、容易に適合可能である。低屈折率コントラストコア213a及びコアレイヤ211/212は、別の光導波路又は光ファイバとの実質的に空間モード整合された光学端部結合のために、又は2つのこのような光導波路の端部間における様々な自由空間光学コンポーネントの挿入を実現するために、或いは、その他の目的のために、容易に適合可能である。このような導波路コア213a及びコアレイヤ211/212の適合は、所望のモード特性を実現するべく低減された幅を有する導波路コア213b(例えば、幅が約1μm未満である)の存在を包含可能である。導波路コア213a及び213bを形成している材料を空間的に選択的にパターニングすることにより、これら2つの個別の導波路タイプ(高屈折率コントラストコアと低屈折率コントラストマルチコア)の間において実質的に断熱的な遷移を実現可能である。
【0015】
図3A〜図3Eに示されているように、導波路の第1セグメント300aにおいて、実質的に均一な低屈折率コントラストコアレイヤ311/312と実質的に均一な導波路コア材料レイヤ313aの間に、幅が数ミクロンの高屈折率コントラスト導波路コア313bをパターニング可能である。この第1導波路セグメント300aに沿っては、高コントラスト導波路コア313bが、導波される光学モードの特性を実質的に決定しており、レイヤ311/312/313aは、導波路の特性に対して無視可能な影響を具備している(図3B)。第2導波路セグメント300bに沿っては、導波路コア313bと同様に、導波路コア材料レイヤ313aをパターニング可能である。レイヤ313bは、高屈折率コントラストコアの存在を継続するべくパターニング可能であり、レイヤ313aは、低屈折率コントラスト導波路コアを形成するべくパターニング可能である(図3C)。レイヤ313aのパターニングは、低屈折率コントラスト導波路コアが徐々に出現するように(即ち、図示のように、実質的に断熱的に)、或いは、低屈折率コントラストコアが突然出現するように(図示されてはいない)、実行可能である。高コントラストコア313bは、セグメント300bに沿って導波路の光学特性を実質的に決定することを継続している。導波路の第3セグメント300cに沿っては(図3D)、高コントラスト導波路コア313bは、最終的に終端するまで、導波路の流さに沿ってその幅が徐々に減少するようにパターニングされており、低コントラスト導波路コア313aは、セグメント300cの長さに沿って存在するように継続している。この高コントラスト導波路313bに持たせたテーパーは、セグメント300cの一端における高コントラスト導波路コア313bの導波路光学モード特性から、セグメント300cの他端における低コントラストの導波路コア313a及びコアレイヤ311/312の導波路光学モード特性への実質的に断熱的な遷移を実現するべく、十分に緩やかなものになっている。導波路の第4セグメント300dは、低コントラスト導波路コア313a及びコアレイヤ311/312のみを含んでおり、高コントラスト導波路コア313bを有してはいない(図3E)。高コントラスト導波路コア313bは、セグメント300dによってサポートされている光学モードの所望の特性を実現するべく、終端する代わりに、なんらかの最小限の幅(図示されてはいないが、例えば、約1μm未満)までテーパーを付けた後に、セグメント300dに沿ってその幅に留まることも可能である。図3A〜図3Eに示されている模範的な光導波路は、光学パワーがいずれかの方向に伝播する光学モード変換器として機能可能である。
【0016】
図2A〜図2E及び図3A〜図3Eのマルチコア実施例の変形においては、高コントラストコア213b/313bは、低コントラストコアレイヤ211/311及び212/312並びに低コントラストコア313aとの関係において任意の適切な垂直位置に配置可能である。低コントラストレイヤの境界面の中の1つに高コントラストコア213b/313bを配置することにより、(コア213b/313bを取り囲むレイヤを2段階で堆積する必要性を除くことによって)製造段階の数を低減可能である。コアレイヤ211/311及び212/312の間において低コントラストコア213a/313aとの接触状態に高コントラストコア213b/313bを配置することにより、マルチコア低コントラスト導波路によってサポートされている最低次数の対称モードへの優先的な光学結合を結果的に得ることができる。高コントラストコア313bと低コントラストコア313aの間における実質的に断熱的な遷移の代わりに(図3A〜図3E)、その他の様々な実施例においては、コア313a及び313bは、徐々にではなく、突然に出現及び/又は終端することも可能である。このような構成は、実質的に断熱的な横結合の代わりに、コア間における実質的にモード/屈折率整合された光学横結合のために適しているであろう。これらの実施例の多くのその他の変形を本開示の範囲内において想定可能である。
【0017】
図2A〜図2E及び図3A〜図3Eの模範的な導波路は、図1A〜図1Eの模範的な導波路を製造するべく前述したものと同様の処理シーケンスによって製造可能である。例えば、図2A〜図2Eに示されている例などの導波路の製造は、通常、下部クラッディング220a、コアレイヤ211、及びクラッディング220bの下部部分の(この順番による)堆積から開始可能である。次いで、通常は、空間的に選択的な堆積、或いは、空間的に選択的な除去によって後続される実質的に均一な堆積により、堆積されたクラッディング220bの実質的に平坦な上部表面上にコア213a及び213bを形成可能である。後者の場合には、両方の材料レイヤを堆積してからいずれかを空間的に選択的に加工してよい。コア213a及び213bをクラッディング220bによって分離する場合には、1つのコアを形成した後に、且つ、他方を形成する前に、クラッディングの中間レイヤ220bを(後述するように、この中間クラッディングレイヤの上部表面の平坦化を伴うか、又は伴うことなしに)堆積することになろう。コア213a及び213bが形成された後に、追加クラッディング220bを堆積するが、これは、クラッディング220bの下部部分(又は、中間部分(存在する場合))を形成するのに堆積されたものと同一の材料から構成することも可能であり、そうでなくてもよい。実質的なコンフォーマリティのレベルを具備した堆積プロセスを利用した場合には、クラッディング220bの上部表面は、導波路コア213a及び213bの直接上方において隆起した部分を有することになろう。このような平坦ではないクラッディング表面上に上部コアレイヤ212を直接堆積することにより、結果的に導波路コア213a及び213bの直接上方においてコアレイヤ212の対応した隆起部分を得ることができる。平坦ではないコアレイヤ212上に上部クラッディング220cを堆積することにより、結果的にクラッディングレイヤ1220cの対応した平坦ではない上部表面を得ることができる。この模範的な製造シーケンスの結果として得られるマルチコア導波路は、図2Bに示されている模範的な実施例に似たものとなろう。基礎をなしている形状とは無関係に実質的に平坦な上部表面をもたらす堆積プロセスをクラッディング220bに利用するか、或いは、その上部にコアレイヤ212を堆積する前に、クラッディング220bの平坦ではない上部表面を実質的に平坦化した場合には、結果的に得られるマルチコア導波路は、図2Eに示されている模範的な実施例に似たものとなろう。いずれ(平坦な又は平坦ではないコアレイヤ212)の場合にも、結果的に得られる導波路を必要又は所望に応じて更に処理することにより、図2A、図2C、又は図2Dに示されているように、突出した側部表面を得ることができる。屈折率コントラストが相対的に低く(約5%未満)、且つ、十分に薄い(例えば、約1μm未満である)導波路コア213の場合には、平坦ではない上部コアレイヤ212を有するマルチコア導波路は、実質的に平坦な上部コアレイヤ212を有するマルチコア導波路が有するものに実質的に類似した光学性能特性を有している。
【0018】
図4A〜図4Dの模範的な実施例においては、基板402上に形成されたマルチコア導波路は、基板のセグメント400c上に形成されたV溝403において終端している。V溝403内に収容されている光ファイバ(図示されてはいない)を導波路に端部結合可能である。導波路のセグメント400aによってサポートされている光学モードは、水平次元において細長くなったやや楕円形の横モード形状を有することができる。このようなモードは、別の同様に構成された導波路に対する端部結合には十分なものであろうが、溝403内に収容されている光ファイバに対しては、最適とはいえない端部結合を提供することになろう。その端面において更に略対称的な空間モードをサポートするべく導波路の終端セグメント400bを適合させることにより、V溝403内に収容されている光ファイバに対する端部結合を改善可能である。1つの適切な適合法が図4A〜図4Dに示されており、この場合には、コア及びクラッディング材料を基板402まで除去すると共に側部突出表面404を形成するべく、導波路のセグメント400bに隣接する2つのエリアをエッチングしている(又は、その他の加工を施している)。エッチングされたエリアは、導波路の端部の近傍においてコアレイヤ411及び412が導波路コア413の横方向の端部に十分近いところで終端し、この結果、レイヤ411及び412が少なくとも部分的に横方向において伝播光学モードを閉じ込めるように、構成されている。導波路の端部においてレイヤ411及び412の適切な幅を選択することにより(これは、エッチングされたエリアを充填するべく後から利用可能である埋込媒体やカプセル材料などの材料の屈折率に部分的に基づいた選択肢である)、機能的に許容可能なレベル以上において導波路とファイバの間の端部結合を提供するべく、伝播モードの形状を光ファイバのものに対して更に良好に整合したものにすることができる。必要又は所望に応じて、導波路の端面に向かって導波路に沿って幅にテーパーが付けられているコアレイヤ411及び412により、導波路セグメント400aと導波路セグメント400bの端部の間の遷移を実質的に断熱的なものにすることができる。多くのケースにおいて、屈折率整合物質が導波路の端部と光ファイバの間に堆積されているが、その屈折率が、コアレイヤ411及び412の屈折率を下回っているか、又はクラッディングレイヤ420a、420b、又は420cの屈折率を上回っていない場合には、このような屈折率整合材料を利用してエッチングエリアを充填することも可能である。加工を容易にするべく、いくつかの実施例においては、導波路の末端に、薄い端部壁405を残すことができる(この壁は、レイヤ420a/420b/420c及び411/412を包含することになろう)。このような端部壁は、導波路の端面に入射する又はこれから出射する伝播光学モードに対して実質的に影響を及ぼさないように、十分に薄いものにすることができる(約10μm未満、通常は、わずかに2〜3μmである)。端部壁を有する又は有していない実施例も本開示又は添付の請求項の範囲内に属している。
【0019】
コアレイヤ411/412が少なくとも部分的に横方向において伝播光学モードを閉じ込めるように単一段階においてコアレイヤ411/412及びすべてのクラッディング420a/420b/420cの両方をエッチングする代わりに(この結果、例えば、図4A〜図4Dのものなどの構造が得られることになる)、導波路の端面(図示されてはいない)に向かって導波路に沿って幅にテーパーを持たせるように、導波路の製造の際にコアレイヤ411/412を個別にパターニングすることも可能である。このような製造方式の結果、ミドルクラッディング420bは、コアレイヤ411の横方向のエッジと接触状態となり、上部クラッディング420cは、コアレイヤ412の横方向のエッジと接触状態となろう。
【0020】
模範的な導波路について先程開示した代表的な寸法及び屈折率コントラストにおいては、下部及び上部コアレイヤ411/412は、コア413のそれぞれの横方向のエッジから約15μm未満において終端している場合には、導波路の端面における横方向の閉じ込めに対して寄与することが観察された。端面における更に広いコアレイヤ411/412は、ある程度の閉じ込めを実質的に提供するとは考えられない。導波路の端面の近傍における終端コアレイヤ411/412の幅は、略コア413の幅〜最大でコア413の幅を約30μmだけ上回るものという範囲であってよく、或いは、コア413よりも約6μmだけ広いもの〜約20μmだけ広いものという範囲であってよく、或いは、コア413よりも約8μmだけ広いもの〜約12μmだけ広いものという範囲であってよい。
【0021】
端部結合用の光ファイバを収容するV溝の代わりに、基板402は、その上部に形成され、且つ、端部結合用に配置された第2光導波路を具備している(図示されてはいない)。或いは、この代わりに、基板402は、第2基板上に形成され、且つ、端部結合のために基板402と後からアセンブルされる第2プレーナー光導波路(図示されてはいない)を受け入れるべく適合させることも可能である。これらの代替シナリオのいずれにおいても、導波路の終端セグメント400bは、機能的に許容可能なレベル以上において導波路間の端部結合を実現する任意の適切な方式において適合可能である。
【0022】
図1A〜図1E、図2A〜図2E、図3A〜図3B、及び図4A〜図4D、並びに、これらの変形に示されているマルチコア導波路の模範的な実施例は、先程引用した出願第10/836,641号に開示されているデュアルコア導波路が有している望ましい光学特性の多くを有している。コア、コアレイヤ、又はクラッディングレイヤの屈折率又は厚さを調節することにより、マルチコア導波路によってサポートされている伝播光学モードの空間特性を調節可能である。このマルチコア導波路は、その他のプレーナー光導波路及び光ファイバを含むその他の光導波路との効率的な端部結合を実現している。このマルチコア導波路によってサポートされている光学モードの横次元は、通常、波長との関連において(少なくとも代表的な近赤外通信の波長範囲において)実質的に不変である。このマルチコア導波路によってサポートされている最低次数モードは、(特に、図4A〜図4Dにおけるように適合された場合に)別のプレーナー導波路又は光ファイバと実質的に空間モード整合可能である。このマルチコア導波路によってサポートされている光学モードは、導波路の端面を超えて多少の距離だけ伝播した際に最小同位相波面曲率(minimum phase front curvature)を有する傾向を有している。このような最小同位相波面(minimum phase front)は、前述の代表的な波長及びモードサイズにおいては、導波路の端面から約5〜30μmのところにおいて発生する傾向を有している。これにより、別のプレーナー導波路又は光ファイバとの端部結合における回折光損失の大幅な低減が可能である。例えば、先程引用した出願第10/682,768号の開示内容に従って、導波路間における自由空間光伝播が必要である場合に、マルチコア低コントラスト導波路を有利に実装可能である。例えば、先程引用した出願第10/661,709号の開示内容に従って、導波路の端面から光検出器への自由空間光伝播が必要である場合に、マルチコア低コントラスト導波路を有利に実装可能である。又、マルチコア低コントラスト導波路は、シングルコアプレーナー導波路と比べて、低減された偏光及び/又は波長依存性を有することができる。本開示及び/又は添付の請求項の範囲を逸脱することなしに、図1A〜図1E、図2A〜図2E、図3A〜図3E、及び図4A〜図4Dの導波路のいずれかのコア、コアレイヤ、及びクラッディングレイヤの屈折率、厚さ、及び横断方向寸法のすべてを最適化することにより、(光損失、偏光依存性、波長依存性、空間モード整合などとの関係において)所望の機能的に許容可能な性能を実現可能である。
【0023】
尚、添付図面に示されている模範的な低プロファイルコア導波路は、1つ又は複数の低プロファイルコア又はコアレイヤによって形成可能であるプレーナー導波路の様々な実施例の中のサンプルを表すものに過ぎない。1つ、2つ、3つ、又は4つの導波路コア又はコアレイヤを含む模範的な実施例が示されているが、更に大きな数の導波路コアを含む実施例を本開示の範囲内において実装可能である。本開示の範囲を逸脱することなしに、多くのその他の適切な低プロファイルコア導波路構成を利用可能であり、且つ、そのために、その他の適切な材料及び/又は材料の組み合わせを使用可能である。
【0024】
本明細書に開示されている低コントラストマルチコア導波路は、相対的にわずかな又は実質的に無視可能な偏光又は波長依存性を有することができる。このような導波路は、このような依存性が望ましくない又は許容不能であるアプリケーションにとって非常に適したものとなろう。例えば、このような実質的に偏光無依存型の導波路は、到来光の偏光状態が不明であるか又はこれが時間と共に変化可能である光レシーバにおいて利用可能である。このような低コントラストマルチコア導波路は、通常、その高コントラスト又はシングルコアの相当品と比べて、(多くの場合に、介在する光学コンポーネントを通じた)2つの導波路の隣接する端面間における自由空間光伝播を伴うアプリケーションにとってより適切なモードをサポート可能である。低コントラストマルチコア導波路のモード特性が導波路端面間における伝送の際に経験する回折光損失は、相対的に小さなものであろう。
【0025】
前述のように、(先程引用した出願第10/836,641号におけるような)シングルコア低コントラスト導波路と比べて、本明細書に開示されているマルチコア低コントラスト導波路は、偏光又は波長に対する依存性が小さい又は無視可能であるモード特性を有する傾向を有している。更には、垂直次元における所定の(1/e2 HW powerとして表現された)モードサイズにおいて、シングルコア低コントラスト導波路によってサポートされている光学モードは、マルチコア低コントラスト導波路によってサポートされている光学モードのものと比べて、モード軸から大きくより離れて延長する幾何級数的に減衰するウィング(wing)を具備している。この結果、所定の上部及び下部クラッディングの厚さにおいて、マルチコア低コントラスト導波路が有する基板内又は環境内への結合を通じた光損失は、シングルコア低コントラスト導波路よりも少ない。換言すれば、所定の機能的に許容可能な光損失のレベルにおいて、マルチコア低コントラスト導波路の場合には、相対的に薄い上部及び下部クラッディングレイヤを利用可能である。
【0026】
マルチコア低コントラスト導波路は、相対的に厚いシングルコアの望ましい光学プロパティ特性を提供しつつ、低プロファイル及び薄いコアという製造上の利点(先ほど引用された出願第10/609,018号及び第10/836,641号に開示されているように、相対的に浅いエッチング、相対的に正確なリソグラフィ、エッチングされた形状間における実質的に完全な充填、堆積されたレイヤの実質的に平坦な上部表面など)を提供している。例えば、図1A〜図1Eのレイヤをそれぞれ順番に堆積及び空間的にパターニングする場合には、約1.0μmよりも厚い(並びに、通常、約0.7μmよりも厚い)レイヤを空間的にパターニングする必要はない。例えば、パターニングされたコア113の低プロファイルは、ミドルクラッディング120bの一部の後続の堆積により、コアレイヤ112を堆積するための実質的に平らな上部表面が結果的に得られることを保証している。図1A〜図1Eにおけるマルチコア低コントラスト導波路は、相対的に厚いシングルコアの望ましい光学特性の多くを有しているが、必要とされているのは、通常、約1μm未満の厚さ(多くの場合に、約0.7μm未満の厚さ)のレイヤの単一のパターニング段階のみである。
【0027】
本明細書に利用されている「光導波路」(又は、等価的に「導波路」)という用語は、1つ又は複数の光学モードをサポートするべく適合された構造を意味している。このような導波路は、通常、長手方向の次元における伝播を許容しつつ、2つの横断方向の次元において、サポートされている光学モードの閉じ込めを提供している。この横断方向及び長手方向の次元/方向は、湾曲した導波路においては、局所的に定義されることになり、従って、横断方向及び長手方向の次元の絶対的な向きは、例えば、曲線からなる導波路の長さに沿って変化可能である。光導波路の例は、様々なタイプの光ファイバ及び様々なタイプのプレーナー導波路を包含可能である(但し、これらに限定されない)。本明細書に利用されている「プレーナー光導波路」(又は、等価的に「プレーナー導波路」)は、実質的に平坦な基板上に提供されている光導波路を意味している。長手方向の次元(即ち、伝播次元)は、基板に対して実質的に平行であると考えられる。基板に対して実質的に平行である横断方向の次元は、横方向又は水平方向の次元と呼称可能であり、基板に対して実質的に垂直である横断方向の次元は、垂直方向の次元と呼称可能である。「上方」及び「下方」、「最上部」及び「底部」、「上」及び「下」などの用語は、基板との関係において定義されており、導波路は、基板の「上方」として定義されている。このような導波路の例は、リッジ導波路、埋込型導波路、半導体導波路(シリコン、シリコンに基づいたもの、III−V、その他のもの)、その他の高屈折率導波路(「高屈折率」とは、約2.5超である)、シリカに基づいた導波路(シリカ、ドーピングされたシリカ、及び/又はその他のシリカに基づいた材料)、ポリマー導波路、その他の低屈折率導波路(「低屈折率」とは、約2.5未満である)、コア/クラッドタイプの導波路、MLR(Multi−Layer Reflector)導波路、金属被覆導波路、空気導波型導波路、真空導波型導波路、フォトニック結晶に基づいた又はフォトニックバンドキャップに基づいた導波路、EO(Electro−Optic)及び/又はEA(Electro−Absorptive)材料を内蔵した導波路、NLO(Non−Linear−Optical)材料を内蔵した導波路、及び本明細書に明示的に記述されていないが本開示及び/又は添付の請求項の範囲内に属する多数のその他の例を含んでいる。半導体(シリコン、シリコンに基づいたもの、III−V、その他のもの)、結晶質、シリカ又はシリカに基づいたもの、その他のガラス、セラミック、金属、及び本明細書に明示的に記述されていないが本開示及び/又は添付の請求項の範囲に属する多数のその他の例を含む多くの適切な基板材料を利用可能である。上述の説明の目的及び/又は添付の請求項においては、「屈折率」とは、特定の材料のバルク屈折率を意味可能であり(これは、本明細書においては、「材料屈折率」とも呼ばれている)、或いは、特定の光学要素内における特定の光学モードの伝播定数β(β=2πneff/λ)に関係した「有効屈折率」neffを意味することも可能である。又、有効屈折率は、本明細書においては、「モード屈折率」とも呼称可能である。「低コントラスト」又は「低屈折率コントラスト」とは、約5%未満の屈折率コントラストを具備した材料を意味しており、「高コントラスト」又は「高屈折率コントラスト」とは、約5%超の屈折率コントラストを具備した材料を意味している。
【0028】
本明細書に開示されている光学コンポーネントと共に使用するのに好適なプレーナー光導波路の1つの模範的なタイプは、所謂、PLC(Planar Lightwave Circuit)導波路である。このような導波路は、通常、実質的に平坦なシリコン基板(これは、多くの場合に、介在するシリカ又はシリカに基づいた光学バッファレイヤを有している)上に支持されたシリカ又はシリカに基づいた導波路(これは、多くの場合に、リッジ又は埋込型導波路であるが、その他の導波路構成も利用可能である)を有している。このような1つ又は複数の導波路の組を、プレーナー導波路回路、光学集積回路、又は光電子集積回路と呼称可能である。適切に適合されたPLC導波路との光パワーの端部転送のために適合された1つ又は複数の光源、レーザー、変調器、及び/又はその他の光学装置を取り付けるべく、1つ又は複数のPLC導波路を有するPLC基板を容易に適合可能である。適切に適合されたPLC導波路との光パワーの横転送(モード/干渉結合された横転送又は実質的に断熱的な横転送;これらも横結合とも呼ばれている)のために適合された1つ又は複数の光源、レーザー、変調器、光検出器、及び/又はその他の光学装置を取り付けるべく、1つ又は複数のPLC導波路を有するPLC基板を(例えば、米国特許出願公開第2003/0081902号、第2004/0052467号、又は第2004/0264905号に従って)容易に適合可能である。
【0029】
前述の説明の目的又は添付の請求項において、「空間的に選択的な材料加工法」とは、エピタキシ、層成長、リソグラフィ、フォトリソグラフィ、蒸発堆積、スパッタリング、気相堆積、化学気相堆積、ビーム堆積、ビーム支援堆積、イオンビーム堆積、イオンビーム支援堆積、プラズマ支援堆積、湿式エッチング、乾式エッチング、イオンエッチング(反応性イオンエッチングを含む)、イオンミリング、レーザー機械加工、スピン堆積、スプレーオン堆積、電気化学鍍金又は堆積、無電解鍍金、フォトレジスト、UV硬化又は高密度化、高精度鋸又はその他の機械的な切断/成形工具を使用したマイクロマシニング、選択的な金属被覆又ははんだ堆積、平坦化のための化学機械的研磨、任意のその他の適切な空間的に選択的な材料加工法、これらの組み合わせ、又はこれらの機能的な等価物を意味している。特に、レイヤ又は構造の「空間的に選択的な提供」又は「空間的なパターニング」を伴う段階は、空間的に選択的な堆積又は成長、或いは、(パターニングに関係するものであってもよく、又はそうでなくてもよい介在する段階を有する又は有していない)空間的に選択的な除去によって後続される(所定のエリア上における)実質的に均一な堆積又は成長のいずれか又は両方を伴う可能性を有していることに留意されたい。空間的に選択的な堆積、除去、又はその他のプロセスは、所謂、直接書き込みプロセスであってもよく、或いは、マスクされたプロセスであってもよい。本明細書において引用されている「レイヤ」は、実質的に均質な材料レイヤを有することも可能であり、或いは、1つ又は複数の材料のサブレイヤの不均質な組を有することも可能であることに留意されたい。空間的に選択的な材料加工法は、共通基板ウエハ上において複数の構造を同時に製造/加工するべく、ウエハスケールにおいて実装可能である。
【0030】
基板又はレイヤに、「固定」、「接続」、「堆積」、「形成」、又は「配置」された様々なコンポーネント、要素、構造、又はレイヤは、基板材料又はレイヤ材料と直接的な接触をなすことが可能であり、或いは、基板又はレイヤ上に既に存在している1つ又は複数のレイヤ又はその他の1つ又は複数の中間構造と接触をなすことが可能であり、従って、例えば、間接的に基板又はレイヤに「固定」可能であることに留意されたい。
【0031】
「機能的に許容可能である」という文言は、本明細書においては、光学結合係数(等価に、光学結合効率)、光学スループット、望ましくない光学モード結合、光損失などの光学コンポーネント又は光学装置の様々な性能パラメータのレベルを表すべく使用されている。機能的に許容可能なレベルは、性能、製造、装置の歩留まり、組立、試験、可用性、コスト、供給、需要、又は特定の組み立てられた光学装置の製造、配備、又は使用を取り巻くその他の要因から生じる任意の適用可能な制約又は要件の関係する組又はサブセットによって決定可能である。従って、このようなパラメータのこのような「機能的に許容可能である」レベルは、このような制約及び要件に応じて所定の装置の種類において変化可能である。例えば、相対的に低い光学結合効率は、いくつかの例においては、相対的に低い装置製造コストを実現するための許容可能なトレードオフであり、その他の例においては、相対的に高い製造コストにも拘わらず、相対的に高い光学結合を必要とする場合があろう。別の例においては、(散乱、吸収、望ましくない光学結合などに起因する)相対的に高い光損失は、いくつかの例においては、相対的に低い装置製造コスト又は相対的に小さな装置サイズを実現するための許容可能なトレードオフであり、その他の例においては、相対的に高い製造コスト又は相対的に大きな装置サイズにも拘わらず、相対的に低い光損失を必要とする場合があろう。このようなトレードオフの多くのその他の例を想起可能である。従って、本明細書に開示されている光学装置、及びこのための製造方法、並びに、これらの等価物は、このような「機能的に許容可能である」制約又は要件に応じて変化する精度の許容値内において実装可能である。本明細書に使用されている「実質的に断熱的である」、「実質的に空間モード整合された」、「実質的にモード/屈折率整合された」「望ましくない光学結合を実質的に回避するべく」などの文言は、この「機能的に許容可能である」性能という概念に鑑み、解釈されたい。
【0032】
本開示の目的及び添付の請求項においては、「又は」という接続詞は、i)そうではないと明示的に記述されている場合(例えば、「〜又は〜」、「〜の中の1つのみ」、又はこれらに類似した文言)、或いは、ii)列挙された代替物の複数のものが特定の文脈において互いに排他的である場合(この場合には、「又は」は、互いに排他的ではない代替物を伴う組み合わせのみを包含することになろう)を除いて、包括的に解釈する必要がある(例えば、「犬又は猫」は、「犬、又は猫、或いは、これらの両方」と解釈されることになり、例えば、「犬、猫、又は鼠」は、「犬、又は猫、又は鼠、又はいずれか2つ、又は3つのすべて」と解釈されることになろう)。
【0033】
以上、特定の材料又は材料の組み合わせを利用すると共に、特定の寸法及び構成を具備した特定の例について開示したが、開示している又は本明細書において特許請求している本発明の概念の範囲内を逸脱することなしに、様々な寸法又は構成のいずれかにおいて多数の材料又は材料の組み合わせを利用可能であることを理解されたい。開示した模範的な実施例及び方法の等価物は、本開示又は添付の請求項の範囲内に属するものと解釈されたい。開示した模範的な実施例及び方法、並びに、これらの等価物は、本開示又は添付の請求項の範囲を逸脱することなしに変更可能であるものと解釈されたい。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1A】模範的なマルチコア光導波路の断面図である。
【図1B】模範的なマルチコア光導波路の断面図である。
【図1C】模範的なマルチコア光導波路の断面図である。
【図1D】模範的なマルチコア光導波路の断面図である。
【図1E】模範的なマルチコア光導波路の断面図である。
【図2A】模範的なマルチコア光導波路の断面図である。
【図2B】模範的なマルチコア光導波路の断面図である。
【図2C】模範的なマルチコア光導波路の断面図である。
【図2D】模範的なマルチコア光導波路の断面図である。
【図2E】模範的なマルチコア光導波路の断面図である。
【図3A】模範的なマルチコア光導波路の平面図及び断面図である。
【図3B】模範的なマルチコア光導波路の平面図及び断面図である。
【図3C】模範的なマルチコア光導波路の平面図及び断面図である。
【図3D】模範的なマルチコア光導波路の平面図及び断面図である。
【図3E】模範的なマルチコア光導波路の平面図及び断面図である。
【図4A】模範的なマルチコア光導波路の平面図及び断面図である。
【図4B】模範的なマルチコア光導波路の平面図及び断面図である。
【図4C】模範的なマルチコア光導波路の平面図及び断面図である。
【図4D】模範的なマルチコア光導波路の平面図及び断面図である。
【技術分野】
【0001】
(関連出願に対する優先権の主張)
本出願は、2005年2月15日付けで出願された米国特許出願第11/058,535号に基づいた優先権を主張するものであり、この出願は、本引用により、本明細書にすべて記述されているかのように本明細書に包含される。
【0002】
本発明の分野は、光導波路に関するものである。更に詳しくは、本明細書においては、マルチコアプレーナー光導波路、並びに、その製造及び使用方法について開示している。
【背景技術】
【0003】
導波路基板上に製造されたプレーナー光導波路は、様々な光学アセンブリに内蔵可能である。このような光導波路は、複数のコア又はコアレイヤで製造できる。このようなマルチコアプレーナー光導波路の使用は、後述するように、様々な意味において有利であろう。
【0004】
本出願に開示されている主題は、i)2004年4月29日付けで出願された米国特許出願第10/836,641号(2004年12月30日付けで公開された特許出願公開第2004/0264905A1号)、ii)2003年10月9日付けで出願された米国特許出願第10/682,768号(未公開)、iii)2003年9月12日付けで出願された米国特許出願第10/661,709号(2004年7月8日付けで公開された米国特許公開第2004/0129935A1号)、並びに、iv)2003年6月27日付けで出願された米国特許出願第10/609,018号(2004年3月18日付けで公開された米国特許公開第2004/0052467A1号)に開示されている主題に関連し得る。これらの出願のそれぞれは、本引用により、本明細書にすべて記述されているかのように本明細書に包含される。
【発明の開示】
【0005】
マルチコア光導波路は、実質的に平坦な導波路基板と、下部導波路コアレイヤと、上部導波路コアレイヤと、上部及び下部導波路コアレイヤの間の導波路コアと、基板と下部導波路コアレイヤの間の下部クラッディングと、上部導波路コアレイヤ上の上部クラッディングと、導波路コアを実質的に取り囲んでいる上部及び下部導波路コアレイヤの間のミドルクラッディングと、を有している。下部、ミドル、及び上部クラッディングのそれぞれは、下部導波路コアレイヤ、上部導波路コアレイヤ、及び導波路コアの屈折率を下回る屈折率を具備している。光導波路の少なくとも所定の部分に沿って、上部及び下部導波路コアレイヤは、光導波路によってサポートされる伝播光学モードの横方向の大きさを両側において実質的に超えて延長しており、サポートされる光学モードの横方向の大きさは、上記の光導波路の所定の部分に沿った導波路コアの幅によって少なくとも部分的に決定されている。光導波路は、第2導波路コアを更に有することができる。これらの導波路コアは、導波路コア間における光学結合によるモード変換を実現するべく、様々な方式においてテーパーを持たせることができる。導波路は、光ファイバ又はプレーナー導波路との光学端部結合のために、その端面において終端可能であり、このような端部結合のために導波路の終端セグメントを適合させることができる。
【0006】
導波路は、導波路基板上に下部クラッディングレイヤを形成する段階と、下部クラッディングレイヤ上に下部導波路コアレイヤを形成する段階と、下部コアレイヤ上にミドルクラッディングレイヤの下部部分を形成する段階と、ミドルクラッディングレイヤの下部部分上に導波路コアを形成する段階と、導波路コアの上方において、且つ、ミドルクラッディングレイヤの下部部分の露出したエリア上に、ミドルクラッディングレイヤの上部部分を形成する段階と、ミドルクラッディングレイヤの上部部分上に上部導波路コアレイヤを形成する段階と、上部導波路コアレイヤ上に上部クラッディングレイヤを形成する段階と、によって製造可能である。様々な導波路コア、コアレイヤ、又はクラッディングの空間的なパターニングは逐次的に又は同時に行ってよい。
【0007】
本明細書に開示されているマルチコアプレーナー光導波路に関する目的及び利点については、図面に例示されていると共に以下に記述されている説明又は請求項に開示されている開示対象の模範的な実施例を参照することにより、明らかとなるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
図面に示されている実施例は、模範的なものであり、本開示及び/又は添付の請求項の範囲を限定するものと解釈してはならない。図面に示されている構造の相対的なサイズ及び比率は、いくつかの例においては、開示対象の実施例の例示を円滑に行うべく歪曲されている可能性があることに留意されたい。
【0009】
図1A〜図1Eは、導波路基板102上に配置された、マルチコア低コントラストプレーナー導波路の模範的な実施例の断面を示す。基板102は、この例においては、シリコンなどの半導体基板から構成可能であるが、任意の適切な基板材料を利用可能である。この例においては、低コントラストの導波路コア113は、ドーピングされたシリカから構成されると共に、低屈折率のミドルクラッディングレイヤ120bによって取り囲まれており、このミドルクラッディングレイヤは、約1.44〜1.46の屈折率を有するドーピングされた又はドーピングされていないシリカを有している。尚、本明細書に使用されている「低コントラスト」又は「低屈折率コントラスト」という用語は、約5%未満の屈折率のコントラストを意味している。この例における導波路コア113とミドルクラッディング120bの間の屈折率コントラストは、約5%未満であるか、又は約0.5%〜約3%であるか、或いは、約1%〜約2%であってよい。例えば、コア113は、通常、約1.46〜約1.48の屈折率を有していてよい。ミドルクラッディングレイヤ120b及びその内部のコア113は、2つのドーピングされたシリカコアレイヤ111及び112の間に配設されており、これらのシリカコアレイヤは、低屈折率の上部クラッディング120cと低屈折率の下部クラッディング120aの間に配設されている。この例におけるクラッディングレイヤ120a及び120cは、ミドルクラッディング120bに類似した又はこれと同一の屈折率を有するドーピングされた又はドーピングされていないシリカから構成されている。コアレイヤ111及び112は、クラッディングレイヤ120a、120b、及び120cの屈折率よりも大きく、且つ、導波路コア113の屈折率に類似した又はこれと同一の屈折率を有するドーピングされたシリカから構成可能である。コア113、コアレイヤ111及び112、又はクラッディング120a、120b、又は120cを形成するべく、任意のその他の適切な材料を利用することも可能である。
【0010】
図1B及び図1Eの例においては、コアレイヤ111及び112は、導波路によってサポートされている伝播光学モードの横断方向の大きさを両側において実質的に超えて延長している。このような光学モードは、通常、導波路コア113によって横方向において閉じ込められており、コア113の横断方向の大きさが、サポートされている光学モードの横断方向の大きさを少なくとも部分的に決定している。図1A、図1C、及び図1Dの例においては、コアレイヤ111及び/又は112を終端している突出した側部表面を得るように、クラッディングレイヤ120a、120b、又は120cを形成可能である。このような側部表面は、様々な深さにおいて提供可能であり、コア113の深さの近傍において又はこれを超えて下方に延長してもよく、又はしなくてもよい。導波路は、図1A〜図1Eに示されている様々な構成を具備した複数のセグメントを包含するように形成可能である。1つ又は2つの側部突出表面を具備したいくつかの実施例においては、コアレイヤ111及び112は、サポートされている光学モードの横断方向の大きさを両側において実質的に超えて延長可能である。或いは、この代わりに、その他の実施例においては、サポートされている光学モードの横断方向の大きさは、コアレイヤ111及び112の横断方向の大きさによるか(これらが導波路コア113の十分近傍において終端している場合)、又は側部突出表面の存在により(これが導波路コア113の十分近傍において形成されている場合)、部分的に決定可能である。図1A〜図1Eの模範的なマルチコア低コントラスト導波路のいずれにおいても、サポートされている伝播光学モードは、コアレイヤ111及び112によって垂直方向において実質的に閉じ込められておリ、コア113の存在が、その中心の近傍における(垂直次元に沿った)空間モードプロファイルの詳細に対して影響を及ぼしている。
【0011】
前述のシリカ又はドーピングされたシリカのコア、コアレイヤ、及びクラッディングを有する模範的なマルチコア低コントラスト導波路においては、導波路コア113は、厚さ約0.7μm×幅約8μmであってよく、コアレイヤ111及び112は、それぞれ、厚さが約0.6μmであってよく、コアレイヤ111及び112のそれぞれからコア113を分離しているミドルクラッディング1120bの厚さは、約1.5μmであってよい。約1.3〜1.5μmの波長において、これらの寸法は、高さ約8μm×幅約10μmの横モードサイズを生成可能である(モードサイズは、1/e2 HW powerとして表現されている)。コア、コアレイヤ、又はクラッディングのその他の寸法又は屈折率を選択することにより、本開示の範囲内において、適切なモードサイズ及び形状を生成可能である。例えば、光ファイバモード又は別の光導波路のモードとの空間モード整合のために適切なモードサイズ及び形状を選択することにより、回折光損失のレベルが低減された端部結合を実現可能である。コア113は、厚さが約0.3μm〜最大で約1μm、幅が約3μm〜12μmの範囲であってよい。シングルモード動作を必要としていないいくつかの例においては、コア113は、幅が約15μm又は約20μmであってよい。コアレイヤ111及び112は、厚さが約0.3μm〜最大約2μmの範囲であってよい。コア113及びコアレイヤ111/112の屈折率は、通常、約1.46〜約1.48の範囲であり、クラッディング120a/120b/120cの屈折率は、通常、約1.44〜1.46の範囲である。前述の屈折率−コントラストの範囲の1つ又は複数のものの中において、任意のその他の適切な屈折率を利用可能である。コアレイヤ111/112からコア113を分離しているクラッディング120bの部分は、厚さが約1μm〜約3μmの範囲であってよい。寸法の特定の組み合わせは、望ましい空間モード特性と、利用している特定の屈折率コントラストの程度によって左右されることになる。ドーピングされた及びドーピングされていないシリカに加えて、その他の適切なコア及びクラッディング材料を同様に利用可能である。以前の例と同様に、コアレイヤ111の下の下部クラッディングレイヤ120aは、導波路から基板102内への光漏れを低減又は実質的に除去するべく、(機能的に許容可能な限度内において)十分に厚いものであってよく、或いは、(前述のように)このクラッディングと基板の間に反射性コーティングを利用することも可能である。下部クラッディングは、厚さが、約5μm超、又は約6μm〜約12μm、或いは、約8μm〜約10μmであってよい。同様に、上部コアレイヤ112上の上部クラッディングレイヤ1120cは、導波路の上部表面を通じた光漏れを(機能的に許容可能な限度内において)低減又は実質的に除去するべく、或いは、サポートされている光学モードを(機能的に許容可能な限度内において)使用環境から実質的に隔離するべく、十分に厚いものであってよい。上部クラッディングは、厚さが約5μm超、又は約6μm〜約12μm、或いは、約8μm〜約10μmであってよい。
【0012】
図1A〜図1Eに示されている例などのマルチコア低コントラスト導波路の製造は、通常、下部クラッディング120a、コアレイヤ111、及びクラッディング120bの下部部分の(この順番による)堆積によって開始される。次いで、通常、堆積されたクラッディング120bの実質的に平坦な上部表面上に、空間的に選択的な堆積によるか、或いは、空間的に選択的な除去によって後続される実質的に均一な堆積により、導波路コア113を形成する。コア113を形成した後に、更なるクラッディング120bを堆積するが、これは、クラッディング120bの下部部分を形成するのに堆積されたものと同一の材料から構成することも可能であり、そうでなくてもよい、実質的なコンフォーマリティ(conformality)の程度を具備した堆積プロセスを利用した場合には、クラッディング120bの上部表面は、導波路コア113の直接上方において隆起した部分を有することになる。このような平坦ではないクラッディング表面上に上部コアレイヤ112を直接堆積することにより、結果的に導波路コア113の直接上方においてコアレイヤ112の対応した隆起部分を生成可能である。この平坦ではないコアレイヤ112上に上部クラッディング120cを堆積することにより、結果的にクラッディングレイヤ120cの対応した平坦ではない上部表面を生成可能である。この模範的な製造シーケンスの結果として得られるマルチコア低コントラスト導波路は、図1Bに示されている模範的な実施例に似たものとなろう。基礎をなしている形状とは無関係に実質的に平坦な上部表面を生成する堆積プロセスをクラッディング120bに利用するか、或いは、その上部にコアレイヤ112を堆積する前に、クラッディング120bの平坦ではない上部表面を実質的に平坦化した場合には、結果的に得られるマルチコア導波路は、図1Eに示されている模範的な実施例に似たものとなろう。いずれ(平坦な又は平坦ではないコアレイヤ112)の場合にも、結果的に得られた導波路を必要又は所望に応じて更に加工することにより、図1A、図1C、又は図1Dに示されているように、突出した側部表面を生成可能である。屈折率コントラストが相対的に低く(例えば、約5%未満であり)、且つ、十分に薄い(例えば、約1μm未満である)導波路コア113の場合には、平坦ではない上部コアレイヤ112を有するマルチコア導波路は、実質的に平坦な上部コアレイヤ112を有するマルチコア導波路が有するものと実質的に類似した光学性能特性を有している。
【0013】
高コントラストコアをも含む模範的なマルチコアプレーナー光導波路が図2A〜図2Eに示されている。以前の例と同様に、基板202は、シリコンから構成可能であるが、1つ又は複数の任意の適切な基板材料を利用することも可能であり、且つ、クラッディングレイヤ220a、220b、及び220cも、適切な厚さのドーピングされた又はドーピングされていないシリカ(約1.44〜約1.46の屈折率)から構成可能であるが、1つ又は複数の任意の適切なクラッディング材料を利用することも可能である。この例においては、高屈折率コントラスト導波路コア213bは、厚さが数十〜数百ナノメートルであって、幅が数ミクロンである窒化珪素又は酸窒化珪素のレイヤ(約5%を上回る高い屈折率コントラスト)から構成可能である。高コントラストコア213bは、導波路全体に沿って延長可能であり、或いは、導波路の1つ又は複数のセグメントに沿って延長し、その他のセグメントにおいては省略することも可能である。低屈折率コントラストコア213aは、厚さが約0.7μmであって幅が約8μmであるドーピングされたシリカから構成可能であり、この例においては、約1.46〜約1.46の屈折率を有している。低屈折率コントラストコアレイヤ211及び212は、厚さが約0.6μmのシリカ又はドーピングされたシリカから構成可能であり、導波路コア213aに類似した又はこれと同一の屈折率を有している。図示の例においては、導波路コア213a及び213bは、接触状態にあるが、コア213a及び213bがクラッディング材料220bによって分離されている実施例も本開示又は添付の請求項の範囲に属することになる。導波路コア213bが存在しており、且つ、導波路コア213aが幅が少なくとも数十ミクロンであるか、或いは、導波路コア213bが幅が1〜2μm超である導波路の部分においては、導波路コア213a及びコアレイヤ211/212の存在は、導波路の光学モード特性に対してわずかな影響しか具備しておらず(又は、なんの影響をも具備しておらず)、これらの特性は、コア213bのサイズ、形状、及び屈折率コントラストによって実質的に決定される。導波路コア213bを欠いている導波路セグメントにおいては、導波路コア213a及びコアレイヤ211/212が、これらの屈折率コントラスト、寸法、及び相対的な位置、並びに、クラッディングレイヤ220a/220b/220cの屈折率によって実質的に決定される特性を有する光学モードをサポート可能である。導波路コア213bのサイズが、幅において、約1〜2ミクロンを下回って、もはや存在しなくなるまで減少するのに伴って、この導波路によってサポートされる光学モードは、これら2つの極限の間において継続的に変化し、導波路コア213a/213b及びレイヤ211/212の寸法の適切な組み合わせにより、様々な望ましいモードサイズ、形状、又はその他の特性を実現可能である。クラッディング220a/220b/220c及びレイヤ211/212の側部部分は、前述の様々な方法のいずれか(即ち、突出した側部表面を有するもの又は有していないもの)において構成可能であり、導波路は、このような様々な構成を具備した複数のセグメントを包含するべく形成可能である。
【0014】
図2A〜図2Eの導波路のマルチコア構造によれば、様々な光学性能及び/又は機能を実現する多数の光学設計が可能である。前述のように、高屈折率コントラストコアレイヤ213Bは、光検出器の照明やその他の内容を目的として、別の光導波路又は半導体光学装置との実質的に空間モード整合された光学端部結合、或いは、別の光導波路との(実質的に断熱的であるか、実質的にモード/屈折率整合されて(modal−index−matched)いるか、又はその他の)光学横結合(optical transverse−coupling)のために、容易に適合可能である。低屈折率コントラストコア213a及びコアレイヤ211/212は、別の光導波路又は光ファイバとの実質的に空間モード整合された光学端部結合のために、又は2つのこのような光導波路の端部間における様々な自由空間光学コンポーネントの挿入を実現するために、或いは、その他の目的のために、容易に適合可能である。このような導波路コア213a及びコアレイヤ211/212の適合は、所望のモード特性を実現するべく低減された幅を有する導波路コア213b(例えば、幅が約1μm未満である)の存在を包含可能である。導波路コア213a及び213bを形成している材料を空間的に選択的にパターニングすることにより、これら2つの個別の導波路タイプ(高屈折率コントラストコアと低屈折率コントラストマルチコア)の間において実質的に断熱的な遷移を実現可能である。
【0015】
図3A〜図3Eに示されているように、導波路の第1セグメント300aにおいて、実質的に均一な低屈折率コントラストコアレイヤ311/312と実質的に均一な導波路コア材料レイヤ313aの間に、幅が数ミクロンの高屈折率コントラスト導波路コア313bをパターニング可能である。この第1導波路セグメント300aに沿っては、高コントラスト導波路コア313bが、導波される光学モードの特性を実質的に決定しており、レイヤ311/312/313aは、導波路の特性に対して無視可能な影響を具備している(図3B)。第2導波路セグメント300bに沿っては、導波路コア313bと同様に、導波路コア材料レイヤ313aをパターニング可能である。レイヤ313bは、高屈折率コントラストコアの存在を継続するべくパターニング可能であり、レイヤ313aは、低屈折率コントラスト導波路コアを形成するべくパターニング可能である(図3C)。レイヤ313aのパターニングは、低屈折率コントラスト導波路コアが徐々に出現するように(即ち、図示のように、実質的に断熱的に)、或いは、低屈折率コントラストコアが突然出現するように(図示されてはいない)、実行可能である。高コントラストコア313bは、セグメント300bに沿って導波路の光学特性を実質的に決定することを継続している。導波路の第3セグメント300cに沿っては(図3D)、高コントラスト導波路コア313bは、最終的に終端するまで、導波路の流さに沿ってその幅が徐々に減少するようにパターニングされており、低コントラスト導波路コア313aは、セグメント300cの長さに沿って存在するように継続している。この高コントラスト導波路313bに持たせたテーパーは、セグメント300cの一端における高コントラスト導波路コア313bの導波路光学モード特性から、セグメント300cの他端における低コントラストの導波路コア313a及びコアレイヤ311/312の導波路光学モード特性への実質的に断熱的な遷移を実現するべく、十分に緩やかなものになっている。導波路の第4セグメント300dは、低コントラスト導波路コア313a及びコアレイヤ311/312のみを含んでおり、高コントラスト導波路コア313bを有してはいない(図3E)。高コントラスト導波路コア313bは、セグメント300dによってサポートされている光学モードの所望の特性を実現するべく、終端する代わりに、なんらかの最小限の幅(図示されてはいないが、例えば、約1μm未満)までテーパーを付けた後に、セグメント300dに沿ってその幅に留まることも可能である。図3A〜図3Eに示されている模範的な光導波路は、光学パワーがいずれかの方向に伝播する光学モード変換器として機能可能である。
【0016】
図2A〜図2E及び図3A〜図3Eのマルチコア実施例の変形においては、高コントラストコア213b/313bは、低コントラストコアレイヤ211/311及び212/312並びに低コントラストコア313aとの関係において任意の適切な垂直位置に配置可能である。低コントラストレイヤの境界面の中の1つに高コントラストコア213b/313bを配置することにより、(コア213b/313bを取り囲むレイヤを2段階で堆積する必要性を除くことによって)製造段階の数を低減可能である。コアレイヤ211/311及び212/312の間において低コントラストコア213a/313aとの接触状態に高コントラストコア213b/313bを配置することにより、マルチコア低コントラスト導波路によってサポートされている最低次数の対称モードへの優先的な光学結合を結果的に得ることができる。高コントラストコア313bと低コントラストコア313aの間における実質的に断熱的な遷移の代わりに(図3A〜図3E)、その他の様々な実施例においては、コア313a及び313bは、徐々にではなく、突然に出現及び/又は終端することも可能である。このような構成は、実質的に断熱的な横結合の代わりに、コア間における実質的にモード/屈折率整合された光学横結合のために適しているであろう。これらの実施例の多くのその他の変形を本開示の範囲内において想定可能である。
【0017】
図2A〜図2E及び図3A〜図3Eの模範的な導波路は、図1A〜図1Eの模範的な導波路を製造するべく前述したものと同様の処理シーケンスによって製造可能である。例えば、図2A〜図2Eに示されている例などの導波路の製造は、通常、下部クラッディング220a、コアレイヤ211、及びクラッディング220bの下部部分の(この順番による)堆積から開始可能である。次いで、通常は、空間的に選択的な堆積、或いは、空間的に選択的な除去によって後続される実質的に均一な堆積により、堆積されたクラッディング220bの実質的に平坦な上部表面上にコア213a及び213bを形成可能である。後者の場合には、両方の材料レイヤを堆積してからいずれかを空間的に選択的に加工してよい。コア213a及び213bをクラッディング220bによって分離する場合には、1つのコアを形成した後に、且つ、他方を形成する前に、クラッディングの中間レイヤ220bを(後述するように、この中間クラッディングレイヤの上部表面の平坦化を伴うか、又は伴うことなしに)堆積することになろう。コア213a及び213bが形成された後に、追加クラッディング220bを堆積するが、これは、クラッディング220bの下部部分(又は、中間部分(存在する場合))を形成するのに堆積されたものと同一の材料から構成することも可能であり、そうでなくてもよい。実質的なコンフォーマリティのレベルを具備した堆積プロセスを利用した場合には、クラッディング220bの上部表面は、導波路コア213a及び213bの直接上方において隆起した部分を有することになろう。このような平坦ではないクラッディング表面上に上部コアレイヤ212を直接堆積することにより、結果的に導波路コア213a及び213bの直接上方においてコアレイヤ212の対応した隆起部分を得ることができる。平坦ではないコアレイヤ212上に上部クラッディング220cを堆積することにより、結果的にクラッディングレイヤ1220cの対応した平坦ではない上部表面を得ることができる。この模範的な製造シーケンスの結果として得られるマルチコア導波路は、図2Bに示されている模範的な実施例に似たものとなろう。基礎をなしている形状とは無関係に実質的に平坦な上部表面をもたらす堆積プロセスをクラッディング220bに利用するか、或いは、その上部にコアレイヤ212を堆積する前に、クラッディング220bの平坦ではない上部表面を実質的に平坦化した場合には、結果的に得られるマルチコア導波路は、図2Eに示されている模範的な実施例に似たものとなろう。いずれ(平坦な又は平坦ではないコアレイヤ212)の場合にも、結果的に得られる導波路を必要又は所望に応じて更に処理することにより、図2A、図2C、又は図2Dに示されているように、突出した側部表面を得ることができる。屈折率コントラストが相対的に低く(約5%未満)、且つ、十分に薄い(例えば、約1μm未満である)導波路コア213の場合には、平坦ではない上部コアレイヤ212を有するマルチコア導波路は、実質的に平坦な上部コアレイヤ212を有するマルチコア導波路が有するものに実質的に類似した光学性能特性を有している。
【0018】
図4A〜図4Dの模範的な実施例においては、基板402上に形成されたマルチコア導波路は、基板のセグメント400c上に形成されたV溝403において終端している。V溝403内に収容されている光ファイバ(図示されてはいない)を導波路に端部結合可能である。導波路のセグメント400aによってサポートされている光学モードは、水平次元において細長くなったやや楕円形の横モード形状を有することができる。このようなモードは、別の同様に構成された導波路に対する端部結合には十分なものであろうが、溝403内に収容されている光ファイバに対しては、最適とはいえない端部結合を提供することになろう。その端面において更に略対称的な空間モードをサポートするべく導波路の終端セグメント400bを適合させることにより、V溝403内に収容されている光ファイバに対する端部結合を改善可能である。1つの適切な適合法が図4A〜図4Dに示されており、この場合には、コア及びクラッディング材料を基板402まで除去すると共に側部突出表面404を形成するべく、導波路のセグメント400bに隣接する2つのエリアをエッチングしている(又は、その他の加工を施している)。エッチングされたエリアは、導波路の端部の近傍においてコアレイヤ411及び412が導波路コア413の横方向の端部に十分近いところで終端し、この結果、レイヤ411及び412が少なくとも部分的に横方向において伝播光学モードを閉じ込めるように、構成されている。導波路の端部においてレイヤ411及び412の適切な幅を選択することにより(これは、エッチングされたエリアを充填するべく後から利用可能である埋込媒体やカプセル材料などの材料の屈折率に部分的に基づいた選択肢である)、機能的に許容可能なレベル以上において導波路とファイバの間の端部結合を提供するべく、伝播モードの形状を光ファイバのものに対して更に良好に整合したものにすることができる。必要又は所望に応じて、導波路の端面に向かって導波路に沿って幅にテーパーが付けられているコアレイヤ411及び412により、導波路セグメント400aと導波路セグメント400bの端部の間の遷移を実質的に断熱的なものにすることができる。多くのケースにおいて、屈折率整合物質が導波路の端部と光ファイバの間に堆積されているが、その屈折率が、コアレイヤ411及び412の屈折率を下回っているか、又はクラッディングレイヤ420a、420b、又は420cの屈折率を上回っていない場合には、このような屈折率整合材料を利用してエッチングエリアを充填することも可能である。加工を容易にするべく、いくつかの実施例においては、導波路の末端に、薄い端部壁405を残すことができる(この壁は、レイヤ420a/420b/420c及び411/412を包含することになろう)。このような端部壁は、導波路の端面に入射する又はこれから出射する伝播光学モードに対して実質的に影響を及ぼさないように、十分に薄いものにすることができる(約10μm未満、通常は、わずかに2〜3μmである)。端部壁を有する又は有していない実施例も本開示又は添付の請求項の範囲内に属している。
【0019】
コアレイヤ411/412が少なくとも部分的に横方向において伝播光学モードを閉じ込めるように単一段階においてコアレイヤ411/412及びすべてのクラッディング420a/420b/420cの両方をエッチングする代わりに(この結果、例えば、図4A〜図4Dのものなどの構造が得られることになる)、導波路の端面(図示されてはいない)に向かって導波路に沿って幅にテーパーを持たせるように、導波路の製造の際にコアレイヤ411/412を個別にパターニングすることも可能である。このような製造方式の結果、ミドルクラッディング420bは、コアレイヤ411の横方向のエッジと接触状態となり、上部クラッディング420cは、コアレイヤ412の横方向のエッジと接触状態となろう。
【0020】
模範的な導波路について先程開示した代表的な寸法及び屈折率コントラストにおいては、下部及び上部コアレイヤ411/412は、コア413のそれぞれの横方向のエッジから約15μm未満において終端している場合には、導波路の端面における横方向の閉じ込めに対して寄与することが観察された。端面における更に広いコアレイヤ411/412は、ある程度の閉じ込めを実質的に提供するとは考えられない。導波路の端面の近傍における終端コアレイヤ411/412の幅は、略コア413の幅〜最大でコア413の幅を約30μmだけ上回るものという範囲であってよく、或いは、コア413よりも約6μmだけ広いもの〜約20μmだけ広いものという範囲であってよく、或いは、コア413よりも約8μmだけ広いもの〜約12μmだけ広いものという範囲であってよい。
【0021】
端部結合用の光ファイバを収容するV溝の代わりに、基板402は、その上部に形成され、且つ、端部結合用に配置された第2光導波路を具備している(図示されてはいない)。或いは、この代わりに、基板402は、第2基板上に形成され、且つ、端部結合のために基板402と後からアセンブルされる第2プレーナー光導波路(図示されてはいない)を受け入れるべく適合させることも可能である。これらの代替シナリオのいずれにおいても、導波路の終端セグメント400bは、機能的に許容可能なレベル以上において導波路間の端部結合を実現する任意の適切な方式において適合可能である。
【0022】
図1A〜図1E、図2A〜図2E、図3A〜図3B、及び図4A〜図4D、並びに、これらの変形に示されているマルチコア導波路の模範的な実施例は、先程引用した出願第10/836,641号に開示されているデュアルコア導波路が有している望ましい光学特性の多くを有している。コア、コアレイヤ、又はクラッディングレイヤの屈折率又は厚さを調節することにより、マルチコア導波路によってサポートされている伝播光学モードの空間特性を調節可能である。このマルチコア導波路は、その他のプレーナー光導波路及び光ファイバを含むその他の光導波路との効率的な端部結合を実現している。このマルチコア導波路によってサポートされている光学モードの横次元は、通常、波長との関連において(少なくとも代表的な近赤外通信の波長範囲において)実質的に不変である。このマルチコア導波路によってサポートされている最低次数モードは、(特に、図4A〜図4Dにおけるように適合された場合に)別のプレーナー導波路又は光ファイバと実質的に空間モード整合可能である。このマルチコア導波路によってサポートされている光学モードは、導波路の端面を超えて多少の距離だけ伝播した際に最小同位相波面曲率(minimum phase front curvature)を有する傾向を有している。このような最小同位相波面(minimum phase front)は、前述の代表的な波長及びモードサイズにおいては、導波路の端面から約5〜30μmのところにおいて発生する傾向を有している。これにより、別のプレーナー導波路又は光ファイバとの端部結合における回折光損失の大幅な低減が可能である。例えば、先程引用した出願第10/682,768号の開示内容に従って、導波路間における自由空間光伝播が必要である場合に、マルチコア低コントラスト導波路を有利に実装可能である。例えば、先程引用した出願第10/661,709号の開示内容に従って、導波路の端面から光検出器への自由空間光伝播が必要である場合に、マルチコア低コントラスト導波路を有利に実装可能である。又、マルチコア低コントラスト導波路は、シングルコアプレーナー導波路と比べて、低減された偏光及び/又は波長依存性を有することができる。本開示及び/又は添付の請求項の範囲を逸脱することなしに、図1A〜図1E、図2A〜図2E、図3A〜図3E、及び図4A〜図4Dの導波路のいずれかのコア、コアレイヤ、及びクラッディングレイヤの屈折率、厚さ、及び横断方向寸法のすべてを最適化することにより、(光損失、偏光依存性、波長依存性、空間モード整合などとの関係において)所望の機能的に許容可能な性能を実現可能である。
【0023】
尚、添付図面に示されている模範的な低プロファイルコア導波路は、1つ又は複数の低プロファイルコア又はコアレイヤによって形成可能であるプレーナー導波路の様々な実施例の中のサンプルを表すものに過ぎない。1つ、2つ、3つ、又は4つの導波路コア又はコアレイヤを含む模範的な実施例が示されているが、更に大きな数の導波路コアを含む実施例を本開示の範囲内において実装可能である。本開示の範囲を逸脱することなしに、多くのその他の適切な低プロファイルコア導波路構成を利用可能であり、且つ、そのために、その他の適切な材料及び/又は材料の組み合わせを使用可能である。
【0024】
本明細書に開示されている低コントラストマルチコア導波路は、相対的にわずかな又は実質的に無視可能な偏光又は波長依存性を有することができる。このような導波路は、このような依存性が望ましくない又は許容不能であるアプリケーションにとって非常に適したものとなろう。例えば、このような実質的に偏光無依存型の導波路は、到来光の偏光状態が不明であるか又はこれが時間と共に変化可能である光レシーバにおいて利用可能である。このような低コントラストマルチコア導波路は、通常、その高コントラスト又はシングルコアの相当品と比べて、(多くの場合に、介在する光学コンポーネントを通じた)2つの導波路の隣接する端面間における自由空間光伝播を伴うアプリケーションにとってより適切なモードをサポート可能である。低コントラストマルチコア導波路のモード特性が導波路端面間における伝送の際に経験する回折光損失は、相対的に小さなものであろう。
【0025】
前述のように、(先程引用した出願第10/836,641号におけるような)シングルコア低コントラスト導波路と比べて、本明細書に開示されているマルチコア低コントラスト導波路は、偏光又は波長に対する依存性が小さい又は無視可能であるモード特性を有する傾向を有している。更には、垂直次元における所定の(1/e2 HW powerとして表現された)モードサイズにおいて、シングルコア低コントラスト導波路によってサポートされている光学モードは、マルチコア低コントラスト導波路によってサポートされている光学モードのものと比べて、モード軸から大きくより離れて延長する幾何級数的に減衰するウィング(wing)を具備している。この結果、所定の上部及び下部クラッディングの厚さにおいて、マルチコア低コントラスト導波路が有する基板内又は環境内への結合を通じた光損失は、シングルコア低コントラスト導波路よりも少ない。換言すれば、所定の機能的に許容可能な光損失のレベルにおいて、マルチコア低コントラスト導波路の場合には、相対的に薄い上部及び下部クラッディングレイヤを利用可能である。
【0026】
マルチコア低コントラスト導波路は、相対的に厚いシングルコアの望ましい光学プロパティ特性を提供しつつ、低プロファイル及び薄いコアという製造上の利点(先ほど引用された出願第10/609,018号及び第10/836,641号に開示されているように、相対的に浅いエッチング、相対的に正確なリソグラフィ、エッチングされた形状間における実質的に完全な充填、堆積されたレイヤの実質的に平坦な上部表面など)を提供している。例えば、図1A〜図1Eのレイヤをそれぞれ順番に堆積及び空間的にパターニングする場合には、約1.0μmよりも厚い(並びに、通常、約0.7μmよりも厚い)レイヤを空間的にパターニングする必要はない。例えば、パターニングされたコア113の低プロファイルは、ミドルクラッディング120bの一部の後続の堆積により、コアレイヤ112を堆積するための実質的に平らな上部表面が結果的に得られることを保証している。図1A〜図1Eにおけるマルチコア低コントラスト導波路は、相対的に厚いシングルコアの望ましい光学特性の多くを有しているが、必要とされているのは、通常、約1μm未満の厚さ(多くの場合に、約0.7μm未満の厚さ)のレイヤの単一のパターニング段階のみである。
【0027】
本明細書に利用されている「光導波路」(又は、等価的に「導波路」)という用語は、1つ又は複数の光学モードをサポートするべく適合された構造を意味している。このような導波路は、通常、長手方向の次元における伝播を許容しつつ、2つの横断方向の次元において、サポートされている光学モードの閉じ込めを提供している。この横断方向及び長手方向の次元/方向は、湾曲した導波路においては、局所的に定義されることになり、従って、横断方向及び長手方向の次元の絶対的な向きは、例えば、曲線からなる導波路の長さに沿って変化可能である。光導波路の例は、様々なタイプの光ファイバ及び様々なタイプのプレーナー導波路を包含可能である(但し、これらに限定されない)。本明細書に利用されている「プレーナー光導波路」(又は、等価的に「プレーナー導波路」)は、実質的に平坦な基板上に提供されている光導波路を意味している。長手方向の次元(即ち、伝播次元)は、基板に対して実質的に平行であると考えられる。基板に対して実質的に平行である横断方向の次元は、横方向又は水平方向の次元と呼称可能であり、基板に対して実質的に垂直である横断方向の次元は、垂直方向の次元と呼称可能である。「上方」及び「下方」、「最上部」及び「底部」、「上」及び「下」などの用語は、基板との関係において定義されており、導波路は、基板の「上方」として定義されている。このような導波路の例は、リッジ導波路、埋込型導波路、半導体導波路(シリコン、シリコンに基づいたもの、III−V、その他のもの)、その他の高屈折率導波路(「高屈折率」とは、約2.5超である)、シリカに基づいた導波路(シリカ、ドーピングされたシリカ、及び/又はその他のシリカに基づいた材料)、ポリマー導波路、その他の低屈折率導波路(「低屈折率」とは、約2.5未満である)、コア/クラッドタイプの導波路、MLR(Multi−Layer Reflector)導波路、金属被覆導波路、空気導波型導波路、真空導波型導波路、フォトニック結晶に基づいた又はフォトニックバンドキャップに基づいた導波路、EO(Electro−Optic)及び/又はEA(Electro−Absorptive)材料を内蔵した導波路、NLO(Non−Linear−Optical)材料を内蔵した導波路、及び本明細書に明示的に記述されていないが本開示及び/又は添付の請求項の範囲内に属する多数のその他の例を含んでいる。半導体(シリコン、シリコンに基づいたもの、III−V、その他のもの)、結晶質、シリカ又はシリカに基づいたもの、その他のガラス、セラミック、金属、及び本明細書に明示的に記述されていないが本開示及び/又は添付の請求項の範囲に属する多数のその他の例を含む多くの適切な基板材料を利用可能である。上述の説明の目的及び/又は添付の請求項においては、「屈折率」とは、特定の材料のバルク屈折率を意味可能であり(これは、本明細書においては、「材料屈折率」とも呼ばれている)、或いは、特定の光学要素内における特定の光学モードの伝播定数β(β=2πneff/λ)に関係した「有効屈折率」neffを意味することも可能である。又、有効屈折率は、本明細書においては、「モード屈折率」とも呼称可能である。「低コントラスト」又は「低屈折率コントラスト」とは、約5%未満の屈折率コントラストを具備した材料を意味しており、「高コントラスト」又は「高屈折率コントラスト」とは、約5%超の屈折率コントラストを具備した材料を意味している。
【0028】
本明細書に開示されている光学コンポーネントと共に使用するのに好適なプレーナー光導波路の1つの模範的なタイプは、所謂、PLC(Planar Lightwave Circuit)導波路である。このような導波路は、通常、実質的に平坦なシリコン基板(これは、多くの場合に、介在するシリカ又はシリカに基づいた光学バッファレイヤを有している)上に支持されたシリカ又はシリカに基づいた導波路(これは、多くの場合に、リッジ又は埋込型導波路であるが、その他の導波路構成も利用可能である)を有している。このような1つ又は複数の導波路の組を、プレーナー導波路回路、光学集積回路、又は光電子集積回路と呼称可能である。適切に適合されたPLC導波路との光パワーの端部転送のために適合された1つ又は複数の光源、レーザー、変調器、及び/又はその他の光学装置を取り付けるべく、1つ又は複数のPLC導波路を有するPLC基板を容易に適合可能である。適切に適合されたPLC導波路との光パワーの横転送(モード/干渉結合された横転送又は実質的に断熱的な横転送;これらも横結合とも呼ばれている)のために適合された1つ又は複数の光源、レーザー、変調器、光検出器、及び/又はその他の光学装置を取り付けるべく、1つ又は複数のPLC導波路を有するPLC基板を(例えば、米国特許出願公開第2003/0081902号、第2004/0052467号、又は第2004/0264905号に従って)容易に適合可能である。
【0029】
前述の説明の目的又は添付の請求項において、「空間的に選択的な材料加工法」とは、エピタキシ、層成長、リソグラフィ、フォトリソグラフィ、蒸発堆積、スパッタリング、気相堆積、化学気相堆積、ビーム堆積、ビーム支援堆積、イオンビーム堆積、イオンビーム支援堆積、プラズマ支援堆積、湿式エッチング、乾式エッチング、イオンエッチング(反応性イオンエッチングを含む)、イオンミリング、レーザー機械加工、スピン堆積、スプレーオン堆積、電気化学鍍金又は堆積、無電解鍍金、フォトレジスト、UV硬化又は高密度化、高精度鋸又はその他の機械的な切断/成形工具を使用したマイクロマシニング、選択的な金属被覆又ははんだ堆積、平坦化のための化学機械的研磨、任意のその他の適切な空間的に選択的な材料加工法、これらの組み合わせ、又はこれらの機能的な等価物を意味している。特に、レイヤ又は構造の「空間的に選択的な提供」又は「空間的なパターニング」を伴う段階は、空間的に選択的な堆積又は成長、或いは、(パターニングに関係するものであってもよく、又はそうでなくてもよい介在する段階を有する又は有していない)空間的に選択的な除去によって後続される(所定のエリア上における)実質的に均一な堆積又は成長のいずれか又は両方を伴う可能性を有していることに留意されたい。空間的に選択的な堆積、除去、又はその他のプロセスは、所謂、直接書き込みプロセスであってもよく、或いは、マスクされたプロセスであってもよい。本明細書において引用されている「レイヤ」は、実質的に均質な材料レイヤを有することも可能であり、或いは、1つ又は複数の材料のサブレイヤの不均質な組を有することも可能であることに留意されたい。空間的に選択的な材料加工法は、共通基板ウエハ上において複数の構造を同時に製造/加工するべく、ウエハスケールにおいて実装可能である。
【0030】
基板又はレイヤに、「固定」、「接続」、「堆積」、「形成」、又は「配置」された様々なコンポーネント、要素、構造、又はレイヤは、基板材料又はレイヤ材料と直接的な接触をなすことが可能であり、或いは、基板又はレイヤ上に既に存在している1つ又は複数のレイヤ又はその他の1つ又は複数の中間構造と接触をなすことが可能であり、従って、例えば、間接的に基板又はレイヤに「固定」可能であることに留意されたい。
【0031】
「機能的に許容可能である」という文言は、本明細書においては、光学結合係数(等価に、光学結合効率)、光学スループット、望ましくない光学モード結合、光損失などの光学コンポーネント又は光学装置の様々な性能パラメータのレベルを表すべく使用されている。機能的に許容可能なレベルは、性能、製造、装置の歩留まり、組立、試験、可用性、コスト、供給、需要、又は特定の組み立てられた光学装置の製造、配備、又は使用を取り巻くその他の要因から生じる任意の適用可能な制約又は要件の関係する組又はサブセットによって決定可能である。従って、このようなパラメータのこのような「機能的に許容可能である」レベルは、このような制約及び要件に応じて所定の装置の種類において変化可能である。例えば、相対的に低い光学結合効率は、いくつかの例においては、相対的に低い装置製造コストを実現するための許容可能なトレードオフであり、その他の例においては、相対的に高い製造コストにも拘わらず、相対的に高い光学結合を必要とする場合があろう。別の例においては、(散乱、吸収、望ましくない光学結合などに起因する)相対的に高い光損失は、いくつかの例においては、相対的に低い装置製造コスト又は相対的に小さな装置サイズを実現するための許容可能なトレードオフであり、その他の例においては、相対的に高い製造コスト又は相対的に大きな装置サイズにも拘わらず、相対的に低い光損失を必要とする場合があろう。このようなトレードオフの多くのその他の例を想起可能である。従って、本明細書に開示されている光学装置、及びこのための製造方法、並びに、これらの等価物は、このような「機能的に許容可能である」制約又は要件に応じて変化する精度の許容値内において実装可能である。本明細書に使用されている「実質的に断熱的である」、「実質的に空間モード整合された」、「実質的にモード/屈折率整合された」「望ましくない光学結合を実質的に回避するべく」などの文言は、この「機能的に許容可能である」性能という概念に鑑み、解釈されたい。
【0032】
本開示の目的及び添付の請求項においては、「又は」という接続詞は、i)そうではないと明示的に記述されている場合(例えば、「〜又は〜」、「〜の中の1つのみ」、又はこれらに類似した文言)、或いは、ii)列挙された代替物の複数のものが特定の文脈において互いに排他的である場合(この場合には、「又は」は、互いに排他的ではない代替物を伴う組み合わせのみを包含することになろう)を除いて、包括的に解釈する必要がある(例えば、「犬又は猫」は、「犬、又は猫、或いは、これらの両方」と解釈されることになり、例えば、「犬、猫、又は鼠」は、「犬、又は猫、又は鼠、又はいずれか2つ、又は3つのすべて」と解釈されることになろう)。
【0033】
以上、特定の材料又は材料の組み合わせを利用すると共に、特定の寸法及び構成を具備した特定の例について開示したが、開示している又は本明細書において特許請求している本発明の概念の範囲内を逸脱することなしに、様々な寸法又は構成のいずれかにおいて多数の材料又は材料の組み合わせを利用可能であることを理解されたい。開示した模範的な実施例及び方法の等価物は、本開示又は添付の請求項の範囲内に属するものと解釈されたい。開示した模範的な実施例及び方法、並びに、これらの等価物は、本開示又は添付の請求項の範囲を逸脱することなしに変更可能であるものと解釈されたい。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1A】模範的なマルチコア光導波路の断面図である。
【図1B】模範的なマルチコア光導波路の断面図である。
【図1C】模範的なマルチコア光導波路の断面図である。
【図1D】模範的なマルチコア光導波路の断面図である。
【図1E】模範的なマルチコア光導波路の断面図である。
【図2A】模範的なマルチコア光導波路の断面図である。
【図2B】模範的なマルチコア光導波路の断面図である。
【図2C】模範的なマルチコア光導波路の断面図である。
【図2D】模範的なマルチコア光導波路の断面図である。
【図2E】模範的なマルチコア光導波路の断面図である。
【図3A】模範的なマルチコア光導波路の平面図及び断面図である。
【図3B】模範的なマルチコア光導波路の平面図及び断面図である。
【図3C】模範的なマルチコア光導波路の平面図及び断面図である。
【図3D】模範的なマルチコア光導波路の平面図及び断面図である。
【図3E】模範的なマルチコア光導波路の平面図及び断面図である。
【図4A】模範的なマルチコア光導波路の平面図及び断面図である。
【図4B】模範的なマルチコア光導波路の平面図及び断面図である。
【図4C】模範的なマルチコア光導波路の平面図及び断面図である。
【図4D】模範的なマルチコア光導波路の平面図及び断面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
実質的に平坦な導波路基板と、
下部導波路コアレイヤと、
上部導波路コアレイヤと、
前記上部及び下部導波路コアレイヤの間の導波路コアと、
前記基板及び前記下部導波路コアレイヤの間の下部クラッディングと、
前記上部導波路コアレイヤ上の上部クラッディングと、
実質的に前記導波路コアを取り囲んでいる前記上部及び下部導波路コアレイヤの間のミドルクラッディングと、
を有しており、
前記下部クラッディングは、前記下部導波路コアレイヤ、前記上部導波路コアレイヤ、及び前記導波路コアの屈折率を下回る屈折率を具備しており、
前記ミドルクラッディングは、前記下部導波路コアレイヤ、前記上部導波路コアレイヤ、及び前記導波路コアの屈折率を下回る屈折率を具備しており、
前記上部クラッディングは、前記下部導波路コアレイヤ、前記上部導波路コアレイヤ、及び前記導波路コアの屈折率を下回る屈折率を具備している、プレーナー光導波路。
【請求項2】
前記導波路コアの幅は、その厚さを実質的に上回っており、
前記導波路コアの上部表面は、実質的に平らであり、
前記上部及び下部導波路コアレイヤは、前記プレーナー光導波路によってサポートされている伝播光学モードの横方向の大きさを両側において実質的に超えて延長しており、前記サポートされている光学モードは、前記導波路コアによって両側において実質的に閉じ込められている、請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記ミドルレイヤの上部表面は、実質的に平坦であり、且つ、前記上部導波路コアレイヤは、実質的に平坦である、請求項2記載の装置。
【請求項4】
前記ミドルクラッディングレイヤの上部表面は、平坦ではなく、且つ、前記導波路コアの上方において隆起した実質的に平らな部分を有しており、
前記上部導波路クラッディングレイヤは、平坦ではなく、且つ、前記導波路コアの上方において隆起した実質的に平らな部分を有している、請求項2記載の装置。
【請求項5】
前記上部及び下部導波路コアレイヤの間に第2導波路コアを更に有しており、
前記第2導波路コアの屈折率は、前記上部クラッディング、前記ミドルクラッディング、及び前記下部クラッディングの前記屈折率を上回っており、
前記第2導波路コアの幅は、その厚さを実質的に上回っており、
前記第2導波路コアの上部表面は、実質的に平らであり、
前記第1導波路コア及び前記第2導波路コアは、前記ミドルクラッディング内において1つが他方の上に位置するように構成されている、請求項2記載の装置。
【請求項6】
前記導波路コアは、互いに接触状態にある請求項5記載の装置。
【請求項7】
前記上部コアレイヤと前記上部及びミドルクラッディングの間の屈折率コントラストは、約5%未満であり、
前記下部コアレイヤと前記下部及びミドルクラッディングの間の屈折率コントラストは、約5%未満であり、
前記第1導波路コアと前記ミドルクラッディングの間の屈折率コントラストは、約5%未満であり、
前記第2導波路コアと前記ミドルクラッディングの間の屈折率コントラストは、約5%を上回っている、請求項5記載の装置。
【請求項8】
前記第2導波路コアは、前記光導波路の長さの少なくとも一部に沿って伝播光学モードを実質的に閉じ込めている、請求項7記載の装置。
【請求項9】
前記上部、ミドル、及び下部クラッディングは、シリカ又はドーピングされたシリカを有しており、
前記上部及び下部コアレイヤと前記第1導波路コアは、ドーピングされたシリカを有しており、
前記第2導波路コアは、窒化珪素又は酸窒化珪素を有している、請求項7記載の装置。
【請求項10】
前記上部及び下部コアレイヤは、それぞれ、厚さが約0.3μm〜約2μmであり、
前記第1導波路コアは、厚さが約0.3μm〜約1μmであって、幅が約3μm〜約12μmであり、
前記第2導波路コアは、幅が約2μm未満であって、厚さが約200nm未満であり、
前記下部コアレイヤと前記第1導波路コアの間の前記ミドルクラッディングは、厚さが約1μm〜約3μmであり、
前記上部コアレイヤと前記第1導波路コアの間の前記ミドルクラッディングは、厚さが約1μm〜約3μmである、請求項9記載の装置。
【請求項11】
前記第2導波路コアは、前記導波路の一部に沿った長手方向において少なくとも1つの横断方向の次元においてテーパーを持ち、
前記第2導波路コアは、望ましくない光学モードに対する光学結合を実質的に回避するべく、十分に徐々にテーパーが付けられ、
前記装置は、前記第1及び第2導波路コアによってそれぞれサポートされている伝播光学モードの間において光信号を結合するべく機能する、請求項7記載の装置。
【請求項12】
光ファイバ又は第2プレーナー光導波路を更に有しており、前記プレーナー光導波路は、導波路端面において終端しており、前記導波路コア及び前記上部及び下部導波路コアレイヤは、それぞれ、前記導波路端面に到達しており、前記プレーナー光導波路は、前記端面を通じて前記光ファイバ又は前記第2プレーナー光導波路に光学的に端部結合されている、請求項2記載の装置。
【請求項13】
前記導波路端面の近傍において前記プレーナー光導波路のテーパーを持つセグメントを更に有しており、この場合に、前記上部及び下部コアレイヤは、前記の終端導波路セグメントに沿って前記導波路端面に向かって両側においてテーパーが付けられ、
前記サポートされている光学モードは、前記導波路端面において前記上部及び下部コアレイヤによって両側において少なくとも部分的に実質的に閉じ込められている、請求項12記載の装置。
【請求項14】
前記のテーパーを持つ導波路セグメントは、個々の突出した表面により、両側において境界付けられており、前記上部及び下部コアレイヤ及び前記クラッディングは、前記突出した表面により、前記プレーナー光導波路の前記の終端セグメントに沿って両側において境界付けられている、請求項13記載の装置。
【請求項15】
前記突出した表面は、実質的に透明な埋込媒体又はカプセル材料によって実質的にカバーされている、請求項14記載の装置。
【請求項16】
前記上部、ミドル、及び下部クラッディングは、シリカ又はドーピングされたシリカを有しており、
上記上部及び下部コアレイヤ及び前記導波路コアは、ドーピングされたシリカを有している、請求項13記載の装置。
【請求項17】
前記導波路コアは、前記導波路端面において、厚さが約0.3μm〜約1μmであって、幅が約3μm〜約12μmであり、
前記上部及び下部コアレイヤは、それぞれ、厚さが約0.3μm〜約2μmであり、それぞれ、略前記導波路コアの幅よりも幅が広く、且つ、それぞれ、前記導波路端面において、約30μm未満だけ、前記導波路コアよりも幅が広く、
前記下部コアレイヤ及び前記第1導波路コアの間の前記ミドルクラッディングは、前記導波路端面において、厚さが約1μm〜約3μmであり、
前記上部コアレイヤ及び前記第1導波路コアの間の前記ミドルクラッディングは、前記導波路端面において、厚さが約1μm〜約3μmである、請求項16記載の装置。
【請求項18】
端部結合された光ファイバ又はプレーナー光導波路が、前記導波路端面から長手方向において離隔しており、回折光結合損失が、前記導波路端面からの約10μm〜約25μmの長手方向における離隔において約0.3dB未満である、請求項12記載の装置。
【請求項19】
前記上部コアレイヤと前記上部及びミドルクラッディングの間の屈折率コントラストは、約5%未満であり、
前記下部コアレイヤと前記下部及びミドルクラッディングの間の屈折率コントラストは、約5%未満であり、
前記導波路コアと前記ミドルクラッディングの間の屈折率コントラストは、約5%未満である、請求項2記載の装置。
【請求項20】
前記上部及び下部導波路コアレイヤは、厚さが約0.3μm〜約2μmであるドーピングされたシリカを有しており、
前記導波路コアは、厚さが約0.3μm〜約1μmであって、幅が約3μm〜約12μmであるドーピングされたシリカを有しており、
前記下部、ミドル、及び上部クラッディングは、シリカ又はドーピングされたシリカを有しており、
前記下部コアレイヤと前記第1導波路コアの間の前記ミドルクラッディングは、厚さが約1μm〜約3μmであり、
前記上部コアレイヤと前記第1導波路コアの間の前記ミドルクラッディングは、厚さが約1μm〜約3μmである、請求項19記載の装置。
【請求項21】
導波路基板上に下部クラッディングレイヤを形成する段階と、
前記下部クラッディングレイヤ上に下部導波路コアレイヤを形成する段階と、
前記下部コアレイヤ上にミドルクラッディングレイヤの下部部分を形成する段階と、
前記ミドルクラッディングレイヤの前記下部部分上に導波路コアを形成する段階と、
前記導波路コアの上方において、且つ、前記ミドルクラッディングレイヤの前記下部部分の露出したエリア上に、前記ミドルクラッディングレイヤの上部部分を形成する段階と、
前記ミドルクラッディングレイヤの前記上部部分上に上部導波路コアレイヤを形成する段階と、
前記上部導波路コアレイヤ上に上部クラッディングレイヤを形成する段階と、
を有しており、
前記下部クラッディングは、前記下部導波路コアレイヤ、前記上部導波路コアレイヤ、及び前記導波路コアの屈折率を下回る屈折率を具備しており、
前記ミドルクラッディングは、前記下部導波路コアレイヤ、前記上部導波路コアレイヤ、及び前記導波路コアの屈折率を下回る屈折率を具備しており、
前記上部クラッディングは、前記下部導波路コアレイヤ、前記上部導波路コアレイヤ、及び前記導波路コアの屈折率を下回る屈折率を具備している、プレーナー光導波路を形成する方法。
【請求項22】
前記導波路コアの幅は、その厚さを実質的に上回っており、
前記導波路コアの上部表面は、実質的に平らであり、
前記上部及び下部導波路コアレイヤは、前記プレーナー光導波路によってサポートされている伝播光学モードの横方向の大きさを両側において実質的に超えて延長しており、前記サポートされている光学モードは、前記導波路コアによって両側において実質的に閉じ込められている、請求項21記載の方法。
【請求項23】
前記第1導波路コアの上方に第2導波路コアを形成する段階を更に有しており、
前記第2導波路コアの屈折率は、前記上部クラッディング、前記ミドルクラッディング、及び前記下部クラッディングの前記屈折率を上回っており、
前記第2導波路コアの幅は、その厚さを実質的に上回っており、
前記第2導波路コアの上部表面は、実質的に平らであり、
前記第1導波路コア及び前記第2導波路コアは、前記ミドルクラッディング内において1つが他方の上に位置するように構成されている、請求項22記載の方法。
【請求項24】
前記導波路コアは、互いに接触状態にある請求項23記載の方法。
【請求項25】
前記上部コアレイヤと前記上部及びミドルクラッディングの間の屈折率コントラストは、約5%未満であり、
前記下部コアレイヤと前記下部及びミドルクラッディングの間の屈折率コントラストは、約5%未満であり、
前記第1導波路コアと前記ミドルクラッディングの間の屈折率コントラストは、約5%未満であり、
前記第2導波路コアと前記ミドルクラッディングの間の屈折率コントラストは、約5%を上回っている、請求項23記載の方法。
【請求項26】
前記上部及び下部コアレイヤは、それぞれ、厚さが約0.3μm〜約2μmであるシリカ又はドーピングされたシリカを有しており、
前記第1導波路コアは、ドーピングされたシリカを有しており、且つ、厚さが約0.3μm〜約1μmであって、幅が約3μm〜約12μmであり、
前記第2導波路コアは、窒化珪素又は酸窒化珪素を有しており、且つ、幅が約2μm未満であって、厚さが約200nm未満であり、
前記ミドルクラッディングは、シリカ又はドーピングされたシリカを有しており、
前記下部コアレイヤと前記第1導波路コアの間の前記ミドルクラッディングレイヤは、厚さが約1μm〜約3μmであり、
前記上部コアレイヤと前記第1導波路コアの間の前記ミドルコアは、厚さが約1μm〜約3μmである、請求項25記載の方法。
【請求項27】
前記第2導波路コアは、前記導波路の一部に沿った長手方向において少なくとも1つの横断方向次元においてテーパーを持ち、
前記第2導波路コアは、望ましくない光学モードに対する光学結合を実質的に回避するべく、十分に徐々にテーパーが付けられ、
前記装置は、前記第1及び第2導波路コアによってそれぞれサポートされている伝播光学モードの間において光信号を結合するべく機能する、請求項25記載の方法。
【請求項28】
前記プレーナー光導波路を終端させる導波路端面を形成する段階と、
前記プレーナー光導波路とその前記端面を通じて光学的端部結合させるべく光ファイバ又は第2プレーナー光導波路を配置する段階と、
を更に有しており、
前記導波路コア及び前記上部及び下部導波路コアレイヤは、それぞれ、前記導波路端面に到達している、請求項22記載の方法。
【請求項29】
前記導波路端面の近傍において前記プレーナー光導波路のテーパーを持つセグメントを形成する段階であって、前記上部及び下部コアレイヤは、前記導波路端面に向かって前記の終端導波路セグメントに沿って両側においてテーパーが付けられている、段階を更に有しており、
前記サポートされている光学モードは、前記導波路端面において前記上部及び下部コアレイヤによって両側において少なくとも部分的に実質的に閉じ込められている、請求項28記載の方法。
【請求項30】
前記終端導波路セグメントを境界付けるための両側において突出した表面を形成する段階であって、前記上部及び下部コアレイヤ及び前記クラッディングは、前記突出した表面により、前記プレーナー光導波路の前記のテーパーを持つセグメントに沿って両側において境界付けられている、段階を更に有している請求項29記載の方法。
【請求項31】
前記突出した表面を実質的に透明な埋込媒体又はカプセル材料によって実質的にカバーする段階を更に有する請求項30記載の方法。
【請求項32】
前記上部、ミドル、及び下部クラッディングは、シリカ又はドーピングされたシリカを有しており、前記上部及び下部コアレイヤ及び前記導波路コアは、ドーピングされたシリカを有しており、
前記導波路コアは、前記導波路端面において、厚さが約0.3μm〜約1μmであって、幅が約3μm〜約12μmであり、
前記上部及び下部コアレイヤは、それぞれ、厚さが、約0.3μm〜約2μmであり、それぞれ、略前記導波路コアの幅よりも幅が広く、且つ、それぞれ、前記導波路端面において、約30μm未満だけ、前記導波路コアよりも幅が広く、
前記下部コアレイヤと前記第1導波路コアの間の前記ミドルクラッディングは、前記導波路端面において、厚さが約1μm〜約3μmであり、
前記上部コアレイヤと前記第1導波路コアの間の前記ミドルクラッディングは、前記導波路端面において、厚さが約1μm〜約3μmである、請求項29記載の方法。
【請求項33】
前記上部コアレイヤと前記上部及びミドルクラッディングの間の屈折率コントラストは、約5%未満であり、
前記下部コアレイヤと前記下部及びミドルクラッディングの間の屈折率コントラストは、約5%未満であり、
前記導波路コアと前記ミドルクラッディングの間の屈折率コントラストは、約5%未満である、請求項22記載の方法。
【請求項34】
前記上部及び下部導波路コアレイヤは、厚さが約0.3μm〜約2μmであるドーピングされたシリカを有しており、
前記導波路コアは、厚さが約0.3μm〜約1μmであって、幅が約3μm〜約12μmであるドーピングされたシリカを有しており、
前記下部、ミドル、及び上部クラッディングは、シリカ又はドーピングされたシリカを有しており、
前記下部コアレイヤと前記第1導波路コアの間の前記ミドルクラッディングは、厚さが約1μm〜約3μmであり、
前記上部コアレイヤと前記第1導波路コアの間の前記ミドルクラッディングは、厚さが約1μm〜約3μmである、請求項33記載の方法。
【請求項1】
実質的に平坦な導波路基板と、
下部導波路コアレイヤと、
上部導波路コアレイヤと、
前記上部及び下部導波路コアレイヤの間の導波路コアと、
前記基板及び前記下部導波路コアレイヤの間の下部クラッディングと、
前記上部導波路コアレイヤ上の上部クラッディングと、
実質的に前記導波路コアを取り囲んでいる前記上部及び下部導波路コアレイヤの間のミドルクラッディングと、
を有しており、
前記下部クラッディングは、前記下部導波路コアレイヤ、前記上部導波路コアレイヤ、及び前記導波路コアの屈折率を下回る屈折率を具備しており、
前記ミドルクラッディングは、前記下部導波路コアレイヤ、前記上部導波路コアレイヤ、及び前記導波路コアの屈折率を下回る屈折率を具備しており、
前記上部クラッディングは、前記下部導波路コアレイヤ、前記上部導波路コアレイヤ、及び前記導波路コアの屈折率を下回る屈折率を具備している、プレーナー光導波路。
【請求項2】
前記導波路コアの幅は、その厚さを実質的に上回っており、
前記導波路コアの上部表面は、実質的に平らであり、
前記上部及び下部導波路コアレイヤは、前記プレーナー光導波路によってサポートされている伝播光学モードの横方向の大きさを両側において実質的に超えて延長しており、前記サポートされている光学モードは、前記導波路コアによって両側において実質的に閉じ込められている、請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記ミドルレイヤの上部表面は、実質的に平坦であり、且つ、前記上部導波路コアレイヤは、実質的に平坦である、請求項2記載の装置。
【請求項4】
前記ミドルクラッディングレイヤの上部表面は、平坦ではなく、且つ、前記導波路コアの上方において隆起した実質的に平らな部分を有しており、
前記上部導波路クラッディングレイヤは、平坦ではなく、且つ、前記導波路コアの上方において隆起した実質的に平らな部分を有している、請求項2記載の装置。
【請求項5】
前記上部及び下部導波路コアレイヤの間に第2導波路コアを更に有しており、
前記第2導波路コアの屈折率は、前記上部クラッディング、前記ミドルクラッディング、及び前記下部クラッディングの前記屈折率を上回っており、
前記第2導波路コアの幅は、その厚さを実質的に上回っており、
前記第2導波路コアの上部表面は、実質的に平らであり、
前記第1導波路コア及び前記第2導波路コアは、前記ミドルクラッディング内において1つが他方の上に位置するように構成されている、請求項2記載の装置。
【請求項6】
前記導波路コアは、互いに接触状態にある請求項5記載の装置。
【請求項7】
前記上部コアレイヤと前記上部及びミドルクラッディングの間の屈折率コントラストは、約5%未満であり、
前記下部コアレイヤと前記下部及びミドルクラッディングの間の屈折率コントラストは、約5%未満であり、
前記第1導波路コアと前記ミドルクラッディングの間の屈折率コントラストは、約5%未満であり、
前記第2導波路コアと前記ミドルクラッディングの間の屈折率コントラストは、約5%を上回っている、請求項5記載の装置。
【請求項8】
前記第2導波路コアは、前記光導波路の長さの少なくとも一部に沿って伝播光学モードを実質的に閉じ込めている、請求項7記載の装置。
【請求項9】
前記上部、ミドル、及び下部クラッディングは、シリカ又はドーピングされたシリカを有しており、
前記上部及び下部コアレイヤと前記第1導波路コアは、ドーピングされたシリカを有しており、
前記第2導波路コアは、窒化珪素又は酸窒化珪素を有している、請求項7記載の装置。
【請求項10】
前記上部及び下部コアレイヤは、それぞれ、厚さが約0.3μm〜約2μmであり、
前記第1導波路コアは、厚さが約0.3μm〜約1μmであって、幅が約3μm〜約12μmであり、
前記第2導波路コアは、幅が約2μm未満であって、厚さが約200nm未満であり、
前記下部コアレイヤと前記第1導波路コアの間の前記ミドルクラッディングは、厚さが約1μm〜約3μmであり、
前記上部コアレイヤと前記第1導波路コアの間の前記ミドルクラッディングは、厚さが約1μm〜約3μmである、請求項9記載の装置。
【請求項11】
前記第2導波路コアは、前記導波路の一部に沿った長手方向において少なくとも1つの横断方向の次元においてテーパーを持ち、
前記第2導波路コアは、望ましくない光学モードに対する光学結合を実質的に回避するべく、十分に徐々にテーパーが付けられ、
前記装置は、前記第1及び第2導波路コアによってそれぞれサポートされている伝播光学モードの間において光信号を結合するべく機能する、請求項7記載の装置。
【請求項12】
光ファイバ又は第2プレーナー光導波路を更に有しており、前記プレーナー光導波路は、導波路端面において終端しており、前記導波路コア及び前記上部及び下部導波路コアレイヤは、それぞれ、前記導波路端面に到達しており、前記プレーナー光導波路は、前記端面を通じて前記光ファイバ又は前記第2プレーナー光導波路に光学的に端部結合されている、請求項2記載の装置。
【請求項13】
前記導波路端面の近傍において前記プレーナー光導波路のテーパーを持つセグメントを更に有しており、この場合に、前記上部及び下部コアレイヤは、前記の終端導波路セグメントに沿って前記導波路端面に向かって両側においてテーパーが付けられ、
前記サポートされている光学モードは、前記導波路端面において前記上部及び下部コアレイヤによって両側において少なくとも部分的に実質的に閉じ込められている、請求項12記載の装置。
【請求項14】
前記のテーパーを持つ導波路セグメントは、個々の突出した表面により、両側において境界付けられており、前記上部及び下部コアレイヤ及び前記クラッディングは、前記突出した表面により、前記プレーナー光導波路の前記の終端セグメントに沿って両側において境界付けられている、請求項13記載の装置。
【請求項15】
前記突出した表面は、実質的に透明な埋込媒体又はカプセル材料によって実質的にカバーされている、請求項14記載の装置。
【請求項16】
前記上部、ミドル、及び下部クラッディングは、シリカ又はドーピングされたシリカを有しており、
上記上部及び下部コアレイヤ及び前記導波路コアは、ドーピングされたシリカを有している、請求項13記載の装置。
【請求項17】
前記導波路コアは、前記導波路端面において、厚さが約0.3μm〜約1μmであって、幅が約3μm〜約12μmであり、
前記上部及び下部コアレイヤは、それぞれ、厚さが約0.3μm〜約2μmであり、それぞれ、略前記導波路コアの幅よりも幅が広く、且つ、それぞれ、前記導波路端面において、約30μm未満だけ、前記導波路コアよりも幅が広く、
前記下部コアレイヤ及び前記第1導波路コアの間の前記ミドルクラッディングは、前記導波路端面において、厚さが約1μm〜約3μmであり、
前記上部コアレイヤ及び前記第1導波路コアの間の前記ミドルクラッディングは、前記導波路端面において、厚さが約1μm〜約3μmである、請求項16記載の装置。
【請求項18】
端部結合された光ファイバ又はプレーナー光導波路が、前記導波路端面から長手方向において離隔しており、回折光結合損失が、前記導波路端面からの約10μm〜約25μmの長手方向における離隔において約0.3dB未満である、請求項12記載の装置。
【請求項19】
前記上部コアレイヤと前記上部及びミドルクラッディングの間の屈折率コントラストは、約5%未満であり、
前記下部コアレイヤと前記下部及びミドルクラッディングの間の屈折率コントラストは、約5%未満であり、
前記導波路コアと前記ミドルクラッディングの間の屈折率コントラストは、約5%未満である、請求項2記載の装置。
【請求項20】
前記上部及び下部導波路コアレイヤは、厚さが約0.3μm〜約2μmであるドーピングされたシリカを有しており、
前記導波路コアは、厚さが約0.3μm〜約1μmであって、幅が約3μm〜約12μmであるドーピングされたシリカを有しており、
前記下部、ミドル、及び上部クラッディングは、シリカ又はドーピングされたシリカを有しており、
前記下部コアレイヤと前記第1導波路コアの間の前記ミドルクラッディングは、厚さが約1μm〜約3μmであり、
前記上部コアレイヤと前記第1導波路コアの間の前記ミドルクラッディングは、厚さが約1μm〜約3μmである、請求項19記載の装置。
【請求項21】
導波路基板上に下部クラッディングレイヤを形成する段階と、
前記下部クラッディングレイヤ上に下部導波路コアレイヤを形成する段階と、
前記下部コアレイヤ上にミドルクラッディングレイヤの下部部分を形成する段階と、
前記ミドルクラッディングレイヤの前記下部部分上に導波路コアを形成する段階と、
前記導波路コアの上方において、且つ、前記ミドルクラッディングレイヤの前記下部部分の露出したエリア上に、前記ミドルクラッディングレイヤの上部部分を形成する段階と、
前記ミドルクラッディングレイヤの前記上部部分上に上部導波路コアレイヤを形成する段階と、
前記上部導波路コアレイヤ上に上部クラッディングレイヤを形成する段階と、
を有しており、
前記下部クラッディングは、前記下部導波路コアレイヤ、前記上部導波路コアレイヤ、及び前記導波路コアの屈折率を下回る屈折率を具備しており、
前記ミドルクラッディングは、前記下部導波路コアレイヤ、前記上部導波路コアレイヤ、及び前記導波路コアの屈折率を下回る屈折率を具備しており、
前記上部クラッディングは、前記下部導波路コアレイヤ、前記上部導波路コアレイヤ、及び前記導波路コアの屈折率を下回る屈折率を具備している、プレーナー光導波路を形成する方法。
【請求項22】
前記導波路コアの幅は、その厚さを実質的に上回っており、
前記導波路コアの上部表面は、実質的に平らであり、
前記上部及び下部導波路コアレイヤは、前記プレーナー光導波路によってサポートされている伝播光学モードの横方向の大きさを両側において実質的に超えて延長しており、前記サポートされている光学モードは、前記導波路コアによって両側において実質的に閉じ込められている、請求項21記載の方法。
【請求項23】
前記第1導波路コアの上方に第2導波路コアを形成する段階を更に有しており、
前記第2導波路コアの屈折率は、前記上部クラッディング、前記ミドルクラッディング、及び前記下部クラッディングの前記屈折率を上回っており、
前記第2導波路コアの幅は、その厚さを実質的に上回っており、
前記第2導波路コアの上部表面は、実質的に平らであり、
前記第1導波路コア及び前記第2導波路コアは、前記ミドルクラッディング内において1つが他方の上に位置するように構成されている、請求項22記載の方法。
【請求項24】
前記導波路コアは、互いに接触状態にある請求項23記載の方法。
【請求項25】
前記上部コアレイヤと前記上部及びミドルクラッディングの間の屈折率コントラストは、約5%未満であり、
前記下部コアレイヤと前記下部及びミドルクラッディングの間の屈折率コントラストは、約5%未満であり、
前記第1導波路コアと前記ミドルクラッディングの間の屈折率コントラストは、約5%未満であり、
前記第2導波路コアと前記ミドルクラッディングの間の屈折率コントラストは、約5%を上回っている、請求項23記載の方法。
【請求項26】
前記上部及び下部コアレイヤは、それぞれ、厚さが約0.3μm〜約2μmであるシリカ又はドーピングされたシリカを有しており、
前記第1導波路コアは、ドーピングされたシリカを有しており、且つ、厚さが約0.3μm〜約1μmであって、幅が約3μm〜約12μmであり、
前記第2導波路コアは、窒化珪素又は酸窒化珪素を有しており、且つ、幅が約2μm未満であって、厚さが約200nm未満であり、
前記ミドルクラッディングは、シリカ又はドーピングされたシリカを有しており、
前記下部コアレイヤと前記第1導波路コアの間の前記ミドルクラッディングレイヤは、厚さが約1μm〜約3μmであり、
前記上部コアレイヤと前記第1導波路コアの間の前記ミドルコアは、厚さが約1μm〜約3μmである、請求項25記載の方法。
【請求項27】
前記第2導波路コアは、前記導波路の一部に沿った長手方向において少なくとも1つの横断方向次元においてテーパーを持ち、
前記第2導波路コアは、望ましくない光学モードに対する光学結合を実質的に回避するべく、十分に徐々にテーパーが付けられ、
前記装置は、前記第1及び第2導波路コアによってそれぞれサポートされている伝播光学モードの間において光信号を結合するべく機能する、請求項25記載の方法。
【請求項28】
前記プレーナー光導波路を終端させる導波路端面を形成する段階と、
前記プレーナー光導波路とその前記端面を通じて光学的端部結合させるべく光ファイバ又は第2プレーナー光導波路を配置する段階と、
を更に有しており、
前記導波路コア及び前記上部及び下部導波路コアレイヤは、それぞれ、前記導波路端面に到達している、請求項22記載の方法。
【請求項29】
前記導波路端面の近傍において前記プレーナー光導波路のテーパーを持つセグメントを形成する段階であって、前記上部及び下部コアレイヤは、前記導波路端面に向かって前記の終端導波路セグメントに沿って両側においてテーパーが付けられている、段階を更に有しており、
前記サポートされている光学モードは、前記導波路端面において前記上部及び下部コアレイヤによって両側において少なくとも部分的に実質的に閉じ込められている、請求項28記載の方法。
【請求項30】
前記終端導波路セグメントを境界付けるための両側において突出した表面を形成する段階であって、前記上部及び下部コアレイヤ及び前記クラッディングは、前記突出した表面により、前記プレーナー光導波路の前記のテーパーを持つセグメントに沿って両側において境界付けられている、段階を更に有している請求項29記載の方法。
【請求項31】
前記突出した表面を実質的に透明な埋込媒体又はカプセル材料によって実質的にカバーする段階を更に有する請求項30記載の方法。
【請求項32】
前記上部、ミドル、及び下部クラッディングは、シリカ又はドーピングされたシリカを有しており、前記上部及び下部コアレイヤ及び前記導波路コアは、ドーピングされたシリカを有しており、
前記導波路コアは、前記導波路端面において、厚さが約0.3μm〜約1μmであって、幅が約3μm〜約12μmであり、
前記上部及び下部コアレイヤは、それぞれ、厚さが、約0.3μm〜約2μmであり、それぞれ、略前記導波路コアの幅よりも幅が広く、且つ、それぞれ、前記導波路端面において、約30μm未満だけ、前記導波路コアよりも幅が広く、
前記下部コアレイヤと前記第1導波路コアの間の前記ミドルクラッディングは、前記導波路端面において、厚さが約1μm〜約3μmであり、
前記上部コアレイヤと前記第1導波路コアの間の前記ミドルクラッディングは、前記導波路端面において、厚さが約1μm〜約3μmである、請求項29記載の方法。
【請求項33】
前記上部コアレイヤと前記上部及びミドルクラッディングの間の屈折率コントラストは、約5%未満であり、
前記下部コアレイヤと前記下部及びミドルクラッディングの間の屈折率コントラストは、約5%未満であり、
前記導波路コアと前記ミドルクラッディングの間の屈折率コントラストは、約5%未満である、請求項22記載の方法。
【請求項34】
前記上部及び下部導波路コアレイヤは、厚さが約0.3μm〜約2μmであるドーピングされたシリカを有しており、
前記導波路コアは、厚さが約0.3μm〜約1μmであって、幅が約3μm〜約12μmであるドーピングされたシリカを有しており、
前記下部、ミドル、及び上部クラッディングは、シリカ又はドーピングされたシリカを有しており、
前記下部コアレイヤと前記第1導波路コアの間の前記ミドルクラッディングは、厚さが約1μm〜約3μmであり、
前記上部コアレイヤと前記第1導波路コアの間の前記ミドルクラッディングは、厚さが約1μm〜約3μmである、請求項33記載の方法。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図1E】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図2E】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図1E】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図2E】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【公表番号】特表2008−530615(P2008−530615A)
【公表日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−555340(P2007−555340)
【出願日】平成18年2月13日(2006.2.13)
【国際出願番号】PCT/US2006/005176
【国際公開番号】WO2006/088872
【国際公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【出願人】(504168536)イクスポーネント フォトニクス,インコーポレイティド (6)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年2月13日(2006.2.13)
【国際出願番号】PCT/US2006/005176
【国際公開番号】WO2006/088872
【国際公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【出願人】(504168536)イクスポーネント フォトニクス,インコーポレイティド (6)
【Fターム(参考)】
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