説明

モジュール式ポールの構築方法およびモジュール式ポールアセンブリ

細長いモジュール式ポール構造のモジュール式ポールを構築する方法が開示される。該方法の第1のステップは、中空の先細り状のポールセクションモジュールを提供することを含み、各モジュールは、第1の開いた端部と、対向する第2の開いた端部とを有する。該第2の端部の断面積は、該第1の断面積よりも小さい。モジュールは、第1のモジュールの該第2の端部を第2のモジュールの該第1の端部に噛み合わせることによって、選択された長さの細長いモジュール式ポール構造を形成するように積み重ねられる。異なる構造特性を有するモジュールを選択的に組み合わせることによって、異なる構造特性を有するポールが構築され得るように、該第1および第2のモジュールは、異なる構造特性を有し得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モジュール式ポールを構築する方法および上記方法の教示に従って構築されるモジュール式ポールアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
ポール構造は、幹線道路の照明器具の支持、および電話、ケーブル、電力のための電柱などの種々の目的のために使用されるが、それらに限定されない。これらのポール構造は、一般的に木材、鋼、コンクリートで作られる。これらのポール構造の使用は広範囲であるが、ワンピース構造である傾向があるために限定され、したがって、高さ、強度、および他の特性が固定される。
【0003】
所与の長さのポールは、トラック、鉄道、または貨物輸送機さえもによる輸送を容易にするために、および現場における組み立てを補助するために、複数のセクションで設計され得る。このことは、鋼および特に一部のコンクリートのポールの構造に共通である。特許文献1は、少なくとも2つのセクションのまっすぐなパイプを含むマルチセクションの電柱(utility pole)を開示しており、それらはスリップジョイント接続によって接合および接続される。スリップジョイントは、2つの噛み合う円錐形のセクションからなっており、1つがポールの各セクションに接続される。しかし、このアプローチは輸送および組み立ての役に立ち得るが、高さ、強度、剛性、耐久性および他の性能考慮などの、構造内部の他の問題には対処していない。
【特許文献1】米国特許第6,399,881号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
(本発明の概要)
本発明は、モジュール式ポールを構築する方法、および該方法の教示に従って構築されるモジュール式ポールアセンブリに関する。
【0005】
本発明の目的は、改良されたモジュール式ポールアセンブリ、および該ポールアセンブリを構築する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によると、モジュール式ポールを構築する方法が提供され、該方法は、
2つまたは3つ以上の中空の先細りのポールセクションモジュールを提供するステップであって、各モジュールは第1の開いた端部と、対向する第2の開いた端部とを有し、該第2の端部の断面積は該第1の断面積よりも小さい、ステップと、
第1のモジュールの該第2の端部を第2のモジュールの該第1の端部に噛み合わせることによって、選択された長さの細長いモジュール式ポール構造を形成するように、該2つまたは3つ以上のモジュールを積み重ねるステップと
を包含し、
異なる構造特性を有するモジュールを選択的に組み合わせることによって、所望の構造特性を有するポールが構築され得るように、第1および第2のモジュールは異なる構造特性を有する。
【0007】
本発明は、上記で定義されたモジュール式ポールを構築する方法に関し、上記異なる構造特性は、曲げ強度、圧縮強度、座屈への耐性、剪断強度、外殻耐久性、およびそれらの混合からなるグループから選択される。たとえば、上記第1のモジュールは、上記第2のモジュールよりも大きな圧縮強度を有し得る。
【0008】
本発明は、上記で定義されたモジュール式ポールを構築する方法に関し、上記提供するステップにおいて、上記第1および第2のモジュールは入れ子にされ、その結果、該第2のモジュールの少なくとも部分が該第1のモジュールの中に入れ子になる。該第2のモジュールの全体が、該第1のモジュールの中に入れ子になり得る。
【0009】
本発明は、上記で定義されたモジュール式ポールを構築する方法に関し、上記提供するステップにおいて、上記2つまたは3つ以上の先細り状のポールセクションモジュールは、断面が管状である。
【0010】
本発明は、上記で定義されたモジュール式ポールを構築する方法に関し、上記積み重ねるステップの後に、上記細長いモジュール式ポール構造の一方または両方の端部にキャップを配置するさらなるステップがあり、それによってゴミ(debris)または水分がポールの中に入ることを抑制する。
【0011】
本発明は、上記で定義されたモジュール式ポールを構築する方法に関し、上記細長いモジュール式ポール構造は、ベースモジュールと、先端モジュールと、それらの間にオプションとして1つまたは2つ以上のモジュールとを有する直立構造であり、該ベースモジュールの上記第1の端部は表面に隣接する。上記方法は、該細長いモジュール式ポール構造の重量を該表面で支持して分散するために、該ベースモジュールの該第1の端部に支持部材を配置することをさらに包含する。該支持部材は、それを通る開口部を有し得、その結果、該直立の伸びたモジュール式ポール構造の中の液体が該開口部を通して排水され得る。
【0012】
本発明は、上記で定義されたモジュール式ポールを構築する方法に関し、上記2つまたは3つ以上の中空の先細り状のポールセクションモジュールは、複合材料からなる。該複合材料は、フィラメントワインディングされたポリウレタン複合材料であり得る。
【0013】
本発明は、少なくとも第1および第2の中空の先細り状のモジュールを備える、細長いモジュール式ポール構造に関し、各モジュールは第1の端部と、対向する第2の端部とを有し、該第2の端部の断面積は該第1の端部の断面積よりも小さく、第1のモジュールの該第2の端部は第2のモジュールの該第1の端部に噛み合わされ、該第1および第2のモジュールは異なる構造特性を有する。所望の構造特性を有するポールは、異なる構造特性を有するモジュールを選択的に組み合わせることによって構築され得る。該異なる構造特性は、曲げ強度、圧縮強度、座屈への耐性、剪断強度、外殻耐久性、およびそれらの混合からなるグループから選択され得る。
【0014】
本発明は、上記で定義された細長いモジュール式ポール構造に関し、上記第1のモジュールの上記第2の端部は、上記第2のモジュールの上記第1の端部の中に噛み合うように受け入れられる。
【0015】
本発明は、上記で定義された細長いモジュール式ポール構造に関し、上記第1のモジュールは、上記第2のモジュールの外部寸法よりも大きな内部寸法を有し、その結果、該第2のモジュールの少なくとも一部分が該第1のモジュールの中に入れ子になる。該第2のモジュールの全体が該第1のモジュールの中に入れ子になり得、該第1のモジュールは、該第2のモジュールよりも大きな圧縮強度を有し得る。
【0016】
本発明は、上記で定義された細長いモジュール式ポール構造に関し、該伸びたモジュール式ポール構造の一方または両方の端部に配置されるキャップを含み、それによってゴミまたは水分がポール構造の中に入ることを抑制する。
【0017】
本発明は、上記で定義された細長いモジュール式ポール構造に関し、該伸びたモジュール式ポール構造は、ベースモジュールと、先端モジュールと、それらの間にオプションとして1つまたは2つ以上のモジュールとを有する、直立構造である。該ベースモジュールの第1の端部は表面に隣接し得、該細長いモジュール式ポール構造の重量を該表面で支えて分散するために、支持部材が該ベースモジュールの第1の端部に配置され得る。該支持部材は、それを通る開口部を有し得、その結果、該直立の伸びたモジュール式ポール構造の中の液体は、該開口部を通して排水され得る。
【0018】
本発明は、上記で定義された細長いモジュール式ポール構造に関し、上記第1および第2の中空の先細り状のモジュールは、管状である。
【0019】
本発明は、上記で定義された細長いモジュール式ポール構造に関し、上記第1および第2の中空の先細り状のモジュールは、複合材料を含む。該複合材料は、フィラメントワインディングされたポリウレタン複合材料を含み得る。
【0020】
本発明は、少なくとも第1および第2の中空の先細り状のモジュールを備える、細長い複合モジュール式ポール構造に関し、各モジュールは、複合材料を含み、第1の端部と、対向する第2の端部とを有し、該第2の端部の断面積は該第1の端部の断面積よりも小さく、第1のモジュールの該第2の端部は第2のモジュールの該第1の端部に噛み合わせられる。
【0021】
本発明は、上記で定義された細長い複合モジュール式ポール構造に関し、上記第1のモジュールは、上記第2のモジュールの外部寸法よりも大きな内部寸法を有し、その結果、該第2のモジュールの少なくとも一部分が該第1のモジュールの中に入れ子になる。該第2のモジュールの全体が該第1のモジュールの中に入れ子になり得、該第1のモジュールは、該第2のモジュールよりも大きな圧縮強度を有し得る。
【0022】
本発明は、上記で定義された細長い複合モジュール式ポール構造に関し、上記第1および第2のモジュールは、異なる構造特性を有し、その結果、異なる構造特性を有するモジュールを選択的に組み合わせることによって、所望の構造特性を有するポールが構築され得る。該異なる構造特性は、曲げ強度、圧縮強度、座屈への耐性、剪断強度、外殻耐久性、およびそれらの混合からなるグループから選択され得る。
【0023】
本発明は、上記で定義された細長い複合モジュール式ポール構造に関し、該伸びたモジュール式ポール構造の一方または両方の端部に配置されるキャップを含み、それによってゴミまたは水分がポールの中に入ることを抑制する。
【0024】
本発明は、上記で定義された細長い複合モジュール式ポール構造に関し、該伸びたモジュール式ポール構造は、ベースモジュールと、先端モジュールと、それらの間にオプションとして1つまたは2つ以上のモジュールとを有する、直立構造である。該ベースモジュールの第1の端部は表面に隣接し、該細長いモジュール式ポール構造の重量を該表面で支持して分散するために、支持部材が該ベースモジュールの第1の端部に配置され得る。該支持部材は、それを通る開口部を有し得、その結果、直立の伸びたモジュール式ポール構造の中の液体は、該開口部を通して排水され得る。
【0025】
本発明は、上記で定義された細長い複合モジュール式ポール構造に関し、上記第1および第2の中空の先細り状のモジュールは、管状である。
【0026】
本発明は、上記で定義された細長い複合モジュール式ポール構造に関し、上記複合材料は、フィラメントワインディングされたポリウレタン複合材料を含む。
【0027】
本発明はさらに、細長いモジュール式ポール構造の構築に使用される中空の先細り状のモジュールに関し、該モジュールは、複合材料を含み、第1の端部と、対向する第2の端部とを有し、該第2の端部の断面積は該第1の端部の断面積よりも小さい。該複合材料は、フィラメントワインディングされたポリウレタン複合材料を含み得る。
【0028】
本発明は、少なくとも第1および第2の中空の先細り状のモジュールを含む、細長いモジュール式ポール構造に関し、各モジュールは第1の端部と、対向する第2の端部とを有し、該第2の端部の断面積は該第1の端部の断面積よりも小さく、該第1のモジュールの該第2の端部は該第2のモジュールの該第1の端部に噛み合わせられ、該第1のモジュールは該第2のモジュールの外部寸法よりも大きな内部寸法を有し、その結果、モジュールの輸送を容易にするために、該第2のモジュールの少なくとも一部分が該第1のモジュールの中に入れ子にされ得る。該第2のモジュールの全体は、該第1のモジュールの中に入れ子になり得、該第1のモジュールは、該第2のモジュールよりも大きな圧縮強度を有し得る。
【0029】
本発明は、細長いモジュール式ポール構造の構築に使用される、少なくとも第1および第2の中空の先細り状のモジュールを含むキットに関し、各モジュールは第1の端部と、対向する第2の端部とを有し、該第2の端部の断面積は該第1の端部の断面積よりも小さく、該第1のモジュールの該第2の端部は該第2のモジュールの該第1の端部と噛み合うように構成され、該第1のモジュールは該第2のモジュールの外部寸法よりも大きな内部寸法を有し、その結果、該第2のモジュールの少なくとも一部分が該第1のモジュールの中に入れ子になる。
【0030】
本発明は、上記で定義されたキットに関し、上記第2のモジュールの全体は、上記第1のモジュールの中に入れ子になる。該第1のモジュールは、該第2のモジュールよりも大きな圧縮強度を有し得る。
【0031】
本発明は、上記で定義されたキットに関し、上記第1のモジュールの上記第2の端部は、上記第2のモジュールの上記第1の端部の中に噛み合うように受け入れられるように構成される。
【0032】
本発明は、上記で定義されたキットに関し、上記第1および第2のモジュールは、曲げ強度、圧縮強度、座屈への耐性、剪断強度、外殻耐久性、およびそれらの混合からなるグループから選択される異なる構造特性を有する。
【0033】
本発明は、上記で定義されたキットに関し、上記第1のモジュールは、上記第2のモジュールよりも大きな圧縮強度を有する。
【0034】
本発明は、上記で定義されたキットに関し、上記第1および第2のモジュールは、管状である。
【0035】
本発明は、上記で定義されたキットに関し、上記第1または第2のモジュールの上記第1または第2の端部と噛み合うように構成されたキャップを含むことによって、ゴミまたは水分が入ることを抑制する。
【0036】
本発明は、上記で定義されたキットに関し、上記第1および第2のモジュールは、複合材料を含む。該複合材料は、フィラメントワインディングされたポリウレタン複合材料を含み得る。
【0037】
本発明は、細長いモジュール式ポール構造の構築に使用される、少なくとも第1および第2の中空の先細り状のモジュールを含むキットに関し、各モジュールは、第1の端部と、対向する第2の端部とを有し、該第2の端部の断面積は該第1の端部の断面積よりも小さく、該第1のモジュールの該第2の端部は該第2のモジュールの該第1の端部に噛み合うように構成され、該第1および第2のモジュールは異なる構造特性を有する。該異なる構造特性は、曲げ強度、圧縮強度、座屈への耐性、剪断強度、外殻耐久性、およびそれらの混合からなるグループから選択され得る。
【0038】
本発明はさらに、細長いモジュール式ポール構造を組み立てるシステムに関し、該システムは、繊維補強された複合物から作られる中空の先細り状の管状のポールセクションモジュールを備え、該モジュールは、開いたボトム端部と比較的狭いトップ端部とを有し、上にあるモジュールのボトム端部を下にあるモジュールのトップ端部に噛み合わせることによって、選択された高さの垂直構造を形成するように積み重ねられ、モジュールの一部は曲げ強度、圧縮強度、または剪断強度のうちの少なくとも1つに関連する異なる特性を有し、その結果、異なる特性を有するモジュールを選択的に組み合わせることによって、曲げ強度、圧縮強度、および剪断強度の所望の特性を有するポールが構築され得る。
【0039】
各モジュールの一方の端部がモジュールの他方の端部よりも大きな断面積を有するように先細り状になった中空のモジュールを使用することによって、細長いモジュール式ポール構造が積み重ねモジュールによって組み立てられることが可能になり、それによって1つのモジュールのより大きな端部が第2のモジュールのより小さな端部に噛み合う。モジュールは、異なる構造特性を有するように特に設計され得、その結果、モジュールが選択的に組み合わせられ得ることによって、多数の異なる構造特性の組み合わせを有するポールを提供し、したがって、各条件のために別々のポールまたは構造を要求することなしに、異なる性能基準を満たさなければならないという問題に対し、モジュールによる解決を提供する。
【0040】
1つが他の中に入れ子になり得るように、成形され得るモジュールを提供することによって、細長いモジュール式ポール構造の組み立てに要求されるモジュールの容易な保管および輸送が可能になる。さらに、複合材料、特にフィラメントワインディングされたポリウレタン複合材料から作られるモジュールを使用することによって、細長いモジュール式ポール構造は、軽量で、強く、耐久性を有するようになり、複合材料の補強材および/または樹脂成分のタイプ、量、または構成を変化させることによって、モジュールの構造特性が容易に変化させられ得る。
【0041】
本発明のこの概要は、本発明のすべての特徴を必ずしも説明するものではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0042】
本発明のこれらのおよび他の特徴は、以下の説明からより明らかになり、説明において添付の図面への参照がなされる。図面は、説明の目的のみのためであり、決して本発明の範囲を特定の実施形態または示される実施形態に限定することを意図されていない。
【0043】
(詳細な説明)
以下は、好ましい実施形態の説明である。
【0044】
本発明は、2つまたは3つ以上の中空の先細り状のモジュールを備える、細長いモジュール式ポール構造またはモジュール式ポールアセンブリまたはシステムに関する。各モジュールは、第1の端部と、対向する第2の端部とを有し、第2の端部の断面積は、第1の端部の断面積よりも小さい。1つのモジュールの第2の端部は、第2のモジュールの第1の端部に噛み合わせられることによって、ポール構造を形成する。
【0045】
異なる構造特性を有するモジュールを選択的に組み合わせることによって、所望の構造特性を有するポールが構築され得るように、モジュールのうちの少なくとも2つは、異なる構造特性を有し得る。モジュールは、異なる曲げ強度、圧縮強度、座屈への耐性、剪断強度、外殻耐久性、または異なる構造特性の混合を有し得る。構造の高さもまた、単にスタックにモジュールを追加したりスタックからモジュールを取り除いたりすることによって変化させられ得る。このようにして、システムが提供されることによって、一連のモジュールは、モジュール式ポール構造を組み立てる可能性を有し、該モジュール式ポール構造は、任意の所望の高さについて、強度のみならず剛性または他の特性が異なり得る。
【0046】
モジュールは、2つ以上のモジュールが他のモジュールのトップに積み重ねられるように、所定の長さにわたって、1つのモジュールのトップまたは第2の端部が、別のモジュールのベースまたは第1の端部の中に滑り込むかまたはその中に噛み合うように受け入れられるように、構成され得ることによって、細長いモジュール式ポール構造またはモジュールポールアセンブリを提供する。代替的には、モジュールは、1つのモジュールのベースまたは第1の端部が、別のモジュールのトップまたは第2の端部の中に滑り込むかまたはその中に噛み合うように受け入れられるように、構成され得る。これらのジョイントエリアのオーバーラップは、1つのモジュールから次のモジュールへと適切な荷重伝達が生じるように、予め決定され得る。このオーバーラップは、構造全体を通して変化し得、曲げモーメントの増加するレベルに対して反応するときに、十分な荷重伝達を維持するために、モジュールが下に行くほど一般的に長くなる。
【0047】
ジョイントは、たとえばプレスばめ接続、ボルト、金属バンディングなどの追加のファスナを使用することなく、ジョイントが十分な荷重伝達に影響するように、設計される。しかし、モジュールのスタックが、より通常の圧縮荷重(下方への力)または曲げ荷重ではなく、張力(上方への力)にさらされる状況においては、ファスナが使用されることがときどきあり得る。
【0048】
モジュールが一緒に積み重ねられるときには、モジュールは、たとえば、側方の力、張力、および圧縮力(しかしそれらに限定されない)に対して、所定のレベルまで耐えることができる単一の構造として機能する。構造の高さまたは長さは、単にスタックにモジュールを追加したりスタックからモジュールを取り除いたりすることによって、変化させられ得る。構造の総合強度は、スタックのトップからより高いモジュールを単に取り除くことによって、長さを変えることなく変化させられ得、より大きくてより強いモジュールをスタックのベースに追加することによって、長さを置き換えて、変化させられ得る。このようにして、構造は、任意の所望の高さまたは長さについて、強度特性のみならず剛性特性を変化させるように、設計され得る。したがって、構造の所望の特性は、異なる特性を有するモジュールを選択的に組み合わせることによって構築され得る。たとえば、モジュールは異なる強度特性を有し得、たとえば、モジュールは、約300〜約11,500ポンドまたはその間の任意の量の水平荷重強度、あるいは約1,500〜約52,000Newtonまたはその間の任意の量の水平荷重強度を有し得る。モジュールは、表1に示されるような、ANSI O5.1−2002の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、H1、H2、H3、H4、H5、およびH6からなるグループから選択される強度クラスを有し得る。これらの強度特性を有するモジュールを使用することによって、結果として得られる細長いモジュール式のポール構造またはアセンブリは、約300〜約11,500ポンドまたはその間の任意の量の水平荷重強度、あるいは約1,500〜約52,000Newtonまたはその間の任意の量の水平荷重強度を有し得る。細長いモジュール式のポール構造またはアセンブリは、表1に示されるような、ANSI O5.1−2002の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、H1、H2、H3、H4、H5、およびH6からなるグループから選択される強度クラスを有し得る。
【0049】
本明細書中に記載されるような直立モジュール式ポールシステムについて、一時的および永久的の両方の多数の使用法が可能である。たとえば、構造は、電柱、セキュリティカメラ用の支持ポール、幹線道路の照明灯用の支持、スポーツ場、野球場、テニスコートのレクリエーション照明、および駐車場や街灯などの他の戸外照明のための支持構造として使用され得るが、これらに限定されない。
【0050】
モジュール式ポールアセンブリは、直立構造である必要はなく、たとえば、モジュールは、一緒に噛み合わせられ得ることによって、地面または水面の上または下のいずれかで液体または気体などを運ぶために使用される中空のパイプまたはシャフトを形成する。他の中に1つが入れ子になるように構成され得る、強くて軽量のモジュールを使用することは、パイプまたはシャフトを構築する現場へモジュールを容易に輸送したり現場でモジュールを容易に保管したりすることを可能にする。パイプまたはシャフトは、モジュールを一緒に噛み合わせることによって、現場で容易に構築され得る。このことは、油田システム、および水、気体、または下水の輸送システムなどの遠隔地において、特に有利である。
【0051】
一実施形態において、第1のまたはより大きなモジュールの内部寸法は、第2またはより小さなモジュールの外部寸法よりも大きく、その結果、第2のモジュールの少なくとも一部分が第1のモジュールの中に入れ子になり得る。好ましくは、第2のモジュール全体が第1のモジュールの中に入れ子になり(best)得る(たとえば図7)。このようにして、特定のモジュール式ポール構造を構成する2つ以上のモジュールは、他の中に1つが入れ子にさせられ得る。入れ子にさせられたモジュールは、小型と省スペースのために、処理、輸送、および保管の利点を提供する。
【0052】
各モジュールは、中空の均一に先細り状の管状のポールセクションであり得(たとえば図8の50)、開いたベース(または第1)の端部(たとえば図8の52)と、対向する先端(または第2)の端部(たとえば図8の54)とを有し、先端の端部の直径はベースの端部の直径よりも小さい。モジュールは、管状の形状に限定されず、他の形状が本発明の範囲内にあり、各モジュールの第2の端部の断面または断面積が、第1の端部の断面または断面積よりも小さいとすれば、たとえば楕円形、多角形、または非円形の断面を有する他の形状(しかしこれらに限定されない)、たとえば正方形、三角形、または長方形など(しかしこれらに限定されない)である。
【0053】
図1〜図5に図示されるように、モジュールは積み重ねられ得ることによって、選択された高さの垂直構造を形成する。図8を参照して、上にあるモジュール50Aのボトム端部52を、下にあるモジュール50Bのトップの端部54に噛み合わせることによって、このことは達成される。結果として得られる垂直構造は、地面などの表面に隣接するかまたは埋め込まれて位置するベースモジュールと、表面または地面から間隔を空けられて、オプションとして1つまたは2つ以上のモジュールが間にある、対向するチップモジュールとを有する。支持部材またはボトムプラグ(たとえば図8の62)は、ベースモジュールの第1の端部に位置し得ることによって、細長いモジュール式ポール構造の重量をその表面で支持して分散し、それによって基盤の安定性を向上させ、中空のポール状構造が圧縮加重の下で地面に押し下げられることを防止する。支持部材は、それを通る開口部を有し得、その結果、直立に伸びたモジュール式ポール構造の中の液体は、開口部を通して排水され得る。
【0054】
キャップは、モジュール式のポール、パイプ、またはシャフト構造の一方または両方の端部に嵌合するかまたは噛み合わせられるように提供され得、それによって、ゴミまたは水分が構造の中に入ることを抑制する。キャップは、たとえばプレスばめ接続によって、しかしそれに限定されず、モジュール式構造の端部に噛み合わせられるように構成され得る。代替的に、キャップをあるべき場所に位置づけるために、たとえばボルト、ねじ、バンディング、ばね、ストラップなどのファスナが提供され得る。
【0055】
モジュールが、1つが他の中に入れ子になるように構成されるとき(たとえば図7)、キャップは、最大のまたは第1のモジュールの第1の端部に噛み合わさるように構成され得る。最大のモジュールのベースまたは第1の端部にキャップを提供することは、モジュールの輸送および保管の間に、入れ子にされたモジュールの中にゴミまたは水分が入ることを抑制する。上述のようなボトムプラグまたは支持部材は、モジュールが一緒に入れ子にされて、次に組み立ての際に細長い垂直のモジュール式ポール構造のベースを支持するために利用されるときに、この目的のために使用され得る。
【0056】
一実施形態は、配線柱および送電柱として鋼および木材を伝統的に使用してきた電力公益事業業界において使用するための電柱を提供することである。このアプリケーションのために、ポールは、定義された高さのものでなければならず、指定された破壊強度と、通常は指定された荷重条件下での定義されたたわみとを有さなければならない。ポールは、地域にわたって電力線を運び、任意の地形と、風および氷の荷重などの影響に起因する構造的な力とを受け入れるように指定され得る。
【0057】
電力公益事業業界は、一般的に25フィート〜150フィートの長さのポールを使用する。これらのポールは、長さおよび強度要件が異なる。表1は、業界において使用されるANSI O5.1−2002規格の強度クラスの範囲内に入るためにポールが達成しなければならない強度または水平荷重を示す。ポールは、異なる構造的アプリケーションにおいて使用するために選択され得、そのアプリケーションの強度要件に依存する。
【0058】
【表1】

異なるポールサイズおよび異なるポール強度クラスの範囲が必要とされる場合には、必要なインベントリー(inventory)の量は、これらの2つのパラメータの倍数(multiple)である。絶対的な柔軟性が要求される状況においては、ポールの膨大なストックが必要とされる。このことは、公益事業会社が、嵐または他のそのようなできごとの後に電力線を修復するために緊急代替ポールを保守する場合に、一般的である。公益事業会社は、どの構造が損害を受けるかを予測し得ないので、すべての高さおよび分類のスペアポールを保たなければならない。
【0059】
本発明の一実施形態において、複数のモジュールを有する一連のモジュールのキットが提供される。モジュールは、異なるサイズのものであり得、最大または第1のモジュールは、次に最も大きなまたは第2のモジュールの外部寸法よりも大きな内部寸法を有し、その結果、第2のモジュールの少なくとも一部分が、第1のモジュールの中に入れ子になる。好ましくは、第2のモジュールの全体が、第1のモジュールの中に入れ子になる(たとえば図7)。サイズが徐々に小さくなる追加のモジュールが提供され得ることによって、輸送および保管を容易にするためにモジュールを一緒に入れ子にすることを可能にする。代替的に、または追加的に、シリーズまたはキットにおけるモジュールの一部またはすべては、異なる構造特性、たとえば、異なる曲げ強度、圧縮強度、座屈への耐性、剪断強度、外殻耐久性、または異なる構造特性の混合を有し得るが、これらに限定されない。たとえば、より大きな(第1の)モジュールは、より小さな(第2の)モジュールよりも大きな圧縮強度を有し得、その結果、より小さな強度を有するモジュールが、より大きな強度のモジュールの中に入れ子になり、それによって、輸送および保管の間にモジュールを保護する。
【0060】
キットは、モジュールポールアセンブリまたは構造を構築するために使用され得、それによって、モジュールは、第1または最大のモジュールの先端(第2の端部)が、第2のまたはより小さなモジュールのベース(第1の端部)の中に嵌合するかまたは噛み合うように受け入れられるように、構成され得る。代替的には、第2のまたはより小さなモジュールのベース(第1の端部)は、第2のまたは最大のモジュールの先端(第2の端部)の中に嵌合するかまたは噛み合うように受け入れられるように構成され得る。
【0061】
本発明の一実施形態において、モジュールは複合材料から作られる。
【0062】
「複合材料」という用語によって、たとえばポリエステル、エポキシ、ポリウレタン、またはビニルエステル系樹脂、またはそれらの混合(しかしそれらに限定されない)などの、ポリマーマトリックスまたは樹脂に埋め込まれる補強材からなる材料を意味する。マトリックスまたは樹脂は、補強材を保持することによって所望の形状を形成するが、補強材は、一般的にマトリックスの全体的な機械的特性を改善する。
【0063】
「補強材」という用語によって、たとえば、繊維、粒子、フレーク、充填材、またはそれらの混合(しかしそれらに限定されない)などの複合材料のポリマーマトリックスをさらに強化するように作用する材料を意味する。補強材は、一般的に、ガラス、カーボン、またはアラミドを含むが、当業者にとって公知であるとして使用され得る種々の他の補強材料がある。これらは、合成または天然の繊維または繊維材料を含むが、それらに限定されず、たとえば、ポリエステル、ポリエチレン、石英、ホウ素、バソールト、セラミックス、および繊維質の植物材料(たとえばジュートおよびサイザル)などの天然の補強材であるが、それらに限定されない。
【0064】
本発明の複合モジュールは、モジュール式ポールアセンブリにおいて積み重なるように構成されており、軽量構造を有利に提供する。この軽量構造は、木材または鋼のポールに関連した強度および耐久性と比較すると、より優れた強度および耐久性を示す。補強された複合モジュールは、鋼のように錆びることがなく、木材構造において一般的な微生物または昆虫による攻撃を被らない。さらに、補強された複合構造は、天然の製品(木材など)とは対照的に、一貫性および耐用年数が厳密に決定され予測されるように設計される。
【0065】
複合モジュールは、フィラメントワインディングを使用して作られ得る。しかし、複合モジュールを生産するために、レジンインジェクション成形、レジントランスファー成形、およびハンドレイアップ形成アプリケーションなどの(しかしそれらに限定されない)他の方法が利用され得る。
【0066】
代表的なフィラメントワインディングセットアップは、カナダ特許第2,444,324号およびカナダ特許第2,274,328号に記載されている(これらは参照により本明細書中に援用されている)。ガラス、カーボン、またはアラミドなどの(しかしそれらに限定されない)繊維補強材は、樹脂に含浸させられて、長い先細り状の心棒(mandrel)の上に巻き付けられる。
【0067】
樹脂に含浸させられた繊維材料は、一般的に、所定の順序で心棒の上に巻き付けられる。この順序は、心棒の軸に対して0度〜87度の範囲の一連の角度で繊維の層を巻き付けることを伴う。繊維補強材が心棒の上に置かれる方向は、完成した複合モジュールの最終的な強度および剛性に影響し得る。製造されたモジュールの構造特性に影響し得る他の要因は、樹脂に対する繊維補強材の比率の大きさ、ラッピングの順序、壁の厚さおよび繊維補強材のタイプ(ガラス、カーボン、アラミドなど)、および樹脂のタイプ(ポリエステル、エポキシ、ビニルエステルなど)を変化させることを含む。モジュールの構造特性は、特定の性能基準を満たすように設計され得る。このようにして、積層構築は、きわめて強いモジュールを作るように構成され得る。所望の荷重たわみ特性が得られ得るように、モジュールの柔軟性も変化させられ得る。積層構築を調整することによって、圧縮座屈に対する耐性または点荷重に対する耐性などの特性が達成され得る。前者は、モジュールが高い圧縮荷重を経験するときの値である。後者は、高い程度の横積層強度を要求する点荷重およびストレス集中を及ぼすセクションに、重い機器がボルトで留められる荷重の場合に、モジュールが設計されるときに不可欠である。
【0068】
本発明の一実施形態において、モジュールは、フィラメントを巻き付けたポリウレタン複合材料を含む。「フィラメントを巻き付けたポリウレタン複合材料」という用語によって、ポリウレタン樹脂または反応混合物に埋め込まれた繊維補強材を使用してフィラメント巻き付けによって作られた複合材料を意味する。ポリウレタン樹脂は、ポリオール成分およびポリイソシアネート成分を混合することによって作られる。他の混合剤としては、充填材、顔料、可塑剤、硬化触媒、紫外線安定剤、抗酸化剤、殺微生物剤、殺藻剤、脱水剤、チキソトロープ剤、湿潤剤、流れ調整剤、艶消剤、脱気剤、増量剤、湿度制御および所望の色のためのモレキュラーシーブ(molecular sieve)、紫外線吸収剤、光安定剤、難燃剤、および離型剤なども含まれる。
【0069】
「ポリオール」という用語によって、処理の条件下においてポリイソシアネート成分に対して反応する複数の活性水素基を含む組成物を意味する。米国特許第6,420,493号(参照によって本明細書中に援用されている)に記載されているポリオールは、本明細書中に記載されているポリウレタン樹脂組成物において使用され得る。
【0070】
「ポリイソシアネート」という用語によって、処理の条件下においてポリオール成分に対して反応する複数のイソシアネートまたはNCO基を含む組成物を意味する。米国特許第6,420,493号(参照によって本明細書中に援用されている)に記載されているポリイソシアネートは、本明細書中に記載されているポリウレタン樹脂組成物において使用され得る。
【0071】
より詳細に上記に説明されたように、複合モジュールは補強材および液体樹脂から構築される。特定の方法で補強材を配置することによって、強度および剛性性能は、要求される値を出すように調整され得る。モジュールが構築される構成材料および構築を変化させることによって、構造の耐久性における大きな増加が得られ得る。このことの代表的な例は、曲げ剛性を最大限にして、たわみを制限するために、高いレベルの単方向のフープ(hoop)補強材を用いたスタックでトップモジュールを作ることである。下方のモジュールは、大きな曲げモーメントおよび圧縮座屈の影響に対抗するために、より軸外の(off axis)フープ補強材およびより大きな壁の厚さを利用し得る。この例において、基礎のモジュール(foundation module)は、構築および壁の厚さのみならず、耐久性を最大限にするために使用される材料も変化する。ベースモジュール(base module)は、スタックに基礎を提供するために地面または岩に据え付けられ得、ベースモジュール自身は、早期劣化をもたらし得る一連の汚染物質および地下水条件にさらされる。この例において、ベース(基礎)モジュールのための補強材および樹脂系のタイプは、これらの条件下で寿命および耐久性を最大限にするように指定され得る。このアプローチは、非常に大きな柔軟性を与え、ポール状の構造が多数の環境に合うように指定されることを可能にする。
【0072】
基本的な原理として、補強材および液体樹脂に用いられる材料の耐久性が高いほど、コストが高くなる。全部のスタックのためではなく、必要とされる場合(ベースモジュールなど)のみに高い耐久性および高いコストの材料を使用することによって、耐久性は、大きく向上するのみならず、コスト効率の良い態様で達成される。
【0073】
耐久性および耐用年数を向上させるさらなる実施形態は、脂肪族ポリウレタン複合材料のトップコート(top coat)をモジュールに加えることである。このことは、風化作用、紫外線、すりへりに対してきわめて耐性のある丈夫な外部表面を提供し、美観および識別のために色づけされることを可能にする。
【0074】
図1は、ポールを形成するために一緒に積み重ねられた一連のモジュールを示す。モジュール1〜5は、15フィートにプラスして重複する長さのゆとりがある。したがって、モジュール1およびモジュール2を結合すると、30フィートのポールになる。モジュール1、モジュール2およびモジュール3を結合すると、45フィートのポールになる。連続する各モジュールが追加されるごとに、ポールは15フィートの間隔で高さが増加し得る。
【0075】
スタックがモジュール1で始まらない場合には、結果として得られる長さは、重複の追加の長さを含む。たとえば、モジュール2、3および4は、45フィートに、モジュール2の先端における追加の重複した長さをプラスした長さであり得るポール状構造になり得る。望まれる場合には、追加の長さは単に切り落とされ得るので、ポールは高さまたは許容の要件を満たす。
【0076】
より詳細に上記に説明されたように、電柱は、高さのみならず、荷重条件下における性能によっても分類される。荷重条件は多数あるが、一般的に、曲げ荷重(電力線が単に直線にかけられる場合)または曲げおよび圧縮荷重に帰結し、それは電力線が方向を変えたり終結したりする地点においてダウンガイ(down guy)がポールに取り付けられるときに、一般的である。荷重条件を満たすために、ポールは、曲げ荷重の下で最小限の強度を達成しなければならず、多くの場合、指定された作用荷重の下で指定されたたわみを超えてはならない。このことは、伝導体の過剰な運動を防止し、圧縮荷重の下で垂直座屈に対する耐性を最大限にするためである。
【0077】
各モジュールは、個々のモジュールとしておよび積み重ねられたモジュールの集合の一部としての両方で、所定の強度および剛性の基準を満足するように設計され得る。細長いモジュール式ポール構造が電柱である実施形態において、強度および剛性の基準は、表1に示されるような木製ポールの強度分類に従うように設計され得る。このようにして、モジュールは一緒に積み重ねられることによって正確な長さのポールを形成し、このスタックは、強度または剛性または両方の要件が満たされるまで、モジュールのシーケンスの上下に移動させられる。このようにして、一連のモジュールは、異なる強度性能を有する多くの異なる長さのポールを構成する可能性を有する。
【0078】
図1は、どのようにして7つのモジュールから一連の30フィートのポール状構造が組み立てられ得るかを示す。7つのモジュールは、図6に個々に示される。この実施形態において、モジュールは、グループに積み重ねられたときに、表1に詳述されるような木製ポールのための強度要件に対応するように設計されている。7つのモジュールがあり、そのうちの5つは、上に向かう(ascending)モジュールに接続する重複するスリップジョイントを可能にするための量が15フィートにプラスされている。木製ポールの強度は、表1に示されるようにクラス別に詳述されている。ポールがこれに従うためには、ポールは長さの要件を満たさなければならず、指定された荷重に等しい荷重に耐えることもできなければならない。指定された荷重は、一般的に先端から2フィート(0.6メートル)に加えられる。ポールは、基礎距離(foundation distance)にわたって制限され、基礎距離は一般的にポールの長さの10%に2フィートをプラスしたものである。積み重ねモジュール1および2は、表1に詳述されるようなクラス3または4に従う30フィートのポール状構造になることが、図1から理解され得る。
【0079】
クラスの等級を満たすために、ポールは、基礎距離と作用点との間の長さにわたって作用するクラス荷重が十分に作用する間に破損に耐えなければならない。図1に示される例において、モジュール1および2が、指定される態様で3,000ポンドの荷重に耐える場合には、30フィートのクラス3の木製ポールと同等として分類され得る。モジュール1および2は、積み重ねられたときに、30フィートのクラス3またはクラス4の木製ポールに従う性能を有することが、図1から理解され得る。二重分類の理由は、荷重下でのたわみに起因する。多くの場合、電力会社は、指定された高さおよび強度のポールを要求するが、荷重下での最大の許容可能なたわみをも指定することがある。この最大のたわみは、しばしば木材のたわみに関連する。このことは、電力線が方向を変えたり終結したりする特定の場合において関連する。この場合には、たわみは重要であり得る。
【0080】
図1の例において、モジュール1および2は、3,000ポンドのクラス荷重(クラス3の荷重)に耐えるポール状構造を形成するように積み重ねられ得る。しかし、クラス3の荷重下において、たわみは、木材によって通常示されるたわみよりも大きい。したがって、たわみが重要である場合には、モジュールの組み合わせは、強度およびたわみについて、クラス4の荷重(2,400ポンド)に適合する。この実際的な値は、モジュール1および2がタンジェントポール(tangent pole)(電力線が一般的に比較的平坦な土地にわたって直線に走る場合)としてクラス3の荷重条件において使用され得るものである。たわみがより関連性があるときに終結または方向が変化する場合において、モジュール1および2は、クラス4の構造を満たすように使用され得る。
【0081】
図1における例がモジュール2および3に拡張される場合には、これらが積み重ねられ得ることによって、同じ理由で、クラス1または2のクラス荷重が可能な30フィートのポール状構造をもたらす。図1〜5に含まれるすべての他の例は、同じ方法を使用する。
【0082】
図7を参照して、上に向かうモジュールが、下に向かう(descending)モジュールの中にフィットするように、モジュールの先細りが設計されている。言い換えると、より大きなモジュールの内部寸法は、より大きなモジュールの中に入れ子になることができるより小さなモジュールの外部寸法よりも大きい。このことは、小型と省スペースのために、モジュールの取り扱いおよび輸送の際にたいへんな利点を提供する。モジュールが複合材料からなる実施形態において、木材、鋼、またはコンクリートと比較したときに、重量も非常に低減される。モジュールは小さなスタックの中に一緒に入れ子にされ得る。たとえば、モジュール1、2および3は、一緒に入れ子にされ得、組み立てられると図2に示される強度特性を有する45フィートのポール状構造を形成する。同様に、モジュール2、3および4は、輸送のために一緒に入れ子にされ得る。これが組み立てられると、図2に示される、より高い強度特性を有する45フィートのポール状構造を形成する。明らかに、90フィートのクラス2のポールを形成するために一緒に積み重ねられることが必要とされるモジュールは、さらに分割され得ることによって他の構築を形成する。90フィートのクラス2の例において、5つのモジュールが必要とされる(モジュール2、3、4、5、および6)。モジュールのこのセットから、さらなる構造が組み立てられ得る。たとえば、モジュール2、3、および4は、積み重ねられ得ることによって45フィートのクラス1または2のポールを形成する。モジュール3、4、および5は、積み重ねられ得ることによって、45フィートのクラスH1またはH2のポールを形成する(図2を参照)。モジュール5および6は、積み重ねられ得ることによって、45フィートのクラスH3またはH4のポールを形成する。同様に、モジュール2、3、4、および5は、組み立てられ得ることによって、クラス1または2に対応する強度能力を有する60フィートのポール状構造を形成する。モジュール4、5および6もまた、組み立てられ得ることによって、H1またはH2クラスに対応する強度能力を有する60フィートのポール状構造になる。これらは図3に示される。同様に、モジュール3、4、5、および6は、積み重ねられ得ることによって、クラス1またはH1に対応する強度能力を有する75フィートのポール状構造を形成する。
【0083】
本質的に、7つのモジュールのスタックは、多くの方法で組み立てられる性能を有する。わずか7つのモジュールのこの実施形態において、30〜90フィートの高さで、種々の強度特性および剛性特性を示す、19のバリエーションのポール状構造が組み立てられ得る。この実施形態は、15フィート〜30フィートのモジュールから構築される説明目的のために30フィート〜90フィートの構造を使用したことが強調されなければならない。システムは、最小30フィート、または実際に最大90フィート、または7つのモジュールに限定されない。モジュールのサイズもまた、説明目的のために示されたものに限定されない。完全なシステムは、部分または全体のいずれかにおいて、柔軟性および組み立ての容易性を可能にする。
【0084】
完全なシステムは、部分または全体のいずれかにおいて、輸送の容易性のためにそれ自身の内部に入れ子になる。図7は、輸送の準備ができた、入れ子にされたモジュール式システムを示す。
【0085】
図8を参照すると、トップキャップ60は、一番上または先端のモジュールのトップ端部54を覆うように配置され、それによってゴミまたは水分が上から入ることを防止する。ボトムプラグまたは支持部材62は、一番下またはベースのモジュールのボトム端部52の中に配置され得、それによってゴミまたは水分が下から入ることを防止する。ボトムプラグまたは支持部材を追加することから得られる1つの大きな利点は、基礎の安定性を向上させ、中空のポール状構造が圧縮荷重の下で地面に押し下げられることを防止することである。プラグまたは支持部材62は、開口部または穴64を有し得、それを通してモジュール式ポール構造の内部から水分を排出することを可能にする。
【0086】
この特許文書において「含む(comprising)」という言葉は、限定しない意味において使用され、その言葉に続く項目が含まれるが、特に述べられていない項目が除外されないということを意味する。不定冠詞「a」による要素の参照は、唯一つの要素があることを文脈が明らかに要求しない限りは、その要素が2つ以上存在する可能性を除外しない。
【0087】
本発明は、1つ以上の実施形態によって説明された。しかし、特許請求の範囲において定義される本発明の精神および範囲から逸脱することなく、説明された実施形態に変更がなされ得ることが当業者にとって明らかである。
【0088】
すべての引用は、参照によって本明細書に援用されている。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】図1は、本発明のモジュールポールアセンブリの実施形態の例の断面についての側面図であり、異なる強度および剛性の30フィートの範囲のポールを構築するように一連のモジュールが使用される。
【図2】図2は、本発明のモジュールポールアセンブリの実施形態の例の断面についての側面図であり、異なる強度および剛性の45フィートの範囲のポールを構築するように一連のモジュールが使用される。
【図3】図3は、本発明のモジュールポールアセンブリの実施形態の例の断面についての側面図であり、異なる強度および剛性の60フィートの範囲のポールを構築するように一連のモジュールが使用される。
【図4】図4は、本発明のモジュールポールアセンブリの実施形態の例の断面についての側面図であり、異なる強度および剛性の75フィートの範囲のポールを構築するように一連のモジュールが使用される。
【図5】図5は、本発明のモジュールポールアセンブリの実施形態の例の断面についての側面図であり、異なる強度および剛性の90フィートの範囲のポールを構築するように一連のモジュールが使用される。
【図6】図6は、本発明のモジュールポールアセンブリを構成するモジュールの実施形態の例の断面についての側面図であり、7つの異なるサイズのモジュールを示す。
【図7】図7は、本発明のモジュールポールアセンブリを構成するモジュールの実施形態の例の断面についての側面図であり、モジュールは輸送のために一緒に入れ子にされている。
【図8】図8は、本発明のモジュールポールアセンブリの実施形態の例の断面についての分解図であり、噛み合うトップキャップおよび噛み合うボトムプラグとともに、いくつかのモジュールが互いに積み重ねられている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
モジュール式ポールを構築するための方法であって、
2つまたは3つ以上の中空の先細りのポールセクションモジュールを提供するステップであって、各モジュールは第1の開いた端部と、対向する第2の開いた端部とを有し、該第2の端部の断面積は該第1の断面積よりも小さい、ステップと、
第1のモジュールの該第2の端部を第2のモジュールの該第1の端部に噛み合わせることによって、選択された長さの細長いモジュール式ポール構造を形成するように、該2つまたは3つ以上のモジュールを積み重ねるステップと
を包含し、
異なる構造特性を有するモジュールを選択的に組み合わせることによって、所望の構造特性を有するポールが構築され得るように、第1および第2のモジュールは異なる構造特性を有する、方法。
【請求項2】
前記異なる構造特性は、曲げ強度、圧縮強度、座屈への耐性、剪断強度、外殻耐久性、およびそれらの混合からなるグループから選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記提供するステップにおいて、前記第2のモジュールの少なくとも一部分が前記第1のモジュールの中に入れ子になるように、該第1のモジュールは、該第2のモジュールの外部寸法よりも大きな内部寸法を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1のモジュールは、前記第2のモジュールよりも大きな圧縮強度を有する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記提供するステップにおいて、前記2つまたは3つ以上の先細り状のポールセクションモジュールは、断面が管状である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記積み重ねるステップの後に、前記細長いモジュール式ポール構造の一方または両方の端部にキャップを配置するさらなるステップがある、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記細長いモジュール式ポール構造は、ベースモジュールと、先端モジュールと、それらの間にオプションとして1つまたは2つ以上のモジュールとを有する直立構造であり、該ベースモジュールの前記第1の端部は表面に隣接し、前記方法は、該細長いモジュール式ポール構造の重量を該表面で支持して分散するために、該ベースモジュールの該第1の端部に支持部材を配置することをさらに包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記支持部材は、それを通る開口部を有する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記2つまたは3つ以上の中空の先細りのポールセクションモジュールは、複合材料を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記2つまたは3つ以上の中空の先細りのポールセクションモジュールは、フィラメントワインディングされたポリウレタン複合材料を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
請求項1に記載される方法に従って構築されるモジュール式ポールアセンブリ。
【請求項12】
噛み合わされた中空の先細り状のモジュールのアセンブリを含む細長いモジュール式ポール構造であって、各モジュールは第1の端部と、対向する第2の端部とを有し、該第2の端部の断面積は該第1の端部の断面積よりも小さく、それによって第1のモジュールの該第2の端部は第2のモジュールの該第1の端部と噛み合わされ、該第1および第2のモジュールは異なる構造特性を有する、モジュール式ポール構造。
【請求項13】
前記異なる構造特性は、曲げ強度、圧縮強度、座屈への耐性、剪断強度、外殻耐久性、およびそれらの混合からなるグループから選択される、請求項12に記載の組み立てられたモジュールの構造。
【請求項14】
前記伸びたモジュール式ポール構造の一方または両方の端部に配置されるキャップを含む、請求項12に記載の組み立てられたモジュールの構造。
【請求項15】
前記伸びたモジュール式ポール構造は、直立構造であり、ベースモジュールと、先端モジュールと、それらの間にオプションとして1つまたは2つ以上のモジュールとを有し、それによって該ベースモジュールの前記第1の端部は表面に隣接し、該細長いモジュール式ポール構造の重量を該表面で支持して分散するために、該ベースモジュールの該第1の端部に支持部材が配置される、請求項12に記載の組み立てられたモジュールの構造。
【請求項16】
前記支持部材は、それを通る開口部を有する、請求項15に記載の組み立てられたモジュールの構造。
【請求項17】
前記第1および第2のモジュールは、複合材料を含む、請求項12に記載の組み立てられたモジュールの構造。
【請求項18】
前記複合材料は、フィラメントワインディングされた複合材料を含む、請求項17に記載の組み立てられたモジュールの構造。
【請求項19】
前記第1および第2のモジュールは、管状である、請求項12に記載の組み立てられたモジュールの構造。
【請求項20】
細長いモジュール式ポール構造の構築に使用される、少なくとも第1および第2の中空の先細り状のモジュールを備えたキットであって、各モジュールは第1の端部と、対向する第2の端部とを有し、該第2の端部の断面積は該第1の端部の断面積よりも小さく、該第1のモジュールの該第2の端部は該第2のモジュールの該第1の端部に噛み合うように構成され、該第2のモジュールの少なくとも一部分が該第1のモジュールの中に入れ子になるように、該第1のモジュールは該第2のモジュールの外部寸法よりも大きな内部寸法を有する、キット。
【請求項21】
前記第1および第2のモジュールは、曲げ強度、圧縮強度、座屈への耐性、剪断強度、外殻耐久性、およびそれらの混合からなるグループから選択される異なる構造特性を有する、請求項20に記載のキット。
【請求項22】
前記第1のモジュールは、前記第2のモジュールよりも大きな圧縮強度を有する、請求項20に記載のキット。
【請求項23】
前記第1および第2のモジュールは、管状である、請求項20に記載のキット。
【請求項24】
前記第1または第2のモジュールの前記第1または第2の端部に噛み合うように構成されたキャップを含む、請求項20に記載のキット。
【請求項25】
前記第1のモジュールの前記第1の端部に噛み合うように構成された支持部材を含む、請求項20に記載のキット。
【請求項26】
前記支持部材は、それを通る開口部を有する、請求項25に記載のキット。
【請求項27】
前記第1および第2のモジュールは、複合材料を含む、請求項20に記載のキット。
【請求項28】
前記複合材料は、フィラメントワインディングされたポリウレタン複合材料を含む、請求項27に記載のキット。
【請求項29】
細長いモジュール式ポール構造を構築するために使用される、中空の先細り状のモジュールであって、該モジュールは、複合材料を含み、第1の端部と、対向する第2の端部とを有し、該第2の端部の断面積は該第1の端部の断面積よりも小さい、中空の先細り状のモジュール。
【請求項30】
前記複合材料は、フィラメントワインディングされたポリウレタン複合材料である、請求項29に記載のモジュール。
【請求項31】
細長いモジュール式ポール構造を組み立てるシステムであって、該システムは、繊維補強された複合物から作られる中空の先細り状の管状のポールセクションモジュールを備え、該モジュールは、開いたボトム端部と比較的狭いトップ端部とを有し、上にあるモジュールの該ボトム端部を下にあるモジュールの該トップ端部に噛み合わせることによって、選択された高さの垂直構造を形成するように積み重ねられ、異なる特性を有するモジュールを選択的に組み合わせることによって、曲げ強度、圧縮強度、および剪断強度の所望の特性を有するポールを構築することができるように、モジュールの一部は、曲げ強度、圧縮強度、または剪断強度のうちの少なくとも1つに関連する異なる特性を有する、システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2008−530395(P2008−530395A)
【公表日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−553427(P2007−553427)
【出願日】平成18年2月7日(2006.2.7)
【国際出願番号】PCT/CA2006/000155
【国際公開番号】WO2006/081679
【国際公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【出願人】(507263863)レジン システムズ インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】