モータ駆動装置
【課題】装置の十分な小型化を図り得るモータ駆動装置を提供する。
【解決手段】モータ10の軸方向一端側にECU20が付設されたモータ駆動装置において、3組の第1〜第3パワーモジュール51〜53の放熱面61a〜63aを、ECUハウジング21内に制御基板24と直交するように設けたヒートシンク31〜33の受熱面41a〜43aに当接させる配置とすることで、前記各パワーモジュール51〜53の金属基板40上における占有面積が低減され、ECU20の小型化に供された。
【解決手段】モータ10の軸方向一端側にECU20が付設されたモータ駆動装置において、3組の第1〜第3パワーモジュール51〜53の放熱面61a〜63aを、ECUハウジング21内に制御基板24と直交するように設けたヒートシンク31〜33の受熱面41a〜43aに当接させる配置とすることで、前記各パワーモジュール51〜53の金属基板40上における占有面積が低減され、ECU20の小型化に供された。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば自動車のパワーステアリング装置に適用され、モータに連結される減速機やポンプ等を介して操舵アシストトルクの発生に供するモータ駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車のパワーステアリング装置に適用される従来のモータ駆動装置としては、例えば以下の特許文献1に記載されたものが知られている。
【0003】
このモータ駆動装置では、モータの先端側にECUを同軸上に直列配置することで、当該装置の小型化を可能にしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−269693号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記従来のモータ駆動装置では、半導体スイッチング素子について、その最も大きな表面積をもって構成される放熱面を、制御基板に対向配置されるカバー体の基板対向面にヒートスプレッダを介して当接させるように配置した構成となっている。
【0006】
ここで、当該装置では、複数の半導体スイッチング素子が必要になるため、これら各半導体スイッチング素子によって特にカバー体のスペース(外径)が嵩んでしまい、当該装置の十分な小型化が図れないという問題があった。
【0007】
本発明は、かかる技術的課題に鑑みて案出されたものであり、装置の十分な小型化を図り得るモータ駆動装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願発明は、モータの軸方向一端側に、該モータの駆動制御に供するECUが付設されたモータ駆動装置であって、とりわけ、ECUハウジングの内側部に設けられ、制御基板に対してほぼ直交するように構成された受熱面を有するヒートシンクと、該ヒートシンクにおいてECUハウジングの一端側へと開口するようにして前記ヒートシンクに付設され、前記開口部を介して挿入される半導体モジュールを収容するモジュール収容部と、半導体モジュールの放熱面を前記受熱面に圧接させつつ当該半導体モジュールを前記モジュール収容部内に保持するモジュール保持手段と、を備えたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
本願発明によれば、制御基板と直交するようにして設けられたヒートシンクの受熱面に半導体モジュールの放熱面を当接させる配置としたことから、当該半導体モジュールの実装面積を低減することが可能となって、ECUの小型化に供される。
【0010】
しかも、その際、半導体モジュールは、その放熱面がモジュール保持手段によりヒートシンクの受熱面に圧接状態に保持されることになるので、当該半導体モジュールの放熱を効果的に行うこともできる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に係るモータ駆動装置の外観を現した斜視図である。
【図2】図1に示すモータ駆動装置についてECUカバーを外した状態を現す図である。
【図3】本発明の第1実施形態を示し、図2に示すモータ駆動装置について制御基板を外した状態を現す図である。
【図4】図3に示すパワー基板単体の斜視図である。
【図5】本発明の特徴説明に供する図3の要部拡大図である。
【図6】図5のA−A線断面図である。
【図7】同実施形態に係るモータ駆動装置の組立手順を示した図であって、(a)はECUハウジングの基板収容部内にパワー基板を取り付けた図、(b)は(a)にコネクタを接続した図、(c)は(b)にモジュール保持部材を装入してパワーモジュールを固定した図、(d)は(c)に制御基板を組み付けた図である。
【図8】本発明の第2実施形態を示した図5に相当する図である。
【図9】図8のB−B線断面図である。
【図10】本発明の第3実施形態を示した図5に相当する図である。
【図11】図10のC−C線断面図である。
【図12】本発明の第4実施形態を示した図5に相当する図である。
【図13】図12のD−D線断面図である。
【図14】本発明の第5実施形態を示した図5に相当する図である。
【図15】同実施形態の変形例を示した図5に相当する図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係るモータ駆動装置の各実施形態を図面に基づいて詳述する。
【0013】
すなわち、図1〜図7は本発明の第1実施形態を示しており、このモータ駆動装置は、図1〜図3に示すように、いわゆる3相交流式のモータ10と、該モータ10の出力軸11が突出する軸方向一端側に付設され、当該モータ10の駆動制御に供するECU20と、から主として構成され、前記出力軸11の先端側外周を包囲するように、ECU20がモータ10の同軸上に配置されている。
【0014】
前記ECU20は、一端側が開口形成される一方、他端側がほぼ閉塞されてモータ10の一端部に取付固定されるECUハウジング21と、該ECUハウジング21の一端開口を閉塞するECUカバー22と、前記ECUハウジング21内に収容され、モータ10への電力供給に供する電力供給回路を構成するパワー基板23と、前記ECUハウジング21内において前記パワー基板23と電気的に接続され、後述するパワーモジュール51〜53により前記パワー基板23を制御することによってモータ10の駆動制御に供する制御基板24と、前記ECUハウジング21に取付固定され、前記パワー基板23及び制御基板24に接続されることによって図外のバッテリからの電力供給や情報入力(パワーステアリング装置でいえば、操舵トルク信号や車速信号)等に供するコネクタ25と、から主として構成されている。
【0015】
前記ECUハウジング21は、アルミニウム合金など良好な放熱性を有する金属材料によってほぼ有底円筒状に構成されたもので、その内周側には、中実の金属材料を軸方向に沿って後述するパワー基板23の外形状に刳り貫くことで、当該パワー基板23を収容するための基板収容部30が形成されている。なお、このECUハウジング21の軸方向幅Hは、前記パワー基板23に実装される電子部品で最も高さのある部品(後述する電解コンデンサ54〜56等)に合わせて決定され、前記基板収容部30には、図3に示すように、前記パワー基板23と一緒に、当該パワー基板23に実装される一部の電子部品(後述する電解コンデンサ54〜56及びコイル58等)がまとめて収容されるようになっている。
【0016】
また、前記基板収容部30を刳り貫き形成したことによって、ECUハウジング21の内周側には、残存する残余の部位によって構成された複数(本実施形態では3つ)の第1〜第3ヒートシンク31〜33が形成されている。これら各ヒートシンク31〜33は、後述するパワーモジュール51〜53や電解コンデンサ54〜56に対応するように、当該パワーモジュール51〜53や電解コンデンサ54〜56に近接して設けられ、当該各パワーモジュール51〜53や電解コンデンサ54〜56の冷却に供されることとなる。
【0017】
すなわち、前記各ヒートシンク31〜33は、前記基板収容部30に面する側壁部のうち最大幅部L1〜L3が軸方向に沿って切り欠かれることによって後述する第1〜第3パワーモジュール51〜53をそれぞれ収容する第1〜第3モジュール収容部41〜43が穿設されると共に、当該各モジュール収容部41〜43を除いた側壁(周壁)31a〜33aをもって後述する電解コンデンサ54〜56を近接距離でほぼ囲うように構成されている。
【0018】
また、前記各ヒートシンク31〜33の一端面(図3中における上端面)には、制御基板24の取付固定に供するボス部34〜36がそれぞれ突設され、これら各ボス部34〜36の内周には、制御基板24の固定に供するビス38(図2参照)が螺着される雌ねじ穴34a〜36aがそれぞれ形成されている。すなわち、前記各ヒートシンク31〜33の一端面に設けられた各ボス部34〜36と、ECUハウジング21内において前記各ボス部34〜36とほぼ等間隔となる位置に立設された第4のボス部37と、をもって、制御基板24がねじ止めされるようになっている。
【0019】
さらに、前記ECUハウジング21には、モータ10の外径より径方向外側へと突出する径方向突部21aが設けられ、当該径方向突部21aは、その軸方向両側が開口するように構成されている。すなわち、この径方向突部21aは、その一方側が基板収容部30と連通可能に構成される一方、その他方側がモータ10側に開口するコネクタ取付部39として構成され、該コネクタ取付部39に前記コネクタ25が取付固定される。
【0020】
前記パワー基板23は、図4に示すように、そのほぼ中央部にモータ軸挿通孔50aが貫通形成されたベースとなる金属基板50上に絶縁層を介して配線パターン50bが形成されて、その上に、3相(U相、V相、W相)の各相にそれぞれ設けられた、MOSFETなど図外の半導体スイッチング素子ないし抵抗体等からなる第1〜第3パワーモジュール51〜53(本発明に係る半導体モジュールに相当)や当該各パワーモジュール51〜53に対応するかたちでそれぞれ配設された第1〜第3電解コンデンサ54〜56、並びにこれらとバスバー57を介して接続されるコイル58等、が実装されることにより構成され、中継端子59を介してコネクタ25と接続されると共に、当該コネクタ25を介して図外のバッテリと接続される。
【0021】
前記第1〜第3パワーモジュール51〜53は、図4及び図5に示すように、いずれも、その内部に一対の半導体スイッチング素子や抵抗体等を収容する横断面ほぼ矩形状のモジュール本体61〜63と、該各モジュール本体61〜63とパワー基板23との電気的な接続に供する3本のリードフレーム64と、前記各モジュール本体61〜63と制御基板24との電気的な接続に供する5本のリード端子65と、を備えている。
【0022】
前記各モジュール本体61〜63には、その一部又は全部が金属材料により構成された比較的大きな面積を有する放熱面61a〜63aと、該放熱面61a〜63aとほぼ直交するように構成された比較的小さな面積を有する一対の側面61b〜63b,61c〜63cと、前記放熱面61a〜63aの反対側に前記各側面61b〜63b,61c〜63cとほぼ直交するように構成された背面61d〜63dと、が構成され、前記放熱面61a〜63a以外は樹脂モールドによって形成されている。
【0023】
そして、この第1〜第3パワーモジュール51〜53は、前記他の実装部品(前記各電解コンデンサ54〜56やコイル58等)とは異なり、基板収容部30内ではなく、それぞれ対応する第1〜第3ヒートシンク31〜33にほぼ埋め込まれるかたちでECUハウジング21内に収容される。すなわち、当該第1〜第3パワーモジュール51〜53は、それぞれ対応する前記第1〜第3モジュール収容部41〜43内に収容されるようになっている。
【0024】
前記各モジュール収容部41〜43は、いずれも、ECUハウジング21の一端開口部へと臨むように形成され、その内側部(内周)には、前記各パワーモジュール51〜53の放熱面61a〜63aに対向する受熱面41a〜43aと、該受熱面41a〜43aとそれぞれ直交するように構成されて、前記各パワーモジュール51〜53の前記各側面61b〜63b,61c〜63cに対向する一対の側部サポート面41b〜43b,41c〜43cと、該各側部サポート面41b〜43b,41c〜43cに対してそれぞれ直交するように構成されて、前記各パワーモジュール51〜53の背面61d〜63dにそれぞれ対向する一対の背部サポート面41d〜43dと、がそれぞれ設けられていて、前記受熱面41a〜43aを介して前記各パワーモジュール51〜53の熱が前記各ヒートシンク31〜33に吸収されることとなる。
【0025】
また、この際、前記各モジュール収容部41〜43はいずれも前記各パワーモジュール51〜53のモジュール本体61〜63より大きな横断面積となるように構成されていて、該各パワーモジュール51〜53が前記各モジュール収容部41〜43内にて受熱面41a〜43a側へと偏倚して配置され、少なくとも前記各モジュール本体61〜63の背面61d〜63dと前記各モジュール収容部41〜43の背部サポート面41d〜43dとの間に所定の隙間C1が設けられるような構成となっている。そして、かかる隙間C1内にはそれぞれ押圧保持部材である第1〜第3モジュール保持部材71〜73(本発明に係るモジュール保持手段に相当)が圧入されることにより、前記各モジュール収容部41〜43内に前記各パワーモジュール51〜53が保持されている。
【0026】
なお、この際、前記各モジュール保持部材71〜73は、比較的軽い圧入によって装入されることになるため、当該圧入に加えて、前記各モジュール本体61〜63の背面61d〜63dを前記各モジュール収容部41〜43の背部サポート面41d〜43dに接着することとしてもよい。
【0027】
前記各モジュール保持部材71〜73は、例えばアルミニウムや銅など比較的高い熱伝導率を有する金属材料により同一形状に形成されたブロック状部材であって、図6に示すように、先細りとなる縦断面楔形状となるように、前記各パワーモジュール51〜53の背面61d〜63dと対向する面がテーパ面71a〜73aとして構成されることによって、そのY軸方向幅Y1がZ軸負方向側へ向かって漸次縮小するように構成されている。ここで、当該各モジュール保持部材71〜73のY軸方向幅Y1は、最大幅となるそのZ軸正方向端にて前記隙間C1よりも僅かに大きく、かつ、最小幅となるそのZ軸負方向端にて前記隙間C1よりも小さくなるように構成されている。
【0028】
このように構成することで、前記各モジュール保持部材71〜73のテーパ面71a〜73aによって、前記各モジュール本体61〜63が前記各モジュール収容部41〜43内方(図6中における下方)へと押圧されつつ、前記各放熱面61a〜63aが前記各受熱面41a〜43aに押圧された状態となり、かかる各テーパ面71a〜73aによる押圧作用、すなわち前記各モジュール保持部材71〜73と前記各背部サポート面41d〜43d及び前記各背面61d〜63dとの圧接に基づく摩擦力、並びに前記各放熱面61a〜63aと前記各受熱面41a〜43aとの圧接に基づく摩擦力によって、前記各放熱面61a〜63aの全体が前記各受熱面41a〜43aに、前記各背面61d〜63dの一部が前記各モジュール保持部材71〜73を介して前記各背部サポート面41d〜43dに、それぞれ密着した状態で、前記各パワーモジュール51〜53が前記各モジュール収容部41〜43内に保持されることとなる。
【0029】
なお、前記各モジュール保持部材71〜73は、そのZ軸方向幅Z1が前記各モジュール本体61〜63のZ軸方向幅Z2より小さくなるように設定されていて、当該各モジュール保持部材71〜73を組み付けるにあたって、これら各モジュール保持部材71〜73のZ軸負方向端が前記各パワーモジュール51〜53の各リードフレーム65に対し確実に接触しない構成となっている。
【0030】
前記各電解コンデンサ54〜56は、図外のバッテリから供給される電流を蓄電すると共に、前記各パワーモジュール51〜53の動作に応じモータ10に電力を供給する平滑コンデンサである。
【0031】
前記制御基板24は、プリント回路基板(PCB)上に図外のCPUやドライバ回路等が実装されることにより構成され、コネクタ25を介して外部から入力される情報(パワーステアリング装置でいえば操舵トルクや車速信号等)や、モータ10内に配設された図外のレゾルバにより検出されたモータ10の回転位置に基づいて、前記各パワーモジュール51〜53を制御する。
【0032】
前記コネクタ25は、ほぼ直線状に形成され、樹脂製のコネクタ本体25a内に、前記各中継端子59との電気的接続に供する一対の平型端子25bと、制御基板24との電気的接続に供する多数の丸型端子25cと、が保持固定されることによって構成されていて、前記コネクタ本体25aが前記ECUハウジング21の径方向突出部21a(コネクタ取付部39)に取付固定されると共に、該コネクタ取付部39に貫通形成される前記モータ側開口部である端子挿通部39a(図7参照)を介して、ECUハウジング21内に導入された前記各端子25b,25cが、それぞれ前記各中継端子59及び制御基板24に溶接等により接続されている。
【0033】
以下、前記モータ駆動装置の組立手順について、図7に基づいて説明する。
【0034】
まず、第1工程として、図7(a)に示すように、前記モータ10が取り付けられたECUハウジング21に、前記電子部品等が実装されたパワー基板23をその一端開口から基板収容部30内にセットすると共に、当該パワー基板23として金属基板40に既に実装された前記各パワーモジュール51〜53を前記各モジュール収容部41〜43内へと挿入して、パワー基板23をECUハウジング21に接着によって固定する。その後、このパワー基板23の裏側から基板収容部30内へと臨むように延設されたモータ10の各相に係る接続端子10u〜10wを、金属基板40に既に接続された中継端子59u〜59wに溶接により接続する。
【0035】
次に、第2工程として、図7(b)に示すように、前記ECUハウジング21にコネクタ25をセットし、該コネクタ25とパワー基板23とを接続する。すなわち、コネクタ本体25aをECUハウジング21のコネクタ取付部39に取付固定すると共に、前記各平型端子25b等を、端子挿通部39aを通じて基板収容部30内へと挿入し、前記中継端子59等に溶接により接続する。
【0036】
続いて、第3工程として、図7(c)に示すように、前記各パワーモジュール51〜53のモジュール本体61〜63の背面61d〜63dと前記各モジュール収容部41〜43の背部サポート面41d〜43dとの間に形成される隙間C1にモジュール保持部材71〜73を挿入し、前記各パワーモジュール51〜53を前記各モジュール収容部41〜43内に保持させる。
【0037】
その後、第4工程として、図7(d)に示すように、予め電子部品等が実装された制御基板24を前記ECUハウジング21の一端開口から前記各ヒートシンク31〜33上に載置するようにセットし、制御基板24をECUハウジング21にビス38によって固定すると共に、コネクタ25の前記各丸型端子25cをそれぞれ制御基板24に半田によって接続した後、ECUハウジング21の一端開口部をECUカバー22によって閉塞することにより(図1参照)、モータ駆動装置の組立が完了する。
【0038】
以上のことから、本実施形態に係る前記モータ駆動装置によれば、制御基板24に直交するかたちで金属基板40上に前記各パワーモジュール51〜53を配置して、当該各パワーモジュール51〜53のモジュール本体61〜63において最大面積を有する前記各放熱面61a〜63aを、従来のように金属基板40の表面ではなく、前記各ヒートシンク31〜33内側部に構成される前記各受熱面41a〜43aにそれぞれ当接させるように構成したことから、前記各パワーモジュール51〜53の占有する金属基板40の面積、すなわちECUハウジング21の基板収容部30の面積を低減することが可能となって、ECU20の小型化に供される。
【0039】
しかも、この際、前記各パワーモジュール51〜53は、前記各モジュール本体61〜63の放熱面61a〜63aが、前記各ヒートシンク31〜33の受熱面41a〜43aにそれぞれ圧接(密着)した状態で保持されることから、前記各モジュール本体61〜63熱を前記各ヒートシンク31〜33へと効率よく伝達することが可能となり、当該各パワーモジュール51〜53の放熱を効果的に行うことができる。
【0040】
また、前記各モジュール保持部材71〜73は、それぞれのZ軸方向幅Z1が、前記各モジュール本体61〜63のZ軸方向幅Z2よりも小さく、かつ、それぞれのZ軸正方向端のY軸方向幅が、前記各モジュール本体61〜63が前記各モジュール収容部41〜43に適切に保持されるように設定されていることから、当該各モジュール収容部41〜43の組み付けにあたり、それぞれのZ軸正方向端が前記各ヒートシンク31〜33のZ軸正方向端と面一になるまで押し込めば足り、その挿入量を管理する必要がない。よって、装置の組立作業性の容易化が図れ、当該作業性の向上にも供される。
【0041】
なお、本実施形態では、前記各モジュール保持部材71〜73につき、前記テーパ面71a〜73aを、前記各パワーモジュール51〜53(前記各背面61d〜63d)との対向面のみに設ける構成としたが、前述のように、当該各モジュール保持部材71〜73は、前記各モジュール本体61〜63を前記各受熱面41a〜43aへと押圧可能となるように構成されていればよいことから、前記テーパ面71a〜73aについては、前記各モジュール収容部41〜43の背部サポート面41d〜43dとの対向面に設けてもよく、また、両面に設けることとしてもよい。
【0042】
さらには、前記各モジュール保持部材71〜73を、前記各放熱面61a〜63aと前記各受熱面41a〜43aとの間に装入するように構成することも可能である。この場合であっても、前記各モジュール本体61〜63の熱は、前記各モジュール保持部材71〜73を介して前記各ヒートシンク31〜33(前記各受熱面41a〜43a)へ間接的に伝達されることとなって、当該各モジュール本体61〜63の十分な放熱を図ることができる。
【0043】
図8及び図9は本発明に係るモータ駆動装置の第2実施形態を表したものであって、前記第1実施形態に係る前記各モジュール保持部材71〜73の構成を変更したものである。なお、当該変更は前記各モジュール保持部材71〜73間で全て同一であることから、以下では、第1モジュール保持部材71のみについて説明するものとし、第2、第3モジュール保持部材72,73については説明を省略する。
【0044】
すなわち、本実施形態では、前記モジュール保持部材71の代わりに一対のモジュール保持部材71a,71bを、前記モジュール収容部41内において、パワーモジュール51の前記各側面61b,61cとモジュール収容部41の前記各側部サポート面41b,41cとの間に形成される各隙間C2内に装入(圧入)するように構成したものである。
【0045】
前記一対のモジュール保持部材71a,71bは、基本的に前記各隙間C2を埋めるように構成されていて、そのX軸方向幅X1(当該軸方向幅の最大値)については、前記各隙間C2のX軸方向幅X2より若干大きくなるように設定されている。また、かかる一対のモジュール保持部材71a,71bにおけるパワーモジュール51の前記各側面61b,61cとの対向面には、それぞれ所定のテーパ面71c,71dが形成されていて、他の側面はモジュール収容部41の内周面と平行となるように構成されている。そして、前記各テーパ面71c,71dは、前記各モジュール保持部材71a,71bのX軸方向幅X1が、Y軸正方向側へと向かって漸次縮小するように、かつ、前記第1実施形態と同様にZ軸負方向側へと向かって漸次縮小するように、それぞれ設定されている。
【0046】
以上のような構成から、本実施形態においても、前記一対のモジュール保持部材71a,71bを前記各隙間C2内に挿入することにより、前記両テーパ面71c,71dをもってパワーモジュール51の放熱面61aが受熱面41aに押圧されつつモジュール収容部41の内方へと押圧されることとなって、当該パワーモジュール51がモジュール収容部41内に保持されることとなる。この結果、前記第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0047】
ここで、本実施形態では、前記両モジュール保持部材71a,71bが共にモジュール収容部41の内周面に密着する構成となっているため、前記放熱面61aに加え、前記各側面61b,61cからも放熱効果を得ることができ、前記ヒートシンク31による放熱効果のさらなる向上に供される。
【0048】
また、本実施形態では、前記各モジュール保持部材71a,71bにつき、前記各テーパ面71c,71dを、パワーモジュール51(前記各側面61b,61c)との対向面のみに設ける構成としたが、モジュール収容部41の前記各側部サポート面41b,41cとの各対向面に設けてもよく、また、両面に設けることとしてもよい。
【0049】
図10及び図11は本発明に係るモータ駆動装置の第3実施形態を表したものであって、前記第1実施形態に係る前記各モジュール保持部材71〜73を前記各パワーモジュール51〜53のモジュール本体61〜63と一体化したものである。なお、当該変更は前記各パワーモジュール51〜53間で全て同一であることから、以下では、第1パワーモジュール51のみについて説明するものとし、第2、第3パワーモジュール52,53については説明を省略する。
【0050】
すなわち、本実施形態では、前記モジュール保持部材71を廃止して、前記パワーモジュール51のモジュール本体61の背面61dを前記第1実施形態に係るモジュール保持部材71のテーパ面71aによって構成したものである。このように構成したことで、当該パワーモジュール51を前記モジュール収容部41内へと挿入することに伴い、放熱面61a全体がモジュール収容部41の受熱面41aへと圧接しつつ、背面61dの一部がモジュール収容部41の背部サポート面41dに圧接した状態となり、前記第1実施形態と同様、放熱面61aを受熱面41aに密着させた状態で当該パワーモジュール51をモジュール収容部41内に保持させることが可能となる。この結果、前記第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0051】
また、とりわけ、本実施形態では、パワーモジュール51のモジュール本体61と、これとは別体に構成されたモジュール保持部材71と、を一体に構成したことで、装置の構成部品点数を削減することが可能となって、装置の組立工数削減や組立作業の簡素化等が図れ、装置の製造コストの低廉化に供される。
【0052】
なお、本実施形態では、前記テーパ面71aにつき、モジュール収容部41の背部サポート面41dとの対向面のみに設ける構成としたが、第1実施形態と同様、モジュール収容部41の受熱面41aとの対向面である放熱面61aに設けてもよく、また、両面に設けることとしてもよい。
【0053】
図12及び図13は本発明に係るモータ駆動装置の第4実施形態を表したものであって、前記第2実施形態に係る前記各モジュール保持部材71〜73の構成を変更したものである。なお、当該変更は前記各モジュール保持部材71〜73間で全て同一であることから、以下では、第1モジュール保持部材71のみについて説明するものとし、第2、第3モジュール保持部材72,73については説明を省略する。
【0054】
すなわち、本実施形態では、前記一対のモジュール保持部材71a,71bのX軸方向幅X1を、前記各隙間C2のX軸方向幅X2より僅かに大きな寸法でもって、Y軸方向において一定となるように構成したものである。
【0055】
かかる構成とした場合にも、前記一対のモジュール保持部材71a,71bにより、パワーモジュール51のモジュール本体61を保持ないし固定でき、当該構成であっても、パワーモジュール51が制御基板24に対して直交する配置となることから、ECU20の小型化に供される。
【0056】
また、本実施形態のように、前記パワーモジュール51をモジュール収容部41のY軸方向間で圧入状態に収容する構成としたことで、前記放熱面61aによる放熱効果も確保される。
【0057】
なお、本実施形態でも、前記パワーモジュール51の各側面61b,61cは、前記各モジュール保持部材71a,71bを介して前記各側部サポート面41b,41cに間接的に圧接することになるため、当該各側面61b,61cからも放熱効果を得ることができ、前記ヒートシンク31による放熱効果のさらなる向上に供される。
【0058】
また、本実施形態でも、前記各モジュール保持部材71a,71bにつき、前記各テーパ面71c,71dをパワーモジュール51(前記各側面61b,61c)との対向面のみに設ける構成としたが、前記第2実施形態で説明したように、モジュール収容部41の前記各側部サポート面41b,41cとの各対向面に設けてもよく、また、両面に設けることとしてもよい。
【0059】
図14は本発明に係るモータ駆動装置の第5実施形態を表したものであって、前記第1実施形態に係るパワーモジュール51〜53の保持手段を変更したものである。なお、当該変更は前記各パワーモジュール51〜53間で全て同一であることから、以下では、第1パワーモジュール51のみについて説明するものとし、第2、第3パワーモジュール52,53については説明を省略する。
【0060】
すなわち、本実施形態では、モジュール収容部41の背部サポート面41dを廃止し、当該モジュール収容部41のY軸負方向側が基板収容部30に開口するように構成されると共に、当該モジュール収容部41の内部寸法がパワーモジュール51(モジュール本体61)の外部寸法より僅かに小さく設定され、当該モジュール収容部41内においてパワーモジュール51が圧入保持されるように構成されている。
【0061】
このような構成によっても、前記モジュール本体61の放熱面61aを前記モジュール収容部41の受熱面41aに密着させることができ、前記第1実施形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。
【0062】
また、本実施形態の場合には、前記各モジュール保持部材71〜73を廃止することができるため、装置の構成部品点数の削減による生産性の向上や製造コストの低廉化にも寄与できる。
【0063】
なお、本実施形態では、前記モジュール本体61全体を前記モジュール収容部41内に収容する構成としたが、必ずしもモジュール本体61全体がヒートシンク31内に収容されている必要はなく、例えば図15に示すように、前記モジュール収容部41を縮小してモジュール本体61の一部を当該モジュール収容部41内に圧入保持させるように構成してもよく、かかる構成によっても、前述のような本実施形態の特異な作用効果が得られる。
【0064】
本発明は、前記各実施形態の構成に限定されるものではなく、例えばECUハウジング21や前記各基板23,24の形状、並びにパワー基板23の実装部品の構成等については、その適用対象(例えばパワーステアリング装置)の仕様等に応じて自由に変更することができる。
【0065】
さらに、前記各実施形態では、本発明に係る半導体モジュールとして、内部に一対の半導体スイッチング素子や抵抗体等が収容されてなるモジュール本体61〜63によって構成される前記各パワーモジュール51〜53を用いた形態について例示しているが、本発明に係る半導体モジュールは、前記各パワーモジュール61〜63のような複合的なもののみならず、半導体素子単体をも含む概念である。換言すれば、前記各実施形態に係るパワーモジュール61〜63の代わりに半導体素子単体を用いることとしても、前記各実施形態の作用効果を奏し得る。
【0066】
また、前記各実施形態では、前記各モジュール保持部材71〜73又は前記各モジュール本体61〜63側のみ前記各テーパ面71a〜73a等を設ける構成としたが、これに加え、当該各テーパ面71a〜73a等と対向する前記各モジュール収容部41〜43の背面41d〜43d(当該各テーパ面71a〜73aを前記各モジュール本体61〜63との対向面に設ける場合には当該各モジュール本体61〜63)等に、前記各テーパ面71a〜73a等に対応する(係合する)テーパ面を設けることとしてもよい。このような構成とした場合には、相互のテーパ面の係合をもって、前記各モジュール本体61〜63を、前記各ヒートシンク31〜33に対して、直接又は前記各モジュール保持部材71〜73を介して間接的に、より適切に密着させることが可能となり、前記各パワーモジュール51〜53のより効果的な放熱に供されることとなる。
【0067】
また、前記各モジュール保持部材71〜73については、前述のような金属材料のみならず、樹脂材料によって形成することも可能であり、このように、当該各モジュール保持部材71〜73を樹脂材料によって形成した場合には、当該各モジュール保持部材71〜73によって前記各パワーモジュール51〜53を損傷してしまうおそれがなく、装置の品質向上に供される。また、前記各モジュール保持部材71〜73を樹脂製とすることで、これら各モジュール保持部材71〜73と他の回路との干渉を回避するための絶縁処理等も不要となり、装置の製造コストの低廉化等にも貢献できる。
【0068】
さらに、前記各モジュール保持部材71〜73のZ軸方向幅Z1についても、第1、第3実施形態であればその正方向端のY軸方向幅が前記隙間C1よりも大きく設定され、また、第2、第4実施形態であればその正方向端のX軸方向幅が前記隙間C2よりも大きく設定されることによって前記各モジュール本体61〜63が前記各ヒートシンク31〜33へと押し付けられた状態で前記各モジュール収容部41〜43内に保持される構成となっていればよいことから、制御基板24の搭載位置等、装置の仕様に応じて自由に変更可能である。
【0069】
その他、前記各実施形態では、前記各パワーモジュール51〜53において過電流保護機能を担保させることによりリレーを省略した構成となっているが、当該リレーを別途設けるかたちで構成することも可能である。その場合には、よりバッテリに近い位置となるコネクタ25(中継端子59)近傍に配置することで、前記各電解コンデンサ54〜56等の実装部品に対する悪影響が極力抑制される。
【符号の説明】
【0070】
10…モータ
20…ECU
21…ECUハウジング
24…制御基板
31,32,33…第1〜第3ヒートシンク(ヒートシンク)
41,42,43…第1〜第3モジュール収容部(モジュール収容部)
41a,42a,43a…第1〜第3ヒートシンクの受熱面(受熱面)
51,52,53…第1〜第3パワーモジュール(半導体モジュール)
61a,62a,63a…第1〜第3パワーモジュールの放熱面(放熱面)
71,72,73…第1〜第3モジュール保持部材(モジュール保持手段)
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば自動車のパワーステアリング装置に適用され、モータに連結される減速機やポンプ等を介して操舵アシストトルクの発生に供するモータ駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車のパワーステアリング装置に適用される従来のモータ駆動装置としては、例えば以下の特許文献1に記載されたものが知られている。
【0003】
このモータ駆動装置では、モータの先端側にECUを同軸上に直列配置することで、当該装置の小型化を可能にしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−269693号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記従来のモータ駆動装置では、半導体スイッチング素子について、その最も大きな表面積をもって構成される放熱面を、制御基板に対向配置されるカバー体の基板対向面にヒートスプレッダを介して当接させるように配置した構成となっている。
【0006】
ここで、当該装置では、複数の半導体スイッチング素子が必要になるため、これら各半導体スイッチング素子によって特にカバー体のスペース(外径)が嵩んでしまい、当該装置の十分な小型化が図れないという問題があった。
【0007】
本発明は、かかる技術的課題に鑑みて案出されたものであり、装置の十分な小型化を図り得るモータ駆動装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願発明は、モータの軸方向一端側に、該モータの駆動制御に供するECUが付設されたモータ駆動装置であって、とりわけ、ECUハウジングの内側部に設けられ、制御基板に対してほぼ直交するように構成された受熱面を有するヒートシンクと、該ヒートシンクにおいてECUハウジングの一端側へと開口するようにして前記ヒートシンクに付設され、前記開口部を介して挿入される半導体モジュールを収容するモジュール収容部と、半導体モジュールの放熱面を前記受熱面に圧接させつつ当該半導体モジュールを前記モジュール収容部内に保持するモジュール保持手段と、を備えたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
本願発明によれば、制御基板と直交するようにして設けられたヒートシンクの受熱面に半導体モジュールの放熱面を当接させる配置としたことから、当該半導体モジュールの実装面積を低減することが可能となって、ECUの小型化に供される。
【0010】
しかも、その際、半導体モジュールは、その放熱面がモジュール保持手段によりヒートシンクの受熱面に圧接状態に保持されることになるので、当該半導体モジュールの放熱を効果的に行うこともできる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に係るモータ駆動装置の外観を現した斜視図である。
【図2】図1に示すモータ駆動装置についてECUカバーを外した状態を現す図である。
【図3】本発明の第1実施形態を示し、図2に示すモータ駆動装置について制御基板を外した状態を現す図である。
【図4】図3に示すパワー基板単体の斜視図である。
【図5】本発明の特徴説明に供する図3の要部拡大図である。
【図6】図5のA−A線断面図である。
【図7】同実施形態に係るモータ駆動装置の組立手順を示した図であって、(a)はECUハウジングの基板収容部内にパワー基板を取り付けた図、(b)は(a)にコネクタを接続した図、(c)は(b)にモジュール保持部材を装入してパワーモジュールを固定した図、(d)は(c)に制御基板を組み付けた図である。
【図8】本発明の第2実施形態を示した図5に相当する図である。
【図9】図8のB−B線断面図である。
【図10】本発明の第3実施形態を示した図5に相当する図である。
【図11】図10のC−C線断面図である。
【図12】本発明の第4実施形態を示した図5に相当する図である。
【図13】図12のD−D線断面図である。
【図14】本発明の第5実施形態を示した図5に相当する図である。
【図15】同実施形態の変形例を示した図5に相当する図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係るモータ駆動装置の各実施形態を図面に基づいて詳述する。
【0013】
すなわち、図1〜図7は本発明の第1実施形態を示しており、このモータ駆動装置は、図1〜図3に示すように、いわゆる3相交流式のモータ10と、該モータ10の出力軸11が突出する軸方向一端側に付設され、当該モータ10の駆動制御に供するECU20と、から主として構成され、前記出力軸11の先端側外周を包囲するように、ECU20がモータ10の同軸上に配置されている。
【0014】
前記ECU20は、一端側が開口形成される一方、他端側がほぼ閉塞されてモータ10の一端部に取付固定されるECUハウジング21と、該ECUハウジング21の一端開口を閉塞するECUカバー22と、前記ECUハウジング21内に収容され、モータ10への電力供給に供する電力供給回路を構成するパワー基板23と、前記ECUハウジング21内において前記パワー基板23と電気的に接続され、後述するパワーモジュール51〜53により前記パワー基板23を制御することによってモータ10の駆動制御に供する制御基板24と、前記ECUハウジング21に取付固定され、前記パワー基板23及び制御基板24に接続されることによって図外のバッテリからの電力供給や情報入力(パワーステアリング装置でいえば、操舵トルク信号や車速信号)等に供するコネクタ25と、から主として構成されている。
【0015】
前記ECUハウジング21は、アルミニウム合金など良好な放熱性を有する金属材料によってほぼ有底円筒状に構成されたもので、その内周側には、中実の金属材料を軸方向に沿って後述するパワー基板23の外形状に刳り貫くことで、当該パワー基板23を収容するための基板収容部30が形成されている。なお、このECUハウジング21の軸方向幅Hは、前記パワー基板23に実装される電子部品で最も高さのある部品(後述する電解コンデンサ54〜56等)に合わせて決定され、前記基板収容部30には、図3に示すように、前記パワー基板23と一緒に、当該パワー基板23に実装される一部の電子部品(後述する電解コンデンサ54〜56及びコイル58等)がまとめて収容されるようになっている。
【0016】
また、前記基板収容部30を刳り貫き形成したことによって、ECUハウジング21の内周側には、残存する残余の部位によって構成された複数(本実施形態では3つ)の第1〜第3ヒートシンク31〜33が形成されている。これら各ヒートシンク31〜33は、後述するパワーモジュール51〜53や電解コンデンサ54〜56に対応するように、当該パワーモジュール51〜53や電解コンデンサ54〜56に近接して設けられ、当該各パワーモジュール51〜53や電解コンデンサ54〜56の冷却に供されることとなる。
【0017】
すなわち、前記各ヒートシンク31〜33は、前記基板収容部30に面する側壁部のうち最大幅部L1〜L3が軸方向に沿って切り欠かれることによって後述する第1〜第3パワーモジュール51〜53をそれぞれ収容する第1〜第3モジュール収容部41〜43が穿設されると共に、当該各モジュール収容部41〜43を除いた側壁(周壁)31a〜33aをもって後述する電解コンデンサ54〜56を近接距離でほぼ囲うように構成されている。
【0018】
また、前記各ヒートシンク31〜33の一端面(図3中における上端面)には、制御基板24の取付固定に供するボス部34〜36がそれぞれ突設され、これら各ボス部34〜36の内周には、制御基板24の固定に供するビス38(図2参照)が螺着される雌ねじ穴34a〜36aがそれぞれ形成されている。すなわち、前記各ヒートシンク31〜33の一端面に設けられた各ボス部34〜36と、ECUハウジング21内において前記各ボス部34〜36とほぼ等間隔となる位置に立設された第4のボス部37と、をもって、制御基板24がねじ止めされるようになっている。
【0019】
さらに、前記ECUハウジング21には、モータ10の外径より径方向外側へと突出する径方向突部21aが設けられ、当該径方向突部21aは、その軸方向両側が開口するように構成されている。すなわち、この径方向突部21aは、その一方側が基板収容部30と連通可能に構成される一方、その他方側がモータ10側に開口するコネクタ取付部39として構成され、該コネクタ取付部39に前記コネクタ25が取付固定される。
【0020】
前記パワー基板23は、図4に示すように、そのほぼ中央部にモータ軸挿通孔50aが貫通形成されたベースとなる金属基板50上に絶縁層を介して配線パターン50bが形成されて、その上に、3相(U相、V相、W相)の各相にそれぞれ設けられた、MOSFETなど図外の半導体スイッチング素子ないし抵抗体等からなる第1〜第3パワーモジュール51〜53(本発明に係る半導体モジュールに相当)や当該各パワーモジュール51〜53に対応するかたちでそれぞれ配設された第1〜第3電解コンデンサ54〜56、並びにこれらとバスバー57を介して接続されるコイル58等、が実装されることにより構成され、中継端子59を介してコネクタ25と接続されると共に、当該コネクタ25を介して図外のバッテリと接続される。
【0021】
前記第1〜第3パワーモジュール51〜53は、図4及び図5に示すように、いずれも、その内部に一対の半導体スイッチング素子や抵抗体等を収容する横断面ほぼ矩形状のモジュール本体61〜63と、該各モジュール本体61〜63とパワー基板23との電気的な接続に供する3本のリードフレーム64と、前記各モジュール本体61〜63と制御基板24との電気的な接続に供する5本のリード端子65と、を備えている。
【0022】
前記各モジュール本体61〜63には、その一部又は全部が金属材料により構成された比較的大きな面積を有する放熱面61a〜63aと、該放熱面61a〜63aとほぼ直交するように構成された比較的小さな面積を有する一対の側面61b〜63b,61c〜63cと、前記放熱面61a〜63aの反対側に前記各側面61b〜63b,61c〜63cとほぼ直交するように構成された背面61d〜63dと、が構成され、前記放熱面61a〜63a以外は樹脂モールドによって形成されている。
【0023】
そして、この第1〜第3パワーモジュール51〜53は、前記他の実装部品(前記各電解コンデンサ54〜56やコイル58等)とは異なり、基板収容部30内ではなく、それぞれ対応する第1〜第3ヒートシンク31〜33にほぼ埋め込まれるかたちでECUハウジング21内に収容される。すなわち、当該第1〜第3パワーモジュール51〜53は、それぞれ対応する前記第1〜第3モジュール収容部41〜43内に収容されるようになっている。
【0024】
前記各モジュール収容部41〜43は、いずれも、ECUハウジング21の一端開口部へと臨むように形成され、その内側部(内周)には、前記各パワーモジュール51〜53の放熱面61a〜63aに対向する受熱面41a〜43aと、該受熱面41a〜43aとそれぞれ直交するように構成されて、前記各パワーモジュール51〜53の前記各側面61b〜63b,61c〜63cに対向する一対の側部サポート面41b〜43b,41c〜43cと、該各側部サポート面41b〜43b,41c〜43cに対してそれぞれ直交するように構成されて、前記各パワーモジュール51〜53の背面61d〜63dにそれぞれ対向する一対の背部サポート面41d〜43dと、がそれぞれ設けられていて、前記受熱面41a〜43aを介して前記各パワーモジュール51〜53の熱が前記各ヒートシンク31〜33に吸収されることとなる。
【0025】
また、この際、前記各モジュール収容部41〜43はいずれも前記各パワーモジュール51〜53のモジュール本体61〜63より大きな横断面積となるように構成されていて、該各パワーモジュール51〜53が前記各モジュール収容部41〜43内にて受熱面41a〜43a側へと偏倚して配置され、少なくとも前記各モジュール本体61〜63の背面61d〜63dと前記各モジュール収容部41〜43の背部サポート面41d〜43dとの間に所定の隙間C1が設けられるような構成となっている。そして、かかる隙間C1内にはそれぞれ押圧保持部材である第1〜第3モジュール保持部材71〜73(本発明に係るモジュール保持手段に相当)が圧入されることにより、前記各モジュール収容部41〜43内に前記各パワーモジュール51〜53が保持されている。
【0026】
なお、この際、前記各モジュール保持部材71〜73は、比較的軽い圧入によって装入されることになるため、当該圧入に加えて、前記各モジュール本体61〜63の背面61d〜63dを前記各モジュール収容部41〜43の背部サポート面41d〜43dに接着することとしてもよい。
【0027】
前記各モジュール保持部材71〜73は、例えばアルミニウムや銅など比較的高い熱伝導率を有する金属材料により同一形状に形成されたブロック状部材であって、図6に示すように、先細りとなる縦断面楔形状となるように、前記各パワーモジュール51〜53の背面61d〜63dと対向する面がテーパ面71a〜73aとして構成されることによって、そのY軸方向幅Y1がZ軸負方向側へ向かって漸次縮小するように構成されている。ここで、当該各モジュール保持部材71〜73のY軸方向幅Y1は、最大幅となるそのZ軸正方向端にて前記隙間C1よりも僅かに大きく、かつ、最小幅となるそのZ軸負方向端にて前記隙間C1よりも小さくなるように構成されている。
【0028】
このように構成することで、前記各モジュール保持部材71〜73のテーパ面71a〜73aによって、前記各モジュール本体61〜63が前記各モジュール収容部41〜43内方(図6中における下方)へと押圧されつつ、前記各放熱面61a〜63aが前記各受熱面41a〜43aに押圧された状態となり、かかる各テーパ面71a〜73aによる押圧作用、すなわち前記各モジュール保持部材71〜73と前記各背部サポート面41d〜43d及び前記各背面61d〜63dとの圧接に基づく摩擦力、並びに前記各放熱面61a〜63aと前記各受熱面41a〜43aとの圧接に基づく摩擦力によって、前記各放熱面61a〜63aの全体が前記各受熱面41a〜43aに、前記各背面61d〜63dの一部が前記各モジュール保持部材71〜73を介して前記各背部サポート面41d〜43dに、それぞれ密着した状態で、前記各パワーモジュール51〜53が前記各モジュール収容部41〜43内に保持されることとなる。
【0029】
なお、前記各モジュール保持部材71〜73は、そのZ軸方向幅Z1が前記各モジュール本体61〜63のZ軸方向幅Z2より小さくなるように設定されていて、当該各モジュール保持部材71〜73を組み付けるにあたって、これら各モジュール保持部材71〜73のZ軸負方向端が前記各パワーモジュール51〜53の各リードフレーム65に対し確実に接触しない構成となっている。
【0030】
前記各電解コンデンサ54〜56は、図外のバッテリから供給される電流を蓄電すると共に、前記各パワーモジュール51〜53の動作に応じモータ10に電力を供給する平滑コンデンサである。
【0031】
前記制御基板24は、プリント回路基板(PCB)上に図外のCPUやドライバ回路等が実装されることにより構成され、コネクタ25を介して外部から入力される情報(パワーステアリング装置でいえば操舵トルクや車速信号等)や、モータ10内に配設された図外のレゾルバにより検出されたモータ10の回転位置に基づいて、前記各パワーモジュール51〜53を制御する。
【0032】
前記コネクタ25は、ほぼ直線状に形成され、樹脂製のコネクタ本体25a内に、前記各中継端子59との電気的接続に供する一対の平型端子25bと、制御基板24との電気的接続に供する多数の丸型端子25cと、が保持固定されることによって構成されていて、前記コネクタ本体25aが前記ECUハウジング21の径方向突出部21a(コネクタ取付部39)に取付固定されると共に、該コネクタ取付部39に貫通形成される前記モータ側開口部である端子挿通部39a(図7参照)を介して、ECUハウジング21内に導入された前記各端子25b,25cが、それぞれ前記各中継端子59及び制御基板24に溶接等により接続されている。
【0033】
以下、前記モータ駆動装置の組立手順について、図7に基づいて説明する。
【0034】
まず、第1工程として、図7(a)に示すように、前記モータ10が取り付けられたECUハウジング21に、前記電子部品等が実装されたパワー基板23をその一端開口から基板収容部30内にセットすると共に、当該パワー基板23として金属基板40に既に実装された前記各パワーモジュール51〜53を前記各モジュール収容部41〜43内へと挿入して、パワー基板23をECUハウジング21に接着によって固定する。その後、このパワー基板23の裏側から基板収容部30内へと臨むように延設されたモータ10の各相に係る接続端子10u〜10wを、金属基板40に既に接続された中継端子59u〜59wに溶接により接続する。
【0035】
次に、第2工程として、図7(b)に示すように、前記ECUハウジング21にコネクタ25をセットし、該コネクタ25とパワー基板23とを接続する。すなわち、コネクタ本体25aをECUハウジング21のコネクタ取付部39に取付固定すると共に、前記各平型端子25b等を、端子挿通部39aを通じて基板収容部30内へと挿入し、前記中継端子59等に溶接により接続する。
【0036】
続いて、第3工程として、図7(c)に示すように、前記各パワーモジュール51〜53のモジュール本体61〜63の背面61d〜63dと前記各モジュール収容部41〜43の背部サポート面41d〜43dとの間に形成される隙間C1にモジュール保持部材71〜73を挿入し、前記各パワーモジュール51〜53を前記各モジュール収容部41〜43内に保持させる。
【0037】
その後、第4工程として、図7(d)に示すように、予め電子部品等が実装された制御基板24を前記ECUハウジング21の一端開口から前記各ヒートシンク31〜33上に載置するようにセットし、制御基板24をECUハウジング21にビス38によって固定すると共に、コネクタ25の前記各丸型端子25cをそれぞれ制御基板24に半田によって接続した後、ECUハウジング21の一端開口部をECUカバー22によって閉塞することにより(図1参照)、モータ駆動装置の組立が完了する。
【0038】
以上のことから、本実施形態に係る前記モータ駆動装置によれば、制御基板24に直交するかたちで金属基板40上に前記各パワーモジュール51〜53を配置して、当該各パワーモジュール51〜53のモジュール本体61〜63において最大面積を有する前記各放熱面61a〜63aを、従来のように金属基板40の表面ではなく、前記各ヒートシンク31〜33内側部に構成される前記各受熱面41a〜43aにそれぞれ当接させるように構成したことから、前記各パワーモジュール51〜53の占有する金属基板40の面積、すなわちECUハウジング21の基板収容部30の面積を低減することが可能となって、ECU20の小型化に供される。
【0039】
しかも、この際、前記各パワーモジュール51〜53は、前記各モジュール本体61〜63の放熱面61a〜63aが、前記各ヒートシンク31〜33の受熱面41a〜43aにそれぞれ圧接(密着)した状態で保持されることから、前記各モジュール本体61〜63熱を前記各ヒートシンク31〜33へと効率よく伝達することが可能となり、当該各パワーモジュール51〜53の放熱を効果的に行うことができる。
【0040】
また、前記各モジュール保持部材71〜73は、それぞれのZ軸方向幅Z1が、前記各モジュール本体61〜63のZ軸方向幅Z2よりも小さく、かつ、それぞれのZ軸正方向端のY軸方向幅が、前記各モジュール本体61〜63が前記各モジュール収容部41〜43に適切に保持されるように設定されていることから、当該各モジュール収容部41〜43の組み付けにあたり、それぞれのZ軸正方向端が前記各ヒートシンク31〜33のZ軸正方向端と面一になるまで押し込めば足り、その挿入量を管理する必要がない。よって、装置の組立作業性の容易化が図れ、当該作業性の向上にも供される。
【0041】
なお、本実施形態では、前記各モジュール保持部材71〜73につき、前記テーパ面71a〜73aを、前記各パワーモジュール51〜53(前記各背面61d〜63d)との対向面のみに設ける構成としたが、前述のように、当該各モジュール保持部材71〜73は、前記各モジュール本体61〜63を前記各受熱面41a〜43aへと押圧可能となるように構成されていればよいことから、前記テーパ面71a〜73aについては、前記各モジュール収容部41〜43の背部サポート面41d〜43dとの対向面に設けてもよく、また、両面に設けることとしてもよい。
【0042】
さらには、前記各モジュール保持部材71〜73を、前記各放熱面61a〜63aと前記各受熱面41a〜43aとの間に装入するように構成することも可能である。この場合であっても、前記各モジュール本体61〜63の熱は、前記各モジュール保持部材71〜73を介して前記各ヒートシンク31〜33(前記各受熱面41a〜43a)へ間接的に伝達されることとなって、当該各モジュール本体61〜63の十分な放熱を図ることができる。
【0043】
図8及び図9は本発明に係るモータ駆動装置の第2実施形態を表したものであって、前記第1実施形態に係る前記各モジュール保持部材71〜73の構成を変更したものである。なお、当該変更は前記各モジュール保持部材71〜73間で全て同一であることから、以下では、第1モジュール保持部材71のみについて説明するものとし、第2、第3モジュール保持部材72,73については説明を省略する。
【0044】
すなわち、本実施形態では、前記モジュール保持部材71の代わりに一対のモジュール保持部材71a,71bを、前記モジュール収容部41内において、パワーモジュール51の前記各側面61b,61cとモジュール収容部41の前記各側部サポート面41b,41cとの間に形成される各隙間C2内に装入(圧入)するように構成したものである。
【0045】
前記一対のモジュール保持部材71a,71bは、基本的に前記各隙間C2を埋めるように構成されていて、そのX軸方向幅X1(当該軸方向幅の最大値)については、前記各隙間C2のX軸方向幅X2より若干大きくなるように設定されている。また、かかる一対のモジュール保持部材71a,71bにおけるパワーモジュール51の前記各側面61b,61cとの対向面には、それぞれ所定のテーパ面71c,71dが形成されていて、他の側面はモジュール収容部41の内周面と平行となるように構成されている。そして、前記各テーパ面71c,71dは、前記各モジュール保持部材71a,71bのX軸方向幅X1が、Y軸正方向側へと向かって漸次縮小するように、かつ、前記第1実施形態と同様にZ軸負方向側へと向かって漸次縮小するように、それぞれ設定されている。
【0046】
以上のような構成から、本実施形態においても、前記一対のモジュール保持部材71a,71bを前記各隙間C2内に挿入することにより、前記両テーパ面71c,71dをもってパワーモジュール51の放熱面61aが受熱面41aに押圧されつつモジュール収容部41の内方へと押圧されることとなって、当該パワーモジュール51がモジュール収容部41内に保持されることとなる。この結果、前記第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0047】
ここで、本実施形態では、前記両モジュール保持部材71a,71bが共にモジュール収容部41の内周面に密着する構成となっているため、前記放熱面61aに加え、前記各側面61b,61cからも放熱効果を得ることができ、前記ヒートシンク31による放熱効果のさらなる向上に供される。
【0048】
また、本実施形態では、前記各モジュール保持部材71a,71bにつき、前記各テーパ面71c,71dを、パワーモジュール51(前記各側面61b,61c)との対向面のみに設ける構成としたが、モジュール収容部41の前記各側部サポート面41b,41cとの各対向面に設けてもよく、また、両面に設けることとしてもよい。
【0049】
図10及び図11は本発明に係るモータ駆動装置の第3実施形態を表したものであって、前記第1実施形態に係る前記各モジュール保持部材71〜73を前記各パワーモジュール51〜53のモジュール本体61〜63と一体化したものである。なお、当該変更は前記各パワーモジュール51〜53間で全て同一であることから、以下では、第1パワーモジュール51のみについて説明するものとし、第2、第3パワーモジュール52,53については説明を省略する。
【0050】
すなわち、本実施形態では、前記モジュール保持部材71を廃止して、前記パワーモジュール51のモジュール本体61の背面61dを前記第1実施形態に係るモジュール保持部材71のテーパ面71aによって構成したものである。このように構成したことで、当該パワーモジュール51を前記モジュール収容部41内へと挿入することに伴い、放熱面61a全体がモジュール収容部41の受熱面41aへと圧接しつつ、背面61dの一部がモジュール収容部41の背部サポート面41dに圧接した状態となり、前記第1実施形態と同様、放熱面61aを受熱面41aに密着させた状態で当該パワーモジュール51をモジュール収容部41内に保持させることが可能となる。この結果、前記第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0051】
また、とりわけ、本実施形態では、パワーモジュール51のモジュール本体61と、これとは別体に構成されたモジュール保持部材71と、を一体に構成したことで、装置の構成部品点数を削減することが可能となって、装置の組立工数削減や組立作業の簡素化等が図れ、装置の製造コストの低廉化に供される。
【0052】
なお、本実施形態では、前記テーパ面71aにつき、モジュール収容部41の背部サポート面41dとの対向面のみに設ける構成としたが、第1実施形態と同様、モジュール収容部41の受熱面41aとの対向面である放熱面61aに設けてもよく、また、両面に設けることとしてもよい。
【0053】
図12及び図13は本発明に係るモータ駆動装置の第4実施形態を表したものであって、前記第2実施形態に係る前記各モジュール保持部材71〜73の構成を変更したものである。なお、当該変更は前記各モジュール保持部材71〜73間で全て同一であることから、以下では、第1モジュール保持部材71のみについて説明するものとし、第2、第3モジュール保持部材72,73については説明を省略する。
【0054】
すなわち、本実施形態では、前記一対のモジュール保持部材71a,71bのX軸方向幅X1を、前記各隙間C2のX軸方向幅X2より僅かに大きな寸法でもって、Y軸方向において一定となるように構成したものである。
【0055】
かかる構成とした場合にも、前記一対のモジュール保持部材71a,71bにより、パワーモジュール51のモジュール本体61を保持ないし固定でき、当該構成であっても、パワーモジュール51が制御基板24に対して直交する配置となることから、ECU20の小型化に供される。
【0056】
また、本実施形態のように、前記パワーモジュール51をモジュール収容部41のY軸方向間で圧入状態に収容する構成としたことで、前記放熱面61aによる放熱効果も確保される。
【0057】
なお、本実施形態でも、前記パワーモジュール51の各側面61b,61cは、前記各モジュール保持部材71a,71bを介して前記各側部サポート面41b,41cに間接的に圧接することになるため、当該各側面61b,61cからも放熱効果を得ることができ、前記ヒートシンク31による放熱効果のさらなる向上に供される。
【0058】
また、本実施形態でも、前記各モジュール保持部材71a,71bにつき、前記各テーパ面71c,71dをパワーモジュール51(前記各側面61b,61c)との対向面のみに設ける構成としたが、前記第2実施形態で説明したように、モジュール収容部41の前記各側部サポート面41b,41cとの各対向面に設けてもよく、また、両面に設けることとしてもよい。
【0059】
図14は本発明に係るモータ駆動装置の第5実施形態を表したものであって、前記第1実施形態に係るパワーモジュール51〜53の保持手段を変更したものである。なお、当該変更は前記各パワーモジュール51〜53間で全て同一であることから、以下では、第1パワーモジュール51のみについて説明するものとし、第2、第3パワーモジュール52,53については説明を省略する。
【0060】
すなわち、本実施形態では、モジュール収容部41の背部サポート面41dを廃止し、当該モジュール収容部41のY軸負方向側が基板収容部30に開口するように構成されると共に、当該モジュール収容部41の内部寸法がパワーモジュール51(モジュール本体61)の外部寸法より僅かに小さく設定され、当該モジュール収容部41内においてパワーモジュール51が圧入保持されるように構成されている。
【0061】
このような構成によっても、前記モジュール本体61の放熱面61aを前記モジュール収容部41の受熱面41aに密着させることができ、前記第1実施形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。
【0062】
また、本実施形態の場合には、前記各モジュール保持部材71〜73を廃止することができるため、装置の構成部品点数の削減による生産性の向上や製造コストの低廉化にも寄与できる。
【0063】
なお、本実施形態では、前記モジュール本体61全体を前記モジュール収容部41内に収容する構成としたが、必ずしもモジュール本体61全体がヒートシンク31内に収容されている必要はなく、例えば図15に示すように、前記モジュール収容部41を縮小してモジュール本体61の一部を当該モジュール収容部41内に圧入保持させるように構成してもよく、かかる構成によっても、前述のような本実施形態の特異な作用効果が得られる。
【0064】
本発明は、前記各実施形態の構成に限定されるものではなく、例えばECUハウジング21や前記各基板23,24の形状、並びにパワー基板23の実装部品の構成等については、その適用対象(例えばパワーステアリング装置)の仕様等に応じて自由に変更することができる。
【0065】
さらに、前記各実施形態では、本発明に係る半導体モジュールとして、内部に一対の半導体スイッチング素子や抵抗体等が収容されてなるモジュール本体61〜63によって構成される前記各パワーモジュール51〜53を用いた形態について例示しているが、本発明に係る半導体モジュールは、前記各パワーモジュール61〜63のような複合的なもののみならず、半導体素子単体をも含む概念である。換言すれば、前記各実施形態に係るパワーモジュール61〜63の代わりに半導体素子単体を用いることとしても、前記各実施形態の作用効果を奏し得る。
【0066】
また、前記各実施形態では、前記各モジュール保持部材71〜73又は前記各モジュール本体61〜63側のみ前記各テーパ面71a〜73a等を設ける構成としたが、これに加え、当該各テーパ面71a〜73a等と対向する前記各モジュール収容部41〜43の背面41d〜43d(当該各テーパ面71a〜73aを前記各モジュール本体61〜63との対向面に設ける場合には当該各モジュール本体61〜63)等に、前記各テーパ面71a〜73a等に対応する(係合する)テーパ面を設けることとしてもよい。このような構成とした場合には、相互のテーパ面の係合をもって、前記各モジュール本体61〜63を、前記各ヒートシンク31〜33に対して、直接又は前記各モジュール保持部材71〜73を介して間接的に、より適切に密着させることが可能となり、前記各パワーモジュール51〜53のより効果的な放熱に供されることとなる。
【0067】
また、前記各モジュール保持部材71〜73については、前述のような金属材料のみならず、樹脂材料によって形成することも可能であり、このように、当該各モジュール保持部材71〜73を樹脂材料によって形成した場合には、当該各モジュール保持部材71〜73によって前記各パワーモジュール51〜53を損傷してしまうおそれがなく、装置の品質向上に供される。また、前記各モジュール保持部材71〜73を樹脂製とすることで、これら各モジュール保持部材71〜73と他の回路との干渉を回避するための絶縁処理等も不要となり、装置の製造コストの低廉化等にも貢献できる。
【0068】
さらに、前記各モジュール保持部材71〜73のZ軸方向幅Z1についても、第1、第3実施形態であればその正方向端のY軸方向幅が前記隙間C1よりも大きく設定され、また、第2、第4実施形態であればその正方向端のX軸方向幅が前記隙間C2よりも大きく設定されることによって前記各モジュール本体61〜63が前記各ヒートシンク31〜33へと押し付けられた状態で前記各モジュール収容部41〜43内に保持される構成となっていればよいことから、制御基板24の搭載位置等、装置の仕様に応じて自由に変更可能である。
【0069】
その他、前記各実施形態では、前記各パワーモジュール51〜53において過電流保護機能を担保させることによりリレーを省略した構成となっているが、当該リレーを別途設けるかたちで構成することも可能である。その場合には、よりバッテリに近い位置となるコネクタ25(中継端子59)近傍に配置することで、前記各電解コンデンサ54〜56等の実装部品に対する悪影響が極力抑制される。
【符号の説明】
【0070】
10…モータ
20…ECU
21…ECUハウジング
24…制御基板
31,32,33…第1〜第3ヒートシンク(ヒートシンク)
41,42,43…第1〜第3モジュール収容部(モジュール収容部)
41a,42a,43a…第1〜第3ヒートシンクの受熱面(受熱面)
51,52,53…第1〜第3パワーモジュール(半導体モジュール)
61a,62a,63a…第1〜第3パワーモジュールの放熱面(放熱面)
71,72,73…第1〜第3モジュール保持部材(モジュール保持手段)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータの軸方向一端側に、該モータの駆動制御に供するECUが付設されたモータ駆動装置であって、
一端側が開口形成されたECUハウジング内に収容され、前記モータと対向するように配置される制御基板と、
前記ECUハウジングの内側部に設けられ、前記制御基板に対してほぼ直交するように構成された受熱面を有するヒートシンクと、
前記制御基板と電気的に接続されることによって前記モータの電力供給制御に供され、その外側部に放熱面が設けられた複数の半導体モジュールと、
前記ECUハウジングの一端側へと開口するようにして前記ヒートシンクに付設され、前記開口部を介して挿入される前記各半導体モジュールを収容するモジュール収容部と、
前記放熱面を前記受熱面に圧接させつつ前記各半導体モジュールを前記モジュール収容部内に保持するモジュール保持手段と、を備えたことを特徴とするモータ駆動装置。
【請求項2】
前記各半導体モジュールの本体外周には、その一部又は全部が金属材料によって構成された比較的大きな面積を有する放熱面と、該放熱面とほぼ直交するように構成された比較的小さな面積を有する一対の側面と、前記放熱面の反対側に前記一対の側面とほぼ直交するように構成された背面と、が設けられる一方、
前記素子収容部の内周には、前記放熱面に対向する前記受熱面と、前記一対の側面にそれぞれ対向する一対の側部サポート面と、前記受熱面と対向するかたちで前記一対のサポート面とほぼ直交するように構成された背部サポート面と、が設けられ、
前記素子保持手段は、前記各半導体モジュールの前記背面と前記素子収容部の前記背部サポート面との間に装入される押圧保持部材の、前記背面又は前記背部サポート面との対向面のうち少なくとも一方の対向面に設けられたテーパ面によって構成されていることを特徴とする請求項1に記載のモータ駆動装置。
【請求項3】
前記各半導体モジュールの本体外周には、その一部又は全部が金属材料によって構成された比較的大きな面積を有する放熱面と、該放熱面とほぼ直交するように構成された比較的小さな面積を有する一対の側面と、前記放熱面の反対側に前記一対の側面とほぼ直交するように構成された背面と、が設けられる一方、
前記素子収容部の内周には、前記放熱面に対向する前記受熱面と、前記一対の側面にそれぞれ対向する一対の側部サポート面と、前記受熱面と対向するかたちで前記一対のサポート面とほぼ直交するように構成された背部サポート面と、が設けられ、
前記素子保持手段は、前記各半導体モジュールの前記一対の側面と前記素子収容部の前記一対の側部サポート面との間にそれぞれ装入される押圧保持部材の、少なくとも前記一対の側面との対向面に設けられたテーパ面によって構成されることを特徴とする請求項1に記載のモータ駆動装置。
【請求項4】
前記各半導体モジュールの本体外周には、その一部又は全部が金属材料によって構成された比較的大きな面積を有する放熱面と、該放熱面とほぼ直交するように構成された比較的小さな面積を有する一対の側面と、前記放熱面の反対側に前記一対の側面とほぼ直交するように構成された背面と、が設けられる一方、
前記素子収容部の内周には、前記放熱面に対向する前記受熱面と、前記一対の側面にそれぞれ対向する一対の側部サポート面と、前記受熱面と対向するかたちで前記一対のサポート面とほぼ直交するように構成された背部サポート面と、が設けられ、
前記素子保持手段は、少なくとも前記各半導体モジュールの前記背面にそれぞれ設けられたテーパ面によって構成されることを特徴とする請求項1に記載のモータ駆動装置。
【請求項5】
モータの軸方向一方側に、該モータの駆動制御に供するECUが付設されたモータ駆動装置であって、
一端側が開口形成されたECUハウジング内に収容され、前記モータと対向するように配置される制御基板と、
前記ECUハウジングの内側部に設けられ、前記制御基板に対してほぼ直交するように構成された受熱面を有するヒートシンクと、
前記制御基板と電気的に接続されることによって前記モータの電力供給制御に供され、その外側部に放熱面が設けられた複数の半導体モジュールと、
前記ECUハウジングの一端側へと開口するようにして前記ヒートシンクに付設され、前記開口部を介して挿入される前記各半導体モジュールを収容するモジュール収容部と、
前記開口部を介して前記モジュール収容部と前記各半導体モジュールの間に装入され、前記モジュール収容部内に前記各半導体モジュールを保持固定するモジュール保持手段と、を備え、
前記各半導体モジュールに発生した熱が、前記放熱面から前記受熱面に直接、又は前記モジュール保持手段を介して間接的に前記ヒートシンクに伝達されるように構成されていることを特徴とするモータ駆動装置。
【請求項6】
モータの軸方向一方側に、該モータの駆動制御に供するECUが付設されたモータ駆動装置であって、
一端側が開口形成されたECUハウジング内に収容され、前記モータと対向するように配置される制御基板と、
前記ECUハウジングの内側部に設けられ、前記制御基板に対してほぼ直交するように構成された受熱面を有するヒートシンクと、
前記制御基板と電気的に接続されることによって前記モータの電力供給制御に供され、その外側部に放熱面が設けられた複数の半導体モジュールと、
前記ECUハウジングの一端側へと開口するようにして前記ヒートシンクに付設され、その内部に前記開口部を介して前記各半導体モジュールが圧入状態に収容保持されるモジュール収容部と、を備え、
前記各半導体モジュールに発生した熱が前記放熱面から前記受熱面を介して前記ヒートシンクへと直接伝達されるように構成されていることを特徴とするモータ駆動装置。
【請求項1】
モータの軸方向一端側に、該モータの駆動制御に供するECUが付設されたモータ駆動装置であって、
一端側が開口形成されたECUハウジング内に収容され、前記モータと対向するように配置される制御基板と、
前記ECUハウジングの内側部に設けられ、前記制御基板に対してほぼ直交するように構成された受熱面を有するヒートシンクと、
前記制御基板と電気的に接続されることによって前記モータの電力供給制御に供され、その外側部に放熱面が設けられた複数の半導体モジュールと、
前記ECUハウジングの一端側へと開口するようにして前記ヒートシンクに付設され、前記開口部を介して挿入される前記各半導体モジュールを収容するモジュール収容部と、
前記放熱面を前記受熱面に圧接させつつ前記各半導体モジュールを前記モジュール収容部内に保持するモジュール保持手段と、を備えたことを特徴とするモータ駆動装置。
【請求項2】
前記各半導体モジュールの本体外周には、その一部又は全部が金属材料によって構成された比較的大きな面積を有する放熱面と、該放熱面とほぼ直交するように構成された比較的小さな面積を有する一対の側面と、前記放熱面の反対側に前記一対の側面とほぼ直交するように構成された背面と、が設けられる一方、
前記素子収容部の内周には、前記放熱面に対向する前記受熱面と、前記一対の側面にそれぞれ対向する一対の側部サポート面と、前記受熱面と対向するかたちで前記一対のサポート面とほぼ直交するように構成された背部サポート面と、が設けられ、
前記素子保持手段は、前記各半導体モジュールの前記背面と前記素子収容部の前記背部サポート面との間に装入される押圧保持部材の、前記背面又は前記背部サポート面との対向面のうち少なくとも一方の対向面に設けられたテーパ面によって構成されていることを特徴とする請求項1に記載のモータ駆動装置。
【請求項3】
前記各半導体モジュールの本体外周には、その一部又は全部が金属材料によって構成された比較的大きな面積を有する放熱面と、該放熱面とほぼ直交するように構成された比較的小さな面積を有する一対の側面と、前記放熱面の反対側に前記一対の側面とほぼ直交するように構成された背面と、が設けられる一方、
前記素子収容部の内周には、前記放熱面に対向する前記受熱面と、前記一対の側面にそれぞれ対向する一対の側部サポート面と、前記受熱面と対向するかたちで前記一対のサポート面とほぼ直交するように構成された背部サポート面と、が設けられ、
前記素子保持手段は、前記各半導体モジュールの前記一対の側面と前記素子収容部の前記一対の側部サポート面との間にそれぞれ装入される押圧保持部材の、少なくとも前記一対の側面との対向面に設けられたテーパ面によって構成されることを特徴とする請求項1に記載のモータ駆動装置。
【請求項4】
前記各半導体モジュールの本体外周には、その一部又は全部が金属材料によって構成された比較的大きな面積を有する放熱面と、該放熱面とほぼ直交するように構成された比較的小さな面積を有する一対の側面と、前記放熱面の反対側に前記一対の側面とほぼ直交するように構成された背面と、が設けられる一方、
前記素子収容部の内周には、前記放熱面に対向する前記受熱面と、前記一対の側面にそれぞれ対向する一対の側部サポート面と、前記受熱面と対向するかたちで前記一対のサポート面とほぼ直交するように構成された背部サポート面と、が設けられ、
前記素子保持手段は、少なくとも前記各半導体モジュールの前記背面にそれぞれ設けられたテーパ面によって構成されることを特徴とする請求項1に記載のモータ駆動装置。
【請求項5】
モータの軸方向一方側に、該モータの駆動制御に供するECUが付設されたモータ駆動装置であって、
一端側が開口形成されたECUハウジング内に収容され、前記モータと対向するように配置される制御基板と、
前記ECUハウジングの内側部に設けられ、前記制御基板に対してほぼ直交するように構成された受熱面を有するヒートシンクと、
前記制御基板と電気的に接続されることによって前記モータの電力供給制御に供され、その外側部に放熱面が設けられた複数の半導体モジュールと、
前記ECUハウジングの一端側へと開口するようにして前記ヒートシンクに付設され、前記開口部を介して挿入される前記各半導体モジュールを収容するモジュール収容部と、
前記開口部を介して前記モジュール収容部と前記各半導体モジュールの間に装入され、前記モジュール収容部内に前記各半導体モジュールを保持固定するモジュール保持手段と、を備え、
前記各半導体モジュールに発生した熱が、前記放熱面から前記受熱面に直接、又は前記モジュール保持手段を介して間接的に前記ヒートシンクに伝達されるように構成されていることを特徴とするモータ駆動装置。
【請求項6】
モータの軸方向一方側に、該モータの駆動制御に供するECUが付設されたモータ駆動装置であって、
一端側が開口形成されたECUハウジング内に収容され、前記モータと対向するように配置される制御基板と、
前記ECUハウジングの内側部に設けられ、前記制御基板に対してほぼ直交するように構成された受熱面を有するヒートシンクと、
前記制御基板と電気的に接続されることによって前記モータの電力供給制御に供され、その外側部に放熱面が設けられた複数の半導体モジュールと、
前記ECUハウジングの一端側へと開口するようにして前記ヒートシンクに付設され、その内部に前記開口部を介して前記各半導体モジュールが圧入状態に収容保持されるモジュール収容部と、を備え、
前記各半導体モジュールに発生した熱が前記放熱面から前記受熱面を介して前記ヒートシンクへと直接伝達されるように構成されていることを特徴とするモータ駆動装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2013−62996(P2013−62996A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−201407(P2011−201407)
【出願日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【出願人】(509186579)日立オートモティブシステムズ株式会社 (2,205)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【出願人】(509186579)日立オートモティブシステムズ株式会社 (2,205)
【Fターム(参考)】
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