説明

ランプ装置

【課題】 最冷点温度を直線形・丸形の蛍光ランプに近づけることができるランプ装置を提供する。
【解決手段】 本ランプ装置は、発光管11を有するランプ部2と、電源に接続される口金3、発光管11を点灯するための点灯駆動回路5および点灯駆動回路5を収納する点灯駆動回路収納カバー4を有する回路部1とを備える。金属材13,14により発光管11の最冷点部16と口金3との間を接続する。金属材14は、点灯駆動回路収納カバー4の内面に沿って配置される。回路部1は、金属材14と点灯駆動回路5との間に熱の伝達を抑える介在物を備えることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はランプ装置に係り、特に口金、発光管及びそれを点灯するための点灯駆動回路を備えたランプ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、省エネルギー等を目的として、インバータ式点灯駆動回路を内蔵した電球形やコンパクト形の蛍光ランプ等のランプ装置が多く使用されるようになってきた。一般的に、この種の電球形蛍光ランプの点灯時における発光管の輻射熱は、直線形・丸形の蛍光ランプの輻射熱よりも高い。そのため、蛍光ランプの発光に不可欠な水銀の供給形態を両ランプで変えているのが現状である。すなわち、低輻射熱の直線形・丸形の蛍光ランプの場合は、純水銀または純水銀にほぼ等しい特性を持つ水銀アマルガムを封入しているため、低温で発光管内の水銀蒸気圧が最適になり、始動時から安定点灯時まで一定の十分な光出力が得られる。これに対し、高輻射熱の電球形蛍光ランプの場合は、純水銀よりも高温で発光管内の水銀蒸気圧が最適になる水銀アマルガムを封入しているため、安定点灯時には十分な光出力が得られるが、始動時の低温時には十分な光出力が得られない。
【0003】
この種の電球形蛍光ランプは、例えば特許文献1に記載されている。この技術は、バルブの連結管部の内径を管体の内径の40%以上の太径とするもので、これにより始動時に管体内のアマルガムから放出された水銀を、連結管部を経て隣の管体へ円滑かつ迅速に拡散させ、始動時のランプ全体の光束立ち上がり特性を向上しようとするものである。
【特許文献1】特開2002−15702号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
高輻射熱である電球形蛍光ランプにおいても始動時から十分な光出力を得るためには、直線形・丸形の蛍光ランプと同様に純水銀または純水銀にほぼ等しい特性を持つ水銀アマルガムを封入するうえ、発光管の輻射熱を外部に放出して、発光管内の水銀が集まる最冷点温度を直線形・丸形の蛍光ランプに近づける必要がある。
【0005】
従って本発明の目的は、最冷点温度を直線形・丸形の蛍光ランプに近づけることができるランプ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的は、発光管を有するランプ部と、電源に接続される口金、前記発光管を点灯するための点灯駆動回路および前記点灯駆動回路を収納する回路収納カバーを有する回路部とを備えたランプ装置であって、前記回路収納カバー内を通して設けられた前記発光管の最冷点部と前記口金との間を接続する金属材を備えたランプ装置により達成される。
ここで、前記発光管の最冷点部に一端が接続された前記ランプ部における第1金属材と前記口金に一端が接続された前記回路部における第2金属材とに前記金属材が分割され、かつ前記ランプ部と前記回路部とが着脱自在に構成され、前記ランプ部と前記回路部とが結合したときに、前記ランプ部における前記発光管に接続された第1導電部材と前記回路部における前記点灯駆動回路に接続された第2導電部材とが電気的に接続されるとともに、前記第1金属材の他端と前記第2金属材の他端とが熱的に接続されるように構成することができる。
【0007】
前記回路部における金属材は、前記回路収納カバーの内面に沿って配置することができる。前記回路部は、前記金属材と前記点灯駆動回路との間に熱の伝達を抑える介在物を備えることができる。また、前記ランプ部は、前記発光管に接続されたリード線と前記金属材との間に熱の伝達を抑える介在物を備えることができる。前記介在物は絶縁物からなることが好ましい。前記ランプ部における金属材の一端は、前記発光管の最冷点部を覆うことができる。
【0008】
また、本発明に係るランプ装置は、発光管、前記発光管の最冷点部に一端が接続された第1金属材、および前記発光管に接続された第1導電部材を有するランプ部と、電源に接続される口金、前記口金に一端が接続された第2金属材、前記発光管を点灯するための点灯駆動回路、前記点灯駆動回路に接続された第2導電部材および前記点灯駆動回路を収納する回路収納カバーを有する回路部とを着脱自在に備え、前記ランプ部と前記回路部とが結合したときに、前記第1導電部材と前記第2導電部材とが電気的に接続されるとともに、前記第1金属材の他端と前記第2金属材の他端とが熱的に接続されるように構成される。
【0009】
本発明に係るランプ体は、電源に接続される口金、前記口金に一端が接続された第2金属材、発光管を点灯するための点灯駆動回路、前記点灯駆動回路に接続された第2導電部材および前記点灯駆動回路を収納する回路収納カバーを有するランプ点灯回路装置に対して着脱自在に構成されたランプ体であって、発光管と、前記発光管の最冷点部に一端が接続された第1金属材と、前記発光管に接続された第1導電部材とを備え、前記ランプ点灯回路装置と結合したときに、前記第1導電部材が前記第2導電部材と電気的に接続されるとともに、前記第1金属材の他端が前記第2金属材の他端と熱的に接続されるように構成される。
【0010】
本発明に係るランプ点灯回路装置は、発光管、前記発光管の最冷点部に一端が接続された第1金属材、および前記発光管に接続された第1導電部材を有するランプ体に対して着脱自在に構成されたランプ点灯回路装置であって、電源に接続される口金と、前記口金に一端が接続された第2金属材と、前記発光管を点灯するための点灯駆動回路と、前記点灯駆動回路に接続された第2導電部材と、前記点灯駆動回路を収納する回路収納カバーとを備え、前記ランプ体と結合したときに、前記第2導電部材が前記第1導電部材と電気的に接続されるとともに、前記第2金属材の他端が前記第1金属材の他端と熱的に接続されるように構成される。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、最冷点温度を直線形・丸形の蛍光ランプに近づけることができる。これにより、始動時から安定点灯時まで十分な光出力が得られる。また、ランプ部と回路部とを着脱自在に構成することにより、ランプ部(発光管)が寿命に至った場合、従来のようにランプ装置全体を交換するのではなく、回路部からランプ部を取り外し、新たなランプ部をその回路部に取り付けることで、回路部を再利用することができる。このように構成することにより、ランプ性能の向上だけでなく、近年の更なる省エネルギー、省資源化の要求に沿うものになる。
【0012】
回路部における金属材を回路収納カバーの内面に沿って配置することで、点灯駆動回路から金属材をできるだけ離すことで、点灯駆動回路から金属材への熱の影響を抑えることができるとともに、金属材の熱を回路収納カバーから外部に放出することができる。金属材と点灯駆動回路との間に熱の伝達を抑える介在物を備えることで、点灯駆動回路から金属材への熱の影響を抑えることができる。この介在物を絶縁物とすることで、点灯駆動回路と金属材間の電気的接触の可能性を低減することができる。ランプ部における金属材の一端が発光管の最冷点部を覆うことで、発光管の輻射熱を効率良く外部に放出することができる。
【0013】
本発明によるランプ部と回路部とを着脱自在に構成したランプ装置によれば、ランプ体(発光管)が寿命に至った場合、従来のようにランプ装置全体を交換するのではなく、ランプ点灯回路装置からランプ体を取り外し、新たなランプ体をそのランプ点灯回路装置に取り付けることで、ランプ点灯回路装置を再利用することができる。本発明によるランプ体によれば、ランプ体(発光管)が寿命に至った場合、従来のようにランプ装置全体を交換するのではなく、ランプ点灯回路装置からランプ体を取り外し、新たなランプ体をそのランプ点灯回路装置に取り付けることができる。本発明によるランプ点灯回路装置によれば、ランプ体(発光管)が寿命に至った場合、ランプ点灯回路装置からランプ体を取り外し、新たなランプ体をそのランプ点灯回路装置に取り付けることで、ランプ点灯回路装置を再利用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明に係るランプ装置の実施例を蛍光ランプの場合を例にとって図面にしたがって説明する。図中に記載する参照符号は以下に説明する各実施例において全て共通符号とする。各図において、参照符号1は蛍光ランプの回路部(ランプ点灯回路装置)、2は蛍光ランプのランプ部(ランプ体)、3はE26口金、4はインバータ式点灯駆動回路収納カバー、5はインバータ式点灯駆動回路、6は接続ピンとインバータ式点灯駆動回路との導電接続金具(回路部導電部材)、7は接続ピン(ランプ部導電部材)、8は接続ピンと発光管電極部との接続リード線、9は発光管収納カバー、10はインナーケース(発光管保持部材)、11は放電発光管、12はガラスグローブ、13はランプ部の銅製金具(金属材)、14は回路部の銅製金具(金属材)、15、25はグラスウール(断熱材)、16は放電発光管の排気管トップ部(最冷点部)、17は電源口金ソケットである。
【実施例1】
【0015】
図1は、本発明に係るランプ装置の第1の実施例を示す図である。本ランプ装置は、図示のように、発光管11を有するランプ部2と、電源に接続される口金3、発光管11を点灯するための点灯駆動回路5および点灯駆動回路5を収納する点灯駆動回路収納カバー4を有する回路部1とを備える。本実施例のランプ装置は、回路部1とランプ部2が一体的に形成されたものである。この場合、金属材13,14は分割されていない単一の金属材とすることができ、この金属材により発光管11の最冷点部16と口金3との間を接続する。これにより、発光管輻射熱が、最冷点部16・金属材(13,14)・口金3を介して電源口金ソケット17へ伝達される。この金属材(銅製金具)による放熱効果は例えば次のとおりである。従来の蛍光ランプにおける発光管の最冷点温度は115℃であった。本発明における発光管の最冷点温度は61℃であるため、従来の蛍光ランプの最冷点温度より約50℃の低減効果を得られ、直線形・丸形の蛍光ランプにおける発光管の最冷点温度である約40℃に近づけることができた。これにより、本ランプ装置では、発光管11に低輻射熱の直線形・丸形の蛍光ランプの場合と同様な純水銀または純水銀にほぼ等しい特性を持つ水銀アマルガムを封入することができる。本実施例では、純水銀にほぼ等しい特性を持つ水銀アマルガムを封入した。この事情は以下の第2の実施例でも同様である。
【0016】
ここで、金属材とは、熱伝導性に優れた金属または金属を用いた材料をいい、銅やアルミニウムやそれらの化合物といった金属やこれらの金属が混入されたシリコーン材などを含む。本実施例では、上述のとおり金属材として銅製金具を用いた。
【0017】
回路部1における金属材14は、点灯駆動回路収納カバー4内を通して設けられ、好適には点灯駆動回路収納カバー4の内面に沿って配置される。回路部1は、金属材14と点灯駆動回路5との間に熱の伝達を抑える介在物としてグラスウール(断熱材)15を備えることができる。また、ランプ部2は、発光管11に接続されたリード線8と金属材13との間に熱の伝達を抑える介在物としてグラスウール(断熱材)25を備えることができる。この介在物は絶縁物とすることができる。また、ランプ部2における金属材13の一端は、発光管11の最冷点部16の周囲を覆うように配置することができる。
【実施例2】
【0018】
図2は、本発明に係るランプ装置の第2の実施例を示す図である。本ランプ装置は、図示のように、発光管11、発光管11の最冷点部16に一端が接続された金属材13、および発光管11に接続された接続ピン(導電部材)7を有するランプ部2と、電源に接続される口金3、口金3に一端が接続された金属材14、発光管11を点灯するための点灯駆動回路5、点灯駆動回路5に接続された導電接続金具(導電部材)6および点灯駆動回路5を収納する回路収納カバー4を有する回路部(ランプ点灯回路装置)1とを着脱自在に備えたものである。そして、ランプ部2と回路部1とが結合したときに、接続ピン(導電部材)7と導電接続金具(導電部材)6とが電気的に接続されるとともに、金属材13の他端と金属材14の他端とが熱的に接続されるように構成される。
【0019】
すなわち、ランプ部(ランプ体)2は、回路部(ランプ点灯回路装置)1に対して着脱自在に構成され、発光管11と、発光管11の最冷点部16に一端が接続された金属材13と、発光管11に接続された接続ピン(導電部材)7とを備え、回路部(ランプ点灯回路装置)1と結合したときに、接続ピン(導電部材)7が導電接続金具(導電部材)6と電気的に接続されるとともに、金属材13の他端が金属材14の他端と熱的に接続されるように構成される。一方、回路部(ランプ点灯回路装置)1は、ランプ部(ランプ体)2に対して着脱自在に構成され、電源に接続される口金3と、口金3に一端が接続された金属材14と、発光管11を点灯するための点灯駆動回路5と、点灯駆動回路5に接続された導電接続金具(導電部材)6と、点灯駆動回路5を収納する回路収納カバー4とを備え、ランプ体2と結合したときに、導電接続金具(導電部材)6が接続ピン(導電部材)7と電気的に接続されるとともに、金属材14の他端が金属材13の他端と熱的に接続されるように構成される。
【0020】
ここで、熱的に接続されるとは、金属材と金属材との間に熱の伝達が行われるように接続されることをいう。本実施例では、ランプ部2と回路部1とを組み合わせた一体状態における金属材13と金属材14との熱伝達経路は機械的な接触によるものであるが、その接触方法は、面接触、線接触、点接触、勘合などを含み、さらに接触箇所にグリスなど熱伝達物質を介在させてもよい。
【0021】
このように、本ランプ装置は、ランプ部と回路部が分離型であり、発光管11の最冷点部16に一端が接続されたランプ部(ランプ体)2における金属材13と口金3に一端が接続された回路部(ランプ点灯回路装置)1における金属材14とに金属材が分割され、かつランプ部2と回路部1とが着脱自在に構成されており、ランプ部2と回路部1とが結合したときに、ランプ部2における発光管11に接続された接続ピン(導電部材)7と回路部1における点灯駆動回路5に接続された導電接続金具(導電部材)6とが電気的に接続されるとともに、金属材13の他端と第2金属材14の他端とが熱的に接続されるように構成される点で、ランプ部と回路部が一体型の図1のランプ装置と異なる。
【0022】
図2の実施例をさらに詳述する。図示のように、本ランプ装置は、発光管11を有するランプ部2と、電源に接続されるE26口金3および発光管11を点灯するための点灯駆動回路5を有する回路部1とを着脱自在に組み合わせたものである。ランプ部2は、発光管11を保持するインナーケース(発光管保持部材)10と、発光管11の電極に接続された接続ピン(ランプ部接続部材)7と、ランプ部の銅製金具(金属材)13と、発光管収納カバー9と、ガラスグローブ12を備える。回路部1は、接続ピン7に係合し点灯駆動回路5に接続される導電接続金具(回路部接続部材)6と、点灯駆動回路5を収納する点灯駆動回路収納カバー4と回路部の銅製金具(金属材)14と、E26口金3とを備える。なお、口金形状は単一形状に限定するものではなく、これ以外のサイズのE口金、B口金なども用いることができる。また、接続ピン7は、G10q型である。但し、ピン形状は1つに限定するものではない。
【0023】
回路部1とランプ部2は着脱自在である。回路部1は、電源口金ソケット17に接続されるE26口金3と、これに固着された点灯駆動回路収納カバー4と、このカバー内に収納された点灯駆動回路5とを備えている。ランプ部2は、一対の電極を有し内面に蛍光体が塗布された発光管11とこれを保持するインナーケース10とを備えている。発光管11はその両端部でインナーケース10に保持されている。発光管11の両端部の二対の電極にはランプ部接続部材として接続ピン7が接続され、この接続ピン7に係合する回路部接続部材としての導電接続金具6が回路部1の対応個所に備えられている。
【0024】
このように、接続ピン7と接続金具6とが電気的に接続した状態で係合することにより、回路部1とランプ部2とが一体に接合し、蛍光ランプとして点灯できる状態になる。逆に、これらの接続ピン7と導電接続金具6との接続を外すことにより、回路部1とランプ部2とが分離し、ランプ部2の交換が可能になる。
【0025】
ランプ部2においては発光管11の排気管トップ部(最冷点部)16と発光管収納カバー9に銅製金具(金属材)13を連結させ、一方、回路部1においては点灯駆動回路収納カバー4とE26口金3に銅製金具(金属材)14を連結させることにより、ランプ部2と回路部1とを組み合わせた一体化状態において銅製金具(金属材)13と銅製金具(金属材)14が機械的に接触し、ランプ点灯状態において、発光管の排気管封止トップ部(最冷点部)16の輻射熱を、E26口金3を介して電源口金ソケット17に伝熱することができる。
【0026】
発光管輻射熱を口金を介して口金ソケットへ伝達させるには、ランプ部と回路部のそれぞれに伝熱経路を形成し、ランプ部と回路部を組み合わせて一体化した際に、各伝熱経路を連結させる必要がある。ランプ部の伝熱経路は、発光管の最冷点部に金属材の一端が接触しており、金属材のもう一端は発光管収納カバーの外表面に接触している。従って、発光管の輻射熱が最冷点から金属材の一端に伝わり、金属材を伝って発光管収納カバーの外表面に接触している金属材のもう一端から外部へ伝熱する。一方、回路部の伝熱経路は、点灯駆動回路収納カバーの外表面に金属材の一端が接触しており、金属材のもう一端は口金に接触している。従って、点灯駆動回路収納カバーの外表面に接触している金属材の一端から外部からの熱を受取り、金属材を伝って、金属材のもう一端に接触している口金を経由して電源口金ソケットへ伝熱する。ランプ部と回路部とを組み合わせた一体状態においては、ランプ部の発光管収納カバーの外表面に接触している金属材の一端と、回路部の点灯駆動回路収納カバーの外表面に接触している金属材の一端が接触し、ランプ部と回路部の伝熱経路が連結している状態になる。
【0027】
回路部の点灯駆動回路は駆動時に自己発熱するため、その熱を金属材が拾ってしまうと、発光管輻射熱の伝達効率が落ちる。このため、金属材は点灯駆動回路から離れた位置に設けることが望ましい。このため、金属材は点灯駆動回路収納カバー内面に沿って配置し、さらには点灯駆動回路と金属材との間には断熱材を介在させることが望ましい。また、発光管に接続されたリード線と金属材との間に断熱材を備えることが望ましい。断熱材は絶縁物であれば、点灯駆動回路と金属材との電気的接触防止の効果もある。
【0028】
インバータ点灯駆動回路には寿命末期電圧検知回路を内蔵させることにより、寿命に至った発光管は回路部1からランプ部2を分離させ、ランプ部2のみを新しいものに交換することによって、再び良好な点灯状態を取り戻すことができる。その結果、回路部1を長期間使用することができる。
【0029】
図3は、本発明に係るランプ装置の第2の実施例と、従来の高温アマルガムを封入した電球形蛍光ランプについての、始動時から安定点灯までの相対光出力の一例を示すグラフである。本図の横軸は点灯時間を示し、縦軸は各仕様の最大出力を100としたときの相対光出力を示す。図3において、本発明による電球形蛍光ランプの相対光出力19と、従来の高温アマルガム仕様の電球形蛍光ランプの相対光出力18とを比較すると分かるとおり、本発明による電球形蛍光ランプによれば、安定時の相対光出力を維持しつつ、始動時の相対光出力を約60%に改善することができる。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明はランプ装置に係り、特に口金、発光管及びそれを点灯するための点灯駆動回路を備えたランプ装置に関するものであり、産業上の利用可能性がある。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明に係るランプ装置の第1の実施例を示す図である。
【図2】本発明に係るランプ装置の第2の実施例を示す図である。
【図3】本発明に係るランプ装置の第2の実施例および従来技術に係る電球形蛍光ランプについての、始動時から安定点灯までの相対光出力の一例を示すグラフである。
【符号の説明】
【0032】
1 本発明の第1の実施例に係る蛍光ランプの回路部
2 本発明の第1の実施例に係る蛍光ランプのランプ部
3 E26口金
4 インバータ式点灯駆動回路収納カバー
5 インバータ式点灯駆動回路
6 導電接続金具
7 接続ピン
8 接続ピンと発光管電極部との接続リード線
9 発光管収納カバー
10 インナーケース
11 放電発光管
12 ガラスグローブ
13 ランプ部の銅製金具(金属材)
14 回路部の銅製金具(金属材)
15、25 グラスウール(断熱材)
16 放電発光管の排気管封止トップ部(最冷点部)
17 電源口金ソケット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光管を有するランプ部と、電源に接続される口金、前記発光管を点灯するための点灯駆動回路および前記点灯駆動回路を収納する回路収納カバーを有する回路部とを備えたランプ装置であって、前記回路収納カバー内を通して設けられた前記発光管の最冷点部と前記口金との間を接続する金属材を備えたことを特徴とするランプ装置。
【請求項2】
前記発光管の最冷点部に一端が接続された前記ランプ部における第1金属材と前記口金に一端が接続された前記回路部における第2金属材とに前記金属材が分割され、かつ前記ランプ部と前記回路部とが着脱自在に構成され、前記ランプ部と前記回路部とが結合したときに、前記ランプ部における前記発光管に接続された第1導電部材と前記回路部における前記点灯駆動回路に接続された第2導電部材とが電気的に接続されるとともに、前記第1金属材の他端と前記第2金属材の他端とが熱的に接続されるように構成したことを特徴とする請求項1記載のランプ装置。
【請求項3】
前記回路部における金属材が、前記回路収納カバーの内面に沿って配置されることを特徴とする請求項1または2記載のランプ装置。
【請求項4】
前記回路部が、前記金属材と前記点灯駆動回路との間に熱の伝達を抑える介在物を備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のランプ装置。
【請求項5】
前記ランプ部が、前記発光管に接続されたリード線と前記金属材との間に熱の伝達を抑える介在物を備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のランプ装置。
【請求項6】
前記介在物が絶縁物からなることを特徴とする請求項4または5記載のランプ装置。
【請求項7】
前記ランプ部における金属材の一端が、前記発光管の最冷点部を覆うことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のランプ装置。
【請求項8】
発光管、前記発光管の最冷点部に一端が接続された第1金属材、および前記発光管に接続された第1導電部材を有するランプ部と、電源に接続される口金、前記口金に一端が接続された第2金属材、前記発光管を点灯するための点灯駆動回路、前記点灯駆動回路に接続された第2導電部材および前記点灯駆動回路を収納する回路収納カバーを有する回路部とを着脱自在に備え、前記ランプ部と前記回路部とが結合したときに、前記第1導電部材と前記第2導電部材とが電気的に接続されるとともに、前記第1金属材の他端と前記第2金属材の他端とが熱的に接続されるように構成したことを特徴とするランプ装置。
【請求項9】
電源に接続される口金、前記口金に一端が接続された第2金属材、発光管を点灯するための点灯駆動回路、前記点灯駆動回路に接続された第2導電部材および前記点灯駆動回路を収納する回路収納カバーを有するランプ点灯回路装置に対して着脱自在に構成されたランプ体であって、発光管と、前記発光管の最冷点部に一端が接続された第1金属材と、前記発光管に接続された第1導電部材とを備え、前記ランプ点灯回路装置と結合したときに、前記第1導電部材が前記第2導電部材と電気的に接続されるとともに、前記第1金属材の他端が前記第2金属材の他端と熱的に接続されるように構成したことを特徴とするランプ体。
【請求項10】
発光管、前記発光管の最冷点部に一端が接続された第1金属材、および前記発光管に接続された第1導電部材を有するランプ体に対して着脱自在に構成されたランプ点灯回路装置であって、電源に接続される口金と、前記口金に一端が接続された第2金属材と、前記発光管を点灯するための点灯駆動回路と、前記点灯駆動回路に接続された第2導電部材と、前記点灯駆動回路を収納する回路収納カバーとを備え、前記ランプ体と結合したときに、前記第2導電部材が前記第1導電部材と電気的に接続されるとともに、前記第2金属材の他端が前記第1金属材の他端と熱的に接続されるように構成したことを特徴とするランプ点灯回路装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−10043(P2010−10043A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−170332(P2008−170332)
【出願日】平成20年6月30日(2008.6.30)
【出願人】(000005474)日立ライティング株式会社 (130)
【Fターム(参考)】