説明

リアビューカメラ用目安線登録重畳装置

【課題】リアビューカメラで表示する車両後方の画像に重畳する目安線の登録を簡便に行
う。
【解決手段】車両停止位置設定部150によって、床面や路面に表示された目安線と所定
の相対関係をなす位置に車両10を停止させ、撮像部20で撮影した目安線を含む画像の
中から目安線抽出部40で目安線を示す領域を抽出し、抽出した領域の形状と階調値を目
安線補正部50で補正して、目安線記憶部60に登録する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リアビューカメラで撮影した車両後方の映像に重畳される目安線の表示位置
を、車両を移動させることなく、簡便に登録し、記憶することができるリアビューカメラ
用目安線登録重畳装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、車両後退時に運転者の視覚補助を行うため、車両後方の映像をモニタに表示する
ことができるリアビューカメラが普及している。このようなリアビューカメラにあっては
、運転者に、車両後方の距離感覚を伝えるために、車両後方の映像の中に、車両の幅と車
両後方の距離を示す目安線を重畳表示するのが一般的である。また、車両によっては、操
舵角に連動して、車両の予測移動軌跡を示す目安線が表示されるものもある。
【0003】
これらの目安線の表示位置は、リアビューカメラを構成する撮像部の仕様や、リアビュ
ーカメラの設置位置によって異なるため、工場等においてリアビューカメラを車両に設置
する際に、個々の車両に適合させるための調整作業を行う必要がある。
【0004】
また、最近では、その調整作業を簡便に行うことができるシステムも提案されている(
特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−165973号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載された発明によると、車両を移動させながら目安線の
表示位置を決定する構成になっているため、作業の手続きが煩雑であって作業に時間がか
かり、また、車両を移動させるための広いスペースが必要であった。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、車両を移動させることなく、かつ簡便な手続
きで目安線の表示位置を登録することができるリアビューカメラ用目安線登録重畳装置を
提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るリアビューカメラ用目安線登録重畳装置は、リアビューカメラが装着され
た車両に用いられ、モニタに表示する車両後方の映像に重畳表示する、車両の幅と車両後
方の距離を示す目安線や、車両の予測移動軌跡を示す目安線の表示位置の登録を行うもの
である。
【0009】
すなわち、本発明の請求項1に記載のリアビューカメラ用目安線登録重畳装置は、車両
が置かれた床面や路面に、車両の幅と前記車両後方の距離とを示す目安線を提示する目安
線提示部と、車両の後部に設置され、車両の後方を撮影する撮像部と、撮像部で撮影され
た、目安線を含む画像の中から、目安線に対応する領域を抽出する目安線抽出部と、目安
線抽出部において抽出された領域に対して、その形状と階調値を補正する目安線補正部と
、目安線補正部の出力を登録する目安線記憶部と、撮像部で撮影した映像に、目安線記憶
部に登録された情報を重畳する目安線重畳部と、目安線重畳部で重畳された映像を表示す
る映像表示部と、目安線が、車両との相対関係が既知の位置に提示されるように、車両の
停止位置を設定する車両停止位置設定部と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
また、本発明の請求項2に記載のリアビューカメラ用目安線登録重畳装置は、目安線提
示部が、前記車両の幅と前記車両後方の距離とを示す目安線を、所定の色で描画するもの
であることを特徴とする。
【0011】
さらに、本発明の請求項3に記載のリアビューカメラ用目安線登録重畳装置は、目安線
提示部は、車両が直進状態にあるときの車両の幅と車両後方の距離とを示す目安線を、前
記車両が置かれた床面に投影する目安線投影部を有するものであることを特徴とする。
【0012】
そして、本発明の請求項4に記載のリアビューカメラ用目安線登録重畳装置は、目安線
投影部が、車両が直進状態にあるときの車両の幅と車両後方の距離とを示す目安線と、車
両が左右フル操舵の状態にあるときの車両の幅と車両の予測移動軌跡とを示す目安線と、
を投影するものであることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の請求項5に記載のリアビューカメラ用目安線登録重畳装置は、目安線抽
出部で、目安線投影部から目安線を投影していないときに撮像部によって撮影された画像
と、目安線投影部から目安線が投影されているときに撮像部によって撮影された画像との
差分演算が行われ、差分値が所定値以上の値を有する画素を、目安線として抽出すること
を特徴とする。
【0014】
また、本発明の請求項6に記載のリアビューカメラ用目安線登録重畳装置は、車両停止
位置設定部が、目安線の車両側の端点が車両の後端と一致し、目安線の方向が車両の直進
後退方向と一致するように、車両と目安線提示部で提示された目安線との位置関係を設定
するものであることを特徴とする。
【0015】
また、本発明の請求項7に記載のリアビューカメラ用目安線登録重畳装置は、目安線抽
出部では、撮像部で撮影された目安線を含む画像の中から、目安線提示部に提示された目
安線を構成するそれぞれの色に対応して設定された階調値範囲に属する画素を抽出するこ
とを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
このように構成された請求項1に記載のリアビューカメラ用目安線登録重畳装置によれ
ば、車両停止位置設定部によって、車両と所定の相対関係をなすように目安線提示部によ
って提示された目安線を、撮像部によって撮影し、目安線抽出部において、撮影された画
像の中から目安線を示す領域を抽出して、抽出された目安線を示す領域の形状と階調値と
が、目安線補正部において補正され、目安線補正部で補正された目安線を示す領域が目安
線記憶部に記憶されるため、車両を移動させることなく、個々の車両に適合した目安線の
表示位置を簡便に登録することができ、これによって、目安線の登録作業を短時間で行え
るため、目安線の登録作業の省人化や省時間化が図れるという効果が得られる。
【0017】
また、請求項2に記載のリアビューカメラ用目安線登録重畳装置によれば、目安線提示
部によって、床面や路面、あるいは、所定の色の布またはパネルに、車両の幅と車両後方
の距離とを示す目安線が、所定の色で描画されるため、車両を移動させることなく、目安
線の表示位置を簡便に登録できるため、省人化、省時間化が図れるという効果が得られる

【0018】
そして、請求項3に記載のリアビューカメラ用目安線登録重畳装置によれば、目安線投
影部によって、目安線を車両後方の床面や路面に投影するため、車両を移動させることな
く、目安線の表示位置を簡便に登録でき、また、車両が変わっても、その車両にあった目
安線を床面や路面に投影することができるため、異なる車両に対する目安線の登録作業を
行う際に、床面や路面の目安線の表示を交換することなく、異なる車両に対する目安線の
登録作業を同じ場所で行うことができ、登録作業のより一層の省人化、省時間化、省スペ
ース化が図れるという効果が得られる。
【0019】
さらに、請求項4に記載のリアビューカメラ用目安線登録重畳装置によれば、目安線投
影部によって、車両の幅と後方の距離とを示す目安線と、車両が左右フル操舵の状態にあ
るときの車両の幅と予測移動軌跡とを示す目安線とがそれぞれ投影されて、各々の目安線
が登録されるため、車両後方の距離を示す目安線のみならず、車両の予測移動軌跡を示す
目安線も登録することができるという効果が得られる。
【0020】
また、請求項5に記載のリアビューカメラ用目安線登録重畳装置によれば、目安線投影
部から目安線を投影していないときに撮像部で撮影された画像と、目安線投影部から目安
線が投影されているときに撮像部で撮影された画像との差分演算によって、差分値が所定
値以上の領域を目安線として抽出するため、床面や路面に汚れや異物があっても、汚れや
異物の影響を受けずに、目安線の位置を確実に抽出することができるという効果が得られ
る。
【0021】
また、請求項6に記載のリアビューカメラ用目安線登録重畳装置によれば、車両停止位
置設定部によって、目安線の車両側の端点が車両の後端と一致し、なおかつ目安線の方向
が車両の直進後退方向と一致するように車両の停止位置が設定されるため、所定の位置に
確実に目安線を提示でき、これによって、車両が変わっても同じ精度で目安線の表示位置
を登録することができるという効果が得られる。
【0022】
さらに、請求項7に記載のリアビューカメラ用目安線登録重畳装置によれば、目安線抽
出部において、目安線を構成する画素の色に応じて設定されたしきい値範囲の階調値を有
する画素が抽出されるため、簡便な信号処理で目安線を抽出することができ、これによっ
て、目安線抽出処理を高速で行うことができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明に係るリアビューカメラ用目安線登録重畳装置の実施形態1の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明に係るリアビューカメラ用目安線登録重畳装置の実施形態2の構成を示すブロック図である。
【図3】車両停止位置設定治具の概略構成を示す図である。
【図4】(1)は車両の幅と後方の距離を示す目安線の実例であり、(2)は車両後方の映像の実例であり、(3)はベース画像の実例であり、(4)はベース画像と目安線を車両後方の映像に重畳した実例である。
【図5】実施形態1における登録作業の流れを示すフローチャートである。
【図6】実施形態1における登録情報の重畳処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】(1)は車両を左にフル操舵したときの予測移動軌跡を示す目安線の実例であり、(2)は車両を右にフル操舵したときの予測移動軌跡を示す目安線の実例であり、(3)はベース画像と目安線を車両後方の映像に重畳した実例である。
【図8】実施形態2における登録作業の流れを示すフローチャートである。
【図9】実施形態2における登録情報の重畳処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】任意の操舵角に対する車両の予測移動軌跡を算出する方法を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明に係るリアビューカメラ用目安線登録重畳装置の実施形態について、図面
を参照して説明する。
【実施形態1】
【0025】
本実施形態1は、本発明を、目安線を床面や路面に表示する目安線提示機能を有するリ
アビューカメラ用目安線登録重畳装置に適用したものである。
【0026】
本装置は、図1に示すように、車両10に搭載され、車両後方の映像を運転者に提示す
るリアビューカメラシステムを構成する構成要素(後述)と、車両後方の床面や路面に目
安線を提示する目安線提示部140と、目安線の撮影や、後述する目安線の抽出処理の開
始や、処理結果の表示等を指示する、車両10に外部から接続されたパソコンや診断装置
等の端末から構成される操作指示部120と、車両10の停止位置を、車両10と目安線
提示部140で提示された目安線とが所定の相対関係をなす位置に設定する車両停止位置
設定部150と、から構成される。
【0027】
そして、車両10に設置されたリアビューカメラシステムは、車両10の後方の映像を
撮影する、カラー画像を取得可能な撮像部20と、撮像部20で撮影されたアナログ映像
をデジタル映像に変換するA/D変換器30と、A/D変換器30で変換されたデジタル
映像の中から、車両10の後方の目安線を示す領域を抽出する目安線抽出部40と、目安
線抽出部40で抽出された目安線を示す領域の形状と階調値を補正して、目安線を示す領
域とする目安線補正部50と、目安線補正部50で補正された領域を記憶する目安線記憶
部60と、撮像部20で撮影された映像に、目安線記憶部60に記憶された目安線を重畳
する目安線重畳部70と、目安線重畳部70の出力をアナログ映像に変換するD/A変換
器80と、表示部110に表示する映像を選択する映像選択部90と、車両のシフトポジ
ションを検出するシフトポジション検出部100と、車両10のメーター内に映像を表示
する、液晶モニタからなる表示部110と、から構成される。
【0028】
また、車両停止位置設定部150は、図3に示す車両停止位置設定治具160から構成
される。
【0029】
以下、本実施形態1に係るリアビューカメラ用目安線登録重畳装置の作用について、図
1、3、4、および図5、6のフローチャートを用いて説明する。
【0030】
本装置は、車両の生産工場において、リアビューカメラで撮影した車両後方の映像に重
畳する、車両の幅と車両後方の距離を示す目安線の表示位置を登録するリアビューカメラ
用目安線登録重畳装置に使用される。
【0031】
まず、車両10が置かれた床面や路面に、目安線提示部140によって、車幅と車両後
方の距離を示す目安線を表示する(図5のステップS1)。
【0032】
目安線は、車両10が置かれた床面や路面に表示され、車両後方の距離に応じて、予め
決められた所定の色で色付けされている。なお、このとき、床面や路面は、目安線に付与
された色と異なる色調であることが望ましい。さらに、床面や路面には汚れやゴミがない
状態であることが望ましい。
【0033】
次に、車両停止位置設定部150の作用によって、車両10の停止位置を設定する(図
5のステップS2)。
【0034】
車両10の停止位置の設定は、具体的には、図3に示す車両停止位置設定治具160を
用いて行われる。
【0035】
車両停止位置設定治具160は、図3に示すように、台座155の上部に、車両10の
左後輪の車輪留めとなる、車両10の左後輪のトレッド面と等しい外形形状を有する左後
輪設置部151と、車両10の右後輪の車輪留めとなる、車両10の右後輪のトレッド面
と等しい外形形状を有する右後輪設置部153とが設置されている。
【0036】
なお、左後輪設置部151の外側面には左後輪サイドウォール保持板152が設置され
、右後輪設置部153の外側面には右後輪サイドウォール保持板154が設置されており
、左後輪サイドウォール保持板152と右後輪サイドウォール保持板154の間隔は、車
両10の左右後輪のサイドウォール間の間隔と一致している。
【0037】
そして、台座155は、その寸法が、車両10の左右後輪のトレッド面が、それぞれ、
左後輪設置部151と右後輪設置部153に接するように設置されたとき、車両10を真
上から見下ろして、車両10の左右後端が、それぞれ、台座の頂点A、頂点Bに一致する
ようになっている。
【0038】
なお、車両停止位置設定治具160は、適用する車両10の寸法に対応するものを、予
め用意しておく。
【0039】
車両停止位置設定治具160は、予め、台座の頂点A、頂点Bが、それぞれ、目安線の
車両側の端点と一致するように、床面や路面に設置される。
【0040】
こうして設置された車両停止位置設定治具160の左後輪設置部151と右後輪設置部
153に、それぞれ、車両10の左右後輪のトレッド面が一致するように車両10を停止
することによって、目安線提示部140に表示された目安線が、車両10の左右後端を始
点として車両10の直進後退方向に延びた線分と一致するように、車両10を設置する。
【0041】
次に、操作指示部120の指示によって、撮像部20で、目安線を含む床面や路面のカ
ラー画像が撮影される(図5のステップS3)。なお、このとき、映像選択部90が、撮
像部20で撮影された画像を選択して、表示部110に表示する状態に切り替えられる。
【0042】
撮像部20で撮影されたカラー画像は、A/D変換器30で、R(赤)、G(緑)、B
(青)それぞれのカラー成分を表す3枚のデジタル画像に変換された後、目安線抽出部4
0において、目安線を表していると考えられる領域が抽出される(図5のステップS4)

【0043】
この先、赤く色付けされた目安線を抽出する場合を例にあげて説明する。
【0044】
一般に、同じ赤い色の領域であっても、車両が置かれた環境の明るさや光源の種類、あ
るいは、撮像部20に装着されたレンズの光学特性などによって異なる赤い色として画像
化される。
【0045】
したがって、赤い色の領域を抽出するために、予め、ある階調範囲を設定しておき、そ
の階調範囲に合致する画素を抽出する必要がある。
【0046】
撮像部20で撮影された画像の中で、赤色成分を表す画像をIr(x、y)、緑色成分
を表す画像をIg(x、y)、青色成分を表す画像をIb(x、y)とし、それぞれの色
成分を表す画像の階調値は、0から255の値をとるものとする。
【0047】
このとき、撮影された画像の中から赤い色の領域を抽出するためには、(式1)、(式
2)、(式3)をともに満足する階調範囲を有する画素を抽出すればよい。
【0048】
Th1<Ir(x、y) (式1)
Ig(x、y)<Th2 (式2)
Ib(x、y)<Th3 (式3)
そして、(式1)、(式2)、(式3)の階調範囲に適合する画素には、撮影された画像
の階調値をそのまま格納し、それ以外の画素には0を格納した画像を生成する。
【0049】
なお、ここで、しきい値Th1、Th2、Th3には、表示する目安線を抽出できるよ
うに、予め実験によって求めた値を設定すればよい。また、目安線を構成する赤色以外の
色の領域を抽出するための階調範囲も、(式1)、(式2)、(式3)と同じ考え方によ
って設定される。
【0050】
一般に、こうして抽出された目安線を示す領域には、床面や路面のゴミの影響、また、
画像入力時の光線状態の影響等によって、ノイズが混入する。また、同じ赤い色の領域で
あっても、様々な階調値が格納されている。
【0051】
そこで、目安線補正部50において、目安線抽出部40における抽出結果に対して、そ
こに含まれる目安線を示す領域の形状や階調値の補正を行う(図5のステップS5)。
【0052】
以下、赤い色の領域を例にあげて、この補正処理について説明する。
【0053】
ステップS5では、まず2値化処理が行われ、ステップS4の結果、赤い色の画素であ
ると判定された画素に、例えば255が格納され、それ以外の画素に、例えば0が格納さ
れた画像が生成される。
【0054】
2値化処理の結果、255が格納された画素に対して、その領域の周囲を1周り拡大す
る膨張処理を行う。この膨張処理によって、目安線を構成する領域の途切れた部分が接続
され、1つの領域に併合される。この膨張処理の結果は、随時、D/A変換器80でアナ
ログ映像に変換されて、表示部110に表示される。操作者は、膨張処理の結果を見なが
ら、繰り返し膨張処理を行うか否かを判断し、繰り返し膨張処理を行うときには、操作指
示部120から指示を出す。
【0055】
膨張処理を繰り返し行って、目安線を示す領域の途切れがなくなったら、次に、膨張処
理を行った回数Nに対して、領域の周囲を1周り縮小する縮小処理を、例えばN+1回行
う。これによって、目安線以外の孤立領域が削除される。
【0056】
なお、膨張処理を行う毎に、画像処理で汎用的に使われるラベリング処理を行って領域
に番号付けを行い、ラベリング処理の結果に基づいて、領域の数の変化がなくなったとき
に、領域の途切れがなくなったと判断して膨張処理を終了し、さらに、縮小処理を行う毎
にラベリング処理によって領域数をカウントして、領域の数の変化がなくなるまで縮小処
理を繰り返すようにすれば、操作者を介さずに処理を行うことができる。
【0057】
以上の一連の画像処理によって、目安線を示す領域の形状補正が完了する。
【0058】
そして、次に、目安線の形状補正を行った画像に対して階調値の補正を行う。
【0059】
階調値の補正は、赤い色の領域として抽出された領域に、赤を表す所定の値を当てはめ
ることによって行われる。例えば、赤い色の領域に対しては、(式4)、(式5)、(式
6)のような値を当てはめればよい。
【0060】
Ir(x、y)=255 (式4)
Ig(x、y)=0 (式5)
Ib(x、y)=0 (式6)
ここで、当てはめる階調値は、目安線を構成する色毎に、予め設定しておけばよい。
【0061】
なお、赤以外の色の領域に対しても同様の形状補正処理、階調値補正処理を施して、最
後に、各色に対する補正処理の結果を加え合わせることによって、目安線の補正処理が完
了する。
【0062】
次に、操作者は、表示部110に表示された、目安線補正部50において形状と階調値
とが補正された目安線の情報(例えば、図4(1))を確認し、問題がなければ(図5の
ステップS6がYESのとき)、操作指示部120から指示を出して、その目安線の情報
を、目安線記憶部60に記憶する(図5のステップS7)。
【0063】
ステップS6において、補正結果に問題があったとき(図5のステップS6がNOのと
き)は、操作指示部120から指示を出して、再びステップS3に戻り、目安線を撮影し
て上記処理を繰り返す。
【0064】
目安線の領域形状と階調値が目安線記憶部60に記憶されて、目安線の登録操作は終了
する。
【0065】
次に、目安線記憶部60に記憶された目安線の情報の活用方法について、図6のフロー
チャートを用いて説明する。
【0066】
まず、シフトポジション検出部100にてシフトポジションがリバース位置にあるか否
かが検出される(図6のステップS9)。
【0067】
シフトポジションがリバース位置にあることが検出されると、撮像部20で車両10の
後方のカラー画像(例えば、図4(2))が撮影され(図6のステップS10)、同時に
、映像選択部90が、撮像部20で撮影された画像を選択する状態に切り替えられる。
【0068】
撮像部20で撮影された画像は、A/D変換器30でデジタル画像に変換され、このデ
ジタル画像に対して、目安線重畳部70にて、先に目安線記憶部60に記憶された目安線
の情報が重畳される(図6のステップS11)。
【0069】
このとき、ステップS11では、目安線記憶部60に記憶された目安線の情報のみなら
ず、コメント文やリアビューカメラ以外の情報を含んだ、ベース画像(例えば、図4(3
))も一緒に重畳される。その結果、例えば、図4(4)に示す画像が得られる。
【0070】
なお、このような画像情報の重畳は、一般的に行われているものであるため、その詳細
説明は省略する。
【0071】
目安線重畳部70にて重畳された画像は、D/A変換器80でアナログ画像に変換され
、映像選択部90を経て、表示部110に表示される(図6のステップS12)。
【0072】
シフトポジション検出部100にて、シフトポジションがリバース位置にあると判断さ
れている間は、上記処理が繰り返される(図6のステップS13がNOのとき)。
【0073】
一方、シフトポジション検出部100にて、シフトポジションがリバース位置以外にあ
ると判断されたときは、映像選択部90が、撮像部20で撮影された画像以外を選択する
状態に切り替えられて、バックモニタが起動する以前に表示されていた、例えばカーナビ
ゲーションの画面が表示されて、処理を終了する(図6のステップS13がYESのとき
)。
【0074】
以上、説明したように、実施形態1に係るリアビューカメラ用目安線登録重畳装置によ
れば、車両停止位置設定部150によって、車両10の後方の床面や路面に、車両10と
所定の相対関係をなすように目安線提示部140によって提示された目安線を、撮像部2
0によって撮影し、目安線抽出部40において、撮影された画像の中から目安線を示す領
域を抽出して、抽出された目安線を示す領域の形状と階調値とが、目安線補正部50にお
いて補正され、目安線補正部50で補正された目安線を示す領域が目安線記憶部60に記
憶されるため、車両10を移動させることなく、その車両10に適合した目安線の表示位
置を簡便に登録することができ、これによって、目安線の登録作業を短時間で行えるため
、登録作業の省人化や省時間化が図れるという効果が得られる。
【0075】
さらに、実施形態1にあっては、車両停止位置設定部150によって、目安線の車両1
0側の端点が車両10の後端と一致し、なおかつ目安線の方向が車両10の直進後退方向
と一致するように車両10の停止位置が設定されるため、所定の位置に確実に目安線を提
示でき、これによって、車両10が変わっても同じ精度で目安線の表示位置を登録するこ
とができるという効果が得られる。
【0076】
なお、上記実施形態1では、目安線を床面や路面に直接描画したが、これは、予め目安
線が描画された布やパネルを、床面や路面に設置してもよい。
【0077】
また、操作指示部120は、外部からパソコンや診断装置等の端末を接続するものとし
て説明したが、その限りでない。すなわち、操作指示部120は、車両10に搭載された
メーター等の自己診断機能の1部として組み込んでもよい。
【0078】
また、目安線補正部50において目安線を示す領域の形状を補正する方法は、実施形態
1に記載したものに留まらず、以下の方法を適用しても、同じ効果を得ることができる。
【0079】
例えば、目安線提示部140で提示される目安線は、撮像部20によって、ほぼ図4(
1)のような形態で撮影されることがわかっているため、図4(1)の中の目安線を示す
領域をテンプレートとして、そのテンプレートに適合した領域を、撮影部20で撮影した
画像の中から検出するようにしてもよい。その際、目安線を構成する色毎にテンプレート
マッチングを行えば、マッチングされる領域が制限されるため、テンプレートマッチング
の精度を上げることができる。
【0080】
さらに、本実施形態1は、車両の生産工場において実施されるものとして説明したが、
その限りではなく、車両の販売会社や修理工場にて実施することも可能である。
【0081】
すなわち、車両の修理のためにリアビューカメラを取り外して、これを再度装着したと
きには、リアビューカメラの取り付け位置がずれてしまう可能性があるため、目安線の表
示位置を再度登録する必要がある。このようなときにも、車両の販売会社や修理工場にお
いて、本実施形態1で説明した構成によって目安線の登録を行うことができる。
【実施形態2】
【0082】
本実施形態2は、本発明を、目安線を床面や路面に投影する目安線投影機能を有するリア
ビューカメラ用目安線登録重畳装置に適用したものである。
【0083】
本装置は、図2に示すように、車両10に搭載され、車両後方の映像を運転者に提示す
るリアビューカメラシステムを構成する構成要素(後述)と、車両後方の床面や路面に、
目安線を投影するプロジェクタからなる目安線投影部130と、車両10に対して、目安
線の撮影や、後述する目安線の抽出処理の開始や、処理結果の表示を指示し、また目安線
投影部130に対して、目安線の投影の開始や終了の指示を行ったりする、車両10に外
部から接続されたパソコンや診断装置等の端末から構成される操作指示部120と、車両
10の停止位置を、車両10と目安線投影部130で提示された目安線とが所定の相対関
係をなす位置に設定する車両停止位置設定部150と、から構成される。
【0084】
そして、車両10に設置されたリアビューカメラシステムは、車両10の後方の映像を
撮影する、カラー画像を取得可能な撮像部20と、撮像部20で撮影されたアナログ映像
をデジタル映像に変換するA/D変換器30と、A/D変換器30で変換されたデジタル
映像の中から、車両10の後方の目安線を示す領域を抽出する目安線抽出部40と、目安
線抽出部40で抽出された目安線を示す領域の形状と階調値を補正して、目安線を示す領
域とする目安線補正部50と、目安線補正部50で補正された領域を記憶する目安線記憶
部60と、撮像部20で撮影された映像に、目安線記憶部60に記憶された目安線を重畳
する目安線重畳部70と、目安線重畳部70の出力をアナログ映像に変換するD/A変換
器80と、表示部110に表示する映像を選択する映像選択部90と、車両のシフトポジ
ションを検出するシフトポジション検出部100と、車両10の操舵角を検出する操舵角
検出部104と、操舵角検出結果に基づいて、車両10の予測移動軌跡を算出する予測移
動軌跡算出部102と、車両10のメーター内に映像を表示する、液晶モニタからなる表
示部110と、から構成される。
【0085】
また、車両停止位置設定部150は、図3に示す車両停止位置設定治具160から構成
される。
【0086】
以下、本実施形態2に係るリアビューカメラ用目安線登録重畳装置の作用について、図
2、3、7、および図8、9のフローチャートを用いて説明する。
【0087】
本装置は、車両の生産工場において、リアビューカメラで撮影した車両後方の映像に重
畳する、車両の幅と車両後方の距離を示す目安線の表示位置を登録するリアビューカメラ
用目安線登録重畳装置に使用される。
【0088】
まず、車両10が置かれた床面や路面に、操作指示部120からの指示によって、目安
線投影部130から、車幅と車両後方の距離を示す目安線を投影する(図8のステップS
100)。
【0089】
ここで、目安線投影部130は、車両10が置かれた床面や路面の真上に、床面や路面
を垂直に見下ろす方向に設置されている。
【0090】
そして、投影される目安線は、車両後方の距離に応じた色付けがなされているものとす
る。
【0091】
次に、車両停止位置設定部150の作用によって、車両10の停止位置を設定する(図
8のステップS101)。この停止位置の調整は、図3に示す車両停止位置設定治具16
0を用いて行われるが、その方法は、実施形態1に説明した通りであるため、詳細説明は
省略する。
【0092】
次に、操作指示部120の指示によって、撮像部20で、目安線を含む床面や路面のカ
ラー画像が撮影される(図8のステップS102)。なお、このとき、映像選択部90が
、撮像部20で撮影された画像を選択する状態に切り替えられる。
【0093】
なお、目安線投影部130からは、車両10の車幅と後方までの距離を示す目安線の他
に、車両10を左にフル操舵したときの車両の予測移動軌跡を示す目安線(例えば、図7
(1))と、車両10を右にフル操舵したときの車両の予測移動軌跡を示す目安線(例え
ば、図7(2))とが順次投影され、各々の情報が投影され次第、撮像部20によって、
3枚のカラー画像の撮影が行われる。
【0094】
なお、ここで、車両を左右にフル操舵したときの予測移動軌跡は、車両によって異なる
ため、車両毎のフル操舵時の予測移動軌跡を予め求めておき、目安線の登録作業を行う車
両10に応じた予測移動軌跡の情報が選択されて、投影される。
【0095】
続いて、操作指示部120の指示によって、目安線投影部130からの目安線の投影が
中止される(図8のステップS103)。
【0096】
次に、操作指示部120の指示によって、撮像部20で、目安線が投影されていない状
態で、床面や路面のカラー画像が1枚撮影される(図8のステップS104)。
【0097】
この後、目安線抽出部40において、目安線投影部130から目安線が投影された状態
で撮影された画像の階調値から、目安線が投影されていない状態で撮影された画像の階調
値を差し引く差分演算を行う。この差分演算は、カラー画像のR(赤)成分、G(緑)成
分、B(青)成分のそれぞれに対して行うとともに、ステップS102で撮影された3枚
の画像全てに対して行われる。
【0098】
この差分演算によって、目安線が投影された領域以外は、差分結果がほぼ0になるため
、目安線が投影された領域のみを抽出することができる。さらに、このとき、床面や路面
に汚れやゴミがあっても、差分結果はほぼ0になるため、目安線が投影された領域のみを
安定して抽出することができる。
【0099】
そして、差分結果が、予め設定したしきい値よりも大きい画素を抽出し、こうして抽出
された画素には、目安線が投影されたときに撮影された画像の階調値が格納される。
【0100】
一方、差分結果が、予め設定したしきい値以下である画素には、0が格納された画像が
生成される。
【0101】
同様な処理を、R(赤)成分、G(緑)成分、B(青)成分のそれぞれの画像に対して
行って、目安線の領域を示す画像が得られる。
【0102】
次に、目安線補正部50において、目安線抽出部40で抽出された結果に対して、そこ
に含まれる目安線を示す領域の形状や階調値の補正を行う(図8のステップS106)。
【0103】
ステップS106では、実施形態1で説明したのと同様な処理が行われて、目安線を示
す領域の形状と階調値が補正される。
【0104】
次に、操作者は、表示部110に表示された、目安線補正部50において形状と階調値
とが補正された目安線の情報(例えば、図4(1))を確認し、問題がなければ(図8の
ステップS107がYESのとき)、操作指示部120から指示を出して、その目安線の
情報を、目安線記憶部60に記憶する(図8のステップS108)。
【0105】
ステップS108において、補正結果に問題があったとき(図8のステップS107が
NOのとき)は、操作指示部120から指示を出して、再びステップS102に戻り、目
安線を撮影して、上記処理を繰り返す。
【0106】
目安線の領域形状と階調値が目安線記憶部60に記憶されて、目安線の登録操作は終了
する。
【0107】
次に、目安線記憶部60に記憶された目安線の情報の活用方法について、図9のフロー
チャートを用いて説明する。
【0108】
まず、シフトポジション検出部100にてシフトポジションがリバース位置にあるか否
かが検出される(図9のステップS109)。
【0109】
シフトポジションがリバース位置にあることが検出されると、撮像部20で車両10の
後方のカラー画像(例えば、図4(2))が撮影され(図9のステップS110)、同時
に、映像選択部90が、撮像部20で撮影された画像を選択して、表示部110に表示す
る状態に切り替えられる。
【0110】
次に、操舵角検出部104において、車両10の操舵角が検出される(図9のステップ
S111)。
【0111】
さらに、ステップS111で検出された操舵角に基づいて、予測移動軌跡算出部102
において、車両10の予測移動軌跡を示す目安線が算出される(図9のステップS112
)。
【0112】
この予測移動軌跡を示す目安線の算出方法を、図10を用いて説明する。
【0113】
図10に記載された、点線で示された4本の目安線は、それぞれ、車両10を右側にフ
ル操舵したときの右後輪の予測移動軌跡を示す目安線RRと、車両10を右側にフル操舵
したときの左後輪の予測移動軌跡を示す目安線LRと、車両10を左側にフル操舵したと
きの右後輪の予測移動軌跡を示す目安線RLと、車両10を左側にフル操舵したときの左
後輪の予測移動軌跡を示す目安線LLである。
【0114】
ここで、操舵角検出部104において、車両10の操舵角θが検出されたとき、図10
の線分PQ上を、車両10の右後輪の予測移動軌跡を示す目安線が通過する点P1は、車
両10を右側にフル操舵したときの右後輪の予測移動軌跡を示す目安線RRと線分PQと
の交点Paと、車両10を左側にフル操舵したときの左後輪の予測移動軌跡を示す目安線
RLと線分PQとの交点Pbとを、操舵角θの応じた比率で内分する点として算出される

【0115】
同様にして、図10の線分PQ上を、車両10の左後輪の予測移動軌跡を示す目安線が
通過する点P2も、車両10を右側にフル操舵したときの左後輪の予測移動軌跡を示す目
安線LRと線分PQとの交点Pcと、車両10を左側にフル操舵したときの左後輪の予測
移動軌跡を示す目安線LLと線分PQとの交点Pdとを、操舵角θの応じた比率で内分す
る点として算出される。
【0116】
線分PQの位置を上下にずらしながら、上記と同様の処理を行うことによって、車両1
0の操舵角がθであるときの、車両10の右後輪の予測移動軌跡を示す目安線R(θ)と
、車両10の左後輪の予測移動軌跡を示す目安線L(θ)とが、それぞれ、図10に点線
で示されるように算出される。
【0117】
次に、撮像部20で撮影された画像は、A/D変換器30でデジタル画像に変換され、
このデジタル画像に対して、目安線重畳部70にて、先に目安線記憶部60に記憶された
車両の幅と後方の距離を示す目安線と、ステップS112で算出された、予測移動軌跡を
示す目安線とが重畳される(図9のステップS113)。
【0118】
このとき、ステップS113では、目安線記憶部60に記憶された車両の幅と後方の距
離を示す目安線や、ステップS112で算出された、予測移動軌跡を示す目安線のみなら
ず、コメント文やリアビューカメラ以外の情報を含んだ、ベース画像(例えば、図4(3
))も一緒に重畳される。その結果、例えば、図7(3)に示す画像が得られる。
【0119】
なお、このような画像情報の重畳は、一般的に行われているものであるため、その詳細
説明は省略する。
【0120】
目安線重畳部70にて重畳された画像は、D/A変換器80でアナログ画像に変換され
、映像選択部90を経て、表示部110に表示される(図9のステップS114)。
【0121】
シフトポジション検出部100にて、シフトポジションがリバース位置にあると判断さ
れている間は、上記処理が繰り返される(図9のステップS115がNOのとき)。
【0122】
一方、シフトポジション検出部100にて、シフトポジションがリバース位置以外にあ
ると判断されたときは、映像選択部90が、撮像部20で撮影された画像以外を選択する
状態に切り替えられて、バックモニタが起動する以前に表示されていた、例えばカーナビ
ゲーションの画面が表示されて、処理を終了する(図9のステップS115がYESのと
き)。
【0123】
以上、説明したように、実施形態2に係るリアビューカメラ用目安線登録重畳装置によ
れば、目安線投影部130によって、目安線を車両10の後方の床面や路面に投影するた
め、車両10を移動させることなく、目安線の表示位置を簡便に登録でき、また、車両1
0が変わっても、その車両10にあった目安線を床面や路面に投影することができるため
、異なる車両に対する目安線の登録作業を同じ場所で行うことができ、登録作業のより一
層の省人化、省時間化、省スペース化が図れるという効果が得られる。
【0124】
さらに、実施形態2にあっては、目安線投影部130から目安線を投影していないとき
に撮像部20で撮影された画像と、目安線投影部130から目安線が投影されているとき
に撮像部20で撮影された画像との差分演算によって、差分値が所定値以上の領域を目安
線として抽出するため、床面や路面に汚れや異物があっても、汚れや異物の影響を受けず
に、目安線の位置を確実に抽出することができるという効果が得られる。
【0125】
なお、上記実施形態2において、目安線投影部130で投影された目安線は、所定の輝
度値を有しているため、実施形態2に係るリアビューカメラ用目安線登録重畳装置が設置
された環境の照明を消灯した状態で、目安線を投影、または非投影して、その都度撮像部
20で画像入力を行うようにしてもよい。これによって、目安線以外のノイズの混入が低
減されるため、目安線を示す領域をより高い精度で抽出することができる。
【符号の説明】
【0126】
10 車両
20 撮像部
30 A/D変換器
40 目安線抽出部
50 目安線補正部
60 目安線記憶部
70 目安線重畳部
80 D/A変換器
90 映像選択部
100 シフトポジション検出部
110 表示部
120 操作指示部
140 目安線提示部
150 車両停止位置設定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両が置かれた床面や路面に、前記車両の幅と前記車両後方の距離とを示す目安線を提
示する目安線提示部と、
前記車両の後部に設置され、前記車両の後方を撮影する撮像部と、
前記撮像部で撮影された、前記目安線を含む画像の中から、前記目安線に対応する領域
を抽出する目安線抽出部と、
前記目安線抽出部において抽出された領域に対して、その形状と階調値を補正する目安
線補正部と、
前記目安線補正部の出力を登録する目安線記憶部と、
前記撮像部で撮影した映像に、前記目安線記憶部に登録された情報を重畳する目安線重
畳部と、
前記目安線重畳部で重畳された映像を表示する映像表示部と、
前記目安線が、前記車両との相対関係が既知の位置に提示されるように、前記車両の停
止位置を設定する車両停止位置設定部と、
を備えたことを特徴とするリアビューカメラ用目安線登録重畳装置。
【請求項2】
前記目安線提示部は、前記車両の幅と前記車両後方の距離とを示す目安線を、所定の色
で描画するものであることを特徴とする、請求項1に記載のリアビューカメラ用目安線登
録重畳装置。
【請求項3】
前記目安線提示部は、前記車両が直進状態にあるときの前記車両の幅と前記車両後方の
距離とを示す目安線を、前記車両が置かれた床面に投影する目安線投影部を有するもので
あることを特徴とする、請求項1に記載のリアビューカメラ用目安線登録重畳装置。
【請求項4】
前記目安線投影部が、前記車両が直進状態にあるときの前記車両の幅と前記車両後方の
距離とを示す目安線と、前記車両が左右フル操舵の状態にあるときの前記車両の幅と前記
車両の予測移動軌跡とを示す目安線と、を投影するものであることを特徴とする、請求項
3に記載のリアビューカメラ用目安線登録重畳装置。
【請求項5】
前記目安線抽出部では、前記目安線投影部から前記目安線を投影していないときに前記
撮像部によって撮影された画像と、前記目安線投影部から前記目安線が投影されていると
きに前記撮像部によって撮影された画像との差分演算が行われ、差分値が所定値以上の値
を有する画素を、前記目安線として抽出することを特徴とする請求項3または請求項4に
記載のリアビューカメラ用目安線登録重畳装置。
【請求項6】
前記車両停止位置設定部は、前記目安線の前記車両側の端点が前記車両の後端と一致し
、前記目安線の方向が前記車両の直進後退方向と一致するように、前記車両と前記目安線
提示部で提示された目安線との位置関係を設定するものであることを特徴とする、請求項
1から請求項5のうちいずれか1項に記載のリアビューカメラ用目安線登録重畳装置。
【請求項7】
前記目安線抽出部では、前記撮像部で撮影された前記目安線を含む画像の中から、前記
目安線提示部に提示された目安線を構成するそれぞれの色に対応して設定された階調値範
囲に属する画素を抽出することを特徴とする請求項1から請求項6のうちいずれか1項に
記載のリアビューカメラ用目安線登録重畳装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−17005(P2013−17005A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−147904(P2011−147904)
【出願日】平成23年7月4日(2011.7.4)
【出願人】(000004765)カルソニックカンセイ株式会社 (3,404)
【Fターム(参考)】