説明

リサイクルラバーマット

【課題】 従来、道路の路肩すなわち法面の角度が急な場合や法面が高い場合は、大雨で法面がゆるみ崖崩れ(土・小石)が道路に流出し、道路を塞ぐトラブルが生じていた。一方、火力発電所から排出される多量の老朽化(使用済)コンベアーベルトは、一部室内作業場の床材(作業員の足腰の保護)また貨物トラックマット用(荷積み降ろしの衝撃防止)と言った少量の有効利用は行っているものの、その大部分は廃棄物処分が必要であり、その廃棄物処分のため非常に大きなコストを要していた。
【解決手段】 火力発電所で石炭運搬に使用されるコンベアー用のベルトの使用済み品(廃品)には、芯体に鋼線が無数にありそれが補強となっており、また裏表面がゴムでカバーされているので、日光、空気を遮断する特徴がある。この特徴を生かして、路肩法面の補強用として再利用するのに最適である。そこで、このベルトを頭付きストレートピンで上下左右に、ベルトとベルトとを長短を有するU字型ピンで上下に適正な間隔で法面に固定して、上記の課題を解決する。

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、道路と歩道に接する法面を舗装するものに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来は、法面角度が急な場合や法面が高い場合は、セメントやモルタルで補強して法面からの土砂崩れ等を防止しているが、一般道路や郊外の道路で法面が低い場合は盛上による勾配「ドハ」仕上げのままの状態が多い。
【0003】
一方、石炭専焼火力発電所では、原料石炭の輸送に幅1,000mm〜2,000mmのゴム製コンベアーベルトが多量に使用され、その結果使用済になった老朽化したコンベアーベルトが多量に排出され産廃処理されている。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
道路工事の際に盛土による勾配「ドハ」の法面が、道路や歩道では次の問題が生じていた。
■ 大雨等で法面がゆるむと、崖崩れ(土・小石)等が道路に流出し道路を塞ぐ等通行上のトラブルが生じていた。
■ 法面に背の高い雑草、茅等が生え通行の邪魔となり、また雨の日等は生え雑草、茅等の水滴で通行人の衣服を濡らす等していた。
■ 法面に生えた草木を放置しておくと、草木が大きくなり通行の邪魔となって、人手を入れて定期刈取りする必要があり道路補修にコストがかかっていた。
【0005】
一方、火力発電所から排出される多量の老朽化(使用済)コンベアーベルトは、一部室内作業場等の床材(作業員の足腰の保護)また貨物トラックマット用(荷積み降ろしの衝撃防止)等と言った少量の有効利用は行っているもののその大部分は廃棄物処分が必要であり、その廃棄物処分のため非常に大きなコストを要していた。
【0006】
【課題を解決するための手段】
火力発電所等で石炭運搬等に使用されるコンベアー用のベルトの使用済み品(廃品)には、芯体に鋼線が無数にありそれが補強となっており、また裏表面がゴムでカバーされているので、日光、空気を遮断する特徴を生かして、路肩法面の補強用として再利用するのに最適である。
本考案は、上記使用済み品(廃品)の特徴を生かして考案されたものであり、 本考案の第一は、火力発電所等の石炭運搬等に使用されるコンベアー用ベルトの使用済み品すなはち廃品を、路肩法面のカバーしてリサイクルラバーマットとして使用することである。
次に、本考案の第二は、火力発電所等で石炭運搬等に使用されるコンベアー用ベルトの使用済み品すなはち廃品を、路肩の法面にカバーし、頭付きストレートピンと長短を有する断面U字型ピンとで上下左右に200mm〜500mm間隔で固定して、リサイクルラバーマットとして使用することである。
更に、本考案の第三は、上記考案の第一及び第二において、マット同士のつなぎ目に、日光、空気を遮断するために接着剤でつなぎ合わせ、このつなぎ目を長短を有する断面U字型ピンで左右を固定してリサイクルラバーマットとして使用することによって、上記の課題を図るものである。
【0007】
【実施例】
本考案の一実施例(以下、本実施例という。)を、図1乃至図4にしめす。
図1は本実施例の横断面図、図2は本実施例の正面図、図3及び図4は本実施例の部品であるピンの側面図である。
図1乃至図4において、1は道路、2は歩道、3は法面、4は使用済ベルト、5は図3に拡大して示すベルト4とベルト4とを固定する頭付きストレートピン、6は図4に拡大して示すベルト4とベルト4とを固定しさらに法面3に固定する長短を有するU字型ピンである。
頭付きストレートピン5は、寸法の一例として、長さは500mm、径は13mmの鋼製の亜鉛メッキ品を使用する。
長短を有するU字型ピン6は、寸法の一例として、長い方のピンの長さは500mm、短い方のピンの長さは150mm、長短ピンの間隔は150mm、径は13mmの鋼製の亜鉛メッキ品を使用する。
頭付きストレートピン5は、上下左右方向に200mm〜500mm間隔で道路1の法面3に固定し長短を有するU字型ピン6は、相隣接するベルト4間を上下に200mm〜500mm間隔で道路1の法面3に固定する。
また、ベルト4同士のつなぎ目を接着剤でつなぎ合わせとともに、このつなぎ目を長短を有するU字型ピン6で左右に固定し、道路1の法面3に固定する。
【0008】
【考案の効果】
本考案は、火力発電所等で石炭運搬等に使用されるベルト用コンベアの使用済みの廃ベルトで、道路の法面をカバーするので、次の効果が得られる。
■ 火力発電所から排出される多量の老朽化廃ベルトを有効活用できる。
■ 火力発電所から排出される多量の老朽化廃ベルトを、焼却処分する必要がないので公害発生を防止できる。
■ 大雨等で法面がゆるんで、法面の崩れ等が生じる状態になっても、ベルトで法面を保護するため、通行上のトラブル発生を未然に防ぐことが出来る。
■ 法面に雑草、茅等が生えるのを廃ベルトて防止するので、雨の日等でも通行がスムーズに出来る。
■ 法面は廃ベルトでカバーされているため、法面に草木が生えないので、従来のように大きくなった草木を定期的に刈取りする必要がないので、道路補修に要する人手が少なくてすむ。
■ ベルトとベルトとのつなぎ目に接着剤を詰めているので、つなぎ目に草木が生えないので、従来のように大きくなった草木を定期的に刈取りする必要がないので、道路補修に要する人手が少なくてすむ。
■ この様に、従来廃棄されていた廃ベルトを有効再利用する事で、安いコストで出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本考案に係る一実施例の横断面図である。
【図2】 本考案に係る一実施例の正面図である。
【図3】 本考案に係る一実施例の部品拡大側面図である。
【図4】 本考案に係る一実施例の部品拡大側面図である。
【符号の説明】
1・・・道路
2・・・歩道
3・・・法面
4・・・ベルト
5・・・頭付きストレートピン
6・・・U字型ピン

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】火力発電所等に石炭運搬等に使用されるコンベアーベルト用の使用済ベルトを道路の法面のカバーとして使用することを特徴とするリサイクルラバーマット
【請求項2】火力発電所等で石炭運搬等に使用されるコンベアーベルト用の使用済ベルトを、頭付きストレートピンで上下左右に200mm〜500mmの間隔で道路の法面に固定し、かつ相隣接する上記ベルト間を長短を有するU字型ピンで上下に200mm〜500mm間隔で上記道路の法面に固定し、上記道路の法面のカバーとして使用することを特徴とするリサイクルラバーマット。
【請求項3】請求項1および請求項2のおいて、上記リサイクルラバーマット同士のつなぎ目を接着剤でつなぎ合わせるとともに上記つなぎ目を長短を有するU字型ピンで左右に固定し、上記道路の法面のカバーとして使用することを特徴とするリサイクルラバーマット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【登録番号】実用新案登録第3071533号(U3071533)
【登録日】平成12年6月21日(2000.6.21)
【発行日】平成12年9月14日(2000.9.14)
【考案の名称】リサイクルラバーマット
【国際特許分類】
【評価書の請求】未請求
【出願番号】実願2000−2344(U2000−2344)
【出願日】平成12年3月6日(2000.3.6)
【出願人】(300002366)株式会社宮村ゴム工業 (1)