説明

リニアモータの推力リップル測定装置およびその測定方法とモータ制御装置

【課題】 リニアモータの位置および推力指令に複雑な関数で依存する推力リップルを正確に測定することができ、モータ制御装置に適用する場合においても大きな容量のメモリを必要としないリニアモータの推力リップル測定装置およびその測定方法を提供する。
【解決手段】 推力指令Fおよびリニアモータ4の位置Xに基づいてリニアモータ4の推力リップルFを測定する推力リップル測定部20を備えたリニアモータの推力リップル測定装置において、推力リップル測定部20は、リニアモータ4の位置Xに基づいてフーリエ基本位相θを算出する位相計算器22と、フーリエ基本位相θおよび推力指令Fに基づいてリップルパラメータを決定するリップルパラメータ決定器21とで構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リニアモータの位置および電流に依存するリニアモータの推力リップルを測定するリニアモータの推力リップル測定装置およびその測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
サーボモータにおいては、可動子と固定子との相対位置に応じてコイルに流れる電流を変化させることにより推力を得ている。
例えば、同期型リニアモータ等のサーボモータにおいては、可動子または固定子のどちらかの側に永久磁石を配置し、対向側にコイルを配置しており、可動子と固定子との相対位置に応じて、d‐q変換を行い、一定な推力を得るために、一定なq軸電流指令を与え、電流フィードバック制御してコイルに電流を流している。
ところが、コアの不均一性、着磁の乱れ、端効果などの要因によってコギングやトルク定数の変動が存在するため、一定なq軸電流指令を与えても、サーボモータが発生する推力は可動子と固定子との相対位置によって変わる。よって、サーボの制御性能を向上させるため、このような推力リップルの補償は不可欠になる。
また、これらの推力リップルを正確に補償するため、高精度な推力リップル測定装置が必要となる。
【0003】
従来のトルクリップル測定装置は、トルク指令、速度指令、あるいは、位置指令を制御入力として、モータが一定速度で回転するように制御入力の補正を繰返し、最終的に一定速度の駆動を実現する学習制御器と、前記学習制御器によって実現された、定速回転時における1回転分のモータ角度に対応したトルク指令データTr( θn) を収集し、このトルク指令データTr( θn)よりトルクリップルの測定を行っている(例えば、特許文献1参照)。
図5は、従来技術のトルクリップル測定装置の構成を示すブロック線図である。図5において、51はトルクリップル測定装置、52は学習制御器、53は演算器、54および55は1回転分のトルクリップルデータを記憶するメモリ、56は回転モータ、57は角度検出器、58はトルク発生器である。
ここに、学習制御器52は、トルク指令、速度指令、あるいは、位置指令を制御入力として、回転モータ56が一定速度で回転するように制御入力の補正を繰返し、最終的に一定速度の駆動を実現する。学習が完了すると、実現された一定速度の回転時における、1回転分のモータ角度に対応したトルク指令データTr( θn)が学習制御器52から演算器53へ出力される。演算器53は学習制御器52が条件を変えて学習した結果得られる複数のトルク指令データより、トルクリップルデータを求める。
正回転指令および逆回転指令に対してそれぞれ学習した結果得られたトルク指令データより、モータトルクに比例しないトルクリップルデータが得られ、メモリ54に記憶する。また、2種類の一定トルク負荷を加えた状態の回転指令に対してそれぞれ学習した結果得られたトルク指令データより、モータトルクに比例するトルクリップルの比例定数が得られ、メモリ55に記憶する。
このように、回転モータが発生する角度に依存したトルクリップルデータを、回転モータの発生トルクに依存しないものと比例して増大するものと別個に、摩擦等の影響を受けずに測定できるため、測定精度の高いトルクリップル測定装置が実現できるというものである。
【特許文献1】特開平11−258076号公報(第4頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のトルクリップル測定装置は、モータ角度に依存して周期的に変化したリップルや、トルク指令に比例したリップルを想定してトルクリップルを測定したので、トルク・推力指令に複雑な関数で依存するトルク・推力リップルを正確に測定できないという問題があった。
また、測定結果を用いてリップル補償を行う際に、モータ角度毎に記憶したトルクリップルのデータを取り出して使用していたため、モータ制御装置に適用する場合には、大きな容量のメモリが必要であるという問題もあった。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、リニアモータの位置および推力指令に複雑な関数で依存する推力リップルを正確に測定することができ、モータ制御装置に適用する場合においても大きな容量のメモリを必要としないリニアモータの推力リップル測定装置およびその測定方法とモータ制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記問題を解決するため、本発明は、次のように構成したものである。
請求項1に記載の発明は、位置指令およびリニアモータの位置に基づいて推力指令を生成する位置速度制御器と、前記推力指令を入力し電流指令を出力する電流指令変換器と、前記リニアモータの電流を前記電流指令に追従させる電流アンプと、前記推力指令および前記リニアモータの位置に基づいて前記リニアモータの推力リップルを測定する推力リップル測定部とを備えたリニアモータの推力リップル測定装置において、前記推力リップル測定部は、前記リニアモータの位置に基づいて入力しフーリエ基本波の位相(θ)(以下、「フーリエ基本位相(θ)」という。)を算出する位相計算器と、前記フーリエ基本位相および前記推力指令に基づいてリップルパラメータを決定するリップルパラメータ決定器とで構成することを特徴とするものである。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のリニアモータの推力リップル測定装置において、前記位相計算器は、前記フーリエ基本位相を次式で計算することを特徴とするものである。
θ=mod{(X−X),(X−X)}・2π
ただし、θはフーリエ基本位相、Xはリニアモータの位置、Xは補償すべく移動範囲のスタート位置、Xはそのエンド位置、mod{P,Q}はPをQで割った余りを求める関数。
【0006】
また、請求項3に記載の発明は、 位置指令およびリニアモータの位置に基づいて推力指令を生成する位置速度制御器と、前記推力指令を入力し電流指令を出力する電流指令変換器と、前記リニアモータの電流を前記電流指令に追従させる電流アンプと、前記推力指令および前記リニアモータの位置に基づいて前記リニアモータの推力リップルを測定する推力リップル測定部とを備えたリニアモータの推力リップル測定装置の推力リップル測定方法において、指令の速度が一定となる定速区間を含む前記位置指令を設定し、前記定速区間に前記リニアモータの速度が一定となるように前記位置速度制御器の制御ゲインを十分大きく上げ、或いは前記位置速度制御器に繰り返し補償器を含ませ、前記リニアモータを駆動制御しながら、前記リニアモータが前記定速区間を通過する際の前記リニアモータの位置とそれに対応する前記推力指令を記録し、前記リニアモータが前記定速区間を通過する際の前記リニアモータの位置とそれに対応する前記推力指令に基づいてフーリエ解析してフーリエ係数を計算し、前記フーリエ係数を前記推力指令の多項式とし、複数回負荷力を変え、最小2乗法を用いて前記多項式の係数を決定することを特徴とするものである。
【0007】
また、請求項4に記載の発明は、モータ制御装置において、請求項1または2に記載のリニアモータの推力リップル測定装置を備えることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、推力のリップルをフーリエ基本位相θのフーリエ級数とし、また、フーリエ係数を推力指令の平均値の多項式とし、リニアモータを一定な速度で移動させるように制御し、推力指令およびリニアモータの位置を記憶し、推力指令およびリニアモータの位置に基づいてリップルパラメータを計算することで、高精度に推力リップルを測定できるという効果がある。
また、本発明のリニアモータの推力リップル測定装置をモータ制御装置に適用する場合においても大きな容量のメモリを必要としないという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
実際のリニアモータの推力リップル測定装置には様々な機能や手段が内蔵されているが、図には本発明に関係する機能や手段のみを記載し説明することとする。また、以下同一名称には極力同一符号を付け重複説明を省略する。
【実施例1】
【0010】
図1は本発明のリニアモータの推力リップル測定装置の構成を示すブロック線図である。図1において、1はモータ制御装置、4はリニアモータ、5は負荷、6は位置検出器であり、11は位置速度制御器、12は電流指令変換器、13は電流アンプ、20は推力リップル測定部、21はリップルパラメータ決定器、22は位相計算器である。
モータ制御装置1は、位置速度制御器11、電流指令変換器12、電流アンプ13、および推力リップル測定部20で構成されており、推力リップル測定部20は、リップルパラメータ決定器21および位相計算器22で構成されている。
位置速度制御器11は、位置指令Xおよびリニアモータの位置Xを入力し、その位置指令Xおよびリニアモータの位置Xに基づいて推力指令Fを算出し、電流指令変換器12およびリップルパラメータ決定器21に出力する。電流指令変換器12は、推力指令Fを電流指令Iに変換し、電流アンプ13に出力する。電流アンプ13は、電流指令Iに基づいてリニアモータ4にモータ電流Iを流す。リニアモータ4は、推力Fを発生し負荷5を駆動する。
また、位置検出器6は、リニアモータ4の位置Xを検出し、位置速度制御器11および位相計算器22に出力する。位相計算器22は、リニアモータの位置Xからフーリエ基本位相θを計算し、リップルパラメータ決定器21に出力する。リップルパラメータ決定器21は、推力指令Fおよびフーリエ基本位相θに基づいて推力リップルを補償するためのパラメータの決定を行う。
【0011】
まず、推力リップルFと推力指令Fおよびリニアモータの位置Xとの関係を分析する。
モータの推力Fは、モータのコイルに流れるモータ電流Iにより発生する電磁力Fと、永久磁石が磁性材料との間に発生する吸引力(一般的にコギングと言う。以下、「コギング」という。)Fとを含む。
理想的なモータとしては、電磁力Fがモータ電流Iと一定な定数(推力定数)で比例し、コギングFが0となることが望ましいが、実際のモータでは、推力定数がモータ電流Iおよびリニアモータの位置Xによって変動し、また、コギングFがリニアモータの位置Xによって変わる。
【0012】
本発明が、従来技術と異なる点は、リニアモータの位置Xを入力しフーリエ基本位相θを出力する位相計算器22と、フーリエ基本位相θおよび推力指令Fに基づいて推力リップルを計算する関数のパラメータを決定するリップルパラメータ決定器21とで構成した推力リップル測定部20を備え、リニアモータの位置および推力指令に複雑な関数で依存する推力リップルを正確に測定することができ、モータ制御装置に適用する場合においても大きな容量のメモリを必要としない点である。
【0013】
図2は図1の近似等価ブロック線図である。図2において、14は推力定数、15はコギング関数、16は加算器、17は減算器、18はモータの可動子を含む機械可動部のモデルである。
一般的に、電流アンプ13の特性は良いので、モータ電流Iが電流指令Iと等しいと見なせるので、電流アンプ13のモデル化は省略している。
推力定数14は、関数K(I,X)で表わされている。コギング関数15は、関数c(X)で表わされている。モータの可動子を含む機械可動部のモデル18は、駆動力Fからリニアモータの位置Xまでの伝達関数で表されている。電磁力FとコギングFとの和がモータの発生する推力Fとなる。
また、推力Fから負荷力Fを差し引いたものが機械可動部を駆動する駆動力Fとなる。
【0014】
図2により、推力Fは式(1)のように表すことができる。
F=F+F=I・K(I,X)+c(X) (1)
また、式(2)が成り立つ。
=I=F/K (2)
ただし、Kは、定格推力定数である。
式(2)を式(1)に代入し、推力Fは式(3)に示すように推力指令Fおよびリニアモータの位置Xの関数で表すことができる。
F=(F/K)・K(F/K,X)+c(X)=f(F,X) (3)
推力Fがリニアモータの位置Xの周期関数である場合では、その周期のスタート位置をXと、エンド位置をXとする。推力Fがリニアモータの位置Xの周期関数でない場合では、補償すべく移動範囲のスタート位置をXと、そのエンド位置をXとする。
よって、フーリエ基本位相θを式(4)のように与える。
θ=mod{(X−X),(X−X)}・2π (4)
ただし、mod{P,Q}はPをQで割った余りを求める関数を表す。
従って、推力Fは式(5)のようなフーリエ級数で表すことができる。
【0015】
【数1】


ただし、Nは一定な自然数である。
【0016】
また、FはFの平均値であり、Kの平均値がKとなる場合には、Fの平均値Fとなる。
また、フーリエ係数A(n=1,2,・・・,N)、およびフーリエ係数B(n=1,2,・・・,N)は、式(6)に示すように推力指令Fの多項式で表すものとする。
【0017】
【数2】


ただし、Mは一定な自然数、anm,bnm(n=1,2,・・・,N;m=0,1,・・・,M)は定数である。
【0018】
次に、リップルパラメータN、M、anmおよびbnmを決定する方法を説明する。
図3は、リップルパラメータを決定するために用いた位置指令の一例を示す図であり、 図4は、リップルパラメータを求めるフローチャートである。
ステップST1にて、図3に示すようにスタート位置Xからエンド位置Xまでの区間が定速区間に入るように位置指令Xを設定し、スタート位置Xとエンド位置Xとの間にリニアモータの速度が一定となるように位置速度制御器11の制御ゲインを十分大きく上げるか、若しくは、位置速度制御器11に繰り返し補償器を含ませる。
また、NとMに大き目な自然数を与え、i=1とする。
【0019】
ステップST2にて、負荷力Fを式(7)に示すものとする。
=(FLM−FLm)・(i−1)/(I−1)+FLm (7)
ただし、Iが2以上の自然数、FLMとFLmはそれぞれモータ電流Iの最大値と最小値に対応する負荷力である。
ステップST3にて、リニアモータを駆動しながら、リニアモータがスタート位置Xとエンド位置Xとの間を通過する際に一定周期T(以下、計測周期と称す)毎にリニアモータの位置X(i,j)とそれに対応する推力指令F(i,j)を記録する。
ただし、位置速度制御器11は繰り返し制御や学習制御を用いた場合には、リニアモータの位置Xが位置指令Xに追従するまでは記録しない。
【0020】
ステップST4にて、モータがスタート位置Xからエンド位置Xまで移動する時間がJ回計測周期とし、このJ回分の推力指令F(i,j)の平均値Fを式(8)のように求める。
【数3】

【0021】
ステップST5にて、式(9)のようにフーリエ基本位相θ(i,j)を求める。
【数4】

【0022】
ステップST6にて、式(10)および式(11)のようにフーリエ係数AinとBinを求める。
【数5】

【0023】
ステップST7にて、iがI以上であるかどうか判断する。
iがI以上であればステップST9に進み、そうでなければ、ステップST8に進む。
ステップST8にて、iに1を足して新たなiとしてステップST2に戻る。
ステップST9にて、フーリエ係数AinとBinとの値に基づいてNを決める。
nがある正整数に超えると、Ain(i=1,2,・・・,I)とBin(i=1,2,・・・,I)との絶対値が全て小さくなったら、その正整数を新たなNとする。
ステップST10にて、以下で説明するように最小2乗法を用いて係数anmとbnmを求める。
nmとbnmとの係数ベクトルをそれそれ式(12)と式(13)に示すものとする。
【0024】
【数6】

【0025】
また、状態ベクトルを式(14)に示すものとする。
【数7】

【0026】
よって、anmとbnmとの係数ベクトルはそれぞれ式(15)と式(16)のように求められる。
【数8】

【0027】
ステップST10にて、係数anmとbnmとの値に基づいてMを決める。mがある正整数に超えると、anm(n=1,2,・・・,N)とbnm(n=1,2,・・・,N)との絶対値が全て小さくなったら、その正整数を新たなMとする。
この新たなMに応じて係数anmとbnmを整理して終了する。
以上のように決定したリップルパラメータは式(17)を満たす。
【数9】

【0028】
となる。
一般的に、KをKの平均値とするようにしているため、FはFと等しくなるので、式(17)を式(5)と比較して本発明のリニアモータの推力リップルの測定装置は正確に実際の推力リップルを測定できることが分かる。
【0029】
本発明のリニアモータの推力リップル測定装置は、従来のトルクリップル測定装置に比較して、リニアモータの位置をフーリエ基本位相に変換し、推力リップルをフーリエ基本位相のフーリエ級数として表し、フーリエ級数の係数を推力指令の多項式としているので、リニアモータの位置および推力指令に複雑な関数で依存する推力リップルを正確に測定することができ、またモータ制御装置に適用する場合においても多項式の係数のみを記憶するなので、大きな容量のメモリを必要としないという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明のリニアモータの推力リップル測定装置の構成を示すブロック線図
【図2】図1の近似等価ブロック線図
【図3】リップルパラメータを決定するために用いた位置指令の一例を示す図
【図4】リップルパラメータを求めるフローチャート
【図5】従来技術のトルクリップル測定装置の構成を示すブロック線図
【符号の説明】
【0031】
1 モータ制御装置
4 リニアモータ
5 負荷
6 位置検出器
11 位置速度制御器
12 電流指令変換器
13 電流アンプ
14 推力定数
15 コギング関数
16 加算器
17 減算器
18 機械可動部のモデル
20 推力リップル測定部
21 リップルパラメータ決定器
22 位相計算器
51 トルクリップル測定装置
52 学習制御器
53 演算器
54、55 1回転分のトルクリップルデータを記憶するメモリ
56 回転モータ
57 角度検出器
58 トルク発生器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
位置指令およびリニアモータの位置に基づいて推力指令を生成する位置速度制御器と、前記推力指令を入力し電流指令を出力する電流指令変換器と、前記リニアモータの電流を前記電流指令に追従させる電流アンプと、前記推力指令および前記リニアモータの位置に基づいて前記リニアモータの推力リップルを測定する推力リップル測定部とを備えたリニアモータの推力リップル測定装置において、
前記推力リップル測定部は、前記リニアモータの位置に基づいてフーリエ基本波の位相(θ)(以下、「フーリエ基本位相(θ)」という。)を算出する位相計算器と、
前記フーリエ基本位相および前記推力指令に基づいてリップルパラメータを決定するリップルパラメータ決定器とで構成することを特徴とするリニアモータの推力リップル測定装置。
【請求項2】
前記位相計算器は、前記フーリエ基本位相を次式で計算することを特徴とする請求項1に記載のリニアモータの推力リップル測定装置。
θ=mod{(X−X),(X−X)}・2π
ただし、θはフーリエ基本位相、Xはリニアモータの位置、Xは補償すべく移動範囲のスタート位置、Xは補償すべく移動範囲のエンド位置、mod{P,Q}はPをQで割った余りを求める関数を表す。
【請求項3】
位置指令およびリニアモータの位置に基づいて推力指令を生成する位置速度制御器と、前記推力指令を入力し電流指令を出力する電流指令変換器と、前記リニアモータの電流を前記電流指令に追従させる電流アンプと、前記推力指令および前記リニアモータの位置に基づいて前記リニアモータの推力リップルを測定する推力リップル測定部とを備えたリニアモータの推力リップル測定装置の推力リップル測定方法において、
指令の速度が一定となる定速区間を含む前記位置指令を設定し、
前記定速区間に前記リニアモータの速度が一定となるように前記位置速度制御器の制御ゲインを十分大きく上げ、
或いは前記位置速度制御器に繰り返し補償器を含ませ、
前記リニアモータを駆動制御しながら、前記リニアモータが前記定速区間を通過する際の前記リニアモータの位置とそれに対応する前記推力指令を記録し、
前記リニアモータが前記定速区間を通過する際の前記リニアモータの位置とそれに対応する前記推力指令に基づいてフーリエ解析してフーリエ係数を計算し、
前記フーリエ係数を前記推力指令の多項式とし、
複数回負荷力を変え、最小2乗法を用いて前記多項式の係数を決定することを特徴とするリニアモータの推力リップル測定装置の推力リップル測定方法。
【請求項4】
請求項1または2に記載のリニアモータの推力リップル測定装置を備えることを特徴とするモータ制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−159741(P2009−159741A)
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−335663(P2007−335663)
【出願日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【出願人】(000006622)株式会社安川電機 (2,482)
【Fターム(参考)】