リニア浮上式高速鉄道ガイドウェイ走行路検査装置及び検査方法。
【課題】リニア浮上式高速鉄道ガイドウェイ走行路の状態を自動で、リアルタイムで検査でき、設備費用が安価な検査装置または検査方法を提供する。
【解決手段】リニア浮上式高速鉄道車が低速時に走行する走行路2の継目箇所及び路面上を検査するために、前記走行路の一定のエリアを照明し、前記照明箇所を撮像し、前記画像を処理しガイドウェイ走行路上を検査し、異常が検出した箇所のみ画像を収録する。
【解決手段】リニア浮上式高速鉄道車が低速時に走行する走行路2の継目箇所及び路面上を検査するために、前記走行路の一定のエリアを照明し、前記照明箇所を撮像し、前記画像を処理しガイドウェイ走行路上を検査し、異常が検出した箇所のみ画像を収録する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リニア浮上式高速鉄道に関し、特にガイドウェイ走行路の状態を検査する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
リニア浮上式鉄道ガイドウェイ(以下、単にガイドウェイという)走行路は、浮上および推進コイルが設けられた連続したコンクリートスラブ構造となっており、その保持に交換し易くするためにユニット構造を採用している。ユニット構造であるために周囲温度の変化による伸縮に対応する遊間の継目部が設けられている。
【0003】
リニア車両の浮上走行は高速時であり、車両が低速時または停車および発車するときはタイヤ支持車輪がガイドウェイ走行路に着地する。完全に浮上状態になるとこのタイヤ支持車輪は車体に格納される機構となっている。
【0004】
低速時に走行するタイヤ支持車輪は、ガイドウェイ走行路の路面に異物、損傷があると、ただそれだけで大きな問題には至らないが、万が一の事故の問題と乗り心地の点から、事前に、小さいうちに検出する装置が必要である。事前に小さいうちに検出できれば、着地する際に、特に非常時に緊急着地する際に、障害あるいは事故に繋がる可能性を低く抑えることができる。
【0005】
特に、遊間があるガイドウェイ走行路の継目部分は、浮上走行以外は車両支持車輪のタイヤが落込むので振動が発生し易く、乗り心地が非常に悪くなり、さたに、継目部のコンクリート目地が欠け等の損傷が拡大する恐れがある。損傷が拡大すると、その欠け断片がガイドウェイ走行路上に落ちたところに走行した際に、タイヤが破裂する可能性があり、あるいは、車両にあたった場合に車両に大きな損傷を与える問題がある。
【0006】
このような走行路の状態を検査する装置としては、在来線の鉄道関係で、特許文献1に示す検測車に搭載した自動検査装置でレール継目板の締結ボルトの脱落を検出する装置がある。
【0007】
【特許文献1】特開2006−250574号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
リニア浮上式高速鉄道では、定量的に浮上コイル変位量を検査して健全状態を維持管理するガイドウェイ検測車はあるが、ガイドウェイ走行路検査の機能はない。この分野の検査方法として保守作業後に目視巡回する点検が主流であり、リニア新幹線が実用化した際に自動検査装置がないと人手と時間を要するだけでなく検査範囲が狭くなることが想定される。
【0009】
また、特許文献1に開示された在来線のレール継目板の締結ボルト脱落装置では、アナログ画像の膨大データをハードディスクに収録し、多大な処理時間を掛けて地上システムで解析している。また、そのための検査システムが大規模となり、設備費用もかかっている。
【0010】
従って、本発明の目的は、リニア浮上式高速鉄道ガイドウェイ走行路の状態を自動で検査できる検査装置または検査方法を提供することにある。
【0011】
また、本発明の他の目的は、リニア浮上式高速鉄道ガイドウェイ走行路の状態をリアルタイムで検査できる検査装置または検査方法を提供することにある。
【0012】
さらに、発明の他の目的は、リニア浮上式高速鉄道ガイドウェイ走行路の状態を設備費用が安価で検査できる検査装置または検査方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために、本発明は、リニア浮上式高速鉄道車が低速時に走行し、複数に分割されたその継目箇所に遊間を有するガイドウェイ走行路を走行する検測車に搭載され、前記ガイドウェイ走行路を検査するリニア浮上式高速鉄道ガイドウェイ走行路検査装置または検査方法において、前記走行路の一定のエリアを照明し、前記照明箇所を撮像する撮像し、前記画像を処理しガイドウェイ走行路上を検査することを第1の特徴とする。
また、上記目的を達成するために、本発明は第1の特徴に加え、前記検査の結果、異常が検出されたときはその検出画像を記録することを第2の特徴とする。
また、上記目的を達成するために、本発明は第1の特徴に加え、前記一定のエリアは前記継目箇所を含むエリアであり、前記エリアを面画像として撮像して、前記継目箇所の損傷を検出することを第3の特徴とする。
【0014】
さらに、上記目的を達成するために、本発明は第3の特徴に加え、前記継目箇所を予め検出し、前記検出結果に基づいて前記撮像するタイミングを制御することを第4の特徴とする。
また、上記目的を達成するために、本発明は第3の特徴に加え、前記画像から前記継目箇所の画像を除去することにより前記継目箇所の損傷を検出することを第5の特徴とする。
また、上記目的を達成するために、本発明は第3の特徴に加え、前記面画像からの前記継目箇所を検出の可否を判断し、その判断に基づいて前記損傷の検出を異なる処理で行なうことを第6の特徴とする。
【0015】
さらに、上記目的を達成するために、本発明は第1の特徴に加え、前記一定のエリアは前記ガイドウェイ走行路に前記検測車の進行方向に垂直に帯状に形成されるエリアであり、前記エリアを線画像または帯状画像として捉えることを第7の特徴とする。
また、上記目的を達成するために、本発明は第7の特徴に加え、前記ガイドウェイ走行路上に存在する異物を検出することを第8の特徴とする。
【0016】
また、上記目的を達成するために、本発明は第8の特徴に加え、前記検査の結果、異物が検出されたときは、異物を含むエリアを含む画像を記録することを第9の特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、リニア浮上式高速鉄道ガイドウェイ走行路の状態を自動で検査できる検査装置または検査方法を提供することができる。
【0018】
また、本発明の他の目的は、リニア浮上式高速鉄道ガイドウェイ走行路の状態をリアルタイムで検査できる検査装置または検査方法を提供することできる。
【0019】
さらに、発明の他の目的は、リニア浮上式高速鉄道ガイドウェイ走行路の状態を設備費用が安価で検査できる検査装置または検査方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下本発明を実施するための最良の形態を図1から図11を用いて説明する。
【0021】
図1は、検測車100に本発明の一実施形態であるガイドウェイ走行路検査装置(以下、走行路検査装置と略す)1を搭載した図である。本実施例の走行路検査装置1は、大別して、画像検出部10と画像検出部10を制御し、これらからのデータを処理する制御処理部20からなる。画像検出部10は、検測車100の右側(R)、左側(L)に配置され、ガイドウェイ走行路(以下、単に走行路という)2の継目箇所3を検出する継目検出センサ4R、4Lと、前記継目検出センサ4に基づいて、検測車100の中央に配置され、継目箇所3の損傷を検査する継目検査部5と、及び検測車100の右側、左側に配置され、走行路面3aの異物等の有無を検査する路面上検査部6R、6Lとからなる。
【0022】
図2は画像検出部10と制御処理部20の構成を(a)図で、処理の流れを(b)図で示した図であり、図3は走行路2の継目箇所3を検査する原理を示した図である。
【0023】
最初に、図2から図9を用いて走行路2の継目箇所3の損傷有無を検出する構成及び方法をについて説明する。
【0024】
図2(b)に示すように、処理装置23には検査すべき継目検査位置情報28が予め登録されており、図2(a)に示すサンプリングパルス18により検測車100の位置を認識し、次の継目箇所3が検査すべき箇所かを判断し、検査すべき箇所であるならば、継目検出センサ4を用いて継目箇所3を検出する。本実施形態では、走行路2の継目箇所3を直接検出するのではなく、走行路2の両側に壁のように設けられた案内路(図示せず)の隙間を検出する。その理由は、案内路の隙間は、走行路2と付随して同一地点上にあり、走行路の基準隙間5mmに対して20mmと広いため検出が容易にできるからである。勿論、直接走行路2の継目を検出してもよい。継目検出センサ4としては、レーザー発光器、CCDカメラを内蔵したレーザー変位計4’を用いて案内路の継目ギャップを検出する。図1において検測車100が右から左へ走行している場合は、検査に先立って継目箇所3を検出するために、左側のレーザー変位計4’Lで案内路の隙間を検出する。
【0025】
そこで、継目箇所3を検出後、継目検出センサ4と継目検査部5との距離に対応し遅れを持たせ、継目箇所3の画像が略中央になるようにタイミングをとり、損傷箇所検出開始信号26を発生させ、継目検査部5により検査する。検査地点に来たかどうかは、距離計であるサンプリングパルス21によって検出する。こうすることによって、連続撮影ではなく必要な箇所のみ離散的に取ることによって画像データを大幅に低減できる。
【0026】
また、上記において、継目箇所3の検出をレーザー変位計4’Lで行なったが、前記サンプリングパルス18を利用して現在の検測車の位置を検出できるので、予め検査すべき継目箇所の位置をデータとし記憶し、前記データと一致したときに継目箇所3として検出してもよい。
【0027】
継目検査部5は、図3(a)に示すように、継目箇所3を含む一定のエリアを面照明するエリア照明装置5aとそのエリアを画像として捉えるCCDカメラ5bからなり、進行方向に斜光照明、斜方撮影する配置である。図3(a)に示すように、継目箇所3にその一部が欠けた損傷箇所7が存在すると、それら以外の部分は照明により明るくなる。帯状である継目箇所3による影の部分35と損傷箇所7はその反射光の光量が落ち、画像上黒い継目箇所画像31、継目損傷画像32として映る。前記損傷箇所検出開始信号26により図2(a)に示す画像処理高速化ボード25に前記画像を入力し、図3(b)に示すように、2値化処理をし、帯状の継目箇所画像31を除去することにより継目損傷画像32のみを抽出し、処理装置22aでその大きさ、場所を特定する。その結果及び画像データそのものをTFTモニタ23a、23bに表示するとともに、処理装置22bのメモリに継目損傷画像32画像データ及び判定結果を記録する。
【0028】
前記CCDカメラ5bは、検測車100の時速100kmでの走行に対応するために、30画像/秒、1600x1200画素でフルフレーム画像を取得する高速・高解像度カメラであり、その表面にメガピクセルレンズ11を設け、その焦点距離を12mmとした。エリア照明装置5aは高輝度メタルハライド光源の照明と集光レンズの組み合わせで面照明を照射する。撮影視野全体の照明方法は、図4のTFTモニタ26画面の一例に示すように、長方形の面照明を使用すると斜光の場合には台形となってしまうため、斜光状態で長方形となる逆台形照明のシリンドリカルレンズを用いた。
【0029】
図4において、画像の中心にある黒い帯状画像が継目箇所画像32で、それに隣接した丸い黒い画像が継目損傷画像31である。なお、白い部分が走行路2の画像33であり、両サイドにある黒い部分が背景画像34である。図4に示す視野領域において、視野手前側の近傍位置は走行路2全幅を入れ、遠方位置は充分に検査判定ができる解像度を確保する必要がある。損傷部分の大きさは画素数で判定し、損傷寸法は画像領域の各座標位置で解像度の係数からmm換算する。斜方撮影によりCCDセンサ側の近傍位置と照明側の遠方位置では解像度が異なるため、縦方向(Y座標)に対して距離係数パラメータテーブルを設けてY座標ピクセル位置からmm/画素の係数変換で定量的に欠け損傷寸法または面積として出力する。例えば、走行路幅800mmを近傍位置は1600画素、遠方位置は1000画素と設定すると解像度はそれぞれ0.5mm/画素、0.8mm/画素である。そして継目箇所3の影の幅が一定以上となった場合に損傷ありと判断する。
【0030】
図5、図6を用いて図3(b)で示した画像処理方法の方法を詳細に説明する。図5は画像処理のフローチャートを示し、図6(a)は継目箇所3を検出する方法を、図6(b)は損傷箇所の輪郭を検出する方法を示す図である。以下、図4、図6を参照しながら、図5に従い処理フローを説明する。
【0031】
ステップ1:画像処理領域は、図4に示すようにカメラ撮像範囲が走行路2以外の背景34を含んでおり、画像処理を効率よく行なうために、まず背景34を除去する。
ステップ2:継目箇所3を検出する処理を行なう。継目箇所3の検出感度を上げるために、図6(a)に示すように、各Y座標に対しX方向の1ライン分の画素の明るさを積算する。継目箇所3は暗いために積算値の最小値を示すY座標が継目箇所3の位置と判定する。また積算値を画像領域の横方向の画素数で除算することで継目箇所3の明るさが分る。
ステップ3:損傷部分の検出効率を上げるために、前記ステップで検出した継目箇所3のY座標の±αにて処理範囲(図6(b)の47)を再設定する。
【0032】
ステップ4:前記再設定した処理範囲で2値化処理を行なう。2値化処理は、検出対象とそれ以外とを区別するために、0から255の明るさの階調を持つ各画素データを、ある閾値以上の明るさの画素を白(“1”)、ある明るさ未満の画素を黒(“0”)、として識別する。前記閾値はステップ2の継目箇所検出処理で求めている。
ステップ5:損傷箇所7の大きさを求めるために輪郭線追跡処理を行なう。図6(b)に示すように、2値化後の画像において白黒境界部のX,Y座標から抽出する処理を行ない影上側輪郭線48および下側の輪郭線49を求める。
ステップ6:最後に損傷箇所判定処理行なう。損傷箇所判定処理は上側輪郭線48と下側輪郭線49内の各X座標において、Y座標の差が最大のものを算出し、この値が設定した基準値以上となった場合に損傷箇所ありと判定する。このとき、損傷箇所の大きさは前述したように画素数で決める。
以上の処理を行うことにより、継目箇所3にある損傷箇所7を検出することができる。
【0033】
上記説明では継目箇所3の損傷箇所7の検出においては、継目箇所3に影31が存在する画像を処理することを前提として説明した。しかしながら、継目箇所3に影31ができない場合があり、この場合は前記と異なる画像処理方法が必要となる。この場合は、継目箇所3に影31はできないが損傷箇所には影32ができることから、その影32を2値化した際に黒画素の塊があるか否かにより損傷の有無を判別して検出する。図7は継目箇所3に影ができない場合のTFTモニタ26画面の一例を示す図であり、図8は本ケースの画像処理フローチャートを示し、図9は損傷箇所7を検出するラベリング処理結果を示す図である。以下、図7、図9を参照しながら、図8に従い処理フローを説明する。
【0034】
ステップ1、ステップ2:前記ケースの処理を行なう。
ステップ10:しかし、ステップ2の処理後、各ラインの積分値が全て一定以上値でラインとして影の値を示すものがない場合、継目箇所3が検出できないと判断する。
ステップ11:継目箇所3が検出できない場合は、損傷の影部分のみが識別できるように閾値を下げ明暗差を強調して2値化処理を行なう。この場合、全領域を2値化処理してもよいが、効率性を上げるために、検出できない継目箇所3は画面の中央付近に存在するとして余裕をもった幅で中央付近を2値化処理する。
ステップ12:2値化反転処理で損傷箇所を白画素にする。
【0035】
ステップ13:この白画素の塊を区別して塊ごとに番号をつける下記に示すラベリング処理を行なう。図9(a)はモニタ上の画面で、同図(b)は画素単位が分るほどに拡大した図でありラベリング処理した結果を示したものである。ラベリング処理では、まずライン(X軸)での白画素(図9(a)では灰色の見える)の連続性をみる。すなわち、その開始点のX、Y座標からX軸方向の画素の長さの情報を抽出する。その後、次のラインにおいて同様なデータをとり、重なり即ちY方向の連結性を調べて、連続性がある場合は同じラベル番号をラインデータ情報に付加していく。連続性がない場合は、ラベル番号を+1してラインデータ情報に付加する。その後、ライン情報データを見ながら連結性を調べて同一ラベル番号からその塊を区別し、ラベル番号ごとに記号分けし、分かり易くするために異なった色で表示する。図9(b)ではその結果、(1)〜(3)のラベル番号が付加されたことを示している。
【0036】
ステップ14:ラベリング毎に白画素の塊の面積を把握する。ラインデータにおいてこの画素の長さを積算することにより面積が算出でき、基準値以上の大きさの面積があれば損傷箇所と判定する。その結果、図9に示すデータでは、(1)はノイズであり、(2)(3)が損傷箇所と判定された。
【0037】
以上説明したように、本実施形態によれば、走行路2の継目箇所3における損傷状態を自動で検査できる。
また、本実施形態によれば、上記検査をリアルタイムで行なうことができる。
さらに、本実施形態によれば、上記検査を必要な箇所のみ映像を撮ることで、大容量の記憶装置も必要なく安価で検査できる検査装置または検査方法を提供することができる。
【0038】
次に、走行路2面上の異物の有無を検出する構成及び方法を図2および図10〜図11を用いて説明する。
図10は走行路面3aを検査する原理を示した図である。
図10は走行路面3a上の異物8等を検査する原理を示した図である。図10(a)に示すように、本検査方法は、走行路2路面の一定のエリアを帯状に照明する帯状照明装置6aとその反射光を捉えるラインセンサ6bからなり、前記帯状照明装置6aで走行路面3a上の異物8を検出できるように走行路2の全幅を線状又は帯状に進行方向に斜光照明し、前記ラインセンサ6bにて高速走査して異物等の影36を捉える方法である。
【0039】
ラインセンサ6bは、最高ライン周波数68kHzで100km/h走行時に0.4mm間隔で高速検査が可能であり、走査幅はタイヤの走行路幅800mmで検出可能である。走行路800mmを1ライン2048画素で検査すれば0.4mm/画素となり、1600画素で検査すれば0.5mm/画素であり、ともに充分な分解能を有している。本実施形態では、端部との区別を必要としているので、0.5mm/画素を採用し、端部分224mmとり、測定範囲が800mmとなるように焦点調整した。
【0040】
帯状照明装置6aは、高輝度メタルハライド光源照明を集光レンズで進行方向のライン幅が100mmとなるように斜光照射し直線状に集光することでさらに高輝度にした。ラインセンサ6bは、図10(b)に示すように、移動しながら2mmから3mm間隔で検査すれば10mm寸法の異物検出が充分可能であることから、その走査周波数は9.26kHzから13.9kHzとした。この画像処理でも2値化処理をするが、0から255階調の明るさを持ち走行路面3aの照射部を255階調に調整し、異物等影のレベル128以下の閾値を検出して2画素以上で異物等を検出する。なお異物等の影の大きさは2画素で1mmである。
【0041】
図11は異物等検査画像の一例を示した図である。上側の図は1ラインの走査データを幅を持って示したもので、37が走行路2の画像データであり、38は走行路端部からの外部分である背景画像データである。一方下側の図は前記走査データの明るさをから255階調で示したものである。画素0から画素2047にむかって閾値以下のものがあるかどうか調べる。閾値以下のものが連続画素続いた場合に異物として検出し、1箇所もなければ正常と判定する。例えば異物かどうかの判定パラメータとしては、閾値および異物かどうか判定する幅である。図11を判定した結果、39は諧調が40で異物8を示す画像データであり、40はタイヤの跡を示す画像データである。
【0042】
また、進行方向の前方のラインセンサ6bで走行路面3aの順次検査して異物等を検出した際に,その後方にあるCCDカメラ5bでフレーム撮影して、サンプルパルスで得られる位置情報とともにコイル番号インデックスを付けてデータ収録する。
【0043】
以上説明したように、本実施形態によれば、走行路2面上における異物等の状態を自動で検査できる。
また、本実施形態によれば、上記検査をリアルタイムで行なうことができる。
さらに、本実施形態によれば、上記検査を必要な箇所のみ映像を撮ることで、大容量の記憶装置も必要なく安価で検査できる検査装置または検査方法を提供することができる。
また、本実施形態によれば、測定対象となるガイドウェイ走行路2の継目部および異物等検出個所のみを自動で画像検査するため、全線にわたる連続検査を必要とせず効率的であり、保守判断が迅速に対応できる、
以上の説明では、ガイドウェイの一実施形態に対する本発明の一実施形態を示した。一般的には、整備基準が標準化されたとしても走行路継目部の構造など損傷箇所の種類は多種多様である事が想定される。しかし、本実施例で示した手法は、今後に要求される新たな問題に対しても適用可能と考える。
【0044】
また、本発明は、走行路異常だけでなく案内路の異常検査、トンネル壁面の異常検査、浮上コイル締結ボルトなどの画像検査に、この手法が適用可能である。
【0045】
さらに、上記実施形態では、画像処理の高速化に重点をおいた為、モノクロ画像での検出手法を採用した。しかしながら、連続画像検査でなく部分検査で判定処理が充分対応できるようであれば、より画像諧調の識別調整に優位性のあるカラー画像処理を採用して検出精度を向上してもよい。
【0046】
また、輪郭線処理には微分フィルタ処理で部分強調、ラベリング処理には平滑化フィルタ処理でノイズ除去、明るい領域と暗い領域の膨張・収縮を行なう最大値フィルタ・最小値フィルタ処理、さらに判定率を上げるための合成処理などを必要に応じて付加することができる。また曲線区間での車両傾斜画像の角度修正処理など必要に応じて追加することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】図1は検測車に本発明の一実施形態であるガイドウェイ走行路検査装置を搭載した図である。
【図2】図2は画像検出部10と制御処理部20の構成を(a)図で、処理の流れを(b)図で示した図である。
【図3】図3は継目検査部の構成を(a)図で、継目損傷検出時の画像処理の概略処理フローを図(b)で示した図である。
【図4】図4は継目損傷検出時のTFTモニタ上の画面の一例を示した図である。
【図5】図5は継目損傷検出時の画像処理の処理フローの一例を示した図である。
【図6】図6は継目箇所3を検出する方法を(a)図で、損傷箇所の輪郭を検出する方法を(b)図で示した図である。
【図7】図7は継目損傷検出時のTFTモニタ上の画面の他の例を示した図である。
【図8】図8は継目損傷検出時の画像処理の処理フローの他の例を示した図である。
【図9】図9は損傷箇所検査時のラベリング処理の説明した図である。
【図10】図10は路面検査部の構成を(a)図で、路面検査の概略を図(b)で示した図である。
【図11】図11は異物等検査画像の一例を示した図である。
【符号の説明】
【0048】
1:ガイドウェイ走行路検査装置(走行路検査装置)
2:ガイドウェイ走行路(走行路)
3:走行路の継目箇所 3a:走行路面 4:継目検出センサ
4‘:レーザー変位計 5:継目検査部 5a:エリア照明装置
5b:CCDカメラ 6:路面検査部 6a:帯状照明装置
6b:ラインセンサ 7:損傷箇所 8:異物
10:画像検出部 11:メガピクセルレンズ 20:制御処理部
21:サンプリングパルス 22:処理装置 23:TFTモニタ
24:電源 25:画像処理高速ボード
26:損傷箇所検出開始信号 27:路面検査開始信号 28:継目検査位置情報
29:走行路継目検出信号 30:前回検査情報 31:継目箇所の画像
32:継目損傷箇所画像 33:走行路画像 34:背景画像
35:継目箇所の影 36:異物による影
37:異物等検査時の走行路画像データ 38:走行路端部部分の画像データ
39:異物画像データ 40:タイヤ跡画像データ 100:検測車。
【技術分野】
【0001】
本発明は、リニア浮上式高速鉄道に関し、特にガイドウェイ走行路の状態を検査する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
リニア浮上式鉄道ガイドウェイ(以下、単にガイドウェイという)走行路は、浮上および推進コイルが設けられた連続したコンクリートスラブ構造となっており、その保持に交換し易くするためにユニット構造を採用している。ユニット構造であるために周囲温度の変化による伸縮に対応する遊間の継目部が設けられている。
【0003】
リニア車両の浮上走行は高速時であり、車両が低速時または停車および発車するときはタイヤ支持車輪がガイドウェイ走行路に着地する。完全に浮上状態になるとこのタイヤ支持車輪は車体に格納される機構となっている。
【0004】
低速時に走行するタイヤ支持車輪は、ガイドウェイ走行路の路面に異物、損傷があると、ただそれだけで大きな問題には至らないが、万が一の事故の問題と乗り心地の点から、事前に、小さいうちに検出する装置が必要である。事前に小さいうちに検出できれば、着地する際に、特に非常時に緊急着地する際に、障害あるいは事故に繋がる可能性を低く抑えることができる。
【0005】
特に、遊間があるガイドウェイ走行路の継目部分は、浮上走行以外は車両支持車輪のタイヤが落込むので振動が発生し易く、乗り心地が非常に悪くなり、さたに、継目部のコンクリート目地が欠け等の損傷が拡大する恐れがある。損傷が拡大すると、その欠け断片がガイドウェイ走行路上に落ちたところに走行した際に、タイヤが破裂する可能性があり、あるいは、車両にあたった場合に車両に大きな損傷を与える問題がある。
【0006】
このような走行路の状態を検査する装置としては、在来線の鉄道関係で、特許文献1に示す検測車に搭載した自動検査装置でレール継目板の締結ボルトの脱落を検出する装置がある。
【0007】
【特許文献1】特開2006−250574号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
リニア浮上式高速鉄道では、定量的に浮上コイル変位量を検査して健全状態を維持管理するガイドウェイ検測車はあるが、ガイドウェイ走行路検査の機能はない。この分野の検査方法として保守作業後に目視巡回する点検が主流であり、リニア新幹線が実用化した際に自動検査装置がないと人手と時間を要するだけでなく検査範囲が狭くなることが想定される。
【0009】
また、特許文献1に開示された在来線のレール継目板の締結ボルト脱落装置では、アナログ画像の膨大データをハードディスクに収録し、多大な処理時間を掛けて地上システムで解析している。また、そのための検査システムが大規模となり、設備費用もかかっている。
【0010】
従って、本発明の目的は、リニア浮上式高速鉄道ガイドウェイ走行路の状態を自動で検査できる検査装置または検査方法を提供することにある。
【0011】
また、本発明の他の目的は、リニア浮上式高速鉄道ガイドウェイ走行路の状態をリアルタイムで検査できる検査装置または検査方法を提供することにある。
【0012】
さらに、発明の他の目的は、リニア浮上式高速鉄道ガイドウェイ走行路の状態を設備費用が安価で検査できる検査装置または検査方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために、本発明は、リニア浮上式高速鉄道車が低速時に走行し、複数に分割されたその継目箇所に遊間を有するガイドウェイ走行路を走行する検測車に搭載され、前記ガイドウェイ走行路を検査するリニア浮上式高速鉄道ガイドウェイ走行路検査装置または検査方法において、前記走行路の一定のエリアを照明し、前記照明箇所を撮像する撮像し、前記画像を処理しガイドウェイ走行路上を検査することを第1の特徴とする。
また、上記目的を達成するために、本発明は第1の特徴に加え、前記検査の結果、異常が検出されたときはその検出画像を記録することを第2の特徴とする。
また、上記目的を達成するために、本発明は第1の特徴に加え、前記一定のエリアは前記継目箇所を含むエリアであり、前記エリアを面画像として撮像して、前記継目箇所の損傷を検出することを第3の特徴とする。
【0014】
さらに、上記目的を達成するために、本発明は第3の特徴に加え、前記継目箇所を予め検出し、前記検出結果に基づいて前記撮像するタイミングを制御することを第4の特徴とする。
また、上記目的を達成するために、本発明は第3の特徴に加え、前記画像から前記継目箇所の画像を除去することにより前記継目箇所の損傷を検出することを第5の特徴とする。
また、上記目的を達成するために、本発明は第3の特徴に加え、前記面画像からの前記継目箇所を検出の可否を判断し、その判断に基づいて前記損傷の検出を異なる処理で行なうことを第6の特徴とする。
【0015】
さらに、上記目的を達成するために、本発明は第1の特徴に加え、前記一定のエリアは前記ガイドウェイ走行路に前記検測車の進行方向に垂直に帯状に形成されるエリアであり、前記エリアを線画像または帯状画像として捉えることを第7の特徴とする。
また、上記目的を達成するために、本発明は第7の特徴に加え、前記ガイドウェイ走行路上に存在する異物を検出することを第8の特徴とする。
【0016】
また、上記目的を達成するために、本発明は第8の特徴に加え、前記検査の結果、異物が検出されたときは、異物を含むエリアを含む画像を記録することを第9の特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、リニア浮上式高速鉄道ガイドウェイ走行路の状態を自動で検査できる検査装置または検査方法を提供することができる。
【0018】
また、本発明の他の目的は、リニア浮上式高速鉄道ガイドウェイ走行路の状態をリアルタイムで検査できる検査装置または検査方法を提供することできる。
【0019】
さらに、発明の他の目的は、リニア浮上式高速鉄道ガイドウェイ走行路の状態を設備費用が安価で検査できる検査装置または検査方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下本発明を実施するための最良の形態を図1から図11を用いて説明する。
【0021】
図1は、検測車100に本発明の一実施形態であるガイドウェイ走行路検査装置(以下、走行路検査装置と略す)1を搭載した図である。本実施例の走行路検査装置1は、大別して、画像検出部10と画像検出部10を制御し、これらからのデータを処理する制御処理部20からなる。画像検出部10は、検測車100の右側(R)、左側(L)に配置され、ガイドウェイ走行路(以下、単に走行路という)2の継目箇所3を検出する継目検出センサ4R、4Lと、前記継目検出センサ4に基づいて、検測車100の中央に配置され、継目箇所3の損傷を検査する継目検査部5と、及び検測車100の右側、左側に配置され、走行路面3aの異物等の有無を検査する路面上検査部6R、6Lとからなる。
【0022】
図2は画像検出部10と制御処理部20の構成を(a)図で、処理の流れを(b)図で示した図であり、図3は走行路2の継目箇所3を検査する原理を示した図である。
【0023】
最初に、図2から図9を用いて走行路2の継目箇所3の損傷有無を検出する構成及び方法をについて説明する。
【0024】
図2(b)に示すように、処理装置23には検査すべき継目検査位置情報28が予め登録されており、図2(a)に示すサンプリングパルス18により検測車100の位置を認識し、次の継目箇所3が検査すべき箇所かを判断し、検査すべき箇所であるならば、継目検出センサ4を用いて継目箇所3を検出する。本実施形態では、走行路2の継目箇所3を直接検出するのではなく、走行路2の両側に壁のように設けられた案内路(図示せず)の隙間を検出する。その理由は、案内路の隙間は、走行路2と付随して同一地点上にあり、走行路の基準隙間5mmに対して20mmと広いため検出が容易にできるからである。勿論、直接走行路2の継目を検出してもよい。継目検出センサ4としては、レーザー発光器、CCDカメラを内蔵したレーザー変位計4’を用いて案内路の継目ギャップを検出する。図1において検測車100が右から左へ走行している場合は、検査に先立って継目箇所3を検出するために、左側のレーザー変位計4’Lで案内路の隙間を検出する。
【0025】
そこで、継目箇所3を検出後、継目検出センサ4と継目検査部5との距離に対応し遅れを持たせ、継目箇所3の画像が略中央になるようにタイミングをとり、損傷箇所検出開始信号26を発生させ、継目検査部5により検査する。検査地点に来たかどうかは、距離計であるサンプリングパルス21によって検出する。こうすることによって、連続撮影ではなく必要な箇所のみ離散的に取ることによって画像データを大幅に低減できる。
【0026】
また、上記において、継目箇所3の検出をレーザー変位計4’Lで行なったが、前記サンプリングパルス18を利用して現在の検測車の位置を検出できるので、予め検査すべき継目箇所の位置をデータとし記憶し、前記データと一致したときに継目箇所3として検出してもよい。
【0027】
継目検査部5は、図3(a)に示すように、継目箇所3を含む一定のエリアを面照明するエリア照明装置5aとそのエリアを画像として捉えるCCDカメラ5bからなり、進行方向に斜光照明、斜方撮影する配置である。図3(a)に示すように、継目箇所3にその一部が欠けた損傷箇所7が存在すると、それら以外の部分は照明により明るくなる。帯状である継目箇所3による影の部分35と損傷箇所7はその反射光の光量が落ち、画像上黒い継目箇所画像31、継目損傷画像32として映る。前記損傷箇所検出開始信号26により図2(a)に示す画像処理高速化ボード25に前記画像を入力し、図3(b)に示すように、2値化処理をし、帯状の継目箇所画像31を除去することにより継目損傷画像32のみを抽出し、処理装置22aでその大きさ、場所を特定する。その結果及び画像データそのものをTFTモニタ23a、23bに表示するとともに、処理装置22bのメモリに継目損傷画像32画像データ及び判定結果を記録する。
【0028】
前記CCDカメラ5bは、検測車100の時速100kmでの走行に対応するために、30画像/秒、1600x1200画素でフルフレーム画像を取得する高速・高解像度カメラであり、その表面にメガピクセルレンズ11を設け、その焦点距離を12mmとした。エリア照明装置5aは高輝度メタルハライド光源の照明と集光レンズの組み合わせで面照明を照射する。撮影視野全体の照明方法は、図4のTFTモニタ26画面の一例に示すように、長方形の面照明を使用すると斜光の場合には台形となってしまうため、斜光状態で長方形となる逆台形照明のシリンドリカルレンズを用いた。
【0029】
図4において、画像の中心にある黒い帯状画像が継目箇所画像32で、それに隣接した丸い黒い画像が継目損傷画像31である。なお、白い部分が走行路2の画像33であり、両サイドにある黒い部分が背景画像34である。図4に示す視野領域において、視野手前側の近傍位置は走行路2全幅を入れ、遠方位置は充分に検査判定ができる解像度を確保する必要がある。損傷部分の大きさは画素数で判定し、損傷寸法は画像領域の各座標位置で解像度の係数からmm換算する。斜方撮影によりCCDセンサ側の近傍位置と照明側の遠方位置では解像度が異なるため、縦方向(Y座標)に対して距離係数パラメータテーブルを設けてY座標ピクセル位置からmm/画素の係数変換で定量的に欠け損傷寸法または面積として出力する。例えば、走行路幅800mmを近傍位置は1600画素、遠方位置は1000画素と設定すると解像度はそれぞれ0.5mm/画素、0.8mm/画素である。そして継目箇所3の影の幅が一定以上となった場合に損傷ありと判断する。
【0030】
図5、図6を用いて図3(b)で示した画像処理方法の方法を詳細に説明する。図5は画像処理のフローチャートを示し、図6(a)は継目箇所3を検出する方法を、図6(b)は損傷箇所の輪郭を検出する方法を示す図である。以下、図4、図6を参照しながら、図5に従い処理フローを説明する。
【0031】
ステップ1:画像処理領域は、図4に示すようにカメラ撮像範囲が走行路2以外の背景34を含んでおり、画像処理を効率よく行なうために、まず背景34を除去する。
ステップ2:継目箇所3を検出する処理を行なう。継目箇所3の検出感度を上げるために、図6(a)に示すように、各Y座標に対しX方向の1ライン分の画素の明るさを積算する。継目箇所3は暗いために積算値の最小値を示すY座標が継目箇所3の位置と判定する。また積算値を画像領域の横方向の画素数で除算することで継目箇所3の明るさが分る。
ステップ3:損傷部分の検出効率を上げるために、前記ステップで検出した継目箇所3のY座標の±αにて処理範囲(図6(b)の47)を再設定する。
【0032】
ステップ4:前記再設定した処理範囲で2値化処理を行なう。2値化処理は、検出対象とそれ以外とを区別するために、0から255の明るさの階調を持つ各画素データを、ある閾値以上の明るさの画素を白(“1”)、ある明るさ未満の画素を黒(“0”)、として識別する。前記閾値はステップ2の継目箇所検出処理で求めている。
ステップ5:損傷箇所7の大きさを求めるために輪郭線追跡処理を行なう。図6(b)に示すように、2値化後の画像において白黒境界部のX,Y座標から抽出する処理を行ない影上側輪郭線48および下側の輪郭線49を求める。
ステップ6:最後に損傷箇所判定処理行なう。損傷箇所判定処理は上側輪郭線48と下側輪郭線49内の各X座標において、Y座標の差が最大のものを算出し、この値が設定した基準値以上となった場合に損傷箇所ありと判定する。このとき、損傷箇所の大きさは前述したように画素数で決める。
以上の処理を行うことにより、継目箇所3にある損傷箇所7を検出することができる。
【0033】
上記説明では継目箇所3の損傷箇所7の検出においては、継目箇所3に影31が存在する画像を処理することを前提として説明した。しかしながら、継目箇所3に影31ができない場合があり、この場合は前記と異なる画像処理方法が必要となる。この場合は、継目箇所3に影31はできないが損傷箇所には影32ができることから、その影32を2値化した際に黒画素の塊があるか否かにより損傷の有無を判別して検出する。図7は継目箇所3に影ができない場合のTFTモニタ26画面の一例を示す図であり、図8は本ケースの画像処理フローチャートを示し、図9は損傷箇所7を検出するラベリング処理結果を示す図である。以下、図7、図9を参照しながら、図8に従い処理フローを説明する。
【0034】
ステップ1、ステップ2:前記ケースの処理を行なう。
ステップ10:しかし、ステップ2の処理後、各ラインの積分値が全て一定以上値でラインとして影の値を示すものがない場合、継目箇所3が検出できないと判断する。
ステップ11:継目箇所3が検出できない場合は、損傷の影部分のみが識別できるように閾値を下げ明暗差を強調して2値化処理を行なう。この場合、全領域を2値化処理してもよいが、効率性を上げるために、検出できない継目箇所3は画面の中央付近に存在するとして余裕をもった幅で中央付近を2値化処理する。
ステップ12:2値化反転処理で損傷箇所を白画素にする。
【0035】
ステップ13:この白画素の塊を区別して塊ごとに番号をつける下記に示すラベリング処理を行なう。図9(a)はモニタ上の画面で、同図(b)は画素単位が分るほどに拡大した図でありラベリング処理した結果を示したものである。ラベリング処理では、まずライン(X軸)での白画素(図9(a)では灰色の見える)の連続性をみる。すなわち、その開始点のX、Y座標からX軸方向の画素の長さの情報を抽出する。その後、次のラインにおいて同様なデータをとり、重なり即ちY方向の連結性を調べて、連続性がある場合は同じラベル番号をラインデータ情報に付加していく。連続性がない場合は、ラベル番号を+1してラインデータ情報に付加する。その後、ライン情報データを見ながら連結性を調べて同一ラベル番号からその塊を区別し、ラベル番号ごとに記号分けし、分かり易くするために異なった色で表示する。図9(b)ではその結果、(1)〜(3)のラベル番号が付加されたことを示している。
【0036】
ステップ14:ラベリング毎に白画素の塊の面積を把握する。ラインデータにおいてこの画素の長さを積算することにより面積が算出でき、基準値以上の大きさの面積があれば損傷箇所と判定する。その結果、図9に示すデータでは、(1)はノイズであり、(2)(3)が損傷箇所と判定された。
【0037】
以上説明したように、本実施形態によれば、走行路2の継目箇所3における損傷状態を自動で検査できる。
また、本実施形態によれば、上記検査をリアルタイムで行なうことができる。
さらに、本実施形態によれば、上記検査を必要な箇所のみ映像を撮ることで、大容量の記憶装置も必要なく安価で検査できる検査装置または検査方法を提供することができる。
【0038】
次に、走行路2面上の異物の有無を検出する構成及び方法を図2および図10〜図11を用いて説明する。
図10は走行路面3aを検査する原理を示した図である。
図10は走行路面3a上の異物8等を検査する原理を示した図である。図10(a)に示すように、本検査方法は、走行路2路面の一定のエリアを帯状に照明する帯状照明装置6aとその反射光を捉えるラインセンサ6bからなり、前記帯状照明装置6aで走行路面3a上の異物8を検出できるように走行路2の全幅を線状又は帯状に進行方向に斜光照明し、前記ラインセンサ6bにて高速走査して異物等の影36を捉える方法である。
【0039】
ラインセンサ6bは、最高ライン周波数68kHzで100km/h走行時に0.4mm間隔で高速検査が可能であり、走査幅はタイヤの走行路幅800mmで検出可能である。走行路800mmを1ライン2048画素で検査すれば0.4mm/画素となり、1600画素で検査すれば0.5mm/画素であり、ともに充分な分解能を有している。本実施形態では、端部との区別を必要としているので、0.5mm/画素を採用し、端部分224mmとり、測定範囲が800mmとなるように焦点調整した。
【0040】
帯状照明装置6aは、高輝度メタルハライド光源照明を集光レンズで進行方向のライン幅が100mmとなるように斜光照射し直線状に集光することでさらに高輝度にした。ラインセンサ6bは、図10(b)に示すように、移動しながら2mmから3mm間隔で検査すれば10mm寸法の異物検出が充分可能であることから、その走査周波数は9.26kHzから13.9kHzとした。この画像処理でも2値化処理をするが、0から255階調の明るさを持ち走行路面3aの照射部を255階調に調整し、異物等影のレベル128以下の閾値を検出して2画素以上で異物等を検出する。なお異物等の影の大きさは2画素で1mmである。
【0041】
図11は異物等検査画像の一例を示した図である。上側の図は1ラインの走査データを幅を持って示したもので、37が走行路2の画像データであり、38は走行路端部からの外部分である背景画像データである。一方下側の図は前記走査データの明るさをから255階調で示したものである。画素0から画素2047にむかって閾値以下のものがあるかどうか調べる。閾値以下のものが連続画素続いた場合に異物として検出し、1箇所もなければ正常と判定する。例えば異物かどうかの判定パラメータとしては、閾値および異物かどうか判定する幅である。図11を判定した結果、39は諧調が40で異物8を示す画像データであり、40はタイヤの跡を示す画像データである。
【0042】
また、進行方向の前方のラインセンサ6bで走行路面3aの順次検査して異物等を検出した際に,その後方にあるCCDカメラ5bでフレーム撮影して、サンプルパルスで得られる位置情報とともにコイル番号インデックスを付けてデータ収録する。
【0043】
以上説明したように、本実施形態によれば、走行路2面上における異物等の状態を自動で検査できる。
また、本実施形態によれば、上記検査をリアルタイムで行なうことができる。
さらに、本実施形態によれば、上記検査を必要な箇所のみ映像を撮ることで、大容量の記憶装置も必要なく安価で検査できる検査装置または検査方法を提供することができる。
また、本実施形態によれば、測定対象となるガイドウェイ走行路2の継目部および異物等検出個所のみを自動で画像検査するため、全線にわたる連続検査を必要とせず効率的であり、保守判断が迅速に対応できる、
以上の説明では、ガイドウェイの一実施形態に対する本発明の一実施形態を示した。一般的には、整備基準が標準化されたとしても走行路継目部の構造など損傷箇所の種類は多種多様である事が想定される。しかし、本実施例で示した手法は、今後に要求される新たな問題に対しても適用可能と考える。
【0044】
また、本発明は、走行路異常だけでなく案内路の異常検査、トンネル壁面の異常検査、浮上コイル締結ボルトなどの画像検査に、この手法が適用可能である。
【0045】
さらに、上記実施形態では、画像処理の高速化に重点をおいた為、モノクロ画像での検出手法を採用した。しかしながら、連続画像検査でなく部分検査で判定処理が充分対応できるようであれば、より画像諧調の識別調整に優位性のあるカラー画像処理を採用して検出精度を向上してもよい。
【0046】
また、輪郭線処理には微分フィルタ処理で部分強調、ラベリング処理には平滑化フィルタ処理でノイズ除去、明るい領域と暗い領域の膨張・収縮を行なう最大値フィルタ・最小値フィルタ処理、さらに判定率を上げるための合成処理などを必要に応じて付加することができる。また曲線区間での車両傾斜画像の角度修正処理など必要に応じて追加することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】図1は検測車に本発明の一実施形態であるガイドウェイ走行路検査装置を搭載した図である。
【図2】図2は画像検出部10と制御処理部20の構成を(a)図で、処理の流れを(b)図で示した図である。
【図3】図3は継目検査部の構成を(a)図で、継目損傷検出時の画像処理の概略処理フローを図(b)で示した図である。
【図4】図4は継目損傷検出時のTFTモニタ上の画面の一例を示した図である。
【図5】図5は継目損傷検出時の画像処理の処理フローの一例を示した図である。
【図6】図6は継目箇所3を検出する方法を(a)図で、損傷箇所の輪郭を検出する方法を(b)図で示した図である。
【図7】図7は継目損傷検出時のTFTモニタ上の画面の他の例を示した図である。
【図8】図8は継目損傷検出時の画像処理の処理フローの他の例を示した図である。
【図9】図9は損傷箇所検査時のラベリング処理の説明した図である。
【図10】図10は路面検査部の構成を(a)図で、路面検査の概略を図(b)で示した図である。
【図11】図11は異物等検査画像の一例を示した図である。
【符号の説明】
【0048】
1:ガイドウェイ走行路検査装置(走行路検査装置)
2:ガイドウェイ走行路(走行路)
3:走行路の継目箇所 3a:走行路面 4:継目検出センサ
4‘:レーザー変位計 5:継目検査部 5a:エリア照明装置
5b:CCDカメラ 6:路面検査部 6a:帯状照明装置
6b:ラインセンサ 7:損傷箇所 8:異物
10:画像検出部 11:メガピクセルレンズ 20:制御処理部
21:サンプリングパルス 22:処理装置 23:TFTモニタ
24:電源 25:画像処理高速ボード
26:損傷箇所検出開始信号 27:路面検査開始信号 28:継目検査位置情報
29:走行路継目検出信号 30:前回検査情報 31:継目箇所の画像
32:継目損傷箇所画像 33:走行路画像 34:背景画像
35:継目箇所の影 36:異物による影
37:異物等検査時の走行路画像データ 38:走行路端部部分の画像データ
39:異物画像データ 40:タイヤ跡画像データ 100:検測車。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リニア浮上式高速鉄道車が低速時に走行し、複数に分割されたその継目箇所に遊間を有するガイドウェイ走行路を走行する検測車に搭載され、前記ガイドウェイ走行路を検査するリニア浮上式高速鉄道ガイドウェイ走行路検査装置において、
前記走行路の一定のエリアを照明する照明装置と、前記照明箇所を撮像する撮像装置と、前記照明装置と前記撮像装置を制御し、前記画像を処理し前記ガイドウェイ走行路上を検査する制御処理部を有することを特徴とするリニア浮上式高速鉄道ガイドウェイ走行路検査装置。
【請求項2】
前記制御処理部は、前記検査の結果、異常が検出されたときはその検出画像を記録する記憶手段を有することを特徴とする請求項1に記載のリニア浮上式高速鉄道ガイドウェイ走行路検査装置。
【請求項3】
前記一定のエリアは前記継目箇所を含むエリアであり、前記撮像装置は前記エリアを面画像として捉えることを特徴とする請求項1に記載のリニア浮上式高速鉄道ガイドウェイ走行路検査装置。
【請求項4】
前記制御処理部は前記継目箇所の損傷を検出することを特徴とする請求項3に記載のリニア浮上式高速鉄道ガイドウェイ走行路検査装置。
【請求項5】
前記継目箇所を予め検出する手段を有し、前記制御処理部は前記検出結果に基づいて前記撮像するタイミングを制御することを特徴とする請求項3に記載のリニア浮上式高速鉄道ガイドウェイ走行路検査装置。
【請求項6】
前記予め検出手段は、前記検測車に設けられら光学的手段であり、前記照明装置及び撮像装置は検測車の進行方向に対し前記光学的手段の後方に設けられたことを特徴とする請求項5に記載のリニア浮上式高速鉄道ガイドウェイ走行路検査装置。
【請求項7】
前記光学的手段は、前記ガイドウェイ走行路の少なくとも片側に設けられた案内路に設けられた継目を検出する手段であることを特徴とする請求項6に記載のリニア浮上式高速鉄道ガイドウェイ走行路検査装置。
【請求項8】
前記検測車の位置を検出する手段を有し、前記予め検出手段は前記位置検出手段の出力と前記制御処理部に記憶された継目箇所位置データに基づいて前記継目箇所を検出することを特徴する請求項5に記載のリニア浮上式高速鉄道ガイドウェイ走行路検査装置。
【請求項9】
前記制御処理部は、前記画像から前記継目箇所の画像を除去することにより前記継目箇所の損傷を検出することを特徴とする請求項4に記載のリニア浮上式高速鉄道ガイドウェイ走行路検査装置。
【請求項10】
前記制御処理部は、前記面画像からの前記継目箇所を検出の可否を判断し、その判断にに基づいて前記損傷の検出を異なる処理で行なうことを特徴とする請求項4に記載のリニア浮上式高速鉄道ガイドウェイ走行路検査装置。
【請求項11】
前記一定のエリアは前記ガイドウェイ走行路に前記検測車の進行方向に垂直に帯状に形成されるエリアであり、前記撮像装置は前記エリアを線画像または帯状画像として捉えることを特徴とする請求項1または3に記載のリニア浮上式高速鉄道ガイドウェイ走行路検査装置。
【請求項12】
前記制御処理部は前記ガイドウェイ走行路上に存在する異物を検出することを特徴とする請求項11に記載のリニア浮上式高速鉄道ガイドウェイ走行路検査装置。
【請求項13】
前記制御処理部は、前記検査の結果、異物が検出されたときはその検出画像を記録する記憶手段を有することを特徴とする請求項12に記載のリニア浮上式高速鉄道ガイドウェイ走行路検査装置。
【請求項14】
前記面画像を捉える撮像装置は、検測車の進行方向に対し、前記線状または帯状画像を捉える撮像装置の後方に設けられ、前記異物が検出されたときは異物を含むエリアを撮像することを特徴とする請求項13に記載のリニア浮上式高速鉄道ガイドウェイ走行路検査装置。
【請求項15】
リニア浮上式高速鉄道車が低速時に走行し、複数に分割されたその継目箇所に遊間を有するガイドウェイ走行路を走行する検測車に搭載され、前記ガイドウェイ走行路を検査するリニア浮上式高速鉄道ガイドウェイ走行路検査方法において、
前記走行路の一定のエリアを照明し、前記照明箇所を撮像し、前記画像を処理してガイドウェイ走行路上を検査することを特徴とするリニア浮上式高速鉄道ガイドウェイ走行路検査方法。
【請求項16】
前記検査の結果、異常が検出されたときはその検出画像を記録することを特徴とする請求項1に記載のリニア浮上式高速鉄道ガイドウェイ走行路検査方法。
【請求項17】
前記一定のエリアは前記継目箇所を含むエリアであり、前記エリアを面画像として撮像することを特徴とする請求項16に記載のリニア浮上式高速鉄道ガイドウェイ走行路検査方法。
【請求項18】
前記検査は前記継目箇所の損傷を検出することを特徴とする請求項17に記載のリニア浮上式高速鉄道ガイドウェイ走行路検査方法。
【請求項19】
前記継目箇所を予め検出し、前記検出結果に基づいて前記撮像するタイミングを制御することを特徴とする請求項17に記載のリニア浮上式高速鉄道ガイドウェイ走行路検査方法。
【請求項20】
前記画像から前記継目箇所の画像を除去することにより前記継目箇所の損傷を検出することを特徴とする請求項18に記載のリニア浮上式高速鉄道ガイドウェイ走行路検査方法。
【請求項21】
前記面画像からの前記継目箇所を検出の可否を判断し、その判断に基づいて前記損傷の検出を異なる処理で行なうことを特徴とする請求項18に記載のリニア浮上式高速鉄道ガイドウェイ走行路検査方法。
【請求項22】
前記一定のエリアは前記ガイドウェイ走行路に前記検測車の進行方向に垂直に帯状に形成されるエリアであり、前記エリアを線画像または帯状画像として捉えることを特徴とする請求項15または17に記載のリニア浮上式高速鉄道ガイドウェイ走行路検査方法。
【請求項23】
前記ガイドウェイ走行路上に存在する異物を検出することを特徴とする請求項22に記載のリニア浮上式高速鉄道ガイドウェイ走行路検査方法。
【請求項24】
前記検査の結果、異物が検出されたときは、異物を含むエリアを含む画像を記録することを特徴とする請求項23に記載のリニア浮上式高速鉄道ガイドウェイ走行路検査方法。
【請求項1】
リニア浮上式高速鉄道車が低速時に走行し、複数に分割されたその継目箇所に遊間を有するガイドウェイ走行路を走行する検測車に搭載され、前記ガイドウェイ走行路を検査するリニア浮上式高速鉄道ガイドウェイ走行路検査装置において、
前記走行路の一定のエリアを照明する照明装置と、前記照明箇所を撮像する撮像装置と、前記照明装置と前記撮像装置を制御し、前記画像を処理し前記ガイドウェイ走行路上を検査する制御処理部を有することを特徴とするリニア浮上式高速鉄道ガイドウェイ走行路検査装置。
【請求項2】
前記制御処理部は、前記検査の結果、異常が検出されたときはその検出画像を記録する記憶手段を有することを特徴とする請求項1に記載のリニア浮上式高速鉄道ガイドウェイ走行路検査装置。
【請求項3】
前記一定のエリアは前記継目箇所を含むエリアであり、前記撮像装置は前記エリアを面画像として捉えることを特徴とする請求項1に記載のリニア浮上式高速鉄道ガイドウェイ走行路検査装置。
【請求項4】
前記制御処理部は前記継目箇所の損傷を検出することを特徴とする請求項3に記載のリニア浮上式高速鉄道ガイドウェイ走行路検査装置。
【請求項5】
前記継目箇所を予め検出する手段を有し、前記制御処理部は前記検出結果に基づいて前記撮像するタイミングを制御することを特徴とする請求項3に記載のリニア浮上式高速鉄道ガイドウェイ走行路検査装置。
【請求項6】
前記予め検出手段は、前記検測車に設けられら光学的手段であり、前記照明装置及び撮像装置は検測車の進行方向に対し前記光学的手段の後方に設けられたことを特徴とする請求項5に記載のリニア浮上式高速鉄道ガイドウェイ走行路検査装置。
【請求項7】
前記光学的手段は、前記ガイドウェイ走行路の少なくとも片側に設けられた案内路に設けられた継目を検出する手段であることを特徴とする請求項6に記載のリニア浮上式高速鉄道ガイドウェイ走行路検査装置。
【請求項8】
前記検測車の位置を検出する手段を有し、前記予め検出手段は前記位置検出手段の出力と前記制御処理部に記憶された継目箇所位置データに基づいて前記継目箇所を検出することを特徴する請求項5に記載のリニア浮上式高速鉄道ガイドウェイ走行路検査装置。
【請求項9】
前記制御処理部は、前記画像から前記継目箇所の画像を除去することにより前記継目箇所の損傷を検出することを特徴とする請求項4に記載のリニア浮上式高速鉄道ガイドウェイ走行路検査装置。
【請求項10】
前記制御処理部は、前記面画像からの前記継目箇所を検出の可否を判断し、その判断にに基づいて前記損傷の検出を異なる処理で行なうことを特徴とする請求項4に記載のリニア浮上式高速鉄道ガイドウェイ走行路検査装置。
【請求項11】
前記一定のエリアは前記ガイドウェイ走行路に前記検測車の進行方向に垂直に帯状に形成されるエリアであり、前記撮像装置は前記エリアを線画像または帯状画像として捉えることを特徴とする請求項1または3に記載のリニア浮上式高速鉄道ガイドウェイ走行路検査装置。
【請求項12】
前記制御処理部は前記ガイドウェイ走行路上に存在する異物を検出することを特徴とする請求項11に記載のリニア浮上式高速鉄道ガイドウェイ走行路検査装置。
【請求項13】
前記制御処理部は、前記検査の結果、異物が検出されたときはその検出画像を記録する記憶手段を有することを特徴とする請求項12に記載のリニア浮上式高速鉄道ガイドウェイ走行路検査装置。
【請求項14】
前記面画像を捉える撮像装置は、検測車の進行方向に対し、前記線状または帯状画像を捉える撮像装置の後方に設けられ、前記異物が検出されたときは異物を含むエリアを撮像することを特徴とする請求項13に記載のリニア浮上式高速鉄道ガイドウェイ走行路検査装置。
【請求項15】
リニア浮上式高速鉄道車が低速時に走行し、複数に分割されたその継目箇所に遊間を有するガイドウェイ走行路を走行する検測車に搭載され、前記ガイドウェイ走行路を検査するリニア浮上式高速鉄道ガイドウェイ走行路検査方法において、
前記走行路の一定のエリアを照明し、前記照明箇所を撮像し、前記画像を処理してガイドウェイ走行路上を検査することを特徴とするリニア浮上式高速鉄道ガイドウェイ走行路検査方法。
【請求項16】
前記検査の結果、異常が検出されたときはその検出画像を記録することを特徴とする請求項1に記載のリニア浮上式高速鉄道ガイドウェイ走行路検査方法。
【請求項17】
前記一定のエリアは前記継目箇所を含むエリアであり、前記エリアを面画像として撮像することを特徴とする請求項16に記載のリニア浮上式高速鉄道ガイドウェイ走行路検査方法。
【請求項18】
前記検査は前記継目箇所の損傷を検出することを特徴とする請求項17に記載のリニア浮上式高速鉄道ガイドウェイ走行路検査方法。
【請求項19】
前記継目箇所を予め検出し、前記検出結果に基づいて前記撮像するタイミングを制御することを特徴とする請求項17に記載のリニア浮上式高速鉄道ガイドウェイ走行路検査方法。
【請求項20】
前記画像から前記継目箇所の画像を除去することにより前記継目箇所の損傷を検出することを特徴とする請求項18に記載のリニア浮上式高速鉄道ガイドウェイ走行路検査方法。
【請求項21】
前記面画像からの前記継目箇所を検出の可否を判断し、その判断に基づいて前記損傷の検出を異なる処理で行なうことを特徴とする請求項18に記載のリニア浮上式高速鉄道ガイドウェイ走行路検査方法。
【請求項22】
前記一定のエリアは前記ガイドウェイ走行路に前記検測車の進行方向に垂直に帯状に形成されるエリアであり、前記エリアを線画像または帯状画像として捉えることを特徴とする請求項15または17に記載のリニア浮上式高速鉄道ガイドウェイ走行路検査方法。
【請求項23】
前記ガイドウェイ走行路上に存在する異物を検出することを特徴とする請求項22に記載のリニア浮上式高速鉄道ガイドウェイ走行路検査方法。
【請求項24】
前記検査の結果、異物が検出されたときは、異物を含むエリアを含む画像を記録することを特徴とする請求項23に記載のリニア浮上式高速鉄道ガイドウェイ走行路検査方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−203157(P2010−203157A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−50427(P2009−50427)
【出願日】平成21年3月4日(2009.3.4)
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月4日(2009.3.4)
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【Fターム(参考)】
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