説明

リフォーム工事工程表作成支援システム

【課題】顧客がリフォーム工事日程及び工事費用を自由に選択出来るリフォーム工事工程表作成支援システムを提供する。
【解決手段】リフォーム工事を完成するために必要な作業項目と、作業項目毎の該当数量を入力する作業数量入力部2と、作業項目を予め設定された施工順序と作業職種とに基づいて作業項目別に分類する作業項目分類部8と、作業情報記憶部10と、標準単位作業時間設定部11と、作業項目毎の総作業時間を算出する総作業時間算出部12と、リフォーム工事一次工程表画面を作成する一次工程表作成部13と、作業項目毎の作業者の空き情報を記憶する作業者空き情報記憶部15と、リフォーム工事一次工程表画面にリフォーム工事開始日を設定するリフォーム工事開始日設定部16と、リフォーム工事開始日に基いてリフォーム工事二次工程表画面を作成する二次工程表作成部18とで構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、住宅のリフォーム工事に関連して顧客が自ら工事日程を選択出来るようにするサービスを提供するためのリフォーム工事工程表の作成とそれに基づいた施工会社管理方法の改善に寄与するリフォーム工事工程表作成支援システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の技術では、リフォーム工事に関連して、営業担当者が顧客と交渉する時に、顧客からの注文を受けて顧客のニーズを確認し、工事を担当する作業者と相談してリフォーム工事工程表を作成している。また、工事日程は、施工会社が工事を担当する作業者の空き情報を確認し、施工会社が決定している。
【0003】
例えば、特開2002−245121号公報(特許文献1)には、建築物の工程管理表作成システムとして、予定建築物のCAD(Computer Aided Design;コンピュータによる設計製図)データと資材データを読み込み、作業時間算定の基礎となるマスターファイルとつき合わせて最適な工程パターンを作成し、標準工程表を生成するものが提案されている。
【0004】
【特許文献1】特開2002−245121号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、前述の特許文献1の技術では標準工程表は作成されるが、技術の目的は最適の工程を作成することにあり、作業者別の標準作業時間を作成したり、施工会社ごとの標準作業時間を作成したりすることは出来ない。また、工事日程の選択・決定においても、従来通りのサービスを提供する側の主導で決定される技術であり、顧客対応の点では不十分である。
【0006】
また、工程表の作成には標準の作業時間の設定がなく、着手から完成までの時間がばらつく等品質管理上の問題がある。
【0007】
さらに、特許文献1の技術では工程管理表に職人等の作業者別、工務店等の施工会社別の特徴は反映されず、また、実際にかかった時間をフィードバックするシステムがないので、職人等の作業者や工務店等の施工会社を管理する管理指標としては不十分なものである。
【0008】
特許文献1の技術では、施工会社が作業者の空き情報に基づいて工事日程を決定するが、作業者の繁忙期と閑散期による差異は価格に反映されておらず、顧客が自ら工事日程を選択し、決定し価格を選択するという柔軟性がなく、営業担当者はフレキシブルな営業活動が出来ないという問題点がある。また、営業担当者が行う価格の見積もりは先ずユーザの日程的なニーズを把握した後、それを一旦会社等に持ち帰ってその希望日程と作業者の空き情報とを照らし合わせて調整し、見積もり価格を算定しているのが現状であり、ユーザに対面してその場で直接見積価格が提示出来ないという問題があった。
【0009】
本発明は前記課題を解決するものであり、その目的とするところは、顧客がリフォーム工事日程及び工事費用を自由に選択出来るリフォーム工事工程表作成支援システムを提供せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するための本発明に係るリフォーム工事工程表作成支援システムの第1の構成は、リフォーム工事完成までの工程表を作成するシステムであって、リフォーム工事を完成するために必要な個々の作業項目と、該作業項目毎の該当数量を入力する作業数量入力手段と、前記作業数量入力手段により入力された作業項目を予め設定された施工順序と作業職種とに基づいて作業項目別に分類する作業項目分類手段と、前記作業項目分類手段により分類された作業情報を記憶する作業情報記憶手段と、前記作業項目毎の標準単位作業時間を設定する標準単位作業時間設定手段と、前記作業数量入力手段により入力された作業項目毎の該当数量に、前記標準単位作業時間設定手段により設定された作業項目毎の標準単位作業時間を乗じて、作業項目毎の総作業時間を算出する総作業時間算出手段と、前記作業情報記憶手段に記憶された作業情報と、前記総作業時間算出手段により算出された作業項目毎の総作業時間と、によりリフォーム工事一次工程表を作成する一次工程表作成手段と、リフォーム工事作業を担当する作業項目毎の作業者の空き情報を記憶する作業者空き情報記憶手段と、前記作業者空き情報記憶手段に記憶された作業項目毎の作業者の空き情報に基づいて、前記一次工程表作成手段により作成されたリフォーム工事一次工程表にリフォーム工事開始日を設定するリフォーム工事開始日設定手段と、前記リフォーム工事開始日設定手段により設定されたリフォーム工事開始日に基いてリフォーム工事二次工程表を作成する二次工程表作成手段とを有することを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係るリフォーム工事工程表作成支援システムの第2の構成は、前記第1の構成において、前記作業者空き情報記憶手段に記憶された作業項目毎の作業者の空き情報に基づいて、前記一次工程表作成手段により作成されたリフォーム工事一次工程表に複数の異なるリフォーム工事開始日を設定するリフォーム工事開始日設定手段と、前記リフォーム工事開始日設定手段により設定された複数の異なるリフォーム工事開始日毎にそれぞれ異なるリフォーム工事費用見積り料金を設定する見積り料金設定手段と、カレンダー表示画面上に前記リフォーム工事開始日設定手段により設定された複数の異なるリフォーム工事開始日と、前記見積り料金設定手段により設定された該リフォーム工事開始日に対応する見積り料金と、リフォーム工事開始日を選択するリフォーム工事開始日選択手段と、を表示する表示手段とを有することを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係るリフォーム工事工程表作成支援システムの第3の構成は、前記第1の構成において、リフォーム工事完成後に作業項目別及び作業者別に実際にかかった時間を入力する実時間入力手段と、前記実時間入力手段により入力された実際にかかった時間を記憶する実時間記憶手段と、前記実時間記憶手段に記憶された作業項目別及び作業者別の実時間と、前記標準単位作業時間設定手段により設定された作業項目毎の標準単位作業時間との差に基づいて作業者評価表を作成する作業者評価表作成手段と、前記作業者評価表作成手段により作成された作業者評価表を該作業者が所属する施工会社毎に集計して施工会社評価表を作成する施工会社評価表作成手段と、前記作業者評価表作成手段により作成された作業者評価表及び/または前記施工会社評価表作成手段により作成された施工会社評価表を出力して該施工会社に送信する送信手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係るリフォーム工事工程表作成支援システムの第1の構成によれば、作業情報記憶手段に記憶された作業情報と、総作業時間算出手段により算出された作業項目毎の総作業時間と、により、先ず、リフォーム工事作業を担当する作業項目毎の作業者の予定を割り振ってリフォーム工事開始日を設定する前のリフォーム工事一次工程表を一次工程表作成手段により作成することが出来る。
【0014】
次に、作業者空き情報記憶手段に記憶された作業項目毎の作業者の空き情報に基づいて、リフォーム工事開始日設定手段により一次工程表作成手段により作成されたリフォーム工事一次工程表にリフォーム工事開始日を設定することが出来、二次工程表作成手段によりリフォーム工事開始日設定手段により設定されたリフォーム工事開始日に基づいてリフォーム工事二次工程表を作成することが出来る。
【0015】
作業項目毎の標準単位作業時間を予めデータベース化しておくことで、標準単位作業時間設定手段により従来よりも短時間で作業項目毎の標準単位作業時間を設定することが出来、総作業時間算出手段は、作業数量入力手段により入力された作業項目毎の該当数量に、標準単位作業時間設定手段により設定された作業項目毎の標準単位作業時間を乗じて、作業項目毎の総作業時間を算出することが出来、一次工程表作成手段は、作業情報記憶手段に記憶された作業情報と、総作業時間算出手段により算出された作業項目毎の総作業時間と、によりリフォーム工事一次工程表を作成することが出来、かつ、リフォーム工事一次工程表の質も一定とすることが出来る。
【0016】
また、本発明に係るリフォーム工事工程表作成支援システムの第2の構成によれば、リフォーム工事開始日設定手段は、作業者空き情報記憶手段に記憶された作業項目毎の作業者の空き情報に基づいて、一次工程表作成手段により作成されたリフォーム工事一次工程表に複数の異なるリフォーム工事開始日を設定することが出来、見積り料金設定手段は、リフォーム工事開始日設定手段により設定された複数の異なるリフォーム工事開始日毎にそれぞれ異なるリフォーム工事費用見積り料金を設定することが出来る。
【0017】
表示手段は、カレンダー表示画面上にリフォーム工事開始日設定手段により設定された複数の異なるリフォーム工事開始日と、見積り料金設定手段により設定された該リフォーム工事開始日に対応する見積り料金と、リフォーム工事開始日を選択するリフォーム工事開始日選択手段と、を表示することが出来、顧客はリフォーム工事開始日と見積り料金とを参照してリフォーム工事開始日選択手段によりリフォーム工事開始日を選択すると共にリフォーム工事費用を自由に選択することが出来る。
【0018】
これにより、顧客はリフォーム工事日程を自ら決定することが出来、営業担当者が顧客にその場でリフォーム工事工程表をシミュレーションして提示することが出来る。また、顧客のニーズに基づいてリフォーム工事工程表を作成するので該リフォーム工事工程表に顧客の要望を反映出来る。
【0019】
また、本発明に係るリフォーム工事工程表作成支援システムの第3の構成によれば、実時間入力手段によりリフォーム工事完成後に作業項目別及び作業者別に実際にかかった時間を入力することが出来、実時間記憶手段に記憶された作業項目別及び作業者別の実時間と、標準単位作業時間設定手段により設定された作業項目毎の標準単位作業時間との差に基づいて作業者評価表作成手段は作業者評価表を作成することが出来る。
【0020】
そして、施工会社評価表作成手段は、作業者評価表作成手段により作成された作業者評価表を該作業者が所属する施工会社毎に集計して施工会社評価表を作成することが出来、作業者評価表作成手段により作成された作業者評価表及び/または施工会社評価表作成手段により作成された施工会社評価表を出力して送信手段により該当する施工会社に送信することが出来る。
【0021】
このように、作業者別に実際にかかった時間数を入力し、データベース化することにより、作業者別・施工会社別の評価表の作成が可能となり、その評価表に基づく管理を行うことが出来るので、作業者のスケジュール管理の質を高めることが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
図により本発明に係るリフォーム工事工程表作成支援システムの実施形態を具体的に説明する。図1及び図2は本発明に係るリフォーム工事工程表作成支援システムの構成を示すブロック図、図3は本発明に係るリフォーム工事工程表作成支援システムを利用する様子を説明するフローチャート、図4は部屋別に作業項目を拾い出した様子を示す図、図5は施工順序別に作業項目を拾い出した様子を示す図、図6はリフォームを行う邸の基本情報を入力する入力画面の一例を示す図、図7は邸別の基本情報に部屋別の施工順序を入力する入力画面の一例を示す図、図8は邸別の基本情報に投入する作業者の人数と、必要な技能レベルを設定する設定画面の一例を示す図、図9は邸別の基本情報の入力画面に施工会社名及び作業者名を入力する入力画面の一例を示す図、図10は一次工程表作成手段により作成されたリフォーム工事開始日が未入力のリフォーム工事一次工程表の一例を示す図、図11は作業者の空き情報を示す図、図12は二次工程表作成手段により作成されたリフォーム工事開始日が設定されたリフォーム工事二次工程表の一例を示す図、図13は表示手段によりカレンダー表示画面上にリフォーム工事開始日と、見積り料金とリフォーム工事開始日選択手段を表示した表示選択画面の一例を示す図、図14は実時間入力手段となる実時間入力画面の一例を示す図、図15は作業者評価表作成手段により作成された作業者評価表の一例を示す図、図16は施工会社評価表作成手段により作成された施工会社評価表の一例を示す図、図17は本発明に係るリフォーム工事工程表作成支援システムを利用する様子を説明するフローチャート、図18はリフォーム工事費用見積り書の一例である。
【0023】
図1及び図2において、1は住宅等の建築物のリフォーム工事完成までの工程表を作成するシステムであって、2はリフォーム工事を完成するために必要な個々の作業項目と、該作業項目毎の該当数量を入力する作業数量入力手段となる作業数量入力部である。
【0024】
作業数量入力部2は、図6に示すようにリフォーム工事を必要とする邸別の個別情報を基本情報入力画面3上で新築時の契約番号、建設地、依頼者氏名、連絡先等を入力し(図3のステップS)、図1に示す工事管理データベース(以下、「工程管理DB」という)7へ画面入力する。
【0025】
工事管理DB7には作業項目ごとの標準単位作業時間が入力してあり、必要な作業項目と該作業項目毎の該当数量及び投入する作業者数を入力することによって自動的にリフォーム工事に必要な作業項目毎の標準単位作業時間数を算定する。
【0026】
また、図7に示すリフォーム部位設定画面4上で各リフォーム部位とその施工順序が設定される。各リフォーム部位の施工順序はリフォーム部位設定画面4の施工順欄4aに施工順番号を入力することで設定される。
【0027】
図8はリフォーム工事作業に必要な職種毎の作業者人数と、技能レベルを設定する該当数量設定画面5であり、工数の1日分に換算した作業数量として、1日当りの標準作業時間欄5aに記載された標準時間(分)に、技能レベル欄5bに記載された能力率を乗じて作業数量を算出している。
【0028】
図4は邸別に行うリフォーム工事の部屋別に作業項目を拾い出した拾い出し画面6の一例であり、作業数量入力部2により部屋別に該当部位、作業種別、作業内容、作業職種、標準単位作業時間、単位当りの該当数量、所要作業時間、施工順序等が入力されて表示される。拾い出し画面6は予め顧客の邸別の建物情報やリフォーム計画情報が格納された工程管理DB7に基づいて作成される。
【0029】
先ず、図4に示す拾い出し画面6を利用して作業項目を拾い出し、該拾い出し画面6上の該当数量欄6aに作業項目毎の該当数量を入力する。尚、規格外の特別注文は部屋名と職種と作業時間をそれぞれ、部屋名欄6b、作業職種欄6c、標準単位作業時間欄6dに入力する(図3のステップS)。
【0030】
次に、図7に示すリフォーム部位設定画面4上の施工順欄4aに部屋別の施工順序を入力する。例えば、一期工事は居間、台所、二期工事は浴室、洗面所等のように顧客の要望に沿った施工順序を顧客と対面して入力する(図3のステップS)。
【0031】
次に、図8に示す該当数量設定画面5上の施工人数欄5cに大工、クロス工等の投入する作業者の人数を入力し、技能レベル欄5bに投入する作業者の技能レベルを設定する。尚、技能レベルは予め初期設定されている(図3のステップS)。
【0032】
図2において、8は作業項目分類手段となる作業項目分類部であり、作業数量入力部2により入力された作業項目を予め設定された施工順序と作業職種とに基づいて作業項目別に分類して、図5に示す施工順画面9を作成する。
【0033】
10は作業項目分類部8により分類された図5に示す施工順画面9に表示される作業情報を記憶する作業情報記憶手段となる作業情報記憶部である。
【0034】
11は作業項目毎の標準単位作業時間を設定する標準単位作業時間設定手段となる標準単位作業時間設定部であり、図4に示す拾い出し画面6上の標準単位作業時間欄6dに入力された作業項目毎の標準単位作業時間が図5の施工順画面9上の標準単位作業時間欄9aにも反映されて表示される。
【0035】
12は総作業時間算出手段となる総作業時間算出部であり、作業数量入力部2により入力された作業項目毎の該当数量に、標準単位作業時間設定部11により設定された作業項目毎の標準単位作業時間を乗じて、作業項目毎の総作業時間を算出する。即ち、図4に示す拾い出し画面6上の該当数量欄6aに入力された作業項目毎の該当数量に、標準単位作業時間欄6dに入力された標準単位作業時間を乗じて、作業項目毎の総作業時間を算出し、総作業時間欄6eに表示する。
【0036】
13は一次工程表作成手段となる一次工程表作成部であり、作業情報記憶部10に記憶された図5の施工順画面9に示す作業情報と、総作業時間算出部12により算出された作業項目毎の総作業時間とにより図10に示すリフォーム工事一次工程表画面14を作成する。
【0037】
15は予め登録されたリフォーム工事作業を担当する作業項目毎の作業者の空き情報を記憶する作業者空き情報記憶手段となる作業者空き情報記憶部であり、図11に示すように、各施工会社に所属する作業者のスケジュール情報画面17に基づいて空き情報が特定される。
【0038】
16はリフォーム工事開始日設定手段となるリフォーム工事開始日設定部であり、作業者空き情報記憶部15に記憶された作業項目毎の作業者の空き情報に基づいて、一次工程表作成部13により作成されたリフォーム工事一次工程表にリフォーム工事開始日を設定する。
【0039】
18は二次工程表作成手段となる二次工程表作成部であり、リフォーム工事開始日設定部16により設定されたリフォーム工事開始日に基いて、図12に示すように、リフォーム工事二次工程表画面19を作成し出力する(図3のステップS)。図12に示すリフォーム工事二次工程表画面19は、図10に示すリフォーム工事一次工程表画面14に対して、図11に示すスケジュール情報画面17に示された作業者の空き情報に基づいてリフォーム工事開始日設定部16によりリフォーム工事開始日を設定してカレンダー表示画面上に表示したものである。
【0040】
図12に示すように、リフォーム工事二次工程表画面19を出力し、顧客と該リフォーム工事二次工程表画面19によってリフォーム工事の日程スケジュールの調整を行う。そして、休日や工事開始日及び顧客の事情によりリフォーム工事を出来ない日程を入力することによって、リフォーム工事二次工程表画面19を再作成する。
【0041】
この算定された工期と作業者空き情報記憶部15に記憶された作業者空き情報とに基づいて投入可能な作業者のスケジュールを確認し、二次工程表作成部18によりリフォーム工事二次工程表画面19を算定する。
【0042】
リフォーム工事開始日設定部16は、作業者空き情報記憶部15に記憶された作業項目毎の作業者の空き情報、更には顧客の都合で工事出来ない日等を適宜入力することにより、一次工程表作成部13により作成されたリフォーム工事一次工程表画面14に複数の異なるリフォーム工事開始日を設定することが出来る(図3のステップS〜S)。
【0043】
20は見積り料金設定手段となる見積り料金設定部であり、リフォーム工事開始日設定部16により設定された複数の異なるリフォーム工事開始日毎にそれぞれ異なるリフォーム工事費用見積り料金を設定する。
【0044】
リフォーム工事費用見積り料金は、閑散期、通常期、繁忙期毎に異なる料金設定がなされており、例えば、閑散期が通常期の5%〜10%の変動幅の範囲で適宜、設定されている。
【0045】
21は表示手段となる表示部であり、図13の選択表示画面22に示すように、カレンダー表示画面上にリフォーム工事開始日設定部16により設定された複数の異なるリフォーム工事開始日と、見積り料金設定部20により設定された該リフォーム工事開始日に対応する見積り料金と、リフォーム工事開始日を選択するリフォーム工事開始日選択手段となるリフォーム工事開始日選択部22aを表示する。そして、顧客は所望の工期と費用とをリフォーム工事開始日選択部22aにより選択することが出来る(図3のステップS)。
【0046】
図18はリフォーム工事費用見積り書画面33の一例であり、図13に示す選択表示画面22のリフォーム工事開始日選択部22aにチェックして見積り作成ボタン22bをクリックすると、図18に示すリフォーム工事費用見積り書画面33が作成されてポップアップ表示され、該リフォーム工事費用見積り書画面33によりそのリフォーム工事日程でのリフォーム工事費用額を確認することが出来、日程確定ボタン22cをクリックすると、リフォーム工事日程が確定される。
【0047】
二次工程表作成部18により作成したリフォーム工事二次工程表画面19に基づいて積算システムデータベース(以下、「積算システムDB」という)32によってリフォーム工事の見積もり価格を算定する。リフォーム工事開始日によって価格に違いがある場合には顧客に再度見積もり価格を提示し、顧客が異なるリフォーム工事開始日を選択する場合にはそれに対応してリフォーム工事二次工程表画面19をその場で自動的に作成し直す。
【0048】
一方、図9に示すように、基本情報入力画面24により工事管理DB7に施工会社名、作業者名を入力する(図17のステップS21)。次に、二次工程表作成部18により作成された図12に示すリフォーム工事二次工程表画面19に基づいて、図14に示す工事管理用画面25が作成され、出力される(図17のステップS22)。
【0049】
図2において、23は実時間入力手段となる実時間入力部であり、リフォーム工事完成後に、工事管理者等が工程管理DB7に保存されている最終的な図14に示す工事管理用画面25上の実時間欄25aに作業項目別及び作業者別に実際にかかった実測作業時間を入力する(図17のステップS23)。
【0050】
26は実時間記憶手段となる実時間記憶部であり、実時間入力部23により入力されたリフォーム工事に実際にかかった時間を記憶する。
【0051】
27は作業者評価表作成手段となる作業者評価表作成部であり、実時間記憶部26に記憶された作業項目別及び作業者別の実時間と、標準単位作業時間設定部11により設定された作業項目毎の標準単位作業時間との差に基づいて、図15に示す作業者評価表28を作成する。
【0052】
29は施工会社評価表作成手段となる施工会社評価表作成部であり、作業者評価表作成部27により作成された図15に示す作業者評価表28を該作業者が所属する施工会社毎に集計して図16に示す施工会社評価表30を作成する。
【0053】
作業者評価表28及び施工会社評価表30は、実時間入力部23により邸別に全体工期日数、作業者別工期日数が入力され、自動集計される(図17のステップS24)。
【0054】
実時間入力部23により入力された作業項目別及び作業者別の実測時間数と標準単位作業時間数とを対比して、分析することによって各作業者の工程遵守率、工期短縮率と、該各作業者が所属する施工会社別の工程遵守率、工程短縮率の評価を自動的に行い出力する。
【0055】
そして、作業者評価表作成部27により作成された作業者評価表28及び/または施工会社評価表作成部29により作成された施工会社評価表30を出力して(図17のステップS25)、送信手段となる送信部31により各施工会社に送信する。
【0056】
2回目以降のリフォーム工事を受注した場合には、はじめに設定した作業項目毎の標準単位作業時間の代わりに作業者別の標準単位作業時間数を使ってリフォーム工事二次工程表画面19を作成する。また、施工会社別の工程遵守率や工程短縮性の違いによってリフォーム工事費用見積もり価格に差異を設定することが可能となる。さらに作業者の作業効率化によって、生産性アップを行うことが出来る。
【0057】
上記構成によれば、作業情報記憶部10に記憶された作業情報と、総作業時間算出部12により算出された作業項目毎の総作業時間と、により、先ず、リフォーム工事作業を担当する作業項目毎の作業者の予定を割り振ってリフォーム工事開始日を設定する前のリフォーム工事一次工程表画面14を一次工程表作成部13により作成することが出来る。
【0058】
次に、作業者空き情報記憶部15に記憶された作業項目毎の作業者の空き情報に基づいて、リフォーム工事開始日設定部16により一次工程表作成部13により作成されたリフォーム工事一次工程表画面14にリフォーム工事開始日を設定することが出来、二次工程表作成部18によりリフォーム工事開始日設定部16により設定されたリフォーム工事開始日に基づいてリフォーム工事二次工程表画面19を作成することが出来る。
【0059】
作業項目毎の標準単位作業時間を予めデータベース化しておくことで、標準単位作業時間設定部11により従来よりも短時間で作業項目毎の標準単位作業時間を設定することが出来、総作業時間算出部12は、作業数量入力部2により入力された作業項目毎の該当数量に、標準単位作業時間設定部11により設定された作業項目毎の標準単位作業時間を乗じて、作業項目毎の総作業時間を算出することが出来、一次工程表作成部13は、作業情報記憶部10に記憶された作業情報と、総作業時間算出部12により算出された作業項目毎の総作業時間と、によりリフォーム工事一次工程表画面14を作成することが出来、かつ、リフォーム工事一次工程表画面14の質も一定とすることが出来る。
【0060】
また、リフォーム工事開始日設定部16は、作業者空き情報記憶部15に記憶された作業項目毎の作業者の空き情報に基づいて、一次工程表作成部13により作成されたリフォーム工事一次工程表画面14に複数の異なるリフォーム工事開始日を設定することが出来、見積り料金設定部20は、リフォーム工事開始日設定部16により設定された複数の異なるリフォーム工事開始日毎にそれぞれ異なるリフォーム工事費用見積り料金を設定することが出来る。
【0061】
表示部21は、カレンダー表示画面上にリフォーム工事開始日設定部16により設定された複数の異なるリフォーム工事開始日と、見積り料金設定部20により設定された該リフォーム工事開始日に対応する見積り料金と、リフォーム工事開始日を選択するリフォーム工事開始日選択部22aと、を表示することが出来、顧客はリフォーム工事開始日と見積り料金とを参照してリフォーム工事開始日選択部22aによりリフォーム工事開始日を選択すると共にリフォーム工事費用を選択することが出来る。
【0062】
これにより、顧客はリフォーム工事の日程を自ら決定することが出来、営業担当者が顧客にその場でリフォーム工事二次工程表画面19をシミュレーションして提示することが出来る。また、顧客のニーズに基づいてリフォーム工事二次工程表画面19を作成するので該リフォーム工事二次工程表画面19に顧客の要望を反映出来る。
【0063】
また、実時間入力部23によりリフォーム工事完成後に作業項目別及び作業者別に実際にかかった時間を入力することが出来、実時間記憶部26に記憶された作業項目別及び作業者別の実時間と、標準単位作業時間設定部11により設定された作業項目毎の標準単位作業時間との差に基づいて作業者評価表作成部27は作業者評価表28を作成することが出来る。
【0064】
そして、施工会社評価表作成部29は、作業者評価表作成部27により作成された作業者評価表28を該作業者が所属する施工会社毎に集計して施工会社評価表30を作成することが出来、作業者評価表作成部27により作成された作業者評価表28及び/または施工会社評価表作成部29により作成された施工会社評価表30を出力して送信部31により該当する施工会社に送信することが出来る。
【0065】
このように、作業者別に実際にかかった時間数を入力し、データベース化することにより、作業者別・施工会社別の評価表の作成が可能となり、その評価表に基づく管理を行うことが出来るので、作業者のスケジュール管理の質を高めることが出来る。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明の活用例として、住宅のリフォーム工事における工程表を顧客のスケジュールにあわせて作成する工程表作成支援ツールに応用出来る。また同時に、顧客がリフォーム工事費用を選択したスケジュールに合わせて選択出来る。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明に係るリフォーム工事工程表作成支援システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明に係るリフォーム工事工程表作成支援システムの構成を示すブロック図である。
【図3】本発明に係るリフォーム工事工程表作成支援システムを利用する様子を説明するフローチャートである。
【図4】部屋別に作業項目を拾い出した様子を示す図である。
【図5】施工順序別に作業項目を拾い出した様子を示す図である。
【図6】リフォームを行う邸の基本情報を入力する入力画面の一例を示す図である。
【図7】邸別の基本情報に部屋別の施工順序を入力する入力画面の一例を示す図である。
【図8】邸別の基本情報に投入する作業者の人数と、必要な技能レベルを設定する設定画面の一例を示す図である。
【図9】邸別の基本情報の入力画面に施工会社名及び作業者名を入力する入力画面の一例を示す図である。
【図10】一次工程表作成手段により作成されたリフォーム工事開始日が未入力のリフォーム工事一次工程表の一例を示す図である。
【図11】作業者の空き情報を示す図である。
【図12】二次工程表作成手段により作成されたリフォーム工事開始日が設定されたリフォーム工事二次工程表の一例を示す図である。
【図13】表示手段によりカレンダー表示画面上にリフォーム工事開始日と、見積り料金とリフォーム工事開始日選択手段を表示した表示選択画面の一例を示す図である。
【図14】実時間入力手段となる実時間入力画面の一例を示す図である。
【図15】作業者評価表作成手段により作成された作業者評価表の一例を示す図である。
【図16】施工会社評価表作成手段により作成された施工会社評価表の一例を示す図である。
【図17】本発明に係るリフォーム工事工程表作成支援システムを利用する様子を説明するフローチャートである。
【図18】リフォーム工事費用見積り書の一例である。
【符号の説明】
【0068】
1…リフォーム工事工程表作成支援システム
2…作業数量入力部
3…基本情報入力画面
4…リフォーム部位設定画面
4a…施工順欄
5…該当数量設定画面
5a…1日当りの標準作業時間欄
5b…技能レベル欄
5c…施工人数欄
6…拾い出し画面
6a…該当数量欄
6b…部屋名欄
6c…作業職種欄
6d…標準単位作業時間欄
6e…総作業時間欄
7…工程管理DB
8…作業項目分類部
9…施工順画面
9a…標準単位作業時間欄
10…作業情報記憶部
11…標準単位作業時間設定部
12…総作業時間算出部
13…一次工程表作成部
14…リフォーム工事一次工程表画面
15…作業者空き情報記憶部
16…リフォーム工事開始日設定部
17…スケジュール情報画面
18…二次工程表作成部
19…リフォーム工事二次工程表画面
20…見積り料金設定部
21…表示部
22…選択表示画面
22a…リフォーム工事開始日選択部
22b…見積り作成ボタン
22c…日程確定ボタン
23…実時間入力部
24…基本情報入力画面
25…工事管理用画面
25a…実時間欄
26…実時間記憶部
27…作業者評価表作成部
28…作業者評価表
29…施工会社評価表作成部
30…施工会社評価表
31…送信部
32…積算システムDB
33…リフォーム工事費用見積り書画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リフォーム工事完成までの工程表を作成するシステムであって、
リフォーム工事を完成するために必要な個々の作業項目と、該作業項目毎の該当数量を入力する作業数量入力手段と、
前記作業数量入力手段により入力された作業項目を予め設定された施工順序と作業職種とに基づいて作業項目別に分類する作業項目分類手段と、
前記作業項目分類手段により分類された作業情報を記憶する作業情報記憶手段と、
前記作業項目毎の標準単位作業時間を設定する標準単位作業時間設定手段と、
前記作業数量入力手段により入力された作業項目毎の該当数量に、前記標準単位作業時間設定手段により設定された作業項目毎の標準単位作業時間を乗じて、作業項目毎の総作業時間を算出する総作業時間算出手段と、
前記作業情報記憶手段に記憶された作業情報と、前記総作業時間算出手段により算出された作業項目毎の総作業時間と、によりリフォーム工事一次工程表を作成する一次工程表作成手段と、
リフォーム工事作業を担当する作業項目毎の作業者の空き情報を記憶する作業者空き情報記憶手段と、
前記作業者空き情報記憶手段に記憶された作業項目毎の作業者の空き情報に基づいて、前記一次工程表作成手段により作成されたリフォーム工事一次工程表にリフォーム工事開始日を設定するリフォーム工事開始日設定手段と、
前記リフォーム工事開始日設定手段により設定されたリフォーム工事開始日に基いてリフォーム工事二次工程表を作成する二次工程表作成手段と、
を有することを特徴とするリフォーム工事工程表作成支援システム。
【請求項2】
前記作業者空き情報記憶手段に記憶された作業項目毎の作業者の空き情報に基づいて、前記一次工程表作成手段により作成されたリフォーム工事一次工程表に複数の異なるリフォーム工事開始日を設定するリフォーム工事開始日設定手段と、
前記リフォーム工事開始日設定手段により設置された複数の異なるリフォーム工事開始日毎にそれぞれ異なるリフォーム工事費用見積り料金を設定する見積り料金設定手段と、
カレンダー表示画面上に前記リフォーム工事開始日設定手段により設置された複数の異なるリフォーム工事開始日と、前記見積り料金設定手段により設定された該リフォーム工事開始日に対応する見積り料金と、リフォーム工事開始日を選択するリフォーム工事開始日選択手段と、を表示する表示手段と、
を有することを特徴とする請求項1に記載のリフォーム工事工程表作成支援システム。
【請求項3】
リフォーム工事完成後に作業項目別及び作業者別に実際にかかった時間を入力する実時間入力手段と、
前記実時間入力手段により入力された実際にかかった時間を記憶する実時間記憶手段と、
前記実時間記憶手段に記憶された作業項目別及び作業者別の実時間と、前記標準単位作業時間設定手段により設定された作業項目毎の標準単位作業時間との差に基づいて作業者評価表を作成する作業者評価表作成手段と、
前記作業者評価表作成手段により作成された作業者評価表を該作業者が所属する施工会社毎に集計して施工会社評価表を作成する施工会社評価表作成手段と、
前記作業者評価表作成手段により作成された作業者評価表及び/または前記施工会社評価表作成手段により作成された施工会社評価表を出力して該施工会社に送信する送信手段と、
を有することを特徴とする請求項1に記載のリフォーム工事工程表作成支援システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図17】
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【図18】
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【図4】
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【図5】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2008−134797(P2008−134797A)
【公開日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−320086(P2006−320086)
【出願日】平成18年11月28日(2006.11.28)
【出願人】(303046244)旭化成ホームズ株式会社 (703)
【Fターム(参考)】