説明

リモコン装置

【課題】表示部31を備えたリモコン3で無線通信により別所の機器の操作をする場合、操作ボタン32の操作内容は表示部31のマーク33として表示されるが、通信が成功せず機器に信号が到達しない場合には、機器の実際の作動状態と表示部31に表示された作動状態とが一致しなくなる。
【解決手段】機器側から定期的に実際の作動状態を示す信号をリモコン3に送信し、リモコン3はその信号を受信すると表示部31の表示内容を実際の機器の作動状態に置き換えることにより、表示部31に表示されている作動状態と機器の実際の作動状態とを確実に一致させるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば浴室外に設置された機器を浴室内から制御するリモコン装置に関する。
【背景技術】
【0002】
浴室の外部に設けた給湯装置に対して通信線で接続され、この通信線を介して有線による通信を給湯装置との間で行い、給湯装置の操作を行う風呂リモコンを浴室内の壁面に固定したものが知られている。
【0003】
また、浴室外にオーディオ装置を設置すると共にスピーカを浴室の天井に設け、このオーディオ装置の操作を無線通信で行うリモコン機能を風呂リモコンに内蔵させたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
一般にオーディオ装置の操作を、例えばリモコンから射出される赤外線による無線通信により操作することは広く実施されている。この場合には、オーディオ装置自体を目視できるので、例えば音量の設定値はリモコンではなくオーディオ装置に表示される場合がある。但し、エアコンのリモコンのように、同じく赤外線による無線通信でエアコンの操作を行うリモコンでは、設定温度や運転の種類はエアコン自体ではなくリモコンに表示される場合が多い。
【0005】
このようにリモコンに表示部を設け、リモコンに対して行った操作内容、例えば設定された温度を表示部に表示する場合、リモコンに対して行われた操作に基づいて表示部の表示内容が変更される。
【特許文献1】特開2002−38735号公報(請求項4、段落0048、図7)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のように無線通信により機器の操作を行うリモコンであって、リモコンに対して行った操作内容を表示する表示部を備えたものでは、例えば浴室外に設置されたオーディオ装置の操作をする場合、音量を下げる操作をリモコンに対して行うと、リモコンに表示された音量についての表示はその操作にしたがって音量が下げられた表示に変化する。
【0007】
ところが、通信線で接続され、有線で通信を行う場合には、リモコン側から発信された信号は確実に機器側に到達するが、無線通信の場合には外乱や信号そのものが機器側に受信されない等の原因により、必ずしもリモコンから発せられた信号が機器側に到達されるとは限らない。
【0008】
例えばリモコンでオーディオ装置の操作を行う場合、上記のように音量を下げる操作を行っても、その信号がオーディオ装置に到達していなければオーディオ装置の音量は大きなままになっている。オーディオ装置に音量の表示がされていても、浴室内からはオーディオ装置を確認できないので、浴室内にいる操作者は音量が下がったものと信じている。
【0009】
その状態でオーディオ装置の電源をオンにすると、操作者が予想していた音量とまったく違う大きな音量で音楽が再生されることになり、操作者が驚くという不具合が生じる。
【0010】
そこで本発明は、上記の問題点に鑑み、上記のような不具合の生じないリモコン装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために本発明によるリモコン装置は、機器の操作を無線通信により行うリモコン装置であって、機器に対して無線信号を発信する発信部と、送信内容を表示する表示部とを備えたものにおいて、機器側からの無線信号を受信する受信部を備えると共に、受信した信号に基づいて表示部の表示内容を補正する補正手段を備えたことを特徴とする。
【0012】
表示部にはリモコン装置に対して行った操作内容が表示されるが、機器側の実際の状態を受信して表示部の表示内容を補正することにより、機器の実際の状態と表示内容とが一致する。
【0013】
例えば、上記無線信号は赤外線に重畳されている。赤外線による無線通信は赤外線が相手の受光部に入社しなければ通信が行えないので、機器の状態とリモコン装置の表示部の表示とが一致しない場合が比較的生じやすい。したがって本発明は赤外線による無線通信を行うリモコン装置に特に好適である。
【0014】
具体的には、上記機器は浴室内に設置されており、上記発信部から発信された無線信号を受信する機器側受信部と、機器側からの無線信号を発信する機器側発信部とを浴室内に臨むように設置し、機器の操作を浴室内から行うようにすればよい。
【発明の効果】
【0015】
以上の説明から明らかなように、表示部が設けられているリモコン装置の場合、リモコン装置の表示部の表示内容と機器の実際の状態とが相違する場合が生じるおそれがあるが、本発明によれば、機器側からの信号を受信して表示部の表示内容を補正するので、リモコン装置の表示部の表示内容と実際の機器の状態とを確実に一致させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1を参照して、1は浴室であり、この浴室の外部にオーディオ装置2が配置されている。このオーディオ装置2から出力される音声信号は1対のスピーカ21,22に音声信号線2aを介して供給される。これらスピーカ21,22は共に浴室1の天井11に取り付けられている。
【0017】
浴室1内にはこのオーディオ装置2の操作を行うオーディオリモコン3が配置されている。このオーディオリモコン3は操作信号を重畳した赤外線を射出する、いわゆる赤外線式のリモコンである。また、浴室1の外部には給湯装置4が設置されており、この給湯装置4の操作は浴室1内に設置された風呂リモコン5によって行われる。そして、この風呂リモコン5もリモコン3と同様に操作信号を重畳した赤外線を射出する、いわゆる赤外線式のリモコンである。
【0018】
図2および図3を参照して、一方のスピーカ21にはメッシュ21aで覆われた内部に機器側受光部61と機器側発光部62とが取り付けられている。なお、63は信号の送受信時に発光する確認用の発光ダイオードである。
【0019】
機器側受光部61は信号が重畳された赤外線を受光すると、重畳されている信号を分離し電気信号に変換するものである。電気信号に変換された信号は通信線6aを介してオーディオ装置2および給湯装置4の信号入力部に入力される。一方、機器側発光部62は、オーディオ装置2および給湯装置4の信号出力部から送られてきた電気信号を赤外線に重畳させて浴室1内に射出するものである。
【0020】
リモコン3にはリモコン3から赤外線を発光する発光部と、上記機器側発光部62から射出された赤外線を受光する受光部とが格納された通信部30が設けられている。また、リモコン3に対して行った操作内容を表示する表示部31が設けられている。
【0021】
例えば音量の増減スイッチ32を操作すると音量表示マーク33が増減して音量の設定状態を表示部31に表示するように構成されている。例えば音量を下げる操作をすると、音量表示マーク33が減少すると共に、通信部30からボリュームを下げる信号が重畳された赤外線が射出される。その射出された赤外線は機器側受光部61に受光され、信号が分離され、通信線6aを介してオーディオ装置2に伝達される。なお、音量を下げる信号は給湯装置4にも伝達されるが、オーディオ装置2と給湯装置4の通信コードを相違させておけば、給湯装置4は音量を下げる信号を含め、オーディオ装置2用の信号をすべて無視する。
【0022】
オーディオ装置2は音量を下げる信号を受信すると、音量を下げる動作を内部で行う。一方、一定時間毎にオーディオ装置2の実際の作動状態を信号出力部から通信線6bを介して機器側発光部62へ出力する。すると機器側発光部62はその信号を重畳した赤外線を射出する。
【0023】
この射出された赤外線は通信部30で受光されリモコン3内で信号を分離し解読する。そして、表示部31に表示されている内容を機器側発光部62から受信した実際の作動状態に対応する表示内容に置き換える。
【0024】
このように構成したので、例えば上述のように音量を下げる操作をリモコン3で行った場合に、リモコン3から射出された赤外線が機器側受光部61に受光されていなければ、表示部31の音量表示マーク33が減少していても、オーディオ装置2側からの信号によって実際の音量に一致するように音量表示マーク33が増加する。このように、リモコン3側からの信号がオーディオ装置2に到達しなくてもオーディオ装置2の実際の作動状態と表示部31の表示内とが一致する。
【0025】
上記実施の形態ではリモコン3を用いてオーディオ装置2の操作を行う場合について説明したが、風呂リモコン5を用いて赤外線通信により給湯装置4の操作を行う場合にも同様にして本発明を用いることができる。
【0026】
なお、上述のようにオーディオ装置2と給湯装置4とで信号のコードを相違させているので両者の信号が混信することがない。したがって、信号のコードが相違する他の機器を増設して浴室1内から上述と同様にして操作することが可能である。
【0027】
なお、本発明は上記した形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えてもかまわない。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の一実施の形態の構成を示す図
【図2】スピーカの構造を示す図
【図3】リモコンの送受信状態を示す図
【符号の説明】
【0029】
1 浴室
2 オーディオ装置
3 リモコン
4 給湯装置
5 風呂リモコン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器の操作を無線通信により行うリモコン装置であって、機器に対して無線信号を発信する発信部と、送信内容を表示する表示部とを備えたものにおいて、機器側からの無線信号を受信する受信部を備えると共に、受信した信号に基づいて表示部の表示内容を補正する補正手段を備えたことを特徴とするリモコン装置。
【請求項2】
上記無線信号は赤外線に重畳されていることを特徴とする請求項1に記載のリモコン装置。
【請求項3】
上記機器は浴室内に設置されており、上記発信部から発信された無線信号を受信する機器側受信部と、機器側からの無線信号を発信する機器側発信部とを浴室内に臨むように設置し、機器の操作を浴室内から行うようにしたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のリモコン装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−319539(P2006−319539A)
【公開日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−138605(P2005−138605)
【出願日】平成17年5月11日(2005.5.11)
【出願人】(000100562)アール・ビー・コントロールズ株式会社 (97)
【Fターム(参考)】