説明

リール脚固定装置

【課題】本発明は、リール脚のぐらつきを防止できるとともに、リールシート本体を握った時の感触がよく、操作性に優れるリール脚固定装置を得ることにある。
【解決手段】リール脚固定装置2は、リール脚3を受ける載置面7を有する筒状のリールシート本体5と、リールシート本体5を被覆する軟質なグリップ部材20と、を備えている。グリップ部材20は、載置面7の上に位置するように延出された延出部22を一体に有する。延出部22は、載置面7にリール脚3を載せた時にリール脚3に弾性的に接触するとともに、延出部22に対応する位置では、グリップ部材20が延出部22と協働してリールシート本体5を周方向に連続して取り囲んでいる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、魚釣用リールのリール脚を支持するリールシート本体を、軟質なグリップ部材で被覆したリール脚固定装置に係り、特にそのグリップ部材の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
釣竿は、元竿管の手元側に魚釣用リールを固定するリール脚固定装置を備えている。リール脚固定装置は、リール脚を受け止める載置面が形成された筒状のリールシート本体と、リールシート本体にリール脚を固定する固定フードおよび移動フードとを有している。
【0003】
固定フードは、リールシート本体に一体に形成されて、載置面に対する位置が固定的に定められている。移動フードは、固定フードに近づいたり遠ざかる方向に移動可能にリールシート本体に支持されている。この移動フードを移動させることで、リール脚を固定フードとの間で挟み込んだり、リール脚の挟み込みを解除することができ、魚釣用リールをリールシート本体に取り外し可能に固定できる。
【0004】
ところで、例えば釣糸を巻き取って魚を釣り上げる時、リール脚とリールシート本体との固定部分に大きな負荷が作用することがあり得る。この負荷が固定フードおよび移動フードによるリール脚の固定力を上回ると、リール脚がリールシート本体に対しぐらついてしまい、釣竿の操作性に悪影響を及ぼす。
【0005】
この改善策として、特許文献1あるいは特許文献2に開示されたリール脚固定装置では、リールシート本体の載置面に弾性部材を配置している。弾性部材は、リールシート本体よりも柔軟な材料で形成されている。弾性部材は、載置面から僅かに突出するように、その一部が載置面に埋め込まれている。
【0006】
そのため、固定フードおよび移動フードを介してリール脚を載置面に固定すると、弾性部材がリール脚と載置面との間で圧縮されて、リール脚に弾性的に密着する。この結果、リール脚と弾性部材との接触部分に外部からの負荷に対抗するような摩擦力が付与され、この摩擦力の存在によりリール脚のぐらつきが解消される。
【特許文献1】特開2002−125530号公報
【特許文献2】特開2002−218869号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来のリール脚固定装置によると、載置面に埋め込まれた弾性部材は、リールシート本体から独立した四角いブロックであり、載置面よりも幅が狭い。このような構成によると、リール脚の形状によっては、リール脚の両側部が弾性部材から食み出してしまい、リール脚を弾性部材で確実に受け止めることができなくなる。
【0008】
この結果、弾性部材とリール脚との接触面積が不足し、特にリールシート本体の周方向へのリール脚のぐらつきを防止することが困難となる。
【0009】
本発明の目的は、リールシート本体の周方向へのリール脚のぐらつきを防止でき、しかも、リールシート本体を手で握った時の感触がよく、操作性に優れるリール脚固定装置を得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明の一つの形態に係るリール脚固定装置は、
リール脚を受ける載置面を有する筒状のリールシート本体と、
上記リールシート本体よりも軟質な材料で形成されて、上記リールシート本体を被覆するグリップ部材と、を備えている。
上記グリップ部材は、上記載置面の上に位置するように延出された延出部を一体に有し、上記延出部は、上記載置面に上記リール脚を載せた時に上記リール脚に弾性的に接触するとともに、上記延出部に対応する位置では、上記グリップ部材が上記延出部と協働して上記リールシート本体を周方向に連続して取り囲んでいることを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、グリップ部材の延出部は、リール脚をリールシート本体の周方向に連続する円周面で受け止めることができる。この結果、リール脚の幅寸法がいずれの場合も、リール脚の両側部が延出部から食み出すことはない。よって、グリップ部材でリール脚を確実に受け止めることができ、リールシート本体の周方向へのリール脚のぐらつき・ずれを確実に防止できる。
【0012】
加えて、グリップ部材はリールシート本体よりも柔らかいので、リールシート本体を手で掴んだ時の感触が良好となる。このため、リール脚のぐらつきを防止できることと合わせて、実際に魚を釣る時の操作性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下本発明の第1の実施の形態を、図1ないし図8に基づいて説明する。
【0014】
図1および図2は、釣竿の元竿管1に固定されたリール脚固定装置2を開示している。リール脚固定装置2は、元竿管1に魚釣用リールのリール脚3を取り外し可能に固定するためのものである。リール脚3は、元竿管1の軸方向に延びる連結部4を備えている。図8に示すように、連結部4は、元竿管1の曲率に沿うように円弧状に湾曲する断面形状を有している。連結部4の幅寸法Wは、国際規格により15mm又は17mmに規定されている。
【0015】
リール脚固定装置2は、元竿管1が貫通する円筒状のリールシート本体5を備えている。リールシート本体5は、例えばポリアミド、ABS樹脂、ポリエチレンのような硬質な合成樹脂材料により形成されている。リールシート本体5は、元竿管1に接着等の手段により固定されている。
【0016】
リールシート本体5は、リール脚3の連結部4を受け止める載置面7と、載置面7の前方に位置する筒状部8と、載置面7の後方に位置する雄ねじ部9とを一体に備えている。載置面7、筒状部8および雄ねじ部9は、元竿管1の軸方向に一列に並んでいる。
【0017】
図3、図4、図7および図8に示すように、載置面7は、リールシート本体5の下面に露出するとともに、このリールシート本体5の軸方向に延びている。さらに、載置面7は、元竿管1の曲率に沿うように円弧状に湾曲している。
【0018】
載置面7の前端と筒状部8との境界部分に固定フード10が一体に形成されている。固定フ−ド10は、載置面7よりもリールシート本体5の下方に向けて張り出している。固定フード10は、リール脚3の連結部4の一端4aが挿入されるスリット状の開口11を有している。開口11は、載置面7の後方に向けて開口している。
【0019】
雄ねじ部9は、載置面7の後端部から筒状部8と同軸状に突出している。雄ねじ部9の外周に移動フード13が配置されている。移動フード13は、円筒状のフード本体14とナット部材15とを備えている。
【0020】
フード本体14は、その前端部に膨出部16を有している。膨出部16は、載置面7よりもリールシート本体5の下方に向けて張り出している。膨出部16は、リール脚3の連結部4の他端4bが挿入されるスリット状の開口17を有している。開口17は、載置面7の前方に向けて開口している。
【0021】
そのため、固定フード10と移動フード13とは、載置面7を間に挟んで互いに向かい合っている。
【0022】
ナット部材15は、フード本体14の後端部に同軸状に連結されて、このフード本体14と一体化されている。ナット部材15は、リールシート本体5の雄ねじ部9にねじ込まれている。このねじ込みにより、移動フード13は固定フード10に近づいたり遠ざかる方向に移動可能にリールシート本体5に支持されている。
【0023】
リール脚3の連結部4の一端4aは、固定フード10の開口11に挿入されて、この固定フード10と載置面7との間で保持されている。リール脚3の連結部4の他端4bは、移動フード13を固定フード10に向けて移動させることで、フード本体14の膨出部16と載置面7との間で保持される。
【0024】
したがって、リール脚3は、固定フード10と移動フード13との間でリールシート本体5の軸方向に挟み込まれるとともに、両方のフード10,13を介して載置面7に押し付けられるような力を受ける。これにより、魚釣用リールがリールシート本体5の定位置に固定されるようになっている。
【0025】
載置面7に対する固定フード10および移動フード13の位置関係は、第1の実施の形態に特定されるものではない。例えば、載置面7の前端に移動フード13を配置するとともに、載置面7の後端に固定フード10を配置してもよい。
【0026】
図1に示すように、実際に魚釣を行う場合、釣人は、リール脚3を固定したリールシート本体5を片手で把持する。具体的には、片方の手の親指f1をリールシート本体5の筒状部8に押し当てた状態で、人差し指f2、中指f3および薬指f4でリールシート本体5を握るとともに、小指f5を移動フード13のフード本体14に掛ける。この際、人差し指f2は、筒状部8に下方から巻きつけられて、固定フード10に接している。中指f3および薬指f4は、リールシート本体5に巻きつけられて、リール脚3の連結部4を下方から押さえるとともに、リール脚3を挟み込んでいる。
【0027】
そのため、釣人は、リールシート本体5とリール脚3との固定部分を片手で包み込むようにして釣竿を操作することになる。
【0028】
図1ないし図4に示すように、リールシート本体5のうち、釣人が手で握る領域は、リールシート本体5よりも軟質なグリップ部材20で被覆されている。グリップ部材20は、手で握った時のフィット感に優れ、かつ手が滑り難い材料、例えばウレタン系、スチレン系、オレフィン系の熱可塑性エラストマーあるいは合成ゴムのようなゴム状弾性体で形成するのが好ましく、さらにポリウレタン、塩化ビニルのような熱可塑性樹脂を用いることもできる。
【0029】
本実施の形態では、グリップ部材20は、例えば二色成形機を用いてリールシート本体5と一体的に射出成形されている。そのため、リールシート本体5とグリップ部材20とは、互いに密着している。
【0030】
グリップ部材20は、二色成形機を用いた射出成形によって成形することに限らず、例えばインサート成形によって成形するようにしてもよい。さらに、リールシート本体5とグリップ部材20とを個別に成形した後、これら両者を互いに接着してもよい。
【0031】
図4に示すように、グリップ部材20は、本体部21と延出部22とを備えている。本体部21は、固定フード10の前方から載置面7の反対側にかけての領域をリールシート本体5の周方向に連続して覆うような筒状をなしている。
【0032】
本体部21は、リールシート本体5を手で握った時に、人差し指f2の腹が接する第1の領域21aと、手のひら、中指f3の指先および薬指f4の指先が接する第2の領域21bとを有している。
【0033】
第1の領域21aは、固定フード10の直前に位置している。第1の領域21aに複数の第1の窪み部23が形成されている。第1の窪み部23は、例えばリールシート本体5の周方向に沿う溝状をなすとともに、リールシート本体5の軸方向に間隔を存して並んでいる。
【0034】
第2の領域21bは、載置面7の反対側に位置している。第2の領域21bに複数の第2の窪み部24が形成されている。第2の窪み部24は、例えば円形の小さな凹みであって、第2の領域21bの広範囲に亘ってマトリクス状に分散して配置されている。
【0035】
図4および図7に示すように、本体部21は、第2の領域21bの左右の側縁部から載置面7に向けて延びる一対の側部25a,25bを有している。延出部22は、側部25a,25bの間に跨るように載置面7の上を横切る帯状をなしている。
【0036】
言い換えると、延出部22は、リールシート本体5の周方向に沿うように載置面7の上に位置するとともに、リールシート本体5およびリール脚3の連結部4の曲率に沿うように湾曲している。したがって、延出部22に対応する位置では、グリップ部材20は、延出部22と協働してリールシート本体5を周方向に連続して取り囲んでいる。
【0037】
さらに、延出部22は、載置面7を全面的に覆うことなく載置面7の一部のみを覆っている。このため、延出部22は、載置面7にリール脚3の連結部4を固定した時に、リール脚4の連結部4の一端4aと他端4bとの間に位置している。
【0038】
図5に最もよく示されるように、リールシート本体5の外面のうち、グリップ部材20で被覆される領域に嵌合凹部27が形成されている。嵌合凹部27は、グリップ部材20の本体部21がきっちりと嵌まり込むように、本体部21と同形状に凹んでいる。
【0039】
本実施の形態によると、グリップ部材20の本体部21の厚みと、嵌合凹部27の深さとは同等となっている。この結果、リールシート本体5の外面と本体部21の外面とが面一に連続し、リールシート本体5を手で握った時に違和感が生じることはない。
【0040】
加えて、本実施の形態では、嵌合凹部27と本体部21の縁との境界部分および本体部21と側部25a,25bとの境界部分に、夫々ライン状の窪み28が形成されている。窪み28は、リール脚固定装置2の外観上の一つのアクセントとなるとともに、滑り止めを兼ねている。
【0041】
図5に示すように、リールシート本体5の嵌合凹部27は、載置面7に位置する凹所27aを含んでいる。凹所27aは、グリップ部材20の延出部22に対応するように、載置面7をリールシート本体5の径方向に横切っている。グリップ部材20の延出部22は、凹所27aにきっちりと嵌まり合っている。
【0042】
グリップ部材20の延出部22は、載置面7からリール脚3が取り外されている自由状態において載置面7から僅かに突出している。延出部22の突出高さは、例えば0.5mm程度に規定されている。
【0043】
図5および図7に示すように、リールシート本体5は、凹所27aの底面から突出する凸部29を有している。凸部29は、グリップ部材20の延出部22に対応する位置に形成されて、リールシート本体5の軸方向に延びている。
【0044】
延出部22は、凹所27aの底面に向けて開口する溝状の凹部30を有している。凸部29と凹部30は、互いにきっちりと嵌まり合っている。これにより、リールシート本体5とグリップ部材20との相対的な回り止めがなされている。
【0045】
魚釣用リールのリール脚3をリールシート本体5に固定するには、まず、リール脚3の連結部4をリールシート本体5の載置面7に導き、連結部4の一端4aを固定フード10の開口11に挿入する。
【0046】
次に、移動フード13のナット部材15を締め付け方向に回転させる。この回転により、フード本体14がナット部材15と一緒に固定フード10に近づく方向に移動し、フード本体14の膨出部16が連結部4の他端4bに被さる。
【0047】
言い換えると、膨出部16の開口17に連結部4の他端4bが入り込む。この状態でさらにナット部材15を締め付けると、リール脚3の連結部4が固定フード10と移動フード13との間で挟み込まれるとともに、これら両フード10,13を介して載置面7に向けて押圧される。
【0048】
載置面7の一部は、グリップ部材20の延出部22によって覆われている。延出部22は、載置面7から僅かに突出しているので、リール脚3の連結部4が固定フード10および移動フード13を介して載置面7に押し付けられると、延出部22がリールシート本体5と連結部4との間で圧縮されて、連結部4に弾性的に密着する。
【0049】
この結果、リール脚3の連結部4と延出部22との接触部分に外部からの負荷に対抗し得るような摩擦力が付与される。
【0050】
このような本発明の第1の実施の形態によれば、軟質なグリップ部材20の延出部22がリールシート本体5の周方向に沿うように載置面7を横切っているので、この延出部22に対応する位置では、リールシート本体5が全周に亘ってグリップ部材20で覆われている。
【0051】
したがって、グリップ部材20の延出部22は、リール脚3の連結部4をリールシート本体5の周方向に連続する円周面で受け止めることができ、リール脚3の連結部4の幅寸法がいずれの場合も、連結部4の両側部が延出部22から食み出すことはない。
【0052】
よって、グリップ部材20を利用してリール脚3を確実に受け止めることができ、特にリールシート本体5の周方向へのリール脚3のぐらつき・ずれを防止することができる。
【0053】
しかも、グリップ部材20は、リールシート本体5よりも柔らかいので、手に馴染み易いとともに、リールシート本体5を手で掴んだ時の感触が良好となる。そのため、リール脚3のぐらつきを防止できることと合わせて、実際に魚を釣る時の釣竿の操作性が向上する。
【0054】
さらに、上記構成によると、延出部22に対応する位置では、グリップ部材20がリールシート本体5の周方向に連続しているので、載置面7からの延出部22の剥離や浮き上がりを防止できる。そのため、延出部22を載置面7の定位置に確実に固定できる。
【0055】
それとともに、リールシート本体5の凹所27aの底面から突出する凸部29は、リールシート本体5の軸方向に延びるとともに、延出部22の凹部30に嵌合している。加えて、凸部29と凹部30との嵌合部分は、載置面7にリール脚3を固定した時に、リール脚3の連結部4によってリールシート本体5とは反対側から押圧される。そのため、凹部30が凸部29に向けて付勢され、凸部29と凹部30との嵌合状態が維持される。
【0056】
この結果、リールシート本体5に対する延出部22の回り止めが確実となり、リール脚3を受け止める延出部22がリールシート本体5の周方向にずれ動くのを防止できる。
【0057】
その上、柔軟なグリップ部材20は、リールシート本体5の外面の嵌合凹部27に嵌まり込んでいる。これにより、グリップ部材20とリールシート本体5との相対的な位置が精度よく定まり、リールシート本体5の軸方向へのグリップ部材20のずれを確実に防止できる。
【0058】
本発明は上記第1の実施の形態に特定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変形して実施可能である。
【0059】
例えば、図9は本発明の第2の実施の形態を開示している。この第2の実施の形態は、グリップ部材20の延出部22の構成が第1の実施の形態と相違している。それ以外のリール脚固定装置2の構成は、第1の実施の形態と同様である。このため、第2の実施の形態において、第1の実施の形態と同一の構成部分には同一の参照符号を付して、その説明を省略する。
【0060】
図9に示すように、グリップ部材20の延出部22は、リール脚3の連結部4と向かい合う外面41を有している。この外面41に複数の突起部42が一体に形成されている。突起部42は、例えば連結部4の長手方向に延びているとともに、リール脚3の幅方向に間隔を存して並んでいる。
【0061】
突起部42は、載置面7の上にリール脚3を固定した時に、リール脚3の連結部4によって弾性的に押し潰される。これにより、連結部4と延出部22との接触圧力を充分に確保することが可能となり、連結部4と延出部22との接触部分に生じる摩擦力が増大する。
【0062】
このような第2の実施の形態によれば、グリップ部材20の延出部22によってリール脚3を強固に受け止めることができ、リールシート本体5の周方向へのリール脚3のぐらつき・ずれを防止することができる。
【0063】
なお、上記第1の実施の形態では、グリップ部材の回り止めをなす凸部および凹部を夫々リールシート本体および延出部に一つづつ形成しているが、本発明はこれに限定されない。例えばリールシート本体の外面に複数の凸部を周方向に間隔を存して形成するとともに、グリップ部材の内面に複数の凹部を周方向に間隔を存して形成し、これら凸部と凹部を互いに嵌合させるようにしてもよい。
【0064】
この構成によれば、リールシート本体とグリップ部材とが周方向に沿う複数個所で互いに噛み合うので、リールシート本体との周方向へのグリップ部材の移動をより確実に防止でき、グリップ部材とリールシート本体との一体感が向上するといった利点がある。
【0065】
さらに、リールシート本体の外面に凹部を形成するとともに、グリップ部材の内面に凹部に嵌合可能な凸部を形成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の第1の実施の形態において、リール脚が固定されたリール脚固定装置を手で握った状態を示す側面図。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係るリール脚固定装置の側面図。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係るリール脚固定装置の一部を断面で示す側面図。
【図4】(A)は、グリップ部材で被覆された本発明の第1の実施の形態に係るリールシート本体の側面図。 (B)は、グリップ部材で被覆された本発明の第1の実施の形態に係るリールシート本体の底面図。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係るリールシート本体の斜視図。
【図6】図4(A)のF6-F6線に沿う断面図。
【図7】図4(A)のF7-F7線に沿う断面図。
【図8】図3のF8-F8線に沿う断面図。
【図9】本発明の第2の実施の形態に係るリール脚固定装置の断面図。
【符号の説明】
【0067】
3…リール脚、5…リールシート本体、7…載置面、20…グリップ部材、22…延出部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リール脚を受ける載置面を有する筒状のリールシート本体と、
上記リールシート本体よりも軟質な材料で形成されて、上記リールシート本体を被覆するグリップ部材と、を具備し、
上記グリップ部材は、上記載置面の上に位置するように延出された延出部を一体に有し、上記延出部は、上記載置面に上記リール脚を載せた時に上記リール脚に弾性的に接触するとともに、上記延出部に対応する位置では、上記グリップ部材が上記延出部と協働して上記リールシート本体を周方向に連続して取り囲んでいることを特徴とするリール脚固定装置。
【請求項2】
請求項1の記載において、上記リールシート本体の外面および上記グリップ部材の内面のいずれか一方に凸部を設けるとともに、他方に上記凸部が嵌合可能な凹部を設けたことを特徴とするリール脚固定装置。
【請求項3】
請求項1の記載において、上記グリップ部材の延出部は、上記リール脚が上記載置面から取り外されている時に上記載置面から突出するとともに、上記載置面に上記リール脚を載せた時に上記リール脚と上記載置面との間で弾性的に圧縮されることを特徴とするリール脚固定装置。
【請求項4】
請求項1の記載において、上記リールシート本体は、上記延出部の内面に嵌合する凸部を有し、この凸部は、上記リールシート本体の軸方向に延びるとともに、上記凸部と上記延出部との嵌合部分は、上記載置面の上に上記リール脚を載せた時に、上記リールシート本体と上記リール脚との間で挟み込まれることを特徴とするリール脚固定装置。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のいずれかの記載において、上記リールシート本体に設けられ、上記リール脚の一端を上記載置面との間で保持する固定フードと、上記固定フードに対し近づいたり遠ざかる方向に移動可能であるとともに、上記固定フードに近づく方向に移動させることで上記リール脚の他端を上記載置面との間で保持する移動フードと、をさらに備えており、
上記グリップ部材の延出部は、上記リール脚の一端と他端との間に位置することを特徴とするリール脚固定装置。
【請求項6】
請求項1の記載において、上記延出部は、複数の突起部を有することを特徴とするリール脚固定装置。
【請求項7】
請求項1の記載において、上記リールシート本体は、上記載置面に位置する凹所を有し、この凹所に上記グリップ部材の延出部が嵌合することを特徴とするリール脚固定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−29297(P2008−29297A)
【公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−208956(P2006−208956)
【出願日】平成18年7月31日(2006.7.31)
【出願人】(000002495)ダイワ精工株式会社 (1,394)
【Fターム(参考)】