リール部材、フィルムの引出方法及びフィルム巻取装置
【課題】厚さの薄いリール部材によって長尺の接着性フィルムを巻き取る技術を提供する。
【解決手段】本発明は、軸部2を介して対向配置された第1及び第2のフランジ11、12を有するリール部材1である。第1のフランジ11には、軸部2に対して同心的に配置され起立状態及び倒れ状態を切換可能な複数の巻芯部材23、24を有する複数のスイッチングコア部21、22と、スイッチングコア部21、22の巻芯部材23、24の動作領域に配置され第2のフランジ12との間の巻取領域5に接続されたエア通路13、14とが設けられている。第2のフランジ12には、第2のフランジ12を貫通するように形成されたエア排出孔25が設けられている。
【解決手段】本発明は、軸部2を介して対向配置された第1及び第2のフランジ11、12を有するリール部材1である。第1のフランジ11には、軸部2に対して同心的に配置され起立状態及び倒れ状態を切換可能な複数の巻芯部材23、24を有する複数のスイッチングコア部21、22と、スイッチングコア部21、22の巻芯部材23、24の動作領域に配置され第2のフランジ12との間の巻取領域5に接続されたエア通路13、14とが設けられている。第2のフランジ12には、第2のフランジ12を貫通するように形成されたエア排出孔25が設けられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、絶縁性接着フィルムや異方導電性接着フィルムなどのように一連の長尺のフィルムをリール部材に巻き取る技術及び当該リール部材から当該フィルムを引き出す技術に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、例えば液晶パネル上にICチップのような電子部品を実装する場合には、異方導電性接着フィルムや絶縁性接着フィルムが用いられる。
このような接着フィルムは、リール状の部材にロール状に巻き取られた形態で顧客先に出荷される。
【0003】
近年、顧客側から接着フィルムをさらに長尺化することが望まれているが、接着フィルムが長尺化すると、ロール状の径が増すことによって接着フィルムに生じる応力が増大するため、接着フィルム内の接着剤がはみ出るおそれがある。
【0004】
このような課題に鑑み、従来、リール部材の形状等について、種々の提案がなされている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、この従来技術では、複数のリール部分を並べて構成されているため、リール自体を薄くすることはできないという課題がある。
【特許文献1】特許3959247号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、このような従来の技術の課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、厚さの薄いリール部材によって長尺の接着性フィルムを巻き取る技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するためになされた本発明は、軸部を介して対向配置された第1及び第2のフランジを有するリール部材であって、前記第1のフランジには、前記軸部に対して同心的に配置され起立状態及び倒れ状態を切換可能な複数の巻芯部材を有する複数のスイッチングコア部と、前記スイッチングコア部の前記巻芯部材の動作領域に配置され前記第2のフランジとの間の巻取領域に接続されたエア通路とが設けられ、前記第2のフランジには、当該第2のフランジを貫通するように形成されたエア排出孔が設けられているものである。
本発明では、前記第1のフランジに設けられた前記巻芯部材が、当該第1のフランジの回転中心軸に対して任意の半径を有する複数の円周上に4個以上設けられていることもできる。
また、本発明は、前記本発明に係るリール部材を有し、一連の長尺のフィルムが前記リール部材の第1のフランジの複数のスイッチングコア部に巻回されたフィルム収容体であって、前記フィルムの巻取先端部側の部分が、前記複数のスイッチングコア部のうち内側のスイッチングコア部に巻回されるとともに、前記フィルムの巻取後端部側の部分が、前記複数のスイッチングコア部のうち外側のスイッチングコア部に巻回されているものである。
本発明では、前記一連の長尺のフィルムが、異方導電性接着フィルムである場合にも効果的である。
また、本発明では、前記本発明のフィルム収容体から前記一連の長尺のフィルムを引き出す方法であって、前記複数のスイッチングコア部のうち外側のスイッチングコア部に巻回されている前記フィルムの巻取後端部側の部分を引き出した後、前記外側のスイッチングコア部の前記巻芯部材を、前記第1及び第2のフランジ間の前記巻取領域から当該第1のフランジ側に退避させて格納し、さらに、前記フィルムの巻取先端部側の部分が、前記複数のスイッチングコア部のうち内側のスイッチングコア部に巻回されている前記フィルムの巻取先端部側の部分を引き出す工程を有するフィルムの引出方法である。
本発明では、前記一連の長尺のフィルムが、異方導電性接着フィルムである場合にも効果的である。
さらに、本発明は、軸部を介して対向配置された第1及び第2のフランジを有するリール部材に巻回されたフィルムを巻き取るフィルム巻取装置であって、請求項1又は2のいずれか1項記載のリール部材が固定可能な回転駆動軸を有し、当該リール部材に対してエアを噴出可能なエア経路が設けられた駆動部材と、前記駆動部材を回転駆動するための駆動モータと、前記駆動部材のエア経路に対してエアを供給するエア供給手段とを備えたフィルム巻取装置である。
【0007】
本発明のリール部材の場合、第1のフランジには、軸部に対して同心的に配置された複数のスイッチングコア部を有しており、これら複数のスイッチングコア部に一連のフィルムを連続的に巻き付けることによって、各スイッチングコア部に積層して巻き付けられたフィルム相互間における巻締め力を増大させることなく、従来技術に比べてより大径のリール部材に長尺のフィルムを巻き取らせることができる。
【0008】
そして、このような本発明によれば、厚さの薄いリール部材によってより長尺のフィルム、特に基材上に接着剤層を有するフィルム(例えば異方導電性接着フィルム)を接着剤のはみ出しなく巻き取ることができるので、薄型でより長尺のフィルムを巻回したフィルム収容体を提供することができる。
【0009】
また、本発明の場合、第1のフランジには、起立状態及び倒れ状態を切換可能な複数の巻芯部材を有し、これら巻芯部材の動作領域を通過するとともに第2のフランジとの間の巻取領域に接続されたエア通路とが設けられ、第2のフランジには、当該第2のフランジを貫通するように形成されたエア排出孔が設けられていることから、第1のフランジ側からエアを吹き付けてその空圧力を用い、スイッチングコア部の巻芯部材を倒すことによって、第1及び第2のフランジ間の巻取領域に各巻芯部材を配置して容易に巻取可能状態にすることができる。
【0010】
その一方、本発明のリール部材からフィルムを引き出す際には、フィルムの張力に起因する付勢力によって各スイッチングコア部の巻芯部材を容易に起立させ、巻取領域から第1のフランジ側に退避させることから、一般に使用されているフィルム引出装置を用い、通常の方法で円滑にフィルムを引き出して使用することができる。
他方、本発明のフィルム巻取装置によれば、上述した本発明のリール部材を用いて効率良く円滑にフィルムの巻き取りを行うことができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、厚さの薄いリール部材によって長尺の接着性フィルムを巻き取り可能な技術を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の好ましい実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
なお、本発明は、例えば、ベースフィルム上に接着剤層が形成された絶縁性接着剤フィルムや、この絶縁性接着剤中に導電粒子が分散された異方導電性接着フィルム等の粘着性フィルムに好適となるものである。
この場合、フィルムの形態としては、ベースフィルム上に接着剤層が形成された2タイプのもの、及び当該接着剤層にカバーフィルムが設けられた3層タイプのいずれにも適用することができる。
【0013】
図1(a)(b)は、本発明に係るリール部材の実施の形態の構成を示すもので、図1(a)は側面図、図1(b)は、第1のフランジの内部側の構成を示す正面図である。
【0014】
図1(a)(b)に示すように、本実施の形態のリール部材1は、例えば、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリカーボネート等の樹脂から選ばれる1種又は2種以上の樹脂を用いて一体に形成されるもので、軸部2を介して対向配置された第1及び第2のフランジ11、12を有している。
ここで、リール部材1の軸部2は、後述する駆動モータ3によって駆動されるの回転駆動軸31に固定されるようになっている。また、第1及び第2のフランジ11、12は、同一の大きさの円板形状に形成されている。
【0015】
第1のフランジ11には、複数のスイッチングコア部(本実施の形態では二つ:第1及び第2のスイッチングコア部21、22)が設けられている。
ここで、第1又は第2のスイッチングコア部21、22は、リール部材1の回転中心軸Oに対して異なる半径を有する第1又は第2の同心円21a、22a上に形成され、それぞれ後述する複数の巻芯部材23、24を有している。
【0016】
第1のスイッチングコア部21は、軸部2側に位置する第1の同心円21a上に複数の巻芯部材23が配置されて構成されている。ここで、各巻芯部材23は、例えば、第1のフランジ部11を貫通するように矩形形状に形成された第1のエア通路13の内側の位置に配置されている。
ここで、各巻芯部材23は、第1のエア通路13の大きさより若干小さい矩形の平板形状に形成されている。
【0017】
そして、各巻芯部材23は、その一辺の縁部の両側部に支持ピン23aが設けられ、この支持ピン23aを支軸として第1のフランジ11のエア通路13の両側壁に回動自在に支持されている。
この場合、各巻芯部材23は、倒れた状態において、リール部材1の回転中心軸Oに対して0°近傍の角度、すなわち、巻芯部材23のリール外方側の表面(支持面23b)がリール部材1の回転中心軸Oに対してほぼ平行となる状態で係止され、これにより支持面23bが第1及び第2のフランジ11、12間の巻取領域5に位置するように構成されている。
【0018】
一方、各巻芯部材23は、起立した状態では、リール部材1の回転中心軸Oに対して90°近傍の角度で係止され、これにより第1及び第2のフランジ11、12間の巻取領域5から退避して第1のフランジ11の第1のエア通路13内に格納されるように構成されている。
【0019】
本発明の場合、各巻芯部材23の支持面23bの幅は、確実にフィルム50を支持する観点から、巻き取るフィルム50の幅より幅広に形成することが好ましい。具体的には、各巻芯部材23の支持面23bの幅を、フィルム50の幅より0.1〜5.0mm幅広に形成することが好ましい。
【0020】
第2のスイッチングコア部22は、上述した第1の同心円21aに対して外側の第2の同心円22a上に複数の巻芯部材24が配置されて構成されている。
本実施の形態の場合、各巻芯部材24は第1のスイッチングコア部21で用いるものと同一構成のものが用いられ、各巻芯部材24は、例えば第1のフランジ11を貫通するように矩形形状に形成された第2のエア通路14の内側の位置に配置されている。
【0021】
また、各巻芯部材24は、その一辺の縁部の両側部に設けられた支持ピン24aを支軸として第2のフランジ12のエア通路14の両側壁に回動自在に支持されている。
そして、各巻芯部材24は、上記第1のスイッチングコア部21の巻芯部材23と同様、倒れた状態において、リール部材1の回転中心軸Oに対して0°近傍の角度、すなわち、そのリール外方側の表面(支持面24b)がリール部材1の回転中心軸Oに対してほぼ平行となる状態で係止され、これにより支持面24bが第1及び第2のフランジ11、12間の巻取領域5に位置するように構成されている。
【0022】
また、各巻芯部材24は、起立した状態において、リール部材1の回転中心軸Oに対して90°近傍の角度で係止され、これにより第1及び第2のフランジ11、12間の巻取領域5から退避して第1のフランジ11の第2のエア通路14内に格納されるように構成されている。
【0023】
本発明の場合、各巻芯部材24の支持面24bの幅は、確実にフィルム50を支持する観点から、巻き取るフィルム50の幅より幅広に形成することが好ましい。具体的には、各巻芯部材24の支持面24bの幅を、フィルム50の幅より0.1〜5.0mm幅広に形成することが好ましい。
他方、リール部材1の第2のフランジ12には、第2のフランジ12を貫通するように形成された複数のエア排出孔25を有している。
【0024】
本実施の形態の場合、エア排出孔25は、第1のフランジ11の第1及び第2のエア通路13、14とそれぞれ対向する位置に設けられ、さらに、第1のエア通路13に対して軸部側の位置にも設けられている。なお、これらエア排出孔25は、図1(b)では、その一部のみが描かれている。
【0025】
図2は、本実施の形態のリール部材に適用可能なフィルム巻取装置の構成を示す概略図である。
図2に示すように、この駆動装置30は、上述したリール部材1を回転させるための駆動軸31を有する駆動部材32を有している。この駆動部材32は、例えばリール部材1より若干大きい肉厚円板形状の本体部33を有しており、駆動モータ3から軸受機構4を介して回転動力が与えられて所定の速度で回転するように構成されている。
【0026】
ここで、駆動部材32の軸部34と、軸受機構4との間には、エア供給部材6が設けられている。このエア供給部材6は、駆動部材32の軸部34に対して回転摺動状態で接触するように配置されている。そして、エア供給部材6内には、エア供給源(図示せず)から供給されるエア10を導入するための第1及び第2のエア導入路7、8が設けられ、これによりエア供給手段が構成されるようになっている。
【0027】
一方、駆動部材32内には、エア10を通すための第1及び第2のエア経路35、36が設けられている。これら第1及び第2のエア経路35、36は、駆動部材32の軸部34において、エア供給部材32の第1及び第2のエア導入路7、8と接続されるようになっている。
【0028】
本実施の形態で使用するエア供給部材6は、公知のスリップリング機構を用いたもので、この機構により、駆動部材32の回転時において、エア供給部材6の第1及び第2のエア導入路7、8から駆動部材32内の第1及び第2のエア経路35、36に対して円滑にエア10を供給できるようになっている。
さらに、駆動部材32の第1及び第2のエア通路35、36は、本体部33の前面33aにおいて、それぞれエア10を噴出するように構成されている。
【0029】
本実施の形態の場合は、リール部材1の第1のフランジ11が駆動部材33の本体部33の前面33aに密着して取り付けられるようになっている。そして、駆動部材32の本体部33の前面33aには、第1のフランジ11に設けられた第1及び第2のエア通路13、14のフランジ半径方向外方側の領域で、各巻芯部材23、24が起立した状態における外側端縁部に対応する領域に、それぞれ複数のエア噴出口37、38が設けられている。
【0030】
この場合、エア10の流れを良好にする観点からは、このエア噴出口37、38を、例えば第2のフランジ12に設けられたエア排出孔25と対向する位置に設けることが好ましい。
【0031】
図3(a)(b)〜図9は、本実施の形態のリール部材の巻取動作を説明するための図である。
以下、説明の便宜上、適宜、対称形状であるリール部材1の半分の部分を図示して説明を行う。
【0032】
本実施の形態では、まず、図2に示すように、リール部材1の第1のフランジ11において、各巻芯部材23、24を起立した状態にしておく。
そして、この状態で、フィルム50の先端部をリール部材1の軸部2に固定し、駆動モータ3を動作させてリール部材1を巻取方向に回転させる。
【0033】
その後、図3(a)(b)に示すように、軸部2上におけるフィルム50の巻数が所定の数になった時点でリール部材1の回転を停止させる。
なお、本発明において2層の接着剤フィルムを巻き取る場合には、通常通り、接着剤層を軸部2側に向けて巻き取りを行う。
【0034】
次に、上述したフィルム巻取装置30を用い、エア供給源からエア供給部材6の第1のエア導入路7に対し、圧縮されたエア10を供給する。
そして、このエア10の供給により、エア供給部材6内の第1のエア導入路7及び駆動部材32内の第1のエア経路35を介してエア10が流れ、駆動部材32の本体部33a前面33aの噴出口37からエア10が噴出される。
【0035】
これにより、図3(b)及び図4(a)に示すように、起立した状態の巻芯部材23、例えば巻取切換用の巻芯部材23X(図5参照)の外側端縁部にエア10を吹きつけ、その空圧によって当該巻芯部材23Xを支持ピン23aを支軸として倒れる方向に回転させ、図4(b)に示すように、この巻芯部材23Xを第1及び第2のフランジ11、12間の巻取領域5に移動させる。
【0036】
その結果、巻取切換用の巻芯部材23Xは、リール部材1の回転中心軸Oに対してほぼ平行となる状態で係止される。
ここで、巻取切換用の巻芯部材23Xに対して吹きつけられたエア10は、第2のフランジ12のエア排出孔25を介して第2のフランジ12の外面側に排出される。
この状態において、リール部材1を巻取方向に回転させる。その結果、図5に示すように、巻取切換用の巻芯部材23Xとフィルム50表面が接触してその巻取面23bにフィルム50が係止される。
【0037】
さらに、リール部材1を巻取方向に回転させるとともに、第1のスイッチングコア部21の隣接する巻芯部材23に対して順次エア10を吹き付けることにより、巻取切換用の巻芯部材23Xと同様に、各巻芯部材23を全て倒し、これら巻芯部材23にフィルム50を巻き取らせるようにする。
その後、リール部材1を所定数回転させることにより、図4(c)及び図6に示すように、第1のスイッチングコア部21に対しフィルム50の所定巻数の巻取を行う。
【0038】
次に、上述したフィルム巻取装置30において、エア供給源からエア供給部材6の第2のエア導入路8に対し、圧縮されたエア10を供給する。
そして、このエア10の供給により、エア供給部材6内の第2のエア導入路8及び駆動部材32内の第2のエア経路37を介してエア10が流れ、駆動部材32の本体部33前面33aの噴出口38からエア10が噴出される。
【0039】
これにより、図7(a)に示すように、起立した状態の巻芯部材24、例えば巻取切換用の巻芯部材24X(図8参照)の外側端縁部にエア10を吹きつけ、その空圧によってこの巻芯部材24Xを支持ピン24aを支軸として倒れる方向に回転させ、図7(b)に示すように、この巻芯部材24Xを第1及び第2のフランジ11、12間の巻取領域5に移動させる。
【0040】
その結果、巻取切換用の巻芯部材24Xは、リール部材1の回転中心軸Oに対してほぼ平行となる状態で係止される。
ここで、巻取切換用の巻芯部材24Xに対して吹きつけられたエア10は、第2のフランジ12のエア排出孔25を介して第2のフランジ12の外面側に排出される。
この状態において、リール部材1を巻取方向に回転させる。その結果、図8に示すように、巻取切換用の巻芯部材24Xとフィルム50表面が接触してその巻取面24bにフィルム50が係止される。
【0041】
この状態でリール部材1を巻取方向に回転させるとともに、第2のスイッチングコア部22の各巻芯部材24に対して順次エア10を吹き付けることにより巻芯部材24を全て倒し、これら巻芯部材23にフィルム50を巻き取らせるようにする。
さらに、リール部材1を所定数回転させることにより、図7(c)及び図9に示すように、第2のスイッチングコア部22に対しフィルム50の所定巻数の巻取を行う。
【0042】
図10〜図14は、本実施の形態におけるフィルムの引出動作を示すものである。
まず、図9に示すフィルム収容体40からフィルム50を引き出す場合には、フィルム50の引出方向先端部を引っ張るとともに、リール部材1を引き出し方向に所定回数回転させる。
【0043】
そして、第2のスイッチングコア部22からのフィルム50の送り出しが終了し、第2のスイッチングコア部22における巻取切換用の巻芯部材24Xに対するフィルム50の係合が解除された直後において、図10に示すように、この巻芯部材24Xに対して引出方向上流側に隣接する、引出切換用の巻芯部材24Yのリール半径方向内方側の一端部と、フィルム50の表面(例えばベースフィルム表面)とが接触する。
【0044】
この状態で、さらにリール部材1を同方向に回転させてフィルム50の引き出しを続行すると、引出切換用の巻芯部材24Yの移動方向(回転方向)とフィルム50の引出方向(直線方向)とのずれによって生ずるフィルム50の張力に起因してリール半径方向外方側への付勢力が発生し、これにより巻芯部材24Yが同方向に押し上げられて、図11及び図12(a)に示すように、当該巻芯部材24Yが支持ピン24aを支軸として起立する方向に回転し、第1及び第2のフランジ11、12間の巻取領域5から退避して第1のフランジ11の第2のエア通路14内に格納される。
【0045】
さらに、フィルム50の引張り及びリール部材1の回転を行うと、上述した動作によって、各巻芯部材24が巻取領域5から退避して第1のフランジ11の第2のエア通路14内に格納される。
【0046】
その後、フィルム50の引張り及びリール部材1の回転を続行することにより、第1のスイッチングコア部21における巻取切換用の巻芯部材23Xに対するフィルム50の係合が解除された直後において、図13に示すように、当該巻芯部材23Xに対して引出方向上流側に隣接する引出切換用の巻芯部材23Yのリール半径方向内方側の一端部と、フィルム50表面(例えばベースフィルム表面)とが接触する。
【0047】
この状態で、さらにリール部材1を回転させてフィルム50の引出を続行すると、上記同様、引出切換用の巻芯部材23Yの移動方向(回転方向)とフィルム50の引出方向(直線方向)とのずれによって生ずるフィルム50の張力に起因してリール半径方向外方側への付勢力が発生し、これにより巻芯部材23Yが同方向に押し上げられて、図14及び図12(b)に示すように、当該巻芯部材23Yが支持ピン23aを支軸として起立する方向に回転し、第1及び第2のフランジ11、12間の巻取領域5から退避して第1のフランジ11の第1のエア通路13内に格納される。
【0048】
さらに、フィルム50の引張り及びリール部材1の回転を行うと、上述した動作によって、各巻芯部材23が巻取領域5から退避して第1のフランジ11の第1のエア通路13内に格納される。
【0049】
その後、リール部材1を同方向に回転させてフィルム50の引き出しを続行することにより、リール部材1の軸部2に巻き付けられたフィルム50が引き出され、リール部材1の所定回数回転後、図12(c)に示すように、フィルム50の引き出しが終了する。
【0050】
以上述べたように本実施の形態によれば、第1のフランジ11には、軸部2に対して同心的に配置された第1及び第2のスイッチングコア部21、22を有しており、これら第1及び第2のスイッチングコア部21、22に一連のフィルム50を連続的に巻き付けることによって、各スイッチングコア部21、22に積層して巻き付けられたフィルム50相互間における巻締め力を増大させることなく、従来技術に比べてより大径のリール部材1に長尺のフィルム50を巻き取らせることができる。
【0051】
そして、このような本実施の形態によれば、厚さの薄いリール部材1によってより長尺のフィルム、特に基材上に接着剤層を有するフィルム(例えば異方導電性接着フィルム)を接着剤のはみ出しなく巻き取ることができるので、薄型でより長尺のフィルム50を巻回したフィルム収容体40を提供することができる。
【0052】
また、本実施の形態の場合、起立状態及び倒れ状態を切換可能に構成された複数の巻芯部材23、24を有しており、これら巻芯部材23、24の動作領域を通過するとともに第2のフランジ12との間の巻取領域5に接続されたエア通路13、14とが設けられ、さらに、第2のフランジ12には、第2のフランジ12を貫通するように形成されたエア排出孔25が設けられていることから、第1のフランジ11側からエア10を吹き付けてその空圧力を用い、第1及び第2のスイッチングコア部21、22の巻芯部材23、24を倒すことによって第1及び第2のフランジ11、12間の巻取領域5に配置して容易に巻取可能状態にすることができる。
【0053】
その一方、本実施の形態のリール部材1からフィルム50を引き出す際には、フィルム50の張力に起因する付勢力によって各スイッチングコア部21、22の巻芯部材23、24を容易に起立させ、上記巻取領域5から退避させ第1のフランジ1に格納されることから、一般に使用されているフィルム引出装置を用い、通常の方法で円滑にフィルム50の引き出して使用することができる。
他方、本実施の形態のフィルム巻取装置30によれば、上述した本実施の形態のリール部材1を用いて効率良く円滑にフィルム50の巻き取りを行うことができる。
【0054】
なお、本発明は上述の実施の形態に限られることなく、種々の変更を行うことができる。
例えば、上述の実施の形態においては、第1のフランジにスイッチングコア部を二つ設けるようにしたが、本発明はこれに限られず、三つ以上設けることも可能である。
【0055】
また、スイッチングコア部に設ける巻芯部材の数、形状等についても、上記実施の形態のものには限られず、適宜変更が可能である。
ただし、フィルムに対するダメージを考慮すると、巻芯部材の数については、各スイッチングコア部に4個以上設けることが好ましい。
【0056】
また、上述の実施の形態では、巻取切換用の巻芯部材に対してエアを吹き付けて倒した後、残りの巻芯部材を順次倒すようにしたが、例えば複数の巻芯部材に対して同時にエアを吹き付けて倒すようにすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】(a):本発明に係るリール部材の実施の形態の構成を示す側面図(b):第1のフランジの内部側の構成を示す正面図
【図2】同リール部材に適用可能なフィルム巻取装置の構成を示す概略図
【図3】(a):同リール部材の巻取動作を説明するためのリール部材の断面図(その1)(b):同リール部材の巻取動作を説明するための第1のフランジの正面図(その1)
【図4】(a)〜(c):同リール部材の巻取動作を説明するためのリール部材の断面図(その2)
【図5】同リール部材の巻取動作を説明するための第1のフランジの正面図(その2)
【図6】同リール部材の巻取動作を説明するための第1のフランジの正面図(その3)
【図7】(a)〜(c):同リール部材の巻取動作を説明するためのリール部材の断面図(その3)
【図8】同リール部材の巻取動作を説明するための第1のフランジの正面図(その4)
【図9】同リール部材の巻取動作を説明するための第1のフランジの正面図(その5)
【図10】同リール部材の引出動作を説明するための第1のフランジの正面図(その1)
【図11】同リール部材の引出動作を説明するための第1のフランジの正面図(その2)
【図12】同リール部材の引出動作を説明するためのリール部材の断面図
【図13】同リール部材の引出動作を説明するための第1のフランジの正面図(その3)
【図14】同リール部材の引出動作を説明するための第1のフランジの正面図(その4)
【符号の説明】
【0058】
1…リール部材
2…軸部
3…駆動モータ
5…巻取領域
11…第1のフランジ
12…第2のフランジ
13…第1のエア通路
14…第2のエア通路
21…第1のスイッチングコア部
22…第2のスイッチングコア部
23、24…巻芯部材
25…エア排出孔
30…フィルム巻取装置
40…フィルム収容体
50…フィルム
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、絶縁性接着フィルムや異方導電性接着フィルムなどのように一連の長尺のフィルムをリール部材に巻き取る技術及び当該リール部材から当該フィルムを引き出す技術に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、例えば液晶パネル上にICチップのような電子部品を実装する場合には、異方導電性接着フィルムや絶縁性接着フィルムが用いられる。
このような接着フィルムは、リール状の部材にロール状に巻き取られた形態で顧客先に出荷される。
【0003】
近年、顧客側から接着フィルムをさらに長尺化することが望まれているが、接着フィルムが長尺化すると、ロール状の径が増すことによって接着フィルムに生じる応力が増大するため、接着フィルム内の接着剤がはみ出るおそれがある。
【0004】
このような課題に鑑み、従来、リール部材の形状等について、種々の提案がなされている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、この従来技術では、複数のリール部分を並べて構成されているため、リール自体を薄くすることはできないという課題がある。
【特許文献1】特許3959247号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、このような従来の技術の課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、厚さの薄いリール部材によって長尺の接着性フィルムを巻き取る技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するためになされた本発明は、軸部を介して対向配置された第1及び第2のフランジを有するリール部材であって、前記第1のフランジには、前記軸部に対して同心的に配置され起立状態及び倒れ状態を切換可能な複数の巻芯部材を有する複数のスイッチングコア部と、前記スイッチングコア部の前記巻芯部材の動作領域に配置され前記第2のフランジとの間の巻取領域に接続されたエア通路とが設けられ、前記第2のフランジには、当該第2のフランジを貫通するように形成されたエア排出孔が設けられているものである。
本発明では、前記第1のフランジに設けられた前記巻芯部材が、当該第1のフランジの回転中心軸に対して任意の半径を有する複数の円周上に4個以上設けられていることもできる。
また、本発明は、前記本発明に係るリール部材を有し、一連の長尺のフィルムが前記リール部材の第1のフランジの複数のスイッチングコア部に巻回されたフィルム収容体であって、前記フィルムの巻取先端部側の部分が、前記複数のスイッチングコア部のうち内側のスイッチングコア部に巻回されるとともに、前記フィルムの巻取後端部側の部分が、前記複数のスイッチングコア部のうち外側のスイッチングコア部に巻回されているものである。
本発明では、前記一連の長尺のフィルムが、異方導電性接着フィルムである場合にも効果的である。
また、本発明では、前記本発明のフィルム収容体から前記一連の長尺のフィルムを引き出す方法であって、前記複数のスイッチングコア部のうち外側のスイッチングコア部に巻回されている前記フィルムの巻取後端部側の部分を引き出した後、前記外側のスイッチングコア部の前記巻芯部材を、前記第1及び第2のフランジ間の前記巻取領域から当該第1のフランジ側に退避させて格納し、さらに、前記フィルムの巻取先端部側の部分が、前記複数のスイッチングコア部のうち内側のスイッチングコア部に巻回されている前記フィルムの巻取先端部側の部分を引き出す工程を有するフィルムの引出方法である。
本発明では、前記一連の長尺のフィルムが、異方導電性接着フィルムである場合にも効果的である。
さらに、本発明は、軸部を介して対向配置された第1及び第2のフランジを有するリール部材に巻回されたフィルムを巻き取るフィルム巻取装置であって、請求項1又は2のいずれか1項記載のリール部材が固定可能な回転駆動軸を有し、当該リール部材に対してエアを噴出可能なエア経路が設けられた駆動部材と、前記駆動部材を回転駆動するための駆動モータと、前記駆動部材のエア経路に対してエアを供給するエア供給手段とを備えたフィルム巻取装置である。
【0007】
本発明のリール部材の場合、第1のフランジには、軸部に対して同心的に配置された複数のスイッチングコア部を有しており、これら複数のスイッチングコア部に一連のフィルムを連続的に巻き付けることによって、各スイッチングコア部に積層して巻き付けられたフィルム相互間における巻締め力を増大させることなく、従来技術に比べてより大径のリール部材に長尺のフィルムを巻き取らせることができる。
【0008】
そして、このような本発明によれば、厚さの薄いリール部材によってより長尺のフィルム、特に基材上に接着剤層を有するフィルム(例えば異方導電性接着フィルム)を接着剤のはみ出しなく巻き取ることができるので、薄型でより長尺のフィルムを巻回したフィルム収容体を提供することができる。
【0009】
また、本発明の場合、第1のフランジには、起立状態及び倒れ状態を切換可能な複数の巻芯部材を有し、これら巻芯部材の動作領域を通過するとともに第2のフランジとの間の巻取領域に接続されたエア通路とが設けられ、第2のフランジには、当該第2のフランジを貫通するように形成されたエア排出孔が設けられていることから、第1のフランジ側からエアを吹き付けてその空圧力を用い、スイッチングコア部の巻芯部材を倒すことによって、第1及び第2のフランジ間の巻取領域に各巻芯部材を配置して容易に巻取可能状態にすることができる。
【0010】
その一方、本発明のリール部材からフィルムを引き出す際には、フィルムの張力に起因する付勢力によって各スイッチングコア部の巻芯部材を容易に起立させ、巻取領域から第1のフランジ側に退避させることから、一般に使用されているフィルム引出装置を用い、通常の方法で円滑にフィルムを引き出して使用することができる。
他方、本発明のフィルム巻取装置によれば、上述した本発明のリール部材を用いて効率良く円滑にフィルムの巻き取りを行うことができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、厚さの薄いリール部材によって長尺の接着性フィルムを巻き取り可能な技術を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の好ましい実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
なお、本発明は、例えば、ベースフィルム上に接着剤層が形成された絶縁性接着剤フィルムや、この絶縁性接着剤中に導電粒子が分散された異方導電性接着フィルム等の粘着性フィルムに好適となるものである。
この場合、フィルムの形態としては、ベースフィルム上に接着剤層が形成された2タイプのもの、及び当該接着剤層にカバーフィルムが設けられた3層タイプのいずれにも適用することができる。
【0013】
図1(a)(b)は、本発明に係るリール部材の実施の形態の構成を示すもので、図1(a)は側面図、図1(b)は、第1のフランジの内部側の構成を示す正面図である。
【0014】
図1(a)(b)に示すように、本実施の形態のリール部材1は、例えば、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリカーボネート等の樹脂から選ばれる1種又は2種以上の樹脂を用いて一体に形成されるもので、軸部2を介して対向配置された第1及び第2のフランジ11、12を有している。
ここで、リール部材1の軸部2は、後述する駆動モータ3によって駆動されるの回転駆動軸31に固定されるようになっている。また、第1及び第2のフランジ11、12は、同一の大きさの円板形状に形成されている。
【0015】
第1のフランジ11には、複数のスイッチングコア部(本実施の形態では二つ:第1及び第2のスイッチングコア部21、22)が設けられている。
ここで、第1又は第2のスイッチングコア部21、22は、リール部材1の回転中心軸Oに対して異なる半径を有する第1又は第2の同心円21a、22a上に形成され、それぞれ後述する複数の巻芯部材23、24を有している。
【0016】
第1のスイッチングコア部21は、軸部2側に位置する第1の同心円21a上に複数の巻芯部材23が配置されて構成されている。ここで、各巻芯部材23は、例えば、第1のフランジ部11を貫通するように矩形形状に形成された第1のエア通路13の内側の位置に配置されている。
ここで、各巻芯部材23は、第1のエア通路13の大きさより若干小さい矩形の平板形状に形成されている。
【0017】
そして、各巻芯部材23は、その一辺の縁部の両側部に支持ピン23aが設けられ、この支持ピン23aを支軸として第1のフランジ11のエア通路13の両側壁に回動自在に支持されている。
この場合、各巻芯部材23は、倒れた状態において、リール部材1の回転中心軸Oに対して0°近傍の角度、すなわち、巻芯部材23のリール外方側の表面(支持面23b)がリール部材1の回転中心軸Oに対してほぼ平行となる状態で係止され、これにより支持面23bが第1及び第2のフランジ11、12間の巻取領域5に位置するように構成されている。
【0018】
一方、各巻芯部材23は、起立した状態では、リール部材1の回転中心軸Oに対して90°近傍の角度で係止され、これにより第1及び第2のフランジ11、12間の巻取領域5から退避して第1のフランジ11の第1のエア通路13内に格納されるように構成されている。
【0019】
本発明の場合、各巻芯部材23の支持面23bの幅は、確実にフィルム50を支持する観点から、巻き取るフィルム50の幅より幅広に形成することが好ましい。具体的には、各巻芯部材23の支持面23bの幅を、フィルム50の幅より0.1〜5.0mm幅広に形成することが好ましい。
【0020】
第2のスイッチングコア部22は、上述した第1の同心円21aに対して外側の第2の同心円22a上に複数の巻芯部材24が配置されて構成されている。
本実施の形態の場合、各巻芯部材24は第1のスイッチングコア部21で用いるものと同一構成のものが用いられ、各巻芯部材24は、例えば第1のフランジ11を貫通するように矩形形状に形成された第2のエア通路14の内側の位置に配置されている。
【0021】
また、各巻芯部材24は、その一辺の縁部の両側部に設けられた支持ピン24aを支軸として第2のフランジ12のエア通路14の両側壁に回動自在に支持されている。
そして、各巻芯部材24は、上記第1のスイッチングコア部21の巻芯部材23と同様、倒れた状態において、リール部材1の回転中心軸Oに対して0°近傍の角度、すなわち、そのリール外方側の表面(支持面24b)がリール部材1の回転中心軸Oに対してほぼ平行となる状態で係止され、これにより支持面24bが第1及び第2のフランジ11、12間の巻取領域5に位置するように構成されている。
【0022】
また、各巻芯部材24は、起立した状態において、リール部材1の回転中心軸Oに対して90°近傍の角度で係止され、これにより第1及び第2のフランジ11、12間の巻取領域5から退避して第1のフランジ11の第2のエア通路14内に格納されるように構成されている。
【0023】
本発明の場合、各巻芯部材24の支持面24bの幅は、確実にフィルム50を支持する観点から、巻き取るフィルム50の幅より幅広に形成することが好ましい。具体的には、各巻芯部材24の支持面24bの幅を、フィルム50の幅より0.1〜5.0mm幅広に形成することが好ましい。
他方、リール部材1の第2のフランジ12には、第2のフランジ12を貫通するように形成された複数のエア排出孔25を有している。
【0024】
本実施の形態の場合、エア排出孔25は、第1のフランジ11の第1及び第2のエア通路13、14とそれぞれ対向する位置に設けられ、さらに、第1のエア通路13に対して軸部側の位置にも設けられている。なお、これらエア排出孔25は、図1(b)では、その一部のみが描かれている。
【0025】
図2は、本実施の形態のリール部材に適用可能なフィルム巻取装置の構成を示す概略図である。
図2に示すように、この駆動装置30は、上述したリール部材1を回転させるための駆動軸31を有する駆動部材32を有している。この駆動部材32は、例えばリール部材1より若干大きい肉厚円板形状の本体部33を有しており、駆動モータ3から軸受機構4を介して回転動力が与えられて所定の速度で回転するように構成されている。
【0026】
ここで、駆動部材32の軸部34と、軸受機構4との間には、エア供給部材6が設けられている。このエア供給部材6は、駆動部材32の軸部34に対して回転摺動状態で接触するように配置されている。そして、エア供給部材6内には、エア供給源(図示せず)から供給されるエア10を導入するための第1及び第2のエア導入路7、8が設けられ、これによりエア供給手段が構成されるようになっている。
【0027】
一方、駆動部材32内には、エア10を通すための第1及び第2のエア経路35、36が設けられている。これら第1及び第2のエア経路35、36は、駆動部材32の軸部34において、エア供給部材32の第1及び第2のエア導入路7、8と接続されるようになっている。
【0028】
本実施の形態で使用するエア供給部材6は、公知のスリップリング機構を用いたもので、この機構により、駆動部材32の回転時において、エア供給部材6の第1及び第2のエア導入路7、8から駆動部材32内の第1及び第2のエア経路35、36に対して円滑にエア10を供給できるようになっている。
さらに、駆動部材32の第1及び第2のエア通路35、36は、本体部33の前面33aにおいて、それぞれエア10を噴出するように構成されている。
【0029】
本実施の形態の場合は、リール部材1の第1のフランジ11が駆動部材33の本体部33の前面33aに密着して取り付けられるようになっている。そして、駆動部材32の本体部33の前面33aには、第1のフランジ11に設けられた第1及び第2のエア通路13、14のフランジ半径方向外方側の領域で、各巻芯部材23、24が起立した状態における外側端縁部に対応する領域に、それぞれ複数のエア噴出口37、38が設けられている。
【0030】
この場合、エア10の流れを良好にする観点からは、このエア噴出口37、38を、例えば第2のフランジ12に設けられたエア排出孔25と対向する位置に設けることが好ましい。
【0031】
図3(a)(b)〜図9は、本実施の形態のリール部材の巻取動作を説明するための図である。
以下、説明の便宜上、適宜、対称形状であるリール部材1の半分の部分を図示して説明を行う。
【0032】
本実施の形態では、まず、図2に示すように、リール部材1の第1のフランジ11において、各巻芯部材23、24を起立した状態にしておく。
そして、この状態で、フィルム50の先端部をリール部材1の軸部2に固定し、駆動モータ3を動作させてリール部材1を巻取方向に回転させる。
【0033】
その後、図3(a)(b)に示すように、軸部2上におけるフィルム50の巻数が所定の数になった時点でリール部材1の回転を停止させる。
なお、本発明において2層の接着剤フィルムを巻き取る場合には、通常通り、接着剤層を軸部2側に向けて巻き取りを行う。
【0034】
次に、上述したフィルム巻取装置30を用い、エア供給源からエア供給部材6の第1のエア導入路7に対し、圧縮されたエア10を供給する。
そして、このエア10の供給により、エア供給部材6内の第1のエア導入路7及び駆動部材32内の第1のエア経路35を介してエア10が流れ、駆動部材32の本体部33a前面33aの噴出口37からエア10が噴出される。
【0035】
これにより、図3(b)及び図4(a)に示すように、起立した状態の巻芯部材23、例えば巻取切換用の巻芯部材23X(図5参照)の外側端縁部にエア10を吹きつけ、その空圧によって当該巻芯部材23Xを支持ピン23aを支軸として倒れる方向に回転させ、図4(b)に示すように、この巻芯部材23Xを第1及び第2のフランジ11、12間の巻取領域5に移動させる。
【0036】
その結果、巻取切換用の巻芯部材23Xは、リール部材1の回転中心軸Oに対してほぼ平行となる状態で係止される。
ここで、巻取切換用の巻芯部材23Xに対して吹きつけられたエア10は、第2のフランジ12のエア排出孔25を介して第2のフランジ12の外面側に排出される。
この状態において、リール部材1を巻取方向に回転させる。その結果、図5に示すように、巻取切換用の巻芯部材23Xとフィルム50表面が接触してその巻取面23bにフィルム50が係止される。
【0037】
さらに、リール部材1を巻取方向に回転させるとともに、第1のスイッチングコア部21の隣接する巻芯部材23に対して順次エア10を吹き付けることにより、巻取切換用の巻芯部材23Xと同様に、各巻芯部材23を全て倒し、これら巻芯部材23にフィルム50を巻き取らせるようにする。
その後、リール部材1を所定数回転させることにより、図4(c)及び図6に示すように、第1のスイッチングコア部21に対しフィルム50の所定巻数の巻取を行う。
【0038】
次に、上述したフィルム巻取装置30において、エア供給源からエア供給部材6の第2のエア導入路8に対し、圧縮されたエア10を供給する。
そして、このエア10の供給により、エア供給部材6内の第2のエア導入路8及び駆動部材32内の第2のエア経路37を介してエア10が流れ、駆動部材32の本体部33前面33aの噴出口38からエア10が噴出される。
【0039】
これにより、図7(a)に示すように、起立した状態の巻芯部材24、例えば巻取切換用の巻芯部材24X(図8参照)の外側端縁部にエア10を吹きつけ、その空圧によってこの巻芯部材24Xを支持ピン24aを支軸として倒れる方向に回転させ、図7(b)に示すように、この巻芯部材24Xを第1及び第2のフランジ11、12間の巻取領域5に移動させる。
【0040】
その結果、巻取切換用の巻芯部材24Xは、リール部材1の回転中心軸Oに対してほぼ平行となる状態で係止される。
ここで、巻取切換用の巻芯部材24Xに対して吹きつけられたエア10は、第2のフランジ12のエア排出孔25を介して第2のフランジ12の外面側に排出される。
この状態において、リール部材1を巻取方向に回転させる。その結果、図8に示すように、巻取切換用の巻芯部材24Xとフィルム50表面が接触してその巻取面24bにフィルム50が係止される。
【0041】
この状態でリール部材1を巻取方向に回転させるとともに、第2のスイッチングコア部22の各巻芯部材24に対して順次エア10を吹き付けることにより巻芯部材24を全て倒し、これら巻芯部材23にフィルム50を巻き取らせるようにする。
さらに、リール部材1を所定数回転させることにより、図7(c)及び図9に示すように、第2のスイッチングコア部22に対しフィルム50の所定巻数の巻取を行う。
【0042】
図10〜図14は、本実施の形態におけるフィルムの引出動作を示すものである。
まず、図9に示すフィルム収容体40からフィルム50を引き出す場合には、フィルム50の引出方向先端部を引っ張るとともに、リール部材1を引き出し方向に所定回数回転させる。
【0043】
そして、第2のスイッチングコア部22からのフィルム50の送り出しが終了し、第2のスイッチングコア部22における巻取切換用の巻芯部材24Xに対するフィルム50の係合が解除された直後において、図10に示すように、この巻芯部材24Xに対して引出方向上流側に隣接する、引出切換用の巻芯部材24Yのリール半径方向内方側の一端部と、フィルム50の表面(例えばベースフィルム表面)とが接触する。
【0044】
この状態で、さらにリール部材1を同方向に回転させてフィルム50の引き出しを続行すると、引出切換用の巻芯部材24Yの移動方向(回転方向)とフィルム50の引出方向(直線方向)とのずれによって生ずるフィルム50の張力に起因してリール半径方向外方側への付勢力が発生し、これにより巻芯部材24Yが同方向に押し上げられて、図11及び図12(a)に示すように、当該巻芯部材24Yが支持ピン24aを支軸として起立する方向に回転し、第1及び第2のフランジ11、12間の巻取領域5から退避して第1のフランジ11の第2のエア通路14内に格納される。
【0045】
さらに、フィルム50の引張り及びリール部材1の回転を行うと、上述した動作によって、各巻芯部材24が巻取領域5から退避して第1のフランジ11の第2のエア通路14内に格納される。
【0046】
その後、フィルム50の引張り及びリール部材1の回転を続行することにより、第1のスイッチングコア部21における巻取切換用の巻芯部材23Xに対するフィルム50の係合が解除された直後において、図13に示すように、当該巻芯部材23Xに対して引出方向上流側に隣接する引出切換用の巻芯部材23Yのリール半径方向内方側の一端部と、フィルム50表面(例えばベースフィルム表面)とが接触する。
【0047】
この状態で、さらにリール部材1を回転させてフィルム50の引出を続行すると、上記同様、引出切換用の巻芯部材23Yの移動方向(回転方向)とフィルム50の引出方向(直線方向)とのずれによって生ずるフィルム50の張力に起因してリール半径方向外方側への付勢力が発生し、これにより巻芯部材23Yが同方向に押し上げられて、図14及び図12(b)に示すように、当該巻芯部材23Yが支持ピン23aを支軸として起立する方向に回転し、第1及び第2のフランジ11、12間の巻取領域5から退避して第1のフランジ11の第1のエア通路13内に格納される。
【0048】
さらに、フィルム50の引張り及びリール部材1の回転を行うと、上述した動作によって、各巻芯部材23が巻取領域5から退避して第1のフランジ11の第1のエア通路13内に格納される。
【0049】
その後、リール部材1を同方向に回転させてフィルム50の引き出しを続行することにより、リール部材1の軸部2に巻き付けられたフィルム50が引き出され、リール部材1の所定回数回転後、図12(c)に示すように、フィルム50の引き出しが終了する。
【0050】
以上述べたように本実施の形態によれば、第1のフランジ11には、軸部2に対して同心的に配置された第1及び第2のスイッチングコア部21、22を有しており、これら第1及び第2のスイッチングコア部21、22に一連のフィルム50を連続的に巻き付けることによって、各スイッチングコア部21、22に積層して巻き付けられたフィルム50相互間における巻締め力を増大させることなく、従来技術に比べてより大径のリール部材1に長尺のフィルム50を巻き取らせることができる。
【0051】
そして、このような本実施の形態によれば、厚さの薄いリール部材1によってより長尺のフィルム、特に基材上に接着剤層を有するフィルム(例えば異方導電性接着フィルム)を接着剤のはみ出しなく巻き取ることができるので、薄型でより長尺のフィルム50を巻回したフィルム収容体40を提供することができる。
【0052】
また、本実施の形態の場合、起立状態及び倒れ状態を切換可能に構成された複数の巻芯部材23、24を有しており、これら巻芯部材23、24の動作領域を通過するとともに第2のフランジ12との間の巻取領域5に接続されたエア通路13、14とが設けられ、さらに、第2のフランジ12には、第2のフランジ12を貫通するように形成されたエア排出孔25が設けられていることから、第1のフランジ11側からエア10を吹き付けてその空圧力を用い、第1及び第2のスイッチングコア部21、22の巻芯部材23、24を倒すことによって第1及び第2のフランジ11、12間の巻取領域5に配置して容易に巻取可能状態にすることができる。
【0053】
その一方、本実施の形態のリール部材1からフィルム50を引き出す際には、フィルム50の張力に起因する付勢力によって各スイッチングコア部21、22の巻芯部材23、24を容易に起立させ、上記巻取領域5から退避させ第1のフランジ1に格納されることから、一般に使用されているフィルム引出装置を用い、通常の方法で円滑にフィルム50の引き出して使用することができる。
他方、本実施の形態のフィルム巻取装置30によれば、上述した本実施の形態のリール部材1を用いて効率良く円滑にフィルム50の巻き取りを行うことができる。
【0054】
なお、本発明は上述の実施の形態に限られることなく、種々の変更を行うことができる。
例えば、上述の実施の形態においては、第1のフランジにスイッチングコア部を二つ設けるようにしたが、本発明はこれに限られず、三つ以上設けることも可能である。
【0055】
また、スイッチングコア部に設ける巻芯部材の数、形状等についても、上記実施の形態のものには限られず、適宜変更が可能である。
ただし、フィルムに対するダメージを考慮すると、巻芯部材の数については、各スイッチングコア部に4個以上設けることが好ましい。
【0056】
また、上述の実施の形態では、巻取切換用の巻芯部材に対してエアを吹き付けて倒した後、残りの巻芯部材を順次倒すようにしたが、例えば複数の巻芯部材に対して同時にエアを吹き付けて倒すようにすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】(a):本発明に係るリール部材の実施の形態の構成を示す側面図(b):第1のフランジの内部側の構成を示す正面図
【図2】同リール部材に適用可能なフィルム巻取装置の構成を示す概略図
【図3】(a):同リール部材の巻取動作を説明するためのリール部材の断面図(その1)(b):同リール部材の巻取動作を説明するための第1のフランジの正面図(その1)
【図4】(a)〜(c):同リール部材の巻取動作を説明するためのリール部材の断面図(その2)
【図5】同リール部材の巻取動作を説明するための第1のフランジの正面図(その2)
【図6】同リール部材の巻取動作を説明するための第1のフランジの正面図(その3)
【図7】(a)〜(c):同リール部材の巻取動作を説明するためのリール部材の断面図(その3)
【図8】同リール部材の巻取動作を説明するための第1のフランジの正面図(その4)
【図9】同リール部材の巻取動作を説明するための第1のフランジの正面図(その5)
【図10】同リール部材の引出動作を説明するための第1のフランジの正面図(その1)
【図11】同リール部材の引出動作を説明するための第1のフランジの正面図(その2)
【図12】同リール部材の引出動作を説明するためのリール部材の断面図
【図13】同リール部材の引出動作を説明するための第1のフランジの正面図(その3)
【図14】同リール部材の引出動作を説明するための第1のフランジの正面図(その4)
【符号の説明】
【0058】
1…リール部材
2…軸部
3…駆動モータ
5…巻取領域
11…第1のフランジ
12…第2のフランジ
13…第1のエア通路
14…第2のエア通路
21…第1のスイッチングコア部
22…第2のスイッチングコア部
23、24…巻芯部材
25…エア排出孔
30…フィルム巻取装置
40…フィルム収容体
50…フィルム
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸部を介して対向配置された第1及び第2のフランジを有するリール部材であって、
前記第1のフランジには、前記軸部に対して同心的に配置され起立状態及び倒れ状態を切換可能な複数の巻芯部材を有する複数のスイッチングコア部と、前記スイッチングコア部の前記巻芯部材の動作領域に配置され前記第2のフランジとの間の巻取領域に接続されたエア通路とが設けられ、
前記第2のフランジには、当該第2のフランジを貫通するように形成されたエア排出孔が設けられているリール部材。
【請求項2】
前記第1のフランジに設けられた前記巻芯部材が、当該第1のフランジの回転中心軸に対して任意の半径を有する複数の円周上に4個以上設けられている請求項1記載のリール部材。
【請求項3】
請求項1又は2のいずれか1項記載のリール部材を有し、一連の長尺のフィルムが前記リール部材の第1のフランジの複数のスイッチングコア部に巻回されたフィルム収容体であって、
前記フィルムの巻取先端部側の部分が、前記複数のスイッチングコア部のうち内側のスイッチングコア部に巻回されるとともに、前記フィルムの巻取後端部側の部分が、前記複数のスイッチングコア部のうち外側のスイッチングコア部に巻回されているフィルム収容体。
【請求項4】
前記一連の長尺のフィルムが、異方導電性接着フィルムである請求項3記載のフィルム収容体。
【請求項5】
請求項3又は4のいずれか1項記載のフィルム収容体から前記一連の長尺のフィルムを引き出す方法であって、
前記複数のスイッチングコア部のうち外側のスイッチングコア部に巻回されている前記フィルムの巻取後端部側の部分を引き出した後、
前記外側のスイッチングコア部の前記巻芯部材を、前記第1及び第2のフランジ間の前記巻取領域から当該第1のフランジ側に退避させ、
さらに、前記フィルムの巻取先端部側の部分が、前記複数のスイッチングコア部のうち内側のスイッチングコア部に巻回されている前記フィルムの巻取先端部側の部分を引き出す工程を有するフィルムの引出方法。
【請求項6】
前記一連の長尺のフィルムが、異方導電性接着フィルムである請求項5記載のフィルムの引出方法。
【請求項7】
軸部を介して対向配置された第1及び第2のフランジを有するリール部材に巻回されたフィルムを巻き取るフィルム巻取装置であって、
請求項1又は2のいずれか1項記載のリール部材を固定可能な回転駆動軸を有し、当該リール部材に対してエアを噴出可能なエア経路が設けられた駆動部材と、
前記駆動部材を回転駆動するための駆動モータと、
前記駆動部材のエア経路に対してエアを供給するエア供給手段とを備えたフィルム巻取装置。
【請求項1】
軸部を介して対向配置された第1及び第2のフランジを有するリール部材であって、
前記第1のフランジには、前記軸部に対して同心的に配置され起立状態及び倒れ状態を切換可能な複数の巻芯部材を有する複数のスイッチングコア部と、前記スイッチングコア部の前記巻芯部材の動作領域に配置され前記第2のフランジとの間の巻取領域に接続されたエア通路とが設けられ、
前記第2のフランジには、当該第2のフランジを貫通するように形成されたエア排出孔が設けられているリール部材。
【請求項2】
前記第1のフランジに設けられた前記巻芯部材が、当該第1のフランジの回転中心軸に対して任意の半径を有する複数の円周上に4個以上設けられている請求項1記載のリール部材。
【請求項3】
請求項1又は2のいずれか1項記載のリール部材を有し、一連の長尺のフィルムが前記リール部材の第1のフランジの複数のスイッチングコア部に巻回されたフィルム収容体であって、
前記フィルムの巻取先端部側の部分が、前記複数のスイッチングコア部のうち内側のスイッチングコア部に巻回されるとともに、前記フィルムの巻取後端部側の部分が、前記複数のスイッチングコア部のうち外側のスイッチングコア部に巻回されているフィルム収容体。
【請求項4】
前記一連の長尺のフィルムが、異方導電性接着フィルムである請求項3記載のフィルム収容体。
【請求項5】
請求項3又は4のいずれか1項記載のフィルム収容体から前記一連の長尺のフィルムを引き出す方法であって、
前記複数のスイッチングコア部のうち外側のスイッチングコア部に巻回されている前記フィルムの巻取後端部側の部分を引き出した後、
前記外側のスイッチングコア部の前記巻芯部材を、前記第1及び第2のフランジ間の前記巻取領域から当該第1のフランジ側に退避させ、
さらに、前記フィルムの巻取先端部側の部分が、前記複数のスイッチングコア部のうち内側のスイッチングコア部に巻回されている前記フィルムの巻取先端部側の部分を引き出す工程を有するフィルムの引出方法。
【請求項6】
前記一連の長尺のフィルムが、異方導電性接着フィルムである請求項5記載のフィルムの引出方法。
【請求項7】
軸部を介して対向配置された第1及び第2のフランジを有するリール部材に巻回されたフィルムを巻き取るフィルム巻取装置であって、
請求項1又は2のいずれか1項記載のリール部材を固定可能な回転駆動軸を有し、当該リール部材に対してエアを噴出可能なエア経路が設けられた駆動部材と、
前記駆動部材を回転駆動するための駆動モータと、
前記駆動部材のエア経路に対してエアを供給するエア供給手段とを備えたフィルム巻取装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2009−166984(P2009−166984A)
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−8654(P2008−8654)
【出願日】平成20年1月18日(2008.1.18)
【出願人】(000108410)ソニーケミカル&インフォメーションデバイス株式会社 (595)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年1月18日(2008.1.18)
【出願人】(000108410)ソニーケミカル&インフォメーションデバイス株式会社 (595)
【Fターム(参考)】
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