説明

レッグウエア

【課題】着用者が感じる不快感をなくし、圧感覚の適正化を図りつつ血液循環を促進してむくみを解消すると共に、血液循環の阻害要因を抑えて保温効果を保つことが可能なレッグウエアを提供する。
【解決手段】少なくとも甲101、足裏102、及び足首122を覆う本体部2を備えたレッグウエア1において、甲101から足裏102を通り足首122へ至る内巻きのらせん状に配置され、周辺よりも緊締力が強いサポートライン3を備える構成とし、サポートライン3が、甲101から内側を経由して足裏102にかけて配置された第1の緊締部31と、足首腹側103において外側から内側へ斜め上方に配置され、足首腹側103を面状に圧迫する第2の緊締部32と、を有する構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筒状の本体部に、周辺よりも緊締力が強いサポートラインを備えるレッグウエアに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、下腿部のむくみを自覚する人々が増加している。そのため、整容効果を期待して、むくみを解消することが求められている。下腿部は呼吸運動による影響を受けにくい体部位であり、多少の圧迫力を負荷しても差し支えない体部位である。そこで、下腿部のむくみを抑えるために、着用者の下腿部を締め付けることで発生する周囲から深部方向へ働く周力(周応力、フープテンション)によって圧迫する着圧ソックスが開発されている。これにより、下腿部のむくみ量の低減を図っている。
【0003】
特許文献1には、スパイラル形状のサポートラインが形成されたレッグウエアが開示されている。このレッグウエアのサポートラインは、外踝から後足首を経由して膝関節後面の下端に至る外旋回のスパイラル形状を成している。このようなサポートラインを形成することで、下腿部の骨格に作用して骨の可動性を向上させ、脚のむくみ、だるさ、疲れなどの予防しようとしている。
【0004】
特許文献2には、斜め上向きに形成された複数の着圧部が上下方向に離間して配置された靴下が開示されている。この靴下では、リンパの流れる方向に沿って着圧部を形成し、着圧部による下肢肌面への押圧作用によって、リンパの流れる方向に沿った刺激効果及びマッサージ効果を得ようとしている。
【0005】
特許文献3には、円筒状に形成されたサポータにおいて、弾性生地部と中間生地部(非弾性生地部)とを足の周方向に交互に配置し、一方の開口側を他方の開口側に対して捻転させて脹脛に装着するものが開示されている。特許文献4には、上下方向に段階的に着圧力を変化させることにより血流を促進させる靴下が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−266802号公報
【特許文献2】特開2006−219805号公報
【特許文献3】実用新案登録第3091572号公報
【特許文献4】特開平10−310903号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載のレッグウエアでは、脛骨の下端から脛骨全長の1/4〜1/2の位置で向う脛(脛の前面)を斜めに横切るように配置されている。向う脛のこの位置には、大伏在静脈131、伏在神経132が表在している。向う脛でこれらを横切るようにサポートラインが形成されていると、静脈血の戻りを阻害し血液循環が妨げられ、むくみを解消できないという問題が生じることになる。
【0008】
そして、外旋回のスパイラルを成すようにサポートラインを形成すると、大伏在静脈131、伏在神経132を横切る部位を避けて効果的にサポートラインを配置することが難しく、むくみを効果的に解消することができなくなる。
【0009】
また、着用者が“きつい”と感じるような過度の周力によって下腿部が圧迫される場合には、血液循環を抑制し、足先の冷えを生じさせるおそれがある。さらに周力が大きい場合には、着用時の痛みを引き起こしたり、着用後の当該部位の皮下組織が変形するおそれがある。
【0010】
例えば、特許文献1に記載の従来技術では、脚サポートライン部の最も高い圧力を付加部分(P点)における圧力値は、1.1kPa〜5.0kPaとすることが好ましいと記述されている。しかし、このような高い圧力値では、体部位への圧迫が強くなり過ぎると考えることができる。
【0011】
さらに、特許文献2,3に記載の従来技術では、つま先から踝にかけての部位(足部)、足裏などが考慮されていないため、むくみやすい足底静脈を圧迫できないという問題があった。また、足部からふくらはぎにかけての圧バランスが不適切となり、着圧ソックス(レッグウエア)として好適な締め付けを作用させることができず、着用者の身体への負荷を軽減して健康的にむくみを改善することができないという問題があった。
【0012】
特許文献4に記載の従来技術では、下腿部を全方向から締め付けるコース単位のフープテンションにより、下腿部を締め付けているため、着用者に余分な締め付け感を与えてしまい、不快感を生じさせるおそれがあった。
【0013】
本発明は、このような課題を解決するために成されたものであり、着用者が“きつ過ぎる”と感じる不快感を無くし、圧感覚(きつさ感覚)の適正化を図りつつ血液循環を促進してむくみを解消すると共に、血液循環の阻害要因を抑えて保温効果を保つことが可能なレッグウエアを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、大伏在静脈、伏在神経、外側腓腹皮神経が表在している部分を避けるように、サポートラインを配置することで、血液循環を妨げることなく、効果的にむくみを解消すること、下腿部の中で最も形状変化が大きく容積変化速度が大きい足首腹側にサポートラインを斜め方向に這わせて当該部位を圧迫することで、大きな補正効果を生むことが可能であることを見出した。なお、腹側とは、着用者の正面側(顔がある側)である。
【0015】
本発明によるレッグウエアは、少なくとも甲、足裏、及び足首を覆う本体部を備えたレッグウエアであって、甲から足裏を通り足首へ至る内巻きのらせん状に配置され、周辺よりも緊締力が強いサポートラインを備え、サポートラインは、甲から内側を経由して足裏にかけて配置された第1の緊締部と、足首腹側において外側から内側へ斜め上方に配置され、足首腹側を面状に圧迫する第2の緊締部とを有することを特徴としている。
【0016】
このようなレッグウエアによれば、周辺よりも緊締力が強いサポートラインが内巻きのらせん状に形成されているため、大伏在静脈、伏在神経、及び外側腓腹皮神経が表在している部分を避けるように、ラインが設定され易くなる。また、らせん状のサポートラインが形成されているので、フープテンションを緩和し適度な締め付けを作用させることができ、着用者が感じる“きつさ”を和らげることが可能となる。これにより、身体への不要な負荷を防止することができる。また、サポートラインが、大伏在静脈、伏在神経、及び外側腓腹皮神経が表在している部分をさけるように設定されているため、静脈血やリンパの戻りを阻害しない、好適なサポートラインが実現される。
【0017】
また、サポートラインは、甲から内側を経由し足裏まで延在する第1の緊締部を備えている。甲は、他の体部位と比較して強く締め付けた場合であっても、着用者に“きつさ”を感じさせにくい部位である。そのため、甲を通り他の体部位に連続するサポートラインを形成することで、甲を挟んで離間する他の体部位同士を連動させて効果的に緊締力を作用させることができる。また、むくみやすい体部位である足裏(土踏まず)に、サポートラインが配置されるため、足底静脈を圧迫して血液循環を向上させることができる。例えば、第1の緊締部の足裏に対応する部分にタック編みを採用し、周囲と比較して緊締力を強くすることが好適である。ここでいう甲とは、楔状骨に対応する部位である。
【0018】
また、サポートラインは、足首腹側において外側から内側へ斜め上方に配置され、足首腹側を面状に圧迫する第2の緊締部を備えている。これにより、第2の緊締部を、体の上下方向に対して斜めに配置することでフープテンションによる圧迫を防止し、軟性組織で負荷を受けやすい足首腹側を面で圧迫することができる。特に、足首腹側に生じやすいシワの発生を予防して足首腹側を面で圧迫することで、生地が重なり合うことにより発生する局所的な圧迫が防止されるため、皮膚組織だけでなく皮膚より深部にある筋細胞の損傷を軽減することができ、足首腹側に表在する、大伏在静脈及び伏在神経への局所的な圧迫を防止することができる。第2の緊締部が足首腹側を通るように形成されているため、大伏在静脈、伏在神経、及び外側腓腹皮神経を横切るサポートラインの部分を最小限に抑えることができ、好適なサポートラインを設定することができる。
【0019】
また、本体部は、少なくとも足首の上方まで覆うように形成され、サポートラインは、アキレス腱と下腿三頭筋とを結ぶ筋腱移行部を覆うように配置され、下端側が前記第2の緊締部の上端側へ連続する第3の緊締部を有するが好適である。これにより、第3の緊締部によって腓腹筋が持ち上げられるため、血流及びリンパの戻りを向上させることができ、効果的にむくみを解消することができる。
【0020】
また、本体部は、少なくとも下腿部まで覆うように形成され、サポートラインは、下腿部外側から下腿部腹側へ斜め上方に配置され、膝蓋骨下端腹側まで至る第4の緊締部を有することが好ましい。これにより、脛骨よりも体中心の内側の領域に表在する大伏在静脈、伏在神経、及び外側腓腹皮神経が表在する領域を避けるように、サポートラインを形成することができるため、静脈血やリンパの戻りを阻害しないようにすると共に、下腿部外側から下腿部腹側を圧迫して血液循環を促進することができる。
【0021】
また、本体部は、少なくとも中足骨の体から膝蓋骨下端まで覆うように形成され、サポートラインは、第3又は第4中足骨の体の足底から始まり膝蓋骨下端腹側まで連続して形成され、本体部の圧値は、次式(1)を満たす、足囲部:下腿最小囲部:下腿最大囲部=2.2:1.6:1.0…(1)ことが好適である。これにより、足部(フット部)と下腿部の両方の体部位に対して連続してサポートラインを形成し、足部、足首、下腿部について好適な圧バランスを実現することができる。なお、足部とは、つま先からくるぶしにかけての部分であり、下腿部とは、くるぶしから膝下までの部分である。また、足囲部とは土踏まずと楔状骨を通る部位、下腿最小囲部とは下腿部のうち周囲長が最小の部位(足首に相当する)、下腿最大囲部とは下腿部のうち周囲長が最大の部位(脹脛に相当する)である。
【発明の効果】
【0022】
本発明のレッグウエアによれば、内巻きのらせん状のサポートラインが形成され、足首腹側を面状に圧迫すると共に、足の甲から内側を経由して足裏にかけて配置されているため、圧感覚の適正化を図りつつ血液循環を促進してむくみを解消すると共に、血液循環の阻害要因を抑えて保温効果を保つことが可能となる。その結果、着用者が“きつ過ぎる”と感じる不快感を防止すると共に、足部の皮膚温の低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施形態に係る着圧ソックス(右足用)を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係る着圧ソックス(右足用)を示す他の図である。
【図3】下腿部(右足)を腹側(正面側)から見た図であり、大伏在静脈の位置を示す図である。
【図4】下腿部(右足)を腹側(正面側)から見た図であり、伏在神経の位置を示す図である。
【図5】下腿部(右足)を背側から見た図であり、外側腓腹皮神経の位置を示す図である。
【図6】下腿部(左足)を背側から見た図であり、小伏在静脈の位置を示す図である。
【図7】右足を足底から見た図であり、中足骨を示す図である。
【図8】下腿部(左足)を背側から見た図であり、アキレス腱と下腿三頭筋とを結ぶ筋腱移行部の位置を示す図である。
【図9】タック編み組織を示す図である。
【図10】引張試験における測定部位を示す図である。
【図11】超音波エコー試験による試験結果であるエコー写真を示す図である。
【図12】相対容積増加率(%)を示すグラフである。
【図13】被服圧測定の結果を示すグラフである。
【図14】圧感覚の測定結果を示すグラフである。
【図15】相対温度増加率(%)を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、各図面において同一又は相当の部分に対しては同一の符号を付すこととする。本実施形態では、本発明のレッグウエアである着圧ソックスについて説明する。
【0025】
図1及び図2は、本発明の実施形態に係る着圧ソックス(右足用)を示す図であり、図1(A)は、外側面図、図1(B)は、正面図、図1(C)は、内側面図、図1(D)は、背面図である。また、図2(A)は、正面図であり、図2(B)は、背面図である。
【0026】
図1及び図2に示す着圧ソックス(着圧スパイラルソックス)1は、筒状の本体部2に、周辺よりも緊締力が強いサポートライン3が形成された靴下であり、このサポートライン3の緊締力によって下腿部および足部を圧迫することで、血液循環を向上させてむくみを予防するものである。また、着圧ソックス1は、着用者の脚が細く見えるように整容する効果を有する。
【0027】
本体部2は、つま先110から膝蓋骨下端111にかかる位置まで形成され、下腿部123および足部121全体を覆う構造とされている。すなわち、本体部2は、つま先、足の甲、足裏、足首、かかと、すね、脹脛、膝蓋骨下端を覆うように形成されている。本体部2の生地は、伸縮性を有し、例えば、平編みを用いた編地によって形成されている。
【0028】
本体部2は、通常のハイソックスよりも長めに形成され、本体部2の上端部は、着用状態において膝蓋骨の下端111をわずかに覆うように形成されていることが好ましい。膝部は、血液循環を活性化させるため感度が高い部位であるため、膝部を覆い保温することによって血液循環を活性化させることができる。例え膝部の下端111のみを覆うだけであっても、着用者の血液循環を活性化させることができる。
【0029】
また、本体部2の上端に設けられた口ゴム2aは、地生地のみの緩やかな圧迫を生じさせるものである。これにより、口ゴム2aに局所的な圧が発生することが防止される。
【0030】
次に、下腿部123および足部121の周力における圧感覚について説明する。圧感覚とは、レッグウエアを着用した際に、人が感じる圧力の感覚である。着用者が“ちょうど良い”と感じる圧感覚の法則は、周力の平均圧が次式(2)を満たす場合であり、足囲部:下腿最小囲部:下腿最大囲部:膝下囲部=2.2:1.6:1.0:1.0…(2)、この比率で圧が発生すると、“ちょうど良い”と感じる人が多くなる。換言すれば、着圧ソックス1の本体部2は、圧バランスが次式(1)、足囲部126:下腿最小囲部127:下腿最大囲部128=2.2:1.6:1.0…(1)を満たすように形成されていることが好適である。
【0031】
着圧ソックスを着用した着用者が、快適に着用できる限界圧は、発明者らの研究によれば、下腿部で20hPa程度である。(なお、この限界圧の測定方法は、液圧平衡方式による被服圧計測システムによるものであり、非特許文献1(三野たまき他共著、繊維製品消費科学Vol.32 No.8 別刷、「衣服圧測定に関する研究(第1報) 液圧平衡方式による衣服圧測定」、社団法人日本繊維製品消費科学会、1991年、p.34〜p.39)、非特許文献2(三野たまき他共著、繊維製品消費科学Vol.32 No.8 別刷、「衣服圧測定に関する研究(第2報) 液圧平衡方式による衣服圧測定」、社団法人日本繊維製品消費科学会、1991年、p.40〜p.44)に詳細に記載されている。
【0032】
例えば、幅2.5cmのゴムバンド(緊締部材)を用いて1面のみを締めた場合の圧感覚は、足部で44hPa程度、足首で32hPa程度、下腿部で20hPa程度となる。しかしながら、ゴムバンド(緊締部材)で被覆される面積が増える場合には、緊締部材により圧迫される際の圧値を低くしなければ、上記の限界圧(下腿部で20hPa)を超えることになる。なお、この時用いたゴムバンドの応力(kgf/2.5cm)ひずみ(mm)特性は、応力0(kgf/2.5cm)で、ひずみ0(mm)、応力240(kgf/2.5cm)で、ひずみ8.3(mm)、応力320(kgf/2.5cm)で、ひずみ15.0(mm)、応力360(kgf/2.5cm)で、ひずみ25.1(mm)、応力390(kgf/2.5cm)で、ひずみ33.3(mm)、応力460(kgf/2.5cm)で、ひずみ41.7(mm)、応力580(kgf/2.5cm)で、ひずみ50.0で示されるような、典型的な伸縮素材のものであった(試験環境:20℃65%RH、引っ張り速度:50mm/min、掴み間隔:10cm、島津 AUTOGRAPH S-100使用)。
【0033】
足首は、32hPa程度まで締めても問題がないが、足首を締めれば締めるほど、足首全体の容積は減少するものの、足首を締めると足部の容積を有意に増やしてしまうこととなる。例えば、パンプスを着用する場合には、足首を締めすぎることは得策ではない。また、圧感覚と圧値とは有意な相関関係にあるが、緊締部材による被覆面積が増えると圧値は減少し、圧感覚は“圧値と被覆面積との積”との間のとの相関関係に移行する。足首全体(幅7.5cm程度)を締めるならば平均で13hPa〜15hPa程度が、着用者が“ちょうど良い”と感じる限界値であると考えられる。
【0034】
そこで、上記の式(1)について、再検討すると、着用者が無理なく着用可能な圧バランスの比率は、次式(3)、足囲部126:下腿最小囲部127:下腿最大囲部128=18hPa:13hPa:8hPa…(3)を満たすことが好適である。ただし、筋肉の発達の程度や嗜好などの個人差を考慮すると、式(4)、足囲部126:下腿最小囲部127:下腿最大囲部128=18hPa〜40hPa:13hPa〜26hPa:8hPa〜20hPa…(4)であれば、“ちょうど良い”と感じる圧感覚の許容範囲内であると考えられる。
【0035】
そして、本体部2の足囲部126、下腿最小囲部127、下腿最大囲部128に加えられる平均圧は、上記式(4)の範囲内とされている。しかし、水平囲で足先から膝にかけて順に加圧を減少させるように一様に圧迫することは、足先への血液循環を妨げる要因となると考えられる。
【0036】
そこで、本実施形態の着圧ソックス1では、同一周囲上において圧迫強度に差が設けられている。なお、圧迫強度とは、着圧ソックス1の本体部2が、着用者の体部位を圧迫する力の強さの程度を表している。また、圧迫して容積を減少させる効果が顕著である部位は、足首腹側103と土踏まず102である。そのため、着圧ソックス1は、足首腹側103と土踏まず102を、同一周囲上に配置された緊締部材で加圧せずに、らせん状に配置されたサポートライン(圧迫帯)3によって加圧する構成とされている。
【0037】
次に、サポートライン3について説明する。サポートライン3は、周辺生地の緊締力と比較して強い緊締力を有する圧迫帯であり、着圧ソックス1が着用された状態において、当接する体部位を適度に圧迫するように形成されている。
【0038】
サポートライン3は、伸縮性を抑えることにより緊締力を高めた帯状部であり、本体部2の生地に一体的に設けられている。また、帯状部の幅は、圧が発生していない状態において、例えば、3.5cm〜5.0cm程度とされていることが好ましい。
【0039】
サポートライン3は、下記の条件を満たすように配置されることが好適である。第1の条件として、サポートライン3は、大伏在静脈131(図3参照)、伏在神経132(図4参照)、及び外側腓腹皮神経133(図5参照)を直接圧迫しない体部位を覆うように配置され、らせん状に形成されている。
【0040】
第2の条件として、サポートライン3は、足首腹側103を面で圧迫するように配置されている。足首腹側103にも、大伏在静脈131、及び伏在神経132が表在しているため、足首腹側103にサポートライン3を配置すると、静脈131・神経132を直接圧迫することになる。そこで、足首腹側103において体部位への食い込みが生じないように、面で圧迫することが好適である。特に、着用者が直立して静止した状態において、足首腹側103に生じる余分な生地は重なり合い、体部位への食い込みを生じさせることになる。そのため、足首腹側103におけるシワの発生は、極力除去することが望まれる。
【0041】
第3の条件として、サポートライン3は、脛骨113の内側(体中心側)に表在している大伏在静脈131、伏在神経132、腓腹筋の筋腹へ入り込む小伏在静脈134(図6参照)、及び外側腓腹皮神経133を可能な限り横切らないように配置されている。
【0042】
第4の条件として、サポートライン3は、足先から膝へかけて一連のスパイラルを描くように配置され、脚の軸線方向に対して内巻きのスパイラル形状を成している。
【0043】
具体的には、サポートライン3は、第3又は第4の中足骨の体114,115(図7参照)の足底に対応する位置から始まり、外側を経由して甲101に至り、甲101から内側を経由して足裏102にかけて配置された第1の緊締部31と、この第1の緊締部31に連続して形成され、足首腹側103において外側から内側へ斜め上方に配置された第2の緊締部32と、この第2の緊締部32に連続して形成され、アキレス腱124と下腿三頭筋125とを結ぶ筋腱移行部104(図8参照)を覆うように配置された第3の緊締部33と、この第3の緊締部33に連続して形成され、下腿部外側105から下腿部腹側106へ斜め上方に配置され、膝蓋骨下端腹側111まで至る第4の緊締部34と、を備えている。サポートライン3は、これらの緊締部31〜34が連続して形成されることで、内巻きのスパイラル形状を成している。
【0044】
より具体的には、第1の緊締部31は、第3又は第4の中足骨の体114,115の足底に対応する位置から始まる。第1の緊締部31は、外側方向に巻き上げられ、第5足趾の基節骨116、第5の中足骨の頭117と体118とを覆いながら腹側へ抜け、第1中足骨の体119に対応する位置を通り、足裏102まで延在している。第1の緊締部31は、土踏まず102、第5中足骨の粗面120を覆いながら腹側へ抜け、第2の緊締部32に連続している。甲101の部分は、神経や血液が骨によって保護されているため、第1の緊締部31によって圧迫してもよい部位である。また、むくみ易い部位である足底静脈(足裏)は、第1の緊締部31によって圧迫される。
【0045】
第2の緊締部32は、外側から内側へ斜め上方に延在し、足首腹側103を覆うように形成され、第3の緊締部33に連続している。そして、他の体部位と比較して軟らかくダメージを受けやすい足首腹側103は、第2の緊締部32によって面で圧迫される。また、第2の緊締部32は、シワがよりにくい構成とされている。
【0046】
第3の緊締部33は、内踝上部を経て、アキレス腱124の上部を斜め上方に巻き上げながら延在している。第3の緊締部33は、足首背側上部(下腿部背側下部)において内側から外側へ斜め上方に延在し、アキレス腱124と下腿三頭筋125とを結ぶ筋腱移行部104を覆うように形成され、第4の緊締部34に連続している。そして、むくみ易い部位である腓腹筋125は、第3の緊締部によって、圧迫され、上方へ引き上げられる。なお、下腿三頭筋とは、腓腹筋125とヒラメ筋を合わせた体部位を示す名称である。
【0047】
第4の緊締部34は、下腿部外側105から下腿部腹側106へ斜め上方に配置され、膝蓋骨下端腹側111まで延在している。第4の緊締部34は、下腿部外側105から下腿部腹側106、及び膝蓋骨下端腹側111を覆うように形成されている。換言すれば、第4の緊締部34は、腓骨体外側の中央を(短腓骨筋の筋腹、長腓骨筋の筋腹、前脛骨筋の筋腹の順に)斜め上に向かって横断し、腹側の膝蓋骨を目指して巻き上げられている。第4の緊締部34は、腓腹筋125の動きに沿って引き上げられ、下方に連続する第3の緊締部33を上方に引張り、他の体部位を腓腹筋125の動きに連動させることができる。また、第4の緊締部34は、大伏在静脈131及び伏在神経132を圧迫しないように、これらの大伏在静脈131および伏在神経132が表在している下腿部内側107に配置されていない。
【0048】
サポートライン3は、着用者の骨や筋肉の位置に対応するように設けられているため、左右の脚では対称の体部位が圧迫されることになる。また、緊締部31〜34の幅は、同一でもよく、圧迫される体部位に応じて適宜変更してもよい。例えば、緊締部31〜34の幅を適宜変更することで、各部位の緊締力を調節することができる。
【0049】
サポートライン3を構成する緊締部31〜34は、その周辺部と異なる組織とされて、緊締力が強められており、本体部2と一体として形成されている。図9は、タック編み組織を示す図である。サポートライン3にタック編み部を形成し、このタック編み部の割合を変化させることで、各緊締部31〜34における緊締力を変化させてもよい。タック編み部によって経方向(ウェール方向)の伸びを抑制することが可能であるため、単位面積におけるタック編み部の数量を増加させることで、緊締力を調整することができる。また、タック編み部の割合を変化させて、緊締部31〜34の領域内で緊締力を調整してもよい。また、第2の緊締部32では、タック組織をちりばめることで、他の部位と比較してシワがよりにくい構成とされている。なお、サポートラインは、例えば別部材である当て布を用いて形成されていてもよい。
【0050】
次に、着圧ソックス1の作用について説明する。着圧ソックス1は、着用状態において、着用者の体部位に密着し、体部位を好適に圧迫する。着圧ソックス1は、らせん状のサポートライン3による圧迫力の変化によって、足先から下腿部及び大腿部への血液及びリンパの流れを、補助することになる。一般的に、姿勢を変えずに立つ、または座り続けると脚のむくみは増大する。しかし、着圧ソックス1では、着用者が殆ど動かない状態であっても、むくみを減少させる効果を発揮する。さらに、着圧ソックス1では、着用者が動いた場合には、むくみを減少させる効果がより一層増大することとなる。
【0051】
次に、着用者が動いた場合の着圧ソックス1の作用について、より詳しく説明する。例えば、着用者が立ち上がる動作を行う場合には、腓腹筋125が緊張して、第3の緊締部33及び第4の緊締部34が引っ張られることになる。緊締部33,34が引っ張られると、これにつられて、足首腹側103を圧迫する第2の緊締部32が引っ張られる。続いて、第2の緊締部32に連続する第1の緊締部31を引っ張られて、土踏まず102も圧迫される。
【0052】
また、着用者が着席動作を行う場合には、腓腹筋125が弛緩する。すると、足首腹側に当接する第2の緊締部32、土踏まずに当接する第3の緊締部33の張力が減少し、サポートライン3がゆるむことになる。
【0053】
一方、着用者が足首を曲げたり伸ばしたりする動作を行う場合には、腓腹筋を圧迫する第3の緊締部33及び第4の緊締部34が、足首の動きに連動して伸び縮し、腓腹筋125が動くことで血流が向上する筋ポンプ効果が促進されることになる。すなわち、サポートライン3の何れかの緊締部31〜34と接触する体部位が動くと、この動きにつられて緊締部31〜34が連動し他の体部位が圧迫されて、周辺の筋肉、血管及び神経がマッサージされ、血液やリンパの流れが促進される。
【0054】
また、本実施形態の着圧ソックス1では、本体部2の上端部が膝蓋骨の下端111を覆う位置まで形成されている。膝部を覆うことは、頸部背面を覆ったときの保温効果に匹敵するほどの保温効果がある。そのため、血液循環をより一層改善することができ、足先の冷えを解消することができる。
【0055】
以上、本発明をその実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態では、本発明のレッグウエアを着圧ソックス1として説明しているが、本発明のレッグウエアは、ハイソックスのほか、ソックス、レッグサポーター、パンスト、タイツなど、その他の製品に適用することが可能である。
【0056】
また、上記の実施形態では、サポートライン3の編み組織を変えることで、周囲よりも緊締力を強くしているが、その他の方法により、緊締部を構成してもよい。例えば、当て布を用いて、サポートラインを形成してもよい。また、本体生地に樹脂を溶着することで、サポートラインを形成してもよい。
【0057】
また、サポートライン3の幅を変えることで、緊締力を変化させてもよい。緊締部31〜34内において、編み組織を適宜、変更してもよい。
【0058】
また、上記の実施形態では、サポートライン3の始まる位置が、第3又は第4中足骨の体の足底に対応する位置からとなっているが、例えば、土踏まずからサポートライン3が形成されていてもよい。
【0059】
また、上記の実施形態では、着圧ソックス1がつま先を覆うように形成されているが、つま先を覆わないオープントゥタイプの着圧ソックスでもよい。
【0060】
また、上記の実施形態では、サポートライン3が膝蓋骨下端腹側まで形成されているが、サポートライン3が膝蓋骨下端腹側まで形成されていないものでもよい。例えば、アキレス腱上部まで終わるような丈の短い着圧ソックスでもよい。
【0061】
また、上記の実施形態では、1本の連続するサポートライン3を備える着圧ソックスとしているが、複数本のサポートライン3が並設されている構成でもよい。また、サポートライン3が、連続していない着圧ソックスでもよい。
【実施例】
【0062】
図1に示す本発明の実施形態に係る着圧ソックス1を実施例として製作し、以下の評価を行った。比較例1,2に係る着圧ソックスは、内巻きのらせん状のサポートライン3が設けられていない、足首から脹脛にかけて漸減的にフープテンションを設けたものである。実施例1の着圧ソックスの針数は144本であり、比較例1の着圧ソックスの針数は240本であり、比較例2の着圧ソックスの針数は240本である。着圧ソックスのサイズは、23−25cmである。なお、評価結果を示す図12〜図15では、素足を“B”、比較例1を“S”、比較例2を“S”、実施例1を“S”として、示している。
【0063】
(引張試験)
実施例1及び比較例1,2に係る着圧ソックスの任意の測定部位について、引張り試験を行い、そのときの寸法(引張り寸法)を計測した。各測定部位L11〜L16において、チャック間距離50mmで試験を開始し、最大荷重3.5kgfが負荷された状態における距離を記録した。そして、実測値にチャック間距離50mmを加算して、引張り寸法として記録した。
試験条件
試験機 :引張試験機(AUTOGRAFH AGS-H 50N (SHIMADZU社製))
試験環境 :20℃65%RH (恒温恒湿室)
試験速度 :300mm/min
最大荷重 :3.5kgf (=34.3N)
つかみ巾 :10mm
つかみしろ:10mm
【0064】
図10は、実施例1,比較例1,2に係る着圧ソックスの各測定部位を示す図であり、表1は、実施例1,比較例1,2に係る着圧ソックスにおける引張り寸法値を示すものである。
【0065】
口ゴム巾L11は、着圧ソックスの上端部に形成された口ゴムの腹側の点P1と背側の点P2とを結ぶ直線上の2点間の測定部位である。足首巾L12は、着用者の足首に対応する位置であり、かかとから5cm上の腹側の点P3と背側の点P4とを結ぶ直線上の2点間の測定部位である。
【0066】
フート巾L13は、着用者の甲、土踏まずに対応する位置の値であり、踵のゴアラインとつま先部との中央点の甲側の点P5と土踏まず側の点P6とを結ぶ直線上の2点間の測定部位である。フート伸びL14は、つま先に対応する点P7とかかとに対応する点P8とを結ぶ直線上の2点間の測定部位である。
【0067】
総丈伸びL15は、着圧ソックス上端部の前後方向における中央の点P9とかかとに対応する点P8とを結ぶ直線上の2点間の引張り寸法である。ふくらはぎ巾L16は、着圧ソックス上端部から10cm下の腹側の点P10と背側の点P11とを結ぶ直線上の2点間の引張り寸法である。
【0068】
【表1】

【0069】
(超音波エコー試験)
次に、実施例1、比較例1,2に係る着圧ソックスについて、超音波エコー試験を実施した。図11は、超音波エコー試験による試験結果であるエコー写真を示すものであり、図11(A)は、比較例1着用後のエコー写真、図11(B)は、比較例2着用後のエコー写真、図11(C)は、実施例1着用後のエコー写真である。
【0070】
同一の被験者に対して、足首腹側において超音波エコー試験を行い、図11に示すエコー写真を得た。被験者は、午前8:00に着圧ソックスの着用を開始し、4時間後である午後12:00に着圧ソックスを脱ぎ、裸足の状態で、試験結果である写真の撮影を行った。図11に示すエコー写真によれば、比較例1,2では、ソックスを脱いだ後でも、へこみが戻らない状態である。一方、実施例1では、へこみが戻っていることが分かる。これにより、実施例1では、皮下組織へのダメージが少ないことが分かる。
【0071】
(下腿部及び足部の容積変化確認試験)
次に、実施例1、比較例1,2に係る着圧ソックスについて、着用者の下腿部及び足部の容積変化の確認試験を実施した。図12は、相対容積増加率(%)を示すグラフである。20歳代前半の7名の被験者について、朝の下腿部及び足部の容積を測定し、着圧ソックスを着用し4時間後の容積を測定した。朝の容積を100%として、図12では、容積の増加率を示している。図12中B,S,S,Sは、それぞれ、裸足,比較例1,比較例2,実施例1を示しており(以下、図13,14,図15についても同じ)、実施例1,比較例1,2の何れのソックスにおいても、素足と比較して、有意に減少しており、むくみ解消効果があることが分かった。
【0072】
(被服圧測定)
次に、実施例1、比較例1,2に係る着圧ソックスについて、着用時の被服圧測定を行った。図13は、被服圧測定の結果を示すグラフである。被服圧測定における測定部位は、口ゴム(4カ所)、下腿最大囲(4カ所)、足首囲(4カ所)、土踏まず(3カ所)、つま先(3カ所)、かかと(1カ所)の計19カ所である。図13に示すように、締め付けても問題がない足部において、実施例1では、22.3hPaとなっているものの、足部、足首、下腿部の平均値である総合評価では、実施例1の被服圧が最も低い。すなわち、実施例1では、比較的低い緊締力であっても、むくみを低減することができることが分かる。
【0073】
(圧感覚測定)
次に、実施例1、比較例1,2に係る着圧ソックスについて、着用時の圧感覚を比率尺度を用いて測定した。図14は、圧感覚の測定結果を示すグラフである。実施例1、比較例1,2に係る着圧ソックスを装着した時の、圧感覚(“きつさ”感覚)の大きさを被験者に評価させた。まず、被験者に標準強度の圧感覚として“ちょうど良い”場合と、標準強度よりも強い強度の圧感覚として“かなりきつい”場合について、バンドによる圧刺激を繰り返し与え、それぞれに対する感覚の大きさを認識させた。このとき、直線が記載された質問用紙を被験者に渡し、質問用紙に描かれた線分上の位置として、圧感覚を認識させた。例えば、線分の一方の端部を“ちょうど良い”位置として、一定距離離間した点を“かなりきつい”位置とした。
【0074】
次に被験者に着圧ソックスを装着してもらい、そのときの圧感覚を質問用紙の線分上に矢印で記入するように指示した。そして、“ちょうど良い”を“1.0”とし、“かなりきつい”を“10.0”として、“ちょうど良い”から、記入された矢印までの長さ計測して数値化した。このとき、被験者が“ゆるい”と感じる圧感覚の値は、“0.5”であり、“きつい”と感じる圧感覚の値は、“2.3”であった。このことから、実施例1は、比較例1,2に比べ最も圧感覚が低く、“ちょうど良い”ときの“1.0”に極めて近いものであることが分かる。なお、被験者は、20歳代前半の7名の女性であり、図14では平均値を記載している。
【0075】
(皮膚温測定)
次に、実施例1、比較例1,2に係る着圧ソックスについて、着用時の皮膚温の変化について測定した。足の指10本について、朝、皮膚温を測定し、着圧ソックスを着用して4時間後の皮膚温を測定した。図15は、相対温度増加率を示すグラフである。図15では、朝の測定値を基準として、100%とし、4時間経過後の測定値を示している。なお、被験者は、20歳代前半の7名の女性であり、図15では平均値を記載している。この試験結果によると、実施例1を着用した後の皮膚温が、素足、比較例1,2の測定結果と比較して、最も良好であることが分かる。
【0076】
実施例1の着圧ソックス1では、圧迫値を低下させて、効果的にむくみを解消することができた。また、足部および下腿部の容積を有意に減少させることが確認できた。
【0077】
すなわち、実施例1の着圧ソックス1では、着用者が無理な圧迫を我慢せずに、ソックスを着用することができ、ハイソックス本来の保温効果があって血圧循環が促進されつつ、かつ、むくみが解消される着圧ハイソックスを実現することができる。また、足先の良好な血液循環を維持することが可能であるため、足先の温かさを得ることができる。さらに、脚のむくみを解消し、疲れを軽減することができる。
【符号の説明】
【0078】
1…着圧ソックス(レッグウエア)、2…本体部、3…サポートライン、31…第1の緊締部、32…第2の緊締部、33…第3の緊締部、34…第4の緊締部、101…甲、102…足裏(土踏まず)、103…足首腹側、104…筋腱移行部、105…下腿部外側、106…下腿部腹側、107…下腿部内側、110…つま先、111…膝部の下端(膝蓋骨下端腹側)、113…脛骨、114…第3中足骨の体、115…第4中足骨の体、116…第5足趾の基節骨、117…第5の中足骨の頭、118…第5の中足骨の体、119…第1中足骨の体、120…第5中足骨の粗面、121…足部、122…足首、123…下腿部(ふくらはぎ)、124…アキレス腱、125…腓腹筋(下腿三頭筋)、126…足囲部、127…下腿最小囲部、128…下腿最大囲部、131…大伏在静脈、132…伏在神経、133…外側腓腹皮神経、134…小伏在静脈。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも甲、足裏、及び足首を覆う本体部を備えたレッグウエアであって、
前記甲から前記足裏を通り前記足首へ至る内巻きのらせん状に配置され、周辺よりも緊締力が強いサポートラインを備え、
前記サポートラインは、
前記甲から内側を経由して前記足裏にかけて配置された第1の緊締部と、
足首腹側において外側から内側へ斜め上方に配置され、前記足首腹側を面状に圧迫する第2の緊締部と、を有することを特徴とするレッグウエア。
【請求項2】
前記本体部は、少なくとも足首の上方まで覆うように形成され、
前記サポートラインは、
アキレス腱と下腿三頭筋とを結ぶ筋腱移行部を覆うように配置され、下端側が前記第2の緊締部の上端側へ連続する第3の緊締部を有することを特徴とする請求項1記載のレッグウエア。
【請求項3】
前記本体部は、少なくとも下腿部まで覆うように形成され、
前記サポートラインは、
下腿部外側から下腿部腹側へ斜め上方に配置され、膝蓋骨下端腹側まで至る第4の緊締部を有することを特徴とする請求項1または2記載のレッグウエア。
【請求項4】
前記本体部は、少なくとも中足骨の体から膝蓋骨下端まで覆うように形成され、
前記サポートラインは、
第3又は第4中足骨の体の足底から始まり膝蓋骨下端腹側まで連続して形成され、
前記本体部の圧値は、次式(1)を満たす
足囲部:下腿最小囲部:下腿最大囲部=2.2:1.6:1.0…(1)
ことを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載のレッグウエア。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−7268(P2012−7268A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−145323(P2010−145323)
【出願日】平成22年6月25日(2010.6.25)
【出願人】(592154411)岡本株式会社 (29)
【Fターム(参考)】