説明

レンズ固定用単層シート

【課題】レンズ固定シートに要求される一般的特定を備え、かつ、フッ素コートされたレンズでも十分に固着することができ、さらに、簡易な方法で製造することができ、生産性が高いレンズ固定シートを提供する。
【解決手段】架橋剤(C)による架橋構造を有する(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体(A)およびフィラー(B)を備え、発泡倍率が1.1〜1.5である発泡体によりレンズ固定用単層シートを構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レンズ加工時において、レンズとレンズ固定治具との間に介在させてレンズを固定、保持するのに使用するレンズ固定用単層シートに関する。
【背景技術】
【0002】
眼鏡レンズに代表されるレンズの外郭形状を加工する際には、一般的に、レンズを表裏面から治具により押圧して挟み込むことで固定し、この状態でレンズの外縁を削ることにより行われる。また、レンズを上下から押圧する治具とレンズとの間の滑りを防止するために、これらの間にレンズ固定用シートが用いられる。
【0003】
このレンズ固定用シートに要求される一般的特性としては、(1)レンズ曲面に追従できる柔軟性を有すること、(2)シートの粘着面に使用される接着剤がレンズに対し十分な接着性を奏し、同時に加工後に容易にレンズから剥離し、レンズ面に糊残りがないこと、(3)固定冶具との密着性に優れ、研磨加工中に該固定冶具とシートとの間にズレ、ゆるみ等が生じないこと、等が挙げられる。
【0004】
また、特に、眼鏡レンズの加工においては、撥水効果を施す等のために、眼鏡レンズ表面にフッ素コートがなされる場合があり、このような場合に、表面が非常に滑り易い状態となっていることから、上記(2)の十分な接着性を備えることが難しいという問題が生じていた。
【0005】
このような問題を解決することを目的として、特許文献1には、シール部材層とこのシール部材層の両面に粘着剤層が設けられ、この粘着剤層の少なくとも片面がシリコン系粘着剤からなるレンズロックシートが記載されている。
【0006】
また、特許文献2には、クッションシートとこのクッションシートの両面に塗布された粘着剤層を備えている粘着シートが記載されている(段落0019)。
【特許文献1】特開2004−148444号公報
【特許文献2】特開2006−95657号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1および特許文献2に記載のシートは、中心部の基材シートの両面に粘着剤層を形成するという複合シートであるので、複数の材料を準備する必要があると共に、それらを接合させる必要があるため、製造に手間がかかるという問題が存在していた。
【0008】
そこで、本発明は、レンズ固定シートに要求される一般的特性を備え、かつ、フッ素コートされたレンズでも十分に固着することができ、さらに、簡易な方法で製造することができ、生産性が高いレンズ固定シートを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以下、本発明について説明する。
第1の本発明は、(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体(A)、フィラー(B)および架橋剤(C)を備えた原料を発泡させて形成された、発泡倍率が1.1〜1.5である発泡体を成形してなる、レンズ固定用単層シートである。
【0010】
第1の本発明のレンズ固定用単層シートは、該用途のシートに要求される一般的特性を備えたものである。つまり、(1)所定の発泡倍率を有する発泡体であることにより、レンズ曲面に追従できる柔軟性を備え、また、(2)架橋構造を有する(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体(A)から構成される発泡体であることから、シートがレンズに対して十分な接着性を奏し、同時に加工後にシートが容易にレンズから剥離し、レンズ面に糊残りがない。さらに、(3)固定治具との密着性が優れ、またフィラーを含有することによりシートの変形度が抑えられているので、研磨加工中に固定治具とレンズとの間において、ズレ、ゆるみ等が発生することが防止されている。また、本発明のレンズ固定用単層シートは、所定の発泡体を形成することにより製造できる単層のシートであるので、簡易な方法で製造することができる。
【0011】
第1の本発明において、(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体(A)100重量部に対するフィラー(B)の量は50〜400重量部であることが好ましい。フィラー(B)の量をこの範囲とすることによって、本発明のシートを所望の硬さとすることができ、シートの柔軟性および研磨加工中におけるシートの変形の抑制のバランスをとることができる。
【0012】
第1の本発明において、フィラー(B)のモース硬度は4以下であることが好ましい。このようなフィラーを使用することによって、研磨加工時にレンズに傷がつくことをより効果的に防止することができる。
【0013】
第1の本発明において、架橋剤(C)は、(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体(A)に分子内架橋構造および/または分子間架橋構造を生じるための、少なくとも2つの重合性不飽和結合を有するものであることが好ましい。このような架橋剤(C)を使用することによって、本発明のシートの凝集力をより向上させることができる。
【0014】
第1の本発明において、せん断接着強度は60〜250N/cmであることが好ましい。せん断接着強度をこのような範囲に調整することによって、シートがレンズに対して十分な接着性を示すと共に、加工後にシートが容易にレンズから剥離し、レンズ面に糊残りがないものとすることができる。
【0015】
本発明において、「せん断接着強度」とは、幅25mm×長さ25mm×厚さ1.0mmのシートの片側粘着面をアルミニウム板5052Pに貼り付け、2kgのローラーで1往復させて圧着させた。さらにもう片方のシートの粘着面にガラス板を貼り付け、2kgのローラーで1往復させて圧着させた。室温で24時間養生した後、試験片を試験機のチャックに挟み50mm/分の移動速度で移動し、剪断接着力を測定した。
【0016】
第1の本発明において、アスカーC硬度は50以下であることが好ましい。これにより、本発明のシートは、より良好な柔軟性を備えることができ、レンズ曲面への追従性をより良好にすることができる。
【0017】
本発明において、「アスカーC硬度」は、日本ゴム協会規格(SRIS)アスカーC法に基づいて測定した。
【0018】
第1の本発明において、発泡体は(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体(A1)、(メタ)アクリル酸エステル系単量体(A2)、フィラー(B)、架橋剤(C)、および重合開始剤、を含有する原料を発泡および重合させて形成されるものであることが好ましい。また、この(メタ)アクリル酸エステル系単量体(A2)は、有機酸基を有する単量体および(メタ)アクリル酸エステル単量体の混合物であることが好ましい。また、発泡は、発泡剤を原料に添加することにより行われることが好ましい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下本発明を図面に示す実施形態に基づき説明する。
<レンズ固定用単層シート>
図1に本発明のレンズ固定用単層シート10が実際に使用されている様子を示した。レンズエッジャー等の機具を用いてレンズ30の縁を削る場合、レンズ30とレンズ30を固定するための固定治具20a、20bとの間に、本発明のレンズ固定用単層シート10が配置される。図1に示した形態においては、レンズ30の凸状面と固定治具20aとの間にのみレンズ固定用単層シート10が配置されているが、レンズ30の凹状面と固定治具20bとの間にも配置するようにしてもよい。レンズエッジャーにおいては、このように固定したレンズ30をゆっくり回転させて、高速回転した砥石40をレンズ30の縁に接触させることにより、レンズ30の縁を研磨する。このように、レンズ30の外縁を精密に研磨するには、レンズ30をレンズ固定用単層シート10により、しっかりと固定する必要がある。以下、このような機能を発揮せしめる本発明のレンズ固定用単層シート10について説明する。
【0020】
本発明のレンズ固定用単層シートは、所定の発泡倍率を有する発泡体により構成されてなる。発泡体は、所定の架橋剤(C)による架橋構造を有する(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体(A)およびフィラー(B)を備えて構成される。以下、発泡体を構成する各成分について説明する。
【0021】
((メタ)アクリル酸エステル(共)重合体(A))
(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体(A)は、(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体(A1)の存在下に、(メタ)アクリル酸エステル系単量体(A2)および架橋剤(C)を重合して得られる(共)重合体である。(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体(A)は、(メタ)アクリル酸エステル単量体単位を80重量%以上含有する重合体であれば特に限定されないが、中でも、ガラス転移温度が−20℃以下となる単独重合体を形成する(メタ)アクリル酸エステル単量体単位(a1)を80〜99.9重量%、および有機酸基を有する単量体単位(a2)を20〜0.1重量%を含有して構成されるものであることが好ましい。なお、本発明において、(メタ)アクリル酸エステルというときは、アクリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステルを意味する。
【0022】
ガラス転移温度が−20℃以下となる単独重合体を形成する(メタ)アクリル酸エステル単量体単位(a1)を与える(メタ)アクリル酸エステル単量体(a1m)としては、例えば、アクリル酸エチル(単独重合体のガラス転移温度は、−24℃)、アクリル酸プロピル(同−37℃)、アクリル酸ブチル(同−54℃)、アクリル酸sec-ブチル(同−22℃)、アクリル酸ヘプチル(同−60℃)、アクリル酸ヘキシル(同−61℃)、アクリル酸オクチル(同−65℃)、アクリル酸2-エチルヘキシル(同−50℃)、アクリル酸2-メトキシエチル(同−50℃)、アクリル酸3-メトキシプロピル(同−75℃)、アクリル酸3-メトキシブチル(同−56℃)、アクリル酸2-エトキシメチル(同−50℃)、メタクリル酸オクチル(同−25℃)、メタクリル酸デシル(同−49℃)を挙げることができる。
【0023】
これらの(メタ)アクリル酸エステル単量体(a1m)は、1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。これらの(メタ)アクリル酸エステル単量体(a1m)は、それから導かれる単量体単位(a1)が(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体(A)中、好ましくは80〜99.9重量%、より好ましくは85〜99.5重量%となるような量で重合に使用される。
【0024】
有機酸基を有する単量体単位(a2)を与える単量体(a2m)としては、その代表的なものとして、カルボキシル基、酸無水物基、スルホン酸基等の有機酸基を有する単量体を挙げることができるが、これらのほか、スルフェン酸基、スルフィン酸基、燐酸基等を含有する単量体も使用することができる。カルボキシル基を有する単量体の具体例としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等のα,β-エチレン性不飽和モノカルボン酸;イタコン酸、マレイン酸、フマル酸等のα,β-エチレン性不飽和多価カルボン酸;イタコン酸メチル、マレイン酸ブチル、フマル酸プロピル等のα,β-エチレン性不飽和多価カルボン酸部分エステル;等を挙げることができる。また,無水マレイン酸、無水イタコン酸等の、加水分解等によりカルボキシル基に誘導することができる酸無水物基を有するものも同様に使用することができる。
【0025】
スルホン酸基を有する単量体の具体例としては、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸等のα,β-不飽和スルホン酸およびこれらの塩を挙げることができる。なお、これらの有機酸基を有する単量体のうち、カルボキシル基を有する単量体がより好ましく、中でも、アクリル酸およびメタクリル酸が特に好ましい。これらは、工業的に安価で容易に入手することができ、他の単量体成分との共重合性も良く生産性の点でも好ましい。また、これらの有機酸基を有する単量体(a2m)は、1種類を単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。
【0026】
これらの有機酸基を有する単量体(a2m)は、それから導かれる単量体単位(a2)が(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体(A)中、20〜0.1重量%、好ましくは15〜0.5重量%となるような量で重合に使用されるのが望ましい。単量体単位(a2)をこのような範囲で使用することによって、重合時の重合系の粘度を適正な範囲に保つことができる。
【0027】
なお、有機酸基を有する単量体単位(a2)は、前述のように、有機酸基を有する単量体(a2m)の重合によって、(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体(A)中に導入するのが簡便であり好ましいが、(メタ)アクリル酸エステル重合体生成後に、公知の高分子反応により、有機酸基を導入してもよい。
【0028】
(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体(A)は、有機酸基以外の官能基を含有する単量体(a3m)から誘導される重合体単位(a3)10重量%以下を含有していてもよい。有機酸基以外の官能基としては、水酸基、アミノ基、アミド基、エポキシ基、メルカプト基等を挙げることができる。
【0029】
水酸基を有する単量体としては、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル等の、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル等を挙げることができる。アミノ基を含有する単量体としては、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノメチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、アミノスチレン等を挙げることができる。アミド基を有する単量体としては、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド等のα,β-エチレン性不飽和カルボン酸アミド単量体等を挙げることができる。エポキシ基を有する単量体としては、(メタ)アクリル酸グリシジル、アリルグリシジルエーテル等を挙げることができる。
【0030】
有機酸基以外の官能基を含有する単量体(a3m)は、1種類を単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。これらの有機酸基以外の官能基を有する単量体(a3m)は、それから導かれる単量体単位(a3)が(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体(A)中、10重量%以下となるような量で重合に使用されるのが好ましい。このような範囲で単量体(a3m)を使用することにより、重合時の粘度を適正に保つことができる。
【0031】
(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体(A)は、ガラス転移温度が-20℃以下となる単独重合体を形成する(メタ)アクリル酸エステル単量体の単位(a1)、有機酸基を有する単量体単位(a2)および有機酸基以外の官能基を含有する単量体単位(a3)以外に、これらの単量体と共重合可能な単量体(a4m)から誘導される単量体単位(a4)を含有していてもよい。
【0032】
単量体(a4m)は、特に限定されないが、その具体例として、ガラス転移温度が−20℃以下となる単独重合体を形成する(メタ)アクリル酸エステル単量体(a1m)以外の(メタ)アクリル酸エステル単量体、α,β-エチレン性不飽和多価カルボン酸完全エステル、アルケニル芳香族単量体、共役ジエン系単量体、非共役ジエン系単量体、シアン化ビニル単量体、カルボン酸不飽和アルコールエステル、オレフィン系単量体等を挙げることができる。単量体(a4m)は、1種類を単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。単量体(a4m)から導かれる単量体単位(a4)の量は、(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体(A)の10重量%以下となる量が好ましく、より好ましくは、5重量%以下となる量である。
【0033】
ガラス転移温度が−20℃以下となる単独重合体を形成する(メタ)アクリル酸エステル単量体(a1m)以外の(メタ)アクリル酸エステル単量体の具体例としては、アクリル酸メチル(単独重合体のガラス転移温度は、10℃)、メタクリル酸メチル(同105℃)、メタクリル酸エチル(同63℃)、メタクリル酸プロピル(同25℃)、メタクリル酸ブチル(同20℃)等を挙げることができる。α,β-エチレン性不飽和多価カルボン酸完全エステルの具体例としては、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、イタコン酸ジメチル等を挙げることができる。
【0034】
アルケニル芳香族単量体の具体例としては、スチレン、α-メチルスチレン、メチルα-メチルスチレン、ビニルトルエンおよびジビニルベンゼン等を挙げることができる。共役ジエン系単量体の具体例としては、1,3-ブタジエン、2-メチル-1,3-ブタジエン、1,3-ペンタジエン、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、2-クロロ-1,3-ブタジエン、シクロペンタジエン等を挙げることができる。非共役ジエン系単量体の具体例としては、1,4-ヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、エチリデンノルボルネン等を挙げることができる。シアン化ビニル単量体の具体例としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α-クロロアクリロニトリル、α-エチルアクリロニトリル等を挙げることができる。カルボン酸不飽和アルコールエステル単量体の具体例としては、酢酸ビニル等を挙げることができる。オレフィン系単量体の具体例としては、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン等を挙げることができる。
【0035】
(架橋剤(C))
発泡体を構成する上記した(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体(A)は、架橋剤(C)による架橋構造を有している。このようにして架橋構造を形成することによって、発泡体の凝集力を高めている。架橋剤(C)としては、外部架橋剤および内部架橋剤を挙げることができる。外部架橋剤としては、トリレンジイソシアネート、トリメチロールプロパンジイソシアネート、ジフェニルメタントリイソシアネート等の多官能性イソシアネート系架橋剤;ジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル等のエポキシ系架橋剤;メラミン樹脂系架橋剤;アミノ樹脂系架橋剤;金属塩系架橋剤;金属キレート系架橋剤;過酸化物系架橋剤;等が挙げられる。外部架橋剤は、共重合体を得た後、これに添加して、加熱処理や放射線照射処理を行うことにより、共重合体の分子内および/または分子間に架橋を形成させるものである。
【0036】
また、架橋剤(C)としては、内部架橋剤を用いることが好ましく、特に、(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体(A)に分子内および/または分子間架橋構造を導入して凝集力を高める、少なくとも2つの重合性不飽和結合を有する内部架橋剤を用いることが好ましい。
【0037】
少なくとも2つの重合性不飽和結合を有する内部架橋剤の例としては、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2-エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,12-ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の多官能性(メタ)アクリレート;等が挙げられる。
【0038】
内部架橋剤は、(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体(A)を形成する単量体を重合する段階で加え、単量体と共に重合させる。これにより、(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体(A)に架橋構造を導入することができる。架橋剤(C)は、後述する(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体(A1)100重量部に対して、好ましくは0.1〜10重量部、より好ましくは1〜5重量部を使用することが望ましい。
【0039】
(フィラー(B))
フィラー(B)としては、モース硬度4以下のフィラーを使用することが好ましい。該モース硬度が高すぎるフィラーを用いた場合は、レンズ研磨加工中にシートを貼着したレンズ表面を傷付けてしまう。モース硬度4以下のフィラーとしては、黒鉛(Graphite)、タルク(Talc・滑石・含水珪酸マグネシウム)、石膏(Gypsum・硫酸カルシウム)、含水珪酸アルミニウム(Kaolinite)、雲母(Mica)、方解石・炭酸カルシウム(Calcite)、方解石(Calcite)、水酸化アルミニウム、アンチモン(Antimony)、酸化マグネシウム(Magnesia)等が挙げられる。これらのフィラーは、一種類を単独で使用してもよく、二種類以上を併用してもよい。フィラーの形状は特に限定されず、球状、針状、繊維状、鱗片状、樹枝状、平板状または不定形状のいずれでもよい。
【0040】
発泡体中におけるフィラー(B)の含有量は、上記の(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体(A)100重量部に対して、50〜400重量部とすることが好ましい。該フィラー(B)の量が少なすぎると、シートの変形度が大きすぎて、レンズ研磨加工中にレンズと固定治具との間で位置ズレもしくは軸ズレが発生する恐れがある。また、該フィラー(B)の量が多すぎると、シートの硬度が高くなりすぎて、シートの柔軟性が低くなり、レンズへの貼着時にレンズに追従できなくなる恐れがある。
【0041】
(発泡体の形成方法)
発泡体の形成方法は特に限定されず、種々の方法を用いることができる。例としては、(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体(A1)、(メタ)アクリル酸エステル系単量体(A2)、フィラー(B)、架橋剤(C)、および重合開始剤、を混合して生じる水飴状の粘稠な混合物中に対し、(1)撹拌により大気中の空気を取り込む方法;(2)窒素等の気体を吹き込む方法;(3)水等の、共重合体や単量体混合物に対して相溶性の低い流体を撹拌により微粒子として取り込む方法;(4)減圧または加熱により、粘稠な混合物中に溶存している流体を気泡または液体泡として発生させる方法;(5)光により分解する光分解性発泡剤を混合し、後に光を照射する方法;(6)熱により分解する熱分解性発泡剤を混合し、後に加熱を行う方法;等が挙げられる。この中でも、本発明においては、発泡剤、中でも熱により分解し気体を発生させる発泡剤(熱分解性発泡剤)を用いて発泡を行うのが好ましい。熱分解性発泡剤としては、p,p’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、アゾジカルボアミド等が挙げられる。また、上記熱分解性発泡剤は、(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体(A)100重量部に対して、0.1〜1.2重量部が好ましく、0.2〜1.0重量部がより好ましいが、用いる発泡剤の種類により、発泡倍率が1.1〜1.5となる量を使用することが必要である。
【0042】
(1)〜(3)のような発泡の際に加熱処理を含まない場合は、上記のようにして発泡させた後に、所定の厚みのシート状に形成して、加熱することによって、(メタ)アクリル酸エステル系単量体を重合させると共に、架橋構造を導入して発泡体を形成する。
【0043】
また、(4)および(6)のように、加熱処理により発泡する場合は、該加熱処理により重合は進行するので、発泡と重合を同時に行って、発泡体が形成される。また、(4)の減圧により発泡する場合、(5)の光照射により発泡する場合は、減圧処理および光照射処理と同時に、あるいは、該処理の後に加熱して重合させることにより発泡体を形成する。
【0044】
(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体(A1)としては、上記した(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体(A)を形成する単量体からなる重合体を用いることができる。中でも、上記した好ましい形態である、ガラス転移温度が−20℃以下となる単独重合体を形成する(メタ)アクリル酸エステル単量体(a1m)およびよび有機酸基を有する単量体(a2m)からなる重合体を用いることが好ましい。そして、単量体(a1m)は該単量体(a1m)由来の単量体の単位(a1)が(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体(A1)中で、好ましくは80〜99.9重量%、より好ましくは85〜99.5重量%となるような量で重合に使用されることが好ましい。
【0045】
また、有機酸基を有する単量体(a2m)は、該単量体(a2m)由来の単量体の単位(a2)が(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体(A1)中で、好ましくは20〜0.1重量%、好ましくは15〜0.5重量%となるような量で重合に使用されるのが好ましい。
【0046】
(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体(A1)の重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ法(GPC法)で測定して、10万から40万の範囲にあることが好ましく、15万から30万の範囲にあることが、より好ましい。
【0047】
重合の方法は、特に限定されず、溶液重合、乳化重合、懸濁重合、塊状重合等のいずれであってもよく、これ以外の方法でもよい。好ましくは、溶液重合であり、中でも重合溶媒として、酢酸エチル、乳酸エチル等のカルボン酸エステルやベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族溶媒を用いた溶液重合がより好ましい。
【0048】
重合に際して、単量体は、重合反応容器に分割添加してもよいが、全量を一括添加するのが好ましい。重合開始の方法は、特に限定されないが、後述する(共)重合体(A)の形成に用いるものと同様の重合開始剤を用いることができる。重合開始剤の使用量は、特に限定されないが、単量体100重量部に対して、0.01〜50重量部の範囲であるのが好ましい。これらの単量体のその他の重合条件(重合温度、圧力、撹拌条件等々)に、特に制限はない。
【0049】
重合反応終了後、必要により、得られた重合体を重合媒体から分離する。分離の方法は、特に限定されないが、溶液重合の場合、重合溶液を減圧下に置き、重合溶媒を留去することにより、(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体(A1)を得ることができる。
【0050】
(メタ)アクリル酸エステル系単量体(A2)としては、上記した(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体(A)を形成する単量体を用いることができる。中でも、上記した好ましい形態である、ガラス転移温度が−20℃以下となる単独重合体を形成する(メタ)アクリル酸エステル単量体(a1m)および有機酸基を有する単量体(a2m)の混合物を用いることが好ましい。
【0051】
そして、単量体(a1m)は(メタ)アクリル酸エステル系単量体(A2)中で、好ましくは80〜99.9重量%、より好ましくは85〜99.5重量%となるような量で重合に使用されることが好ましい。また、有機酸基を有する単量体(a2m)は、(メタ)アクリル酸エステル系単量体(A2)中で、好ましくは20〜0.1重量%、好ましくは15〜0.5重量%となるような量で重合に使用されるのが好ましい。
【0052】
重合開始剤は、特に限定されないが熱重合開始剤を用いるのが好ましい。熱重合開始剤は、特に限定されず、過酸化物およびアゾ化合物のいずれでもよい。過酸化物重合開始剤としては、ベンゾイルペルオキシド、シクロヘキサノンペルオキシドのようなペルオキシド;t−ブチルヒドロペルオキシドのようなヒドロペルオキシド;過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩;等を挙げることができる。これらの過酸化物は、還元剤と適宜組み合わせて、レドックス系触媒として使用することもできる。
【0053】
アゾ化合物重合開始剤としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)等を挙げることができる。重合開始剤の使用量は、特に限定されないが、単量体100重量部に対して、0.01〜50重量部の範囲であるのが好ましい。
(メタ)アクリル酸エステル系単量体(A2)は、(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体(A1)100重量部に対して、好ましくは5〜70重量部、より好ましくは10〜50重量部を使用することが望ましい。
【0054】
また、発泡処理は、発泡剤を原料に添加することにより行われるものであることが、製法上簡便であり、所望の発泡倍率のものが得られ易いことがから、好ましい。
【0055】
発泡体の発泡倍率は、1.1〜1.5であることが必須である。該発泡倍率が低すぎると、シートをレンズに貼着した際の、レンズへの形状追従性が悪くなる。また、該発泡倍率が高すぎると、レンズ研磨加工中にレンズと固定治具との間で位置ズレまたは軸ズレが発生する恐れがある。本発明においては、発泡剤の種類、使用量を選択することにより、発泡倍率を好ましい範囲に調節することができ、硬度と密着性とのバランスに優れた発泡体を得ることができる。
【0056】
(せん断接着強度)
本発明のレンズ固定用単層シートのせん断接着強度は、60〜250N/cmであるのが好適である。該せん断接着強度が低すぎると、レンズ研磨加工中にレンズと固定治具との間で位置ズレまたは軸ズレが発生する恐れがある。また、該せん断接着強度が高すぎると、レンズ研磨加工後に、シートをレンズから剥離しにくくなり、作業性が悪くなる。また、シートを剥離した際にレンズ表面のコーティング膜を剥がしてしまう恐れがある。
【0057】
(アスカーC硬度)
本発明のレンズ固定用単層シートのアスカーC硬度は、50以下であるのが好適である。該アスカーC硬度が高すぎると、本発明のシートをレンズに貼着する際のレンズへの形状追従性が悪くなる。
【実施例】
【0058】
(実施例1)
アクリル酸2−エチルヘキシル(2EHA)94重量%とアクリル酸(AA)6重量%とからなる単量体混合物から得られたアクリル酸エステル共重合体(A1)を100重量部、アクリル酸2−エチルヘキシル(2EHA)27重量部とメタクリル酸(MAA)3重量部からなるアクリル酸エステル系単量体(A2)を30重量部、フィラー(B)として水酸化アルミニウム(モース硬度3)を300重量部、架橋剤(C)としてポリエチレングリコールジメタクリレート(PEGMA)を3重量部、重合開始剤として過酸化ベンゾイルを1.0重量部、熱分解性有機発泡剤としてp、p’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)(OBSH)を0.5重量部、を備えた原料混合物を混合し、この混合物を、離型剤付きポリエステルフィルム上に膜厚0.4mmのシート状に伸ばした。該ポリエステルフィルムおよび該シート状の混合物を155℃に加熱して発泡および重合させることにより、膜厚0.5mmのシート状発泡体である本発明のレンズ固定用単層シートを製造した。
【0059】
(比較例1)
フィラーである水酸化アルミニウムの量を200重量部とし、架橋剤および発泡剤を加えなかった以外は、実施例1と同様にして、原料混合物を作製し、この混合物を、離型剤付きポリエステルフィルム上に膜厚0.4mmのシート状に伸ばした。該ポリエステルフィルムおよび該シート状の混合物を155℃に加熱して、重合させることにより、膜厚0.4mmのシートを製造した。
【0060】
(比較例2)
フィラーとして、水酸化アルミニウムの代わりに、アルミナ(モース硬度9)を200重量部使用し、架橋剤を加えず、発泡剤の量を2重量部とした以外は、実施例1と同様にして、原料混合物を作製し、この混合物を、離型剤付きポリエステルフィルム上に膜厚0.4mmのシート状に伸ばした。該ポリエステルフィルムおよび該シート状の混合物を、155℃に加熱して、発泡および重合させることにより、膜厚0.6mmのシートを製造した。
【0061】
実施例1、比較例1および比較例2の各原料混合物の配合を表1にまとめた。
【0062】
【表1】

【0063】
<評価方法>
上記で作製したシートを以下の基準により評価した。
(発泡倍率)
発泡倍率は、シート状発泡体であるレンズ固定用単層シートの単位重量あたりの体積を、同じ組成の未発泡のレンズ固定用単層シートの単位重量あたりの体積で除して得られる。
【0064】
(硬度)
日本ゴム協会規格(SRIS)アスカーC法で測定した。硬度計は、高分子計器社製、商品名「ASKER CL−150LJ」を使用した。幅30mm×長さ60mm×厚さ1mmのシート試験片を、実施例または比較例により得られるシートを重ねたり薄切りするなどして作製し(以下、同様)、それを6枚重ね合わせ、23℃で保たれた恒温室に48時間以上静置して、状態調整を行なったものを試料とした。指針が95〜98となるようにダンパー高さを調整し、サンプルとダンパーが衝突してから20秒後の硬度を測定し、測定を5回繰り返して、その平均値を採用した。
【0065】
(剪断接着力)
幅25mm×長さ25mm×厚さ1mmのシートを、(硬度)の項と同様に作製し、その片側粘着面をアルミニウム板5052Pに貼り付け、2kgのローラーで1往復させて圧着させた。さらにもう片方のシートの粘着面をガラス板を貼り付け、2kgのローラーで1往復させて圧着させた。室温24時間養生した後、試験片を試験機のチャックに挟み50mm/minの移動速度で移動し、剪断接着力を測定した。
【0066】
(密着率(%))
幅50mm×長さ100mm×厚さ1mmのシート試験片を、(硬度)の項と同様に作製し、それを幅50mm×長さ150mm×厚さ1mmのアルミ板に重ね、この上に2kgのローラーを1cm/秒の速度で一往復して圧着させた。このシート試験片側に幅50mm×長さ150mm×厚さ3mmのガラス板を載せて、50mm×長さ150mm×厚さ5mmの試料を得た。さらに、この試料のガラス板側に、幅50mm×長さ150mm×厚さ2.4mmの発泡ポリエチレンシートおよび幅50mm×長さ150mm×厚さ2.3mmのアルミ板をこの順で積層し、1kgの錘を載せて、ガラス板に加えられる圧力が20g/cmとなるようにした。30秒後、発泡ポリエチレンシートと厚さ2.3mmのアルミ板とを取り外して、試験用積層板とした。
次に、ガラス板面側を画像解析装置(浜松ホトニクス社製、商品名「MVS-7000」)で解析し、ガラス板と試験片とが密着している濃色部分と、密着していない淡色部分との面積比を求め、全体の試験片面積(50mm×100mm)に対する濃色部分の面積の割合を百分率(%)として求めた。測定を3回繰返し、その平均値を密着率(%)とした。
密着率の評価基準としては、密着率が30〜100%の範囲であれば、レンズの密着性が良く、十分な接着力が得られ、レンズ研磨中のズレがなく密着性が良好であると言える。これに対して、密着率が30%未満であれば、レンズへの密着性が悪く、エア抜けが不十分で、接着力が不足しており、レンズ研磨中のズレが発生する可能性があり、密着性は不良である。
【0067】
(レンズ研磨評価)
図1に示すように、レンズ30の凸面にシート10(直径2cmの円形)を貼着し、レンズ30を図1に示すように固定冶具20a、20bを用いて、グラインダー加工機に固定し、レンズ30をグラインダー加工機で研磨した。研磨後のシート10の短軸と長軸の長さを測定し、以下の式よりシート変形度を求めた。
「シート変形度」=「シート短軸長さ」/「シート長軸長さ」
【0068】
シート変形度の評価基準としては、シート変形度が0.9以上であれば、レンズ研磨中のシートの変形が小さいのでズレがなく、所望の形状にレンズを加工できる。これに対してシート変形度が0.9未満であれば、レンズ研磨中のシートの変形が大きいので、ズレが大きく、所望の形状にレンズを加工できない恐れがある。
【0069】
また、研磨後のレンズ30の凸面の状態を目視で確認して、耐傷性を以下の基準により評価した。
○:表面に傷がなく、耐傷性は良好である。
×:表面に少しでも傷があった。
【0070】
【表2】

【0071】
(評価結果)
【0072】
以上、現時点において、もっとも、実践的であり、かつ、好ましいと思われる実施形態に関連して本発明を説明したが、本発明は、本願明細書中に開示された実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲および明細書全体から読み取れる発明の要旨あるいは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴うレンズ固定用単層シートもまた本発明の技術的範囲に包含されるものとして理解されなければならない。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明のレンズ固定用単層シートの実施形態を示す図である。
【符号の説明】
【0074】
10 レンズ固定用単層シート
20a、20b 固定治具
30 レンズ
40 砥石

【特許請求の範囲】
【請求項1】
架橋剤(C)による架橋構造を有する(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体(A)およびフィラー(B)を備え、発泡倍率が1.1〜1.5である発泡体を成形してなる、レンズ固定用単層シート。
【請求項2】
前記(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体(A)100重量部に対する前記フィラー(B)の量が50〜400重量部である、請求項1に記載のレンズ固定用単層シート。
【請求項3】
前記フィラー(B)のモース硬度が4以下である、請求項1または2に記載のレンズ固定用単層シート。
【請求項4】
前記架橋剤(C)が、前記(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体(A)に分子内架橋構造および/または分子間架橋構造を生じるための、少なくとも2つの重合性不飽和結合を有するものである、請求項1〜3のいずれかに記載のレンズ固定用単層シート。
【請求項5】
せん断接着強度が60〜250N/cmである、請求項1〜4のいずれかに記載のレンズ固定用単層シート。
【請求項6】
アスカーC硬度が50以下である、請求項1〜5のいずれかに記載のレンズ固定用単層シート。
【請求項7】
前記発泡体が、(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体(A1)、(メタ)アクリル酸エステル系単量体(A2)、フィラー(B)、架橋剤(C)、および重合開始剤、を含有する原料を発泡および重合させて形成されるものである、請求項1〜6のいずれかに記載のレンズ固定用単層シート。
【請求項8】
前記(メタ)アクリル酸エステル系単量体(A2)が、有機酸基を有する単量体および(メタ)アクリル酸エステル単量体の混合物である、請求項7に記載のレンズ固定用単層シート。
【請求項9】
前記発泡が、発泡剤を原料に添加することにより行われる、請求項7または8に記載のレンズ固定用単層シート。

【図1】
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【公開番号】特開2008−87086(P2008−87086A)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−268706(P2006−268706)
【出願日】平成18年9月29日(2006.9.29)
【出願人】(000229117)日本ゼオン株式会社 (1,870)
【Fターム(参考)】