説明

レンズ用保持具およびレンズの表面処理方法

【課題】表面処理時にレンズに外力を加えることなく安定した状態で保持することができ、レンズが変形したり、亀裂が生じたりしないようにしたレンズ用保持具を提供する。
【解決手段】レンズ用保持具1は、ホルダ本体2と、レンズ3をそれぞれ保持する左右一対のレンズラック4を備えている。レンズラック4は、基台30に取付けられた第1の支持プレート31と、左右一対からなる第2の支持プレート32とを備え、ホルダ本体2に取付けられる。第1の支持プレート31は、基台30に対して相対的に前後移動可能に取り付けられ、表面がレンズ3の凹面側外周縁3dを支持するレンズ支持面38を形成している。第2の支持プレート32は、第1の支持プレート31と垂直に交叉し、後端面が下方に向かって傾斜し、レンズ3の凸面側外周縁3eを支持するレンズ支持面41を形成している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラスチックレンズの表面処理に用いて好適なレンズ用保持具およびレンズの表面処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光学部品は、品質向上や機能の付加のために多くの表面処理が行われている。例えば、近年、眼鏡レンズの主流となっているプラスチック製眼鏡レンズ(以下、プラスチックレンズまたは単にレンズという)を例にあげると、浸漬染色処理やハードコート処理、反射防止処理などの各種の表面処理が施されている。
【0003】
これらの表面処理のうち、浸漬染色処理は、コスメティック効果等の目的で全体を所望の色に均一にまたはグラデーション(濃度勾配)を付けて染色するもので、高温(80〜100℃)の染料液中にプラスチックレンズを浸漬して加熱浸透させるため、作業者が直接プラスチックレンズを保持して作業を行うことができない。また、連続加工や工程の機械化に伴うプラスチックレンズの搬送といった面からも、プラスチックレンズを保持するレンズホルダ、すなわち保持具が必要不可欠とされる。
【0004】
ハードコート処理は、プラスチックレンズの硬度を高めるとともに耐擦傷性を向上させるためにシリコン系樹脂などの有機物質からなるハードコート被膜を形成するもので、ハードコート液をレンズの光学面にディップ&スピンコート法によって塗布した後、加熱炉によって加熱硬化させるものである。このため、浸漬染色処理と同様に、ハードコート液中に浸漬されるレンズ用保持具を必要とする。
【0005】
このような表面処理において用いられるレンズ用保持具としては、例えば特許文献1〜3に記載されている保持具が知られている。
【0006】
特許文献1に記載されているプラスチックレンズ染色用保持具は、ホルダ本体に可動板をスライド自在に取付けるとともに、この可動板をばねによってレンズ方向に付勢し、ホルダ本体と可動板に設けた複数のレンズ押えによってプラスチックレンズの外周を保持するようにしたものである。
【0007】
特許文献2に記載されている光学部品用保持具は、板ばねをC字状に折り曲げて形成したアームの両端と中央部に押え具をそれぞれ取り付け、これらの押え具によりレンズの外周を前記アームの弾性力を利用して押圧し保持するようにしたものである。
【0008】
特許文献3に記載されているレンズ保持治具は、ワイヤの折り曲げによって形成した一対の側方保持部および下側保持部によってレンズの左右両側縁および下側端縁を保持するようにしたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】実開平03−016126号公報
【特許文献2】特開2001−311914号公報
【特許文献3】特開2004−268013号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
このように、上記した従来のレンズ用保持具は、いずれもばねによる弾性力によってレンズを保持しているため、以下に述べるような問題があった。眼鏡用レンズにおいてはその形状、外径、厚さが様々であり、肉厚の薄いレンズを浸漬染色処理やハードコート処理のように高温に晒らす処理は、加熱によってプラスチックレンズ自体が軟化するとともに膨張して拡径するため、ばねのレンズに対する押圧力が増大してレンズを変形させる。そのため、後工程で再度加熱して原形に戻すという余分な作業が必要となる。また、特にコバ厚の薄いレンズの場合はレンズ押えによって保持されている部分に大きな押圧力が加わると亀裂が生じ不良品になる。
【0011】
本発明は、上記した従来の問題を解決すべくなされたもので、その目的とするところは、表面処理時にレンズに外力を加えることなく安定した状態で保持することができ、レンズが変形したり、亀裂が生じたりしないようにしたレンズ用保持具およびレンズの表面処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために本発明に係るレンズ用保持具は、プラスチックレンズの凹面側外周縁の一部を支持する略垂直な第1の支持プレートと、この第1の支持プレートと略垂直に交叉し、前記プラスチックレンズの凸面側外周縁の一部を支持する第2の支持プレートとを備え、前記第2の支持プレートのレンズ支持面は、下方に向かって傾斜して前記第1の支持プレートのレンズ支持面と交叉し、前記第1、第2の支持プレートのレンズ支持面によって前記プラスチックレンズの下部を収納する収納空間を形成しているものである。
【0013】
また、本発明に係るレンズ用保持具は、上記発明において、前記第1の支持プレートと前記第2の支持プレートが、プラスチックレンズの光学面に対して直交する方向に相対的に移動可能に配設されているものである。
【0014】
また、本発明に係るレンズ用保持具は、上記発明において、前記第1の支持プレートが、縦方向に長い長孔を有し、前記第2の支持プレートのレンズ側端部が前記長孔に相対的に摺動自在に挿通されているものである。
【0015】
また、本発明に係るレンズ用保持具は、上記発明において、前記第1の支持プレートのレンズ支持面と第2の支持プレートのレンズ支持面の交点高さを表示する目盛を備えているものである。
【0016】
また、本発明に係るレンズの表面処理方法は、上記発明に係るレンズ用保持具を用いてプラスチックレンズの表面処理を行なうものである。
【0017】
さらに、本発明に係るレンズの表面処理方法は、上記発明において、プラスチックレンズの表面処理が浸漬染色処理またはハードコート処理のいずれかである。
【発明の効果】
【0018】
本発明においては、第1の支持プレートのレンズ支持面によってレンズの凹面側外周縁を支持し、第2の支持プレートのレンズ支持面によってレンズの凸面側外周縁を支持し、両支持プレートのレンズ支持面によってレンズの下端部を収納する空間を形成しているので、ばねを用いないでレンズを保持することができる。したがって、ばねによるレンズの変形や亀裂を回避することができ、良好に表面処理を行うことができる。
【0019】
また、本発明においては、第1、第2の支持プレートをプラスチックレンズの光学面に対して直交する方向に相対的に移動させることにより、レンズの支持高さを自由に調整することができ、この高さを染色濃度が連続的に変化する濃度勾配染色を行なうときの染色濃度変化終了位置(染色濃度が最も薄くなる位置)とすることにより、濃度勾配染色を良好に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明に係るレンズ用保持具の一実施の形態を示す分解斜視図である。
【図2】レンズ用保持具の正面図である。
【図3】レンズラックによるレンズの支持状態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を図面に示す実施の形態に基づいて詳細に説明する。
図1〜図3において、レンズ用保持具1は、ホルダ本体2と、それぞれプラスチックレンズ3を保持して前記ホルダ本体2に着脱自在に取付けられる左右一対のレンズラック4とを備えている。
【0022】
ホルダ本体2は、略垂直な背板10と、この背板10の上端に取付けられたブロック11と、このブロック11の上面に取付けられたT字状の取手12と、背板10の中間部の両面にそれぞれ基端部がスポット溶接、リベット、ねじ止め等によって固定された左右一対の水平板13、13と、各水平板13の下面側にそれぞれ左右方向にスライド自在に配設された左右一対の可動板14、14と、各可動板14を互いに接近する方向(内側)に付勢する左右一対のばね15、15と、背板10と各可動板14にそれぞれ取付けられ前記各レンズラック4を前記ばね15の弾性力で挟持する合計6個の挟持片16等を備えている。
【0023】
プラスチックレンズ3は、凸面側と凹面側の光学面3a、3bが所定の曲率半径に仕上加工された、外径が65〜80mmのマイナスレンズからなり、メタクリレート系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アクリレート系樹脂、ポリエステル系樹脂等のレンズ基材によって製作されている。
【0024】
水平板13は、背板10と同一幅の細長い金属板によって形成され、自由端部側には可動板14を案内保持する長孔17が水平板13の長手方向に形成されている。
【0025】
可動板14は、同じく背板10、水平板13と同一幅の細長い金属板の折曲加工によって逆L字状に形成されることにより、水平板部14Aと、この水平板部14Aの外端、すなわち背板10側とは反対側端に垂設された垂直板部14Bとを一体に有し、水平板部14Aが水平板13の下面に連結部材18を介してスライド可能に連結され、ばね15によって内側に付勢されている。水平板部14Aは、両側縁に水平板13の両側縁に沿って上方に折り曲げ形成された一対の折曲片19を有し、これによって水平板13に対する可動板14の幅方向の移動を規制している。
【0026】
ばね15は、引張りコイルばねからなり、一端側のフック部15aが背板10に設けた小孔20に係止され、他端側のフック部15bが連結部材18に係止されることにより、可動板14を内側に付勢している。
【0027】
連結部材18は、ねじ棒からなり、下端が可動板14の水平板部14Aに溶接、かしめ等によって固定され、上端部が水平板13の長孔17をスライド自在に貫通して水平板13の上方に突出し、その突出端部にばね15の他端側フック部15bが係止され、ダブルナット21によってフック部15bの離脱を防止している。
【0028】
挟持片16は、背板10の下端部両面にブラケット22を介してそれぞれ2つずつ合計4つ取付けられ、また各可動板14の下端にそれぞれ1つずつ取り付けられている。挟持片16は、フッ素樹脂等によって板厚が2mm程度の板状片からなり、レンズラック4を保持する一端面に平面視V字状の受溝23が形成されている。ブラケット22は、背板10と同一幅の金属板の折曲加工によってコ字状に形成されて背板10の下端部両面に背中合わせに密接され、ボルト24およびナット25によって固定され、上下端に設けた水平な折曲部に挟持片16がそれぞれ水平に取付けられている。可動板14の下端に取付けられている挟持片16は、ブラケット20に取付けられている2つの挟持片16、16の中間に位置している。なお、ここでは3つの挟持片16によってレンズランク4を3点保持した例を示しているが、これに限らず、2点保持または4点保持するものであってもよい。2点保持する場合は、背板10側の挟持片16を1つ減らして左右の挾持板を同一高さとし、4点保持する場合は、背板10側の2つの挟持片16に対向して可動板14側に2つの挟持片を設け、設ければよい。
【0029】
前記レンズラック4は、基台30にそれぞれ設けられた第1の支持プレート31と、左右一対からなる第2の支持プレート32とを備えている。
【0030】
基台30は、フッ素樹脂等の耐薬品性のプラスチック材料によって形成されるもので、平行に配置された前後方向に延在する左右一対の取付板33、33と、これらの取付板33の前端どうしおよび後端どうしをそれぞれ連結する前後一対の連結部材34とで構成されている。
【0031】
第1の支持プレート31は、同じくフッ素樹脂等によって略矩形板状に形成され、前記基台30に略垂直に、かつ基台30に対して相対的に前後移動可能に取付けられるもので、それぞれ表裏面に貫通する矩形の開口35と、左右一対の挿通孔36、36および左右一対の取付孔37、37を有し、表面がプラスチックレンズ3の凹面側外周縁3dの一部を支持するレンズ支持面38を形成している。開口35は、第1の支持プレート31の中央に形成されている。挿通孔36は、第2の支持プレート32に対応して開口35の両側に形成された縦方向に長い長孔で構成されている。取付孔37は、取付板33に対応して開口35の下端両側に形成された横方向に長い長孔からなり、挿通孔36の下端に連通している。また、第1の支持プレート31の上面中央には、逆台形の凹部39が形成され、左右両側面には、前記挟持片16が選択的に係合する3つの係合溝40が高さ方向に所定の間隔をおいてそれぞれ形成されている。
【0032】
第2の支持プレート32は、同じくフッ素樹脂等によって側面視台形状に形成され、各取付板33に第1の支持プレート31と略垂直に交叉するように立設され、第1の支持プレート31と対向する後端面がプラスチックレンズ3の凸面側外周縁3eの一部を支持するレンズ支持面41を形成している。また、レンズ支持面41は、下方に向かって傾斜する斜面によって形成され、第1の支持プレート31のレンズ支持面38とともにプラスチックレンズ3の下端部を収納する三角形の収納空間42(図3)を形成している。レンズ支持面41の水平線との傾斜角度は、特に限定されないが、レンズ3を保持し易く、さらにレンズ3の前方への転倒を防止する観点から10〜80°が好ましく、レンズ3の高さ調整とのバランスを考えた場合、30〜60°がより好ましい。すなわち、レンズ支持面41の傾斜角をあまり小さくすると、第1、第2の支持プレート31、32を相対的に前後移動させたとき、両レンズ支持面38と41の交点P(図3)の高さの変化が小さく、更にメッツ加工されたレンズのようにコバ厚が薄くなっているものについては、保持が不十分となる可能性が高い。逆に傾斜角が大きいとレンズ3の凸面3aにレンズ支持面41が接触して染色不良を起こすおそれがある。
【0033】
さらに、第1の支持プレート31の表面には、第1の支持プレート31のレンズ支持面38と第2の支持プレート32のレンズ支持面41の交点Pの高さを表示する目盛43が表示されている。この目盛43は、プラスチックレンズ3に濃度勾配染色を行うとき、染色濃度変化終了位置の目安を示すもので、例えばプラスチックレンズ3の最下端から上方にXmm上がった高さ位置を染色濃度変化最終位置とすると、第1、第2のレンズ支持面38、41の交点Pの高さが目盛43のXmmになるように第2の支持プレート32を移動調整する。
【0034】
このようなレンズ用保持具1において、プラスチックレンズ3を浸漬染色処理するときは、ホルダ本体2に2つのレンズラック4を順次装着する。装着に際しては、例えば図1において右側の可動板14をばね15に抗して開き、可動板14と背板10との間にレンズラック4を挿入し得る空間を確保する。この状態でレンズラック4を可動板14と背板10との間の空間に挿入して背板10側に取付けられている2つの挟持片16をレンズラック4の第1のレンズ支持プレート31の左側面に形成されている係合溝40を係合させる。
【0035】
次に、可動板14をばね15の弾性力で背板10側にスライドさせて垂直板部3Bの下端に取付けられている挟持片16をレンズ支持プレート31の右側面に形成されている係合溝40に係合させる。これにより、第1の支持プレート31が3つの挟持片16によって挟持され、1つ目のレンズラック4がホルダ本体2に装着される。
【0036】
次に、2つ目のレンズラック4をホルダ本体2の左側空間部に上記した手順で同様に装着する。
【0037】
2つのレンズラック4の装着が終了した後、各レンズラック4にプラスチックレンズ3をそれぞれ装着する。プラスチックレンズ3の装着に際しては、表面処理が濃度勾配染色の場合、第2の支持プレート32を基台30とともに前後に移動させて、第1、第2の支持プレート31、32のレンズ支持面38、41の交点Pの高さを染色濃度変化終了位置に一致させる。また、プラスチックレンズ3の上下方向をレンズ用保持具1の上下方向と一致させる。そして、レンズ3を第1の支持プレート31と第2の支持プレート32との間に形成されている三角形の収納空間42に上方から挿入して凹面側外周縁3dをレンズ支持面38に接触させ、凸面側外周縁3eを各第2の支持プレート32のレンズ支持面41に当接させる。
【0038】
レンズラック4に対するプラスチックレンズ3の装着が終了した後、プラスチックレンズ3をレンズ用保持具1とともに染料液中に浸漬して染色する。全面染色の場合は、レンズ3を染料液中に所定時間完全に浸漬して染色する。一方、染色濃度が一定方向に連続的に変化する濃度勾配染色の場合は、レンズ3を染色濃度変化終了位置まで浸漬し、徐々に引き上げていく。
【0039】
染料液は80〜100℃の範囲内で加熱されているため、プラスチックレンズ3は、染料液中に浸漬されると加熱されて径方向および厚さ方向に熱膨張する。しかし、プラスチックレンズ3は、第1、第2の支持プレート31,32によって凹面側外周縁3dと凸面側外周縁3eの一部が支持されているだけで、ばね15による保持力が加えられていないため、レンズの拡径による弾性力の増加によって変形したり亀裂が生じたりするおそれがなく、良好に染色することができる。
【0040】
プラスチックレンズ3への染色が終了した後、プラスチックレンズ3を染料液から取り出し、レンズ用保持具1から取り外した後、染色濃度測定装置(透過率測定装置)によって染色濃度を測定し、染色が正しく行われているか否かを検査し、染色濃度が許容範囲内であれば合格と判定し、許容範囲外であれば不良品と判定し、再度染色をやり直す。
【0041】
なお、上記した実施の形態においては、2つのプラスチックレンズ3を装着し、これらを同時に表面処理することができるレンズ用保持具1に適用した例を示したが、本発明はこれに限らずホルダ本体2と1つのレンズラック4とで1つのプラスチックレンズ3の表面処理を行なうようにしたレンズ用保持具であってもよい。
【0042】
また、上記した実施の形態においては、レンズラック4をホルダ本体2に着脱可能に取付けたレンズ用保持具1に適用した例を示したが、これに限らずホルダ本体2にレンズラック4を直接固定して一体化させた形状にしてもよい。その場合は、水平板3に基台30または第1の支持プレート31を直接固定し、可動板14、ばね15および挟持片6を省略することができる。
【0043】
さらに、プラスチックレンズ3は円形のレンズに限らず、縁摺り加工された玉形形状のレンズにも適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明は、プラスチックレンズの浸漬染色処理に用いた例を示したが、ハードコート処理にもそのまま使用することができる。
【符号の説明】
【0045】
1…レンズ用保持具、2…ホルダ本体、3…プラスチックレンズ、4…レンズラック、13…水平板、30…基台、31…第1の支持プレート、32…第2の支持プレート、38、41…レンズ支持面、42…収納空間。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラスチックレンズの凹面側外周縁の一部を支持する略垂直な第1の支持プレートと、この第1の支持プレートと略垂直に交叉し、前記プラスチックレンズの凸面側外周縁の一部を支持する第2の支持プレートとを備え、
前記第2の支持プレートのレンズ支持面は、下方に向かって傾斜して前記第1の支持プレートのレンズ支持面と交叉し、前記第1、第2の支持プレートのレンズ支持面によって前記プラスチックレンズの下部を収納する収納空間を形成しているレンズ用保持具。
【請求項2】
請求項1記載のレンズ用保持具において、
前記第1の支持プレートと前記第2の支持プレートは、プラスチックレンズの光学面と直交する方向に相対的に移動可能に配設されているレンズ用保持具。
【請求項3】
請求項2記載のレンズ用保持具において、
前記第1の支持プレートは、縦方向に長い長孔を有し、前記第2の支持プレートは、レンズ側端部が前記長孔に相対的に摺動自在に挿通されているレンズ用保持具。
【請求項4】
請求項2または3記載のレンズ用保持具において、
前記第1の支持プレートのレンズ支持面と第2の支持プレートのレンズ支持面の交点高さを表示する目盛を備えているレンズ用保持具。
【請求項5】
請求項1〜4のうちのいずれか一項記載のレンズ用保持具を用いてプラスチックレンズの表面処理を行なうレンズの表面処理方法。
【請求項6】
請求項5記載のレンズの表面処理方法において、
プラスチックレンズの表面処理が、浸漬染色処理またはハードコート処理であるレンズの表面処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−113051(P2011−113051A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−272047(P2009−272047)
【出願日】平成21年11月30日(2009.11.30)
【出願人】(000113263)HOYA株式会社 (3,820)
【Fターム(参考)】