説明

レンズ鏡胴

【課題】高精度な調芯を可能としつつ塵埃が入り込むことを防止することのできるレンズ鏡胴を提供する。
【解決手段】第1のレンズ群(11)を保持する第1のレンズ保持部材(30)と、第2のレンズ群(12)を保持する第2のレンズ保持部材(40)と、第2のレンズ保持部材に対する第1のレンズ保持部材の位置の調整を可能とする調整機構50と、を備えるレンズ鏡胴10である。第2のレンズ保持部材の第1面(40c)には、第2のレンズ群を取り巻く位置において撮影光軸OA方向で第1のレンズ保持部材に接する少なくとも3つの位置決め部41と、撮影光軸OAに直交する面上で見て3つの位置決め部を取り囲む全周に渡り第1面に取り付けられたシート部材25と、が設けられ、シート部材25は、撮影光軸OA方向で見て調整機構と第1面との間において、第1のレンズ群を取り囲む全周に渡り撮影光軸OA方向で第1のレンズ保持部材に押し当てられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のレンズを保持するレンズ鏡胴に関し、特に、レンズ間での調芯を容易なものとするレンズ鏡胴に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタルカメラ等の撮影装置では、撮影画像の高画質化が求められている。この高画質化への要求を満たすために、光学系に使用するレンズ枚数を増加することが考えられている。ここで、高画質化への要求を満たすためには、レンズ鏡胴内において、光学系の撮影光軸に直交する方向で見た各レンズ相互の位置を、光学系としての設定に応じた所定の位置とする、いわゆる各レンズ相互の調芯を高精度に行う必要がある。
【0003】
このため、撮影光軸に直交する方向で見た支持位置の調整を可能とする3つの調芯ピンを鏡筒に設け、その3つの調芯ピンで対物レンズを保持する環状部を支持する構成のレンズ鏡胴が既に知られている(特許文献1参照)。このレンズ鏡胴では、3つの調芯ピンによる支持位置を適宜調整することにより、鏡筒に対する環状部、すなわち鏡筒に保持された他のレンズに対する対物レンズの撮影光軸に直交する方向での位置を調整することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記した従来のレンズ鏡胴では、対物レンズを保持する環状部を、鏡筒に対して移動可能に3つの調芯ピンで支持する構成であることから、その3つの支持点以外の箇所では鏡筒と環状部との間に隙間が生じてしまうので、鏡筒に保持された他のレンズと対物レンズとの間に塵埃が入り込んでしまう虞がある。このような塵埃は、レンズ鏡胴(特に対物レンズ)の外観品質の低下を招くとともに、取得する画像に影を生じさせてしまうことから画像品質の低下を招いてしまう。
【0005】
本発明は、上記の事情に鑑みて為されたもので、高精度な調芯を可能としつつ塵埃が入り込むことを防止することのできるレンズ鏡胴を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載のレンズ鏡胴は、1枚以上のレンズからなる第1のレンズ群と、該第1のレンズ群をその光軸を中心とする回転方向で取り巻いて保持する第1のレンズ保持部材と、前記第1のレンズ群と並列され1枚以上のレンズからなる第2のレンズ群と、該第2のレンズ群をその光軸を中心とする回転方向で取り巻いて撮影光軸上で保持する第2のレンズ保持部材と、該第2のレンズ保持部材から見て前記第1のレンズ群側に設けられ前記撮影光軸に直交する方向での前記第2のレンズ保持部材に対する前記第1のレンズ保持部材の位置の調整を可能とする調整機構と、を備えるレンズ鏡胴であって、前記第2のレンズ保持部材には、前記第1のレンズ群側の第1面に、前記第2のレンズ群を取り巻く位置において前記撮影光軸方向で前記第1のレンズ保持部材に接する少なくとも3つの位置決め部と、前記撮影光軸に直交する面上で見て3つの前記位置決め部を取り囲む全周に渡り前記第1面に取り付けられたシート部材と、が設けられ、該シート部材は、前記撮影光軸方向で見て前記調整機構と前記第1面との間において、前記第1のレンズ群を取り囲む全周に渡り前記撮影光軸方向で前記第1のレンズ保持部材に押し当てられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
請求項1に記載のレンズ鏡胴では、高精度な調芯を可能としつつ塵埃が入り込むことを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明に係る撮像装置の一例としてのデジタルカメラ1を示す斜視図である。
【図2】デジタルカメラ1に搭載されたレンズ鏡胴10の構成を模式的な断面で示す説明図である。
【図3】第1レンズ保持枠30および調整機構50が設けられた第2レンズ保持枠40を、被写体側から撮影光軸OA方向で見た様子を示す説明図である。
【図4】被写体側から撮影光軸OA方向で見た第2レンズ保持枠40を示す説明図である。
【図5】第2レンズ保持枠40を模式的に示す斜視図である。
【図6】被写体側から撮影光軸OA方向で見た第1レンズ保持枠30を示す説明図である。
【図7】第1レンズ保持枠30を模式的に示す斜視図である。
【図8】第2レンズ保持枠40に、第1レンズ保持枠30およびシート部材25が取り付けられる様子を模式的に示す説明図である。
【図9】第2レンズ保持枠40に、第1レンズ保持枠30およびシート部材25が取り付けられた様子を示す被写体側から撮影光軸OA方向で見た説明図である。
【図10】第2レンズ保持枠40に、第1レンズ保持枠30およびシート部材25が取り付けられた様子を模式的に示す斜視図である。
【図11】レンズ鏡胴10Bにおける第2レンズ保持枠40よりも被写体側を拡大しつつ模式的な断面で示す説明図である。
【図12】突出縁部分33Bが設けられたレンズ鏡胴10Bを示す図11と同様の説明図である。
【図13】レンズ鏡胴10Cを被写体側から見た図3と同様の説明図であり、
【図14】レンズ鏡胴10Cの構成を図13のII−II線に沿って得られて断面で示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明に係るレンズ鏡胴の各実施例について図面を参照しつつ説明する。
【実施例1】
【0010】
本発明に係るレンズ鏡胴の一実施例としてのレンズ鏡胴10の概略的な構成を、図1から図10を用いて説明する。
【0011】
まず、レンズ鏡胴10を有する撮像装置の一例としてのデジタルカメラ1を、図1および図2を用いて説明する。デジタルカメラ1は、図1および図2に示すように、筐体2の前面側に撮影光学系3を有するレンズ鏡胴10が設けられている。
【0012】
また、デジタルカメラ1の上面側には、電源ボタン4、レリーズボタン5、モード切替ダイアル6が設けられている。電源ボタン4は、デジタルカメラ1全体を起動するものである。レリーズボタン5は、被写体を撮影する際に押圧する押圧操作部材である。モード切替ダイアル6は、各種のシーンモード、静止画モード、動画モード等を設定するものである。
【0013】
デジタルカメラ1では、レリーズボタン5の押圧操作により、撮影光学系3を通して後述する撮像素子16(図2参照)の受光面に受光した被写体像の画像データが記録処理される。撮影光学系3は、本実施例では、後述するように、4群構成とされている(図2参照)。
【0014】
レンズ鏡胴10では、光学装置として、図2に示すように、第1レンズ群11、第2レンズ群12、第3レンズ群13、第4レンズ群14、シャッタ/絞りユニット15、撮像素子16、カバーガラス17、を具備している。この光学装置は、物体側(被写体側)から第1レンズ群11、第2レンズ群12、第3レンズ群13および第4レンズ群14が順次配列されるとともに、第2レンズ群12と第3レンズ群13との間にシャッタ/絞りユニット15が挿入配置される。この第4レンズ群14の像面側には、CCD(電荷結合素子)等を用いて構成される撮像素子16と、その受光面を覆うカバーガラス17と、が配置される。撮像素子16は、図示を略す基板に実装され、その基板とともにベース部材18に設けられている。カバーガラス17は、撮像素子16の受光面に設けられている。その基板は、図示は略すが、電子部品が実装されて電子回路部を構成している。
【0015】
第1レンズ群11は、1枚以上のレンズからなる。この第1レンズ群11は、それらを一体的に保持する第1レンズ保持枠30に固定保持されている。この第1レンズ保持枠30は、調整機構50により第2レンズ保持枠40に対して撮影光軸OAに直交する方向へと移動可能に、その第2レンズ保持枠40に支持されている。この第1レンズ保持枠30およびその支持の構成については、後に詳細に説明する。
【0016】
第2レンズ群12は、1枚以上のレンズからなる。この第2レンズ群12は、それらを一体的に保持する第2レンズ保持枠40に保持されている。このため、実施例1では、第1レンズ群11が第1のレンズ群として機能し、第1レンズ保持枠30が第1のレンズ保持部材として機能している。また、実施例1では、第2レンズ群12が第2のレンズ群として機能し、第2レンズ保持枠40が第2のレンズ保持部材として機能している。この第2レンズ保持枠40は、第3レンズ保持枠21に固定されている。この第3レンズ保持枠21への固定は、接着によるものであってもよく、固定冶具を用いるものであってもよい。実施例1では、第2レンズ保持枠40は、図示を略すネジにより第3レンズ保持枠21の被写体側の端面21aに固定されている。この第2レンズ保持枠40の構成については、後に詳細に説明する。
【0017】
第3レンズ群13は、1枚以上のレンズからなる。また、第4レンズ群14は、1枚以上のレンズからなる。この第3レンズ群13および第4レンズ群14は、それぞれ一体的に第3レンズ保持枠21に保持されている。この第3レンズ群13および第4レンズ群14の保持方法は、圧入によるものやカシメによるもの等があるが、実施例1では図示は略すが接着剤を用いて接着によるものとしている。
【0018】
シャッタ/絞りユニット15は、シャッタおよび開口絞りを含むものである。このシャッタ/絞りユニット15は、第3レンズ保持枠21に固定保持されている。これら第1レンズ群11から第4レンズ群14(シャッタ/絞りユニット15を含む)は、固定焦点距離レンズあるいは焦点距離可変のズームレンズとしての撮影光学系3(図1参照)を構成する。この撮影光学系3の結像位置に、上述した撮像素子16(電子回路部)が配置される。この明細書では、撮影光学系3における光学的な軸線、すなわち第1レンズ群11から第4レンズ群14の中心軸位置となる回転対称軸を、撮影光学系3すなわちレンズ鏡胴10の撮影光軸OAとする。
【0019】
そのレンズ鏡胴10では、撮像素子16が設けられたベース部材18に固定筒22が設けられている。この固定筒22は、全体に円筒形状を呈し、ベース部材18に固定されている。固定筒22の内周面には、案内溝22aが設けられている。案内溝22aは、撮影光軸OAに直交する面に沿って設けられ、環状を呈する。この固定筒22の内周に回転筒23が回転可能に嵌め入れられている。
【0020】
回転筒23は、全体に円筒形状を呈する。この回転筒23の外周面には、キー部23aが設けられている。キー部23aは、回転中心から放射方向へ向けて(以下、径方向ともいう)基端部から突出形成され、固定筒22の案内溝22aに挿入されている。このキー部23aは、撮影光軸OA方向で見て案内溝22aとベース部材18とに干渉するとともに、撮影光軸OAを中心とする回転方向で見てそれらと相対的に滑ることが可能とされている。このような構成により、回転筒23と固定筒22とは、撮影光軸OA(撮影光路)方向への相対的な移動が防止されつつ、撮影光軸OA回りに相対的な回転移動が可能とされている。このため、回転筒23は、ベース部材18に対して、撮影光軸OA(撮影光路)方向の位置を固定したまま、撮影光軸OA回りの回転が可能とされている。
【0021】
また、このキー部23aは、外周面が歯車状のギア23bとされている。そのギア23bは、駆動装置24の伝達ギア24aに噛み合わされている。その駆動装置24は、明確な図示は略すがベース部材18(固定筒22)に固定されて設けられており、伝達ギア24aに加えて、駆動源としてのモータ24bと、その出力軸24cに設けられた出力ギア24dとを有する。駆動装置24は、図示を略す制御部の制御下でモータ24bが駆動されることにより、その出力軸24cおよび出力ギア24dを介して、駆動力が伝達ギア24aに伝達される。このため、回転筒23は、駆動装置24からの駆動力が、その伝達ギア24aからキー部23aへと伝達されることにより、固定筒22に対して回転駆動される。
【0022】
その回転筒23の内周面には、カム溝23cが形成されている。このカム溝23cは、図示は略すが、撮影光軸OAを中心とする回転方向での位置の変化に伴って、撮影光軸OA方向での位置を適宜変化させて形成されている。カム溝23cは、後述する第3レンズ保持枠21のカムフォロア21cを干渉可能に受け入れることが可能とされている。この回転筒23の内周に第3レンズ保持枠21が回転可能に嵌め入れられている。
【0023】
その第3レンズ保持枠21は、全体に円筒形状を呈し、軸線方向(撮影光軸OA方向に等しい)で見た中間位置に、内径寸法を小さくする鍔部21bが設けられている。第3レンズ保持枠21では、鍔部21bの前方側(物体側)の空間でシャッタ/絞りユニット15を収容保持し、鍔部21bの内方の空間で第3レンズ群13を収容保持し、鍔部21bの後方側(像面側)の空間で第4レンズ群14を収容保持している。この第3レンズ群13および第4レンズ群14と、シャッタ/絞りユニット15とは、互いの軸線が第3レンズ保持枠21の軸線上に存在するもの、すなわち撮影光軸OAと一致するものとされている。
【0024】
この第3レンズ保持枠21の外周面には、カムフォロア21cが設けられている。そのカムフォロア21cは、外周面から突設されており、回転筒23のカム溝23cに干渉可能に挿入されている。また、第3レンズ保持枠21では、図示は略すが、撮影光軸OA方向に沿って設けられた直進溝に、直進ガイドがスライド移動可能に挿入されている。この直進ガイドは、図示は略すが、ベース部材18から第3レンズ保持枠21と回転筒23との間へと撮影光軸OAに伸びて設けられている。このため、第3レンズ保持枠21は、ベース部材18すなわちそこに固定された固定筒22に対して、撮影光軸OA(撮影光路)方向への移動(直進移動)が可能とされているとともに、撮影光軸OA回りの回転が防止されている。これにより、第3レンズ保持枠21は、固定筒22に対して回転駆動される回転筒23の回転姿勢に応じて、カムフォロア21cが挿入された回転筒23のカム溝23cのカム軌跡に倣うように、ベース部材18(固定筒22)に対して撮影光軸OA(撮影光路)方向に直進移動される。
【0025】
このレンズ鏡胴10では、駆動装置24からの駆動力で回転筒23が固定筒22に対して回転駆動されることにより、第3レンズ保持枠21(そこに設けられた第1レンズ保持枠30および第2レンズ保持枠40)が撮影光軸OAで適宜移動され、所定の撮影待機位置(撮影光学系3が撮像素子16上に焦点を結ぶ位置)と、所定の収納位置(第3レンズ保持枠21が最も撮像素子16側とされる位置)と、の間で移動(繰り出し)可能とされている。また、レンズ鏡胴10では、撮影待機位置において、第3レンズ保持枠21を撮影光軸OA方向に微小に移動されることにより、撮像素子16上での結像状態を調節するいわゆるフォーカス動作を行うことが可能とされている。
【0026】
次に、本発明に係るレンズ鏡胴10の特徴部分の概略的な構成を、図2から図10を用いて説明する。図3は、第1レンズ保持枠30および調整機構50が設けられた第2レンズ保持枠40を、被写体側から撮影光軸OA方向で見た様子を示す説明図である。図4は、被写体側から撮影光軸OA方向で見た第2レンズ保持枠40を示す説明図である。図5は、第2レンズ保持枠40を模式的に示す斜視図である。図6は、被写体側から撮影光軸OA方向で見た第1レンズ保持枠30を示す説明図である。図7は、第1レンズ保持枠30を模式的に示す斜視図である。図8は、第2レンズ保持枠40に、第1レンズ保持枠30およびシート部材25が取り付けられる様子を模式的に示す説明図である。図9は、第2レンズ保持枠40に、第1レンズ保持枠30およびシート部材25が取り付けられた様子を示す被写体側から撮影光軸OA方向で見た説明図である。図10は、第2レンズ保持枠40に、第1レンズ保持枠30およびシート部材25が取り付けられた様子を模式的に示す斜視図である。なお、図2は、図3のI−I線に沿って得られた断面に相当するものである。この図2では、理解容易のために、2つの位置決め部41(その先端面41a)に第1レンズ保持枠30が接触している様子を図示しているが、実際の構成と必ずしも一致するものではない。
【0027】
レンズ鏡胴10では、図2および図3に示すように、第3レンズ保持枠21の端面21aに固定される第2レンズ保持枠40の被写体側に、第1レンズ保持枠30とシート部材25と調整機構50とカバー部材26(図2参照)とが設けられる。
【0028】
その第2レンズ保持枠40は、図4および図5に示すように、全体に円板形状を呈し、その軸線を中心とする保持穴40aを有する。この保持穴40aは、第2レンズ群12を一体的に保持する。この第2レンズ群12の保持方法は、圧入によるものやカシメによるもの等があるが、実施例1では図示は略すが接着剤を用いて接着によるものとしている。このため、第2レンズ保持枠40では、軸線に第2レンズ群12の光軸を一致させて、その第2レンズ群12を一体的に保持している。この第2レンズ保持枠40は、その軸線(第2レンズ群12の光軸)を、第3レンズ保持枠21の軸線(第3レンズ群13および第4レンズ群14の光軸)に一致させて、その第3レンズ保持枠21の端面21aに固定されて設けられる。このため、第2レンズ保持枠40の軸線は、撮影光軸OAに沿うものとされる。ここで、第2レンズ保持枠40において、端面21aに固定される側の面を裏面40b(図2参照)として、軸線方向で見たその反対側であって被写体側の面を表面40cとする。この表面40cは、実施例1では、第1のレンズ群としての第1レンズ群11側の面となる第1面となる。この第2レンズ保持枠40では、表面40cに、3つの位置決め部41と、2つの台座部42と、そこに設けられた取付軸部43と、環状壁部44と、取付突起部45と、を有する。
【0029】
各位置決め部41は、表面40c側において、第2レンズ保持枠40に対する第1レンズ保持枠30の位置および姿勢を規定するものである。この各位置決め部41は、保持穴40aすなわち第2レンズ群12を、その軸線(撮影光軸OA)を中心とする回転方向で取り巻いて設けられており、実施例1では、当該回転方向で見て互いに等しい間隔でかつ軸線(撮影光軸OA)を中心とする放射方向(以下、径方向ともいう)で見て等しい距離で配置されている。各位置決め部41は、表面40cから撮影光軸OA方向に沿って突出された円柱状を呈し、表面40cからの高さ寸法が互いに等しいものとされている。このため、3つの位置決め部41の先端面41aは、径方向で見て軸線(撮影光軸OA)から等しい距離であって、軸線方向で互いに等しい高さ位置に存在している。この各位置決め部41よりも径方向での外側に2つの台座部42が設けられている。
【0030】
その両台座部42は、後述するように表面40c側において調整機構50を構成するものである。両台座部42は、取付突起部45から撮影光軸OAへと向かう方向に関して、略線対称となる位置関係とされている。この両台座部42は、表面40cから撮影光軸OA方向に沿って突出された円柱状を呈する。両台座部42は、表面40cからの高さ寸法が互いに等しいものとされており、3つの位置決め部41よりも大きな高さ寸法とされている。この両台座部42の先端面42aは、撮影光軸OAに直交する平坦面とされている。この各台座部42の先端面42aに取付軸部43が設けられている。
【0031】
その各取付軸部43は、後述するように表面40c側において両台座部42と協働して調整機構50を構成するものである。各取付軸部43は、対応する台座部42の先端面42aから撮影光軸OA方向に沿って突出された円柱状を呈し、台座部42よりも小さな径寸法であってその台座部42と等しい軸線を有するものとされている。その各取付軸部43が設けられた2つの台座部42よりも径方向での内側に環状壁部44が設けられている。
【0032】
その環状壁部44は、後述するように表面40c側において封止機構を構成するものである。環状壁部44は、径方向で見て、2つの台座部42の内側において、第2レンズ群12(保持穴40a)および3つの位置決め部41を撮影光軸OAを中心とする周方向で切れ目なく取り囲むように、表面40cから撮影光軸OA方向に沿って突出されて形成されている。この環状壁部44は、実施例1では、撮影光軸OA方向で見て、撮影光軸OAを中心として2つの台座部42上を通る円形状を呈し、その両台座部42が設けられた箇所にあってはその外周面に沿って内側に湾曲する形状の湾曲箇所44aとされている。環状壁部44は、表面40cからの高さ寸法が全周に渡って等しいものとされており、3つの位置決め部41よりも大きな高さ寸法であって2つの台座部42よりも小さな高さ寸法とされている。この環状壁部44の先端面44bは、撮影光軸OAに直交する平坦面とされている。環状壁部44よりも径方向での外側に取付突起部45が設けられている。
【0033】
その取付突起部45は、後述するように表面40c側において両台座部42および各取付軸部43と協働して調整機構50を構成するものである。取付突起部45は、表面40cにおいて、撮影光軸OAから見て両台座部42の位置関係を略線対称とする方向(直線)上であって、外縁部に設けられている。取付突起部45は、表面40cから撮影光軸OA方向に沿って突出されて形成されている。この取付突起部45は、表面40cからの高さ寸法が、少なくとも2つの台座部42とそれぞれの取付軸部43とを合わせた高さ寸法よりも大きな高さ寸法とされている。この第2レンズ保持枠40の表面40cに、第1レンズ保持枠30が設けられる。
【0034】
その第1レンズ保持枠30は、図6および図7に示すように、保持筒部31とフランジ部32とを有する。その保持筒部31は、全体に円筒形状を呈し、その内方で第1レンズ群11を一体的に保持する。この第1レンズ群11の保持方法は、圧入によるものやカシメによるもの等があるが、実施例1では図示は略すが接着剤を用いて接着によるものとしている。このため、第1レンズ保持枠30では、保持筒部31の軸線に第1レンズ群11の光軸を一致させて、その第1レンズ群11を一体的に保持している。
【0035】
フランジ部32は、その保持筒部31の一端部31a(図7参照)に設けられている。そのフランジ部32は、保持筒部31の一端部31aにおける外周面31b(図7参照)から、保持筒部31(第1レンズ保持枠30)の軸線を中心とする放射方向(以下、径方向ともいう)の外側へ向けて全周に渡り突出されて形成されている。フランジ部32は、軸線に直交する面でみて、第2レンズ保持枠40の環状壁部44よりも小さな外径寸法とされている。このフランジ部32は、第2レンズ保持枠40の表面40c(その各位置決め部41)に当てられる側を裏面32a(図2参照)とし、軸線方向で見たその反対側であって被写体側となる表面32bとして、裏面32aと表面32bとが軸線に直交する平坦面とされている。フランジ部32では、軸線に直交する面に沿う方向で見て、フランジ部32の外周縁を内方に凹ませる2つの切欠箇所32cが設けられている。この両切欠箇所32cは、環状壁部44の2つの湾曲箇所44aに対応して設けられた円形状を呈し、対応する湾曲箇所44aよりも大きな曲率半径(小さな曲率)とされている。
【0036】
このフランジ部32は、第2レンズ保持枠40の環状壁部44と所定の間隔を置きつつその環状壁部44内方に挿入することが可能とされている。この所定の間隔は、環状壁部44の内方において第1レンズ保持枠30が撮影光軸OAに直交する方向へと移動することのできる範囲を規定することとなるので、撮影光軸OAに直交する方向での第2レンズ保持枠40に対する第1レンズ保持枠30の調整代、すなわち第2レンズ群12に対する第1レンズ群11の調整代となる。この所定の間隔(調整代)は、撮影光学系3における光学的な設定や各部材の公差等を考慮して適宜設定すればよく、実施例1では0.1mm〜0.5mmに設定している。
【0037】
このフランジ部32の表面32bには、突出縁部分33が設けられている。この突出縁部分33は、フランジ部32の表面32bの外縁において、その全周に渡って切れ目なく軸線方向の被写体側(保持筒部31における他端側)へ向けて突出して設けられている。突出縁部分33は、実施例1では、その突出端33aが曲面状とされている(図2等参照)。この突出縁部分33は、軸線方向で見た高さ寸法が、後述するような所定の押し当て力を確保することを可能とする観点から、シート部材25の性質および第2レンズ保持枠40の環状壁部44の高さ寸法と併せて設定されている。この高さ寸法の設定については後述する。この突出縁部分33では、フランジ部32の外縁で全周に渡って設けられていることから、その2つの切欠箇所32cに倣って2つの湾曲箇所33bが設けられている。このフランジ部32を有する第1レンズ保持枠30と第2レンズ保持枠40との間にシート部材25が設けられる。
【0038】
そのシート部材25は、図8に示すように、環状の薄板状を呈する。シート部材25は、第1レンズ保持枠30の表面32b(その突出縁部分33)および第2レンズ保持枠40の表面40c(その各位置決め部41)に当てられる側を裏面25a(図2参照)とし、軸線方向で見たその反対側であって被写体側となる表面25bとして、裏面25aと表面25bとが軸線に直交する平坦面とされている。そのシート部材25は、後述するような所定の押し当て力を確保することのできる弾性変形が可能であって、第1レンズ保持枠30の突出縁部分33(その突出端33a)と相対的に滑ることを可能とする部材で形成されている。このような部材としては、表面が平滑なPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムやゴム材料等があげられる。シート部材25は、実施例1では、PETフィルムで形成されている。このシート部材25は、その軸線を中心とする放射方向(以下、径方向ともいう)で見た外側縁部が全周に渡って第2レンズ保持枠40の環状壁部44に倣う形状とされ、径方向で見た内側縁部が全周に渡って第1レンズ保持枠30の突出縁部分33に沿いつつその突出端33aよりも内方に存在する形状とされている。このため、シート部材25では、外側縁部を内方に凹ませる2つの切欠箇所25cが設けられている。このシート部材25が介在される第1レンズ保持枠30と第2レンズ保持枠40との位置調整のために、調整機構50が設けられる。
【0039】
その調整機構50は、図3に示すように、2つの偏芯カム51と径方向弾性部材52とを有する。その両偏芯カム51は、全体に円板形状を呈し、軸穴51aが設けられている。両偏芯カム51は、軸穴51a(その軸線)を基準とする外周面51bまでの間隔が、軸穴51a(軸線)を中心とする回転方向で見た位置に応じて漸次変化する形状とされている。その軸穴51aは、第2レンズ保持枠40の台座部42の取付軸部43を通すことが可能とされている。また、その外周面51bは、軸穴51aの軸線に沿うものとされている。さらに、2つの偏芯カム51は、それぞれが取付軸部43を軸穴51aに通して台座部42(その先端面42a)上に配置した状態において、それぞれの外周面51bを第1レンズ保持枠30の保持筒部31の外周面31bに当てることが可能な外径寸法とされている。ついで、両偏芯カム51は、その台座部42の先端面42aに当てられる側を裏面51c(図2参照)として、その裏面51cが軸線に直交する平坦面とされている。
【0040】
径方向弾性部材52は、第1レンズ保持枠30の保持筒部31の外周面31bを、両偏芯カム51の外周面51bに押し当てるべく、第2レンズ保持枠40に対して第1レンズ保持枠30を撮影光軸OAに直交する方向へ向けて押す力を、当該第1レンズ保持枠30に付与するものである。その径方向弾性部材52は、一端52aが第2レンズ保持枠40の取付突起部45に取り付けられ、他端52bが第1レンズ保持枠30の保持筒部31の外周面31bに取り付けられて設けられており、その一端52aと他端52bとを互いに離間させる方向へと力を作用させる。径方向弾性部材52は、実施例1では、コイルスプリングが用いられている。この調整機構50および第1レンズ保持枠30を覆うように、第2レンズ保持枠40にカバー部材26(図2等参照)が設けられる。
【0041】
そのカバー部材26は、図1および図2に示すように、取付筒部26aと、その端部に設けられた蓋板部26bと、を有する。その取付筒部26aは、第2レンズ保持枠40の外径寸法に等しい外径寸法の筒状を呈し、第2レンズ保持枠40の表面40cにおいて3つの位置決め部41、2つの台座部42、環状壁部44、および取付突起部45を取り囲むことが可能な内径寸法とされている。また、取付筒部26aは、第2レンズ保持枠40の表面40cにおいて最も大きな高さ寸法である取付突起部45よりも大きな長さ寸法とされている。蓋板部26bは、取付筒部26aにおける一方の端部を覆うことのできる円板状を呈し、当該端部に連続されている。この蓋板部26bには、撮影開口26cが設けられている。この撮影開口26cは、撮影光軸OAを中心とする所定の領域で蓋板部26bを開口している。この所定の領域は、撮影光学系3における光学特性に応じて設定されている。
【0042】
このレンズ鏡胴10では、第3レンズ保持枠21の端面21aに固定される第2レンズ保持枠40に対して、以下のように、第1レンズ保持枠30、シート部材25、調整機構50およびカバー部材26が設けられる。
【0043】
先ず、図8に示すように、第2レンズ保持枠40の表面40cに第1レンズ保持枠30のフランジ部32の裏面32aを対向させて、被写体側から第1レンズ保持枠30を第2レンズ保持枠40上へと配置する(矢印A1参照)。このとき、第1レンズ保持枠30のフランジ部32の2つの切欠箇所32cを第2レンズ保持枠40の環状壁部44の2つの湾曲箇所44aに対応させつつ、そのフランジ部32(その外周縁)を環状壁部44の内方に進入させて、そのフランジ部32の裏面32aを第2レンズ保持枠40の3つの位置決め部41の先端面41a上に載せる(矢印A1参照)。この各先端面41aは、第2レンズ保持枠40の軸線に直交する単一の平面上に存在して設けられているとともに、フランジ部32の裏面32aは、第1レンズ保持枠30(保持筒部31)の軸線に直交する平坦面とされていることから、互いの軸線を平行な状態としつつその両軸線方向で見た第2レンズ保持枠40と第1レンズ保持枠30との相対的な位置関係を所定のものとすることができる。ここで、第2レンズ保持枠40の軸線は、撮影光軸OAに一致するものとされていることから、第2レンズ保持枠40が保持する第2レンズ群12と、第1レンズ保持枠30が保持する第1レンズ群11と、を互いの軸線を撮影光軸OAに沿う平行な状態としつつ撮影光軸OA方向で見た位置関係を所定のものとすることができる。このように、各位置決め部41では、第1レンズ保持枠30の裏面(フランジ部32の裏面32a)に接することにより、第2レンズ保持枠40の表面40c側において第1レンズ保持枠30の姿勢および撮影光軸OA方向での位置を規定することができる。
【0044】
この後、第2レンズ保持枠40の表面40cにシート部材25の裏面25aを対向させて、被写体側からシート部材25を第2レンズ保持枠40および第1レンズ保持枠30上へと配置する(矢印A2、A3参照)。このとき、2つの切欠箇所25cを第2レンズ保持枠40の環状壁部44の2つの湾曲箇所44aに対応させつつ、外側縁部を環状壁部44の先端面44b上に載せる(矢印A2参照)。その後、シート部材25の裏面25aの外側縁部を、全周に渡って環状壁部44の先端面44bに固定する(図2等参照)。この両面テープによる貼り付けであってもよく、接着剤による接着であってもよい。実施例1では、図示は略すが両面テープによる貼り付けにより、シート部材25の裏面25aの外側縁部を環状壁部44の先端面44bに固定している(図2等参照)。
【0045】
すると、シート部材25の裏面25aの内側縁部は、第2レンズ保持枠40の環状壁部44の内方に設けられた第1レンズ保持枠30の突出縁部分33に全周に渡って所定の押し当て力で押し当てられる(図2等参照)。これは、第1レンズ保持枠30の突出縁部分33の軸線方向で見た高さ寸法が、所定の押し当て力を確保することを可能とする観点から、シート部材25の性質および第2レンズ保持枠40の環状壁部44の高さ寸法と併せて設定されているとともに、シート部材25の内側縁部が全周に渡って切れ目なく第1レンズ保持枠30の突出縁部分33に沿いつつその突出端33aよりも内方に存在する形状とされていることによる。この所定の押し当て力とは、シート部材25の裏面25aの内側縁部を全周に渡って第1レンズ保持枠30の突出縁部分33に確実に接触させることを可能とするものである。実施例1では、所定の押し当て力は、第2レンズ群12を保持する第2レンズ保持枠40の重量よりも大きな力に設定されている。
【0046】
これにより、第2レンズ保持枠40上では、図2、図8から図10に示すように、環状壁部44と第1レンズ保持枠30の突出縁部分33との間が、全周に渡ってシート部材25により封止されることとなる。ここで、第2レンズ保持枠40は、保持穴40aで第2レンズ群12を保持していることにより、表面40cにおける環状壁部44の内方では、その突出端側(先端面44b側)のみが開放された構成とされている。また、その環状壁部44の内方に配置される第1レンズ保持枠30は、保持筒部31の内方で第1レンズ群11を保持していることにより、フランジ部32の外周縁よりも内方では、裏面側(フランジ部32の裏面32a側)と表面側(フランジ部32の表面32b側)とを通じさせる箇所のない構成とされている。このため、第1レンズ群11と第2レンズ群12との間では、環状壁部44(先端面44b)と突出縁部分33(突出端33a)との間のみに隙間が形成されていることとなり、その隙間がシート部材25により封止される。換言すると、第1レンズ群11と第2レンズ群12との間は、第2レンズ保持枠40の表面40c、そこから突出された環状壁部44、その先端面44bに裏面25aの外側縁部が固定されたシート部材25、その内側縁部が所定の押し当て力で突出端33aに押し当てられた突出縁部分33、それが突出されたフランジ部32の表面32b、およびそのフランジ部32が連続された保持筒部31により、封止されている。このため、シート部材25は、第2レンズ保持枠40の表面40c側において、その環状壁部44と、第1レンズ保持枠30のフランジ部32の突出縁部分33と、の協働により、封止機構を構成している。
【0047】
その後、図2および図3に示すように、この封止機構を介して第1レンズ保持枠30が設けられた第2レンズ保持枠40の各台座部42に偏芯カム51を配置するとともに、第2レンズ保持枠40の取付突起部45に径方向弾性部材52を配置する。この2つの偏芯カム51は、裏面51c側から台座部42に設けられた取付軸部43を軸穴51aに通して、各台座部42の先端面42a上に配置する。また、径方向弾性部材52は、撮影光軸OAに直交する方向に沿わせつつ、一端52aを第2レンズ保持枠40の取付突起部45に取り付けるとともに、他端52bを第1レンズ保持枠30の保持筒部31の外周面31bに取り付ける。これにより、第2レンズ保持枠40の表面40c上では、第1レンズ保持枠30(その保持筒部31の外周面31b)が径方向弾性部材52に押されて、保持筒部31の外周面31bにおける他の箇所が2つの偏芯カム51の外周面51bに押し当てられて、調整機構50が構成される。
【0048】
この調整機構50では、2つの偏芯カム51を取付軸部43回りに適宜回転させることにより、それぞれの取付軸部43から外周面51bまでの間隔を漸次的に変化させることができる。この偏芯カム51は、外周面51bが軸穴51aの軸線に沿うものとされているとともに、裏面51cが軸穴51aの軸線に直交する平坦面とされている。また、2つの台座部42の先端面42aは、撮影光軸OAに直交する平坦面とされているとともに、そこに設けられた取付軸部43が撮影光軸OAに沿うものとされている。このように、調整機構50では、2つの外周面51bと径方向弾性部材52の他端52bとによる3つの調整支持点により、第1レンズ保持枠30(その保持筒部31の外周面31b)の撮影光軸OAに直交する面に沿う方向で見た位置を規定しており、その3つの調整支持点が撮影光軸OAに直交する面に沿う移動が可能とされている。このため、調整機構50では、2つの偏芯カム51を取付軸部43回りに適宜回転させることにより、撮影光軸OAに直交する方向で見て、第2レンズ保持枠40に対する第1レンズ保持枠30の位置、すなわち第2レンズ保持枠40が保持する第2レンズ群12と第1レンズ保持枠30が保持する第1レンズ群11との互いの軸線を所望の位置関係とする調芯を行うことができる。この両偏芯カム51の回転操作は、作業者の手によるものであってもよく、作業者が冶具を用いて行うものであってもよく、図示は略すが調整装置を用いるものであってもよい。このため、撮影光軸OAに直交する面に沿う方向が、調整機構50による第2レンズ保持枠40(第2レンズ群12)に対する第1レンズ保持枠30(第1レンズ群11)の調整方向となる。実施例1では、第2レンズ群12と第1レンズ群11との互いの軸線を撮影光軸OA上で一致させている。なお、2つの偏芯カム51は、第1レンズ群11と第2レンズ群12との互いの軸線を撮影光軸OA上で一致させた後、図示は略すが接着剤により第1レンズ保持枠30および第2レンズ保持枠40に対して固定する。
【0049】
この調整機構50および封止機構を介して第1レンズ保持枠30が設けられた第2レンズ保持枠40の表面40c上に、カバー部材26を取り付ける。このカバー部材26は、第2レンズ保持枠40の表面40cの外縁部に、カバー部材26の取付筒部26aの他方の端部を固定する。この固定は、接着によるものであってもよく、固定冶具を用いるものであってもよく、実施例1では図示を略すネジによるものとしている。その第2レンズ保持枠40の表面40cでは、そこに設けられた第1レンズ保持枠30、調整機構50および封止機構が、カバー部材26の内方に収容される。これにより、レンズ鏡胴10が形成される。このレンズ鏡胴10では、第1レンズ群11のうちの最も被写体側に設けられたレンズ(撮影光学系3における対物レンズ)のみがカバー部材26の蓋板部26bの撮影開口26cから露見している(図1および図2参照)。
【0050】
実施例1のレンズ鏡胴10(デジタルカメラ1)では、第2レンズ保持枠40から見て第1レンズ保持枠30が設けられる表面40c(第1面)側において、その第1レンズ保持枠30の裏面(フランジ部32の裏面32a)が接する3つの位置決め部41(その先端面41a)および第2レンズ群12(保持穴40a)を取り巻きつつ全周に渡り表面40cに取り付けられたシート部材25が、第1レンズ群11を取り囲む全周に渡り第1レンズ保持枠30に押し当てられており、その3つの位置決め部41が第2レンズ群12を取り囲んで設けられていることから、その第2レンズ群12と第1レンズ群11との間の隙間を全周に渡りシート部材25で封止する(封止機構により封止する)ことができるので、第2レンズ群12と第1レンズ群11との間に塵埃が入り込むことを防止することができる。
【0051】
また、レンズ鏡胴10では、第1レンズ群11を取り囲む全周に渡り撮影光軸OA方向でシート部材25を第1レンズ保持枠30に押し当てる構成であることから、調整機構50による第2レンズ保持枠40に対する第1レンズ保持枠30の撮影光軸OAに直交する方向での移動に拘らずシート部材25を第1レンズ保持枠30に押し当てた状態を維持することができるので、封止機構による封止状態を維持しつつ第2レンズ保持枠40に対する第1レンズ保持枠30の位置、すなわち第2レンズ保持枠40が保持する第2レンズ群12と第1レンズ保持枠30が保持する第1レンズ群11との互いの軸線を所定の位置関係とする(第2レンズ群12と第1レンズ群11との調芯(実施例1では撮影光軸OA上で一致させる))ことができる。
【0052】
さらに、レンズ鏡胴10では、第2レンズ保持枠40の3つの位置決め部41(その先端面41a)に第1レンズ保持枠30の裏面(フランジ部32の裏面32a)を接触させることにより、第2レンズ保持枠40に対する第1レンズ保持枠30の撮影光軸OA方向での位置、および第2レンズ保持枠40で規定される撮影光軸OAに対する第1レンズ保持枠30の傾斜(第2レンズ保持枠40に対する第1レンズ保持枠30の撮影光軸OAに関する位置関係)を規定するものであることから、調整機構50による第2レンズ群12と第1レンズ群11との調芯に拘らず第2レンズ群12(第2レンズ保持枠40)に対する第1レンズ群11(第1レンズ保持枠30)の撮影光軸OAに関する位置関係を所定の状態とすることができる。これは、以下のことによる。例えば、第2レンズ保持枠40に対する第1レンズ保持枠30の撮影光軸OAに関する位置関係を設定する場合、第2レンズ保持枠40の表面40cと第1レンズ保持枠30の裏面(フランジ部32の裏面32a)とを互いに高精度に撮影光軸OAに直交する平面とする加工を施して、その第2レンズ保持枠40の表面40cと第1レンズ保持枠30の裏面とを当てることが考えられる。ところが、例えば、いずれか一方の平面度が0.01であるものとして、それぞれの面の直径が10mmであるとしても、最大で[arcsin(0.01/10)=3.4分]の傾きが生じてしまうこととなる。このような傾きは極めて小さなものではあるが、撮影光学系3における調芯の精度としては問題となり得るものであるとともに上記した傾きが意図せず生じる可能性があることから、高精度に調芯する観点からは改善することが望ましい。これに対し、レンズ鏡胴10では、第2レンズ保持枠40の3つの位置決め部41(その先端面41a)に第1レンズ保持枠30の裏面(フランジ部32の裏面32a)を接触させるものであることから、上記したような平面加工の精度に起因して意図せぬ傾きが生じることを防止することができるので、調整機構50による第2レンズ群12と第1レンズ群11との調芯に拘らず第2レンズ群12(第2レンズ保持枠40)に対する第1レンズ群11(第1レンズ保持枠30)の撮影光軸OAに関する位置関係を所定の状態とすることができる。
【0053】
レンズ鏡胴10では、環状のシート部材25の外側縁部を全周に渡り第2レンズ保持枠40の表面40cに固定するとともに、その内側縁部を全周に渡り第1レンズ保持枠30に押し当てる構成であることから、周方向で見て押し当て力に偏りが生じることを防止することができるとともに、撮影光軸OA方向への部分的な変形に起因して第1レンズ保持枠30への押し当て状態が部分的に解除されることを防止することができる。このため、封止機構による封止状態をより確実に維持するこができる。
【0054】
レンズ鏡胴10では、環状のシート部材25を、全周に渡り第1レンズ保持枠30のフランジ部32の突出縁部分33(その突出端33a)に押し当てる構成であることから、環状のシート部材25の外側縁部の第1レンズ保持枠30への押し当て力を突出端33aに集約させることができるので、シート部材25を第1レンズ保持枠30に確実に押し当てることができ、シート部材25と第1レンズ保持枠30との間をより確実に封止することができる。
【0055】
レンズ鏡胴10では、環状のシート部材25を、全周に渡り第1レンズ保持枠30のフランジ部32の突出縁部分33(その突出端33a)に押し当てる構成であることから、第1レンズ保持枠30および第2レンズ保持枠40における光学的な観点からの設計自由度が低減することを防止しつつシート部材25を第1レンズ保持枠30に確実に押し当てることができる。
【0056】
レンズ鏡胴10では、環状のシート部材25の裏面25aの内側縁部を、全周に渡り第1レンズ保持枠30のフランジ部32の突出縁部分33(その突出端33a)に押し当てるものであって、そのシート部材25の内側縁部が全周に渡って第1レンズ保持枠30の突出縁部分33に沿いつつその突出端33aよりも内方に存在する形状であることから、シート部材25の裏面25aを突出縁部分33(突出端33a)に押し当てることができるので、シート部材25の角部が突出縁部分33(突出端33a)に擦られて欠損が生じることを防止することができる。特に、実施例1では、突出縁部分33の突出端33aが曲面状とされていることから、シート部材25の角部を擦すって欠損を生じさせることをより確実に防止することができる。
【0057】
レンズ鏡胴10では、環状のシート部材25の裏面25aの内側縁部を、全周に渡り撮影光軸OA方向で第2レンズ保持枠40の表面40cへ向けて第1レンズ保持枠30のフランジ部32の突出縁部分33(その突出端33a)に押し当てるものであることから、第1レンズ保持枠30の裏面(フランジ部32の裏面32a)を第2レンズ保持枠40の3つの位置決め部41(その先端面41a)に接する状態とすることを補助することができるので、より簡易な構成とすることができる。
【0058】
レンズ鏡胴10では、シート部材25の内側縁部が所定の押し当て力で突出縁部分33(突出端33a)に押し当てられており、その所定の押し当て力がシート部材25の裏面25aの内側縁部を全周に渡って第1レンズ保持枠30の突出縁部分33に確実に接触させることを可能とする力に設定されていることから、シート部材25と突出縁部分33との間をより確実に封止することができる。
【0059】
レンズ鏡胴10では、シート部材25の内側縁部が所定の押し当て力で突出縁部分33(突出端33a)に押し当てられており、その所定の押し当て力が第2レンズ群12を保持する第2レンズ保持枠40の重量よりも大きな力に設定されていることから、他の部材を用いることなく第1レンズ保持枠30の裏面(フランジ部32の裏面32a)を第2レンズ保持枠40の3つの位置決め部41(その先端面41a)に適切に接した状態を維持することができる。
【0060】
レンズ鏡胴10では、第2レンズ保持枠40の表面40cに、第2レンズ群12(保持穴40a)および3つの位置決め部41を撮影光軸OAを中心とする周方向で取り囲みつつ表面40cから撮影光軸OA方向に沿って突出する環状壁部44を形成し、その先端面44bに環状のシート部材25の裏面25aの外側縁部を全周に渡り固定していることから、3つの位置決め部41(その先端面41a)および第2レンズ群12(保持穴40a)を取り巻きつつ全周に渡りシート部材25を表面40cに取り付けることを容易なものとすることができる。
【0061】
レンズ鏡胴10では、第2レンズ保持枠40の環状壁部44に両台座部42の外周面に沿って湾曲する2つの湾曲箇所44aが設けられるとともに、それに対応して第1レンズ保持枠30の突出縁部分33(フランジ部32)に2つの湾曲箇所33b(切欠箇所32c)が設けられ、かつシート部材25に2つの切欠箇所25cが設けられていることから、第2レンズ保持枠40の表面40c上において調整機構50としての2つの偏芯カム51を配置するために両台座部42を設けることによる大型化を防止しつつ第2レンズ群12と第1レンズ群11との間の隙間を全周に渡りシート部材25で覆う(封止機構により封止する)ことができる。
【0062】
レンズ鏡胴10では、シート部材25が第1レンズ保持枠30の突出縁部分33(その突出端33a)と相対的に滑ることを可能とする部材(実施例1ではPETフィルム)で形成されていることから、調整機構50による第2レンズ保持枠40に対する第1レンズ保持枠30の撮影光軸OAに直交する方向での移動に拘らずシート部材25を第1レンズ保持枠30に押し当てた状態をより確実に維持することができるとともに、調整機構50による第2レンズ保持枠40に対する第1レンズ保持枠30の撮影光軸OAに直交する方向での移動を阻害することを防止することができる。
【0063】
レンズ鏡胴10では、調整機構50が、第2レンズ保持枠40の表面40cとの間に封止機構を介在させて設けられていることから、封止機構による封止機能を阻害することなく第2レンズ保持枠40に対する第1レンズ保持枠30の位置を高精度に調整することを可能とすることができる。
【0064】
レンズ鏡胴10では、調整機構50が、表面40cの両台座部42に設けられた2つの偏芯カム51と、表面40cの取付突起部45に設けられた径方向弾性部材52と、を撮影光軸OAに直交する面に沿って設けて構成されていることから、封止機構から見て第2レンズ保持枠40とは反対側(実施例1では、封止機構から見て被写体側)の空間だけを利用して設けることができるとともに、撮影光軸OA方向での大きさ寸法の増大を防止することができる。
【0065】
レンズ鏡胴10では、第2レンズ保持枠40の表面40cに設けられた第1レンズ保持枠30、調整機構50および封止機構を内方に収容させて、その表面40c(第2レンズ保持枠40)にカバー部材26を取り付けることから、調整機構50により調芯した状態に影響が及ぶことを防止することができる。
【0066】
したがって、実施例1のレンズ鏡胴10では、高精度な調芯を可能としつつ塵埃が入り込むことを防止することができる。
【実施例2】
【0067】
次に、実施例2のレンズ鏡胴10Bについて、図11を用いて説明する。この実施例2は、レンズ鏡胴10Bの構成が上記した実施例のレンズ鏡胴10(デジタルカメラ1)とは異なる例である。この実施例2のレンズ鏡胴10B(デジタルカメラ1)は、基本的な構成は上記した実施例1のレンズ鏡胴10(デジタルカメラ1)と同様であることから、等しい構成の個所には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。図11は、レンズ鏡胴10Bにおける第2レンズ保持枠40よりも被写体側を拡大しつつ模式的な断面で示す説明図である。
【0068】
実施例2のレンズ鏡胴10Bでは、図11に示すように、カバー部材26と第1レンズ保持枠30との間に、3つの軸方向弾性部材53(図11では1つのみを図示)が設けられている。この各軸方向弾性部材53は、撮影光軸OA方向に沿って第1レンズ保持枠30を第2レンズ保持枠40(その表面40c)に向けて押すものであり、撮影光軸OAを中心とする回転方向で見て互いに等しい間隔で設けられている。各軸方向弾性部材53は、実施例2では、一端53aがカバー部材26の蓋板部26bに取り付けられ、他端53bが第1レンズ保持枠30のフランジ部32における突出縁部分33よりも内側に取り付けられて設けられており、その一端53aと他端53bとを互いに離間させる方向へと力を作用させる。この各軸方向弾性部材53は、実施例2では、コイルスプリングが用いられている。
【0069】
これに伴い、シート部材25では、裏面25aの内側縁部の第1レンズ保持枠30の突出縁部分33への全周に渡る所定の押し当て力を、シート部材25の裏面25aの内側縁部を全周に渡って第1レンズ保持枠30の突出縁部分33に確実に接触させることを可能とする力に設定しており、実施例1よりも小さなものとしている。
【0070】
実施例2のレンズ鏡胴10B(デジタルカメラ1)では、基本的に実施例1のレンズ鏡胴10(デジタルカメラ1)と同様の構成であることから、基本的に実施例1と同様の効果を得ることができる。
【0071】
それに加えて、実施例2のレンズ鏡胴10B(デジタルカメラ1)では、実施例1の構成に比較して、シート部材25の裏面25aの内側縁部を第1レンズ保持枠30の突出縁部分33(その突出端33a)へと押し当てる力を低減することができるので、調整機構50による第2レンズ保持枠40に対する第1レンズ保持枠30の撮影光軸OAに直交する方向での移動の際に裏面25aと突出縁部分33(突出端33a)との間に作用する摩擦力を低減することができ、調芯作業を容易なものとすることができる。
【0072】
したがって、実施例2のレンズ鏡胴10Bでは、高精度な調芯を可能としつつ塵埃が入り込むことを防止することができる。
【0073】
なお、上記した実施例2では、封止機構が実施例1と同様の構成とされていたが、3つの軸方向弾性部材53により第1レンズ保持枠30を第2レンズ保持枠40(その表面40c)に向けて押していることから、図12に示すように、第1レンズ保持枠30のフランジ部32の裏面32aに突出縁部分33Bを設けるとともに、フランジ部32(その裏面32a)と第2レンズ保持枠40(その表面40c)との間で撮影光軸OA方向の像面側からシート部材25を突出縁部分33B(その突出端33a)に押し当てる構成であってもよく、実施例2に限定されるものではない。
【実施例3】
【0074】
次に、実施例3のレンズ鏡胴10Cについて、図13および図14を用いて説明する。この実施例3は、レンズ鏡胴10Cの構成が上記した実施例1および実施例2のレンズ鏡胴10、10B(デジタルカメラ1)とは異なる例である。この実施例3のレンズ鏡胴10C(デジタルカメラ1)は、基本的な構成は上記した実施例1のレンズ鏡胴10(デジタルカメラ1)と同様であることから、等しい構成の個所には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。図13は、レンズ鏡胴10Cを被写体側から見た図3と同様の説明図であり、図14は、レンズ鏡胴10Cの構成を図13のII−II線に沿って得られて断面で示す説明図である。なお、図13では、理解容易のために、被覆板28を省略して示している。また、図14では、図2と同様に、理解容易のために、2つの位置決め部41(その先端面41a)に第1レンズ保持枠30が接触している様子を図示しているが、実際の構成と必ずしも一致するものではない。
【0075】
実施例3のレンズ鏡胴10Cでは、図13および図14に示すように、第3レンズ保持枠21Cが、第2レンズ保持枠40Cを内方に収容することを可能とする構成とされている。この第3レンズ保持枠21Cでは、鍔部21bの前方側(物体側)が段付きの筒部21dとされており、その小径箇所でシャッタ/絞りユニット15を収容保持し、大径箇所で第2レンズ保持枠40Cを収容保持している。
【0076】
その第2レンズ保持枠40Cでは、実施例1の第2レンズ保持枠40の構成に加えて、3つのボス部46が設けられている。この各ボス部46は、表面40c側において、後述するカバー部材26Cの撮影光軸OA方向での位置を規定しつつ取り付ける箇所を形成するものである。各ボス部46は、環状壁部44を、撮影光軸OAを中心とする回転方向で取り巻いて設けられており、実施例3では、当該回転方向で見て互いに等しい間隔でかつ径方向で見て等しい距離で配置されている(図13参照)。各ボス部46は、表面40cから撮影光軸OA方向に沿って突出された円柱状を呈し、表面40cからの高さ寸法が互いに等しいものとされている。このため、3つのボス部46の先端面46aは、撮影光軸OAから互いに等しい径方向位置であって、撮影光軸OA方向で互いに等しい高さ位置に存在している。また、各ボス部46には、先端面46aから撮影光軸OAに沿って形成されたネジ穴46bが設けられている。また、実施例3のレンズ鏡胴10Cでは、実施例2のレンズ鏡胴10Bと同様の3つの軸方向弾性部材53が設けられる。これに伴い、シート部材25は、裏面25aの内側縁部の第1レンズ保持枠30の突出縁部分33への全周に渡る所定の押し当て力を、実施例2と同様の設定としている。
【0077】
レンズ鏡胴10Cでは、第3レンズ保持枠21Cの筒部21dの大径箇所の内方であって、調整機構50および第1レンズ保持枠30よりも被写体側にカバー部材26Cが取り付けられる。このカバー部材26Cは、第3レンズ保持枠21Cの筒部21dの大径箇所の内方に嵌め込むことのできる外径寸法の円板状を呈する。カバー部材26Cには、撮影開口26cに加えて、3つの調整穴26dと3つの取付穴26eとが設けられている。
【0078】
その各調整穴26dは、調整機構50における撮影光軸OAに直交する方向での第2レンズ保持枠40Cに対する第1レンズ保持枠30の位置調整のための操作を可能とするものであり、カバー部材26Cを撮影光軸OA方向に貫通して形成されている。3つの調整穴26dは、実施例3では、撮影光軸OAを中心として湾曲された形状(弧状)を呈し、そのうちの2つが調整機構50の2つの偏芯カム51の回転操作を可能とすべくその各偏芯カム51を被写体側に露見させ、残りの1つが軸方向弾性部材53を被写体側に露見させている。
【0079】
また、各取付穴26eは、カバー部材26Cを第2レンズ保持枠40Cに取り付ける箇所を形成するものであり、カバー部材26Cを撮影光軸OA方向に貫通して形成されている。この各取付穴26eは、後述するネジ部材27を受け入れることを可能として形成されており、被写体側が大径部分26fとされ、像面側(第2レンズ保持枠40C側)が小径部分26gとされている。
【0080】
その各取付穴26eには、ネジ部材27が挿入される。そのネジ部材27は、頭部27aとネジ部27bとを有する。その頭部27aは、取付穴26eの大径部分26fに挿入可能であって、小径部分26gに挿入することのできない径寸法とされている。頭部27aには、実施例3では、十字穴27cが設けられている。この十字穴27cは、ネジ部材27における締め付け操作およびその解除操作を行うためのものである。なお、実施例3では、頭部27aに十字穴27cを設けているが、ネジ部材27における締め付け操作およびその解除操作を可能とするものであればよく、実施例3の構成に限定されるものではない。ネジ部27bは、小径部分26gに挿入することのできる径寸法の棒状を呈し、外周面にネジ溝が設けられている。このネジ部27bは、第2レンズ保持枠40Cに設けられたボス部46のネジ穴46bに噛み合わせることが可能とされている。
【0081】
また、レンズ鏡胴10Cでは、第3レンズ保持枠21Cの筒部21dの大径箇所の内方であって、カバー部材26Cの被写体側に被覆板28(図14参照)が取り付けられる。この被覆板28は、第3レンズ保持枠21Cの筒部21dの大径箇所の内方に嵌め込むことのできる外径寸法の円板状を呈する。被覆板28には、カバー部材26Cの撮影開口26cに適合する位置に、撮影開口28aが設けられている。この被覆板28は、実施例3では、銘版を用いている。
【0082】
レンズ鏡胴10Cでは、以下のように、第1レンズ保持枠30、シート部材25、調整機構50、カバー部材26Cおよび被覆板28が設けられる。
【0083】
先ず、第3レンズ保持枠21Cの筒部21dの大径箇所の内方に、第2レンズ保持枠40Cを取り付ける。その第2レンズ保持枠40Cは、筒部21dにおける小径箇所と大径箇所との内径寸法の際により形成される段差箇所に宛がわせて筒部21dに取り付ける。その第2レンズ保持枠40C(その表面40c)に対する第1レンズ保持枠30、シート部材25および調整機構50の設置は、実施例1のレンズ鏡胴10と同様である。その後、レンズ鏡胴10Cでは、調整機構50による調芯操作を行う前に、カバー部材26Cを取り付ける。
【0084】
そのカバー部材26Cは、3つの取付穴26eを第2レンズ保持枠40Cの表面40cに設けられた3つのボス部46に対向させて、その先端面46aに押し当てられる。このとき、カバー部材26Cには軸方向弾性部材53の一端53aが分離可能に取り付けられ、その他端53bが第1レンズ保持枠30のフランジ部32における突出縁部分33よりも内側に宛がわれる。その状態において、各取付穴26eにネジ部材27を挿入し、そのネジ部27bをボス部46のネジ穴46bに噛み合わせる。
【0085】
これにより、レンズ鏡胴10Cでは、図13に示すように、被写体側から見ると、第3レンズ保持枠21Cの筒部21dの内方にカバー部材26Cが嵌め込まれているとともに、その3つの調整穴26dのうちの2つから調整機構50の2つの偏芯カム51が露見され、残りの1つから軸方向弾性部材53が露見されている。この状態において、各調整穴26dを介して2つの偏芯カム51を取付軸部43回りに適宜回転させることにより、撮影光軸OAに直交する方向で見て、第2レンズ保持枠40Cに対する第1レンズ保持枠30の位置、すなわち第2レンズ保持枠40が保持する第2レンズ群12と第1レンズ保持枠30が保持する第1レンズ群11との互いの軸線を所定の位置関係として調芯する。実施例3では、第2レンズ群12と第1レンズ群11との互いの軸線を撮影光軸OA上で一致させる。この両偏芯カム51の回転操作は、作業者の手によるものであってもよく、作業者が冶具を用いて行うものであってもよく、図示は略すが調整装置を用いるものであってもよい。
【0086】
この後、図示は略すが3つの調整穴26dから、接着剤により2つの偏芯カム51と第1レンズ保持枠30と第2レンズ保持枠40Cとを固定する。その後、3つの調整穴26dから3つの軸方向弾性部材53を取り外す。このため、各調整穴26dは、2つの偏芯カム51と第1レンズ保持枠30と第2レンズ保持枠40Cとを固定するための固定作業穴としての機能と、各軸方向弾性部材53を取り外すための取外作業穴としての機能と、を併せ持っている。
【0087】
その後、カバー部材26Cの被写体側から、そのカバー部材26Cに被覆板28を接着剤で取り付ける(図14参照)。これにより、レンズ鏡胴10Cが形成される。このレンズ鏡胴10Cでは、第1レンズ群11のうちの最も被写体側に設けられたレンズ(撮影光学系3における対物レンズ)のみが被覆板28の撮影開口28aから露見している(図14参照)。
【0088】
実施例3のレンズ鏡胴10C(デジタルカメラ1)では、基本的に実施例1のレンズ鏡胴10(デジタルカメラ1)と同様の構成であることから、基本的に実施例1と同様の効果を得ることができる。
【0089】
それに加えて、実施例3のレンズ鏡胴10C(デジタルカメラ1)では、カバー部材26Cを第2レンズ保持枠40Cに取り付けた後に、調整機構50による調芯操作が可能であることから、カバー部材26Cを取り付けることに伴う調芯精度に影響を及ぼすような第2レンズ保持枠40C等に不測の応力が作用することを確実に防止することができるので、より高精度な調芯を行うことができる。
【0090】
また、レンズ鏡胴10Cでは、カバー部材26Cに被覆板28を取り付けることから、カバー部材26Cの各調整穴26dや各取付穴26e(ネジ部材27)を覆い隠すことができるので、外観品質を向上させることができる。特に、実施例3では、被覆板28として一般に設けられる銘版を用いていることから、被覆板28を設けることにより違和感を与えることを防止することができるとともに、被覆板28を設けることによるコストの増加を防止することができる。
【0091】
さらに、レンズ鏡胴10Cでは、調整機構50による調芯を行い、その状態で接着剤により2つの偏芯カム51と第1レンズ保持枠30と第2レンズ保持枠40Cとを固定した後に3つの調整穴26dから3つの軸方向弾性部材53を取り外すので、内部での負荷を低減することができるとともに、軽量化を図ることができる。
【0092】
レンズ鏡胴10Cでは、実施例1の構成に比較して、シート部材25の裏面25aの内側縁部を第1レンズ保持枠30の突出縁部分33(その突出端33a)へと押し当てる力を低減することができるので、調整機構50により第2レンズ保持枠40Cに対する第1レンズ保持枠30の撮影光軸OAに直交する方向での移動の際に裏面25aと突出縁部分33(突出端33a)との間に作用する摩擦力を低減することができ、調芯作業を容易なものとすることができる。
【0093】
したがって、実施例3のレンズ鏡胴10Cでは、高精度な調芯を可能としつつ塵埃が入り込むことを防止することができる。
【0094】
なお、上記した実施例3では、封止機構が実施例1と同様の構成とされていたが、3つの軸方向弾性部材53により第1レンズ保持枠30を第2レンズ保持枠40C(その表面40c)に向けて押していることから、実施例2の図12に示す突出縁部分33Bを有する構成としてもよく、実施例3に限定されるものではない。
【0095】
また、実施例3では、調芯状態を固定した後に3つの軸方向弾性部材53を取り外すものとしていたが、取り外さないものであってもよく、実施例3に限定されるものではない。
【0096】
なお、上記した各実施例では、本発明に係るレンズ鏡胴の一例としてのレンズ鏡胴10、10B、10Cについて説明したが、1枚以上のレンズからなる第1のレンズ群と、該第1のレンズ群をその光軸を中心とする回転方向で取り巻いて保持する第1のレンズ保持部材と、前記第1のレンズ群と並列され1枚以上のレンズからなる第2のレンズ群と、該第2のレンズ群をその光軸を中心とする回転方向で取り巻いて撮影光軸上で保持する第2のレンズ保持部材と、該第2のレンズ保持部材から見て前記第1のレンズ群側に設けられ前記撮影光軸に直交する方向での前記第2のレンズ保持部材に対する前記第1のレンズ保持部材の位置の調整を可能とする調整機構と、を備えるレンズ鏡胴であって、前記第2のレンズ保持部材には、前記第1のレンズ群側の第1面に、前記第2のレンズ群を取り巻く位置において前記撮影光軸方向で前記第1のレンズ保持部材に接する少なくとも3つの位置決め部と、前記撮影光軸に直交する面上で見て3つの前記位置決め部を取り囲む全周に渡り前記第1面に取り付けられたシート部材と、が設けられ、該シート部材は、前記撮影光軸方向で見て前記調整機構と前記第1面との間において、前記第1のレンズ群を取り囲む全周に渡り前記撮影光軸方向で前記第1のレンズ保持部材に押し当てられているレンズ鏡胴であればよく、上記した各実施例に限定されるものではない。
【0097】
また、上記した各実施例では、撮影光学系3が4群構成とされているとともに、その第1レンズ群11を第1のレンズ群とし、第1レンズ保持枠30を第1のレンズ保持部材とし、第2レンズ群12を第2のレンズ群とし、第2レンズ保持枠40を第2のレンズ保持部材としていたが、第2のレンズ群を保持する第2のレンズ保持部材に対して、撮影光軸OAに直交される方向で第1のレンズ群を保持する第1のレンズ保持部材が移動可能とされているものであれば、他の構成の撮影光学系であってもよくかついずれのレンズ群およびレンズ保持部材(レンズ保持枠)に適用するものであってもよく、上記した各実施例に限定されるものではない。ここで、実施例3のカバー部材26Cのように調整穴26dを設ける構成とする場合、各実施例のように撮影光学系において最も被写体側に配置される対物レンズを含むレンズ群を第1のレンズ群とすると、調整穴26dを設けたことによるカバー部材26Cを組み付けた後での調芯作業等の実行を可能とすることを、より効果的なものとすることができる。
【0098】
さらに、上記した各実施例では、シート部材25の裏面25aの外側縁部を環状壁部44の先端面44bに固定していたが、撮影光軸OAに直交する面上で見て3つの位置決め部41を取り囲む全周に渡り第2のレンズ保持部材の第1面(第2レンズ保持枠40の表面40c)に取り付けられていればよく、上記した各実施例に限定されるものではない。
【0099】
上記した各実施例では、シート部材25の裏面25aの内側縁部を第1レンズ保持枠30のフランジ部32の突出縁部分33の突出端33aに押し当てていたが、撮影光軸OA方向で見て調整機構50と第2のレンズ保持部材の第1面(第2レンズ保持枠40の表面40c)との間において、第1のレンズ群(第1レンズ群11)を取り囲む全周に渡り撮影光軸OA方向で第1のレンズ保持部材(第1レンズ保持枠30)に押し当てられていればよく、上記した各実施例に限定されるものではない。
【0100】
上記した各実施例では、調整機構50において、径方向弾性部材52が第1レンズ保持枠30(その保持筒部31の外周面31b)を両偏芯カム51(その外周面51b)へ向けて押す構成とされていたが、第1のレンズ保持部材(第1レンズ保持枠30)の外周面(外周面31b)を両偏芯カム51の外周面51bに押し当てるべく、第2のレンズ保持部材(第2レンズ保持枠40)に対して第1のレンズ保持部材を撮影光軸OAに直交する方向へ向けて押す力を当該第1のレンズ保持部材に付与するものであれば、例えば、第1のレンズ保持部材を両偏芯カム51側へ向けて引っ張るものであってもよく、上記した各実施例に限定されるものではない。
【0101】
上記した実施例1および実施例2では、調芯作業およびその調芯状態での固定作業を行った後にカバー部材26を取り付ける構成とされていたが、実施例3のカバー部材26Cのように蓋板部26b調整穴26dを設ける構成のカバー部材を用いて、そのカバー部材を取り付けた後に調芯作業およびその調芯状態での固定作業を行うものとしてもよく、上記した実施例1および実施例2に限定されるものではない。このような構成とする場合、外観品質の向上の観点から、実施例3の被覆板28のような被覆板を取り付けることが望ましい。
【0102】
上記した各実施例では、調整機構50において、偏芯カム51が螺旋状の外周面51bを有する構成とされていたが、軸穴51a(その軸線)を基準とする外周面51bまでの間隔が軸穴51a(軸線)を中心とする回転方向で見た位置に応じて漸次変化するものであれば、例えば、円形状の外周面を有する円板部材であって中心から偏った位置に回転軸(軸穴)が設けられているものであってもよく、上記した各実施例に限定されるものではない。
【0103】
上記した実施例2および実施例3では、カバー部材26(26C)と第2レンズ保持枠40(40C)との間にそれらとは別部材である軸方向弾性部材53が設けられていたが、その軸方向弾性部材は、撮影光軸OA方向に沿って第1のレンズ保持部材(第1レンズ保持枠30)を第2のレンズ保持部材の第1面(第2レンズ保持枠40の表面40c)に向けて押すものであれば、いずれか一方に一体的に構成されていてもよく、上記した実施例2および実施例3に限定されるものではない。
【0104】
上記した各実施例では、デジタルカメラ1にレンズ鏡胴10が搭載されていたが、カメラ機能を組み込んだPDA(personal data assistant)や携帯電話機等の携帯型情報端末装置に搭載されていてもよく、上記した各実施例に限定されるものではない。これは、このような携帯型情報端末装置も外観は若干異にするもののデジタルカメラ1と実質的に全く同様の機能・構成を含んでいるものが多いことによる。同様に、本発明に係るレンズ鏡胴10を画像入力装置に採用してもよい。
【0105】
以上、本発明のレンズ鏡胴およびそれを用いた撮像装置を各実施例に基づき説明してきたが、具体的な構成については各実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
【符号の説明】
【0106】
1 (撮像装置の一例としての)デジタルカメラ
10、10B、10C レンズ鏡胴
11 (第1のレンズ群の一例としての)第1レンズ群
12 (第2のレンズ群の一例としての)第2レンズ群
25 シート部材
26、26C カバー部材
26c 撮影開口
26d 調整穴
28 被覆板
30 (第1のレンズ保持部材の一例としての)第1レンズ保持枠
31b (第1のレンズ保持部材の外周面一例としての)外周面
32 フランジ部
33、33B 突出縁部分
40、40C (第2のレンズ保持部材の一例としての)第2レンズ保持枠
40c (第1面の一例としての)表面
41 位置決め部
44 環状壁部
50 調整機構
51 偏芯カム
51b 外周面
52 径方向弾性部材
53 軸方向弾性部材
OA 撮影光軸
【先行技術文献】
【特許文献】
【0107】
【特許文献1】特開2007−139947号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1枚以上のレンズからなる第1のレンズ群と、該第1のレンズ群をその光軸を中心とする回転方向で取り巻いて保持する第1のレンズ保持部材と、前記第1のレンズ群と並列され1枚以上のレンズからなる第2のレンズ群と、該第2のレンズ群をその光軸を中心とする回転方向で取り巻いて撮影光軸上で保持する第2のレンズ保持部材と、該第2のレンズ保持部材から見て前記第1のレンズ群側に設けられ前記撮影光軸に直交する方向での前記第2のレンズ保持部材に対する前記第1のレンズ保持部材の位置の調整を可能とする調整機構と、を備えるレンズ鏡胴であって、
前記第2のレンズ保持部材には、前記第1のレンズ群側の第1面に、前記第2のレンズ群を取り巻く位置において前記撮影光軸方向で前記第1のレンズ保持部材に接する少なくとも3つの位置決め部と、前記撮影光軸に直交する面上で見て3つの前記位置決め部を取り囲む全周に渡り前記第1面に取り付けられたシート部材と、が設けられ、
該シート部材は、前記撮影光軸方向で見て前記調整機構と前記第1面との間において、前記第1のレンズ群を取り囲む全周に渡り前記撮影光軸方向で前記第1のレンズ保持部材に押し当てられていることを特徴とするレンズ鏡胴。
【請求項2】
前記シート部材は、前記撮影光軸に直交する方向で見て、外側となる外側縁部が前記第1面に取り付けられ、かつ内側となる内側縁部が前記第1のレンズ保持部材に押し当てられていることを特徴とする請求項1に記載のレンズ鏡胴。
【請求項3】
前記第1のレンズ保持部材の外周面には、全周に渡り前記撮影光軸に直交する方向へ突出するフランジ部が設けられ、
該フランジ部には、外縁において、全周に渡り前記撮影光軸方向へと突出する突出縁部分が設けられ、
前記シート部材は、前記突出縁部分に押し当てられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のレンズ鏡胴。
【請求項4】
前記突出縁部分は、前記撮影光軸方向で見て前記調整機構側へ向けて突出され、
前記シート部材は、前記撮影光軸方向で見て前記第1面側へ向けて前記突出縁部分に押し当てられていることを特徴とする請求項3に記載のレンズ鏡胴。
【請求項5】
前記シート部材は、前記第2のレンズ群と前記第2のレンズ保持部材との重量よりも大きな力で、前記突出縁部分に押し当てられていることを特徴とする請求項4に記載のレンズ鏡胴。
【請求項6】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のレンズ鏡胴であって、
さらに、前記撮影光軸を含む撮影開口が設けられた環状を呈し、前記撮影光軸方向で見て前記調整機構および前記第1のレンズ保持部材を介在させつつ前記第2のレンズ保持部材に固定されたカバー部材と、
該カバー部材と前記第1のレンズ保持部材との間に設けられ、前記撮影光軸方向に沿って前記第1のレンズ保持部材を前記位置決め部へ向けて押す軸方向弾性部材と、を備えることを特徴とするレンズ鏡胴。
【請求項7】
前記第1のレンズ群は、最も被写体側に配置される対物レンズを含み、
前記カバー部材には、前記第2のレンズ保持部材に対する前記第1のレンズ保持部材の位置を調整すべく被写体側から前記調整機構への接触を可能とする調整穴が設けられていることを特徴とする請求項6に記載のレンズ鏡胴。
【請求項8】
前記カバー部材には、前記調整穴を覆う被覆板が被写体側に取り付けられていることを特徴とする請求項7に記載のレンズ鏡胴。
【請求項9】
前記軸方向弾性部材は、前記調整機構による前記第2のレンズ保持部材に対する前記第1のレンズ保持部材の位置を調整した後に、前記調整穴を介して取り外すことが可能であることを特徴とする請求項7または請求項8に記載のレンズ鏡胴。
【請求項10】
前記調整機構は、前記撮影光軸に沿う回転中心に対する外周面の位置が回転方向で漸次変化する2つの偏芯カムと、該各偏芯カムの外周面に前記第1のレンズ保持部材の外周面を押し当てるべく該第1のレンズ保持部材に前記撮影光軸に直交する方向の力を付与する径方向弾性部材と、を有することを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のレンズ鏡胴。
【請求項11】
請求項1から請求項10のいずれか1項に記載のレンズ鏡胴を用いることを特徴とする撮像装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−61513(P2013−61513A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−200231(P2011−200231)
【出願日】平成23年9月14日(2011.9.14)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】