説明

レーザによるダイヤモンド切削工具とその製造方法

【課題】ダイヤモンド切削工具に取り付けられるダイヤモンドチップの長寿命化を図る。
【解決手段】ダイヤモンドバイトなどのダイヤモンド切削工具の先端に取り付けられるダイヤモンドチップの形状成形後にチップの加工物との接触面に超短パルスレーザ光を照射して5nmないし3000nmの周期構造の微細凹凸面を形成する。チップと接触面の摩擦抵抗が軽減されるので、切削時の抵抗が少なくなるので、チップの長寿命化が図れる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、先端にダイヤモンド刃先を有するダイヤモンド切削工具、特にダイヤモンドバイト、ダイヤモンドローラーカッター、およびミクロトーム、並びにダイヤモンド切削工具の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
切削工具にダイヤモンドを用い超精密加工を行うことは光ビームスキャナ用ポリゴンミラー、コピー機用のコピードラム、メモリディスクのアルミニウム基盤、赤外線レーザ共振器や集光反射鏡など、超精密切削面が光学反射に必要な装置や精密成膜用に実用化されている。また、ダイヤモンドバイトは、金型の仕上げ加工、あるいは金属表面の装飾加工に多く用いられる重要な工具である。さらに、ダイヤモンドの刃先はミクロトームとしての用途もある。
【0003】
ダイヤモンド切削工具はアルミニウム他、銅などが被削材となる。また、ダイヤモンド刃先の磨耗の進行が速いので通常環境下では実用に耐えないが、摩耗の進行が抑えられるよう特殊ガス内の雰囲気内では鉄系材料の加工にも用いられる。ミクロトームの切断対象は有機物の場合が多い。
【0004】
ダイヤモンド切削工具を量産製品の製造工程に用いるには刃先の寿命が長いこと、切削性能が安定なことが求められる。ダイヤモンドは硬度が最も高い材料であるが、温度が大気中において873K(600℃)以上の温度で容易に炭化するので、切削時に被削材との摩擦などでこのような高温領域にならないようにする必要がある。
【0005】
ダイヤモンド切削工具の刃先は「研磨」により仕上げられている。研磨仕上げ加工のため、刃先を形成する面が平滑な鏡面となっている。そのため、被削材の切りくず等の滑りが悪く、加工時の抵抗となる。加工時の抵抗により、高速加工すると温度上昇が起きるため、加工速度を抑えざるをえない。また、加工時の抵抗はダイヤモンドバイトの破損要因の一つでもある。一方ミクロトームの場合、刃先の研磨面が平滑な鏡面ではせっかく切り出した切片を剥がしにくい場合もある。
【0006】
一方、超短パルスのレーザ技術の進展につれて金属、シリコンなどの材料に微細な周期構造を形成し、工業用途に用いることが開発されつつある。
【0007】
【特許文献1】特開2003―25118号公報
【特許文献2】特開2003−57422号公報
【特許文献3】特開2003−334683号公報
【特許文献4】特開2004−360011号公報
【特許文献5】特開2004−360012号公報
【特許文献6】特開2006−212646号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明で解決しようとする課題は、ダイヤモンド切削工具による加工速度の向上と耐久性向上のため、摩擦の低減を図り、ダイヤモンド表面から切削切りくずの剥離を容易にし、切削加工面の鏡面性能向上を図り、切りくずの処理を容易にし、ダイヤモンドチップによる加工部の切れ味を向上する点にある。
【0009】
摩擦を低減出来れば、従来使用できなかったすくい角、逃げ角となる使用状況での設計が可能となり、刃先角度の設計の自由度が増大する。ダイヤモンドバイトのみならずミクロトーム用のダイヤモンドナイフでも同様である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、ダイヤモンド切削工具におけるダイヤモンドチップに超短パルスで作成される微細な周期構造を適用し、超精密加工におけるダイヤモンドチップの耐久性と加工効率の向上、長寿命化を図るものである。
【0011】
本発明は、前記課題を解決するために、加工物と接触して切削するダイヤモンド刃先を備えたダイヤモンド切削工具において、前記加工物と接触する前記ダイヤモンド刃先の少なくとも1の接触面または稜線部分に周期構造の縞状微細凹凸面を有することを特徴とする。
【0012】
また、前記縞状微細凹凸面の周期は5nmないし3000nmであることを特徴とする。
【0013】
また、前記ダイヤモンド刃先は形状が円弧刃形、直線刃形または三角刃形のダイヤモンドチップであることを特徴とする。また、前記ダイヤモンド刃先は形状が楕円刃形、放物線刃形または双曲線刃形のダイヤモンドチップであることを特徴とする。
【0014】
また、前記ダイヤモンドチップのすくい面、逃げ面及び逃げ面とすくい面の交差する刃稜線の表面に前記周期構造の縞状微細凹凸面を有することを特徴とする。
【0015】
また、前記ダイヤモンド切削工具はダイヤモンドローラーカッターであり、前記ダイヤモンド刃先は、そろばん玉の形状を有し、前記加工物と接触する稜線部分に前記周期構造の縞状微細凹凸面を有することを特徴とする。
【0016】
さらに、前記ダイヤモンド刃先はミクロトームであって、刃先の稜線、前記稜線を形成する傾斜面及び前記傾斜面に挟まれた斜面に前記周期構造の縞状微細凹凸面を有することを特徴とする。
【0017】
一方、本発明は、加工物と接触して切削するダイヤモンド刃先を備えたダイヤモンド切削工具の製造方法において、前記刃先の形状成形工程後に、前記刃先の少なくとも1の加工物との接触面にレーザ光を照射して周期構造の縞状微細凹凸面を形成するステップを有することを特徴とする。
【0018】
また、前記レーザ光は、フェムト秒レーザパルスの照射による光干渉による強弱の周期的パワー分布を有するレーザ光であることを特徴とする。また、前記レーザ光は、パルス幅を10fsないし2000fsとするレーザパルスの照射による光干渉による強弱の周期的パワー分布を有するレーザ光であることを特徴とする。
【0019】
また、前記周期構造の縞状微細凹凸面の周期が5nmないし3000nmであることを特徴とする。
【0020】
また、前記レーザ光の波長帯域が近赤外域から紫外域の波長スペクトルにあるレーザ光によるものであることを特徴とする。また、前記レーザ光の波長が100nmないし2000nmであるレーザ光によるものであることを特徴とする。また、前記レーザ光は、固体レーザ光であることを特徴とする。
【0021】
さらに、前記レーザ光が球面レンズ、非球面レンズ、シリンドリカルレンズ及び反射ミラー、またはこれらの組み合わせから構成される集光光学系を通過したレーザ光であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
ダイヤモンド工具等におけるダイヤモンド刃先の表面に微細な凹凸を形成したことにより、切削物とダイヤモンド刃先の表面の密着性から生じるすくい面や逃げ面の接触摩擦抵抗の低減が図れ、特に切削物が鉄系統である場合においてはダイヤモンドとの化学的相互反応が低減でき、刃先の長寿命化が図れる。
【0023】
また、切削や切り込み加工で発生する切削切りくずの工具表面からの剥離を容易化し、加工面からの加工物のはがれ現象を低減し、切り込みに要する加工物に向けた工具の印加力を低減する。したがって、刃先と加工物間に発生する加工発熱を低減して刃先温度上昇を低減する。このことは切削工具のダイヤモンド刃先の磨耗の低減により長寿命化に結びつく。そろばん玉形状の刃を用いたダイヤモンドローラーカッターにおいても切り込みに要する印加力を低減でき、切り込み線の周囲にクラックの発生を防止でき、切断部の表面仕上がり性状を改善できる。ミクロトームにおいては切断面と工具刃面との摩擦低減が図れ、高精度の微細加工が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
図1は本発明によるダイヤモンドバイト100を示す。(a)は平面図、(b)は側面図である。ダイヤモンドチップ1がダイヤモンドバイト100のシャンク2に直接ろう付け(合金化する接合)される。ダイヤモンドチップ1は、刃先部4並びに刃先面5及び6を有する。
【0025】
図1(c)はダイヤモンドチップ1が加工物10の切削に用いられているところである。バイトシャンク(図示されず)を切削機(図示なし)に搭載し、加工物10にダイヤモンド刃先部4を押し当て、刃先部4を加工物10から相対的に矢印14方向に動かす。加工物10の表面から切削厚さ11でダイヤモンドチップ1の刃先のすくい面7(図1(b)の刃先面5に相当)に沿って加工物10を切削剥離し、切削剥離した加工物が切削くず12となって矢印13方向に加工物10から分離される。刃先部4の丸み部分8(刃先とはいえども拡大するとミクロンオーダーの曲率半径を有する)を通過した加工物10はバニッシング部である逃げ面9(図1(b)の刃先面6に相当)に沿ってダイヤモンドチップ1の進行方向14に対して後方に送られ加工面15が形成される。
【0026】
ダイヤモンド刃先の形状には、円弧状、直線状、三角状及びそろばん玉状のものがある。また、楕円状、放物線状及び双曲線状など2次関数で表現される形状のものもある。これらのうち円弧状、直線状、三角状、楕円状、放物線状、または双曲線状というのはバイトを上から見たときの刃形状で表現している。図2に円弧状、直線状、三角状、楕円状、放物線状、または双曲線状のダイヤモンドチップ1をバイトシャンク2に取り付けた切削工具を示す。(a)(b)は切削工具の側面図であり、切削工具は(a)または(b)のいずれかの形態となる。(c)〜(h)は平面図であり、それぞれ円弧状、直線状及び三角状並びに楕円状、放物線状、及び双曲線状の刃形状を示す。
【0027】
本願発明において、ダイヤモンドバイト100のダイヤモンドチップ1は、刃先の丸み部分8を形成しているすくい面7と逃げ面9の交差する部分の稜線、すくい面7、逃げ面9の各表面に向けて超短パルスのレーザビームを照射し、表面に微細な周期的凹凸面を形成して加工する。
【0028】
一方、そろばん玉状というのは、回転体の形状を有する刃が加工物と接触しながら回転することにより、加工物を切断する切削工具、すなわちローラーカッターとして用いられる場合のダイヤモンド刃先の形状である。該ローラーカッターは図3に示す構造を有する。(a)は正面図、(b)は側面図であり、(c)は側面図におけるX−X’部分の断面である。ローラーカッター50はそろばん玉の形状をしたダイヤモンドの刃51を有している。この刃51は両側の支柱52で挟まれており、支柱のテーパー部53は、刃51の側面の傾きとは別の傾斜を有しているので、先端部56でのみ刃51と接触する。このため、刃51は両側先端部56を結ぶ直線を軸として、回転可能となっている。刃51の回転により加工物を切削する。支柱52はハンドル54に固定されている。刃51が加工物に接触する稜線部分の刃先55に超短パルスのレーザを照射して表面に微細な周期的凹凸を設け、一種ののこぎりの刃のような鋭利な先端を持たせる。
【0029】
また、図4に示すようなダイヤモンド製のミクロトーム刃先40にも微細な周期的凹凸は適用できる。刃先の稜線41、稜線を形成する傾斜面42、及び傾斜面42に挟まれた斜面44の表面に超短パルスのレーザを照射し、表面に微細な凹凸を形成する。非傾斜の側面43,45,46については必ずしも設ける必要はないが、設けてもよい。この表面形状の付与により、切断面と工具刃面との摩擦低減が図れ、高精度の微細加工が可能となる。
【0030】
以上に示した、ダイヤモンドチップ、そろばん玉状の刃、及びミクロトーム刃先の表面上の微細な凹凸形状は、例えば、数十ないし数百フェムト秒のパルス幅を有する超短パルスで、基本波の波長が700nmないし1500nm及びその高調波のレーザを照射することによって形成される。超短パルスの照射技術は周知の固体レーザを用いた構成を用いて実施可能である。図5はその1形態である。この実施形態では、数100フェムト秒のパルス幅のファイバレーザなどから得られるモード同期パルスを、増幅器に整合するように波長を同調させ、チタンサファイヤ増幅器で高出力化した近赤外波長域のレーザパルス発振器20を用いる。また、周期構造の縞状微細凹凸面を形成できる工業用レーザ装置として現実的に容易に入手できるレーザ光源は、パルス幅が10fsないし2000fsである。
【0031】
レーザパルス21をビーム分割ミラー22により、2つのビーム23,28に分け、一方はミラー24で反射し、集光レンズ33に入射させビーム27となり、他方はミラー25,26を経由してビーム集光レンズ33に入射させビーム30となる。加工物であるダイヤモンドチップ1の刃先面5または6にレーザビームを照射し、周期的な微細加工溝を作成する。ダイヤモンドの面積が照射レーザビームのスポットサイズ(表面性状変更に有効な面積)より広い場合は、ダイヤモンドチップ1を例えば移動方向32に駆動テーブル31で移動して表面性状改変に必要な面積を照射する。これらは、加工物がそろばん玉形状のダイヤモンド刃先やダイヤモンドのミクロトームの刃先でも同様である。
【0032】
要素29は分岐したビーム28のレンズに達するまでの光路長を調整することにより、2つのレーザビーム23,28の光路長を相対的に変化させる機能を有する。通常は、図5のように別途設けるものとする。しかし、例えば波長が800nmであれば、ミラー25または26の位置をサブミクロン程度の長さで前後に動かすだけで2つのレーザビーム23,28の光路長に差違が生じるので干渉の状態が変化する。したがって、かかる場合はミラー25及び/またはミラー26及び図示されないそれらの移動機構が要素29になる。集光レンズ33を通ったレーザビーム27,30の集光照射位置であるダイヤモンドチップ表面で、適切な表面の微細構造が得られるように設置してある。超短パルスは2レーザビームが異なる光路を通過することにより干渉作用が変化する。また2本のレーザビームのダイヤモンドチップへの照射タイミングを変化させて、先行照射と後続照射の相互作用によるダイヤモンドチップ表面の形成状態を観察して、最適な条件に設定することも可能である。
【0033】
レーザ発振器のレーザ波長は近赤外域の波長の他、短波長のレーザ光を波長変換技術で発生して用いてもよい。周期構造の縞状微細凹凸面を形成できる工業用レーザ装置として現実的に容易に入手できる光源は、発振可能波長100nmないし2000nmの固体レーザ光である。集光レンズは通常の球面レンズ、非球面レンズの他に、反射鏡による集光光学系、シリンドリカルレンズ、さらにはそれらの組み合わせによる光学系でもよい。ダイヤモンド表面に照射される2つのレーザビーム27,30の角度を変化させることにより、ダイヤモンドの表面に形成される微細な凹凸の縞状ピッチを変化することが可能である。
【0034】
縞状の凹凸の形成ピッチは5nmないし3000nmの範囲が好適である。凹凸の溝はピッチの概略1/2ないし1/4程度が好適である。また、この2つのレーザビーム27、30が形成する面の方向とダイヤモンドの設置方向の相対的な角度で微細な凹凸の縞状パターンの形成方向が決定できる。縞状パターンの形成方向は切削工具のすくい面形や逃げ面の形状に応じて、切りくずの排出の容易さとの関係や摩擦力の低減を推し量って最適方向を選定できる。
【0035】
以上本発明の実施形態を説明した。特許請求の範囲に記載された発明の技術的思想から逸脱することなく、これらに変更を施すことができることは明らかである。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明の活用例として、超精密切削加工、例えば非球面ミラー、レンズ、あるいはその金型、ポリゴンミラー、コピードラム等の加工、磁気記憶ディスクなどのアルミニウム原盤加工、硬脆材料の工具など広くダイヤモンドの工具の表面に適用して高性能の工具並びにその製造方法として用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】この発明を適用するレーザビーム照射で製造するダイヤモンドバイトの例と動作説明図。
【図2】ダイヤモンドチップの形状を説明する図。
【図3】そろばん玉形状のダイヤモンド刃先を有するレーザーカッターを説明する図。
【図4】ミクロトームの形状を説明する図。
【図5】ダイヤモンドチップ表面に微細凹凸を形成するための超短パルスレーザ照射構成例の図。
【符号の説明】
【0038】
1:ダイヤモンドチップ
2:先端にろう付けするダイヤモンド切削工具のシャンク
4:ダイヤモンドの刃先部
5,6:刃先面
7:すくい面
8:ダイヤモンドの丸み部(稜線)
9:逃げ面
10:加工物
11:切削厚さ
12:切削くず
13、14:方向を示す矢印
15:加工面
20:レーザパルス発振器
21:レーザパルス
22:ビーム分割ミラー
23,28:分割されたレーザビーム
24,25,26:ミラー
27,30:集光レンズを通った2つのレーザビーム
29:要素
31:駆動テーブル
32:駆動テーブルの移動方向
33:集光レンズ
40:ダイヤモンドのミクロトーム刃先
41:刃先の稜線
42:稜線を形成する傾斜面
44:斜面
43、45、46: 側面
50:ローラーカッター
51:そろばん玉形状の刃
52:支柱
53:支柱のテーパー部
54:ハンドル
55:稜線部分の刃先
56:先端部
100:ダイヤモンドバイト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加工物と接触して切削するダイヤモンド刃先を備えたダイヤモンド切削工具において、
前記加工物と接触する前記ダイヤモンド刃先の少なくとも1の接触面または稜線部分に周期構造の縞状微細凹凸面を有するダイヤモンド切削工具。
【請求項2】
前記縞状微細凹凸面の周期は5nmないし3000nmである請求項1に記載のダイヤモンド切削工具。
【請求項3】
前記ダイヤモンド刃先は形状が円弧刃形、直線刃形または三角刃形のダイヤモンドチップである、請求項1または2に記載のダイヤモンド切削工具。
【請求項4】
前記ダイヤモンド刃先は形状が楕円刃形、放物線刃形または双曲線刃形のダイヤモンドチップである、請求項1または2に記載のダイヤモンド切削工具。
【請求項5】
前記ダイヤモンドチップのすくい面、逃げ面及び逃げ面とすくい面の交差する刃稜線の表面に前記周期構造の縞状微細凹凸面を有する請求項3または4に記載のダイヤモンド切削工具。
【請求項6】
前記ダイヤモンド切削工具はダイヤモンドローラーカッターであり、前記ダイヤモンド刃先は、そろばん玉の形状を有し、前記加工物と接触する稜線部分に前記周期構造の縞状微細凹凸面を有する請求項1または2に記載のダイヤモンド切削工具。
【請求項7】
前記ダイヤモンド刃先はミクロトームであって、刃先の稜線、前記稜線を形成する傾斜面及び前記傾斜面に挟まれた斜面に前記周期構造の縞状微細凹凸面を有する請求項1または2に記載のダイヤモンド切削工具。
【請求項8】
加工物と接触して切削するダイヤモンド刃先を備えたダイヤモンド切削工具の製造方法において、
前記刃先の形状成形工程後に、前記刃先の少なくとも1の加工物との接触面にレーザ光を照射して周期構造の縞状微細凹凸面を形成するステップを有するダイヤモンド切削工具の製造方法。
【請求項9】
前記レーザ光は、フェムト秒レーザパルスの照射による光干渉による強弱の周期的パワー分布を有するレーザ光である、請求項8に記載のダイヤモンド切削工具の製造方法。
【請求項10】
前記レーザ光は、パルス幅を10fsないし2000fsとするレーザパルスの照射による光干渉による強弱の周期的パワー分布を有するレーザ光である、請求項8に記載のダイヤモンド切削工具の製造方法。
【請求項11】
前記周期構造の縞状微細凹凸面の周期が5nmないし3000nmである請求項8ないし10のいずれか1項に記載のダイヤモンド切削工具の製造方法。
【請求項12】
前記レーザ光の波長帯域が近赤外域から紫外域の波長スペクトルにあるレーザ光によるものである請求項8ないし11のいずれか1項に記載のダイヤモンド切削工具の製造方法。
【請求項13】
前記レーザ光の波長が100nmないし2000nmであるレーザ光によるものである請求項8ないし11のいずれか1項に記載のダイヤモンド切削工具の製造方法。
【請求項14】
前記レーザ光が固体レーザ光であることを特徴とする請求項12または13記載のダイヤモンド切削工具の製造方法。
【請求項15】
前記レーザ光が球面レンズ、非球面レンズ、シリンドリカルレンズ及び反射ミラー、またはこれらの組み合わせから構成される集光光学系を通過したレーザ光である請求項8ないし14のいずれか1項に記載のダイヤモンド切削工具の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−229838(P2008−229838A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−38470(P2008−38470)
【出願日】平成20年2月20日(2008.2.20)
【出願人】(500269934)サイバーレーザー株式会社 (25)
【Fターム(参考)】