説明

ロータ及びモータ

【課題】磁束密度のばらつきの低減を図ることができるロータを提供すること。
【解決手段】ロータ11の第1〜第4ロータコア21〜24は、回転軸12の軸方向に沿って配設されている。第1〜第4ロータコア21〜24は、周方向に沿って交互に配置された爪状磁極21b〜24bを有している。各爪状磁極21b〜24bは、軸方向に沿って互いに逆方向に向って延びるように形成されている。各爪状磁極21b〜24bの先端にはそれぞれ2つの補助溝21c〜24cが形成されている。環状磁石からステータに向う主磁束は、補助溝21cが形成されていない部分に集中する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はロータ及びモータに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、周方向に複数のフランジ部をそれぞれ有して組み合わされる複数対(例えば2対)の磁極板と、各対の磁極板により挟持され隣合うフランジ部を互いに異なる磁極とする永久磁石を備えた、いわゆる永久磁石界磁のランデル型構造のロータがある(例えば、特許文献1参照)。また、このロータにおいて、各対の磁極板は、同じ極性の円盤部が接するように配置されている。例えば、N極となる2つの円盤部は軸方向両端に配置され、S極となる2つの円盤部は軸方向において隣接して配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平5−43749号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記のように構成されるロータを備えたモータにおいて、性能の向上(例えば、高出力化)が要求されている。しかし、各フランジ部における磁束密度は、磁極板の配置位置の影響を受ける。そのため、ロータにおいて、磁束密度のばらつきを低減することが求められている。
【0005】
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、磁束密度のばらつきの低減を図ることができるロータ及びモータを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、軸方向に配列された少なくとも一対のロータコアと、対となるロータコア間に配置され、軸方向に沿って磁化された界磁磁石と、を備え、前記対となるロータコアは、円盤状のコアベースの外周部から突出するとともに軸方向に沿って互いに逆方向に延出形成され、周方向に沿って交互に配置され、径方向視長方形状に形成された複数の爪状磁極をそれぞれ有し、前記爪状磁極の先端部には、外周面に開口する磁束規制部が形成されたものである。
【0007】
この発明によれば、ロータコアからステータに向う磁束は、磁束規制部が形成されていない部分を通過する。従って、磁束規制部を適宜設定することにより、爪状磁極における磁束密度分布を設定することが可能となり、磁束密度分布のぱばらつきを低減することが可能となる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のロータにおいて、前記磁束規制部は、前記爪状磁極の先端から基端に向って形成され、前記爪状磁極の外周面と内周面とにそれぞれ開口する補助溝である。
この発明によれば、補助溝を設けるように簡単な構成で磁束密度分布を容易に設定することが可能となる。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のロータにおいて、前記磁束規制部は、各爪状磁極の先端に、周方向に沿って複数形成されたものである。
この発明によれば、磁束密度分布を容易に設定することが可能となる。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のうちの何れか一項に記載のロータを備えたモータである。
この発明によれば、磁束密度分布のばらつきを低減することが可能なロータを備えたモータを提供することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、磁束密度のばらつきの低減が可能なロータ及びモータを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】一実施形態のモータの概略断面図。
【図2】一実施形態のロータの概略側面図。
【図3】(a)(b)はロータコア,補助磁石、極間磁石の説明図。
【図4】一実施形態のロータの概略断面図。
【図5】(a)〜(f)は爪状磁極の別の形態を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、モータ1のモータケース2は、有底筒状に形成されたハウジング3と、該筒状ハウジング3のフロント側(図1中、左側)の開口部を閉塞するエンドプレート4とを有している。また、ハウジング3のリア側(図1中、右側)の端部には、回路基板等の電源回路を収容したボックス5が取着されている。ハウジング3の内周面にはステータ6が固定されている。ステータ6は、径方向内側に延びる複数のティースを有する電機子コア7と、電機子コア7のティースに巻装されたセグメントコンダクタ(SC)巻線8とを有する。ロータ11は回転軸12を有し、ステータ6の内側に配置されている。回転軸12は非磁性金属であって、ハウジング3の底部3aとフロントエンドプレート4にそれぞれ配設された軸受13,14により回転可能に支持されている。
【0014】
図2に示すように、ロータ11は、回転軸12に沿って配設された第1〜第4ロータコア21〜24を有している。
図3(a)に示すように、第1ロータコア21は、回転軸12に固着された第1コアベース21aを有している。この第1コアベース21aは、円盤状に形成されている。第1コアベース21aの外周部には、径方向外側に突出する複数(本実施の形態では5つ)の第1爪状磁極21bが形成されている。周方向における各第1爪状磁極21bの間隔は、第1コアベース21aの周方向に沿って互いに等しい。
【0015】
図2に示すように、第1爪状磁極21bは、径方向視長方形状に形成されている。図3(a)に示すように、この第1爪状磁極21bは、軸方向視略円弧状に形成されている。また、周方向における各第1爪状磁極21bの幅(外周側の弧の長さ)L3は、周方向に隣り合う2つの第1爪状磁極21bの間隔L4より小さく設定されている。
【0016】
図3(b)に示すように、第2ロータコア22は、第1ロータコア21と同様に、回転軸12に固着された第2コアベース22aを有している。この第2コアベース22aは、第1コアベース21aと同様に、円盤状に形成されている。第2コアベース22aの外周部には、径方向外側に突出する複数(本実施の形態では5つ)の第2爪状磁極22bが形成されている。周方向における各第2爪状磁極22bの間隔は、第2コアベース22aの周方向に沿って互いに等しい。
【0017】
図2に示すように、第2爪状磁極22bは、第1爪状磁極21bと同様に、径方向視長方形状に形成されている。図3(b)に示すように、この第2爪状磁極22bは、軸方向視略円弧状に形成されている。また、周方向における各第2爪状磁極22bの幅(外周側の弧の長さ)L5は、周方向に隣り合う2つの第2爪状磁極22bの間隔L6より小さく設定されている。
【0018】
図4に示すように、第1ロータコア21と第2ロータコア22との間には、環状磁石25が配置されている。本実施形態の環状磁石25は円環状に形成されている。環状磁石25の外径φ1は、第1コアベース21aと第2コアベース22aの外径φ2と同じに設定されている。第1ロータコア21及び第2ロータコア22は、それぞれの第1爪状磁極21bと第2爪状磁極22bが周方向に沿って交互に配置されるように回転軸12に固定される。そして、第1ロータコア21の第1コアベース21aと、第2ロータコア22の第2コアベース22aは、回転軸12の軸方向において、環状磁石25を挟持する。
【0019】
環状磁石25は、表裏方向(回転軸12の軸方向)に沿って着磁された平板状の永久磁石である。そして、環状磁石25の第1の主面(例えば、N極の面)は第1コアベース21aと密着する。環状磁石25の第2の主面(例えばS極の面)は第2コアベース22aと密着する。従って、環状磁石25は、第1ロータコア21の爪状磁極21bを第1の磁極(N極)として機能させ、第2ロータコア22の爪状磁極22bを第2の磁極(S極)として機能させる。
【0020】
第1爪状磁極21bは、第1コアベース21aにおいて第2コアベース22a側と反対側の面から、第2コアベース22aにおいて第1コアベース21a側と反対側の面まで延びている。第2爪状磁極22bは、第2コアベース22aにおいて第1コアベース21a側と反対側の面から、第1コアベース21aにおいて第2コアベース22a側と反対側の面まで延びている。
【0021】
図3(b)に示すように、各第1爪状磁極21bの背面(径方向内側の面)と第2コアベース22aの外周面との間には、第1背面補助磁石26が配置されている。第1背面補助磁石26は、回転軸12の軸方向視円弧状に形成されている。第1背面補助磁石26の外周側側面は第1爪状磁極21bの背面(径方向内側の面)に当接し、第1背面補助磁石26の内周側側面は第2コアベース22aの外周面に当接する。第1背面補助磁石26の周方向幅は、第1爪状磁極21bの周方向の幅より狭く設定されている。また、第1背面補助磁石26の中心線(回転軸12の軸中心と背面補助磁石26の周方向中心を通る直線)と、第1爪状磁極21bの中心線(回転軸12の軸中心と爪状磁極21bの周方向中心を通る直線)は、互いに一致している。第1背面補助磁石26は、第1爪状磁極21bの背面に当接する側が第1爪状磁極21bと同じ第1の磁極(例えばN極)、第2コアベース22aに当接する側が同第2コアベース22aと同じ第2の磁極(例えばS極)となるように径方向に沿って磁化されている。
【0022】
図3(a)に示すように、各第2爪状磁極22bの背面(径方向内側の面)と第1コアベース21aの外周面との間には、第2背面補助磁石27が配置されている。第2背面補助磁石27は、回転軸12の軸方向視円弧状に形成されている。第2背面補助磁石27の外周側側面は第2爪状磁極22bの背面(径方向内側の面)に当接し、第2背面補助磁石27の内周側側面は第1コアベース21aの外周面に当接する。第2背面補助磁石27の周方向幅は、第2爪状磁極22bの周方向の幅より狭く設定されている。また、第2背面補助磁石27の中心線(回転軸12の軸中心と背面補助磁石27の周方向中心を通る直線)と、第2爪状磁極22bの中心線(回転軸12の軸中心と爪状磁極22bの周方向中心を通る直線)は、互いに一致している。第2背面補助磁石27は、第2爪状磁極22bの背面に当接する側が第2爪状磁極22bと同じ第2の磁極(例えばS極)、第1コアベース21aに当接する側が同第1コアベース21aと同じ第1の磁極(例えばN極)となるように径方向に沿って磁化されている。
【0023】
図4に示すように、第1背面補助磁石26は、第1コアベース21aにおいて第2コアベース22a側の面から、第2コアベース22aにおいて第1コアベース21a側と反対側面まで延びている。第2背面補助磁石27は、第2コアベース22aにおいて第1コアベース21a側の面から、第1コアベース21aにおいて第2コアベース22a側と反対側面まで延びている。
【0024】
図4に示すように、回転軸12の軸方向両端に配置された第1ロータコア21と第4ロータコア24は互いに同じ形状に形成されている。第1ロータコア21と第4ロータコア24の間に配置された第2ロータコア22と第3ロータコア23は互いに同じ形状に形成されている。
【0025】
第3ロータコア23と第4ロータコア24との間には、環状磁石28が配置されている。環状磁石28は、上記の環状磁石25と同じ形状に形成されるとともに磁化されている。
【0026】
そして、環状磁石28の第4の主面(例えば、N極の面)は第4コアベース24aと密着する。環状磁石28の第3の主面(例えばS極の面)は第3コアベース23aと密着する。従って、環状磁石28は、第4ロータコア24の爪状磁極24bを第4の磁極(N極)として機能させ、第3ロータコア23の爪状磁極23bを第3の磁極(S極)として機能させる。
【0027】
各第3爪状磁極23bの背面(径方向内側の面)と第4コアベース24aの外周面との間には、第3背面補助磁石29が配置されている。第3背面補助磁石29は、回転軸12の軸方向視円弧状に形成されている。第3背面補助磁石29の周方向側面は、対応する第3爪状磁極23bの周方向側面と同一平面上となるように形成されている。第3背面補助磁石29は、第3爪状磁極23bの背面に当接する側が第3爪状磁極23bと同じ第3の磁極(例えばS極)、第4コアベース24aに当接する側が同第4コアベース24aと同じ第4の磁極(例えばN極)となるように径方向に沿って磁化されている。
【0028】
各第4爪状磁極24bの背面(径方向内側の面)と第3コアベース23aの外周面との間には、第4背面補助磁石30が配置されている。第4背面補助磁石30は、回転軸12の軸方向視円弧状に形成されている。第4背面補助磁石30の周方向側面は、対応する第4爪状磁極24bの周方向側面と同一平面上となるように形成されている。第4背面補助磁石30は、第4爪状磁極24bの背面に当接する側が第4爪状磁極24bと同じ第4の磁極(例えばN極)、第3コアベース23aに当接する側が同第3コアベース23aと同じ第3の磁極(例えばS極)となるように径方向に沿って磁化されている。
【0029】
図2に示すように、第1ロータコア21と第4ロータコア24は、それぞれの爪状磁極21b,24bが回転軸12の軸方向に沿って配列されるように、回転軸12に取着されている。また、第1ロータコア21と第4ロータコア24は、それぞれの爪状磁極21b,24bが互いに逆方向に向って延びるように配置されている。従って、第1ロータコア21の爪状磁極21b先端と、第4ロータコア24の爪状磁極24b先端は、互いに当接している。
【0030】
同様に、第2ロータコア22と第3ロータコア23は、それぞれの爪状磁極22b,23bが回転軸12の軸方向に沿って配列されるように、回転軸12に取着されている。そして、第2ロータコア22と第3ロータコア23は、それぞれの爪状磁極22b,23bが互いに逆方向に向って延びるように配置されている。従って、第2ロータコア22の爪状磁極22b基端と、第3ロータコア23の爪状磁極23b基端は、互いに当接している。
【0031】
図3(a)に示すように、周方向に隣合う第1爪状磁極21bと第2爪状磁極22bとの間には、極間磁石31が配置されている。各極間磁石31は、回転軸12の軸方向視長方形状に形成されている。また、各極間磁石31は、図2に示すように、回転軸12の径方向視長方形状に形成されている。図2に示すように、各極間磁石31は、回転軸12の軸方向に沿って延びるように形成されている。各極間磁石31の長さは、回転軸12の軸方向において露出する2つの端面、即ち第1ロータコア21の軸方向外側端面から、第4ロータコア24の軸方向外側端面までの距離と等しい。
【0032】
そして、図3(a)に示すように、各極間磁石31は、ロータ11の径方向に対して角度を持つように配置されている。即ち、各ロータコア21〜24の爪状磁極は、爪状磁極間にそれぞれ配置される極間磁石31が、各ロータコア21〜24の径方向に対して角度を持つようにされている。例えば、図3(a)に示すように、第1爪状磁極21bは、周方向両側に隣接する2つの極間磁石31の中心を通る線分(一点鎖線にて示す)の交点O1が、ロータ11の回転中心、即ち回転軸12の中心よりも径方向外側であって、第1爪状磁極21bに近づく位置となるように形成されている。なお、この交点O1は、周方向における爪状磁極21bの中心と回転軸12の中心を結ぶ中心線上に設定されている。つまり、周方向において爪状磁極21bと隣接する2つの極間磁石31は、爪状磁極21bの中心線に対して対称となるように、爪状磁極21bの周方向両側面の角度が設定されている。
【0033】
また、図3(b)に示すように、第2爪状磁極22bは、周方向両側に隣接する2つの極間磁石31の中心を通る線分(一点鎖線にて示す)の交点O2が、ロータ11の回転中心、即ち回転軸12の中心よりも径方向外側であって、第2爪状磁極22bから遠ざかる位置となるように形成されている。なお、この交点O2は、周方向における爪状磁極22bの中心と回転軸12の中心を結ぶ中心線上に設定されている。つまり、周方向において爪状磁極22bと隣接する2つの極間磁石31は、爪状磁極22bの中心線に対して対称となるように、爪状磁極22bの周方向両側面の角度が設定されている。
【0034】
従って、第1爪状磁極21b基端部の周方向の幅(図3(a)参照)は、第2爪状磁極22b基端部の周方向の幅(図3(b)参照)よりも狭くなっている。具体的には、第1爪状磁極と第2爪状磁極を互いに同じ形状としたときの基端部の幅を基準幅L0とする。第1爪状磁極21b基端部の幅L1は、基準幅L0よりもΔLだけ狭い。一方、第2爪状磁極22b基端部の幅L2は、基準幅L0よりもΔLだけ広い。
【0035】
各極間磁石31は、周方向に爪状磁極と隣接する面が、隣接する爪状磁極と同じ極性となるように磁化されている。例えば、各極間磁石31は、回転軸12の軸中心と直交する平面を通り、その平面上のそれぞれの中心と直交する方向に沿って磁化されている。そして、極間磁石31のN極は、第1爪状磁極21bに接触し、極間磁石31のS極は、第2爪状磁極22bに接触している。
【0036】
図2に示すように、各爪状磁極21b〜24bのそれぞれには、先端に複数(本実施形態では2つ)の補助溝21c〜24cが形成されている。図3(a)及び図3(b)に示すように、各補助溝21c〜24cは、各爪状磁極21b〜24bの外周側側面と内周側側面とにそれぞれ開口する。つまり、各補助溝21c〜24cは、ロータ11の径方向に沿って延びるように形成されている。なお、第3ロータコア23は第2ロータコア22と同じ形状であり、第4ロータコア24は第1ロータコア21と同じ形状であるため、図3(a)及び図3(b)において、括弧を用いて第3ロータコア23と第4ロータコア24の部材に対する符号を示す。
【0037】
また、図3(b)に示すように、第1爪状磁極21b先端に形成された2つの補助溝21cは、ロータ11の軸方向から見て、爪状磁極21bの中心線に対して対称な位置に形成されている。同様に、各爪状磁極22b〜24bそれぞれの先端に形成された2つの補助溝22c〜24cは、各爪状磁極22b〜24bの中心線に対して対称な位置に形成されている。
【0038】
次に、上記のモータ1の作用を説明する。
モータ1は、回路収容ボックス5内の電源回路を介してセグメントコンダクタ(SC)巻線8に駆動電流が供給されると、ステータ6でロータ11を回転させるための磁界が発生され、ロータ11が回転駆動される。
【0039】
ロータ11において、周方向に隣合う第1爪状磁極21bと第2爪状磁極22bの間に配置された極間磁石31は、環状磁石25により機能する爪状磁極の極性と同じ極性の面が接触する。従って、各極間磁石31は、第1爪状磁極21bから第2爪状磁極22bに向う直接的な磁束の形成を阻害する。この結果、第1爪状磁極21bと第2爪状磁極22bの間の直接的な漏洩磁束が減少する。
【0040】
第1爪状磁極21bの内側面と第2コアベース22aとの間に配置された第1背面補助磁石26は、環状磁石25により機能する爪状磁極の極性と同じ極性の面が接触する。従って、第1背面補助磁石26は、第1爪状磁極21bから第2コアベース22aに向う直接的な磁束の形成を阻害する。この結果、第1爪状磁極21bと第2コアベース22aの間の直接的な漏洩磁束が減少する。
【0041】
同様に、第2爪状磁極22bの内側面と第1コアベース21aとの間に配置された第2背面補助磁石27は、環状磁石25により機能する爪状磁極の極性と同じ極性の面が接触する。従って、第2背面補助磁石27は、第2爪状磁極22bから第1コアベース21aに向う直接的な磁束の形成を阻害する。この結果、第2爪状磁極22bと第1コアベース21aの間の直接的な漏洩磁束が減少する。
【0042】
また、磁化された極間磁石31のN極は、同じ極性の第1爪状磁極21bと接し,S極は第2爪状磁極22bと接する。同様に、磁化された第1背面補助磁石26のN極は、同じ極性の第1爪状磁極21bと接し、S極は同じ極性の第2コアベース22aと接する。従って、第1爪状磁極21bとステータ6との間に発生する磁束は、環状磁石25による磁束と、第1背面補助磁石26による磁束と、極間磁石31による磁束を含む。このように、ロータ11からステータ6に向う磁束の量が、環状磁石25のみの磁束の量よりも増加する。
【0043】
図4に示すように、第1〜第4ロータコア21〜24は回転軸12の軸方向(図4において上下方向)に沿って配列されている。第1ロータコア21と第2ロータコア22の間には環状磁石25が配置され、第3ロータコア23と第4ロータコア24の間には環状磁石28が配置されている。
【0044】
ロータ11の主磁束は、環状磁石25から、第1ロータコア21のコアベース21a,第1爪状磁極21bを介して図1に示すステータ6へと向う。この主磁束の多くは、爪状磁極21bの基端側(図4において上側)からステータ6へと向う。従って、各爪状磁極21bにおいて、基端側の磁束密度と先端側の磁束密度とに差が生じる。そして、図2に示すように、各爪状磁極21bは、径方向視長方形状に形成されている。従って、補助溝21cが形成されていない各爪状磁極では、磁束密度の分布にばらつきが生じる。例えば、1つの爪状磁極では周方向に沿って磁束密度がほぼ等しくなるが、他の爪状磁極では逆に周方向中央における磁束密度が周方向両端における磁束密度よりも高くなる。
【0045】
本実施形態の爪状磁極21bは、先端に2つの補助溝21cが形成されている。従って、ステータ6に向う主磁束は、補助溝21cが形成されていない部分に集中する。つまり、補助溝21cは、爪状磁極21bの外周面からステータ6に向う磁束の場所を規制する。そして、各爪状磁極21bには、同じ位置に補助溝21cが形成されている。従って、各爪状磁極21bにおいて、相対的に同じ位置からステータ6へと向う磁束が形成される。このように、磁束の場所を規制することにより、磁束が密集する部分、つまり磁束密度分布が各爪状磁極21bにおいて互いに等しくなる。
【0046】
なお、第1爪状磁極21bについて説明したが、第2〜第4爪状磁極22b〜24bについても同様である。即ち、各爪状磁極22b〜24b先端に形成された補助溝22c〜24cは、各爪状磁極22b〜24bの外周面に生じる磁束の場所を規制する。これにより、各ロータコア22〜24に形成された複数の爪状磁極22b〜24bにおける磁束密度分布のばらつきを低減する。さらに、第1爪状磁極21bと第4爪状磁極24bにおいて、それぞれの補助溝21c、24cは、軸方向に沿った直線上となるように形成されている。従って、第1爪状磁極21bと第4爪状磁極24bにおける磁束密度分布のばらつきが低減される。同様に、第2爪状磁極22bと第3爪状磁極23bのそれぞれに形成された補助溝22c、23cは、第2爪状磁極22bと第3爪状磁極23bにおける磁束密度分布のばらつきを低減する。
【0047】
図3(a)及び図3(b)に示すように、第1爪状磁極21b基端部の周方向の幅L1は、各ロータコア21〜24の爪状磁極を同一形状としたときの基準幅L0よりもΔL狭く設定され、第2爪状磁極22b基端部の周方向の幅L2は基準幅L0よりもΔL広く設定されている。従って、周方向に隣合う第1爪状磁極21bと第2爪状磁極22bの間に配置された各極間磁石31の中心線の交点O1,O2は、各爪状磁極21b,22bの中心線の交点、即ちロータ11の回転中心Oからずれている。従って、ロータ11を回転したとき、各極間磁石31は、遠心力により、第1爪状磁極21bの周方向側面に押し付けられる。このため、ロータ11から各極間磁石31の抜け出しが防止される。
【0048】
第1爪状磁極21b基端部の周方向の幅L1は、各ロータコア21〜24の爪状磁極を同一形状としたときの基準幅L0よりも狭く設定されている。従って、基端部の幅を基準幅で形成したロータコアと比べ、第1ロータコア21と第4ロータコア24の体積が小さくなる。即ち使用材料(例えば鉄材)の量が少なくなる。また、体積が小さいため、ロータ11が軽くなる。
【0049】
図4に示すように、同じ極性(本実施形態ではN極)として機能する爪状磁極21b,24bをそれぞれ有するロータコア21,24のコアベース21a,24aは、軸方向両側において露出している。従って、これらのコアベース21a,24aから爪状磁極21b,24bに向わない磁束(漏れ磁束)が生じる。一方、S極として機能する爪状磁極22b,23bをそれぞれ有するロータコア22,23のコアベース22a,23aは、互いに隣接するとともに、軸方向外側に環状磁石25,28が隣接するため、露出していない。従って、これらのコアベース22a,23aにおける漏れ磁束は生じない。これにより、コアベース21a,24aから爪状磁極21b,24bに向う磁束量と、爪状磁極22b,23bからコアベース22a,23aに向う磁束量との間に差が生じる。
【0050】
[各ロータコア21〜24の爪状磁極を互いに同じ形状に形成した場合]
各ロータコア21〜24の爪状磁極が互いに同じ形状であるため、内側に配置されたロータコア22,23の爪状磁極基端部を通過可能な磁束量により、環状磁石25,28の磁力が設定される。環状磁石25,28の発する磁束量を多くしても、ロータコア22,23の爪状磁極基端部において磁気飽和となり、回転に有効な磁束とならないからである。このとき、軸方向両端に配置されたロータコア21,24において漏れ磁束が生じるため、これらのロータコア21,24の爪状磁極基端部では磁気飽和しない。
【0051】
[本実施形態の爪状磁極21b〜24bの場合]
図3(a)及び図3(b)に示すように、爪状磁極21b,24b基端部の幅L1は、基準幅(各ロータコア21〜24の爪状磁極を互いに同じ形状としたときの基端部の幅)L0よりも狭く、爪状磁極22b,23b基端部の幅L2は、基準幅L0よりも広い。従って、基準幅の爪状磁極を備えたロータコアに用いられる環状磁石を用いた場合、爪状磁極22b,23bにおいて磁気飽和が生じない。つまり、環状磁石の磁力を多くすることができる。なお、この環状磁石を用いた場合、本実施形態の爪状磁極21b,24b基端部においても、磁気飽和が生じないように、爪状磁極21b,24b基端部の幅が設定される。例えば、各爪状磁極21b〜24b基端部の幅と、環状磁石25,28の磁力は、各爪状磁極21b〜24bにおいて磁気飽和が生じるように設定される。このように磁力を多くした環状磁石25,28を用いたロータ11は、各爪状磁極を同じ形状としたロータと比べ、爪状磁極21b〜24bにおける磁束量が増加する。つまり、ロータ11の回転に有効な磁束量が増加する。
【0052】
上記したように、本実施形態によれば、以下の効果を有する。
(1)ロータ11の第1〜第4ロータコア21〜24は、回転軸12の軸方向に沿って配設されている。第1,第2ロータコア21,22の爪状磁極21b,22bは、コアベース21a,22aの外周部から径方向外側に突出形成され、周方向に沿って交互に配置されている。各爪状磁極21b,22bは、軸方向に沿って互いに逆方向に向って延びるように形成されている。同様に、第3,第4ロータコア23,24の爪状磁極23b,24bは、コアベース23a,24aの外周部から径方向外側に突出形成され、周方向に沿って交互に配置されている。各爪状磁極23b,24bは、軸方向に沿って互いに逆方向に向って延びるように形成されている。
【0053】
各爪状磁極21b〜24bの先端にはそれぞれ2つの補助溝21c〜24cが形成されている。環状磁石25,28からステータ6に向う主磁束は、補助溝21cが形成されていない部分に集中する。つまり、補助溝21cは、爪状磁極21bの外周面からステータ6に向う磁束の場所を規制する。そして、各爪状磁極21bには、同じ位置に補助溝21cが形成されている。従って、各爪状磁極21bにおいて、相対的に同じ位置からステータ6へと向う磁束が形成される。このように、補助溝21c〜24cは、磁束の場所を規制する。この結果、複数の爪状磁極21bにおいて、磁束が密集する部分、つまり磁束密度分布を互いに等しくすることができる。同様に、各ロータコア22〜23において、爪状磁極22b〜24bにおける磁束密度分布を互いに等しくすることができる。
【0054】
(2)対となる第1及び第2ロータコア21,22のコアベース21a,22a間には、環状磁石25が配設され、この環状磁石25はコアベース21a,22aにより挟持されている。同様に、対となる第3及び第4ロータコア23,24のコアベース23a,24a間には、環状磁石28が配設され、この環状磁石28はコアベース23a,24aにより挟持されている。
【0055】
軸方向両端に配置されたロータコア21,24の爪状磁極21b,24b基端部の周方向の幅L1は、ロータコア22,23の爪状磁極22b,23b基端部の幅L2よりも狭く形成されている。従って、各ロータコア21〜24の爪状磁極を全て同じ形状とした場合と比べ、ロータコア22,23の爪状磁極22b,23b基端部の幅が広くなる。
【0056】
軸方向両端に配置されたロータコア21,24において漏れ磁束が生じる。従って、各ロータコアの爪状磁極を全て同じ形状とした場合、環状磁石の磁束の一部が漏れ磁束となる。そして、ロータコア22,23の爪状磁極22b,23b基端部の幅を、各ロータコア21〜24の爪状磁極を全て同じ形状とした場合と比べ、広くすることができる。従って、各ロータコア21〜24の爪状磁極を全て同じ形状とした場合と比べ、環状磁石の磁力を多くする、つまり強力な永久磁石を用いることができる。その結果、各爪状磁極21b〜24bにおける磁束量が多くなる、つまり有効な磁束量を多くすることが可能となり、ひいては高出力化を図ることができる。
【0057】
(3)第1ロータコア21の爪状磁極21bと第2ロータコア22のコアベース22aとの間に背面補助磁石26が配置され、この背面補助磁石26は爪状磁極21bとコアベース22aそれぞれの磁極と同じ極性が対向するように磁化されている。また、第2ロータコア22の爪状磁極22bと第1ロータコア21のコアベース21aとの間に、同じ極性が対向するように磁化された背面補助磁石27が配設されている。従って、背面補助磁石26,27の磁束は、爪状磁極21b,22bとステータ6との間の磁束に含まれる。これにより、有効な磁束量を多くすることができる。また、背面補助磁石26,27によって、コアベース21a,22aと爪状磁極21b,22bの間における直接的な磁束の発生を抑制することができる。これにより、有効な磁束量を多くすることができる。
【0058】
(4)周方向に隣合う爪状磁極21b,22bの間に極間磁石31が配置されている。各極間磁石31は、周方向に隣合う爪状磁極21b,22bと同極性が対向するように磁化されている。従って、極間磁石31の磁束は、爪状磁極21b,22bとステータ6との間の磁束に含まれる。これにより、有効な磁束量を多くすることができる。また、極間磁石31によって、爪状磁極21b,22bの間における直接的な磁束の発生を抑制することができる。これにより、有効な磁束量を多くすることができる。
【0059】
(5)極間磁石31は、第1ロータコア21の端面から第4ロータコア24の端面まで延びるように形成されている。従って、各ロータコア21〜24に対応する極間磁石を容易する場合と比べ、ロータ11を構成する部品の点数を少なくすることができる。
【0060】
(6)爪状磁極21b,22bの間(爪状磁極23b,24bの間)に配置された極間磁石31は、その中心線が回転軸12の軸中心を通る直線に対して角度を成すように、各爪状磁極21b〜24bが形成されている。従って、ロータ11を回転したとき、各極間磁石31は、遠心力により、第1爪状磁極21bの周方向側面に押し付けられる。このため、ロータ11から各極間磁石31の抜け出しを防止することができる。
【0061】
尚、本発明の実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記形態では、各爪状磁極21b〜24b先端に矩形状の補助溝21c〜24cを形成したが、形状等を適宜変更してもよい。例えば、図5(a)に示すように、上記形態の補助溝21c〜24cよりも周方向の幅が広い補助溝41を形成してもよい。また、図5(b)に示すように、二等辺三角形状の補助溝42を形成してもよい。また、図5(c)に示すように、頂点を周方向にシフトした三角形状の補助溝43を形成してもよい。また、図5(d)に示すように、円弧状の補助溝44、又は円弧を含む補助溝を形成してもよい。また、図5(e)に示すように、爪状磁極の中心から周方向に沿って等しい距離に、互いに異なる幅の補助溝45a,45bを形成してもよい。また、図5(f)に示すように、爪状磁極の中心から周方向に沿って互いに異なる距離に補助溝46a,46bを形成してもよい。
【0062】
・上記形態では、各爪状磁極21b〜24bの外周面における磁束密度分布を調整するために先端から基端に向って凹設して補助溝21c〜24cをそれぞれ形成した。これに対し、磁束密度分布を調整可能であれば上記の形状に限定されず、例えば、各爪状磁極21b〜24bを径方向に沿って延び外周面と内周面とにそれぞれ開口する貫通孔を形成してもよい。また、各爪状磁極21b〜24bの外周面に開口する凹部を形成してもよい。
【0063】
・上記形態では、各爪状磁極21b〜24bに同じ形状の補助溝21c〜24cを形成したが、例えばロータコアの位置等に応じて形状を適宜変更するようにしてもよい。例えば、軸方向両端の第1ロータコア21及び第4ロータコア24に対して図5(a)に示す補助溝41を形成し、第2ロータコア22及び第3ロータコア23に対して図5(d)に示す補助溝44を形成する。
【0064】
・上記形態では、各爪状磁極21b〜24bのそれぞれに2つの補助溝21c〜24cを形成したが、1つ又は3つ以上の補助溝を形成するようにしてもよい。また、各ロータコア21〜24において、例えばロータコアの位置等に応じて形成する補助溝の数を変更するようにしてもよい。
【0065】
・上記形態では、各爪状磁極21b〜24bの中心線に対して極間磁石31を対称に配置したが、非対称としてもよい。つまり、図3(a),図3(b)に示す交点O1,O2を、各爪状磁極21b〜24bの径方向外側辺の中心と回転軸12の軸中心を通る直線上からずらすように、各爪状磁極21b〜24bを形成する。例えば、ロータ11の回転方向や回転数に応じて、極間磁石31の傾きを変更する。このようにしても、上記実施形態と同様の効果が得られる。
【0066】
・上記形態では、極間磁石31の中心線を、ロータ11の径方向に対して角度を成すように各爪状磁極21b〜24bを形成したが、極間磁石31の中心線をロータ11の径方向に一致するように各爪状磁極21b〜24bを形成するようにしてもよい。
【0067】
・上記形態において、極間磁石31を適宜省略してもよい。
・上記形態において、背面補助磁石26,27,29,30を適宜省略してもよい。
・上記形態では、界磁磁石として環状磁石25,28を用いたが、平板状の永久磁石を周方向に沿って複数配列して各爪状磁極21b〜24bを界磁するようにしてもよい。また、一対のコアベース間に1つの円盤状の永久磁石を介在させて各爪状磁極21b〜24bを界磁するようにしてもよい。
【0068】
・上記形態では、各爪状磁極21b,22b間(23b,24b間)に極間磁石31を配置したが、配置位置に応じて極間磁石の形状を異なるようにしてもよい。
・上記形態では、各極間磁石31を、第1ロータコア21の端面から第4ロータコア24の端面まで延びるように形成したが、軸方向に沿って複数の極間磁石を配置するようにしてもよい。
【0069】
上記各実施形態から把握できる技術的思想を以下に記載する。
(イ)請求項1〜3の何れか一項に記載のロータにおいて、前記対となるロータコアの一方の爪状磁極と、前記対となるロータコアの他方のコアベースとの間に配置され、前記爪状磁極及び前記コアベースのそれぞれと同極性が対向するように磁化された補助磁石を有することを特徴とするロータ。この発明によれば、補助磁石により、爪状磁極からコアベースへの直接的な磁束の発生が抑制され、有効な磁束量を多くすることが可能となる。
(ロ)請求項1〜3、上記(イ)の何れか1つに記載のロータにおいて、周方向に隣合う爪状磁極の間に配置され、前記周方向に隣合う爪状磁極と同極性が対向するように磁化された極間磁石を備えたことを特徴とするロータ。この発明によれば、極間磁石により、隣合う爪状磁極間での直接的な磁束の発生が抑制され、有効な磁束量を多くすることが可能となる。
(ハ)上記(ロ)記載のロータにおいて、前記極間磁石は、前記軸方向一端のロータコアの端面から前記軸方向他端のロータコアの端面まで延びるように形成されたことを特徴とするロータ。この発明によれば、極間磁石の個数を、各ロータコアそれぞれに対応する極間磁石を用意する場合と比べ、部品点数を少なくすることが可能となる。
(ニ)請求項1〜3、上記(イ)〜(ハ)の何れか1つに記載のロータにおいて、周方向に隣合う爪状磁極の間にそれぞれ配置され、前記周方向に隣合う爪状磁極と同極性が対向するように磁化された極間磁石を備え、前記爪状磁極は、各爪状磁極の周方向両側に配置された2つの極間磁石の中心線が、前記回転軸の軸中心を通る線分に対して角度を持つように形成された、ことを特徴とするロータ。この発明によれば、ロータを回転したとき、各極間磁石は、遠心力により、爪状磁極の周方向側面に押し付けられる。このため、ロータから各極間磁石は、ロータから抜け出し難くなる。
【符号の説明】
【0070】
11…ロータ、12…回転軸、21〜24…ロータコア、21a〜24a…コアベース、21b〜24b…爪状磁極、21c〜24c…補助溝(磁束規制部)、25,28…環状磁石(界磁磁石)、26,27,29,30…背面補助磁石(補助磁石)、31…極間磁石。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸方向に配列された少なくとも一対のロータコアと、
対となるロータコア間に配置され、軸方向に沿って磁化された界磁磁石と、
を備え、
前記対となるロータコアは、円盤状のコアベースの外周部から突出するとともに軸方向に沿って互いに逆方向に延出形成され、周方向に沿って交互に配置され、径方向視長方形状に形成された複数の爪状磁極をそれぞれ有し、
前記爪状磁極の先端部には、外周面に開口する磁束規制部が形成された、
ことを特徴とするロータ。
【請求項2】
請求項1に記載のロータにおいて、
前記磁束規制部は、前記爪状磁極の先端から基端に向って形成され、前記爪状磁極の外周面と内周面とにそれぞれ開口する補助溝である、
ことを特徴とするロータ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のロータにおいて、
前記磁束規制部は、各爪状磁極の先端に、周方向に沿って複数形成された、ことを特徴とするロータ。
【請求項4】
請求項1〜3のうちの何れか一項に記載のロータを備えたことを特徴とするモータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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