説明

ワイヤレス電力デバイスのパッケージングおよび詳細

【課題】ワイヤレスで充電用電力を供給する。
【解決手段】ワイヤレス電力システムは、電源、電力受信機、およびそのコンポーネントを含む。本システムは、様々なモードで電源への結合を改善することができる無給電アンテナをも含む。アンテナは、可変キャパシタと可変インダクタの両方を有することができ、整合の特性を変化させるためにそれらの両方を変化させることができる。

【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
本出願は、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる、2008年3月5日に出願された仮出願第61/034,116号の優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
日常生活で使用されるバッテリ電源式電子デバイスおよびガジェットの数は、着実に増加している。そのような重要なデバイスは、
・通信ハンドセット:携帯電話、コードレスフォン
・インフォテインメント:音楽(MP3)プレーヤ(diskman、ipodなど)、モバイルTV、携帯型オーディオ
ブロードキャスト受信機
・写真/ビデオ:デジタル/ビデオカム
・ワイヤレス周辺装置:Bluetooth(登録商標)ヘッドセット、コードレスマイクロフォンなど
・時間およびナビゲーション:腕時計/リストコンピュータ、GPSデバイス
・IT:PAD、ラップトップ、コードレスキーボードおよびマウスなど
・家庭用:電子クロック、温度計、ウェザーステーション、ポケット計算機など
・医療用:補聴器、心臓ペースメーカなど
・スポーツ:ストップウォッチ、雪崩ビーコン、バイクコンピュータ、バイクランプ、ポケットランプ、
パルスモニタなど
を含む。
【0003】
ワイヤレス通信は、通信用のワイヤからのある程度の解放をもたらした。しかしながら、それらのデバイスを再充電するには、依然としてワイヤが必要である。多くの他の電子デバイスは、環境負荷を生じる頻繁な交換を必要とする再充電不可能なバッテリを使用する。さらに悪いことには、適正な標準充電インターフェースが存在しない。多くの様々な再充電可能なデバイスは、それら自体のウォールチャージャを必要とする。
【0004】
バッテリ技術は向上したが、パーソナル電子デバイス(PED)は、機能の追加および使用の増加(たとえば、デジタルカメラ、カラースクリーン、ゲームおよびMP3プレーヤを搭載した携帯電話)により、平均してより電力不足になり、その結果、事実上、自律時間が拡大するのではなく減少している。
【0005】
ポータブルデバイスへの電力を得ることが、従来の充電のフラストレーションを解決しようと試みる一連の最近の製品の焦点であった。これは、手巻き式充電器、亜鉛空気パワーパック、USB充電器およびマルチチップ汎用充電器を含む。これらは、すきま産業セクタを形成しているが、いずれも広範には成功していない。
【0006】
その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2008年1月22日に出願された「Wireless Apparatus and Methods」と題する米国特許出願第12/018,069号を限定はしないが含む、本発明の前の出願および仮出願には、電力のワイヤレス伝達が記載されている。
【0007】
送信アンテナおよび受信アンテナは、好ましくは、たとえば、共振の10%、共振の15%、または共振の20%内で実質的に共振する共振アンテナである。アンテナは、好ましくは、アンテナ用の利用可能なスペースが制限されることがあるモバイル、ハンドヘルドデバイスに取り付けられるように小型である。一実施形態では、電力が送信および受信されるための特定の特性および環境のための高効率アンテナについて説明する。
【0008】
一実施形態では、エネルギーを進行電磁波の形態で自由空間中に送信するのではなく、送信アンテナの近距離中にエネルギーを蓄積することによって、2つのアンテナ間の効率的な電力伝達を使用する。本実施形態は、アンテナの品質ファクタ(Q)を高める。これにより、放射抵抗(R)および損失抵抗(R)を低減することができる。
【0009】
一実施形態では、2つの高いQアンテナが、粗結合変圧器に同様に反応し、一方のアンテナが他方のアンテナ中に電力を誘起するように配置される。アンテナは、好ましくは、1000よりも高いQファクタを有する。
【発明の概要】
【0010】
本出願では、ワイヤレス電力の使用および適用例について説明する。
【0011】
態様は、ワイヤレスアンテナの同調、およびそれらのアンテナのパッケージングを含む。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】ワイヤレス制御のためのエネルギー送信機のブロック図。
【図2】ワイヤレス電力のためのエネルギー受信機のブロック図。
【図3】一般的なエネルギーリレー、無給電アンテナおよびリピータを示す図。
【図4】コンピュータのワイヤレスデスクトップを示す図。
【図5】デスクトップデバイス間の共面磁界結合を示す図。
【図6】ワイヤレス充電ステーション中のワイヤレスデバイスを示す図。
【図7】ワイヤレス充電ステーションの第1の実施形態を示す図。
【図8】第1の実施形態の原理を示す図。
【図9】第2の実施形態によるワイヤレス充電ステーションおよびポータブルデバイスを示す図。
【図10】ワイヤレス充電ステーションの第3の実施形態を示す図。
【図11】ワイヤレス電力ブリッジを示す図。
【図12】ワイヤレス電力ブリッジを示す図。
【図13】ワイヤレス電力デバイスの送信サブシステムを示す図。
【図14】ワイヤレス電力デバイス中で使用されるアンテナを示す図。
【図15】ワイヤレス電力デバイスの受信サブシステムを示す図。
【図16】アンテナの同調を変更する様々な方法を示す図。
【図17】アンテナの同調を変更する様々な方法を示す図。
【図18】アンテナの同調を変更する様々な方法を示す図。
【図19A】アンテナの同調を変更する様々な方法を示す図。
【図19B】アンテナの同調を変更する様々な方法を示す図。
【図20】アンテナの同調を変更する様々な方法を示す図。
【図21A】アンテナの同調を変更する様々な方法を示す図。
【図21B】アンテナの同調を変更する様々な方法を示す図。
【図22】電子抵抗を示す図。
【図22A】カバーまたはキーボード部分へのアンテナループの組み込みを示す図。
【図22B】カバーまたはキーボード部分へのアンテナループの組み込みを示す図。
【図22C】カバーまたはキーボード部分へのアンテナループの組み込みを示す図。
【図22D】カバーまたはキーボード部分へのアンテナループの組み込みを示す図。
【図23】複数の受信機シナリオを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
人々は、一般に、電子デバイスを使用したいだけで、それらの充電に関して心配しようとしない。たいていの人々にとって、バッテリを充電および交換することは、日々のルーチンにおけるもう1つの退屈な仕事になっている。
【0014】
人々は、忘れずにバッテリを取り替える必要があり、また適正な充電器を手元に有している必要がある。人々は、差し込むべきコンセントを空ける必要がある。放電したバッテリは、電話、マウスおよびキーボードの信頼性をなくすことになる。複数のデバイスを充電するために、ユーザは、複数の異なる充電器およびケーブルを持ち運ぶ。
【0015】
本発明者らは、規格として一般に使用できる持続可能なインフラストラクチャの必要を認識する。ポータブルデバイスに電力供給するための汎用規格は、消費者とOEMの両方に対して膨大な利益を有し、OEMは、製品を販売するときに充電器を省略することによって価格を下げることができる。
【0016】
汎用電力規格を確立することは、過去において、デバイスコネクタまたは充電接触子の機構によって部分的に制約されていた。これらはデバイス間で異なることがある。また、異なるデバイスは異なる電力要件を有することがある。
【0017】
本出願によって定義されるワイヤレス電力は、これらの問題の多くを回避することができる。一実施形態では、時変(AC)磁界に基づく誘導結合について説明する。ワイヤレス電力は、電力供給スタンドとデバイスとの間のワイヤ、コネクタまたは接触子を回避する。別の利点は、本システムが気密シール(防水)電子デバイスを提供することである。この解決策は、異なる電力要件をもつ複数のデバイスをすべて同時に充電することができる。
【0018】
ワイヤレス電力技術は、共有された場所において人々が電子デバイスを再充電する機会を有するような新しいインフラストラクチャを生成することができる。ゾーン内の人は誰でも、複数の充電器を必要とすることなく再充電することができる。ワイヤレス充電ゾーンは、友人の住宅、カフェ、レストラン、ホテル、または空港ラウンジの中にあることができる。人々は、どこに行っても、すべてのデバイスに再電力供給できることがわかるであろう。
【0019】
一般的なワイヤレスエネルギーソースは、図1に示す以下のサブシステム部分および機能からなる。電源100は、たとえば、コンセントから電力ソースを受け取る。これは、RF電源110上で電力を変調するために使用され、RF電源110は、指定されたRF周波数において電力を生成する。整合回路120は、インピーダンス不整合を最小限に抑えるために、RF出力を共鳴アンテナ130に整合させる。アンテナは、それ自体、送信の特性を制御することができる同調140および配向制御150を有することができる。
【0020】
制御システム160は、動作を制御する。ワイヤレスインターフェース170は、ワイヤレス電力を結合することができる。
【0021】
これらのサブシステムの各々について本明細書で詳細に説明する。
【0022】
電源100は、一般に、RF電力ステージ110を駆動するDC電圧を生成するための高効率スイッチモード電源とすることができる。極めて高い変換効率(>95%)を達成することができる。適用例に応じて、(たとえば、自動車の利用では)AC/DC変換器またはDC/DC変換器が使用できる。送信機自体の制御機能に対して、定電圧であるが、低いワット数、たとえば、5Vまたは12V電源を使用することもできる。
【0023】
特殊な解決策/適用例では、電源は、省略するか、または整流器のみとすることができる。
【0024】
適応システムは、制御システム160を使用してこの電圧レベルを適応制御することができる。
【0025】
RF電源110は、方形波発振器によって駆動される電力スイッチ(トランジスタ、FETなど)を使用した非線形高効率電力ステージとすることができる。より強い磁界強度で動作する近傍結合システムでは、水晶発振器などから生成された周波数基準を使用することが、周波数調整の問題に関して好ましいことがある。共通周波数は、たとえば、
・HF帯における13.56MHz(ISM帯)
・LF帯における約135kHz(ISM帯)
におけるかかる適用のための国際的な基盤で定義され得る。
【0026】
しかしながら、周波数生成は、制御システムの一部として考えることができる。
【0027】
VLF/LF範囲内で動作する送信機では、電力効率的なハーフブリッジ「インバータ」回路が一般に使用される。このステージは、矩形波形をもつ低インピーダンスソース(電圧ソース)によってモデル化できるが、代替的に、これは他のどんな種類の波形でもよい。
【0028】
矩形電圧波形によって生成されたアンテナ電流は、共振アンテナ回路によってシヌソイドに平滑化される。共振回路は、本質的に調波放射を抑圧することができる。
【0029】
しかしながら、いくつかの場合、たとえば、密な近接結合をもつ受信機などでは、ロードされるQファクタが極めて低くなり得るので、有意な波形整形効果がない。これは、デバイスの帯域幅を増大させる。しかしながら、そのような場合、送信機および受信機上のアンテナ電流は、部分的にそれ自体も補償しながら低レベルに下がるので、より小さい調波放射が予想される。調波放射が任意の不要放射限界を下回るように常に保つことができるように、ある程度まで、調波放射電位と波形整形効果は関連している。
【0030】
電力制御および効率制御は、DC供給電力、および/または「インバータ」を駆動している信号、たとえば、方形波のデューティサイクルを変えることによって達成できる。
【0031】
一実施形態では、アンテナ整合システムが使用される。
【0032】
別の実施形態では、送信機において、特定のアンテナ整合回路を必要としなくすることができる。ループ/コイルアンテナを仮定すると、ループ/コイルの誘導リアクタンスを補償するための逆リアクタとしてキャパシタを使用すれば補償するのに十分とすることができる。低インピーダンスRF電源の出力は、共振タンク回路(直列共振回路)に直接接続できる。高効率を維持するために、これは、生成された電力のうちのほんのわずかな割合がソース抵抗で損失されるように、RF電力段のソースインピーダンス(抵抗)がタンク回路の共振抵抗よりもかなり低いことを必要とする。ソース対共振抵抗比は、ある程度アンテナ設計パラメータ(L/C比)を介して制御され得る。
【0033】
本システムはまた、共鳴アンテナ130を使用する。磁気的に(誘導的に)結合されるシステムにおいて、アンテナは一般に多巻きループ(コイル)である。より高い周波数では、単巻きループが使用できる。アンテナコイルは、送信機サブシステムがアンロードである場合、たとえば、レンジ内に受信機がない場合に生じる高電圧および高電流に耐えるように設計され得る。このQファクタがサービスカバレージおよびレンジのへりにおける伝達効率を限定するので、アンテナコイルはできるだけ高いQファクタを与えなければならない。
【0034】
実用的なシステム実装形態において、LF周波数レンジでは最高300までのQファクタ、およびHF周波数レンジ(13.6MHz)では最高600までのQファクタが達成され得ると予想される。非組み込み実験室サンプルでは、2倍の大きさのQファクタが達成され得る。
【0035】
銅管または銀めっき銅管は、HFループを構築するために、を適切な材料になり得る。LFでは、ターゲットL/C比および電力定格に応じて細い高絶縁ワイヤまたはより太い撚線(リッツワイヤ)が使用され得る。LFでは、アンテナコイルは、整合または同調のためのタップを設けることができる。HFでは、(昇圧変圧器として振る舞う)特殊な結合ループ/コイルの使用がアンテナのインピーダンスに整合し、回路のローディング効果を防ぐために、用いられ得る。
【0036】
たとえば、水晶制御されるような固定され定義された動作周波数を仮定すると、共振周波数アンテナの同調は:
・外部からの物体(LFにおける金属物体およびHFにおける金属物体および誘電物体)
・極めて近接の離調された電力受信機、および/または
・ソースインピーダンスの変動
によってもたらされる離調効果を補償することができる
同調は、また、コンポーネントの許容差、経年劣化などを補償することができる。
【0037】
一実施形態では、同調は、定義された手順に従って送信機の制御システムによって自動的に実行される。+/−10%のオーダーのわずかな同調範囲が望ましく、また、たいていのシナリオで十分とすることができる。
【0038】
同調は、容量性、または誘導性、またはその両方とすることができる。
【0039】
容量性同調は、たとえば、ミニモータ/アクチュエータによって駆動される機械的に同調可能なキャパシタを使用することによって達成され得る。それは、誘電体の誘電率同調を使用して、またはバラクタダイオードのような電圧依存のキャパシタンスを使用して同調する電気的に同調可能なキャパシタを使用することができる。それは、キャパシタバンク、およびRFリレーのような電子的または機械的スイッチであり得る。
【0040】
バラクタダイオード同調は、高電圧において制限され、アンテナQファクタを劣化させ、調波を生じることがある。
【0041】
LFにおける誘導的な同調は、アンテナコイルをタップし、タップ選択器として機械的または電子的スイッチを使用することによって達成できる。ミニモータ/アクチュエータによって駆動される可動フェライトコアを使用する同調可能なインダクタまたはDC電流バイアスを使用する透磁率同調(permeability tuning)は、微同調のために使用され得る。
【0042】
微同調の別の実施形態は、第2のループ/コイルを導入し、いわゆるバリオメータ原理を使用して形状または配向による主ループ/コイルに対する結合ファクタを変更し得る。
【0043】
別の実施形態は、フェライトコアに対してインダクタを物理的に移動させることなしに、電子的にフェライトコアとインダクタとの間の結合を変え得る、またはいくつかの他の方法で変え得る。物理的移動は、結合を変化させる1つの方法であるが、磁界、または結合を調整するいくつかの他の方法が使用され得る。
【0044】
また、電子的にエミュレートされたリアクタンス同調が使用され得る。これは、正および負のリアクタンスをエミュレートするようにして、タンク回路の共振周波数を減少および増加させる。
【0045】
いくつかの適用例では、任意に配置または配向される受信機へのエネルギー伝達を最大にするように送信ループの配向を制御することが望ましいことがある。配向制御170は、送信の物理的またはシミュレートされた配向を変化させることができる。代替的に、直交偏波を用いた2つまたは3つの磁界成分が生成され得る。合計場ベクトル(sum field vector)は、回転して、任意の受信機配向および位置における受信最小値を防止する。
【0046】
制御システム160は:
・アンテナ同調制御
・電力制御および効率制御
・周波数生成
・他のハウスキーピング機能(たとえば、システム較正など)
・放射曝露制御
の全てを処理する。
【0047】
多くの適用例において、(1つまたは複数の)受信機の位置および配向(結合係数)は、変化し得る。その場合、システムは、各受信機の(1つまたは複数の)電力要求を満たし、全体的なシステム効率を最大にするために様々なシナリオに適合し得る。単一の受信機システムでは、送信機と受信機の両方が独立に適合して、最大伝達効率に収束し得る。一実施形態は、送信機パラメータを最適に調整するための受信機からのフィードバックシグナリングなしに動作することができる。送信機制御システムは、LC回路のローカルモデルを使用してシミュレートし、また受信機回路の値をシミュレートまたは推定し得る。送信機制御システムは、アンテナ電流および電圧、入力電力、ならびに較正ルーチンなど、特定の測定を使用してモデルパラメータを判断し得る。このモデルは、伝達効率を最適化し、および/または受信機の何らかの最小電力要求を満たすために使用できる。たとえば、送信アンテナ中の電流の流れを感知することによって、このモデルは受信システムに関する情報を判断し得る。
【0048】
複数の受信機シナリオは、より複雑なシステムを強いる。1つの解決策は、受信機からのフィードバックシグナリングを含み得る。
【0049】
このシステムはまた、放射曝露を制御することができる。たとえば、このシステムは、人が送信アンテナに接近しているときに送信電力を低減することを制御することができる。
【0050】
ワイヤレスインターフェース170は、たとえば、
・デバイス検出、識別、認証、または
・電力送信機と電力受信機(デバイス)との間の通信/シグナリング
のために提供され得る。
【0051】
エネルギー受信デバイスの検出、識別、および認証は、RFIDシステムなどのリモートセンシングシステムの類似物として使用され得る。通信は、双方向でもまたは単方向でもよい。
【0052】
エネルギーソースおよびエネルギーシンクとの間のデータ通信/シグナリングは、通信キャリアとして電力キャリアを使用し得る。より高いQファクタチャネルは、制限された利用可能帯域幅のみを有し、それにより変調指数および/または送信速度が制限される。
【0053】
別のシグナリングの代替策は、他の帯域で動作するBluetooth、Zigbee(登録商標)などのワイヤレス通信を使用し得る。多くのポータブルデバイスは、それら自体の通信に使用するためにすでにそのようなワイヤレスインターフェースをサポートしている。別の実施形態では、これらのインターフェースは、ポータブルデバイスによる通信用のそれらの使用に加えて、フィードバック用のエネルギー伝達システムによって使用される。
【0054】
受信機が、図2に一般的に示されており、図1の送信機と同様の部分を本質的に逆の順序で含む。具体的に言うと、受信機は、共鳴アンテナ210と、同調220と、整合240と、整流器250と、負荷260と、制御システム270と、ワイヤレスインターフェース230とを含む。これらのサブシステムの各々について本明細書で詳細に説明する。
【0055】
磁気/誘導結合されたシステムでは、アンテナ210は一般にワイヤの多巻きループである。LFにおいて、磁気アンテナは、強磁性またはフェリ磁性コア、たとえば、フェライトロッドアンテナを含み得る。より高い周波数(HF)において、多巻きループが使用され得る。アンテナコイルは、受信機サブシステムが最高の負荷Qで動作する場合、または送信機に極めて近接している場合に生じる高電圧および高電流に耐えなければならない。Qファクタは、伝達効率を設定し、より高いQファクタは、電力が受信できる距離を向上させる。受信アンテナの周囲の渦電流および誘電損失は、そのQファクタを劣化させる。これは、アンテナがデバイスに組み込まれる場合に特に当てはまる。
【0056】
最高150までのQファクタは、LFにおいて典型的であり、HF周波数レンジ(13.6MHz)における最高200までのQファクタが典型的であり得る。非組み込み実験室サンプルでは、2倍の高さのQファクタが達成可能であり得る。
【0057】
上述と同様の材料が使用されることができる。
【0058】
LFにおける、アンテナコイルは、整合または同調のためのタップを設けることができる。HFにおける、特殊な結合ループ/コイルの使用がアンテナのインピーダンスに整合するために用いられ得る。
【0059】
エネルギー送信機によって規定された固定の動作周波数を仮定すると、アンテナの共振周波数の同調は:
・外来物体(LFにおける金属物、ならびにHFにおける金属物体および誘電物体)
・極めて近接した離調された電力受信機
・ロードインピーダンスの変動
によって引き起こされた離調効果を補償し得る。
【0060】
同調は、また、構成要素の許容差、経年劣化などを補償することができる。
【0061】
同調は、定義された手順に従って受信機の制御システムによって自動的に実行され得る。
【0062】
+/−10%のオーダーのわずかな同調範囲が望ましく、また、たいていのシナリオで十分であり得る。
【0063】
共鳴アンテナは、逆リアクタンス(キャパシタンス)、またはアンテナシステムの誘導部分のリアクタンスを変えることによって変化することができる。
【0064】
容量性同調は:
・(ミニモータ/アクチュエータによって駆動される)機械的に同調可能なキャパシタ
・電気的に同調可能なキャパシタ(誘電体の誘電率同調)、または
・キャパシタバンク(ライブラリ)、および電子的または機械的スイッチ(RFリレー)
によって達成され得る。
【0065】
また、誘電性同調は、上記のように、たとえば、アンテナコイルをタップし、機械的または電子的スイッチ(タップ選択器)を使用することによって使用されることができる。ミニモータ/アクチュエータによって駆動される可動フェライトコアを使用する同調可能なインダクタ、またはDC電流バイアスを使用する透磁率同調は、微同調のために使用され得る。
【0066】
また、上記のように、電子的にエミュレートされたリアクタンス同調が使用され得る。
【0067】
また、整合は上記のように使用され得る。
【0068】
高い結合係数の条件において、整流器/ロードは、送信機と同様の方法で直列タンク回路に挿入され得る。しかしながら、低い結合係数の条件において、ロードへの電力を最大にする最適な負荷抵抗は、受信機タンク回路の共振抵抗に近づく。この値は、タンク回路のL/C比に応じて数オーム程度と低くすることができる。特殊な結合ループおよび/またはタップされたアンテナコイル、および/または容量性電圧分割器のいずれかを使用した特殊な整合が整流器/ロードによって課されたインピーダンスを変換するために、使用され得る。
【0069】
整流器250は、受信機アンテナに誘起されたAC電力をDC電力に変換する。整流器は、低いしきい値電圧をもつダイオードのような電流整流電子コンポーネント、または受信されたACに同期してスイッチングするトランジスタのような電子回路を使用する。
【0070】
整流器はできるだけ小量の電力を損失しなければならない。したがって、特に単純なダイオード整流器を使用する場合、適切なアンテナ整合構成、および負荷インピーダンス適応が使用され得る。
【0071】
同期整流は、より複雑であるが、特に低い整流器入力電圧、低インピーダンスの場合において低電力損失のポテンシャルを提供する。
【0072】
負荷は以下を含む
・伝達エネルギーを消費するターゲット負荷(たとえば、デバイス、デバイス回路のバッテリ)
・エネルギー受信機自体の供給(制御機能)によって強いられる負荷
・たとえば、理想的には最小の電力損失をもつDC/DC変換器を使用した、負荷インピーダンス適応、および負荷電力制御。負荷特性に応じて、これは、ステップダウンまたはステップアップコンバータとして振る舞うことができる。
【0073】
受信機の制御システム260は:
・アンテナ同調制御
・電力制御および効率制御
・たとえば、負荷が60Hz電力周波数以外を必要とする場合における、周波数生成、ならびに
・システム較正のような他のハウスキーピング機能
を実行する。
【0074】
多くの適用例において、受信機の位置および配向(結合係数)は変化し得る。負荷への電力を所望のレベルに制御および維持し、受信機効率を最大にするために、受信機が自動的に異なる状態に適合するようにすることには利点が存在し得る。
【0075】
単一の受信機システムでは、受信機は、たとえば、特定の測定(たとえば、アンテナ電流および電圧、入力電力など)ならびに較正ルーチンを使用してモデルパラメータを判断する上述のモデルを使用して、送信機とは独立に適合し得る。このローカルモデルに基づいて、受信機のパラメータは、伝達効率を最大にし、受信機の電力要求を満たすように最適化できる。複数の受信機がある場合、上記のモデル技法を使用するか、あるいはエネルギー受信機および/または送信機は他方にデータをフィードバックすることができる。
【0076】
さらに、このシステムは、人が寄生アンテナに接近している場合、たとえば、その電力を低減することによって放射曝露制御を実行することができる。
【0077】
送信機の場合のように、ワイヤレスインターフェース270は、省略するか、あるいはデバイス検出、識別、認証、または電力送信機と電力受信機との間の通信/シグナリングのために使用され得る。
【0078】
エネルギー受信デバイスの検出、識別、および認証は、現在のRFID規格のいずれかを使用する現在のRFIDシステムのように使用され得る。送信機について説明した技法のいずれも使用され、通信キャリアとして電力キャリアを使用すること、または他のISMバンドにおいて動作するBluetooth、Zigbeeなどのワイヤレス規格を使用することを含む。
【0079】
図3に、エリア中でワイヤレス電力を中継するために無給電アンテナを使用するエネルギーリレーシステムを示す。
【0080】
一般的なワイヤレスエネルギーリレーは、中継されている周波数と共鳴する共鳴無給電アンテナ310を使用する。同調回路320は、キャパシタおよびインダクタから形成できる。このシステムは、整合330と、整流器340と、選択的負荷と、を使用する。制御システム350は、動作を制御する。このエネルギーリレーは、ワイヤレスエネルギー伝達システムのカバレージ/レンジを拡張するために使用できる。エネルギーリレーは、エネルギー送信機からエネルギーを受信し、そのエネルギーをエネルギー受信機に中継する。エネルギーリレーはまた、電界強度をローカルで増幅する無給電アンテナとして考えることができる。
【0081】
磁気的に/誘導的に結合されるシステムにおいて、アンテナ310は、一般にキャパシタと直列の多巻きループ(コイル)である。より高い周波数(HF)では、単巻きループが使用できる。アンテナコイルは、エネルギーリレーサブシステムが無負荷である(範囲内に受信機がない)場合、および/またはリレーがエネルギー送信機に近接している場合に生じる高電圧および高電流に耐えることができなければならない。Qファクタにより、拡張されたサービスカバレージおよびレンジのふちにおける伝達効率が限定されるので、アンテナコイルはできるだけ高いQファクタを供給しなければならない。
【0082】
最高300までのQファクタは、LF周波数レンジにおいて達成され、HF周波数レンジ(13.6MHz)では最高600までのQファクタが達成される。非組み込み実験室サンプルでは、Qファクタを2倍にすることができる。無給電アンテナを構築するのに必要とされる材料およびコンポーネントは、エネルギー送信機で使用される材料およびコンポーネントと同じまたは同様とすることができる。無給電アンテナ310は、上記で議論された同様の方法で離調され得る。
【0083】
同様にして、整合330は上記の技法を使用することができる。
【0084】
整流器340は、ローカルで、たとえば、制御システムおよび他の回路によって消費されるDC電力を抽出するために使用される。これは、上記と同様の構造を使用することができる。制御システム350は、アンテナ同調制御、および/または電力制御および効率制御のために使用できる。いくつかの適用例では、リレーの位置および配向(結合係数)は変化し得る。これは、リレーが様々な条件に自動的に適合するべきであることを示し得る。
【0085】
一実施形態において、リレーは、上記の技法のいずれかを使用してエネルギー送信機とは独立に適合し得る。
【0086】
また、ワイヤレスインターフェースは、エネルギーリレーを検出し、識別し、認証するため、エネルギーリレーを活性および不活性にするため、および/またはエネルギーリレーの動作状態に関する情報を送信するために、上述のように使用され得る。
【0087】
ワイヤレス電力システムは、図4に示すような完全にワイヤレスのデスクトップIT環境を提供するために使用されることができる。ハンドヘルド通信端末およびIT周辺装置は、中央電源からワイヤレスエネルギー伝達を介して電力供給または再充電される。ワイヤレスエネルギー伝達のための好ましい技法は、磁界アンテナ、たとえば、LF周波数レンジまたはHF周波数レンジのいずれかで動作するループまたはコイルを使用して結合された磁気共鳴に基づく。
【0088】
図4は、スクリーン400とともにパーソナルコンピュータを使用したワイヤレスデスクトップ実施形態を示す。スクリーン400は、アンテナ404が埋め込まれたベース402を有する。ベースは、ディスク形であり、実質的に垂直に偏向した磁界を生成するために円形ワイヤループアンテナを埋め込み得る。
【0089】
ワイヤレス電力対応デバイスは、デスクトップ上に配置され、電力送信機ユニットから電力を受信することができる。電力送信機ユニットならびにディスプレイ400は、AC電力、たとえば、110VACで動作する。これは、内部アンテナ412をもつキーボード410、アンテナ422をもつマウス420のようなデスクトップデバイス、および携帯電話、音楽プレーヤ、PDAなどの他の個人電子デバイスなどに電力供給するために使用されることができる。デスクトップ上のこれらのアイテムの配置は、送信ループアンテナ404に対するそれらの内部アンテナ、たとえば、412、422の優先的に共面配向を生じる。
【0090】
再充電スタンド上に通常配置されるコードレス電話、デジタルカメラなどの他のデバイスについては、ワイヤレス電力受信機およびそのアンテナは、430などの再充電スタンドの一体部分とすることができる。
【0091】
また、図5に示すように、より効果的なアンテナを組み込むのに十分なスペースを提供する電力受信デバイスは、それらのデバイスの近くに配置された他の低電力デバイス用の電力リレーとして働くこともできる。
【0092】
他の実施形態は、低電力ポータブル電子デバイス用のワイヤレス電力供給または充電スタンドの変形のために使用され得る。ポータブル電子デバイス(たとえば、コードレス電話)をもつワイヤレス電力供給または充電スタンドの一例を図6および図7に示す。本実施形態は、ワイヤレス電力をポータブルデバイス710の内部アンテナ705に中継する充電ベースに無給電アンテナを埋め込むことができる。本実施形態では、内部アンテナ705はフェライトロッドアンテナである。デバイス710およびその内部アンテナ705は、無給電アンテナ700に対して指定の場所に維持されるので、電力の中継は、正確な場所に同調され、したがって電力伝達が極めて効率的になることができる。
【0093】
一実施形態は、ソースからの電力を受信機に伝達するために磁気結合共鳴を使用する。通常の誘導結合とは対照的に、優先的には高い品質ファクタの粗結合共鳴ループ/コイルアンテナがエネルギー伝達のために使用される。動作周波数は、好ましくはLF周波数レンジまたはHF周波数レンジのいずれかにある。
【0094】
図7に示す変形1において、ワイヤレス充電スタンド699とポータブルデバイス720の両方が共鳴磁気アンテナを組み込む。充電スタンド699は、好ましくはスタンドのソケット中のスペースを効率的に利用してループ/コイルアンテナ700を収容し、一方、ポータブルデバイスは、一体型フェライトロッドアンテナ、または適切な形状ファクタをもつ別のループ/コイル構造を使用する。ワイヤレス充電スタンドアンテナ700は、800などの電力ベーススタンド一次アンテナから電気エネルギーを受信する二次アンテナである。次いで、これは三次アンテナ705であるポータブルデバイス710のアンテナ705に中継される。この原理を図8に示す。
【0095】
ポータブルデバイス710はまた、電力ベーススタンド800からエネルギーを直接受信することができる。ポータブルデバイス710に組み込まれたアンテナ705は、充電スタンドに組み込まれたアンテナ700よりも効率的でないことがある。一次アンテナ800と二次アンテナ700との間の距離が増加するにつれて、直接受信できる電力がより少なくなる。二次アンテナは、本質的に充電スタンドの近傍の磁界をローカルに増強して、ポータブルデバイス中の受信アンテナの全体的な効率を高める。したがって、本実施形態は、ワイヤレス電力供給とワイヤレス充電の距離を増大させるために使用できる。しかしながら、ユニットが一次アンテナの十分に近くに配置された場合、ポータブルデバイスは電力ベーススタンドから電気エネルギーを直接受信することもでき、したがって特殊な充電スタンドを必要としない。さらに、充電スタンドとポータブルデバイスとの間の磁気結合は、特別な利点を有し得る。すなわち、上述のように、それは、汚れおよび酸化を回避させ、ポータブルデバイスの複数の様々な設計に使用できる。
【0096】
別の実施形態を図9に示す。本実施形態では、ワイヤレス充電スタンドによって受信された電気エネルギーは、接触子900、902を介した導電結合を使用してポータブルデバイスに伝達される。
【0097】
図10に示す別の実施形態は、有線接続を通して、たとえば、ワイヤ1010を介して110/230V ACソースから電力を直接受け取る。ただし、電力は、送信アンテナ1020と受信アンテナ1030との間の磁気結合共鳴に基づいてポータブルデバイスに伝達される。
【0098】
ワイヤレス電力の別の適用例はワイヤレス電力ブリッジであり、これは、いくつかの状況では、壁または窓を通して電力を送信することが都合のよいことがあることを認識する。
【0099】
第1の実施形態は、ACソケットがないテラスまたはバルコニー上で限定された自律性をもつラップトップPCまたは他のバッテリ動作デバイスに電力供給するためにこのデバイスを使用し得る。ACソケットを取り付けることは不都合なことがあり、唯一の代替策は延長コードである。この例では、壁または窓を通して電力を伝達することを可能にするワイヤレス解決策が使用できる。このワイヤレス電力伝達システムの屋内コンポーネントは、永久に設置されたままにすることができ、屋外コンポーネントは、トランスポートバッグに入れて容易に搬送できる軽量アクセサリまたはラップトップPCである。
【0100】
別の実施形態は、住宅の外壁に取り付けられたセンサ(たとえば、盗難警報機システム)に電力供給するために本システムを使用し、さもなければ、それらのデバイスに電力供給することが困難なことがある。
【0101】
ワイヤレス電力ブリッジは、標準ACソケットまたはDC電源出力(たとえば、12VDC)を供給し得る。ワイヤレス電力ブリッジのこれらの2つの変形は、それぞれ図11および図12に略示されている。また、送信サブシステムは、互換性がある受信デバイスを使用して壁の反対側からの電力への容易なアクセスを可能にする、目に見えないローカル電力ホットスポットを生成することができる。
【0102】
ワイヤレス電力ブリッジは、共鳴送信アンテナと共鳴受信アンテナとの間の磁界誘導結合に基づく。これは、壁または窓を通したワイヤレス送信に適切である非変調キャリア周波数、たとえば、50Hzを使用する。好ましい周波数は、20kHzから135kHzまで(VLF、LF)の範囲内にある。別の実施形態は、ワイヤレスエネルギー伝達のためにAC電力周波数、典型的には60Hzを直接使用する。一実施形態は、同じくアンテナのサイズに応じて数mmから40センチメートルまでの範囲内の厚さの非金属壁を通して電力を効率的に伝達する。これは、高いQファクタ(一般に>200)をもつ結合共振を適用して2つの共鳴アンテナを使用することにより達成される。
【0103】
システムの寸法決め、および送信アンテナと受信機アンテナの隔たり(伝送距離)に応じて、システムは、最高100Wまたはそれと同様の電力を伝達することができる。これは、たとえば、同様の電力消費をもつラップトップコンピュータまたは他のデバイスに供給するために使用できる。
【0104】
本システムは、一般に以下のコンポーネントから構成される。
【0105】
・標準ACソケット(たとえば110VAC/60Hzまたは220VAC/50Hz)に接続する電力コード。
【0106】
・供給AC電圧および周波数(たとえば110VAC/60Hzまたは220VAC/50Hz)を、壁または窓を通したワイヤレス送信により適切であり得る別の電圧および別の周波数(一般に>50Hz)に変換する送信電力変換器ユニット。一実施形態では、送信電力変換器ユニットは、電力送信として標準的な60Hz周波数を使用する。
・動作周波数で共鳴する送信アンテナユニット(フラットパネル)。
【0107】
・所望の動作周波数における共鳴を達成するために多巻きループ(コイル)とキャパシタとを組み込む受信アンテナユニット(フラットパネル)。
【0108】
・ワイヤレス送信に使用される周波数を所要のDC電圧または標準AC供給電圧および周波数に再変換するAC/DCまたはAC/AC周波数変換器を組み込む受信電力変換器ユニット。
【0109】
図11に、壁および窓を通して電力を送信するための構成を示す。送信アンテナと受信アンテナとの間の距離は変化することができ、したがって結合係数は変化する。一実施形態において、システムは、受信側の電力要件を満たし、伝達効率を最大にするために実際の状態に自動的に適合する。
【0110】
さらに、システムは、環境またはコンポーネントの許容差によって引き起こされた離調効果を補償するための自動アンテナ同調を提供し得る。
【0111】
送信アンテナおよび受信アンテナは、最大伝達効率を得るために同軸に整合できる。受信電力変換器ユニットに組み込まれたインジケータ(たとえば、より低い電力のLED)を使用することができ、このLEDは、結合が改善するにつれてより明るくなる。この技法は、最大伝達効率を生じる受信アンテナの最適位置を発見するために使用されることができる。
【0112】
図13に、本出願で説明するワイヤレス電力実施形態のいずれかとともに使用できる送信サブシステムのブロック図を示す。このサブシステムは、送信電力変換器ユニット1300と、送信アンテナユニット1310とを含む。
【0113】
送信電力変換器ユニット1300はいくつかのサブユニットを有する。整流器およびフィルタアセンブリ1320は、後続のステージによって使用される生のDC電圧を生成する。これは、最終的に送信アンテナユニット1310に供給される電力を提供するDC/DC変換器1330によって使用できる。補助DC/DC変換器1340は、周波数生成および制御サブユニットに電力を供給するために使用できる。また、同調ネットワーク1350は、正確な共振最大化アンテナ電流を維持するために電力供給されることができる。アンテナ電流センス1360は、同様に、変換器からの電力に基づいて大きさおよび位相に関してアンテナ電流を測定することができる。
【0114】
周波数生成および制御サブユニット1370は、以下を含む多くの様々な機能を実行する。
− 電力ステージ、たとえば、ハーフブリッジインバータ1380を駆動するワイヤレス電力送信のために使用される周波数を生成すること、
− ワイヤレス電力ブリッジの電力および効率を制御するために、本明細書で説明するように送信サブシステムの機能を自動制御すること、
− 送信サブシステムの手動制御のためのヒューマンインターフェースを制御すること。これは、たとえば、活性化/不活性化、電力制御などを含むことができる。
【0115】
ワイヤレス電力ブリッジは、最高100Wの電力を伝達するように構成でき、たとえば、ラップトップコンピュータまたは他の同様の電力デバイスに供給するのに使用される外部電源と同様の形状ファクタおよび外側の外観をもつ送信電力変換器ユニットを使用することができる。
【0116】
整流器およびフィルタサブユニット1320は、周波数生成および制御サブユニットによって制御インターフェースAを介して制御される機能を含むことができる。一般に、DC/DC変換器1330は、その入力電圧よりもより低い出力DC電圧を提供するステップダウン変換器である。一般に、DC/DC変換器1330によって生成される出力電圧は、可変であり、電力制御のために、および最大エネルギー伝達効率を達成するために周波数生成および制御サブユニットによって制御インターフェースBを介して制御される。
【0117】
一実施形態では、このDC/DC変換器は省略でき、その場合、電力ステージ(ハーフブリッジインバータ)は、整流器およびフィルタサブユニットによって直接供給される。一実施形態では、スイッチング電源を使用することができる。
【0118】
補助DC/DC変換器サブユニット1340は、周波数生成および制御サブユニット1370、ならびに他の電力供給されるユニットに供給するための固定のDC出力電圧を提供する。
【0119】
ワイヤレス電力送信に使用される電力キャリアを生成する電力ステージは、好ましくは2つの電子的電力スイッチ、たとえば、「プッシュプル」構成のFETまたはトランジスタを使用するハーフブリッジインバータ1380である。電力ステージは、周波数生成および制御サブユニットによって制御インターフェースBを介して駆動し、制御される。電力および伝達効率制御は、電力ステージのDC供給電圧と、周波数生成およびコントロールサブユニットによって生成されるスイッチング波形のデューティサイクル/パルス幅とを変更することによって達成される。
【0120】
DC/DC変換器が固定のDC出力電圧を供給する一実施形態では、電力および伝達効率はスイッチング波形のデューティサイクルのみによって制御される。
【0121】
標準AC供給周波数がワイヤレス電力送信のために直接使用される別の実施形態では、電力ステージは、周波数生成およびコントロールサブユニットによって制御される位相制御変調器から形成される。
【0122】
同調ネットワーク1350は、共振において動作されるアンテナを維持するためのパラメータを調整するために使用できる。一実施形態では、固定で水晶安定化された送信周波数を使用することができる。これにより、他のシステムに有害な電磁干渉の危険を低減するという周波数調整の問題の助けとなり得る。
【0123】
これは、最大送信範囲および効率を必要とし、したがって高い「負荷されたQファクタ」で動作されるすべての適用例に特に当てはまる。
【0124】
同調ネットワークは、また、送信アンテナの近傍における受信サブシステムおよび/または外来物体によって、ならびに電力ステージのソースインピーダンスの無効成分によって引き起こされ得る離調効果を補償し得る。
【0125】
同調ネットワークは、また、送信アンテナユニットおよびそのフィーダケーブルのコンポーネントの許容差(経年劣化)を補償し得る。
【0126】
同調ネットワークは、また、コントロールCを介してコントロールサブユニットおよび周波数生成によって制御され得る。
【0127】
いくつかの実施形態は、限られた送信範囲(たとえば、送信アンテナと受信アンテナとの間の高い結合係数)のみを必要とすることがある。その場合、同調ネットワークは、必要としないことができる。
【0128】
アンテナ電流センスは、周波数生成および制御サブユニットによって大きさおよび位相に関してアンテナ電流を測定するために使用される(センスインターフェースD)。電流センスは、アンテナシステムのQファクタを劣化させない方法で行われなければならない。一実施形態では、受信情報を送信機に供給する受信デバイス上の電圧センサが使用される。適応型電力送信機は、ステップの電力をランプアップし、誘発された電力レベルを感知する。
【0129】
周波数生成および制御サブユニットは、電力ステージを形成しているハーフブリッジインバータを駆動するための周波数およびスイッチング波形を生成する。このサブユニットはまた、アンテナ電流センスを使用して送信アンテナ電流を測定し、(指定の範囲内で)受信機による電力要求を満たすように送信電力変換器の動作パラメータを調整する。このようにして、電力変換器は最大エネルギー伝達効率を達成することができる。一実施形態では、最大動作は、その開示の内容全体が参照により本明細書に組み込まれる、2009年2月26日に出願された本発明者らの同時係属出願番号第12/394,033号に記載されている技法に従って実行できる。
【0130】
一実施形態では、周波数生成および制御サブユニットは、受信サブシステムの他のエンティティと通信しない。両方のサブシステムは、独立して働いて、受信サブシステムに接続された外部ロードによる電力要求をどのように満たすべきかを判断して、最大エネルギー伝達効率に収束するように送信側と受信側の両方に対する動作パラメータを最適化する。
【0131】
周波数および制御サブユニット1370はまた、送信電力変換器ユニットを活性化/不活性化し、パラメータを手作業で変更するためのユーザインターフェースを含むことができる。
【0132】
送信アンテナユニット1310は、送信電力変換器ユニットによってアンテナフィーダケーブル1309を介して給電される純粋に受動的なデバイスである。ケーブル1309は、典型的には1m長とし、標準の二線式ACケーブルと同様の品質であり、それと同様の電圧定格を有することができる。
【0133】
送信アンテナユニットは、直列タンク回路の主部分を形成している多巻きループ(コイル)と高電圧キャパシタとを含む。多巻きループは、最悪の場合に生じる可能性があるアンテナ電圧に耐えるように設定された、十分に絶縁された銅線から製造される。典型的な設計では、二乗平均電圧は、システム実効電力定格および指定の最大伝送距離に応じて1000Vを上回ることがある。
【0134】
20kHzと135kHzとの間のレンジの動作周波数を仮定すると、表皮効果および近接効果による渦電流損を低減し、無負荷のQファクタを最大にするために、好ましくはリッツワイヤのような適切により線を使用することができる。
【0135】
典型的な設計において、キャパシタは、システムの実効電力定格と、回路の実際のQファクタと、指定の最大伝送距離とに応じて二乗平均電圧>1000Vに耐えるように大きさを決めなければならない。
【0136】
フラットパネル送信アンテナユニットの典型的なレイアウトを図14に示す。アンテナ1400は、コイル部分1405と高電圧キャパシタ1410とから形成される。高電圧キャパシタ1410は、スペースを節約し、所与の外部輪郭形状ファクタに対する最大ループサイズを提供するために、ループの内部に取り付けられる。HVキャパシタはアンテナユニットに統合されるので、高いQファクタ(高いロードされたQ)での共振からもたらされる高電圧は、その内部に保持され、フィーダケーブル上にも、また送信電力変換器ユニット中にも現れない。したがってこれは、設計を単純化し、いくつかの要件を緩和する。
【0137】
送信アンテナユニット100は、壁または窓に対する平面アンテナの永続的な取付けまたは一時的なサスペンディングを簡単にする特殊な固定具を設けることができる。図14は、吸着カップ1420およびサスペンディングハンドル1422を示している。
【0138】
受信サブシステムを図15に示す。送信サブシステムの場合のように、受信サブシステムは、受信アンテナユニットと、受信電力変換器ユニット1510とから形成される。これらのユニットの多くは上述のユニットに極めて類似している。
【0139】
受信アンテナユニット1500は、送信アンテナユニット1310と同じであり得る。別の実施形態では、受信アンテナの寸法は、このデバイスに適合するために、形状ファクタ、構成、および電気的特性に関して異なり得る。
【0140】
受信アンテナユニットは、ケーブル1309と同様のアンテナフィーダケーブル1501を介して受信電力変換器ユニットに給電する。
【0141】
受信電力変換器ユニット1510は、アンテナ電流センス1520と、アンテナ電流を最大にすることによって受信アンテナの正確な共鳴を維持し、整流器を受信アンテナに整合させるための同調および整合ネットワーク1530と、後続のステージによって必要とされる生のDC電圧を生成する整流器1540とのうちのいずれかまたはすべてを含み得る。
【0142】
DC/DCまたはDC/AC変換器1550は、受信サブシステムに接続された外部ロード1599の要件を満たす電圧および電流をもつDCまたは標準AC供給出力をそれぞれ生成するために使用され得る。それはまた、周波数生成および制御サブユニットと他の電力消費ユニットとに供給するための補助DC/DC変換器1555を含み得る。
【0143】
電圧センス1560、および電流センス1565は、外部ロード1599への出力電圧および出力電流を測定するために使用され得る。
【0144】
送信ユニットの場合のように、ワイヤレス電力ブリッジの電力および効率を制御するために、送信サブシステムについて関係するすべての機能およびパラメータを自動制御する周波数生成および制御サブユニット1570が存在する。これはまた、たとえば、ヒューマンインターフェースを介して設定の手動制御および変更を制御するユーザインターフェースを含み得る。これは、活性化/不活性化、電力、電圧および電流定格などを含むことができる。
【0145】
ユニット1570はまた、外部ロードに対して指定された標準AC供給周波数を生成することができる。
【0146】
最高100Wまでの伝達電力に寸法決定されたワイヤレス電力ブリッジを仮定すると、受信電力変換器ユニットは、一般に、ラップトップコンピュータまたは同様の電力定格の他の機器に供給するのに使用される外部電源と同様の形状ファクタと外側の外観とを有することができる。
【0147】
アンテナ電流センスは、周波数生成および制御サブユニットによってセンスインターフェースDを介して受信アンテナ電流を測定するために使用される。電流センスは、好ましくは、アンテナシステムのQファクタを劣化させてはならない。
【0148】
同調および整合ネットワークは、一般に、受信アンテナが共鳴において動作され、整流器の入力インピーダンスが受信アンテナに最適に整合されるようにするために使用される。これは、最大送信レンジおよび効率を必要とするすべての適用例に特に当てはまる。
【0149】
上記のように、同調および整合ネットワークは、受信アンテナの近傍における送信サブシステムおよび/または外来物体と、整流器のロードインピーダンスとによって引き起こされ得る離調効果を補償する。同調および整合ネットワークは、受信アンテナユニットおよびそのフィーダケーブルのコンポーネントの許容差(経年劣化)を補償する。
【0150】
同調および整合ネットワークは、周波数生成および制御サブユニットによって制御インターフェースCを介して制御され、また再構成できる。
【0151】
ワイヤレス電力ブリッジの一実施形態は、送信アンテナと受信アンテナとの間の結合係数が高い場合のように、限られた送信レンジのみを必要とする。この場合、同調および整合ネットワークは省略できる。
【0152】
整流器は、受信アンテナに誘起されたAC電圧を整流し、フィルタ処理して、生のDC供給を後続のステージに与える。整流器およびフィルタサブユニットは、上記のように、周波数生成および制御サブユニットによって制御インターフェースAを介して制御される機能を含むことができる。
【0153】
DC/DCまたはDC/AC変換器は、適用例に応じて、受信サブシステムに接続された外部ロードの要件を満たす出力電圧および電流を供給するステップダウンまたはステップアップ変換器とすることができる。一般に、DC/DCまたはDC/AC変換器によって生成される出力電圧または電流は、可変であり、周波数生成および制御サブユニットによって制御インターフェースBを介して制御される。一実施形態では、この変換器は省略でき、その場合、外部ロードは整流器によって直接給電される。
【0154】
標準AC本線周波数がワイヤレス電力送信のために直接使用される一実施形態では、DC/DCまたはDC/AC変換器は、たとえば、外部ロードへの出力電圧および電流を制御する位相制御変調器と交換され得る。
【0155】
補助DC/DC変換器サブユニットは、周波数生成および制御サブユニットに供給するための固定のDC出力電圧を提供する。
【0156】
周波数生成および制御サブユニットは、外部ロードの電圧および電流要件を満たし、エネルギー伝達効率を最大にするために、受信サブシステムについて関係するすべての機能およびパラメータを自動制御する。必要な場合、周波数生成および制御サブユニットは、外部ロードの要求に応じて標準AC周波数を生成し、この周波数を制御インターフェースAを介してDC/AC変換器サブユニットに供給する。
【0157】
さらに、これは、アンテナ電流センスによるアンテナ電流と、電圧および電流センスによるDCまたはAC出力電圧および電流とをそれぞれ測定する。(指定の範囲内で)受信機による電力要求を満たし、エネルギー伝達効率を最大にするために、これらの測定を使用して、受信電力変換器ユニットの関係する動作パラメータおよび構成を計算および/または調整することができる。
【0158】
受信サブシステムは、伝達効率を最大にするために受信動作パラメータを最適化しながら、外部ロードによる要件を満たすために送信サブシステムとは独立して作動する。
【0159】
周波数および制御サブユニットはまた、受信電力変換器ユニットを活性化/不活性化し、パラメータまたは構成を手作業で変更するためのヒューマンインターフェースを提供することができる。
【0160】
磁気結合共鳴に基づく効率的なワイヤレスエネルギー伝達は、エネルギー送信機とエネルギー受信機の両方において最高の可能な品質ファクタをもつ共振アンテナ回路を使用するときにより効率的になり得る。
【0161】
Qファクタは次のように表すことができるので、数ワットのオーダーのエネルギー伝達に関連する高いQファクタは、LCタンク回路における高い無効電力(reactive power)を意味する。
【数1】

【0162】
高い無効電力は、アンテナインダクタおよびその逆リアクタ/キャパシタの両端間の/を通る高い交流電圧/電流を意味する。
【0163】
アンテナは、適用例に応じて様々な設計を有することができる。LFでは、典型的な解決策は多巻きワイヤループまたはコイルとすることができる。高いQコイルは様々な方法のうちの1つで得ることができる。1つの方法は、コイルのために細い銅線および多数の巻きを使用することである。別の手法は、より低い巻き数を用いてより太く適切な撚線(リッツワイヤ)を使用することとすることができる。リッツワイヤは、動作周波数に対して最適な直径をもつ個々に絶縁されたストランドから形成される。別の方法は、少数の巻数を用いて適切なフェライトコアおよびリッツワイヤを使用することである。
【0164】
この細い/より多数の巻き技法は、高インピーダンスコイルを与えることができる。これは、高リアクタンスおよび比較的高損失の直列抵抗を意味する。これは、コイルのリアクタンスの大きさよりもQ倍低い。ここで、Qは、タンク回路の全Qファクタとして通常は仮定できるコイルのQファクタを指す。
【0165】
リッツワイヤ手法2は、より低いインピーダンスコイルを用いた解決策になる。これは、たとえば、コイルのリアクタンスの大きさよりもQ倍低い、より低いリアクタンスおよび比較的低損失の直列抵抗を意味する。
【0166】
フェライト手法は、高い磁界強度(飽和)と、コア材料中のヒステリシス損失により生じる低いコイルQファクタとを作り出すことができる。
【0167】
等しいQを仮定すると、細いワイヤ/多数の巻き手法は、共振においてより高い電圧を供給することができる。これは、今度は、特により細いワイヤが使用されることに関してアーク放電/放電の危険をより高くする。リッツワイヤは、より良い電力伝達能力での解決策を提供し得る。他方では、あまりに低いインピーダンスが目標にされる場合、等価直列抵抗が十分に低く、特にスペース制約の下に高電流をサポートすることができるキャパシタを見つけるのがより困難になり得る。
【0168】
アンテナはまた、電力ステージに整合されなければならない。比較的単純で安定した送信機解決策は、ハーフブリッジインバータおよび直列タンク回路を用いて電圧源から形成された低インピーダンス出力電力段を使用することによって得られる。高効率のためには、このタンク回路が電力ステージのソース抵抗よりも高い直列共振抵抗を有することが必要である。
【0169】
HF(たとえば、13.6MHz)の場合は、同様の考察を行って同様の結論を得ることができる。ただし、必要とされる巻数はHFでは概してより低くなり、代わりに、表皮効果および近接効果を緩和するのにはるかにより太いワイヤおよびより大きいワイヤ間隔が必要となる。1MHzを上回る周波数用に最適化されたリッツワイヤは、市販されておらず、他の設計制約のためにおそらくより有用でない。
【0170】
しばしば見落とされる、Qファクタを劣化させる別の効果は、アンテナの周囲の損失物質におけるエネルギー吸収である。アンテナによって生成された磁界および電界は、不完全導電材料における渦電流損失、磁性材料における磁気分極ヒステリシス損失、および誘電材料における電気分極損失を引き起こすことがある。
【0171】
LFにおいて、誘電損失は通常無視することができる。Qファクタ劣化は、主にそれぞれ導電材料および磁気材料における渦電流損失およびヒステリシス損失による。
【0172】
HFにおいて、主に渦電流損失および誘電損失がQファクタ劣化の原因である。
【0173】
ワイヤレス電力の多くの適用例では、磁気アンテナの周囲エリアは誘電材料が大半を占める。そのような環境では、より高い電流(磁界)を生成するがより低い電圧(電界)を生成する低インピーダンスアンテナが一般により良好に動作する。
【0174】
アンテナをデバイスに(たとえば、PCスクリーンの足に)統合しなければならない場合、Q劣化のこの態様は特に重要である。
【0175】
要約すると、高いQ送信アンテナを設計する場合に、以下の態様が考慮され得る。
【0176】
最低抵抗における最大インダクタンス(最大のQファクタ)を得るために、巻線は、できるだけ密でなければならなく、これは巻線の断面積ができるだけ小さくなければならないことを意味する。しかしながら、これは、表皮効果および近接効果と、生じた高電圧に耐えなければならないワイヤ絶縁および(たとえば、銅の損失による)電力損失に必要とされる体積とに矛盾する。
【0177】
上記の考察は、実際の設計が送信アンテナの効率に影響を及ぼすすべての設計制約(体積、形状ファクタ、コスト、電力定格、受動の(passive)および動作中の電子部品の特性および有効性、ならびに統合の態様)を考慮に入れつつ、詳細な分析、複雑なトレードオフおよび最適化を要求することを示している。
【0178】
大部分のワイヤレス電力適用例において、エネルギー受信機のサイズは、小形デバイスに制限される。さらに、電子デバイスにおいてワイヤレス電力を使用可能にするために必要とされる追加のコストが、理想的には、全体的な全製造コストを著しく増加させてはならない。小形デバイスの受信機中で処理すべき電力は、一般に1〜2ワットを超えない。
【0179】
LFにおいて、極細の十分に絶縁されたワイヤまたは適切なリッツワイヤのいずれかで製造されたループ形コイルが使用される。しかしながら、有効ループ面積は、エネルギー受信機のパフォーマンスに大きく影響する。したがって、できるだけ大きい有効ループ面積を得なければならない。多巻きループは、理想的には、デバイスの周辺を十分に包含しなければならない。
【0180】
しかしながら、電子回路全体が、磁界が最も大きい、ループの内側にあるので、デバイスのすべての導電部品における渦電流損失による深刻なQ劣化が予想される。多くの動機がこのシステムの金属ハウジングを回避するために存在する。また、強い磁界強度は、電子回路への干渉を回避するための特殊な手段を要求し得る。
【0181】
いくつかの実施形態では、広げることができるループアンテナが好ましい。しかしながら、デバイスの機械的複雑さおよび製造コストの増加が、その適用例を制限することがある。
【0182】
フェライトアンテナおよび他の磁気透過性材料は、コイルの有効面積を人工的に増大させ、さらに磁力線をフェライトコアに集中させるので、特に興味深い。最高100までのQファクタは、135kHzで、1Wの電力に対して適切なフェライト材料を用いて達成され得る。しかしながら、デバイス最大周囲を包含しているワイヤ構造に相当する有効面積を達成するために、フェライトロッドアンテナは、比較的長くなければならないので、したがって、かさばり、また重くなる。
【0183】
上記の手法の組合せを使用することもできる。たとえば、アンテナは、フェライトバッキング上のフラットなディスク形多巻きループを使用することができる。このフェライト基板は、数mmの厚さにすることができる。しかしながら、フェライトバッキングは、アンテナの有効面積を損ない得る。
【0184】
磁気結合共振に基づく効率的なワイヤレスエネルギー伝達は、エネルギー送信機とエネルギー受信機の両方において高いQファクタをもつ共振アンテナ回路を使用する。
【0185】
高いQファクタは、低い帯域幅を意味し、したがって、製造公差、経年劣化、環境効果(たとえば透過性磁性材料の使用に関連する、温度、LC回路を囲む磁界または電界と相互作用する外来物体、非線形効果およびメモリ効果)によるL値およびC値のばらつきに対する許容差が小さいことを意味する。
【0186】
したがって、実際の高いQ設計では、共振周波数の同調を再調整することが、高いQを保持するのに役立ち得る。自動的に同調可能な共鳴アンテナシステムは、同調可能な(1つまたは複数の)キャパシタおよび/または同調可能なインダクタンス、たとえば、電気的に同調可能なリアクタを使用することができる。両方とも、高電圧または高電流のいずれかに耐えることができなければならず、アンテナのQファクタを損なわない材料から製造されなければならない。
【0187】
容量性同調は、有効キャパシタンスを調整するために開閉されるRFスイッチとの直列または並列構成で、キャパシタのセット、たとえば、キャパシタバンクを使用することができる。本方法は、機械的可変キャパシタがよりかさばるようになるLFにおいて特に有用である。
【0188】
図16に、並列構成であるが、主キャパシタ1610(principal capacitor)に対して直列である同調キャパシタバンク1600をもつ直列共振送信機回路の一実施形態を示す。リレー、またはFETなどのバイポーラ半導体をスイッチング要素1602として使用して、個々のキャパシタ1604を追加または除去することができる。
【0189】
よりQの高い回路では、所要の同調範囲を維持しながら微同調機能を提供するために、キャパシタバンク中の同調キャパシタおよび同調スイッチの数を増加する必要がある。さらに、LCタンク回路のQが増加するにつれて、キャパシタバンクによってサポートされる電圧は高くなる。同調キャパシタおよび同調スイッチは、好ましくは、より高い電圧に対して定格化される。その上、キャパシタバンクがアンテナ回路と直列であるの離調キャパシタおよび同調スイッチは、同調範囲に応じて高電流および比較的高い電圧をサポートしなければならない。
【0190】
キャパシタバンク同調は、微同調のために連続的に同調可能なリアクタンス1620と結合され得る。
【0191】
HFでは、図17に示すように主キャパシタに対して並列な、小さい値の同調キャパシタを用いて同調を実現することができる。一実施形態では、ミニアクチュエータ1704によって駆動される機械的可変キャパシタ1702を使用することができる。
【0192】
HFおよびLFでのキャパシタンス同調の代替案は、図18に示すように可変インダクタを使用することである。これは、
・タップ選択器を形成する、タップ付アンテナコイルおよび電気機械または電子スイッチ
・ミニアクチュエータによって駆動される機械的に調節可能なフェライトコア
・DCバイアス電流を使用するフェライトコアの透磁率同調
によって達成され得る。
【0193】
DCバイアス電圧を使用するキャパシタの誘電率同調(permittivity tuning)は、透磁率同調に対する物理的二元性と考えられ、また、HFとLFの両方に対するオプションとすることができる。
【0194】
微同調に対する別の手法は、第2のループ/コイルを導入すること、およびバリオメータ原理を使用してその形状または配向を変えることによって主ループ/コイルに対する結合係数を変更することである。
【0195】
図19に、たとえば粗同調のためのキャパシタバンクに関連して微同調のために考えられる、さらなる方法を示す。この純粋に電子的な方法は、いかなる同調可能リアクタンスコンポーネントをも回避する。代わりに、この方法は、電力ステージ(たとえばハーフブリッジインバータ)の出力電圧を高めることによって、オフ共振状態でのアンテナ電流低下を補償する。
【0196】
電力ステージは、同調可能なソースリアクタンスを用いて定電圧ソースの出力において得られた電圧をエミュレートするものと考えられる。
【0197】
有用な同調範囲を与えるために比較的高い出力電圧が必要であり、したがって、効率を保持すべき場合、電力ステージの電子スイッチング要素により厳しい要件を設定する。
【0198】
微同調制御ループは、アンテナ電流を感知し、所望のアンテナ電流が得られるように出力電圧を制御する。
【0199】
送信アンテナに対して説明した一般原理、方法、考察、および結論は、受信アンテナの同調問題にも当てはまる。しかしながら、受信機の適用例では、特に小型ポータブルデバイスへの組み込みに関して、スペースおよびコストの制約が、一般に送信機の場合よりもはるかに厳しい。一方、小型受信アンテナは一般に送信アンテナよりも、低い電力に対して定格化され、低いQファクタを与えるので、アンテナ電圧および電流に関する緩い要件が期待できる。
【0200】
一般にLFで使用されるキャパシタバンク同調は、スペース制約に関してあまり有利でない。
【0201】
HFでは、図17に示すように主キャパシタに対して並列な小さいキャパシタンスの同調可能キャパシタを用いて同調を実現することができる。その実現は、ミニアクチュエータによって駆動される機械的可変キャパシタとすることができる。
【0202】
DCバイアス電圧を使用する誘電率同調可能キャパシタは、LFおよびHFに対して使用され得る。
【0203】
一実施形態では、図20に示すタイプの可変インダクタを使用することができる。これは、キャパシタ2010をもつタップ付アンテナコイル2000中で使用できる。電気機械スイッチまたは電子スイッチが粗同調用のタップ選択器2030を形成する。機械的に調節可能なフェライトコア2040はミニアクチュエータ2050によって駆動される。
【0204】
別の実施形態では、微同調用のDCバイアス電流を使用するフェライトコアの透磁率同調を使用することができる。
【0205】
図21Aおよび図21Bに示す別の実施形態では、様々な位置にスライドし、ミニアクチュエータ2105によって駆動される機械的可動コイル2100を使用してアンテナのインダクタンスを変更することができる。フェライト上のコイルの位置は、そのインダクタンスを設定する。
【0206】
フェライトロッドアンテナの機械的同調は、タンク回路中に追加の構成要素を必要とせず、それによってQファクタを維持するという利点を有する。
【0207】
図22に、たとえば、粗同調用のキャパシタバンクとともに、受信アンテナを微調整するために使用されるさらなる方法を示す。この純粋に電子的な方法は、いかなる同調可能リアクタンスコンポーネントをも回避する。2200として示されるスイッチモード電力変換は、抵抗(実数)部とそのリアクタンス(虚数)部の両方に関して変更できるアンテナ負荷インピーダンスを生成する。リアクタンス部は、直列タンク回路にリアクタンスを追加し、それによって、その共振周波数を変化させる。
【0208】
本実施形態では、同調の必要を示す信号、たとえば、不一致、または電力低下、またはインダクタンスなどを示す信号を形成することができる。この信号は、可変キャパシタまたは可変インダクタ、あるいはその両方を調整するために使用されることができる。
【0209】
追加の構成要素のために利用できるスペースが制限されることがあるので、小型電子デバイスへの受信アンテナの組み込みが特段の設計課題である。また、小さいフォームファクタは、アンテナ面積を制限し、したがってアンテナパフォーマンスを制限する。また、アンテナQファクタを低くする損失性誘電体および金属構造を含んでいるPCBおよび他のコンポーネントには、誘電損失および渦電流損失がある。また、いくつかのデバイス機能への電磁干渉の可能性がある。
【0210】
理想的には、たとえば、ワイヤレス充電する目的で広げることができる部分において、高Q共振ループ/コイルアンテナをデバイス本体から分離しなければならない。広げることができ、図22Aに示すワイヤレス電力アンテナを組み込むデバイス/キーボードカバーを、クラムシェルスタイル電話において使用することができる。
【0211】
別の実施形態では、たとえば、携帯電話のキーボード部分に含まれている金属および/または誘電体構造がより少ないので、アンテナを一部分に組み込むことにより、損失がより少なくなり、磁界がより良く浸透するようになる(図22B参照)。これは、「コンパクト」構成と考えられる。
【0212】
LFでは、金属構造に誘起される渦電流が主な損失の原因となり得る。HFでは、渦電流と誘電損の両方がQファクタを低下させ得る。
【0213】
LFでは、小型のコンパクトデバイスへの組み込みに関して、フェライトロッドアンテナが特に興味深い。フェライトコアは、磁界をコア中に集中させる傾向があり、周囲の磁界強度を低減し、それによってデバイス中の渦電流損失を低下させる。
【0214】
図22Cおよび図22Dに、それぞれクラムシェルデバイスおよびコンパクトデバイスに組み込まれたフェライトコアを示す。フェライトロッドアンテナは、最大誘導を目的とする空気コイルの磁界に対して直角な磁界を使用する。したがって、送信アンテナまたはデバイスのいずれかの配向は、集積エアループ受信アンテナをもつデバイスを使用するシステムに対して変化しなければならない。
【0215】
磁気結合共振に基づくワイヤレスエネルギー伝達は、一般に、送信サブシステムと受信サブシステムの両方においていくつかの電力変換ステージを必要とする。これは、たとえば、図13および図15に示すワイヤレス電力ブリッジのブロック図からわかる。高いエンドツーエンド伝達効率を達成するために、各ステージは、チェーン上に損失が蓄積するのを防ぐために最適化されなければならない。送信側では、送信アンテナを駆動する電力ステージを特に重視することができる。一般に、直列アンテナタンク回路と連結するハーフブリッジインバータは、LFにおけるワイヤレス電力送信のために使用される。この回路が共振において最大出力電流を生じ、共振外状態および概して低い調波レベルにおいて電流低下を生じるので、これは特に有利である。
【0216】
インバータのソースインピーダンスの実数部がアンテナタンク回路の等価直列損失抵抗よりもかなり小さい場合、高効率が得られる。また、送信機のソース抵抗における電力損失がほとんどない場合、効率が改善される。すべての生成されたエネルギーは、受信機に伝達されるか、または送信アンテナの損失抵抗において部分的に損失される。
【0217】
送信機の電力および効率制御は、ハーフブリッジインバータのDC供給電圧、または駆動波形のデューティサイクルのいずれかによって、あるいはその両方によって実行できる。
【0218】
受信側では、整流器およびロード適応が重要である。電圧降下およびオーム損失の極めて小さい整流器を構築することができる。整流器は、アンテナ回路に、たとえば送信機に類似する直列タンク回路に直接挿入できる。この場合も、整流器における抵抗損失が最小限に抑えられる場合、効率が改善される。標準的な整流器、たとえばショットキーダイオードは、損失が大きすぎることがあり、したがって、同期スイッチングトランジスタに基づく、いわゆる同期整流器が好適である。
【0219】
ロード適応および電流制御(ワイヤレスバッテリ充電の場合)は、効率的なステップダウンコンバータまたはステップアップコンバータを用いて実行できる。
【0220】
複数受信機シナリオにおいて、広範囲にわたる適応性が有用であるので、これらの受信機は、任意の結合係数において、最悪の場合には送信機の支援なしに、ロードへの電力を維持することが可能である。
【0221】
単一受信機シナリオにおいて、送信アンテナと受信アンテナとの間の距離は、広範囲にわたって変化し得る。したがって、受信端部におけるロードへの電力伝達が制御され得る。これは、多くのワイヤレス電力供給および充電適用例において当てはまるであろう。
【0222】
全体的なシステム効率は、受信電力とは全く別個の問題である。電力制御と効率制御の両方を実行するシステムは、全体的な送信効率が最大値になる状態に収束するという目的を有する。この状態では、受信アンテナは、受信電力制御のみを実行するシステムの場合とは別様に装荷される。
【0223】
受信電力は、アンテナのロードインピーダンスを適応させることによって制御されることができる。負荷適応は、高度に適応性のある回路を使用することができ、受信機が、アンテナローディングを広範囲にわたって変更することが可能でなければならないことを意味する。また、結合共振に基づくシステムにおいて、各アンテナがそのローディングとは無関係に、動作周波数に正しく同調されるという条件で、アンテナ間の結合係数が変化している場合にアンテナ周波数同調を再調整する必要がないことを理論的に示すことができる。したがって、システムを様々な結合係数に適応させるという問題は、負荷適応に帰着する。
【0224】
一般に、様々な結合状態にあり、また様々な電力需要を有する様々な受信機が存在するので、複数受信機シナリオはより複雑になる。たとえば、前述の実施形態で説明したワイヤレスデスクトップIT適用例を生じることがある複数受信機シナリオの例を図5〜図9に示す。
【0225】
複数受信機シナリオにおいて、電力および受信アンテナロード制御がより重要である。
【0226】
一実施形態は、受信機が1つしかない場合にモデル補償技法を使用し、受信機が2つ以上ある場合にフィードバック感知技法を使用する。
【0227】
送信機に接近している受信機は、たとえば、大量の電力の吸引または送信機の不整合によって、他のより遠い受信機への電力伝送に理想的には悪影響を及ぼすべきではない。
【0228】
図5〜図9に、可変結合係数を補償するために、および公平な方法で、受信機の要求に従って、受信機間で利用可能な電力を共有するために、電力および伝達効率の制御をどのように使用することができるかを示す。一実施形態では、デバイスは共面構成で構成できる。
【0229】
2つの受信機が互いに接近しつつあり、相互に結合し始めた場合、同様の問題が生じることがある。受信機におけるロード制御は、たとえば、離調の影響を回避するために同調を調整することによって、これらの異なるシナリオを管理するために使用される。
【0230】
複数受信機シナリオは、単一受信機シナリオよりもはるかに複雑になる。単一受信機の場合、効率制御は簡単である。複数受信機シナリオの伝達効率制御は、はるかに複雑であり、また、システムパラメータを最適に調整するために送信機と受信機との間のデータ交換(通信)を使用し得る。システムは最低結合係数をもつリンクを考える必要があるので、効率制御もあまり有効でなくなり、したがってより好ましいリンクにおいて効率を改善することができなくなる。言い換えれば、単一の遠い受信機は、複数受信機シナリオにおいて全体的な伝達効率を劣化させることがある。
【0231】
また、ライセンス問題が考えられる。あるクリティカルでないレベルを上回る電力を用いたワイヤレス送信のための周波数の使用は、通常、この目的/サービスのためにその周波数のライセンスおよび特定の割り当てを必要とする。
【0232】
いわゆるISM帯の周波数は、そのような規制から免除される。主にワイヤレス電力適用例に使用できる周波数範囲にはいくつかのISM帯が存在する。
【0233】
たとえば、最高1mまでの距離にわたって動作するように設計された近傍結合システムの場合、VLF、LF、またはHFスペクトル中の周波数が特に興味深い。しかしながら、現在、強い磁界強度レベルでのライセンス免除動作が可能なISM帯はほんのいくつかしかない。
【0234】
これらの帯域のいくつかは、135kHz(VLF、LF)未満に割り振られる。別の狭帯域は、13.56MHz(+/−3kHz)におけるHFスペクトル中に存在する。
【0235】
これらの周波数帯域中で適用可能な規制基準は、たとえば、放射源から指定された距離において測定される磁界強度に関して放出限界を定義する。欧州のECCによって指定された距離は、米国のFCCによって指定された距離とは異なり、したがって界強度限界を容易に比較することができない。一見すると、LFは、より高い放出レベルを可能にし、したがってHFよりも有利であるように見える。しかしながら、同じ距離にわたって等しい効率で等しい電力を伝達する等価なシステムを仮定すると、LFにおいて得られた磁界強度は、HFにおける磁界強度よりも強くなる。理論的には、135kHz(LF)において得られる界強度は、13.56MHz(HF)に比較して20dB強くなる。現在の規制は、このことを部分的に考慮に入れている。LFにおける限界は、HFに対して定義された限界よりも比較的限定的である。
【0236】
その上、距離修正のための提案されたファクタを考慮に入れてECC放出限界とFCC放出限界とを比較すると、FCCは一般にECCよりも限定的であることが明らかになるが、欧州で使用されている多くの製品(たとえば、高電力RFIDリーダ)が米国でも売買され、稼働している。
【0237】
世界的に高いレベルでライセンス免除動作が可能なLFにおいて非常に狭い周波数帯域(たとえば、+/−100Hz)を確立することは、一実施形態において使用され得る。しかしながら、そのような割り当ては、ワイヤレス電力およびRFID企業の様々なステイクホルダグループにロビー活動を要求し、ワイヤレス電力システムが、関係する無線サービスに有害な干渉を生じないという証拠を要求とすることがある。同様の開発はすでに13.56MHzで行われ、放出限界は、RFIDロビーの圧力に基づいて、ほぼ20dBだけ増加された。RFIDリーダは、非常に狭い帯域幅を必要とする強い持続波成分を送信するので、この変更要求は規制機関によって容認された。
【0238】
周波数規制の主目的は、相互干渉から無線サービスを保護することである。しかしながら、
・ワイヤ結合通信システム(主に、電力線、ADSL、VDSLなどの不適正シールド線を使用するシステム)
・心臓ペースメーカなどのセーフティクリティカルシステム
・クレジットカードなどのセキュリティクリティカルシステム
のような電磁放射に対する耐性が制限されたいくつかの非無線システムが存在する。
【0239】
これらのシステムは、周波数規制基準によって特に保護されていない。しかしながら、ワイヤレス電力システムの実施形態は、本質的に非変調放射界を生成し、これらのEMC態様に関して大きな利点を形成する。高電力RFID、電磁調理などによって生成される変調またはパルス放出からの潜在的な干渉は、一般にはるかに高くなることが知られている。
【0240】
無線システムの共存を規制する周波数規制基準に加えて、劣悪な生物学的影響から生物学的存在を保護するために放射曝露限界がさらに確立された。生物学的限界は、それを上回ると劣悪な健康影響が発生することがあるしきい値に基づいて設定される。それらは、通常、安全マージンをも含む。ワイヤレス電力適用例のための当該の周波数レンジでは、放射は非電離放射(NIR)と呼ばれる。非電離放射保護に関係する1つの関連団体は、1992年に確立されたINIRCである。それらの機能は、NIRの様々な形状に関連する危険を調査し、NIR曝露限界に関する国際ガイドラインを開発し、NIR保護のすべての態様を処理することである。ICNIRPは、14人のメンバーの主委員会と、4つの科学常任委員会と、数人の顧問役の専門家とからなる、独立した科学専門家の団体である。それらはまた、人間曝露限界の開発においてWHOとともに密接に研究している。
【0241】
ICNIRPは、知られている劣悪な健康影響に対して保護を行うために、電磁界曝露を制限するためのガイドラインを作成した[ICN98]。様々な科学的研究が世界的に行われた。これらの研究の結果は、様々な劣悪な健康影響が発生することがあるしきい値を判断するために使用された。次いで、基本的制限は、変動する安全係数を含むこれらのしきい値から判断される。基本的制限および基準レベルが、以下の両方に対してINIRCによって設けられている:
・一般の人々の曝露:年齢および健康状態が労働者のそれとは異なる一般的な集団に対する曝露。また、一般市民は、一般に、界への曝露の認識がなく、予防的な行為をとることができない(より限定的なレベル)。
・職業上の曝露:必要とされる場合、予防の手段をとることが可能な既知の界への曝露(あまり限定的でないレベル)。
【0242】
時間的に変化する界が生物と相互作用する結合機構は、以下の3つのカテゴリに分割される:
・低周波電界への結合により、組織中に存在する電気双極子の再配向を生じる。
【0243】
・低周波磁界への結合により、誘起電界および循環電流を生じる。
【0244】
・電磁界からのエネルギーの吸収により、以下の4つのサブカテゴリに分割できる温度上昇を生じる:
o 100Hz〜20MHz:エネルギー吸収は、首および脚において最も深刻である。
【0245】
o 20MHz〜300MHz:全身での高い吸収
o 300MHz〜10GHz:著しい局部的な一様でない吸収
o >10GHz:エネルギー吸収が主に体表面において発生する。
【0246】
以下は、異なる周波数レンジに対する基本的制限の判断においてINIRCによって使用された科学的な基礎の説明である:
・1Hz〜100kHz:神経系機能に対する影響を防止するための制限は、電流密度に基づく。
【0247】
・100kHz〜10MHz:全身の熱応力および過剰な局在組織の加熱を防止するための制限は、特定エネルギー吸収レート(SAR:Specific Energy Absorption Rate)に基づき、ならびに神経系機能に対する影響を防止するための制限は電流密度に基づく。
【0248】
・10MHz〜10GHz:全身の熱応力および過剰な局在組織の加熱を防止するための制限は、SARのみに基づく。
【0249】
基本的制限は、中枢神経系における急性の瞬間的影響に基づき、したがって、制限は、短期曝露と長期曝露の両方に適用する。
【0250】
各周波数レンジに対する生物学的な影響の概要を以下に示す。
【0251】
100kHz以下の周波数:
・低周波界への曝露は膜刺激に関連しており、中枢神経系に対する関係する影響は、神経および筋肉刺激をもたらす。
【0252】
・磁界が発ガン促進効果を有する証拠はほとんどなく、データは、これらの磁界が現在存在するガン細胞の増殖を促進するかどうかを結論付けるには不十分である。
【0253】
・実験室での研究は、誘起された電流密度が10mA/m以下であるとき、確立した劣悪な健康影響がないことを示している。
【0254】
100kHzを上回る周波数:
・100kHz〜10MHz間で、遷移領域が膜影響から加熱影響に発生する。
【0255】
・10MHzを上回ると、加熱影響が支配的である。
【0256】
・1〜2℃以上の温度上昇は、熱疲労および熱中症などの劣悪な健康影響を受けることがある。
【0257】
・1℃の体温上昇は、4W/kgの全身のSARを生じる電磁界に対するほぼ30分の曝露に起因することがある。
【0258】
・パルス(被変調)放射は、CW放射に比較してより高い劣悪な生物学的反応を生じる傾向がある。この例は、通常の聴覚をもつ人が、200MHz〜6.5GHzの間の周波数をもつパルス変調界を知覚することがある「マイクロ波聴覚」現象である。
【0259】
健康/生物学的制限について、すべての組織および規制機関は、世界全体にわたって、4W/kgの全身SARが劣悪な健康影響が生じることがあるしきい値であるという科学的な所見に関して同意している。それらは、また、基本的制限について、全身SARに対する基本的制限は、職業上曝露の場合0.4W/kg、および一般的な人々の場合0.08W/kgよりも高い値であってはならないように、安全係数10を使用しなければならないことに同意している。
【0260】
人間曝露の場合のH界基準レベルに関して、異なる規格の不一致がある。IEEEは、様々な科学的研究に基づいて大部分の非限定的な制限を与える。IEEE制限は一般に、(それらがまたANSIによって承認されるので)北アメリカならびにNATOにおいて容認されている。大きい安全係数がこれらの制限に対して考慮されるので、最も限定的なレベルはICNIRPによって与えられる。日本の提案された制限は、IEEEとICNIRP制限との間のどこかにある。IEEEC95.1規格によって提案された制限が、危険な曝露レベルを依然として与えることを示す証拠はない。
【0261】
すべての場合において、0.08W/kgの全身SARを超えない間、人間曝露H界基準レベルを超えることがある。
【0262】
近傍結合のためのワイヤレス電力適用例のための実施形態では、磁界強度は一般に、IEEE/NATO制限以下である。しかしながら、磁界強度は、送信アンテナまたは受信アンテナに十分近い位置において、ICNIRP制限を超えることがある。アンテナの近距離中の磁界が距離の3乗とともに増加するにつれて、またアンテナサイズ、パフォーマンスおよび電力/電流に応じて、ICNIRP制限を超えることがある範囲が常に存在する。
【0263】
周波数規制制限とは対照的に、放射曝露限界は、界強度が準拠しなければならない放射源からの距離を指定していない。それらは、生物学的物質が位置するすべての位置に適用するものとして解釈されなければならないが、それは、準拠の定義をあいまいにする。
【0264】
しかしながら、この問題は、ワイヤレス電力に固有のものではないが、電磁調理、誘導溶接などのRFIDシステムなどの他のシステムの問題でもある。そのようなシステムは、適任の機関による判断および証明を必要とする。
【0265】
結論付けると、放射曝露は、特に欧州において、多くの人々の間で増加している電磁放射の恐怖症のために特に本格的な調査を必要としている問題である。それは、主にマスマーケット適用例においてワイヤレス電力を近傍結合することの大きい課題および潜在的なリスクと考えられる。
【0266】
その上、ユーザの認識は次のとおりである。たとえば、確立した制限に対するAC磁界の実際の強度とは無関係に、自分のオフィスの机で働きながらAC磁界に絶えず曝露されることを好まない人もいる。
【0267】
一実施形態は、送信アクティビティ制御を開示する。デバイスは、人間存在検出器(たとえば、マイクロ波の動き、もしくは赤外線センサ、またはその両方、または他の方法)を使用して、不在の時間中(たとえば夜中)にのみ充電される。送信アンテナの近接または近傍に人間が存在している時間には、電力は、電源を切られるか、またはより低いレベルに低減される。
【0268】
デバイスは、それらが送信機から十分な電力を受信するような位置/配向中に保持されるようにするための受信電力レベルインジケータを設けることができる。このインジケータ機能はまた、非活動的な時間中に、または、低減された電力モードの時間中に保持できる。
【0269】
これは、以下の代替方法によって達成できる。
【0270】
・EMI問題を回避するためにソフト電力のランプアップまたはランプダウン(たとえば、電話、スピーカシステムなどのオーディオインターフェースを有するデバイスにおける「クリック」)を使用した、送信機の周期的な非常に低いデューティサイクルの作動
・レベルインジケータを制御するために、低減されているが、デバイスによって検出されるのに十分に高い電力レベルでの連続送信
オフィス機器(パーソナルコンピュータ、モニタ、ファックス装置、スキャナ、複写機、プリンタなど)は、第三セクタで大部分の電力消費をなくす。特に気候変動の領域における国際公約(特に京都議定書)に関して、および持続可能な発展としてそのような領域におけるその目的があるとすれば、エネルギー効率構想は、特殊な重要性をもつ。この調整された(エネルギースター(ENERGY STAR)として知られている)ラベリングプログラムは、消費者がエネルギー効率の良い機器を識別できるようにし、したがって、環境を保護するためにだけでなくエネルギー供給のセキュリティを保証するためにも役立つ省電力をもたらさなければならない。このプログラムは、エネルギー効率の良い製品の製造および販売を促進するためにも役立つ。
【0271】
エネルギースターガイドラインは、すでに実施されており、また、ワイヤレス電力製品の将来の市場導入にある程度まで影響を及ぼすことがある。
【0272】
ここ数年で、学界によってサポートされるいくつかの企業がまた、主に消費者市場セクタにおける適用例に関するワイヤレス電力の領域で研究開発活動を開始した。多くのこれらの構想は、技術的ベースとして誘導結合を使用する解決策に焦点を当てる。典型的な解決策は、単一または複数のデバイスの無接点充電のために設計された誘導充電パッドである。すべてのこれらの解決策では、電力は、非常に短い距離、たとえば、ミリメートルまたはセンチメートルにわたって伝達される。RFID界の用語を使用すると、これらのシステム/解決策は、近接結合システムのカテゴリに入る。
【0273】
RFID適用例と同様に、ワイヤレス電力供給および充電のための近接結合解決策は、常に実用的というわけではなく、ユーザによって予想される柔軟性/モビリティおよび自由度を与えることができるわけではない。これが、デシメートル、さらにはメートルの範囲でより長い距離にわたる電力送信の背後にある論理的根拠である。RFID用語をここでも使用すると、そのようなシステムは、近傍結合システムのカテゴリに関連する。
【0274】
より多くのレンジおよび柔軟性/モビリティに対する代償は、一般に
・より高い放射レベル
・複雑さおよびコスト(BOM)に関してより高いデバイス組み込み影響
・より低い伝達可能な電力
・より低い伝達効率
のものである。
【0275】
以下の表6−1では、重要と考えられる選択された態様に関して近接結合と近傍結合を比較する。
【表1】

【表2】

【表3】

【0276】
ほんのいくつかの実施形態を上記に詳細に開示したが、他の実施形態が可能であり、本発明者らは、他の実施形態は本明細書内に包含されるものとする。本明細書では、別の方法で達成できる、より一般的な目的を達成する特定の例について説明する。本開示は例示的なものとし、特許請求の範囲は、当業者なら予測可能である、いかなる変更形態または代替形態をもカバーするものとする。たとえば、他のサイズ、材料および接続が使用できる。他の構造を使用して磁界を受信することが使用できる。一般に、主結合機構として、磁界の代わりに電界を使用することができる。他の種類のアンテナを使用することができる。また、本発明者らは、「手段」という語を使用する請求項のみは米国特許法第112条第6項の下で解釈すべきものとする。さらに、本明細書からの限定は、それらの限定が明白に特許請求の範囲内に含まれない限り、いずれの請求項にも読み込まれないものとする。
【0277】
特定の数値が本明細書で挙げられている場合、何らかの異なる範囲が明記されていない限り、依然として本出願の教示内にとどまりながら、値は20%増加また減少できると考えるべきである。指定された論理方向が使用される場合、反対の論理方向も包含されるものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可変インダクタンスを有するインダクタと、可変キャパシタンスを有するキャパシタとを含む磁気共鳴アンテナと、
前記磁気共鳴アンテナに結合され、前記アンテナを介して磁気共鳴ワイヤレス電力と接続する電力変換回路と、を備え、前記回路は、ワイヤレス電力伝達の尺度を判断し、前記ワイヤレス電力からの情報がどのくらいよく結合されており、前記磁気共鳴アンテナに制御信号を供給するかに関する前記尺度を示す制御信号を生成し、前記磁気共鳴アンテナは、前記信号に基づいて前記インダクタと前記キャパシタ値とのうちの少なくとも1つを調節する、
ワイヤレス電力システム。
【請求項2】
前記キャパシタは、固定キャパシタ部分と可変キャパシタ部分とを含む、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記キャパシタ部分は、複数の切替え可能部分をもつスイッチドキャパシタを含み、各前記部分は、総キャパシタンスを変化させる、
請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記可変インダクタンスは、コイルを含み、少なくとも1つのスイッチは、前記アンテナコイル上のタップのうちの1つを選択する、
請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記回路は、機械的に調節可能なフェライトコアを含む、
請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記機械的に調節可能なフェライトコアは、前記インダクタンスを変化させるために移動される部分を有する、
請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記磁気共鳴アンテナは、キャパシタンスレベルを同調するためにDCバイアス電圧を使用する、
請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記同調することは、インダクタンスを同調するためにDCバイアス電圧を使用する、
請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記アンテナは、送信機中で使用される、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記アンテナは、受信機中で使用される、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
インダクタとキャパシタとを含む、ワイヤレス電力のために同調される磁気共鳴アンテナと、なお、前記インダクタは、前記インダクタの別の部分に対して移動されるフェライトコアを含む可変インダクタであり、前記フェライトコアの移動は、前記アンテナ中のインダクタンスの量を変化させる、
前記磁気共鳴アンテナに接続された、電力を処理する電力回路と、
を備えるワイヤレス電力システム。
【請求項12】
前記フェライトコアは、マイクロアクチュエータによって移動される、
請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記フェライトコアの移動する必要がある量を判断する電子回路をさらに備える、
請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
前記フェライトコアは、平坦なコアである、請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
前記フェライトコアは、円筒形コアである、請求項12に記載のシステム。
【請求項16】
前記フェライトコアは、モバイルデバイスのカバーに組み込まれる、
請求項14に記載のシステム。
【請求項17】
アンテナコイルと、
前記アンテナコイルと直列のキャパシタと、なお、前記アンテナコイルおよび前記キャパシタは、電力のワイヤレス送信を受信するために同調される、
前記アンテナコイルに結合され、そこから電力を受信し、前記電力を変換する電力変換回路と、
前記コイルおよび前記キャパシタと直列であり、可変インピーダンスを有する同調可能なロードインピーダンスと、
前記キャパシタおよび前記コイルとの整合を改善するために、前記同調可能なロードインピーダンスを変更する回路と、
を備えるワイヤレス電力システム。
【請求項18】
ワイヤレス電力を結合する方法であって、
インダクタを形成するコイル部分の形状をしている磁気共鳴アンテナのキャパシタンスおよびインダクタンスと、可変キャパシタンスとの両方を変更することと、
前記磁気共鳴アンテナを使用して、電力をワイヤレスで送信するために、または電力をワイヤレスで受信するために、前記磁気共鳴アンテナを介して電力をリモートソースと或いはリモートソースから結合することと、
前記送信または前記受信によって実施されるワイヤレス電力伝達の尺度を判断し、前記ワイヤレス電力からの情報がどのくらいよく結合されるかに関する前記尺度を示す制御信号を生成することと、
前記磁気共鳴アンテナに制御信号を供給することと、を備え、前記磁気共鳴アンテナは、前記信号に基づいて前記キャパシタンスまたは前記インダクタンスのうちの1つを変更させる、
方法。
【請求項19】
前記キャパシタンスは、固定キャパシタ部分と可変キャパシタ部分とを含み、前記変更することは、前記可変キャパシタ部分のみを変更する、
請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記変更することは、複数の異なる切替え可能部分のうちの1つを選択することを備え、前記部分各々は、総キャパシタンスを変化させる、
請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記可変インダクタンスは、複数のタップをもつコイルを含み、前記タップのうちの少なくとも1つに接続することを選択することをさらに備え、少なくとも1つのスイッチは、前記アンテナコイル上の前記タップのうちの少なくとも1つを選択する、
請求項18に記載の方法。
【請求項22】
前記可変インダクタンス回路は、機械的に調節可能なフェライトコアを含み、前記変更することは、前記コアの調節を変化させることを備える、
請求項18に記載の方法。
【請求項23】
前記アンテナは、送信機中で使用される、請求項18に記載の方法。
【請求項24】
前記アンテナは、受信機中で使用される、請求項18に記載の方法。
【請求項25】
電力を送信機から受信機にワイヤレスで送信することと、
前記送信機中で、前記送信機と前記受信機との間の結合係数の変化を検出することと、
前記検出することに基づいて、前記送信することの偏波を変化させることによって、前記送信機を適応させることと
を備える方法。
【請求項26】
前記検出することは、前記受信機から生成されたフィードバックを感知する、
請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記フィードバックは、通信のために前記受信機によっても使用される短距離通信プロトコルによって送信される、
請求項26に記載の方法。
【請求項28】
受信機からのフィードバックの感知と、前記デバイスの識別の両方のためにインターフェースを使用することをさらに備える、
請求項25に記載の方法。
【請求項29】
前記検出することは、結合係数の前記変化を検出するために、前記送信機中で前記受信機のローカルモデルを使用する、
請求項25に記載の方法。
【請求項30】
前記検出することは、第1の動作モードで前記受信機から生成されたフィードバックを感知し、前記検出することは、第2の動作モードで結合係数の前記変化を検出するために、前記送信機中で前記受信機のローカルモデルを使用する、
請求項25に記載の方法。
【請求項31】
前記送信することのために使用されるアンテナを同調することをさらに備え、前記同調することは、インダクタンスまたはキャパシタンスのうちの少なくとも1つを同調することを備える、
請求項25に記載の方法。
【請求項32】
前記送信することのために使用されるアンテナを同調することさらに備え、前記同調することは、インダクタンスとキャパシタンスの両方を同調することを備える、
請求項25に記載の方法。
【請求項33】
外来物体、極めて近接した離調電力受信機、またはロードインピーダンスのばらつきのうちの1つに対して、前記送信するために使用されるアンテナを同調することをさらに備える、
請求項31に記載の方法。
【請求項34】
電力を送信機から受信機にワイヤレスで送信することと、
前記受信機によるローディングに依存する前記送信機のための同調情報を、前記送信機中で検出することと、
前記検出することに基づいて、前記ローディングに応じて前記受信機への結合を改善するように前記送信機を同調させることによって前記送信機を適応することと、
を備える方法。
【請求項35】
前記検出することは、前記受信機からのフィードバックを感知する、
請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記フィードバックは、通信のために前記受信機によっても使用される短距離通信プロトコルを使用する、
請求項35に記載の方法。
【請求項37】
受信機からのフィードバックの感知と、前記デバイスの識別の両方のためにインターフェースを使用することをさらに備える、
請求項34に記載の方法。
【請求項38】
前記検出することは、結合係数の前記変化を検出するために、前記送信機中で前記受信機のローカルモデルを使用する、
請求項34に記載の方法。
【請求項39】
前記送信することのために使用されるアンテナを同調することをさらに備え、前記同調することは、前記アンテナのインダクタンスまたはキャパシタンスのうちの少なくとも1つを同調することを備える、
請求項34に記載の方法。
【請求項40】
前記送信することのために使用されるアンテナを同調することをさらに備え、前記同調することは、前記アンテナのインダクタンスとキャパシタンスとの両方を同調することを備える、
請求項34に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19A】
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【図19B】
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【図20】
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【図21A】
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【図21B】
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【図22】
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【図22A】
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【図22B】
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【図22C】
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【図22D】
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【図23】
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【公開番号】特開2012−231665(P2012−231665A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−134920(P2012−134920)
【出願日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【分割の表示】特願2010−549865(P2010−549865)の分割
【原出願日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】