説明

ワーク特性測定装置およびワーク特性測定方法

【課題】プローブとワークの電極との間で十分な電気的接触を確保することができ、かつワークの電極に生じる傷を小さく抑えること。
【解決手段】ワーク特性測定装置1は、ワーク収納孔4を有する搬送テーブル3と、ワーク収納孔4内に収納されたワークWの電極Wa、Wbに当接可能な一対のプローブ7、6と、搬送テーブル3の搬送体駆動装置3aと、一方のプローブ7を駆動させるプローブ駆動機構12とを備えている。搬送体駆動装置3aとプローブ駆動機構12は、制御装置20により制御される。この場合、ワーク収納孔4が、一対のプローブ7、6手前の第1の設定位置S1にきたとき、少なくとも一方のプローブ7はプローブ駆動機構12によりワーク収納孔4に向って前進し、ワーク収納孔4が一対のプローブ7、6に対応する第2の設定位置S2にきたとき、一方のプローブ7はワーク収納孔4から後退する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品等のワークの電気的特性を測定するワーク特性測定装置およびワーク特性測定方法に係り、とりわけワークの電極とプローブとの摺動によりワークの電極に生ずる条痕の大きさを制御することができ、かつ測定精度を高めることができるワーク特性測定装置およびワーク特性測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ワークを搬送しながら測定するワーク特性測定装置として、ワークを収納するワーク収納孔を有する搬送テーブルと、ワークの電極に接触する一対のプローブとを有し、ワークの特性を測定するものが知られている。このようなワーク特性測定装置においては、搬送テーブルの回転が止まった状態でプローブの先端をワークの電極に接触させて測定を行なっているが、搬送テーブルの回転を止めて測定を行なう場合、以下の問題が発生する。
【0003】
すなわち第一の問題は、電極表面に酸化皮膜が存在するためにプローブの先端を電極に接触させる際の接触抵抗が大きくなり、接触時に酸化皮膜を破る程度に十分加圧しないと正確な測定ができないことである。第二の問題は、前記第一の問題を解決するために、電極にプローブを十分に加圧して接触させて測定を行うと、測定後にプローブの先端に電極表面の金属皮膜がはがれてプローブに付着することである。このことによって、プローブの先端の電気抵抗が増加し、以後正しい測定ができなくなる。
【0004】
これらを防止するための方法として、測定時に搬送テーブルを回転させた状態でプローブの先端を電極に接触させて摺動させることが行われている。これにより、電極表面の酸化皮膜を削り取って接触抵抗を小さくするとともに、プローブの先端を研磨して清掃することにより電気抵抗の増加を防止することができる。しかし、この測定方法を用いると、プローブとの摺動により電極に条痕が発生して電極の傷不良を招いたり、清掃時間により処理速度の低下を来たすことがある。
【0005】
ワークの電極に発生する条痕を抑えるためには、プローブが電極表面を摺動する際の加圧力を小さくすればよいが、そのようにすると、ワークの電極表面の酸化皮膜を削り取る機能やプローブの先端を研磨する機能が低下する。
【0006】
このように、ワークの測定特性向上を図ることと、測定後のワークの品質向上の両方を実現するには、互いに相反する条件を設定する必要があり、この設定は難しい。さらに、ワークの種類の違いによって電極の硬さに違いがあり、プローブを電極表面に摺動させる際の接触荷重や摺動時間を制御することにより、電極に発生する条痕の大きさを制御できるワーク特性測定装置が望まれていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、ワークの電極に生じる条痕の大きさを制御することができ、かつ測定精度を向上させることができるワーク特性測定装置およびワーク特性測定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、複数の貫通するワーク収納孔を有する搬送体であって、各ワーク収納孔内にワーク収納孔の貫通方向外方に向う一対の電極を有するワークが収納された搬送体と、この搬送体を駆動する搬送体駆動装置と、搬送体の両側に設けられ、各々がワーク収納孔内に収納されたワーク電極に当接可能な一対のプローブと、少なくとも一方のプローブをワーク収納孔に対して進退させるプローブ駆動機構と、搬送体駆動装置およびプローブ駆動機構を制御して、一対のプローブを対応するワークの電極に摺動させながら当接させる制御装置と、を備えたことを特徴とするワーク特性測定装置である。
【0009】
本発明は、制御装置はワーク収納孔が一対のプローブの手前の第1の設定位置にきたとき、プローブ駆動機構を制御して一方のプローブをワーク収納孔に向けて前進させ、ワーク収納孔が一対のプローブに対応する第2の設定位置にきたとき、プローブ駆動機構を制御して一方のプローブをワーク収納孔から後退させることを特徴とするワーク特性測定装置である。
【0010】
本発明は、搬送体は、円板からなることを特徴とするワーク特性測定装置である。
【0011】
本発明は、搬送体は、帯状体からなることを特徴とするワーク特性測定装置である。
【0012】
本発明は、搬送体駆動装置は、回転角検出機能を有するサーボモータを有することを特徴とするワーク特性測定装置である。
【0013】
本発明は、搬送体駆動装置は、パルスモータを有することを特徴とするワーク特性測定装置である。
【0014】
本発明は、搬送体駆動装置のパルスモータは、回転角検出機能を有することを特徴とするワーク特性測定装置である。
【0015】
本発明は、プローブ駆動機構は、加圧ピンと、加圧ピンを駆動する加圧ピン駆動機構と、から成ることを特徴とするワーク特性測定装置である。
【0016】
本発明は、一方のプローブは、加圧ピンと、搬送体との間に位置することを特徴とするワーク特性測定装置である。
【0017】
本発明は、加圧ピンと加圧ピン駆動機構との間に弾性体が設けられていることを特徴とするワーク特性測定装置である。
【0018】
本発明は、前記弾性体はその剛性を変更可能としたことを特徴とするワーク特性測定装置である。
【0019】
本発明は、弾性体はバネを有することを特徴とするワーク特性測定装置である。
【0020】
本発明は、加圧ピン駆動機構は、回転角検出機能を有するサーボモータからなることを特徴とするワーク特性測定装置である。
【0021】
本発明は、加圧ピン駆動機構は、パルスモータを有することを特徴とするワーク特性測定装置である。
【0022】
本発明は、加圧ピン駆動機構は、回転角検出機能を有するパルスモータからなることを特徴とするワーク特性測定装置である。
【0023】
本発明は、制御装置はワーク収納孔が第2の設定位置にきたとき、搬送体駆動装置を制御して、前記搬送体を停止させることを特徴とするワーク特性測定装置である。
【0024】
本発明は、上記記載のワーク特性測定装置を用いたワーク特性測定方法において、搬送体のワーク収納孔内にワークを収納し、制御装置により搬送体駆動装置を制御して搬送体を駆動する工程と、制御装置によりプローブ駆動機構を制御して一方のプローブをワーク収納孔に向けて前進させ、一対のプローブをワークの対応する電極に摺動させながら当接させ、ワークの特性を測定する工程と、を備えたことを特徴とするワーク特性測定方法である。
【0025】
本発明は、制御装置はワーク収納孔が一対のプローブの手前の第1の設定位置にきたとき、プローブ駆動機構を制御して一方のプローブをワーク収納孔に向けて前進させ、ワーク収納孔が一対のプローブに対応する第2の設定位置にきたとき、プローブ駆動機構を制御して一方のプローブをワーク収納孔から後退させることを特徴とするワーク特性測定方法である。
【0026】
本発明は、プローブ駆動機構は、一方のプローブを弾性体を介して加圧することを特徴とするワーク特定測定方法である。
【0027】
本発明は、プローブ駆動機構は、一方のプローブを弾性体の変形量と、弾性体の剛性のうち、少なくともどちらか一方を変えることにより加圧することを特徴とするワーク特性測定方法である。
【0028】
本発明は、第1の設定位置および第2の設定位置は可変となっており、これによりワークの一対の電極と対応するプローブとの間の摺動長さが決まることを特徴とするワーク特性測定方法である。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、プローブとワークの電極との接触荷重や摺動時間を任意に制御することができる。このため、ワークの電極表面の酸化皮膜を最適に除去して、プローブとワークの電極との十分な電気的接触を確保することができる。またプローブとワークとの摺動によりワークの電極に生じる傷を小さくし、更にプローブとの接触によって生ずるワークの電極の酸化皮膜カスを極めて少なくすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
第1の実施の形態
以下、図面を参照して本発明の第1の実施の形態について説明する。
【0031】
図1乃至図5および図7は本発明によるワーク特性測定装置の第1の実施の形態を示す図である。
【0032】
図1乃至図5に示すように、ワーク特性測定装置1は、垂直に配置された基台2と、基台2上に回転自在に設けられ、複数の貫通するワーク収納孔4を有するとともに垂直に配置された搬送テーブル(搬送体)3と、この搬送テーブル3を回転駆動するとともに第1のサーボモータ24を含む搬送体駆動装置3aとを備えている。
【0033】
このうち搬送テーブル3のワーク収納孔4は、ワーク収納孔4の貫通方向外方に向う一対の電極Wa、Wbを有する電子部品等のワークWを収納している。
【0034】
搬送テーブル3の両側には、ワーク収納孔4内に収納されたワークWの一対の電極Wa、Wbに当接可能な一対のプローブ7、6が各々設けられ、後述のように一対のプローブ7、6のうち一方のプローブ7は第1の検測プローブ7となっており、他方のプローブ6はベースプローブ6となっている。
【0035】
また第1の検測プローブ7は、プローブ駆動機構12Aによりワーク収納孔4に向けて前進し、かつワーク収納孔4から後退する。この場合、プローブ駆動機構12Aはスリーブ10内を摺動して第1の検測プローブ7をワーク収納孔4に向けて押圧する加圧ピン8と、加圧ピン8をバネ11を介して駆動するとともに第2のサーボモータ26を含む加圧ピン駆動機構12とを有している。また第1のサーボモータ24と、第2のサーボモータ26は、各々制御装置20に接続され、この制御装置20により第1のサーボモータ24と第2のサーボモータ26が各々制御される。
【0036】
この場合、制御装置20は第1のサーボモータ24と第2のサーボモータ26を制御して、一対のプローブ7、6を対応するワークWの電極Wa、Wbに摺動させながら当接させるようになっている。
【0037】
ところで、上述のように搬送テーブル3には同心円状に複数のワーク収納孔4が搬送テーブル3を貫通して設けられている。ワーク収納孔4内に収納されたワークWは、直方体状をなし、個別に水平に収納されている。ワークWの電極Wa、Wbは、ワークWの長手方向の両端の対向する2面に形成されており、電極Wa、Wbは搬送テーブル3の厚さ方向(貫通方向)両面から外方へ露出している。搬送テーブル3は上述のように第1のサーボモータ24により、搬送テーブル3の基台2に対し反対側から見たときに時計廻り(図1における矢印Aの方向)に間歇回転してワークWを搬送する。
【0038】
ワーク収納孔4内の基台2に近接する部分には、図示されない真空源に連通する吸引孔5が設けられ、ワークWを搬送する際に真空源から搬送テーブル3の回転と逆方向(図1における矢印Bの方向)にワークWを吸引することによって、ワークWを吸引孔5の壁面に吸着して固定する。これによって、ワークWの電極Wbの基台2側の端面は、搬送テーブル3の基台2側の面と略面一となって搬送される。
【0039】
ベースプローブ6は基台2を貫通して設けられ、第1の検測プローブ7はベースプローブ6と対向して設けられている。ベースプローブ6と基台2とは絶縁層6aにより絶縁されており、ベースプローブ6の搬送テーブル3側の面は、基台2の搬送テーブル3側の面と略面一である。第1の検測プローブ7はプローブホルダ9により支持されており、フレキシブルプリント基板(FPC)や板バネなどのように、外部からの加圧により弾性変形してワークWの電極Wbに当接することができる素材で作られている。
【0040】
またプローブ駆動機構12Aの加圧ピン8は、第1の検測プローブ7を介し、搬送テーブル3の反対側に設けられている。加圧ピン8は上述のように、スリーブ10内に格納され、スリーブ10内において加圧ピン8の端部にバネ11の一端が固着されている。バネ11の他端は、スリーブ10と一体化された加圧ピン駆動機構12に固着されている。この場合、バネ11は加圧ピン8を第1の検測プローブ7から離間させる方向に付勢している。加圧ピン駆動機構12は第2のサーボモータ26を有し、この第2のサーボモータ26の回転をボールネジ、ネジ機構あるいはリンク機構により直線運動に変換する構造をもつ。そして加圧ピン駆動機構12の直線運動がバネ11を経由して加圧ピン8に伝わり、これによって加圧ピン8は第1の検測プローブ7に接近する方向(図1の矢印Cの方向)及び第1の検測プローブ7から離間する方向(図1の矢印Dの方向)に進退自在となっている。
【0041】
リンク機構の一例として円筒カムを用いたものを図8に示す。図8において、図1と同一の機能を有する部分については同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。バネ11cはスリーブ10に一端が接続され、固定された支持台16に他端が接続されている。スリーブ10と一体化された加圧ピン駆動機構12bは、バネ11cによって円筒カム14に当接する方向に付勢されている。加圧ピン駆動機構12bが円筒カム14に当接する部分は高剛性を有する球面に仕上げられている。円筒カム14は第2のサーボモータ26の回転によって中心軸15の周囲に回転し、その回転運動(図8中の矢印E)が円筒カム14に当接する加圧ピン駆動機構12bに直線運動(図8中の矢印F)として伝達される。そして、この直線運動はバネ11bを介して加圧ピン8に伝達される(図8中の矢印G)。
【0042】
ワークWの特性を測定する際には、図1において、ベースプローブ6がワークWの電極Wbに接触し、加圧ピン8が第1の検測プローブ7に接近する方向に移動する。そして、加圧ピン8が第1の検測プローブ7と接触すると、加圧ピン8に押された第1の検測プローブ7は弾性変形してワークW側に移動し、ワークWの電極Waに当接する。これにより、ベースプローブ6と第1の検測プローブ7とによりワークWが挟持され、図示しない測定装置によってワークWの電気特性に関する測定が行われる。
【0043】
ワークWの電気特性に関する測定が終了すると、加圧ピン8が第1の検測プローブ7から離間する方向に移動し、第1の検測プローブ7は弾性により復帰してワークWの電極Waから離間する。この場合、ワークWの長手方向の長さは、ワーク収納孔4の深さTよりもわずかに大きいので、ワークWが図1の位置にあるときには、電極Waの端面が搬送テーブル3の第1の検測プローブ7側の面よりわずかに第1の検測プローブ7側に突出している。
【0044】
このとき、図1において第1の検測プローブ7はワークWの電極Waの端面とわずかに離間しているが、これは必須条件ではなく、第1の検測プローブ7がワークWの電極Waの端面に接触していても、加圧ピン8によって第1の検測プローブ7がワークWの電極Waに加圧接触していなければ良い。すなわち第1の検測プローブ7がワークWの電極Waに加圧接触していない状態であればワークWの電極Waに押圧力がかからず、搬送テーブル3が回転しても第1の検測プローブ7はワークWの電極Waに摺動することはなく、電極Waに摺動による条痕が発生することはない。同様の理由により、図1において加圧ピン8は第1の検測プローブ7とわずかに離間しているが、これもまた必須条件ではなく、加圧ピン8は第1の検測プローブ7と接触していても、加圧ピン8によって第1の検測プローブ7がワークWの電極Waに加圧接触していなければ良い。
【0045】
次にこのような構成をもつ本実施の形態の作用について、図2(a)−(d)および図3(e)−(g)により説明する。
【0046】
ここで図2(a)は、ワークの特性測定装置1において次に測定されるワークWの搬送中の状態を示す。まず図2(a)に示すように搬送テーブル3は、制御装置20により制御される搬送体駆動装置3aにより基台2と反対側から見たときに時計廻りに回転してワークWを搬送する。このとき、吸引孔5からワークWが吸引され、ワークWは基台2側及びワーク収納孔4の吸引孔5側壁面に吸着する。
【0047】
図2(a)において、Xは加圧ピン8の待機位置であり、測定を行わないときの加圧ピン8はXの位置で停止している。Yは加圧ピン8が図2(a)中において第1の検測プローブ7に接近する方向に移動して、第1の検測プローブ7をワークWの電極Waに十分に加圧接触させて停止する位置であり、ワークWの電極Waの端面と略面一である。
【0048】
また図2(a)において、S1は加圧ピン8が待機位置Xから第1の検測プローブ7に接近する方向に移動を開始するタイミングに対応する第1の設定位置を示し、この第1の設定位置S1は加圧ピン8の移動と停止を制御する第2のサーボモータ26に指示を与えるために設けてある。ここでは、搬送テーブル3の回転によりワークWの短辺の略中点が第1の設定位置S1を通過したときに、制御装置20により制御される加圧ピン駆動機構12により加圧ピン8が待機位置Xから第1の検測プローブ7に接近する方向に移動を開始するようになっている。
【0049】
次に図2(b)に示すように、ワークWの短辺の略中点が第1の設定位置S1を通過する。加圧ピン8は待機位置Xから第1の検測プローブ7に接近する方向に移動を開始し、この時点で第1の検測プローブ7の位置に到達している。この後、加圧ピン8により第1の検測プローブ7が搬送テーブル3側に押され、第1の検測プローブ7は弾性変形しながらワークWの電極Waに当接する。
【0050】
次に、図2(c)に示すように、第1の検測プローブ7がワークWの電極Waに十分に加圧接触する。この状態で搬送テーブル3が回転しているため、第1の検測プローブ7はワークWの電極Waに対して摺動する。ただし、この直後に搬送テーブル3の回転が停止するため、摺動時間は極めて短い。
【0051】
その後、ワークWの短辺の略中点が一対のプローブ7、6に対応する第2の設定位置S2にくると、搬送テーブル3の回転が停止する(図2(d))。この状態で、ベースプローブ6と第1の検測プローブ7とによりワークWが挟持され、図示しない測定装置によってワークWの電気特性に関する測定が行われる。
【0052】
このようにして、ワークWの電気的特性に関する測定が終了する(図3(e))。その後加圧ピン8は、第1の検測プローブ7から離間する方向に移動を開始する。これに伴なって、加圧ピン8によりワークWの電極Wa側に押されていた第1の検測プローブ7は、弾性により復帰してワークWの電極Waから離間する。加圧ピン8が第1の検測プローブ7から離間すると、第1の検測プローブ7は確実にワークWの電極Waから離間した状態になる。Zは搬送テーブル3が回転を開始するタイミングに対応する位置を示し、この位置Zは、搬送テーブル3の移動を第1のサーボモータ24に指示するために設けてある。ここでは、加圧ピン8が第1の検測プローブ7から離間する方向に移動中にその先端が位置Zを横切ると、搬送テーブル3が回転を開始するようになっている(図3(f))。
【0053】
測定が終了したワークWは、搬送テーブル3の回転によって次工程に搬送され、次に測定を行うべきワークWが搬送テーブル3の回転に伴なって一対のプローブ7、6の位置まで搬送されてくる。
【0054】
図3(f)は、加圧ピン8の先端が位置Zを横切った後の状態を示す。搬送テーブル3が回転を開始してワークWを次工程へ搬送する。このとき、第1の検測プローブ7はワークWの電極Waから離間しているため、第1の検測プローブ7がワークWの電極Waに対して摺動することはない。
【0055】
加圧ピン8はさらに移動を続け、待機位置Xに到達して停止する。この状態を図3(g)に示す。その後、電気特性に関する測定が終了したワークWは搬送テーブル3の回転によって次工程に搬送され、次に測定を行うべきワークWが搬送テーブル3の回転によって一対のプローブ7、6の位置まで搬送されてくる。そして、図2(a)の状態となり、上述の動作が繰り返される。
【0056】
ところで検測プローブを対象ワークの電極に接触させてワークの特性を測定する場合、従来技術で述べたように適当な接触荷重や摺動(擦過)でワークの電極表面の酸化皮膜を除去しようとすると、電極に商品にならないような大きな傷を付けたり、その摺動により発生する電極カスが検測プローブ側に付着するなどして、電気抵抗が大きくなったり不安定になったりすることもあった。
【0057】
これに対して、本願発明によれば、接触荷重と摺動(擦過)長さを適当に選定することにより、図7に示すように、電極母材30を有する電極Waに検測プローブ7が当接すると、一種の塑性変形的状況が起こり、これにより電極母材30表面に形成された酸化皮膜31が除去されてもカスとはならず、プローブの摺動方向(ワークの移動方向と逆方向)に集積部33となって集まる。すなわち本願発明においては、図7に示す酸化皮膜除去部32に検測プローブ7を接触させて測定するので、接触抵抗が小さくなって安定し、更に検測プローブ7側に付着していた電極カスが電極Waに再度付着することは極めて少ない。
【0058】
ところで、本実施の形態において、ワークWの電極Waの種類や酸化皮膜31の厚さ、ワークWの大きさや種類による電流値、更には検測プローブ7の硬度や表面粗さ等により、前記接触荷重と摺動(擦過)長さをその状況により変化させることができる。
【0059】
本実施の形態においては、(1)検測プローブ7とワークWの電極Waとの接触荷重を可変とし、(2)検測プローブ7とワークWの電極Waとの摺動(擦過)長さを可変とし、かつ測定前に押圧して摺動させている。
【0060】
次に図4により制御装置20による制御方法、すなわち搬送体駆動装置3aの第1のサーボモータ24と、加圧ピン駆動機構12の第2のサーボモータ26を制御し、搬送テーブル3の回転に合わせて加圧ピン8により第1の検測プローブ7を押圧する制御方法について更に詳述する。
【0061】
ここで図4は、ワーク特性測定装置におけるサーボモータのブロック図を示す図である。図4において、MPU21はマイクロプロセッサと周辺回路により構成され、ソフトフェアにより動作する。パルス発振器コントローラ22はMPU21とのデータ送受により、ドライバを経由してサーボモータを位置決め制御する。このうちMPU21とパルス発振器コントローラ22とにより制御装置20が構成されている。
【0062】
サーボモータとドライバは2式設置されている。第1のサーボモータ24は搬送テーブル3を回転させる搬送体駆動装置3a内に設けられ、第1のドライバ23によりパルス発振器コントローラ22との間でデータの送受を行う。第2のサーボモータ26は加圧ピン8を移動させる加圧ピン駆動機構12内に設けられ、第2のドライバ25によりパルス発振器コントローラ22との間でデータの送受を行う。
【0063】
第1のサーボモータ24と第2のサーボモータ26は、それぞれのモータの回転角を示すエンコーダ信号1及びエンコーダ信号2を発生する第1のエンコーダ及び第2のエンコーダを内蔵している。MPU21は第1のサーボモータ24と第2のサーボモータ26の回転を制御する指令信号1と指令信号2を、パルス発振器コントローラ22に送信する。パルス発振器コントローラ22は、前記指令信号1を受信するとともに、第1のサーボモータ24のエンコーダ信号1、動作完了信号1、アラーム1等を第1のドライバ23経由で受信し、第2のサーボモータ26のエンコーダ信号2、動作完了信号2、アラーム2等を第2のドライバ25経由で受信する。
【0064】
パルス発振器コントローラ22はこれらの信号を監視して、第1のサーボモータ24の回転を制御する指令パルス信号1を第1のドライバ23に送信し、第2のサーボモータ26の回転を制御する指令パルス信号2を第2のドライバ25に送信する。第1のドライバ23は指令パルス信号1に基づいて第1のサーボモータ24の回転速度を制御する。同様に、第2のドライバ25は指令パルス信号2に基づいて第2のサーボモータ26の回転速度を制御する。
【0065】
ここで、搬送テーブル3の現在位置を基準として加圧ピン8を第1の検測プローブ7に接近する方向に移動させる制御方法について、以下説明する。搬送テーブル3は、ワークWを搬送するときには回転し、ワークWの特性を測定するときには停止するという動作を繰り返す。一方、加圧ピン8は、ワークWを搬送するときには第1の検測プローブ7から離間し、ワークWの特性を測定するときには第1の検測プローブ7をワークWの電極Waに加圧接触させるという動作を繰り返す。
【0066】
この様子を図5に示す。図5は横軸に時間をとって各部の状態を示したタイムチャートである。図5の上方には、各時刻と図2(a)〜図3(g)との対応を示してある。
【0067】
図5に示すように、時刻tまでは搬送テーブル3が回転し、加圧ピン8は待機位置(図2におけるX)で停止している。搬送テーブル3の停止位置は、ワーク収納孔4のワークWがベースプローブ6と第1の検測プローブ7とにより挟持されて測定が行われるように予め決まっている。その時刻を図5においてtで示す。
【0068】
すなわち、MPU21はこの時刻tにおいて第1のサーボモータ24の回転速度が0になるように、指令信号1をパルス発振器コントローラ22に予め送信する。パルス発振器コントローラ22は指令信号1を基準として、第1のサーボモータ24が内蔵する第1のエンコーダから受信したエンコーダ信号1(現在の第1のサーボモータ24の回転角すなわちワーク収納孔4の位置を示す)を監視しながら、第1のサーボモータ24の回転を制御する指令パルス信号1を第1のドライバ23に送信する。また、第2のサーボモータ26が内蔵する第2のエンコーダは、現在の加圧ピン8の位置を示すエンコーダ信号2を第2のドライバ25経由でパルス発振器コントローラ22に送信している。
【0069】
ここに、時刻tまでは第2のサーボモータ26は停止しており、加圧ピン8は待機位置(図2におけるX)で停止しているため、エンコーダ信号2の値は待機位置を示す。この場合、エンコーダ信号1は、第1のサーボモータ24の回転速度が0になる時刻tにおいて停止位置を示す。図5において、加圧ピン8を第1の検測プローブ7に接近する方向に移動開始させる時刻tにおいてワーク収納孔4が存在すべき位置を示すエンコーダ信号1の値E1は、パルス発振器コントローラ22において、予め計算によって求められる。
【0070】
従って、パルス発振器コントローラ22においてエンコーダ信号1とエンコーダ信号2を比較し、エンコーダ信号1の値がE1でかつエンコーダ信号2の値が待機位置を示すときに、加圧ピン8を第1の検測プローブ7に接近する方向に移動開始し、第1の検測プローブ7がワークWの電極Waに加圧接触する位置(図2におけるY)で停止させる指令パルス信号2を、第2のドライバ25経由で第2のサーボモータ26に送信する。ここでは、前述のように、図2(a)においてワークWの短辺の略中点がS1を通過したときに、指令パルス信号2を送信するようになっている。
【0071】
図5においては、時刻tがこの状態に対応する。加圧ピン8に押された第1の検測プローブ7は弾性変形しながらワークWの電極Waに当接するため、図5における時刻tからtの間に第1の検測プローブ7がワークWの電極Waに加わる圧力は、検測プローブ7が電極Waに接触した後もバネ11を縮ませる方向に加圧されるので、徐々に増大する。このため、電極Waに与える衝撃を小さく抑えることができる。
【0072】
図2(c)において、搬送テーブル3は回転しているため、第1の検測プローブ7がワークWの電極Waに十分に加圧した状態で摺動する。この直後に予め設定された極めて短い時間Δtが経過すると、図5の時刻tにおいて、測定が行われる位置にワークWが到達し、第1のサーボモータ24が回転を停止し、これに伴なって搬送テーブル3の回転も停止する。このため、この摺動時間、すなわち図5におけるΔt=t−tは極めて短くなる。この場合、短時間の摺動によってワークWの電極Waの表面に形成された酸化皮膜を削り取ることができ、十分な電気的接触を確保することが可能となる。また、ワークWの電極Waと第1の検測プローブ7は短時間摺動するだけなので、ワークWの電極Waに発生する条痕は、極めて小さくなる。
【0073】
一例として、摺動時間Δtを1.5msとした場合、ワークWの電極Waに生じる条痕の長さは0.2mmとなる。すなわちバネ11の剛性を一定とした時、ワークWの電極Waと第1の検測プローブ7の摺動時間を調整することにより、上述の手法から明らかなように、条痕の長さを制御することが可能である。
【0074】
なお、ここでは摺動時間による条痕の長さの制御について説明したが、ワークWの電極Waの種類や酸化皮膜厚さや第1の検測プローブ7の硬度や表面粗さ等により、加圧ピン8を移動させる際のバネ11の変形量及びバネ11の剛性のうち少なくとも一方を調整することができる。このことによりワークWの電極Waへの加圧量である接触荷重を制御することができる。
【0075】
次に、加圧ピン8の現在位置を基準として搬送テーブル3を移動開始させる制御方法について、以下説明する。図5において、上述のように時刻tにおいて搬送テーブル3の回転が停止すると、その後時刻tにおいて、加圧ピン8により押されて弾性変形した第1の検測プローブ7がワークWの電極Waに加圧接触する位置(図2におけるY)に到達し、第2のサーボモータ26は回転を停止する。これによって、加圧ピン8は停止する。この状態でワークWの電気的特定測定が行われる。
【0076】
図5において加圧ピン8の停止時刻tと搬送テーブル3の回転停止時刻tとの関係は、tがtよりも後であること、すなわちt−t≧0を満足すればよい。
【0077】
図5に示すように、時刻tにおいて、第2のサーボモータ26が回転を開始し、縮んでいたバネ11を開放した後、加圧ピン8が図2におけるYの位置から第1の検測プローブ7から離間する方向に移動を開始する。これにより、加圧ピン8により押されていた第1の検測プローブ7は、弾性により復帰してワークWの電極Waから離間する(図3(e))。これに伴い、第1の検測プローブ7によるワークWの電極Waへの圧力は徐々に小さくなる。時刻tにおいて加圧ピン8が第1の検測プローブ7から離間した状態になると、第1の検測プローブ7は確実にワークWの電極Waから離間する(図3(f))。このとき第1のサーボモータ24が回転を開始し、これによって搬送テーブル3が回転を開始する(図3(g))。このことにより第1の検測プローブ7がワークWの電極Waに摺動することはなく、ワークWの電極Waには摺動による条痕が発生することはない。
【0078】
図5に示すように、時刻tまでは加圧ピン8が第1の検測プローブ7から離間する方向に移動し、搬送テーブル3は停止している。移動している加圧ピン8は、待機位置(図2におけるX)において停止する。その時刻を図5においてtで示す。すなわち、MPU21はこの時刻tにおいて第2のサーボモータ26の回転速度が0になるように、指令信号2をパルス発振器コントローラ22に予め送信しており、パルス発振器コントローラ22は指令信号2を基準として、第2のサーボモータ26が内蔵する第2のエンコーダから受信したエンコーダ信号2(現在の第2のサーボモータ26の回転角すなわち加圧ピン8の位置を示す)を監視しながら、第2のサーボモータ26の回転を制御する指令パルス信号2を第2のドライバ25に送信する。また、第1のサーボモータ24が内蔵する第1のエンコーダは、現在のワーク収納孔4の位置を示すエンコーダ信号1を第1のドライバ23経由でパルス発振器コントローラ22に送信している。
【0079】
この場合、時刻tまでは搬送テーブル3は停止しているため、エンコーダ信号1の値は停止位置を示す。エンコーダ信号2は、第2のサーボモータ26の回転速度が0になる時刻tにおいて停止位置を示すことから、図5において搬送テーブル3の回転を開始させる時刻tにおいて加圧ピン8が存在すべき位置を示すエンコーダ信号2の値E2は、パルス発振器コントローラ22において、予め計算によって求められる。従って、パルス発振器コントローラ22においてエンコーダ信号1とエンコーダ信号2を比較し、エンコーダ信号2の値がE2でかつエンコーダ信号1の値が停止位置を示すときに、搬送テーブル3の回転を開始させて、次のワーク収納孔内のワークがワーク測定装置に到来したときに停止させる指令パルス信号1を、第1のドライバ23経由で第1のサーボモータ24に送信する。本実施の形態においては、図3(e)において、加圧ピン8が第1の検測プローブ7から離間する方向に移動中に、その先端がZを横切ったときに第1のサーボモータ24が回転を開始する。
【0080】
第2の実施の形態
次に本発明の第2の実施の形態について図6により説明する。図6に示す第2の実施の形態は、検測プローブと加圧ピンとを一体化して搬送テーブルのワーク収納孔に対して進退させたものであり、他の構成は図1乃至図5に示す第1の実施の形態と略同一である。
【0081】
図6において、図1乃至図5に示す第1の実施の形態と同一部分については、同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0082】
図6に示すように、加圧ピン8の一端に第2の検測プローブ13が固着され、第2の検測プローブ13は加圧ピン8と一体化されている。加圧ピン8はスリーブ10内に格納され、スリーブ10内において加圧ピン8の端部にバネ11の一端が固着されている。バネ11の他端は、スリーブ10と一体化された加圧ピン駆動機構12に固着されている。バネ11は第2の検測プローブ13をワークWの電極Waから離間させる方向に付勢している。加圧ピン駆動機構12は第2のサーボモータ26の回転をボールネジ、ネジ機構あるいはリンク機構により直線運動に変換する構造をもち、この直線運動がバネ11を経由して第2の検測プローブ13に伝わる。このことによって、第2の検測プローブ13はワークWの電極Waに接近する方向(図5の矢印Cの方向)及びワークWの電極Waから離間する方向(図5の矢印Dの方向)に進退自在となっている。この場合、スリーブ10内の加圧ピン8と、バネ11と、加圧ピン駆動機構12とによりプローブ駆動機構12Aが構成されている。
【0083】
ワークWの特性を測定する際には、図6に示す状態でベースプローブ6がワークWの電極Wbに接触し、第2の検測プローブ13がワークWの電極Waに接近する方向に移動してワークWの電極Waに当接する。これにより、ベースプローブ6と第2の検測プローブ13とによりワークWが挟持され、図示しない測定装置によって測定が行われる。測定が終了すると第2の検測プローブ13はワークWの電極Waから離間する方向に移動する。
【0084】
搬送テーブル3の回転と第2の検測プローブ13の移動に関する制御方法は、第1の実施の形態における搬送テーブル3の回転と加圧ピン8の移動に関する制御方法と略同一である。
【0085】
なお、上記各実施の形態において、搬送体駆動装置3aおよび加圧ピン駆動機構12が各々サーボモータ24、26を有する場合について説明したが、搬送体駆動装置3aおよび加圧ピン駆動機構12は、モータの回転により搬送テーブルや加圧ピン、検測プローブあるいはリンク機構等を移動させて、モータの回転角検出機能によりこれらを制御してもよい。
【0086】
また上記各実施の形態は高精度の制御を目的とした場合であるが、対象ワークが大きい場合など低精度の制御の場合には、搬送体駆動装置3aおよび加圧ピン駆動機構12はパルスモータやステッピングモータを用いてもよい。
【0087】
上記各実施の形態において、搬送テーブル3が垂直に設置されている場合について説明したが、搬送テーブル3は水平に設置されていてもよく、傾斜して設置されていてもよい。
【0088】
更に、加圧ピンと加圧ピン駆動機構との間に設けた弾性体をバネ11で説明してきたが、長期間安定な特性(例えば塑性変形が長期にわたり無視できるもの)であれば、ゴムでもよい。
【0089】
またワークWの電極Wa、Wbに接触する一対のプローブ7、6のうち、1本のプローブ7のみが移動する場合について説明したが、一対のプローブ7、6両方が移動してワークWの電極Wa、Wbに接触し、ワークWを挟持して測定を行ってもよい。
【0090】
また搬送体は搬送テーブル3からなっている例について説明したが、搬送体は帯状の搬送ベルトからなっていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】図1は本発明によるワーク特性測定装置の第1の実施の形態を示す図。
【図2】図2(a)−(d)は本発明によるワーク特性測定装置の動作を示す図。
【図3】図3(e)−(g)は本発明によるワーク特性測定装置の動作を示す図。
【図4】図4は本発明によるワーク特性測定装置の動作制御ブロック図。
【図5】図5は本発明によるワーク特性測定装置の動作タイムチャート。
【図6】図6は本発明によるワーク特性測定装置の第2の実施の形態を示す図。
【図7】図7は本発明による測定後のワークの電極を示す断面図。
【図8】図8はリンク機構からなる加圧ピン駆動機構を示す図。
【符号の説明】
【0092】
1 ワーク特性測定装置
2 基台
3 搬送テーブル
3a 搬送体駆動装置
4 ワーク収納孔
5 吸引孔
6 ベースプローブ
6a 絶縁層
7 第1の検測プローブ
8 加圧ピン
9 プローブホルダ
10 スリーブ
11 バネ
11b バネ
11c バネ
12 加圧ピン駆動機構
12A プローブ駆動機構
12b 加圧ピン駆動機構
13 第2の検測プローブ
14 円筒カム
15 中心軸
16 支持台
21 MPU
22 パルス発振器コントローラ
23 第1のドライバ
24 第1のサーボモータ
25 第2のドライバ
26 第2のサーボモータ
30 電極母材
31 酸化皮膜
32 酸化皮膜除去部
33 集積部
W ワーク
Wa、Wb 電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の貫通するワーク収納孔を有する搬送体であって、各ワーク収納孔内にワーク収納孔の貫通方向外方に向う一対の電極を有するワークが収納された搬送体と、
この搬送体を駆動する搬送体駆動装置と、
搬送体の両側に設けられ、各々がワーク収納孔内に収納されたワーク電極に当接可能な一対のプローブと、
少なくとも一方のプローブをワーク収納孔に対して進退させるプローブ駆動機構と、
搬送体駆動装置およびプローブ駆動機構を制御して、一対のプローブを対応するワークの電極に摺動させながら当接させる制御装置と、を備えたことを特徴とするワーク特性測定装置。
【請求項2】
制御装置はワーク収納孔が一対のプローブの手前の第1の設定位置にきたとき、プローブ駆動機構を制御して一方のプローブをワーク収納孔に向けて前進させ、ワーク収納孔が一対のプローブに対応する第2の設定位置にきたとき、プローブ駆動機構を制御して一方のプローブをワーク収納孔から後退させることを特徴とする請求項1記載のワーク特性測定装置。
【請求項3】
搬送体は、円板からなることを特徴とする請求項1記載のワーク特性測定装置。
【請求項4】
搬送体は、帯状体からなることを特徴とする請求項1記載のワーク特性測定装置。
【請求項5】
搬送体駆動装置は、回転角検出機能を有するサーボモータを有することを特徴とする請求項1記載のワーク特性測定装置。
【請求項6】
搬送体駆動装置は、パルスモータを有することを特徴とする請求項1記載のワーク特性測定装置。
【請求項7】
搬送体駆動装置のパルスモータは、回転角検出機能を有することを特徴とする請求項6記載のワーク特性測定装置。
【請求項8】
プローブ駆動機構は、加圧ピンと、加圧ピンを駆動する加圧ピン駆動機構と、から成ることを特徴とする請求項1記載のワーク特性測定装置。
【請求項9】
一方のプローブは、加圧ピンと、搬送体との間に位置することを特徴とする請求項8記載のワーク特性測定装置。
【請求項10】
加圧ピンと加圧ピン駆動機構との間に弾性体が設けられていることを特徴とする請求項8記載のワーク特性測定装置。
【請求項11】
前記弾性体はその剛性を変更可能としたことを特徴とする請求項10記載のワーク特性測定装置。
【請求項12】
弾性体はバネを有することを特徴とする請求項10記載のワーク特性測定装置。
【請求項13】
加圧ピン駆動機構は、回転角検出機能を有するサーボモータからなることを特徴とする請求項8記載のワーク特性測定装置。
【請求項14】
加圧ピン駆動機構は、パルスモータを有することを特徴とする請求項8記載のワーク特性測定装置。
【請求項15】
加圧ピン駆動機構は、回転角検出機能を有するパルスモータからなることを特徴とする請求項8記載のワーク特性測定装置。
【請求項16】
制御装置はワーク収納孔が第2の設定位置にきたとき、搬送体駆動装置を制御して、前記搬送体を停止させることを特徴とする請求項2記載のワーク特性測定装置。
【請求項17】
請求項1記載のワーク特性測定装置を用いたワーク特性測定方法において、
搬送体のワーク収納孔内にワークを収納し、制御装置により搬送体駆動装置を制御して搬送体を駆動する工程と、
制御装置によりプローブ駆動機構を制御して一方のプローブをワーク収納孔に向けて前進させ、一対のプローブをワークの対応する電極に摺動させながら当接させ、ワークの特性を測定する工程と、
を備えたことを特徴とするワーク特性測定方法。
【請求項18】
制御装置はワーク収納孔が一対のプローブの手前の第1の設定位置にきたとき、プローブ駆動機構を制御して一方のプローブをワーク収納孔に向けて前進させ、ワーク収納孔が一対のプローブに対応する第2の設定位置にきたとき、プローブ駆動機構を制御して一方のプローブをワーク収納孔から後退させることを特徴とする請求項17記載のワーク特性測定方法。
【請求項19】
プローブ駆動機構は、一方のプローブを弾性体を介して加圧することを特徴とする請求項17記載のワーク特定測定方法。
【請求項20】
プローブ駆動機構は、一方のプローブを弾性体の変形量と、弾性体の剛性のうち、少なくともどちらか一方を変えることにより加圧することを特徴とする請求項19記載のワーク特性測定方法。
【請求項21】
第1の設定位置および第2の設定位置は可変となっており、これによりワークの一対の電極と対応するプローブとの間の摺動長さが決まることを特徴とする請求項17記載のワーク特性測定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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