説明

三次元伸縮調節可能な設備取付具

調節可能な設備用架台は、剛性フレームを形成するために相互に連結可能な、対向する第1および第2の長さ調節可能な側面と、対向する長さ調節可能な第1および第2の端面とをそれぞれ有する上側フレームおよび下側フレームと、高さ調節可能な取付用脚部とを有する。下側フレームは単独で使用してもよく、または上側および下側両方のフレームに固定されているマウントとマウント間の衝撃吸収スプリングとを有する衝撃マウントシステムにより上側フレームを支持してもよい。フレームは相互連結する溝部材から形成してもよく、下側フレームの溝部材は施される下地材と合わせて音波減衰を提供する有孔構造であってもよい。フレームのいずれかに耐震ブラケットを固定して、地震の衝撃への耐性および発生モーメント抵抗を提供してもよい。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、屋根上設備および同様な他のものなどのための、新規で改良された取付具または架台に関する。
【背景技術】
【0002】
商業用および工業用の暖房、換気および空調設備は、典型的には屋根または他の屋外に、設備によって空気を処理する施設に関しておおむね水平面に取り付けられる。設備の仕様および特徴ならびにその製造者と設備の場所に応じて、設備をそのマウントにより装着する取付面と同じく、設備のサイズおよび設置面積は大きく変動する。設備は、屋根または他の面に直接置かれるのではなく、枠組または「架台」によってその上に支持される。架台を屋根に締結してから、設備を架台に取り付ける。従来の架台は、設備の重量を支持しつつ、典型的には振動もしくはノイズを隔離すること、または地震力もしくは風荷重に耐えることができない。
【0003】
設備の設置面積は多様であるため、特定の設備を取り付けるために利用される架台は、設備の設置面積のサイズと一致していなければならない。適切に一致させるには、複数の異なるサイズの架台の在庫をもたなければならないか、または取り付ける特定の設備に対応するために、製造工場または据付現場のいずれかで、架台を特注製造しなければならない。いずれの選択肢も、効率的でないかまたは費用効果的ではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、本発明の目的は、多様な設備の設置面積に適合できる単一の設備用架台を提供し、そのため高い適応性を提供しながら架台構造の標準化を可能にすることである。
【0005】
本発明のさらなる目的は、多様なサイズの設備および、架台を取り付ける面の多様な勾配に対応するために、複数の次元もしくは方向に独立して調節可能なユニバーサルな設備用架台を提供することである。
本発明のさらなる目的は、設備を支持できる剛性の取付システムであると同時に、振動およびノイズの隔離、地震力に対する耐力および風荷重耐性を提供しながら、経済的な構造と大きな適応性をもつ調節可能な架台を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上および他の目標および目的に従い、本発明による設備用架台は、架台を取り付けて、架台によって支持する設備をその上に配置する屋根または他の面に、典型的には、1または複数の開口を囲む1対の囲い枠を形成する、下側アセンブリと上側アセンブリとを備える。フレームのそれぞれは、対向する側面区分材および端面区分材を有しており、そのそれぞれがさらに、側面と端面の全長を特定の据付要件に合わせて個別に調節できる複数の伸縮式相互係合パネルからなる。このパネルは、高い精度で調節度と剛性度を提供するように構成され、互いに噛み合うような寸法にされている溝部材として構成することが好ましい。パネルは、好ましくは、ノイズ減衰および熱保護を提供する構造であってもよい。
【0007】
上側フレームは、スプリング部材を有する堅固でありながらも弾性的な連結を提供する取付システムによって下側フレームに取り付けられているので、上側フレームの上に取り付けられている設備を、下側フレームを取り付けている構造物から分離する。当該分離を望まない場合には、上側フレームを使用せず、設備を直接下側フレームに取り付ける。
【0008】
下側フレームには、架台を取り付ける屋根または構造物の輪郭もしくは傾斜とは関係なく、下側フレームを水平に保ちながら独立して調節可能な支持部材が設けられている。下側フレームはネイラーに対応するように適応させてもよく、ネイラーはさらに、架台と取付面との間の耐候性シールを提供する雨押えおよび同様なエレメントの連結点として機能する。
【0009】
上側フレームおよび下側フレームはともに、取付設備との剛性連結を提供する耐震ブラケットを収受するので、取付設備は、地震の衝撃、および特に、架台の上側支持縁部に載せる設備の張り出しに依拠し、従来の取り付けでは耐えることのできない発生モーメントに耐えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】は、典型的な空調装置を据付のために配置している、本発明の架台の斜視図である。
【図2】は、本発明の架台と、これに連結して取り付けるために配置されている空調設備に関連する典型的なプレナムまたはダクトの斜視図である。
【図3】は、本発明の架台の分解斜視図である。
【図3A】は、架台の側面の中央部の詳細図である。
【図3B】は、架台の角部の詳細図である。
【図4】は、必要なサイズに調節した架台の例示的な角部区分材の斜視図である。
【図5】は、ネイラーを配置した状態の下側フレームパネルの例示的断面図である。
【図6】は、据え付けられている架台の対向する側面または端面の間に取り付けるための内部プレナム支持フレームの上平面図である。
【図7】は、図6のフレームユニットのエレメントの入れ子構造を描いた代表的な断面図である。
【図8】は、プレナム支持フレームを架台フレームに取り付けるためのブラケットの立面図である。
【図9】は、プレナム支持フレームを架台フレームに取り付けるためのブラケットの立面図である。
【図10】は、プレナム支持横材の平面図である。
【図11】は、上側架台フレームを下側フレームで支持するためのマウントの分解図である。
【図12】は、図11のマウントの下側ハウジングの上平面図である。
【図13】は、マウントの上側ハウジングの上平面図である。
【図14】は、架台を基礎構造物に取り付けるための支持部材を詳図する下側フレームの一部の立面図である。
【図15】は、ノイズ減衰用の構造を図示する1対の典型的なフレームパネルの斜視図である。
【図16A】は、耐震ブラケットの取り付けを図示する、図11の上側ハウジングの斜視図である。
【図16B】は、耐震ブラケットの取り付けを図示する、図11の下側ハウジングの斜視図である。
【図17】は、下側フレームの側面端部パネルの立面図である。
【図18】は、下側フレームの側面中央パネルの立面図である。
【図19】は、上側フレームの側面端部パネルの立面図である。
【図20】は、上側フレームの側面中央パネルの立面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の好適であるが例示的な実施形態の以下の詳細な説明を、添付の図面と併せて見ながら検討することで、本発明のより深い理解が得られるであろう。
【0012】
最初に図1および図2を参照すると、工業用空調装置10など、従来の暖房、換気および空調設備が本発明の架台12によって支持されている。架台12は、空調装置を取り付ける上側フレーム14と、屋根または他の支持面に取り付ける下側フレーム16とを有する。あるいは、下側フレーム16は上側フレーム14なしで、取付設備を直接支持するために利用することもできる。上側フレーム14および下側フレーム16の長さと幅はともに、架台12の寸法を空調装置10の寸法に適合させられるように調節可能である。
【0013】
空調装置10は、空調装置の底部から屋根開口20などの適合する取付面開口に、典型的には下方に延びている1または複数のダクトまたはプレナム18に関連させて、空調装置への処理済みエアと空調装置からの戻りエアを導通させてもよい。また、類似のダクトが、配線やその他のもののために設けられてもよい。ダクトを支持してそれを適所に維持するために、装置を取り付ける上側フレーム14の対向する側面または端面の間に1対の伸縮式サポート22が延びており、ダクトのフランジの取付面を提供する。上側フレームを利用しない場合、サポートは下側フレームに固定してもよい。サポート22はプレナム/ダクトを支持するのに適切で必要な位置に配置し、配列する。当業界で周知の雨押えシステムは、ネイラー(例えば図5を参照)を通して架台ユニットの外部側面に固定し、架台ユニットおよびその内部空間をエレメントからシールすることができる。
【0014】
図3を参照すると、上側フレーム14および下側フレーム16のそれぞれは、フレームをサイズ調節可能なものにするために、入れ子状に折り畳まれる複数の嵌まり合うパネルから構成されている。下側フレーム16はまず、対向する1対の相互係合端面パネル24、26を含む。下側フレーム16は、下側フレームの対向する左右の側面のそれぞれをともに形成する、3枚の伸縮式側面パネル28、30、32も含む。図3は、両方の端面パネル24および26を完全に分離した状態で図示するとともに(図示する架台の右端)、1対の端面パネル24および26を嵌め合わせて所望の全幅の寸法に調整した状態で図示している(図の左端に図示するとおり)。図3はさらに、側面パネル28、30、32の第1セットを最終調節前に組み合わせた状態(架台の奥側に図示するとおり)と、架台の手前側の他のエレメントと係合した正しいサイズに整列させた状態とを図示している。
【0015】
上側フレーム14は同様の構造で、上側フレームの端面と側面の両方が3枚のパネルから形成されている。端面パネル34、36および38は、必要な幅に合わせて調節できるように入れ子状に嵌合されており、伸縮式側面パネル40、42および44は、必要な長さに合わせて調節できるように嵌合されている。
【0016】
図5に図示するように、図示する端面パネル26などの下側および上側両方のフレームの端面パネルおよび側面パネルのそれぞれは断面が略C字形で、垂直壁部46は上下の水平壁48で区画されている。1対の短い垂直折返し壁50は互いに向かって内側に延びており、上にかぶさるパネルに関して、嵌まり合って伸縮する内側のパネルエレメントの捕捉を提供する。下側フレームの側面パネル28、32は同一の断面寸法になっており、中央側面フレームパネル30がそれにぴったりと嵌まるような寸法にされている。同様に、上側フレームの側面パネル40および44は同一の断面寸法になっており、中央側面パネル42はそれに嵌まるような寸法にされている。下側フレームの端面パネル24および26は、必要な嵌合を提供するように選択された異なる断面寸法になっている一方で、上側フレームの側面パネルアセンブリと同様な上側フレームの端面パネルは同じ断面寸法の外側パネル34、38を有しており、中央パネル36は外側パネル内に嵌まるようなサイズにされている。
【0017】
すべてのパネルは、例えば16ゲージアルミニウムから形成してもよい。下側フレームを形成するパネルは高さが約11インチで、端面パネル24、26はそれぞれ約36インチの長さであってもよい。下側フレームの側面パネル28、32は長さが約28インチで、中央パネル30は51インチの長さを有していてもよい。対応する上側フレームの側面パネル40、42、44の長さは下側フレームの側面パネルと同じであり、上側フレームのパネルエレメントの高さは約3インチである。上側フレームの端面パネル34、38は長さが約20インチで、中央パネル36が33インチの長さを有していてもよい。当該寸法のパネルは長さが66から96インチで、幅が40から61インチの架台に容易に組み立てることができる。
【0018】
図15に図示するように、下側フレームのパネルのそれぞれは、好ましくは有孔垂直壁部を設けて構成してもよい。孔は壁部の大部分に及んでいる。下側端面パネル26など、パネルの相互係合される1対の第1の孔または開口56は円形である一方で、下側端面パネル24など、相互係合される1対の第2の孔58は楕円形である。孔のサイズと間隔は、パネルが嵌合したときに整列して、パネルの総露出表面積の約25パーセントの開放面積を提供するように選択される。楕円の主軸が水平方向に延びる開口のセットのうちの1つの楕円形状により、パネルを取付設備のサイズに適合するように側方に調節するときに、開放面積の範囲が実質的に維持される。
【0019】
架台と架台を取り付ける構造物との間に耐候性シールを提供するために従来から架台の添え木52に取り付けられている被覆下地材または遮蔽成形材と組み合わせた有孔パネルは、架台内から発生または伝達されるノイズの音波減衰システムを形成する。ノイズエネルギーは、剛性の中実壁によってノイズおよび振動の支持構造物への伝達に寄与するよう反射および吸収されるのではなく、孔によって架台壁を通過して、下地材により減衰および吸収される。
【0020】
図3および図4をさらに参照すると、架台の組み立てた側面および端面を適切なサイズに調節するときに、個々の端面パネルおよび側面パネルをまとめて締結しやすくするように、端面パネルおよび側面パネルには、下側パネル24、28もしくは32、または上側パネル40、44、34もしくは38の穴60などの一連の穴を備えてもよい。フレームの側面パネル28、32および40、44ならびにフレームの端面パネル34および38は互いに鏡像であり、架台の反対側に同じパネルを使用できるようになっていることに留意するべきである。下側フレームの端面パネル24、26も鏡像にしてもよいが、必ずしもその必要はない。作業者は、一連の穴60をガイドとして使用して、対応する嵌合されるパネルエレメントに穴を開け、パネルエレメントをまとめてナットおよびボルトまたは適切な他のコネクタで締結する。パネルの相互装着を幅広い範囲の所望の架台の長さおよび幅で一層行いやすくするために、穴のセットをパネルに沿った様々な位置に設けてもよい。嵌まり合うパネル対の両方のパネルには、一般的に見られる全体寸法に対応する位置に予め開けた穴を設けて、当該状況での穴開けの必要をなくしてもよい。
【0021】
図4にさらに図示するように、下側および上側両方のフレームの端面パネルアセンブリおよび側面パネルアセンブリは、それぞれコーナーブラケット64とハウジングブラケット98でそれぞれの端部に互いに接合する。ブラケットはそれぞれ直角構造であり、0.125インチ厚の材料から形成してもよい。ハウジングブラケット98は以下でさらに詳細に述べる。ブラケット64は、上側フレームの側面と端面を、隣接する両側のフレームパネルおよび上側フレームの角部に配置されている上側ハウジング96(以下述べる)間の相互連結を通して連結するのに十分な長さである。端面パネルの端部はそれぞれ隣接する側面パネルの端部に重なって、より頑丈な相互連結を提供する。コーナーブラケットと接合するパネルの端部との両方には、ナットとボルトシステムでブラケットをパネルに装着できる整列穴を備えてもよい。個々のパネルエレメントがともに、接合される各側面と端面を形成するとともに、対応する側面および端面構造をともに締結するので、要求に合わせた剛性の架台が形成される。
【0022】
伸縮式プレナム/ダクトサポート22は、側面パネルおよび端面パネルと同様の構造をしている。図6および図7に図示するように、ダクト支持アセンブリ66は、横材68によって接合される1対の伸縮式サポート22を備える。図7に詳図するように、支持部材22はそれぞれ、内側および外側の伸縮式区分材70、72を備える。内側区分材70は断面がC字形である一方、外側区分材72は同様なC字形の断面であるものの、内側に向いた垂直折返し部が側面パネルエレメントおよび端面パネルエレメントの構造と同様になっている。伸縮式支持区分材の先端は、図8および図9に図示されるようにブラケットを使用して架台フレームに取り付けられる。そこに図示されるように、端部ブラケット74、76はそれぞれ、上側フレームパネル40または44などのフレームパネルの内側向きの垂直面に対して適切な場所に取り付けられる、プレート78を有する。ボルトを取り付けるために取付用穴80を設けてもよい。溶接または同様な他の方法などによって、プレート78に取り付けられるのはコネクタエレメント82aまたは82bである。コネクタエレメント82bは外側伸縮式区分材72を収受し、そのため内側伸縮式区分材70と断面が同一に構成される一方、内側伸縮式区分材70と係合するためのコネクタエレメント82aは同様に、外側区分材72と断面が同一に構成されている。各伸縮式サポート22は必要な長さまで伸張し、そのそれぞれの端部が1対の整列ブラケット74、76によって捕捉される。外側伸縮式区分材72にはその長さの一部に沿って一連の穴を設けて、1または複数の対応する整列穴を内側区分材に開けて、ネジなどの締め具をそこに挿入して内側区分材と外側区分材を合わせて接合し、所望の長さを維持するようにしてもよい。エレメント22をそれにしっかり固定するために、伸縮式区分材の先端の穴とブラケット74のコネクタエレメントの対応する穴も設けてもよい。
【0023】
図10はさらに横材68の構造を図示している。平面図で示すように、横材は略U字形の構造をしており、下側に延びている1対の側壁86が中央区分材88によって接合されている。中央区分材88は側壁の端部を超えて先端に延びて、それによって接合される伸縮式サポート22の上面に着座する1対のフラットパネル取付部90を提供する。横材68は、穴92から伸縮式サポート22の上面に開けられている対応する穴にネジを挿入することによって、伸縮式サポートに締結されている。
【0024】
架台が下側および上側両方のフレームを組み込んでいる場合、上側フレーム14は図11〜図13に図示する一連のマウントアセンブリ94によって下側フレーム16に取り付けて、据え付ける設備と架台を取り付ける構造物との間の振動隔離を提供する、強力でありながらも弾性的な連結を提供する。マウントアセンブリのそれぞれは、上側フレーム14に取り付けられている上側ハウジング96と、下側フレーム16に取り付けられている下側ハウジング98とを含む。スプリングシステム100はその間に延びている。下側ハウジングは、上側フレームも採用されるかどうかに関係なく、下側フレームの角部を接合する役目も果たすため当該角部に配置される。
【0025】
上側ハウジング96は立面図で略「H」の形状をしており、垂直脚部102が横水平プレート104を支持している。脚部102は底部プレート106を備えるアングル材から構成して、取り付けのために方形穴108を有してもよい。底部プレート106は、ナットとボルトアセンブリ162が取り付けられて貫通する取付用穴を有する。ボルトは下側ハウジング98の受け穴164を貫通する。下側ナット166(破線で図示)により、フレーム間の最大相対垂直変位量を指定できる。水平プレート104は、スプリングアセンブリを収受するための取付フランジ110と中央穴112とを含んでもよい。
【0026】
下側ハウジング98は、垂直に延びているU字形の中央部116と、1対の対向する取付用翼118とを有する成形主垂直区分材114を含む。主区分材は、スプリングシステムを取り付ける中央穴122と162のボルト用の受け穴164とを有する、上部プレート120を支持している。垂直区分材114には方形の取付用穴126も設けられる。図11および図12にて破線で図示するように、いずれの取付用翼118も、下側端面パネル24、26の端部の穴と整列するように配置されている穴を備えた、後方に延びている直角パネル115を有してもよい。パネル115が延びている取付用翼118によっては、下側ハウジングは架台の右側または左側端部のいずれかに、側面パネルを端面パネルに相互連結させるために使用される。
【0027】
スプリングシステム100は、下側ハウジング98の穴122を上側に貫通してスプリングエレメントを支持し、その後上側ハウジング96の中央穴112を貫通する、主支持ボルト128を含む。ボルト128はナット130で下側ハウジングにしっかりと取り付けられている。スプリング調節ナット132は、ワッシャ134とスプリングカップ136とを支持する。主スプリング138は、その下端のスプリングカップ136とその上端のゴム緩衝ワッシャ140との間にある。上側ナット142は、ボルトおよびスプリングを上側ハウジングに保持する。スプリング138の有効伸長長さは、ボルト上の調節ナット132の位置によって制御される。スプリング138の特徴は、上側フレーム14および装着される設備10の荷重と、減衰しようとする予想振動力および他の力を考慮して、当業界で周知のように選択される。必要とされる場合には、スプリング138の予荷重は、調節ナット132の調節によって与えることができる。スプリングシステムは通常、上側ハウジングおよび下側ハウジングをそれぞれ上側架台フレームおよび下側架台フレームに取り付けた後に組み立てられる。
【0028】
マウントアセンブリ94は、図2および図3に図示するように、その対向する側面に沿って架台に取り付けられる。3つのアセンブリは架台の各側面に配置してもよい。図17〜図20は、マウントアセンブリを収納するための架台パネルの構造を図示している。図18を参照すると、例示的な下側中央パネル30には、下側ハウジング98のU字形の中央部を収納するために、下側折返し壁50と下側水平壁48の両方に切欠き144が設けられている。上側折返し壁50の対応する部分144’は取り除かれており、上側水平壁48には、上部プレート120の穴164およびスプリングボルト128用の穴148に整列するように穴146が設けられている。垂直壁区分材46の方形穴150はハウジング穴126に整列する。
【0029】
図17のパネル32などの下側側面端部パネルは、同様に下側折返し壁50および下側水平壁48の両方に切欠き144と、取り除かれている上側折返し壁の対応する部分144’と、その上側水平壁48に穴146、148と、その垂直壁区分材46に方形穴150とを有する。
【0030】
同様に、図20に図示するパネル42などの上側中央パネルは、上側ハウジング96を収納するようなサイズおよび間隔にされている下側水平壁48および折返し壁50に中央切欠き154を、上側ハウジングの脚部102の前方張り出し部を収納するために上側折返し壁50に1対の切欠き156を有しており、脚部102がさらに上側折返し壁の隣接部の背後に収納される。図19に図示するパネル44などの上側端面パネルは、下側水平壁48および折返し壁50の先端部を上壁50の先端部とともに取り除いて、上側ハウジングを受けとめるために平坦部158となっている。中央パネルおよび端面パネルの両方に、ハウジングの取付用ボルトを収受するための方形の取付用穴160が設けられている。
【0031】
図3の左上側に示すのは、パネル28の端部に装着するために配置されている、例示的な下側ハウジング98の向きである。パネルおよびハウジングの取付用穴の方形の形状は、対応するワッシャとナットをそこに締め付けるときにボルトが回転しないように、断面が方形のシャンク部を備えるボルトに対応する。提供される側面パネル28および32の長さは中央側面パネル30の中央部が露出したままになるように企図されているため、下側ハウジング98用の側面パネル30の中央取付位置も常に利用できる。
【0032】
マウントアセンブリの取り付けのさらに詳細な図を、図3Aおよび図3Bに示している。図3Aは中央側面パネル30および42に対するマウントアセンブリの配置を図示する一方、図3Bは外側の側面パネル32および44に対するマウントアセンブリの配置を図示している。
【0033】
図3Aに図示するように、上側マウントハウジング96は側面パネル42の垂直壁に当てられて着座しており、脚部102は中間縁部168の間の上側スロット156に嵌まり込み、上側ハウジングは上側フレームの下まで延びている。下側マウントハウジング98は、切欠き144に整列している下側中央側面パネル30の垂直壁に当たって据えられており、ハウジングの上端は上側水平壁48の下になる。
【0034】
図3Bはさらに、上側ハウジングおよび下側ハウジングを収納する端部の側面パネルの構造を図示している。上側ハウジング96は、パネル44の平坦な端部158に当てて据えられている。下側ハウジング98は、下側側面端部パネル32の垂直壁に当てて据えられており、ハウジングの上端は同様に上側水平壁48の下になる。
【0035】
下側ハウジング98は、架台を屋根などの下部構造物に取り付ける手段のためのハウジングも提供する。図14に図示するように、下側フレームは、支持チューブ170状の一連の脚部によって下部の支持構造物に取り付けられている。チューブ170のそれぞれは、下側ハウジング98のU字形の中央部116(図12を参照)と、下側ハウジングを取り付けるパネルの垂直壁部46との間に形成される受け口に受けとめられるような寸法にされている。
【0036】
下側ハウジングは、好ましくは、11ゲージ材から形成される幅3インチ×深さ1.5インチのチューブにぴったりと嵌まるようなサイズにされている受け口を形成するような寸法とする。チューブは下側ハウジングの穴126と整列可能な方形穴172を有しているので、チューブを取付用ボルトによって下側ハウジングに固定させることができる。チューブは選択した穴を整列させることによって適切に垂直方向に調節してもよく、その全長は切断により、はじめに提供される長さから必要に応じて短縮することができる。チューブの長さは、取り付ける構造物の輪郭または傾斜に関係なく、架台を水平方向に取り付けて配向させるために他のチューブの長さに合わせて選ばれる。チューブ170は、典型的には、その下端で支持構造物の梁または他の実質的な構造エレメントに溶接される。
【0037】
架台とそれを取り付ける面との間に耐候シールを施すために、図1および図5に図示するように、下側フレームパネルは一連の添え木52を受けて支持するようになされている。これらの添え木は下側フレームパネルの上部の内部に、ネジ54によって取り付けられる。添え木は、架台の組み立てサイズによって要求される長さに切断して配置し、架台と屋根または他の取付面との間に耐水性の界面を作るように、雨押えおよび同様な他のものなどといった、屋根ふき材料を施してもよい面を提供してもよい。
【0038】
従来の架台は、地震の衝撃および発生モーメントに耐えるには装備が不十分である。したがって、図16Aおよび図16Bに図示するように、本発明は設備と架台との間に剛性で堅固な連結を提供する耐震マウントのために供せられる。
【0039】
図16Aは、上側ハウジング94に取り付ける直角構造の耐震ブラケット174を図示している。ねじ込みブッシュまたはナット176は水平プレート104に溶接して、ブラケットをボルト178によってハウジングに固定できるようにする。スロット180により、ハウジング上のブラケットの垂直位置を、その上面が架台上に取り付けられている設備の下面に接触して配置できるように位置づけられる。ブラケットはネジまたは同様な他の手段で設備に接合してもよい。
【0040】
図16Bは、上側フレーム14を採用しない場合の、支持される設備と係合させるための下側ハウジングへの同様なブラケット174の取り付けを図示している。図11に図示する、整列穴184’が設けられている中央部116の上側内面にナット184を溶接して、ブラケットをボルト178によってハウジングに固定させてもよい。この場合もスロット180により、ハウジング上のブラケットの垂直位置を、その上面が取付設備の下面に接触して配置できるように位置づけられる。
【0041】
上側および下側両方のフレームの側面および端面のそれぞれのパネルエレメントは、幅広い範囲の設備の設置面積に対応するように現場で容易に相互連結し、長さを調節してもよい。側面と端面は同様に互いに容易に接合されて、適切な寸法の剛性フレームを提供し、フレームはマウントアセンブリで相互連結される。非弾性マウントを望む場合は、上側フレームを取り付けなくてもよい。支持チューブは、架台を適切に整列させ、それを支持構造物にしっかりと固定させるように配向させ、下側マウントに締結する。取り付ける設備に関連するダクト配管の内部サポートも同様に、必要に応じて位置づけできる。全体をモジュラー構造にしたアプローチにより、従来の架台構造では不可能だった適応性を可能にする。
【0042】
当業者は、添付の請求項を参考にしてさらに評価されるべきである本発明の精神から逸脱することなく、本明細書で詳述した特定の実施形態の変更および変型が実現できることを認識するであろう。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
剛性フレームを形成するために相互連結される、対向する第1および第2の長さ調節可能なフレームの側面と、対向する長さ調節可能な第1および第2の端面とをそれぞれ有する上側フレームおよび下側フレームと、
前記上側フレームの前記側面および端面はその上に1台の設備を支持する上面を有しており、前記下側フレームは架台を支持面に取り付ける架台支持手段を有しており、
前記上側フレームを前記下側フレーム上で弾性的に支持する支持手段と、
を備える、調節可能な設備用架台。
【請求項2】
前記フレームの側面は中央パネルに摺動可能に相互連結されている第1および第2の端面パネルを備えることを特徴とする、請求項1の架台。
【請求項3】
前記フレームの端面は摺動可能に相互連結されている第1および第2のパネルを備えることを特徴とする、請求項1または2の架台。
【請求項4】
前記上側フレームの端面は、前記第2パネルに摺動可能に相互連結されている第3パネルを備えることを特徴とする、請求項3の架台。
【請求項5】
前記上側および下側フレームの側面の端部および中央パネルは垂直折返しを備え、断面がC字形であることを特徴とする、請求項2の架台。
【請求項6】
前記フレームの端面の前記パネルは垂直折返しを備え、断面がC字形であることを特徴とする、請求項4の架台。
【請求項7】
前記上側および下側フレームの側面を前記それぞれのフレームの端面に連結させるアングル部材をさらに備える、請求項1または2の架台。
【請求項8】
前記架台支持手段は、前記下側フレームに取り付けられる下側ハウジングと、前記上側フレームに取り付けられる上側ハウジングとを有する少なくとも1つのマウントアセンブリを備えることを特徴とする、請求項1または2の架台。
【請求項9】
複数のマウントアセンブリは前記架台の前記側面に沿って配置されることを特徴とする、請求項8の架台。
【請求項10】
前記支持手段は、前記架台の各側面に沿って取り付けられる3つのマウントアセンブリを備えており、前記マウントアセンブリのそれぞれが前記下側フレームの側面のそれぞれに取り付けられる下側ハウジングと、上側フレームの側面に取り付けられる対応する上側ハウジングとを備えることを特徴とする、請求項2の架台。
【請求項11】
前記支持手段は、前記上側ハウジングと前記下側ハウジングとの間にスプリングシステムをさらに含むことを特徴とする、請求項10の架台。
【請求項12】
少なくとも1つの下側ハウジングは下側フレームの側面端部に取り付けられて、前記下側フレームの側面を隣接する下側フレームの端面に相互連結させる手段を含むことを特徴とする、請求項10の架台。
【請求項13】
前記スプリングシステムはスプリング張力調節手段を含むことを特徴とする、請求項11の架台。
【請求項14】
剛性フレームを形成するために相互連結される、対向する第1および第2の長さ調節可能なフレームの側面と、対向する長さ調節可能な第1および第2の端面とを備えており、前記フレームの前記側面および端面のうちの少なくとも1つはその上に1台の設備を支持する上面を有し、前記フレームは架台を支持面に取り付ける架台支持手段を有する、調節可能な設備用架台。
【請求項15】
前記フレームの側面は中央パネルに摺動可能に相互連結されている第1および第2の端面パネルを備えることを特徴とする、請求項14の架台。
【請求項16】
前記フレームの端面は摺動可能に相互連結されている第1および第2のパネルを備えることを特徴とする、請求項14または15の架台。
【請求項17】
前記架台支持手段は前記下側フレームに取り付けられるハウジングを有する少なくとも1つのマウントアセンブリを備えることを特徴とする、請求項14の架台。
【請求項18】
少なくとも1つのハウジングがフレームの側面端部に取り付けられており、前記フレームの側面を隣接する下側フレームの端面に相互連結させる手段を含むことを特徴とする、請求項17の架台。
【請求項19】
前記架台支持手段は、前記ハウジング内で調節可能に位置づけ可能で、ハウジングから下方に延びている脚部をさらに備える、請求項17の架台。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16A】
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【図16B】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公表番号】特表2013−512355(P2013−512355A)
【公表日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−532227(P2012−532227)
【出願日】平成22年9月28日(2010.9.28)
【国際出願番号】PCT/US2010/050474
【国際公開番号】WO2011/041280
【国際公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【出願人】(512082495)
【出願人】(512082509)
【出願人】(512082510)
【出願人】(512082521)
【Fターム(参考)】